WOC Nursing(ウォック ナーシング) 発売日・バックナンバー

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特集●褥瘡対策チームにおける多職種間の相互理解と連携強化のために知っておきたいコト
企画編集/橋本一郎(徳島大学大学院 医歯薬学研究部 形成外科学 教授)

<特集にあたって>

 褥瘡は,発症しないように予防すること,発症してしまった創部に対する治療,そして治癒後に再発しないようにあるいは治癒しない褥瘡が悪化しないように管理すること,と幅広い対策が必要です。患者と接する場所もさまざまであり,病院,介護施設,在宅では対応できる医療者が違えば,使用できる薬剤や医療機材なども違ってきます。これらの褥瘡の治療と予防管理は,1つの職種では行えないことも大きな特徴です。それぞれの場所での多職種によるチーム力がたいへんに重要になってきます。
 このチーム力を十分に発揮するためには,多職種間の連携強化や連携をスムーズにすることが必要であり,基礎的な知識を共有して相互の理解を深めることが大切です。また,各職種の専門分野における学問的あるいは手技的な進歩には目覚ましいものがあります。褥瘡の予防・管理と治療に関して,最新の手技や治療を患者に届けるためには,各専門分野のアップデートも吸収したうえで多職種の連携を強化する必要があります。ただ,他職種や他の専門領域におけるup-to-dateな情報を手に入れて理解することは難しいものです。今回の特集では,各職種の第一人者にお願いして,まず褥瘡予防と治療に関する基礎知識の整理と最近の知見について解説していただき,続いて各職種における褥瘡治療に関連する基礎知識や最新の知見を紹介していただきます。
 褥瘡の状態を評価するスケールとして日本褥瘡学会が2002年にDESIGNを,2008年にはそれぞれの項目に重みづけが加えられたDESIGN-Rを発表しました。そして深さにおいて「Deep Tissue Injury(DTI:深部損傷褥瘡)」を,炎症・感染においては「臨界的定着疑い」を加えた,DESIGN-R2020が新しく登場しています。医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)の予防と管理に関する指針が,2016年に日本褥瘡学会から発刊され,褥瘡の定義であった自重以外の原因による圧迫創についても医療者が積極的に関与することが可能となりました。体圧管理とスキンケアについては,体圧分散寝具やスキンケア用品のそれぞれの進歩により考え方に変化がみられています。褥瘡の治療においては,陰圧閉鎖療法(NPWT)が普及してきましたが,洗浄機能を付加した新しい器具が登場しています。その他には,集中治療室における早期離床の取り組みや,理学療法におけるフレイルやサルコペニアといった比較的新しい概念,そして薬剤や栄養におけるアップデートを紹介していただきます。
 本特集号が,褥瘡予防と治療を多方面から理解することで,多職種との連携が深まるための決定版になると確信しています。

橋本一郎
徳島大学大学院 医歯薬学研究部 形成外科学 教授


<目次>

〔A. 褥瘡治療と予防・管理に関する基礎知識とアップデート〕
 1. 褥瘡基礎知識とそのアップデート/三谷和江
 2. 医療関連機器圧迫創傷に関する基礎知識とアップデート/石澤美保子,西林直子
 3. 体圧管理と体圧分散用具における褥瘡予防と治療・管理に関する基礎知識とアップデート/田中マキ子
 4. 褥瘡予防と治療・管理に関するスキンケアの基礎知識とアップデート/政田美喜

〔B. 多職種からの褥瘡予防と治療・管理に関する基礎知識とアップデート〕
 5. 褥瘡保存的治療における基礎知識とアップデート/安倍吉郎,橋本一郎
 6. 褥瘡外科的治療における基礎知識とアップデート/野田和男,青木久尚
 7. 集中治療室での早期離床の取り組みにおける基礎知識とアップデート/河原良美,大藤 純
 8. リハビリテーション専門職からみた基礎知識とアップデート/永吉恭子,門條宏宣,吉川義之
 9. 薬剤師からみた基礎知識とアップデート/生島繁樹
 10. 栄養の観点における基礎知識とアップデート/真壁 昇
 11. 在宅看護・特定行為における基礎知識とアップデート/山下留理子,久田玲子,森 美樹,岩佐幸恵
 12. 在宅領域における多職種間連携に必要なコト/中川宏治,田村收代
2,640円
特集●老人性乾皮症/ドライスキンの治療・ケア
企画編集/戸倉新樹(中東遠総合医療センター アレルギー疾患研究センター長/皮膚科・皮膚腫瘍科 診療部長,浜松医科大学 名誉教授)

