WOC Nursing(ウォック ナーシング) 発売日・バックナンバー

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2,200円
【特集】圧とずれからみた褥瘡の治療・ケア~徹底した圧とずれの排除を考える~
企画編集/大浦武彦

〈特集にあたって〉
 褥瘡は,圧とずれの負荷によって,一定時間虚血が起きたときに発生します。これを受けて褥瘡発生要因が種々考えられていますが,このなかで最も大きなインパクトファクターは圧とずれであることを強調したいと思います。ところが最近,これらの事実が軽視されていることが多く,とくに栄養関係と薬剤関係の方に多いため,この機会に警告を発したいと思います。
 いくら健康で栄養状態がよい人でも,意識を失い硬い床に3~4時間倒れていたら,褥瘡の発生は必須です。栄養を補給して,また,薬剤を適切に使って褥瘡がよくなりつつある患者であっても,圧とずれが一晩負荷されたら,ひとたまりもなく褥瘡は悪化します。たしかに太った人と痩せた人とに褥瘡発生の程度に差はできるでしょうが,褥瘡の発生自体は避けることができません。薬剤においても“然り”です。褥瘡の治療・ケアの基本は圧とずれの排除であり,これらインフラが整備され,さらに介護体制が整ってはじめて,栄養供給や薬剤の効果が表れます。
 栄養や薬剤は大切であり,おろそかにできませんが,大前提である圧とずれの排除を抜かして,あるいは無視したままで,栄養や薬剤だけで褥瘡が治癒するという主張はすべきでありません。最近若い人たちは,栄養を十分供給すれば褥瘡は治る,また薬剤だけで治る,と思ってしまって,最も重要な除圧やずれの予防に力を入れなくなってきているのが問題です。とくに圧とずれの排除がいまだ完全に整備されていない施設や長期療養型病院において,重点項目の順番を間違えてしまっている施設が多くなっています。この結果,圧とずれの排除がおろそかになり,褥瘡が治らず,悪化を繰り返すという悪い環境が続いています。
 施設であれ病院であれ,まず第一に考えることは,圧とずれの徹底した排除です。このためには,適切なマットレスの選択と適切な供給,適切なリフトの使用,ポジショニング枕,ポジショニング手袋やスライディングシーツなど介護用品の整備が必要です。これらを使用することにより,褥瘡を悪化させない体位変換をすべきです。これらが整備されてはじめて,栄養の供給や薬剤の効果も発揮しはじめます。
 今回WOC Nursingの企画にあたって初心に立ち返り,「圧とずれからみた褥瘡の治療」というテーマのもとに,圧とずれがどれほど褥瘡の治療に影響を及ぼしているかを解明したいと考えています。新しい試みとして,項目ごとに,圧とずれからみた基本的な考えとエビデンスを述べるパートと,それらを臨床応用して得られた臨床経験を述べるパートを分けて,はっきりと圧とずれの排除の大切さを認識していただきたいと考えています。

大浦武彦
医療法人社団廣仁会 褥瘡・創傷治癒研究所 所長

〈目次〉
Ⅰ. 褥瘡発生メカニズム
1章 生体力学からみた褥瘡発生
2章 臨床実践~圧とずれによる創の変化~

Ⅱ. 日本人の褥瘡危険要因とOHスケール
1章 OHスケールの歴史(開発の経緯)と新しい用い方の概要
2章 臨床実践

Ⅲ. 身体移動と褥瘡発生・悪化予防
1章 褥瘡予防のための姿勢管理や動作のサポートにおける基本的な考えと普及
2章 臨床実践

Ⅳ. 自動体位変換機能付きエアマットレス
1章 <体位変換マットレスの基本的考え方と実験結果>体位変換付き高機能エアマットレスに要求されること
2章 臨床実践

Ⅴ. おむつ交換の際の身体の移動方法が褥瘡を悪化させる
1章 <基本的な考え方とエビデンス>おむつ交換頻度削減と肌トラブル予防
2章 臨床実践~おむつ交換の臨床~-失禁による皮膚障害を起こさないおむつ交換の実際-

Ⅵ. 圧とずれを考えた予防的ドレッシング
1章 実験的・臨床的データから解説する
2章 臨床実践-ネクサバール使用に伴い発症する手足皮膚反応(HFS)に対するリモイスR パッドの有用性に関する検討-

Ⅶ.体位変換の質を考える
1章 時間ごとの体位変換が起こす褥瘡発生と悪化-体位変換の改革と新しい体位変換-
2章 臨床実践“改善に向けて”-介助グローブの使用-
2,200円
【特集】足を救うためのチーム医療
企画編集/上村哲司(佐賀大学医学部附属病院 形成外科 診療教授)

〈特集にあたって〉
 Limb Salvage;足を救うためには,全身管理から,局所管理である創傷ケア,潰瘍の治療,感染のコントロールやメンタルケアなどのさまざまな治療が必要です。その治療に関与する診療科医師は,血管外科,循環器内科のみならず,糖尿病内科,形成外科,整形外科,神経内科,皮膚科,感染対策部門,麻酔科,精神科など多岐にわたり,その医師たちとの橋渡しをする役割として,看護師や理学療法士,装具士を含めたチーム医療による集学的なアプローチが必要です。
 糖尿病や下肢虚血に伴う足病変しかり,がん治療の続発疾患であるリンパ浮腫も,上肢より下肢が,より治療に難渋します。
 本特集では,下肢を救うためのチーム医療に焦点を絞ることにしました。看護師が行うさまざまな外来に関して,実践の現場でご活躍されている経験豊富な6 人の看護師に,創傷外来の役割,フットケア外来の役割,糖尿病内科外来の役割,透析中の役割,看護師の在宅連携,リンパ浮腫外来,についてわかりやすく解説していただきます。
 また,重症下肢虚血に対する血管治療;カテーテル治療について循環器内科医に,バイパス治療について心臓血管外科医に,そして足の創傷管理について形成外科医と皮膚科医に,わかりやすく解説していただきます。
 さらに,救済された足の歩行には,靴や装具などのフットウェアが不可欠であり,その歩行を指導する理学療法士の介入も重要であることから,装具士と理学療法士の方々にも,その内容をわかりやすく解説していただきます。
 看護師(WOC)の皆さんにとって,臨床現場で働くうえで必要な基礎知識の整理となり,また今後の診療に少しでも役に立てば幸いです。

