WOC Nursing(ウォック ナーシング) 発売日・バックナンバー

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2,200円
【特集】私たち(認定看護師)の工夫と実践 教えます!
変わりゆく ストーマ装具選択・管理の現場から

〈特集にあたって〉
 ストーマが造設されると排泄を自分でコントロールできなくなり失禁状態となります。排泄物によるトラブルを防ぎ,より快適に日常生活を過ごすために,ストーマ装具は欠かせないものです。ストーマ装具は,年々その性能が進化しており,ストーマ保有者のQOL向上に大きく寄与しているものと思われます。この先もストーマ装具がより進化することを期待しますが,現在すでに数1000種類以上あるそうです。ストーマ装具の種類が豊富となり,ストーマ保有者のQOL向上に,よりよい効果をもたらす一方で,装具の選択肢が増えるリスク,ストーマ装具選択の難しさの問題が現場でたびたびみられるようになりました。
 患者に適したストーマ装具を選択するには,私たちストーマケアを担う医療者の知識と技術,ストーマ装具の特徴をよく理解することが求められます。ストーマと腹部の状態をアセスメントし,ストーマ保有者の思いや希望を叶えられる装具選択ができるには,ストーマケアに対する知識・技術とともに経験も大切であると感じます。本特集では,各施設において装具選択および装具管理をどのように工夫しているのかを具体的に伝えること,お互いに情報を共有することで,これからのストーマケアの質の向上につなげていきたいと強く思います。
 ストーマケアの歴史をみると,皮膚保護剤の登場とともに急速にストーマケア用品は進化しました。最近では皮膚科学の考えをプラスした皮膚保護剤であるとか,下着のようにデザイン性があり,かつ面板がシワに追従する機能をもつもの,やわらかい凸面皮膚保護剤で,より腹部に追従しやすいもの,肌色ストーマ袋であるのに必要時にストーマを見ることが可能な窓つきのもの,凸面の深さのバリエーションが多くなったこと,交換回数が少ない安価な単品系装具の出現など,さまざまな希望に対応できるであろう種類の装具が発売されるようになってきました。決してまだ100%満足できるものではありませんが,エンドユーザーであるストーマ保有者の声をよく聴き,中間ユーザーである私たちストーマケアを担う医療者からの提言で,徐々に改善されつつあると思われます。
 今月号では,さまざまなストーマ保有者のQOL向上につながる,個々に適したストーマ装具の選択について,いくつかテーマごとにまとめてみます。皆さんの施設では,日ごろストーマ装具選択やストーマ装具管理は,どのように工夫していますか? 最近は,在院日数が短くなり,独居の高齢者や一時的ストーマ保有者が増えている背景もあり,限られた期間内での装具選択であるとか,病院の限られたスペース内でのストーマケア用品の管理であるとか,今まで以上に,タイムリーに個別性の高い対応が求められています。ストーマ装具選択とストーマ装具管理についての最新情報を,明日から皆さんが行うストーマケアで,少しでも参考にしていただけると大変嬉しく思います。

〈目次〉
1章 入院中の装具選択
2章 退院後の装具選択
3章 高齢者の装具選択
4章 ストーマ合併症がある場合の装具選択
5章 緩和ストーマ造設時の装具選択
6章 巨大ストーマ,非正円ストーマの装具選択
7章 ストーマ周囲に凹凸がある場合の装具選択~腸骨稜の骨突出部による凹凸に原因があった事例~
8章 がん終末期の装具選択
9章 放射線治療や抗がん剤治療中のケアと装具選択
10章 回腸ストーマの装具選択
11章 少ない在庫で種々のバージョン対応するために知っておこう!! アクセサリーの使い方
12章 手術件数から考えた院内でのストーマ装具管理