<特集にあたって>

 乾燥肌あるいはドライスキンと呼ばれる皮膚状態への対処は,古くて新しい,しかもごく日常診療上の課題です。とくに,ほぼすべての高齢者に多かれ少なかれみられる老人性乾皮症は,医療の現場では十分なケアを必要とする疾患です。老人性乾皮症はかゆみを惹き起こしますが,腎不全や肝不全に伴う皮膚掻痒症や他の疾患と鑑別が必要です。時には疥癬が老人性乾皮症と誤診されていることすらあります。
 老人性乾皮症やドライスキンは皮膚表面の水分が足らなくなるために起こります。皮膚の水分は皮膚の最外層にある角層という部分に蓄えられています。角層の厚さはわずか0.02 mm足らずですが,角層には巧妙に水分を保持する3つの保湿装置があります。これらは皮脂膜,天然保湿因子,角質細胞間脂質であり,高齢者ではそれらが低下し,水分を失います。アトピー性皮膚炎の4分の1の患者ではフィラグリン遺伝子変異が認められ,表皮のフィラグリンは欠乏しています。フィラグリンは角層のバリア機能や,ひいては水分保持に関わるため,フィラグリン遺伝子変異患者では尋常性魚鱗癬というドライスキンの極型を呈します。角層バリアは機能が低下し,角層の水分保持能は低下します。老人性乾皮症と診断される患者のなかにはフィラグリン遺伝子変異をもつ患者がおり,老人性乾皮症とアトピー性皮膚炎との境は不明瞭になります。患者によってはアトピー性皮膚炎の一症状として老人性乾皮症を示しているといえるでしょう。一方では,老人性乾皮症が発汗低下を示す病態によって生じている可能性もあり,その成因は多様です。
 老人性乾皮症はかゆいために掻破し湿疹化し,皮脂欠乏性湿疹となります。さらに掻けば滲出性の湿疹となり,ぐじゅぐじゅした貨幣状湿疹になります。これが続けば湿疹性病変が全身に飛び散り,自家感作性皮膚炎になります。つまり老人性乾皮症は全身性の汎発性湿疹の元になっています。
 こうしたドライスキンから湿疹に至る老人性乾皮症から皮脂欠乏性湿疹の治療・ケアは,症状に応じてなされます。老人性乾皮症の段階では保湿剤を中心とした外用療法を行い,湿疹化した病変ではステロイド外用薬が中心になります。実際はドライスキンと湿疹は併存していることが多く,両方の治療・ケアをそれぞれの部位を考慮して行うことになります。
 現在,保湿剤は種々のものが上市されています。皮脂に相当するもの,天然保湿因子に類似するもの,角質細胞間脂質(セラミドが中心)を補填するものがあり,医薬品も医薬部外品・化粧品もあります。また製剤は,軟膏,ソフト軟膏,クリーム,ローション,スプレー,フォームとさまざまです。こうした非常に多種にわたる保湿剤をどのように選び,どのように使うかということは実践的な重要課題です。たとえば,塗布量の目安,塗布回数,塗布のタイミングを知らなければなりません。
 老人性乾皮症の患者の皮膚は鱗屑で毛羽立ち,さらに老人性の皮膚萎縮があります。毛羽立つ皮膚がスキン-テアを起こせば,皮膚の固定などその処置はさらに注意が必要になります。老人性乾皮症は二次災害を起こしやすい皮膚であり,ケアの必要性はその観点からも考慮すべきです。

戸倉新樹
中東遠総合医療センター アレルギー疾患研究センター長/皮膚科・皮膚腫瘍科 診療部長,浜松医科大学 名誉教授


<目次>
1. かゆみを起こす代表的な高齢者の疾患/伊藤泰介
2. 保湿機能からみたドライスキンの病態/戸倉新樹
3. 発汗障害によるドライスキン/影山玲子
4. 老人性乾皮症とアトピー性皮膚炎の体質/戸倉新樹
5. 老人性乾皮症でかゆみが起こる訳/石氏陽三
6. 老人性乾皮症から皮脂欠乏性湿疹への進展/森本広樹
7. 老人性乾皮症の治療・ケア/森本広樹
8. 保湿剤の種類と特徴/小倉康晶
9. 保湿剤の塗布方法の実践/小倉康晶
10. 老人性乾皮症によく起こるスキン-テアの治療・ケア/大塚正樹
2,860円
特集●超高齢社会におけるストーマ管理とセルフケア指導~社会変化に伴い,ターニングポイントが迫る中でのストーマケア~
企画編集/政田美喜(三豊総合病院 看護部,ET/皮膚・排泄ケア認定看護師)