上村哲司
佐賀大学医学部附属病院 形成外科 診療教授

〈目次〉
Ⅰ. 看護師が行う
1章 創傷外来の役割
2章 フットケア外来の役割
3章 糖尿病内科外来の役割
4章 透析看護師による透析中フットケアの役割
5章 看護師の在宅連携
6章 リンパ浮腫外来
Ⅱ. 血管治療医が行う
1章 カテーテル治療の役割
2章 バイパス治療の役割
Ⅲ. 形成外科医が担う役割
Ⅳ. 皮膚科医が担う役割 足を真菌感染症から守る!-足白癬・爪白癬の診断と治療-
Ⅴ. 義肢装具士が担う役割
Ⅵ. 理学療法士が担う役割


2,200円
【特集】ストーマ術後合併症と治療
企画編集/杉田 昭(横浜市立市民病院 炎症性腸疾患センター センター長)

〈特集にあたって〉
 本邦では近年,大腸がん,炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病を主とする)が増加しており,症例の蓄積と医療技術の進歩によって従来に比べて最終的に自然肛門の温存が可能な症例が増加しています。しかし,疾患の増加に伴い,病変部位や疾患の進行,変化によって,一時的,永久人工肛門(ストーマ)が必要な症例も増加し,また造設後のストーマ管理の向上もあってストーマを造設する症例は増加していると考えられます。
 ストーマ造設はそれ自体,患者さんの生活の質(QOL)に大きな影響があり,ストーマの術後合併症の併発によって社会生活に種々の制限が生じます。そこで今回はストーマを造設する患者さんのQOLを良好に保つために,「ストーマ術後合併症と治療」を特集することとしました。
 今回の特集ではストーマをそれぞれの特性により小腸ストーマと結腸ストーマに大別し,また疾患を炎症性腸疾患と大腸がんをはじめとするそれ以外の疾患に分ける構成としました。具体的には術後合併症を起こさないストーマの作り方,続いてストーマ術後合併症と治療の実際を外科医,WOCナースの立場から述べていただきました。
 今回の執筆者の先生,WOCナースの皆さんは,この分野では専門家としてよく知られており,多くの写真と図表を使用してストーマ術後合併症と治療について,ご自身のデータ,経験を交えて理論的に,かつわかりやすく述べていただいていると思います。読者の皆さんの日常診療に十分,役立つ内容と思いますのでご活用いただければ執筆者一同,幸いと存じます。

杉田 昭
横浜市立市民病院 炎症性腸疾患センター センター長

〈目次〉
1章 術後合併症を起こさないストーマの作り方(単孔式,双孔式)(1)結腸ストーマ
2章 術後合併症を起こさないストーマの作り方(単孔式,双孔式)(2)小腸ストーマ
3章 ストーマ術後合併症と治療(炎症性腸疾患以外)(1)結腸ストーマ
4章 ストーマ術後合併症と治療(炎症性腸疾患以外)(2)小腸ストーマ
5章 ストーマ術後合併症と治療(炎症性腸疾患)(1)結腸ストーマ
-クローン病結腸ストーマについて-
6章 ストーマ術後合併症と治療(炎症性腸疾患)(2)小腸ストーマ
7章 ストーマ術後合併症と処置-WOCの観点から-(1)早期合併症(炎症性腸疾患以外の疾患)
8章 ストーマ術後合併症と処置-WOCの観点から-(2)晩期合併症(炎症性腸疾患以外の疾患)
-ストーマ晩期合併症の管理とケア-
9章 ストーマ術後合併症と処置-WOCの観点から-(3)炎症性腸疾患
-炎症性腸疾患患者のストーマ術後合併症と管理-











2,200円
【特集】認知症患者の排尿・排便障害
企画編集/榊原隆次

〈特集にあたって〉
 認知症は,いったん進行すると,機能性尿便失禁が必発します。これは,トイレで排泄する意志がない,または合併する歩行障害などのために失禁してしまうものです。一方,認知症が軽度であるにもかかわらず,頻尿・尿失禁がみられることがあります。これは,膀胱抑制的に働く中枢部位の障害による過活動膀胱(overactive bladder;OAB)のことが多く,アルツハイマー病(Alzheimer’s disease;AD)よりも,白質型多発性脳梗塞(white matter lesion;WML),レヴィー小体型認知症(dementiawith Lewy bodies;DLB,パーキンソン病〔Parkinson’s disease;PD〕の類縁疾患)で多くみられます。さらに,認知症が軽度であるにもかかわらず,便秘・イレウスがみられることがあります。これは,腸管壁内神経叢の障害によるもので,レヴィー小体型認知症(パーキンソン病)で特徴的にみられ,輸送遅延型と直腸肛門型が同時にみられます。これらの認知症に伴う排泄障害に対して,病態に応じた積極的な加療が望まれます。
 認知症における過活動膀胱治療については,認知症改善薬(中枢性コリン薬など)のみで過活動膀胱が改善する場合があるため,少し経過をみるとよいでしょう。過活動膀胱治療薬(末梢性抗コリン薬)を使用する際は,認知症の増悪を防ぐため,中枢移行の少ない薬剤を選ぶとよいでしょう。抗コリン薬は,便秘の増悪に注意しながら使用します。
 認知症における便秘治療については,レヴィー小体型認知症の歩行障害改善薬(レボドパなど)のみで便秘が改善する場合があるため,少し経過をみるとよいでしょう。通過遅延型便秘の治療として,モサプリド(セロトニン5-HT4刺激薬),大だいけんちゅうとう建中湯(5-HT3刺激作用),マグネシウム製剤/ポリカルボフィル(軟化膨張薬),ルビプロストン(腸液分泌・Cl刺激薬)などがあります。直腸肛門型便秘の治療としては,レシチン炭酸座薬(排便反射促進)などがあります。機能性尿便失禁の対処としては,トイレ誘導とともに,認知症の行動療法,歩行障害のリハビリテーションを行います。これらにより,おむつ,摘便を減らすことができた事例も最近知られるようになってきました。
 認知症患者の排尿・排便障害に対して,積極的な関与が望まれます。

榊原隆次
東邦大学医療センター佐倉病院 内科学 神経内科 准教授

〈目次〉
1章 認知症患者とは
2章 認知症患者と家族の心理
3章 アルツハイマー病と排尿障害
4章 レヴィー小体型認知症と排尿障害
5章 脳卒中(大脳白質病変含め)と排尿障害
6章 認知症患者の過活動膀胱の薬物療法
7章 認知症患者の残尿と「ゆりりん」評価・治療
8章 認知症患者における尿閉と尿道留置カテーテル管理
9章 認知症患者の適切なおむつはずし
10章 認知症と排便障害
11章 認知症患者と家族の排泄ケア
12章 認知症をもつ患者の摘便を減らす方法