2,200円
【特集】在宅に注目! 無理をしない・させない褥瘡ケア

〈特集にあたって〉
 かつて“褥瘡は治らない”といわれてきました。高齢者の増加に伴い,寝たきりのお年寄りが褥瘡を患う機会が多くなってきました。褥瘡のメカニズムが徐々に解明され,“褥瘡は治る”ようになってきたのは遠い昔の話ではありません。そして現在は“褥瘡をつくらない,予防する”時代へ進化しています。しかしながら,日本において褥瘡の有病率はなかなか下がっていきません。高齢者の人口割合はますます増加し,病院以外で寝たきりの人の褥瘡が減っていないのです。
 平成26年度の診療報酬改定では“在宅でチームを作り褥瘡をケアする”ことを推奨しています。これからの褥瘡ケアは「在宅での褥瘡ケア」が重要なのです。しかし在宅の現場に介護の手はまだまだ足りません。少ない人数でたくさんのことを“こなしている”のが現状でしょう。それなら“効率よく”ケアを行わなければなりません。従来,病院や診療所で行われてきた“褥瘡対策をチームでケアして,褥瘡発生を予防していきましょう”という考えが,ようやく在宅に向けられはじめました。
 在宅の現場では,24時間365日,同じメンバー体制でケアを継続しなければなりません。そこに無理が生じてはケアの継続は困難になります。在宅での褥瘡ケアのポイントは“がんばりすぎない”ことです。けっして手を抜くことではありません。利用者に無理をさせない・家族そして医療者も無理をしない効率のよい褥瘡ケアが必要なのです。無理がなければ,そこに“ゆとり”が生まれます。心のゆとり,ケアのゆとりが,在宅ケアで大切な「安心・安全・安楽」の提供につながります。
 今回の特集では,どうすれば在宅での褥瘡ケアを効率よく行えるかを,いろいろな職種の立場から執筆していただきました。褥瘡は局所のケアも大切ですが,いろいろな方面からトータルにケアすることが治療・予防の近道です。在宅を知れば,褥瘡ケアの考え方も変わります。そして,もっと大きな高齢者の問題がみえてくるはずです。在宅でどのようなケアが必要なのか,また病院との連携はどうすればよいかなど,創傷ケア専門の読者の皆さまにとりまして,ちょっとした“隠し味”になれば幸いです。

〈目次〉
1章 これからの褥瘡ケアはこうなる
2章 在宅につなぐ褥瘡治療
3章 褥瘡ケアにおける在宅環境調整のポイント
4章 在宅ケアで活かせる褥瘡看護
5章 在宅での効率よい局所処置のために
6章 訪問看護における褥瘡ケアの秘訣
7章 皮膚・排泄ケア認定看護師の在宅訪問看護
8章 あきらめない在宅リハビリテーション
9章 介護職の褥瘡ケアへの関わり方
10章 褥瘡ケアの家族看護
11章 薬剤師の在宅介入で褥瘡はこう変わる
12章 在宅での栄養管理で褥瘡は改善する












2,200円
【特集】高齢者の褥瘡-今,私たちにできること-
企画編集/石川 治(群馬大学大学院医学系研究科 皮膚科学 教授,群馬大学理事(教育・国際交流担当),副学長)

〈特集にあたって〉
 本特集号「高齢者の褥瘡-今,私たちにできること-」は,医療の最前線で褥瘡医療に携わってきた方々に執筆していただきました。読んでいただければ納得されると思いますが,執筆者の共通点は,知識から経験(実践)へ,そして経験(実践)から知識へと,常に往還しながら知識と技術を高めているということです。私は,常々教室の若手医師に「結果には必ず原因がある」,それを考えて対処するのが医師の仕事だと言っています。また,「成功例よりも失敗例から学ぶことが多い。なぜ,失敗したのかを考えよう」とも言っています。両者に共通する点は「考える」ことです。「考える」ことで進歩が生まれます。医学・医療に限ったことではありませんが,日々の活動の中で生まれる小さな疑問が進歩をもたらしてきたのです。
 人間を含むあらゆる生命体は誕生の瞬間から死へ向かって歩みはじめます。その過程で起こる老化は不可避です。不老不死を願った歴史上の人物はたくさんいますが,自然の摂理を超越できた者はいません。病は虫歯や風邪のような軽いものから,癌や心筋梗塞などのように生命に直結する重篤なものまで,さまざまです。いくら予防に万全を期しても病からは逃れられないでしょう。つまり,ヒトとして生を受けた限りにおいては何人たりといえども「老病死」は避けられません。褥瘡も「老病」の表現型の1つといえます。
 仏教は,人間がこの世で避けられない4つの苦しみとして「老病死」に「生」を加え,「生老病死(四苦)」としています。仏教が「生」,すなわち「生きていくこと」を苦としていることは注目すべきです。運動などで肉体的に「苦しい」と感じるときは別にして,日々,精神的に「苦しい」と感じることは誰にでもあるでしょう。「なぜ,自分だけがこんなに苦しく,辛い思いをしなければならないのか?」と思うことはありませんか。この苦しみは,自分を他人と比較することから生まれるのだと思います。言い換えると,「幸せ」についての自分自身の物差しを持っていないから生まれる感情です。「上を見たら限がない。下を見ても限がない」という言葉がありますが,この言葉自体が他人との比較を利用して,自分を楽にさせようとする自己欺瞞です。大切なことは,他人の評価に一喜一憂することなく,自分自身の現在に「幸せ」を感じることができるような価値観(尺度)を持つことです。そして,「幸せ」を感じることができる底流には,「自分が必要とされ,期待される役割を果たすことができている」という意識が必ず存在しているはずです。
 「必要とされ,果たすべき役割を果たせている」という実感が幸福感と表裏一体にあることは人生全般にわたっていえることですが,褥瘡のチーム医療にも当てはまります。褥瘡医療を担っていく中で,各職種(1人1人が)が「必要とされ,果たすべき役割を果たしている」と実感できていることがチームを有機的に機能させる秘訣だと思います。