<特集にあたって>

 超高齢社会での高齢者医療のゴールは,延命期間の最大化から生活の質(quality of life;QOL)の最大化へ,また高度専門医療の重視から生活機能の重視へと変化しています。とくに生活の質に影響するストーマケアは,単に装具交換ができたらよいわけではなく,生活の質を左右することから身体条件の変化に伴う合併症予防管理,装具の取り扱い,社会生活に即した生活パターンを考慮した管理や社会保障情報提供など幅広い対応をしなければなりません。しかしながら,ストーマ造設後の管理は,急性期医療機関での在院日数の短縮化によりストーマ管理・指導が十分にされないまま退院となるケースが増え,退院後へ持ち越されているのが現状です。そのため,早期退院に備えて入院前より退院後を見据えたストーマ管理・指導がされています。しかし患者の高齢化に伴い,誰かの手を借りなくてはストーマ管理ができない状況となれば,入院前とは違う場所が生活の拠点になることがあります。そうした場合は,医療連携による転院・介護施設入所・居宅介護サービスを利用した在宅での管理へと,患者や家族の意向に応えながらケア調整されます。どこが生活の拠点になっても,その人らしく生きることを支えるストーマ管理を提供していくことが求められます。そのためにも,奥の深いストーマケアはより個別性が必要とされます。
 「オストメイトを支える・オストメイトを支援する者を支える」を念頭に,不安なく,生活の質も落とすことのない,日常を送るための技術・知識の提供を,本特集からつかみ取っていただけることを願っています。

政田美喜
三豊総合病院 看護部,ET/皮膚・排泄ケア認定看護師


<目次>

1. ストーマケアの神髄/山本由利子
2. 急性期病院でのストーマ管理・指導/黒田豊子
3. 周術期から退院後の変化を予測した装具選択の奥義/吉田松子
4. 合併症を有する患者の管理・指導(家族へ・患者へ・医療者間)/杉本はるみ
5. 抗がん剤とストーマケア/工藤礼子
6. 退院調整~こんな調整が必要~/武田紗代子
7. 在宅や介護施設での退院後のケア/渡邉光子
8. 地域連携(シームレス・地域密着ケア)/仙石真由美
9. ICT活用,こんな連携も!/政田美喜
10. いざとなったときのための災害対策と指導/青井美由紀
11. どうすればいい? 認知症のオストメイトケア/小田恵美子,小宮山敬子
12. 意外と知らないオストメイトの悩み/根本秀美
13. 患者さんからの寄稿
 ①私の病歴/藤岡 幸
 ②諦めることは悪いことではない~ストーマをオープンにして変わった私の毎日~/Kさん,20代女性・看護学部生
2,640円
特集●今日から役立つ フレイルの知識とケアのポイント
企画編集/鳥羽研二(東京都健康長寿医療センター 理事長)

<特集にあたって>

 2015年以降,国民生活基礎調査による寝たきりの原因疾患,病態は単一疾患では認知症ですが,高齢による衰弱,転倒骨折,関節疾患など筋肉移動系のフレイル関連病態は合わせると40%以上の原因となっています。
 フレイルは,「心身のストレスに対し脆弱で,元の生活機能に戻りにくい状態」を指しますが,これは加齢により徐々に進行します。一方,加速する原因は,内科,外科,整形外科,感覚器疾患,泌尿器疾患などすべての疾患領域にわたり,病気が増えるにつれ増加する多投薬がフレイルの原因にもなります。
 フレイルの表現形は,加齢とともに増加し,医療だけでなくケアも必要な病態と定義される「老年症候群」の主要な部分を占めます。そのなかには,頻尿,尿失禁,転倒,骨折,活力低下,低栄養,体重減少,うつなどがあり,複数の診療領域にまたがっています。
 WOCナースは,単一の診療科に属するものではなく,栄養,保清,行動療法,心理,薬物療法など幅広い知識をケアに生かす領域横断的な試みと捉えています。
 フレイルは放置すると悪循環を起こし,その典型的な結末が転倒骨折,寝たきりです。
 この意味で,体と心を一体的に理解し,原因と表現形の知識を蓄え,フレイルの特徴に対応したケアを行い,「筋脳の志師」として明日からの日常業務に資することができれば幸いです。