2,200円
【特集】今,在宅に求められるストーマケア
企画編集/熊谷英子 (むらた日帰り外科手術・WOCクリニック 統括看護部長,皮膚・排泄ケア認定看護師)

〈特集にあたって〉
 2025年に日本は超高齢社会を迎え,65歳以上の高齢社人口は約3500万人(人口比約30%)に達すると推計されています。この超高齢時代に向けて多くの医療職・介護職の方が,「在宅ケアを充実させなくては…,でも具体的にどうすればいいのだろう?」という漠然とした不安を持っていることと思います。
 2010年に実施された社団法人日本オストミー協会の第7回生活実態基本調査報告書では,ストーマ保有者の平均年齢は71.1歳であり,そのうち70歳以上が62%を占めると報告されています。また,生活上抱えている問題や悩みの質問に対する回答では,「ストーマの管理ができなくなった場合の不安」「老齢化で寝たきりや半身不随になること」「災害時のストーマケアの補給」が上位を占めており,ストーマ保有者自身も在宅でのストーマケアに大きな不安を抱えています。
 筆者は30年以上にわたって大学病院でストーマケアに携ってきましたが,東日本大震災をきっかけに,昨年4月からは「地域における皮膚・排泄ケアの質の向上」を目的に,在宅に活動を移しました。大学病院時代は,「ストーマ保有者がストーマというハンディキャップを最小限に通常の生活を営めること」を目標に,入院から退院まで,さらに退院後も生涯にわたって,地域医療者と連携しながらストーマ保有者を支援してきました。また,地域医療者向けの公開講座の開催や日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会における介護サービス担当者のストーマケア講習会を積極的に開催するなど,地域医療者・介護職者への教育的活動も実践してきました。
 しかしながら実際の在宅の現場では,病院でのケアが不十分で便漏れや皮膚障害で苦悩するストーマ保有者,40年間,においに悩みつづけていたストーマ保有者,術後のフォロー体制が整備されていないために行き場のないストーマ保有者,問題があっても気軽に相談できないストーマ外来,在宅医療者・介護職者の知識・技術の不足により装具交換がやっとの継続ケア,ストーマがあるだけで入所できない施設など,さまざまな問題が山積しており,超高齢社会に向けた対応が困難な状況にあります。これらの現状から,早急に解決すべき課題として,病院におけるストーマケアの質の確保,長期的なフォローアップ体制の見直し,地域医療者との連携強化,地域医療者・介護職者の教育体制の整備,災害時の支援体制の整備が急務と考えます。
 本特集では,「今,在宅に求められるストーマケア」と題し,病院および在宅で活躍している先生方に,それぞれの立場で在宅におけるストーマケアの問題点と課題に対する解決策についてわかりやすく解説していただきます。ストーマ保有者が病院から在宅とそのときどきに必要な,最高のストーマケアを受けられるよう,明日からのストーマケアに生かしていただければ幸いです。

熊谷英子
むらた日帰り外科手術・WOCクリニック 統括看護部長,皮膚・排泄ケア認定看護師

〈目次〉
1章 在宅におけるストーマケアの現状と課題
2章 在宅のストーマケアに必要なフィジカルアセスメント
3章 在宅での生活を考慮したストーマ装具選択
4章 在宅療養につなげるセルフケア指導
5章 病院と在宅をつなぐ窓口ストーマ外来の役割
6章 ストーマケアに求める地域医療連携とは
7章 在宅の皮膚・排泄ケア認定看護師から病院に求める連携とは
8章 在宅における多職種連携
9章 症例から学ぶ在宅のストーマケア
1. 認知機能低下のある患者のストーマケア
2. 高齢でセルフケアが十分に行えない患者のストーマケア
3. 短腸症候群がある回腸ストーマ保有者の地域医療連携
4. 皮膚障害のある在宅療養者のストーマケア
5. ターミナル期におけるストーマ脱出のある在宅療養者のストーマケア
10章 在宅医療者・介護職者の教育体制の整備
11章 ストーマケアにおける災害対策











2,200円
【特集】褥瘡の外用療法-匠はどう考え,どう使うか?-
企画編集/上出良一 (ひふのクリニック人形町 院長)

〈特集にあたって〉
 褥瘡治療の大枠は科学的根拠に基づいたガイドラインの作成で,基本的な方向性が示されました。しかし,褥瘡患者の背景は多様です。evidence-based medicine and nursing の基礎となるデータは患者を一様な集団とした場合の根拠であり,個々の患者に適用する場合には,個別の判断が求められます。
 治療・ケアにあたっては,ガイドラインの示すところを理解し,加えて患者の褥瘡局所,社会的背景などを勘案して最適の方針を提示し,患者とその家族の理解を得たうえで実施することが肝要です。
 本特集では褥瘡の外用療法にスポットを当て,この領域における“ 匠” とも称される諸先生に,褥瘡のケアの基本から始まり,個々の外用薬の特徴と適応を述べていただきます。「Ⅰ.まずは基礎のおさらい」では創傷治癒の基本的考え方,創の観かたと文字での記載法(発疹学),記録写真の撮り方のコツをお伝えします。
 外用薬では主剤はもちろんですが基剤も適応を決めるうえで重要なポイントです。そこで,「Ⅱ.機能からみた外用薬の特徴」では,いろいろな基剤の特性を知り,実際に使用する外用薬の特徴と適応を理解していただきます。そのうえで「Ⅲ.症状からみた外用薬の選択」では褥瘡の各時期の治療において,外用薬の位置づけをどう考えるか,実際の事例を挙げてビジュアルに学んでいただきます。さらに褥瘡周囲の皮膚疾患,在宅における外用療法の項も臨床現場で役立つと思います。
 上記の各項目以外に「ワンポイントレッスン」として,外用療法に役立つ豆知識も盛り込みました。ぜひとも匠のエッセンスを掬い取ってください。患者の背景を熟知しているWOC ナースの詳細なアセスメントを基に,ガイドラインを参考に,医師を始めとした他職種を交えて,患者個別の状況を勘案した治療方針の検討と,患者と家族への丁寧な説明が,より納得のいく褥瘡ケアにつながると思います。
 さらに,ごく最近立ち上げられた「褥瘡患者と家族の会」の会長である大住章二様より,立ち上げの経緯や患者のご家族の思いを特別寄稿としてご執筆いただきました。ケアを受ける側との二人三脚がよりよい褥瘡ケアに結びつくことを願っております。

上出良一
ひふのクリニック人形町 院長

〈目次〉
Ⅰ. まずは基礎のおさらい
1章 褥瘡病期分類と創傷治癒
2章 褥瘡をどう記載するか
3章 褥瘡の撮り方
Ⅱ. 機能からみた外用薬の特徴
1章 外用薬は基剤が重要
2章 主な外用薬の特徴
Ⅲ. 症状からみた外用薬の選択
1章 浅そうな褥瘡
2章 浅い潰瘍
3章 壊死組織
4章 深い潰瘍
5章 ポケット
6章 仕上げ段階の外用療法
7章 褥瘡周囲の皮膚疾患
8章 在宅における外用療法

ワンポイントレッスン
この混ぜ合わせはNO !
デブリサンをどう使う?
消毒剤,使っていいの?
褥瘡外用薬の未来
バイオフィルムをどうするか?