石川 治
群馬大学大学院医学系研究科 皮膚科学 教授,群馬大学理事(教育・国際交流担当),副学長

〈目次〉
1. 加齢に伴う皮膚の構造と機能の変化
2. 高齢者褥瘡の特徴
3. 在宅における高齢者褥瘡の予防とポイント
4. 高齢者褥瘡の保存的治療の基本戦略
5. 褥瘡の創面評価のポイント
6. 外用薬と被覆材の使い分け
7. 高齢者褥瘡の外科的治療の適応と基本戦略
8. 在宅高齢者褥瘡のチームワーク医療
9. 医療関連機器によるpressure injury
10. 緊急対処を要する褥瘡
11. 褥瘡と鑑別すべき疾患
12. 褥瘡医療の過去・現在・未来











2,200円
【特集】これはわかる!実践!ストーマ装具の選択
企画編集/石澤美保子

〈特集にあたって〉
 ストーマケアを考えるとき,身体的,心理的,社会的側面をとらえて全人的な視点で看護をしなければならないことは当然ですが,身体的側面においてまず重要なことは,適切なストーマ装具の選択です。ストーマ造設術後に実施される局所管理の第一歩として,ストーマ装具選択があるのです。なぜ重要かというと,それはいうまでもなく適切な装具が使用されていないと,排泄物の漏れによって社会生活が損なわれ,ストーマ粘膜や周囲皮膚の障害が発生し新たな疾患が生じてしまうからです。このことは,ストーマケアに携わる者であれば当然わかっていることで,そのために日進月歩のストーマ装具についての知識習得に努力を続けています。
 このような臨床現場のニーズもあり,ストーマ装具選択に関する書物は今までにもたくさん出版されています。またこれまでは,ストーマ装具選択に関してエビデンスはほとんどない状況であったものが,最近では日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌に量的研究の結果などを合わせた報告がなされるようになってきています。
 現在,日本国内で入手できるストーマ装具数は300を超え,規格違い(サイズ・色)も合わせると1000をはるかに超えている現状から,ストーマ装具の一つずつをとらえて適応になるケースはこれだという理解の仕方はしません。ケースを集約して共通項目を見出し,その共通項目に対応できる装具はこの範囲である,という考え方が短時間で装具選択を習得する近道でもあります。むろんなかにはこの装具はこのケースを管理するためにある,といった特徴的なものもありますが,それは経験を重ねていくなかで身についていくと思われます。
 本特集では,ストーマ装具選択に関することを網羅的に示す内容ではなく,読んでいただいた方が「ストーマ装具選択には,まずこのポイントをおさえることができればよいのだ」と理解していただける内容,また後輩などを指導する立場にある看護師の方であれば,どのポイントで指導すると伝わりやすいのかのヒントになる内容を目指しました。「実践!ストーマ装具の選択」というテーマに沿って,「基本編」として装具とアクセサリーについての一般的知識,装具を選択するための最低限必要なポイントを解説し,手術直後から退院まで,そして比較的頻度の高い各種合併症をまとめました。また「応用編」として,手術後何年も経過して管理が安定していると思っている患者さんであっても,看護師が装具選択に悩む可能性の高い項目について取り上げました。6名の臨床現場でご活躍されているご専門の先生方から,事例を提示しながらポイントをわかりやすくまとめていただきました。皆様の明日からのストーマ装具選択の一助になれば幸いです。

石澤美保子
奈良県立医科大学 医学部 看護学科 教授,ET/皮膚・排泄ケア認定看護師

〈目次〉
〔基本編〕
1. 装具の基本,アクセサリーの基本ー形と皮膚保護剤の性質ー
2. 装具を選択するために最低限必要なポイント
3. 手術直後のストーマ装具選択のポイント
4. 手術直後からセルフケア開始時の装具選択のポイント
5. いよいよ退院!装具選択はこれでよいのか?のチェックポイント
6. 緊急手術で造設されたストーマの装具選択のポイント
7. ストーマ早期合併症時の装具選択のポイント
8. ストーマ晩期合併症時の装具選択のポイント

〔応用編〕
1. ストーマ周囲皮膚にしわ・くぼみがあるときの装具・アクセサリー選択のポイント
2. 凸面装具の選び方のポイントー体重が増えてストーマの高さがなくなったと言われたらー
3. ストーマ周囲皮膚炎発生時の装具選択のポイントー皮膚がかぶれたと言われたらー
4. トピックス:ABCD-Stomaの使用方法について