鳥羽研二
東京都健康長寿医療センター 理事長


<目次>

【フレイル/サルコペニアの看護診断】
 1. フレイルを見つける/荒井秀典
 2. フレイルを見た目から見つける/鳥羽研二
 3. サルコペニアを見つける/吉澤裕世,飯島勝矢
【フレイル/サルコペニアは機能予後の体温計】
 4. 生命予後,機能予後/島田裕之
【フレイル/サルコペニアの予防指導】
 5. 高齢者へのフレイル予防ケア~日常生活に焦点を当てた支援~/佐々木知輝
 6. 管理栄養士の栄養指導の役割を踏まえて~求められる管理栄養士の役割~/府川則子,荒木 厚
 7. サルコペニア・フレイル指導士,介護予防運動指導員の役割を踏まえて/大渕修一
 8. オーラルフレイルを診る視点~歯科医師・歯科衛生士からの提言~/平野浩彦
【疾患とフレイル予防,ケア】
 9. 外科手術/安樂真樹
 10. 心不全とフレイル/鳥羽梓弓,石川讓治,原田和昌
 11. 糖尿病/田村嘉章
 12. COPD/山本 寛
 13. ロービジョン/福岡秀記
 14. 聴力低下/杉浦彩子
 15. 排尿障害(ウロフレイル)/吉田正貴,横山剛志
 16. スキンフレイル/飯坂真司
【トピックス】
 17. フレイル予防センター/荒木 厚
 18. フレイル予防のための社会資源の活用(通いの場など)/植田拓也,藤原佳典
2,640円
特集●急性期褥瘡の発生機序と治療・ケアのコツ
企画編集/茂木精一郎(群馬大学大学院 医学系研究科 皮膚科学 教授)

<特集にあたって>

 この雑誌をご覧になっている皆さんは,病院内や在宅医療にて,医師,看護師,栄養士,薬剤師,理学療法士などによる多職種の褥瘡チームを結成し,褥瘡の早期発見を目標として,熱心に定期的な観察をされていることと思います。その際に,消えない紅斑や紫斑として発生初期の褥瘡を発見できることも多いと思います。このような,まだ皮膚潰瘍に至っていない状態である「急性期褥瘡」を早期に発見することができた場合,皆さんはどのように対処されているでしょうか? まず,不適切な環境要因・ケア要因(湿潤,摩擦,ずれによる局所的要因など),低栄養などが褥瘡発生の原因となっていないかどうか? ということを確認し,それらの要因を改善させるためにはどのように対処すればよいか?と考え,さまざまな処置や工夫をされていると思います。今回の特集では,そのような「急性期褥瘡」の病態や発症機序,そして治療・ケアにおけるさまざまな疑問に対して,それぞれのエキスパートの先生方に詳しくご解説いただきました。
 本特集では,まず,「急性期褥瘡」と「慢性期褥瘡」との違い,経過について,「急性期褥瘡」の発生機序と関連要因(老化,不適切な環境要因・ケア,低栄養など),そして鑑別疾患について総論的にご解説いただきます。次に,各論として,まず身体に加わる外力と「急性期褥瘡」の発生との関係についてご解説いただき,不適切な外力を改善させる方法・ケア,器具などをご紹介いただきます。また,「急性期褥瘡」が発生する分子生物学的機序について,酸化ストレスを中心にご解説いただきます。「DESIGN-R2020」に新たに含まれた深部損傷褥瘡:Deep Tissue Injury(DTI)についても,原因や機序,臨床的特徴,同定方法などをご解説いただきます。超高齢社会の日本においては,褥瘡患者数は増大し,褥瘡の予防・治療・管理の重要性が高まっていますが,老化に伴うさまざまな変化のうち,褥瘡の発生に関わる要因(脂肪・筋肉量の低下,骨突出,免疫能低下,関節拘縮,便尿失禁,知覚低下,創傷治癒力低下など)についてご解説いただきます。低栄養と褥瘡の発生との関係,とくに亜鉛欠乏では褥瘡が増悪しやすく治りにくくなる機序について詳しくご説明いただきます。「急性期褥瘡」の発症に関わる環境・ケア要因についてまとめていただき,これらの要因を改善させるリハビリテーションやスキンケアなどについて示していただきます。最後に,「急性期褥瘡」における治療法(外用,貼付剤,観察方法など),そして,ケアの方法(除圧の見直しなど)についてまとめていただきました。
 上記のごとく,それぞれのエキスパートの先生に詳しくまとめていただきました。この「急性期褥瘡」に注目することで,その後の皮膚潰瘍の発生を少しでも予防,抑制することにつながり,さらには患者のQOL向上,医療費や人件費,労働量の削減も期待できます。皮膚潰瘍の発生した後の「慢性期褥瘡」に対する治療法などの特集は数多くありますが,「急性期褥瘡」に着目した特集は少なく,貴重な1冊になるでしょう。