特別寄稿
患者家族の思い-「褥瘡患者と家族の会」設立にあたり-
2,200円
【特集】在宅で褥瘡ケアを始めよう
企画編集/塚田邦夫

〈特集にあたって〉
 病院の入院期間短縮と病院の機能分化が行われていますが,慢性疾患を持つ方の多くは在宅療養に向かわざるをえないようです。そのなかで慢性疾患(創傷)になりやすい褥瘡は,生活のなかで発症する特徴があるため,在宅での原因対策をしつつも,肝心の生活が犠牲にならないようなケアを心がけます。このように,褥瘡ケアは在宅療養が本来の姿であり,今後は褥瘡を在宅でみることが“ 普通のこと” になっていくと考えます。
 褥瘡は創の処置だけではなく,圧迫,ずれ,摩擦への対応,栄養状態の改善,原疾患の治療,排泄の介助など,対応の難しい多くの要因を抱えています。多職種の関与が必要である点においては,病院入院中と何ら変わりません。在宅で褥瘡ケアを行うためには,この多職種のチームを在宅でいかに作るかがチャレンジとなります。
 病院では,ケアや治療法の提案は医療者が行い,選択は患者と家族がしていますが,ケアの実行者は医療者であるため,患者と家族が100%納得していなくても,現実的にケアは実行されていきます。ところが在宅では,医療者はつきっきりでケアをすることができないため,患者と家族が100%納得したことしか実施されません。たとえばリハビリや栄養指導など,病院と同じ発想の「病気や病態を治すことのみを目的としたケア」では,在宅生活が犠牲になるため,実施不可能です。
 ここで重要なのが,ケアの目的が患者・家族の希望や幸せに根ざしているか否かです。褥瘡のために希望する生活ができない場合,ケアをがんばることで希望する生活が叶う,という道筋を示すことが大切です。しかし肝心の,患者や家族が何を望んでいるのかについては,お互いに信頼関係ができないと話してくれません。在宅褥瘡ケアにおいて,各専門家の専門性はもちろん必要事項ではありますが,患者・家族といかに早く信頼関係を築くかが,実はもっと大切なことなのです。在宅褥瘡ケアでは,患者・家族と,ケアにあたるすべて医療者が同じ目標を持ち,喜びも悲しみも共有してケアにあたります。
 本特集では,在宅で活躍している専門職の方々に執筆を依頼しましたが,いずれも在宅ケアの喜びと苦しさを十分に知っている方々です。そして独特のネットワーク,いわゆる人脈を持っていることも大きな共通点です。今まで病院だけで仕事をしてきた方は,今後在宅へ出て行くことが多くなるでしょう。また,病院勤務のみをする場合でも,在宅との情報交換や,在宅へのスムーズな移行が重要課題です。その際,在宅では何が行われ,何が理想的な状態で,逆になぜ破綻するのかなどを知り,在宅療養をスムーズに行うために,自分たちが何を望まれているのかを知っておくことが大切です。そのためには,在宅医療・介護の制度も大まかなことも知っていなければなりません。
 今回,最新の素晴らしい在宅褥瘡ケア,ひいては在宅療養について考えていただき,日本のすべての地域ですばらしいネットワークが構築されることを期待しています。ぜひ一緒に在宅褥瘡ケアを始めましょう。

塚田邦夫
医療法人社団研医会 高岡駅南クリニック 院長

〈目次〉
1章 在宅こそ褥瘡のケアに向いている
2章 病院が在宅褥瘡の質を左右する
3章 在宅褥瘡ケアにおける在宅皮膚・排泄ケア認定看護師の活動の実際
-その喜びとジレンマ-
4章 在宅褥瘡を取り巻く制度とその活用
5章 在宅で使える創傷被覆材や軟膏の選択
6章 在宅褥瘡ケアにおける薬剤師との連携
7章 在宅での体圧分散用具の選び方と使い方
8章 褥瘡予防は寝たきり予防と寝たきりからの脱出
9章 食べること,生きること~褥瘡ケアと食べること~
10章 在宅でチームを作って褥瘡予防やケアを行う
11章 「食」が身体と心を整える
12-1章 排泄ケアとおむつの用い方が,褥瘡発生・悪化と深く関係している①:概論
12-2章 排泄ケアとおむつの用い方が,褥瘡発生・悪化と深く関係している②:実践例












2,200円
【特集】排尿障害とその対処への実践
企画編集/後藤百万
(名古屋大学大学院 医学系研究科 病態外科学講座 泌尿器科学 教授)

〈特集にあたって〉
 排尿障害は尿排出障害と蓄尿障害に分けられ,さまざまな症候を呈します。2013 年に行われた日本での排尿障害に関する疫学調査では,排尿障害の罹患率がきわめて高いことが報告され,とくに60 歳以上の78%が何らかの排尿障害による症状を有することが示されています。
 たとえば,夜間頻尿の罹患者は4500 万人,昼間頻尿の罹患者は3300 万人ときわめて多く,また尿失禁については,現在の罹患者は約600 万人,10 年後には1000 万人に達すると推計されています。近年の排尿障害に対する診断・治療の進歩や啓発により,排尿障害以外はおおよそ健康であり,通院可能な患者では,本人が希望すれば専門的な検査・治療の機会を得ることは容易で,良好な治療効果が得られます。しかし,老人施設入所,あるいは被在宅看護高齢者については,排尿障害の頻度は高いにもかかわらず,十分な評価や治療を受ける機会が得られず,安易なおむつ使用や尿道カテーテル留置を受けている場合が少なくありません。排尿障害は,生命に直接かかわることはないものの,人間の尊厳やQOL を障害するため,適切に対処されるべき問題です。また,高齢者の排尿障害は,介護負担を増加させ,生活の質を阻害し,介護放棄にもつながる問題となっています。不適切な排尿管理は,寝たきり状態や認知症の助長,治療機会の喪失につながりますが,逆に積極的な排泄ケアは生活の質の改善,心身機能の改善をもたらし,介護予防につながる排泄リハビリテーションとして位置づけられます。
 医療の現場に目を向けたとき,適切な排尿管理が行われているでしょうか。愛知県および全国で行われた老人施設,訪問看護センター,病院での排尿管理実態調査では,多くの患者や高齢者がカテーテル留置やおむつを使用されているものの,その理由は必ずしも適切ではなく,その約30 ~40%は取り外しが可能で,排尿管理が不十分であることが示唆されています。排尿障害は,小児から高齢者まで広い年代にみられ,またその原因は多岐にわたり,まさに人間の尊厳にかかわる排尿障害の改善は,医療におけるQOL の重要性が問われる現在,喫緊の課題です。
 適切な排尿管理を行うためには,下部尿路機能障害の病態,身体運動機能,認知機能,環境要因を含めた,排尿障害にかかわる要因のアセスメントを正しく行い,適切な対処を実践することが求められます。本特集では,排尿障害の病態・症候からアセスメント,看護師の行う対処や医師の行う治療まで,各領域のエキスパートに実践的内容で執筆していただくようお願いしました。WOC ナースは,医療の現場において,適切な排泄管理の実践のみならず,教育にも重要な役割を果たすものと思いますが,本特集が皆さんの一助になれば幸いです。