2,200円
【特集】高齢者のかゆみ-見逃しで痛い眼にあう前に-
企画編集/石井則久

〈特集にあたって〉
 今回は「高齢者」,「皮膚」,「かゆみ」をキーワードに特集を組みました。
 高齢者の皮膚は乾燥が目立ちます。高齢者の皮膚はどうなっているのかを解剖学や生理学の面からきちんと理解したいと思います。そのうえで,なぜ高齢になるに従って皮膚の乾燥が目立ち,皺が多くなり,いろいろなシミ・斑点ができるのかも理解したいものです。高齢者の皮膚には,いろいろな変化が起こってきます。それらが病的なものか正常範囲内のものか,病名がついているのか,治療が必要なのか,興味深いものです。いや,大いに心配です。皮膚に変化が起こっている部位(皮疹部)にテープを貼ってよいのか,その部位から出血した場合の対処法はどうするのでしょうか。これらの皮膚の変化や,高齢者を皮膚科医はどのように診療しているのか,外来,病院,往診などでの皮膚科医の「見どころ」,「見立て」にも注目したいと思います。往診カバンの中身をのぞかせていただけると,皮膚,皮膚科医への興味・信頼度も高まるかもしれません。
 以上の理解のもと,高齢者のかゆみ対策をまず医療面からみていきたいと思います。医師はかゆみをどのように患者から聴き出し,診断し,治療を選択し,患者に説明するのでしょうか。一方,日常のスキンケアで皮膚を美しく保つことも私たちは知っていますが,実際のケアについて理解を深めたいと思います。このことがかゆみ対策にもつながっていくかもしれません。さらに寝たきりの方のスキンケアも大切です。体位交換のとき,寝具・寝間着交換のときに行えるスキンケアがあるかもしれませんので,その極意を聞きたいものです。
 ここで乾皮症あるいは乾燥肌への実際の対処を,薬・スキンケア製品などでの対応でどこまで改善できるのかをビジュアルでみたいと思います。高齢者での陰部ケアやオムツかぶれにはいつも悩まされますので,この点も,治療とともに予防について理解を深めていきたいと思います。
 ここでテーマを大きく変え,今,高齢者が多く集まる施設で流行が拡がっているヒゼンダニが原因である疥癬(かいせん)を取り上げます。疥癬を疑うこと,パニック対策です。多くの施設で,一度ならず複数回パニックを経験しているのではないでしょうか。なぜ,疥癬は見抜けなかったのか,あのとき,行動を起こしていれば流行につながらなかったのではないか。そう反省している方も多いと思います。ここでは最新の情報も取り入れて解説していただきます。また,2015年に日本皮膚科学会から公表される『疥癬診療ガイドライン(第3版)』の進捗状況も盛り込まれています。
 最後に,食事と皮膚との関係を調べました。食事で本当に皮膚が「元気」になるのでしょうか。単に免疫力が向上するだけなのでしょうか。できるだけ根拠のある論調で解説していただきました。
 今回の特集で,皮膚を清潔で若々しく保ち,毎日のスキンケアで,疥癬の流行に遭わない注意ができれば,「痛い眼にあう」ことはないと確信しています。

石井則久
国立感染症研究所ハンセン病研究センター センター長

〈目次〉
1章 高齢者の皮膚の解剖・生理,とくにかゆみについて
2章 小さな皮膚変化:老人の皮膚病への対応/衛藤 光
3章 皮膚科医は高齢者の何に注目して診察するか-外来,往診,施設-
4章 高齢者のかゆみ対策:治療薬,OTCを含めて
5章 高齢者の日常のスキンケア-石けん,シャンプー,風呂など-
6章 寝たきり高齢者のスキンケア
7章 乾皮症,皮脂欠乏性皮膚炎-病態と診断・治療-
8章 高齢者の失禁に伴う皮膚障害のスキンケア
9章 忘れるな疥癬
10章 疥癬パニックを防ごう
11章 食事と皮膚(高齢者の衣食住と皮膚)










