目次
【特集】在宅で褥瘡ケアを始めよう
企画編集/塚田邦夫
〈特集にあたって〉
病院の入院期間短縮と病院の機能分化が行われていますが,慢性疾患を持つ方の多くは在宅療養に向かわざるをえないようです。そのなかで慢性疾患(創傷)になりやすい褥瘡は,生活のなかで発症する特徴があるため,在宅での原因対策をしつつも,肝心の生活が犠牲にならないようなケアを心がけます。このように,褥瘡ケアは在宅療養が本来の姿であり,今後は褥瘡を在宅でみることが“ 普通のこと” になっていくと考えます。
褥瘡は創の処置だけではなく,圧迫,ずれ,摩擦への対応,栄養状態の改善,原疾患の治療,排泄の介助など,対応の難しい多くの要因を抱えています。多職種の関与が必要である点においては,病院入院中と何ら変わりません。在宅で褥瘡ケアを行うためには,この多職種のチームを在宅でいかに作るかがチャレンジとなります。
病院では,ケアや治療法の提案は医療者が行い,選択は患者と家族がしていますが,ケアの実行者は医療者であるため,患者と家族が100%納得していなくても,現実的にケアは実行されていきます。ところが在宅では,医療者はつきっきりでケアをすることができないため,患者と家族が100%納得したことしか実施されません。たとえばリハビリや栄養指導など,病院と同じ発想の「病気や病態を治すことのみを目的としたケア」では,在宅生活が犠牲になるため,実施不可能です。
ここで重要なのが,ケアの目的が患者・家族の希望や幸せに根ざしているか否かです。褥瘡のために希望する生活ができない場合,ケアをがんばることで希望する生活が叶う,という道筋を示すことが大切です。しかし肝心の,患者や家族が何を望んでいるのかについては,お互いに信頼関係ができないと話してくれません。在宅褥瘡ケアにおいて,各専門家の専門性はもちろん必要事項ではありますが,患者・家族といかに早く信頼関係を築くかが,実はもっと大切なことなのです。在宅褥瘡ケアでは,患者・家族と,ケアにあたるすべて医療者が同じ目標を持ち,喜びも悲しみも共有してケアにあたります。
本特集では,在宅で活躍している専門職の方々に執筆を依頼しましたが,いずれも在宅ケアの喜びと苦しさを十分に知っている方々です。そして独特のネットワーク,いわゆる人脈を持っていることも大きな共通点です。今まで病院だけで仕事をしてきた方は,今後在宅へ出て行くことが多くなるでしょう。また,病院勤務のみをする場合でも,在宅との情報交換や,在宅へのスムーズな移行が重要課題です。その際,在宅では何が行われ,何が理想的な状態で,逆になぜ破綻するのかなどを知り,在宅療養をスムーズに行うために,自分たちが何を望まれているのかを知っておくことが大切です。そのためには,在宅医療・介護の制度も大まかなことも知っていなければなりません。
今回,最新の素晴らしい在宅褥瘡ケア,ひいては在宅療養について考えていただき,日本のすべての地域ですばらしいネットワークが構築されることを期待しています。ぜひ一緒に在宅褥瘡ケアを始めましょう。
塚田邦夫
医療法人社団研医会 高岡駅南クリニック 院長
〈目次〉
1章 在宅こそ褥瘡のケアに向いている
2章 病院が在宅褥瘡の質を左右する
3章 在宅褥瘡ケアにおける在宅皮膚・排泄ケア認定看護師の活動の実際
-その喜びとジレンマ-
4章 在宅褥瘡を取り巻く制度とその活用
5章 在宅で使える創傷被覆材や軟膏の選択
6章 在宅褥瘡ケアにおける薬剤師との連携
7章 在宅での体圧分散用具の選び方と使い方
8章 褥瘡予防は寝たきり予防と寝たきりからの脱出
9章 食べること,生きること~褥瘡ケアと食べること~
10章 在宅でチームを作って褥瘡予防やケアを行う
11章 「食」が身体と心を整える
12-1章 排泄ケアとおむつの用い方が,褥瘡発生・悪化と深く関係している①:概論
12-2章 排泄ケアとおむつの用い方が,褥瘡発生・悪化と深く関係している②:実践例
企画編集/塚田邦夫
〈特集にあたって〉