後藤百万
名古屋大学大学院 医学系研究科 病態外科学講座 泌尿器科学 教授

〈目次〉
1章 尿排出障害の病態と症候
2章 蓄尿障害の病態と症候
3章 看護師が行う排尿機能のアセスメント
4章 専門医による下部尿路機能評価
5章 高齢者ケアにおける排尿管理の役割
6章 排尿障害とQOL
7章 おむつによる排尿ケアの基本
8章 尿道留置カテーテル離脱への道筋
9章 排尿障害に対する行動療法
10章 清潔間歇導尿(CIC)による排尿管理
11章 排尿障害に対する薬物治療の基本
12章 排尿障害に対する外科的治療
2,200円
【特集】快適な排尿を取り戻す~おしっこのケア・最前線~

〈特集にあたって〉
 今から4半世紀前,1989年に開催された第1回老人泌尿器科研究会(現 日本老年泌尿器科学会)において,欧米の老年医学専門家が揃って,「日本は人類がいまだ体験していないスピードで高齢化し,25年後には4人に1人が要介護老人になります。排尿の問題は大きな問題になりますが,日本がどのようにその問題と向き合い解決していくのかを,世界は大変楽しみにしています」と締めくくったのを今も鮮明に覚えています。その後,予想どおりに日本は高齢社会に突入し,介護保険制度(2000年),後期高齢者医療制度(2008年)を作りました。そして今から10年後の2025年に,団塊の世代が75 歳以上となって超高齢社会を迎えるにあたって“効率的かつ質の高い医療提供体制の構築”と“地域包括ケアシステムの構築”が急務とされています。
 おしっこの問題は多くの場合,歳のせいでそのほとんどが諦められてしまっています。さらに,多くの課題が山積しており,それぞれの患者にどう対応していいのかわからないのが現状です。正常の排尿は,尿を溜める蓄尿と尿を出す尿排泄という2つの仕組みから行われているために,治療が一筋縄ではいかない点や,赤ちゃんのときのおむつがまた必要になることで人間の尊厳が傷ついてしまう点にこの問題の根深さがあります。おむつはこれまでの25年で布から紙に材質が変わり,静かに革命が進行しましたが,適切なおむつ使用については十分に浸透していません。また,おしっこのケアには医師だけでなく看護職や介護職,理学療法士などの多職種との連携・協働が欠かせません。
 今回の特集は「快適な排尿を取り戻す~おしっこのケア・最前線~」としました。25年経っても変わっていないおしっこのケアの環境に対して,もう時間がないという危機感をあおるだけでなく,今後10年どう向き合い,対処するかの指南書となるべく企画しました。看護師(WOCナース)の皆さんが,臨床現場でおしっこケアのリーダーシップをとるときの一助になれば幸いです。

〈目次〉
1章 おしっこのケアと向き合うために
2章 知っておくべきおしっこの生理
3章 おむつの処方箋
4章 おしっこケアと作業療法とのかかわり
5章 ベッドからトイレへの移動
6章 小児の排尿ケア~子どもから大人へ:学校保健・キャリーオーバー~
7章 皮膚・排泄ケア認定看護師とおしっこケアとのかかわり
~急性期病院の排尿ケア・尿路ストーマケアの課題~
8章 残尿測定・間歇導尿
9章 治療 1:薬物療法~排尿障害をみたときの薬の使い方~
10章 治療 2:手術
11章 地域で考える排尿管理
12章 パスを用いた尿道カテーテル抜去の取り組み~泌尿器科医不在の病院にて~
13章 排尿を取り巻く法律~多職種協動の意義と限界~












2,200円
【特集】褥瘡と紛らわしい皮膚疾患

〈特集にあたって〉
 かつては「看護の恥」といわれ,誰も関心を持たなかった褥瘡に対する認識が高まり,その予防と管理に医師や看護師のみならず,薬剤師・栄養士・理学療法士・医用工学研究者などによるチーム医療が大きく貢献し,褥瘡の発生率が激減したことは,この30 年ほど褥瘡診療に携わってきた者として大きな喜びを感じます。進歩を続ける褥瘡診療にあって,仙骨部など自重による体圧が集中しやすい部位の古典的な褥瘡のみならず,医療機器などによるmedical device-related pressure ulcer(医療関連機器圧迫創傷),皮膚脆弱によるスキンテア,deep tissue injury(DTI)など,かつては褥瘡とは想定していなかった新たな圧迫損傷のコンセプトが認識されるようになったのも,最近の褥瘡をめぐるトレンドの1つでしょう。
 逆に負の側面として,褥瘡の認知度が高まるあまり,褥瘡の好発部位にできた皮膚病変はなんでも「褥瘡」と短絡する傾向にあることは,ゆゆしい問題です。臀部や踵,外踝部などには褥瘡以外にも多彩な皮膚疾患がみられ,実は感染症や悪性腫瘍であることも少なくありません。しかし,これらを“褥瘡好発部位の皮膚病変”という理由で,一瞥しただけで褥瘡と即断してしまう事例が後を絶ちません。体圧が集中することで発症する圧迫性皮膚潰瘍という褥瘡の基本を押さえておけば,「褥瘡としてはおかしいのではないか?」という素朴な疑問を発することができ,皮膚科専門医が鑑別診断をしてくれるはずです。皮膚科医は,褥瘡前史からこれらの皮膚疾患を丹念に鑑別してきたため,その鑑別のコツや落とし穴には精通しているつもりです。そこで,どういう場合に褥瘡以外の皮膚疾患を疑って,皮膚科医に紹介すべきか,ぜひ,褥瘡に遭遇するすべての医療従事者に周知いただきたい,という趣旨で本特集を企画しました。実際には皮膚悪性腫瘍であった皮膚病変が,「肉芽形成良好な褥瘡」として看過され,皮膚科に紹介されてきたときには転移性病変が増大していた症例を経験するに及んで,ぜひ一度,「褥瘡と紛らわしい皮膚疾患」について医師を含めたすべての医療専門職の方々にご理解いただくべきと痛感した次第です。
 本特集では,褥瘡への関心が高い皮膚科専門医にお願いして,褥瘡と少しでも誤診する可能性のある皮膚疾患について,ビジュアルな解説をお願いしました。一読することで,「褥瘡としてはちょっとおかしい」という直感にも似た慧眼を涵養できれば,本企画の到達目標はほぼ達成されたと考えられるでしょう。