2,200円
【特集】
傷あとがキレイに治る!ドレッシング材
-注目の創傷被覆材を用いた難治性皮膚潰瘍・褥瘡の治療-
企画編集/前川武雄

〈特集にあたって〉
 創傷治療におけるドレッシング治療の歴史は古く,紀元前の時代から人類は傷を覆うためにさまざまな工夫を凝らしてきました。抗生物質の発見以前は,創傷からの細菌感染により敗血症を引き起こす症例はめずらしくなく,感染の防御が創傷治癒に最も重要とされてきました。感染防御の手段として,傷を消毒してガーゼドレッシングで乾燥させることがほんの十数年前まで標準的な治療として行われてきたのです。近年,滲出液を適正にコントロールし,傷を湿潤環境に保つ「moist wound healing」の概念が確立し,従来の傷を乾燥させて治すという考え方を180 度転換させました。現在では「wound bed preparation」とともに,創傷治癒の基本的な概念として確立されており,その実践的な指針としてTIMEの概念が提唱されています。創傷治療を行ううえで,これらの概念に基づいた製材の選択をしなければ,いかなる外用剤やドレッシング材を用いても,その効果は十分に発揮されません。また,一言で傷といってもその状態は千差万別です。褥瘡,熱傷,糖尿病性潰瘍,膠原病や血管炎による潰瘍など疾患による違い,部位による違い,傷の深さ,滲出液の量,壊死組織の有無など,評価すべき項目はたくさんあります。これらの評価が不十分なままに,局所治療だけにとらわれてしまうと思わぬ落とし穴に落ちてしまうことがあります。たとえば,褥瘡であればポジショニングや栄養管理,糖尿病であれば血糖コントロール,これらが不十分なまま局所治療だけをどれだけ頑張っても傷は治りません。外用剤やドレッシング材の特性を知る前に,まずは正しく傷を評価し,全身的な治療方針を立て,そのうえで局所治療として適切な製材を選択することが重要となります。
 一方で,最近のドレッシング材の発展は目覚ましく,毎年のように新しい製品・製材が登場しており,現在その数は数十種類にも及びます。では,すべての傷に万能なドレッシング材というものが開発されたのでしょうか? 残念ながら,まだそのような製品は開発されていません。どのドレッシング材にも利点があれば欠点もあるのです。すなわち,各ドレッシング材の特性を理解したうえで,傷の状態に合わせたコーディネートが必要不可欠であり,そこが看護師(WOCN)の皆様の腕の見せ所となるのです。
 本特集号では,創傷治療を専門とする先生方に,創傷の状態に応じたドレッシング材の選択方法をわかりやすく解説いただきました。無数にあるドレッシング材をすべて使えるようになる必要はありませんが,治療の選択肢が増えれば,それだけ診療の幅は大きく広がります。看護師(WOCN)の皆様が創傷治療を行っていくうえで,治療方法に悩む場面は多数あるでしょう。そんなとき,本特集号がドレッシング材をはじめとした治療方針を立てるうえでの一助になれば幸いです。

前川武雄
自治医科大学 皮膚科学講座 講師

〈目次〉
1. 創傷治療におけるTIMEの概念
2. 各ドレッシング材の特性と使い分け
3. 創傷の深さに応じたドレッシング材の使い方
4. 滲出液の量に応じたドレッシング材の使い方
5. 感染制御を目的としたドレッシング材の使い方
6. 壊死組織や不良肉芽に対するドレッシング材の使い方
7. 疼痛の強い創傷に対するドレッシング材の使い方
8. 肛門周囲や関節部位に対するドレッシング材の使い方
9. 脆弱な皮膚に対するドレッシング材の使い方
10. 褥瘡における外用剤とドレッシング材の使い分け
11. 局所陰圧閉鎖療法の理論と実際
12. ドレッシング材による創傷治療のまとめ
2,200円
【特集】適切なトリアージと処置に活かす 足病変の診断とフットケアの実際
企画編集/小林修三

〈特集にあたって〉
 看護師(WOC)の皆さんは,褥瘡を管理する立場から皮膚疾患の対処に慣れていることは当然かもしれません。しかし,足病変は,WOCナースが得意とする潰瘍病変以外にも,下肢特有の皮膚・爪病変や虚血性疾患,静脈疾患・リンパ浮腫疾患などさまざまな病変があり,神経疾患・循環器疾患(虚血病変)・整形外科疾患・皮膚科疾患などを包括するもので,海外では「足病学」として独立した評価・治療体系があるほどです。しかし,残念ながら日本ではpodiatristと呼ばれる専門職は存在しないため,足の症状を持ちながら受診できずに困っている患者が多く存在します。
 また,生活習慣病による動脈硬化性病変は高齢化社会における重要な問題で,虚血性心疾患や脳卒中については関心度が高いですが,同じ心血管疾患でありながら末梢動脈疾患(重症下肢虚血)についてはあまり注目されていないのが現状です。しかし末梢動脈疾患は重症下肢虚血に至ると予後はきわめて不良で,下肢大切断後の患者の1年生存率は50%ともいわれています。そのため重症下肢虚血肢を認めた場合,「足に心筋梗塞が発症した」と認識し,早期の虚血解除と創傷治癒を開始しなければならず,常に虚血の存在には注意を払う必要があります。虚血性の潰瘍病変は局所治療のみでは改善しない難治性潰瘍の原因ともなっており,WOCナースが褥瘡治療との相違を痛感することの多い病変でもあります。
 そこで今回の特集企画は,それぞれの足病変について,病態の基礎から診断に至るまでの評価方法,そして臨床現場で役立つフットケアの実際までをできるだけわかりやすく解説し,足病変で悩む患者に対して,最前線に立つ看護師が適切にトリアージし処置できるように意図したものとなっています。そして虚血性足病変の評価には虚血の有無はきわめて重要であること,そしてもう1つの重要な病態である糖尿病性神経障害についても詳しく説明していきたいと考えています。それから,創傷治癒に共通な問題としての感染・栄養管理の他,疼痛管理やリハビリについても取り上げましたので,参考になれば幸いです。