病院の入院期間短縮と病院の機能分化が行われていますが,慢性疾患を持つ方の多くは在宅療養に向かわざるをえないようです。そのなかで慢性疾患(創傷)になりやすい褥瘡は,生活のなかで発症する特徴があるため,在宅での原因対策をしつつも,肝心の生活が犠牲にならないようなケアを心がけます。このように,褥瘡ケアは在宅療養が本来の姿であり,今後は褥瘡を在宅でみることが“ 普通のこと” になっていくと考えます。
褥瘡は創の処置だけではなく,圧迫,ずれ,摩擦への対応,栄養状態の改善,原疾患の治療,排泄の介助など,対応の難しい多くの要因を抱えています。多職種の関与が必要である点においては,病院入院中と何ら変わりません。在宅で褥瘡ケアを行うためには,この多職種のチームを在宅でいかに作るかがチャレンジとなります。
病院では,ケアや治療法の提案は医療者が行い,選択は患者と家族がしていますが,ケアの実行者は医療者であるため,患者と家族が100%納得していなくても,現実的にケアは実行されていきます。ところが在宅では,医療者はつきっきりでケアをすることができないため,患者と家族が100%納得したことしか実施されません。たとえばリハビリや栄養指導など,病院と同じ発想の「病気や病態を治すことのみを目的としたケア」では,在宅生活が犠牲になるため,実施不可能です。
ここで重要なのが,ケアの目的が患者・家族の希望や幸せに根ざしているか否かです。褥瘡のために希望する生活ができない場合,ケアをがんばることで希望する生活が叶う,という道筋を示すことが大切です。しかし肝心の,患者や家族が何を望んでいるのかについては,お互いに信頼関係ができないと話してくれません。在宅褥瘡ケアにおいて,各専門家の専門性はもちろん必要事項ではありますが,患者・家族といかに早く信頼関係を築くかが,実はもっと大切なことなのです。在宅褥瘡ケアでは,患者・家族と,ケアにあたるすべて医療者が同じ目標を持ち,喜びも悲しみも共有してケアにあたります。
本特集では,在宅で活躍している専門職の方々に執筆を依頼しましたが,いずれも在宅ケアの喜びと苦しさを十分に知っている方々です。そして独特のネットワーク,いわゆる人脈を持っていることも大きな共通点です。今まで病院だけで仕事をしてきた方は,今後在宅へ出て行くことが多くなるでしょう。また,病院勤務のみをする場合でも,在宅との情報交換や,在宅へのスムーズな移行が重要課題です。その際,在宅では何が行われ,何が理想的な状態で,逆になぜ破綻するのかなどを知り,在宅療養をスムーズに行うために,自分たちが何を望まれているのかを知っておくことが大切です。そのためには,在宅医療・介護の制度も大まかなことも知っていなければなりません。
今回,最新の素晴らしい在宅褥瘡ケア,ひいては在宅療養について考えていただき,日本のすべての地域ですばらしいネットワークが構築されることを期待しています。ぜひ一緒に在宅褥瘡ケアを始めましょう。
塚田邦夫
医療法人社団研医会 高岡駅南クリニック 院長
〈目次〉
1章 在宅こそ褥瘡のケアに向いている
2章 病院が在宅褥瘡の質を左右する
3章 在宅褥瘡ケアにおける在宅皮膚・排泄ケア認定看護師の活動の実際
-その喜びとジレンマ-
4章 在宅褥瘡を取り巻く制度とその活用
5章 在宅で使える創傷被覆材や軟膏の選択
6章 在宅褥瘡ケアにおける薬剤師との連携
7章 在宅での体圧分散用具の選び方と使い方
8章 褥瘡予防は寝たきり予防と寝たきりからの脱出
9章 食べること,生きること~褥瘡ケアと食べること~
10章 在宅でチームを作って褥瘡予防やケアを行う
11章 「食」が身体と心を整える
12-1章 排泄ケアとおむつの用い方が,褥瘡発生・悪化と深く関係している①:概論
12-2章 排泄ケアとおむつの用い方が,褥瘡発生・悪化と深く関係している②:実践例
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