〈目次〉
Ⅰ. 褥瘡と誤診しやすい皮膚感染症
1章 おむつ部の皮膚真菌感染症
2章 皮膚ウイルス感染症
3章 皮膚細菌感染症
Ⅱ. 褥瘡と即断してはいけない皮膚腫瘍
1章 乳房外パジェット病
2章 皮膚がん・肉腫
Ⅲ. 他科疾患と関連した褥瘡鑑別疾患
1章 静脈瘤による潰瘍,糖尿病性水疱(あるいは潰瘍),壊疽性膿皮症,ベーチェット病
2章 末梢動脈疾患,血管炎,カルシフィラキシスなどによる下肢の潰瘍
3章 滑液包炎,coccygeal pad,肛門・仙骨部皮膚アミロイドーシス,感染性股関節炎
Ⅳ. 褥瘡好発部位にびらん・水疱を生じる皮膚疾患
1章 接触皮膚炎,おむつ皮膚炎など
2章 術中大臀筋傷害に伴う臀部皮膚傷害 - 褥瘡(deep tissue injury)および
  術後臀部皮膚障害との異同について
3章 消毒薬による化学熱傷・放射線皮膚炎
4章 スキンテア(皮膚粗鬆症)
【特集】褥瘡患者のQOL向上を目指したドレッシング材の活用

〈特集にあたって〉
 湿潤環境理論が普及して以来,さまざまなドレッシング材が開発され,創傷分野は飛躍的に発展してきました。そして,治癒を主なアウトカムとした「創傷を治癒させること」に焦点をあてて,より早く治癒させるために,各ドレッシング材を比較した臨床研究が多く実施されてきました。
 2000年代に入ると,患者側からみたアウトカムの重要性に関する意見書がEuropean Wound Management Associationより発表され,創傷を持つ患者のquality of life(QOL)の重要性が認識されてきました。つまり,創傷を管理するうえでQOLに影響する要因である疼痛,におい,滲出液の効果的な管理方法に焦点があてられるようになったといえます。
 褥瘡は療養環境に左右される病態であり,総合的な生活支援が必要となります。看護師は局所の傷だけでなく,療養環境も含めて総合的に患者をアセスメントして,創傷管理方法を考えてきました。さらに,スキントラブルを予防するという看護的な視点でケアを行っています。QOLを重視した管理は,看護師がこれまで大切にしてきたことであり,結果として創傷管理にドレッシング材を多く活用してきました。
 今回の企画では,看護の基本的な視点から,褥瘡患者のQOLを重視したドレッシング材の活用方法について満載しました。具体的には,①基本的な創傷管理とスキンケア,②QOLの向上を目指したドレッシング材の活用,③在宅でのドレッシング材の活用,④ドレッシング材の費用対効果,の4つで構成しています。
 ①基本的な創傷管理とスキンケアでは,ドレッシング材を活用するうえでのベースとなる基礎知識を取り上げています。とくにQOLに重きを置いた予防的なスキンケア技術とドレッシング材の活用について紹介します。②QOLの向上を目指したドレッシング材の活用では,滲出液・におい・疼痛に焦点を当てて,どのようにドレッシング材を選択し,使用・評価するのかについて症例を通して紹介します。③在宅でのドレッシング材の活用では,療養環境に合わせてドレッシング材をどのように選択して管理していくのか,家族指導を含めて紹介します。そして,在宅における多職種と連携方法について紹介します。最後に,④ドレッシング材使用は本当に費用対効果があるのか,では現在までのエビデンスを概観して費用対効果からみたドレッシング材の利点について紹介します。
 現在,日本で入手可能となっているドレッシング材は多岐にわたります。そのため,ドレッシング材の特徴を把握し,創のアセスメントはもちろん患者の療養環境に応じて使い分けができる知識を持つことが重要で,患者のQOLを重視した使い分けが求められているといえます。本特集掲載の情報が,患者のQOL向上に役立つことを願っております。

〈目次〉
1章 創傷治癒と湿潤環境理論
2章 QOL を向上させる予防的なスキンケアとドレッシング材の活用
3章 臨床の療養環境に合わせた基本的なドレッシング材の使い方
4章 滲出液・においをどのようにドレッシング材でコントロールするか
5章 感染のとき,壊死組織がある場合は/どのようにドレッシング材を選択するか
6章 脆弱皮膚・疼痛を考慮したドレッシング材の使用
7章 在宅の療養環境に合わせたドレッシング材の活用
8章 費用対効果からみたドレッシング材の活用
2,200円
【特集】創傷と細菌感染を考える~細菌感染を考慮した創傷管理~