小林修三
湘南鎌倉総合病院 副院長/腎臓病総合医療センター長/内科統括部長,日本フットケア学会理事長


〈目次〉
1章 総論:足病変の初期観察ポイント・評価
2章 皮膚病変(胼胝,鶏眼,角化,足白癬)の診断とフットケア
3章 爪病変(爪変形,陥入爪,爪白癬)の診断とフットケア
4章 糖尿病性足病変の診断とフットケア
5章 下肢の血流評価に必要な検査と予防的フットケア
6章 重症下肢虚血に対する集学的治療
7章 下肢潰瘍,壊疽の創傷管理(創傷被覆材と陰圧療法)
8章 下肢感染症の評価と栄養管理
9章 リンパ浮腫に対する診断とフットケア
10章 静脈うっ滞性皮膚炎に対する診断とフットケア
11章 下肢疼痛の管理ー糖尿病性有痛性神経障害と虚血性下肢痛の管理ー
12章 下肢のフットケア,フットウェア,リハビリ











【特集】
在宅で考える,褥瘡治療の基本と実際
企画編集/美濃良夫

〈特集にあたって〉
現在わが国では,褥瘡に限らず医療を必要とする患者さんは,病院から在宅にシフトしつつあります。そのため在宅療養に移行する制度が次々と設けられています。在宅に関する医療,看護,介護の環境も少しずつ整備されてきています。
 法や制度だけではなく,日本褥瘡学会をはじめとして多くの学会や団体においても在宅支援の対策が次々と設けられ,盛んに活動が行われています。
 療養環境に目を向けてみますと,病院や施設では比較的整っていますが,在宅においては病院や施設ほど整っていないことが多々あります。
 褥瘡の発生要因には,個体要因と環境・ケア要因がありますが,在宅の場合は,環境・ケア要因は各家庭により大きく異なるため,それぞれの家庭の事情に応じたオーダーメイドケアが求められます。ケースの数だけパターンがあります。在宅に限らず,科学的根拠に基づいた基本や原則を踏襲した上での個別に対応したケアこそが,褥瘡ケアの原点なのかもしれません。
 在宅における褥瘡のオーダーメイドケアを行うためには,様々な障害もありますが,どのようなことに気をつければよいのか,実際に在宅の現場で取り組んでいる人たちはどのような努力や工夫を行っているのか,またどのようなことに苦労しているのか,在宅でできる治療とできない治療等々,知りたいことや知っておきたいことは数多くあります。
 また,実際にできることをご本人,ご家族,他職種とコミュニケーションをとりながら選択し,連携して行っていくことが,より重要となります。
 スキンケア,失禁管理,体圧分散の工夫,福祉用具,車椅子,栄養管理,患者や家族との関わり方,治療,制度など広い範囲にわたり,在宅ケアならではの問題を焦点に,各方面で実際に関わっていらっしゃる方々,私自身が多くのことを学ばせていただいた方々に解説していただきました。
 在宅ケアに関わっていらっしゃる方々や,これから在宅ケアに関わることを考えていらっしゃる方々だけではなく,病院や施設に勤務しておられる方々にとっても,地域連携を行っていく上で必要な知識であると思います。

美濃良夫
阪和住吉総合病院 副院長

〈目次〉
1章 在宅看護における家族・ヘルパー・医師との連携
2章 在宅における失禁管理とスキンケア
3章 在宅・褥瘡予防の実際~WOCナース実践記~
4章 実践 全人的看護~WOCナース実践記~
5章 在宅褥瘡治療における薬剤やドレッシング材の使い分け
6章 在宅における褥瘡治療~外せないポイント~
7章 褥瘡の発生因子と福祉用具の活用による予防~在宅褥瘡看護~
8章 褥瘡予防と再発防止に不可欠なシーティングの考え方
~適切な車椅子での座位姿勢とクッションを提供するために~
9章 体圧分散とポジショニング
10章 平成26年度診療報酬改定に係るポイントの解説
11章 褥瘡の栄養管理の基本
12章 在宅における栄養管理の実際