〈特集にあたって〉
 創傷治癒メカニズムの解明が進む前,ほんの30 年前までですが,創部は乾かすという処置がスタンダードでした。すなわち,消毒液を塗って創部の細菌を死滅させ,乾燥させて痂皮形成を促していたわけです。1980 年代ごろから,実際の創傷管理の現場にも湿潤療法が浸透し,急性創傷では創傷処置のスタンダードとなっていきましたが,慢性創傷と湿潤療法に関しては試行錯誤の時代が続いていました。臨床での詳細な検討から,創傷と細菌の関係において,“クリティカルコロナイゼーション”という病態があることが明らかとなってきました。そのため,局所に抗菌薬を使用することのメリットが再認識され,さまざまな製品が上市されています。それらの製品の適応と効果に関しても,十分に吟味すべき時期にあります。ただし,クリティカルコロナイゼーションの診断法は,まだ十分には確立されていません。さらに最近はバイオフィルム形成が創傷の慢性化に関係するという見解も多く示されていますが,その一方で解決すべき問題も多く残っています。
 ナースにとって,局所に進展する感染症の管理は非常に重要です。具体的な疾患としては,手術部位感染症,糖尿病性足壊疽,褥瘡などが挙げられます。手術部位感染症は,表在性のものから深部組織に及ぶ深在性のものまであり,治療期間や重症度が異なります。基礎疾患や発生部位によって,難治化したり,ストーマ近傍の手術部位感染症のように細心のケアが必要になったりします。また縦隔炎のように,生命予後にも大きく関与する場合があります。糖尿病性神経障害では,感染症が大きな問題となります。神経障害に伴って生じる足の変形や皮膚の乾燥・亀裂によって皮膚バリアが破壊され,潰瘍が生じます。さらに易感染性も伴うため,患肢のみならず生命予後まで危うくなる場合もあります。組織破壊が大きくなれば,治療期間の延長につながります。さらに医療機関への長期間の通院は耐性菌の発生を伴いやすいため,患者の治療のみならず,院内感染対策の観点からもその制御は重要な意味を有しています。耐性菌の蔓延は医療者を悩ませる問題であり,菌種もどんどん変わっていくため,院内感染対策の最新の知識と実践が求められます。褥瘡においては感染が近傍の関節腔に及ぶケースや,敗血症になるケースも経験します。易感染性の患者では,深部組織損傷から局所の進展性感染症として発症する場合もあります。
 創面のデブリードマンはナースが行える行為へと拡大・進歩しつつありますが,実施に当たっては各種のデブリードマンの特徴・利点・欠点を把握し,新たなデバイスの知識と,マゴットや局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound theraphy;NPWT)の応用などが求められます。
 非常に多岐にわたる内容となりましたが,その分野の専門家の方にご解説いただける機会が得られました。明日からの臨床に役立つ内容であると思います。

〈目次〉
1章 総論-湿潤環境療法と感染症,クリティカルコロナイゼーションとバイオフィルム
3章 重症下肢虚血と感染症
4章 糖尿病性足壊疽
5章 褥瘡
6章 糖尿病性足潰瘍における骨髄炎の診断と治療
7章 デブリードマン
8章 外用剤(ヨウ素製剤・銀製剤),銀含有ドレッシング材の使用方法
9章 看護師による院内感染対策
10章 陰圧閉鎖療法と感染管理
11章 耐性菌,抗菌薬の使用方法
12章 壊死性筋膜炎
2,200円
【特集】
排尿・排便障害のアセスメント

〈特集にあたって〉
 皮膚・排泄ケア認定看護師の皆さんは,一般の看護師から排尿や排便の管理が困難な患者さんについて相談されて,その対応に困ったことはありませんか?養成課程では,排尿や排便のアセスメントを解剖・生理・病態・疾患と系統的に学習して,基礎知識は学んだものの,座学や短い実習だけでは,専門家として不安に感じてしまうという声も聞きます。何とか対応できても,本当にこの対応がベストだったのか,後で悩むこともあるでしょう。適切な対応方法にたどり着くためには,その原因となる病態や疾患,飲食や活動という生活要因や環境要因などのさまざまな影響を考えて,原因の改善や生活の改善などを組み合わせ,ケアに組み込むことが必要です。すなわち,アセスメントを正しく行うことが,最適な対処の糸口につながります。では,どのようにアセスメントを進めればよいのでしょうか?
 アセスメントとは,看護の目的を達成するためのデータ収集と確認,そして整理をすることで看護の問題または看護診断を確定することです。的確なアセスメントにより,患者に適した看護目標の達成を目指した計画の立案,そしてケアの実施に至ります。看護のアセスメントを行うには,身体所見としては下部尿路や骨盤底という局所と,全身状態の双方から考えます。さらに心理的・社会的・環境的な要因を併せて,その症状の原因や解決策を検討する過程でもあります。基本情報としてこれらすべてを網羅するアセスメント方法は,抜けがないため初学者には有効ですが,皮膚・排泄ケア認定看護師がコンサルテーションを受けたときに,すべてが揃っているわけはありません。そこで,効率よく一般看護師から要点を把握するためには,どのような情報やデータを確認する必要があるかを知っておくとよいでしょう。
 基本的な病態や排尿日誌,残尿測定については2014 年8 月号のWOC Nursing の特集『高齢者排尿障害のアセスメントと対処』を参照していただくこととし,今回は一歩踏み込んで,症状と客観的データをどのように組み合わせて活用すればよいかという構成になっています。経験豊富な専門家の先生方に,病院内の入院患者や在宅療養者の訴える症状からの道しるべとなるように,どのようにアセスメントを進めればよいかに焦点を当て解説していただきます。
 この特集が解決の糸口を見つけるアセスメントに役立ち,実際に排泄で困っている患者さんが救われることを願っています。
 最後に,山梨大学大学院の修了課程に,2016 年より排泄看護学が誕生します!

〈目次〉
排尿
1章 尿失禁(蓄尿症状)
2章 頻尿・尿意切迫感について 蓄尿症状からみる過活動膀胱を考える
3章 女性の尿排出困難
4章 男性の尿排出困難
5章 尿意が不明瞭なケース 適切なアセスメントのために必要なこと
排便
1章 便秘
2章 下痢
3章 下痢と便秘を繰り返す
4章 食事
5章 排便姿勢と便排出力
6章 経腸栄養患者の便失禁のアセスメント
2,200円
【特集】包括的な観点からみた高齢者の褥瘡・皮膚潰瘍

〈特集にあたって〉
 皮膚は生体と環境を境界する巨大な包括的臓器です。加齢に伴って皮膚の臓器としての機能も変化していきます。さらに皮膚にとって「歳をとる」ことは内部である生体が老化していくだけでなく,その生体を包む環境も変化していくことを意味します。たとえば神経疾患や運動器疾患の合併によって,予期しないさまざまな外力を生体は受けることになりますが,その外力を最初に受け止めるのは他でもない皮膚なのです。すなわち患者の加齢によって発症した疾患は,それが引き起こす「予期しない過剰な外力」を介して皮膚に障害を与えることになるのです。
 高齢者の褥瘡や潰瘍を本質的に理解するためには,「予期しない過剰な外力」を誘発させる疾患や状態,とくに神経疾患や整形外科的疾患についての知識が必要です。また高齢者をとりまく社会的な状況も皮膚をとりまく環境に影響を与えるため,適切に把握することが求められます。さらにその外力を軽減するさまざまな方法に関して,その原理からポジショニングや移乗などの具体的な方法までを知っておくことによって,その障害を未然に防ぐことができます。一方で,外力を受け止める側の皮膚組織の構造と加齢による変化も理解する必要があります。また外力に起因しない皮膚病変をきちんと鑑別しなければ,さまざまな対策も的外れなものになってしまいます。褥瘡を発症させるような高齢者は,非常に類似した機序で低温熱傷や足の潰瘍も起こします。
 このような観点で,本特集では高齢者の褥瘡・皮膚潰瘍が高齢者医療の中にうまくフィットするような考え方をもって企画しました。高齢者の褥瘡や足の潰瘍は,患者の全体と関連のない単なる局所の病変ではありません。各々の高齢者の状況と皮膚の局所病変は必然的に結びついていることを理解したうえで褥瘡・潰瘍医療を実践するためには,高齢者を包括的にみるという視点が欠かせません。これらに関して,現場で診療にかかわっているエキスパートの執筆者に包括的かつ簡潔に説明していただきます。
 全体を読んだ後で,皆さんがそれぞれの現場に出たときに,個々の患者さんと褥瘡・皮膚潰瘍がより結びついてみえてくるようになることを期待しています。今までこのような視点で書かれた本はありませんので目から鱗かもしれませんが,ベッドサイドで高齢者の褥瘡・皮膚潰瘍に実際にかかわっている医療者のお役に立ち,最終的に褥瘡・皮膚潰瘍に苦しむ患者さんに還元できれば幸いです。

〈目次〉
1章 加齢による皮膚・皮下組織の変化:結合組織を中心に
2章 褥瘡と間違えやすい高齢者の皮膚病変
3章 褥瘡・皮膚障害の原因となり得る高齢者に多い神経疾患
4章 高齢者の褥瘡・皮膚障害の原因となる外力を引き起こす整形外科的疾患
5章 高齢者褥瘡診療の特殊性
6章 高齢者褥瘡の発症部位と基礎疾患を考慮した包括的看護
7章 高齢者にふさわしい体圧分散とは
8章 褥瘡を有する高齢者のポジショニング
9章 高齢者の足潰瘍病変
10章 高齢者の低温熱傷
11章 社会的背景を考慮した在宅高齢者の褥瘡・皮膚潰瘍医療の実際
2,200円
特集●褥瘡のアセスメントを極めよう!
~思い込みを防ぎ,よりよい治療方法を選択するために~

〈特集にあたって〉
 今月号では「褥瘡を診てください」という依頼を受けたとき,局所のアセスメントをどのように行えばよいかという視点で特集を組みました。その目的は的確な褥瘡の診断,創面アセスメントから適切な治療・ケアのヒントを得ることにあります。したがって,内容は褥瘡の創面のみならず,その鑑別診断,合併症に及んでいます。
 私は皮膚科医ですので,ときどき看護師から褥瘡が疑われる創の相談を受けます。時に他の皮膚疾患が,好発部位の潰瘍というだけで褥瘡と診断されていることがあります。創面アセスメントを行う前に褥瘡で間違いないかと確認することは,その後のアセスメントにもつながると思います。なぜなら,診断の確認は,まずこの創がADLの低下などで生じた圧迫・ずれなどで説明できるかを考えることから始まるからです。一方,褥瘡好発部位に生じやすい皮膚疾患の知識も鑑別診断では有用です。そこで,最初の3章で褥瘡と他の皮膚疾患との鑑別について取り上げました。
 次は褥瘡のアセスメントです。創の状態評価法は,近年めざましい進歩を遂げています。とくに日本褥瘡学会主導でDESIGN®,さらにDESIGN-R®が判定ツールとして導入されたことで,褥瘡を専門とするメディカルスタッフのみならず,初心者でも,他の職種でも,同じように評価することが可能となった意義は大きいものがあります。さらに,知識があまりなくとも,ガイドラインを用いることで,その評点からある一定の創の治療方針を導き出すことも可能です。しかしながら,たとえば急性期褥瘡,不良肉芽,褥瘡の形,創面の段差など,これらのツールで表現できない病態があります。したがって,エコー検査も含め,これらの病態を的確に判定する眼を養う必要があります。そこで,実際の臨床の現場で役立つ知識が得られるよう,この領域に精通した皮膚・排泄ケア認定看護師の方に,DESIGN-R®も含む各評価項目と創面アセスメントについて,多くの症例を通して解説していただきました。さらに褥瘡の治療・ケアにどう結びつけるかも考えていただきたいと思います。
 最後は褥瘡に合併して生じる創面以外の変化です。まず,創周囲の皮膚トラブルを取り上げました。創周囲の皮膚は,過去の褥瘡の既往,創からの滲出液,ドレッシング材,失禁などその他の身体状況などが影響します。そこで,創周囲の皮膚病変の症例を提示し,そのアセスメントからケアへのフィードバックまで考える内容を盛り込んでいます。次に,褥瘡に合併する感染症を取り上げました。褥瘡の予防・ケアが格段に進歩した現在でも,依然として褥瘡の発見,対処の遅れや不適切な局所治療によって,生命にかかわるような重症軟部組織感染症を併発する症例が後を絶ちません。このような症例は専門職のかかわりが少ない在宅や介護施設などで生じやすいのです。感染を防ぐ予防や褥瘡の早期介入はもちろんですが,感染の危険なサインを見逃さず,できるだけ早い対処ができるようになることを目指した内容となっています。
 この特集が褥瘡の誤診を防ぎ,的確な創面アセスメントから,よりよい治療・ケアの一助になれば幸いです。

〔褥瘡の診断〕
1章 褥瘡と他の皮膚疾患との鑑別診断~いかに創を見きわめるか~
2章 褥瘡と間違えやすい皮膚疾患(仙骨部,臀部など[下肢を除く])
3章 褥瘡と間違えやすい皮膚疾患(下肢)

〔褥瘡の創面アセスメント各論〕
4章 急性期褥瘡のアセスメント
5章 褥瘡のエコー検査と深部組織損傷(DTI)の評価
6章 DESIGN-R®のつけ方とその活用
7章 深さ(D)のアセスメント
8章 壊死・肉芽(N・G)のアセスメント
9章 感染・滲出液(I・E)のアセスメント
10章 褥瘡の形,ポケット(P)のアセスメント

〔褥瘡の合併症〕
11章 褥瘡の創周囲皮膚トラブル
12章 褥瘡に起因する重症全身感染症
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商品情報・内容

  • 出版社:医学出版
  • 発行間隔:月刊
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