2,200円
【特集】
ギモン解決!褥瘡が治るしくみ、治らない理由
企画編集/小浦場祥夫


〈特集にあたって〉
「自分がキズになったつもりで,何を塗られたら一番気持ちよさそうか考えればいいんじゃないかな」
 大浦武彦先生が教授をされていた北海道大学形成外科に所属していた私は,当時医局内で創傷の保存的治療のスペシャリストといわれていたある先生のもとで研修を受けていた。あるとき,その先生が通常その状態の創には絶対外用しないような軟膏を選択したのを見て,どうしてそれを選んだのですか?と聞いた際の答えが冒頭の文章である。今から20年近く前の話。
 褥瘡は実に個性的だ。どれ一つとして同じキズはなく,患者さんはもちろん,取り巻く環境も実にさまざま。画一的なケアを行うものにとってはそのバリエーションが悩みの種となるが,「キズの気持ち」になろうと思う者にとってはその個性を理解し,うまく付き合うことこそが最大の楽しみとなる。
 教科書は性格上,エビデンス,ガイドラインに沿った科学的な内容が中心となる。これは致し方ない。しかしエビデンスレベルの低いスタディ,エキスパートオピニオンのなかには,褥瘡の個性を理解するのに大いに役立つ知識が少なくない。時代の流れとともに出てくる新たな問題・課題に関しては,最初はエビデンスなど存在しない。そもそも個性的な“個”と付き合う際に重要なのは,エビデンスよりも“個”を深く知ろうと思う意識,褥瘡でいえば「キズの気持ち」を知りたいと思う気持ちなのだ。
 今回の特集では雑誌という性格を生かし,教科書には載せにくい,でも褥瘡と楽しく付き合うにはぜひ知ってほしいという話題を中心に,私がとくに気になる話題,改めて知っておいてほしい話題,褥瘡との付き合いを楽しくするための斬新なアイデアを集めた。執筆陣には私が自信を持って推薦できる臨床のエキスパートが勢ぞろいし,嬉しいかぎりである。「栄養」「足の褥瘡」に関しては,最近本誌で特集号が組まれているのでそちらをご参照いただきたい。はじめから真面目に読む必要はない。まず手に取り,気になる話題から読み始めていただきたい。必ず「なるほど!」と思う内容と出会えるはず。

小浦場祥夫(こうらば さちお)
さっぽろキズケア・アンチエイジング研究所 所長

〈目次〉
【特集】
1章 褥瘡の創傷治癒のしくみ
2章 脆弱な皮膚の管理と褥瘡予防・治療
3章 座りきり褥瘡の予防・治療
4章 在宅での褥瘡管理
5章 褥瘡治療に必要なポジショニングの知識・テクニック
6章 末梢神経障害による難治性褥瘡とその対策
7章 慢性化した褥瘡ポケットに対する切開術
8章 ターミナル期における褥瘡の予防と発生時のケア
9章 褥瘡のプロファイリング
10章 ドラッカーに学ぶ,褥瘡の“マネジメント”
11章 実は褥瘡じゃない!~褥瘡との鑑別が必要な皮膚疾患~
2,200円
【特集】
高齢者排尿障害のアセスメントと対処~適切な排尿ケアの普及・啓発のために~
企画編集/後藤百万

1章 高齢者排尿ケアの現状 後藤百万
2章 高齢者排尿障害の病態と症状 吉田正貴
3章 排尿日誌,残尿測定による排尿アセスメント 谷口珠実
4章 適切なおむつ選択と使用法 渡邉順子
5章 清潔間欠(自己)導尿の適応と指導法 田中純子
6章 尿道カテーテル留置・経皮膀胱瘻の適応と管理 馬場真子
7章 高齢者排尿ケアにおける飲水指導の重要性 岡村菊夫
8章 高齢者排尿障害の薬物治療 横山 仁・石塚 修
9章 転倒と排尿障害 平松知子・正源寺美穂
10章 病院から在宅へ:地域における排尿ケア 永坂和子
2,200円
【特集】
創傷の予防と治癒のための栄養療法
企画編集/東口高志

1章 代謝栄養学からみた創傷治癒過程-健常者 市岡 滋
2章 低栄養と創傷治癒 鈴木理央・大浦紀彦
3章 創傷治癒における蛋白代謝の重要性 飯島正平
4章 創傷治癒における糖代謝のかかわり~高血糖による諸問題~ 寺島秀夫
5章 創傷治癒と脂質代謝 二村昭彦 ほか
6章 微量栄養素と創傷治癒 田中芳明 ほか
7章 創傷ケアにおける周術期栄養管理の役割 小山 諭 ほか
8章 褥瘡患者における栄養管理~褥瘡発生と栄養管理との関係~ 足立香代子
9章 熱傷に対する栄養管理 佐藤格夫 ほか
10章 糖尿病に伴う難治性潰瘍の栄養療法 寺師浩人
11章 がん患者の創傷ケアにおける栄養療法 西口幸雄
12章 代謝栄養学を駆使した創傷予防と治癒促進の試み 大原寛之 ほか
2,200円
【特集】
がん患者のW・O・Cケア~躍動する皮膚・排泄ケア~
企画編集/青木和惠

1.がん患者の“Dynamic W・O・Cケア 2014”~躍動する皮膚・排泄ケア~/青木和惠
2.がん化学療法による皮膚障害~分子標的抗がん剤(EGFR阻害薬)を中心に~/清原祥夫
3.がん化学療法による皮膚障害コントロールのためのセルフケア支援/ 小又美重子
4.放射線性皮膚炎とその対応/遠藤貴子
5.直腸切除・切断術によるストーマのケア/工藤礼子
6.膀胱全摘術の尿路変更(回腸導管,新膀胱)のケア/安達淑子
7.前立腺がん術後の尿失禁ケア/谷口珠実
8.皮膚GVHDのケア/赤川順子
9.皮膚に表出したがん性創傷のケア/森岡直子
10.がん終末期の褥瘡ケア/北川智美
11.がん終末期のストーマ・瘻孔ケア/大川瑞江
2,200円
【特集】
足の褥瘡を識る~ケアの対応を見極める~
企画編集/寺師浩人

1章 足の褥瘡ケアに必要な下肢の局所解剖 上村哲司
2章 足部の創傷に必要な動脈の血流アセスメント 白記達也・飯田 修
3章 踵部褥瘡の局所徐圧方法 丹波光子
4章 踵部褥瘡の局所治療(手術療法を含む) 大浦紀彦ほか
5章 腓骨部褥瘡の局所徐圧方法 松岡美木
6章 糖尿病性足病変の診断のための神経学的アセスメント 安田 斎
7章 糖尿病性足病変による足部変形について 菊池 守
8章 糖尿病性足病変による足底胼胝下潰瘍のケア 藤井美樹ほか
9章 二分脊椎症患者に生じる足の褥瘡について 辻 依子
10章 除圧のためのフットウェア製作 大平吉夫
11章 DVT予防のための弾性ストッキングによる圧迫創対策 松本衣代ほか
2,200円
【特集】
特殊ユニット,他のチーム医療から考える褥瘡ケア
企画編集/大浦紀彦

1章 緩和ケア病棟における褥瘡ケア 祖父江正代
2章 手術室 大浦紀彦
3章 クリティカルケア 志村知子・村上正洋
4章 麻痺,拘縮のある患者の褥瘡ケア~脳卒中病棟~ 杉元雅晴・前重伯壮
5章 脊髄損傷者の褥瘡対応~リハビリテーション病院~ 廣瀬秀行
6章 小児専門病院 鎌田直子
7章 在宅:新制度活用の現状と課題 後藤茂美
8章 NSTの見地からみた褥瘡 丹波光子
9章 ICTの観点から考える褥瘡対策チームが注意すべきことがら~ 古谷直子
10章 褥瘡対策チームのなかでの特定看護師の可能性 竹之内美樹・溝上祐子
11章 チーム医療を推進する看護者としての取り組み 間宮直子
2,075円
【特集】
どんなストーマが,よいストーマ?!
企画編集/穴澤貞夫

序章 ストーマは,単純にして複雑な人工構造物 穴澤貞夫
1章 管理困難なストーマとはどのようなストーマか 竹島久美子
2章 早期合併症とストーマ管理困難 大垣聡子・玉城洋子
3章 晩期合併症とストーマ管理困難 松浦信子
4章 ストーマ管理困難がオストメイトの日常生活や心理に及ぼす影響 梶原睦子
5章 よいストーマ造設のためのストーマ手術創デザイン 山田陽子 ほか
6章 管理に適したストーマの造設手術 板橋道朗 ほか
7章 ストーマ術直後管理 梶原睦子
8章 適正なストーマ装具はどのように選択されるのだろうか 熊谷英子
9章 漏れの判定と耐久時間 大村裕子
10章 ストーマケア評価ツールである「ストーマ管理度」 江川安紀子
11章 皮膚障害-ストーマ管理評価の指標としての意義 大村裕子
結びに ストーマケアのDynamism 青木和惠
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商品情報・内容

  • 出版社:医学出版
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月20日

■ 毎号が保存版!一歩進んだケアを提供するためのWOC(創傷・オストミー・失禁)予防・治療・ケアの初のWOCケア専門誌

創傷・オストミー・失禁の管理・治療や予防のために、医師、看護師、栄養師、理学療法士など多職種が関わるなか、それぞれの立場で専門性を高めることに加えて、膨大な情報をシンプルに共有していくことが、喫緊に求められています。本誌は豊富なイラストや写真を通じてビジュアルな理解を促進。創傷ケア・ストーマケア・失禁ケアに携わる人が本当に知りたいスキル・知識・情報をお手元にお届けします。

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