茂木精一郎
群馬大学大学院 医学系研究科 皮膚科学 教授


<目次>

1. 急性期褥瘡とは/田村政昭
2. 身体に加わる外力と急性期褥瘡の発生との関係について/加納宏行
3. 急性期褥瘡が発生するメカニズムに迫る/内山明彦
4. 深部損傷褥瘡:Deep Tissue Injury(DTI)について/磯貝善蔵
5. 皮膚の老化と急性期褥瘡の発生機序/倉繁祐太
6. 急性期褥瘡の発生機序と栄養について/岡田克之
7. 亜鉛欠乏による急性期褥瘡発生の機序/関口明子
8. 急性期褥瘡の発症に関わる環境・ケア要因について/松岡美木
9. 急性期褥瘡の治療・ケアの進め方/角 総一郎,前川武雄
2,640円
特集●終末期ケアに求められる褥瘡ケア・ストーマケアの知識とスキル
企画編集/祖父江正代(JA愛知厚生連 江南厚生病院 看護管理室/緩和ケアセンター,がん看護専門看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師)

<特集にあたって>

 がん,非がんともに,終末期の患者は,痛みや呼吸困難,全身倦怠感,不眠,るいそう,浮腫,せん妄,不安など多くの身体的苦痛や精神的苦痛を抱え,社会的苦痛,スピリチュアルペインも認めます。このような苦痛によって,通常なら望ましいとされているケアが,患者にとって必ずしも最善のケアにつながるとは限りません。場合によっては,かえって患者の苦痛を増強させてしまうことさえあります。
 褥瘡ケアにおいては,終末期ゆえに起こる皮膚の変化である,浮腫や末梢循環障害,るいそうに伴う病的骨突出などによって,いっそう褥瘡発生のリスクを高めます。また,それに加えて痛みや呼吸困難,全身倦怠感などによって褥瘡予防ケアを行ううえで欠かせない体位変換を困難にさせます。さらに,体位変換によって起こる苦痛を和らげたいという思いから標準的なスキンケアや創傷管理も思うようにできないこともあります。そして,私たち看護師は患者に苦痛を与えてしまうのではないかと恐れながらケアを行ったり,どうしたらいいのだろうかと悩んだり,また何もできない無力感を抱いたりすることもあるでしょう。
 一方,ストーマケアでは,終末期によって起こる体型の変化から今まで問題なく実施できていたストーマ管理が困難になったり,局所状況が悪いなかで複雑なストーマ管理を余儀なくされたりすることもあります。また,緩和ケア目的で行われたストーマ造設であるがゆえに,ストーマ脱出やストーマ傍ヘルニアなどのストーマ合併症をきたし,その管理を求められることもあります。
 終末期における褥瘡やストーマケアでは,標準的な褥瘡ケア・ストーマケアの知識やスキルだけでなく,患者の苦痛の状況に合わせてそれらを応用するスキルも求められます。
 本特集では,臨床でよく遭遇する終末期患者の褥瘡ケア・ストーマケア上の問題と,それを解決する際に求められる知識とスキルについて紹介します。

祖父江正代
JA愛知厚生連 江南厚生病院 看護管理室/緩和ケアセンター
がん看護専門看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師


<目次>

1. 終末期患者のWell-beingの維持・向上を目指す褥瘡ケア・ストーマケアとは?/祖父江正代
2. 終末期患者の皮膚の特徴/祖父江正代
3. 褥瘡ケア
 (1)終末期患者の体圧分散ケア-体位変換とポジショニングのポイント-/髙倉 梢
 (2)終末期患者の排泄ケアとスキンケア-IAD予防ケアとおむつ交換方法のポイント-/木村あかり
 (3)終末期患者の褥瘡管理-ドレッシング材と外用薬使用方法など創処置のポイント-/杉本はるみ
4. ストーマケア
 (1)終末期にみられるストーマ合併症と皮膚障害/高木良重
 (2)終末期ストーマ保有者の体型の変化に合わせたストーマ管理-るいそうや腹部膨満のあるストーマ保有者のストーマ装具選択のポイント-
   /山田陽子
 (3)終末期にみられるストーマ合併症の管理-ストーマ脱出時のストーマ装具選択のポイント-/江川安紀子
 (4)終末期にみられるストーマ合併症の管理-ストーマ周囲がん自壊のストーマ管理のポイント-/黒木さつき
2,640円
特集●創傷における感染対策 ~この10年で何が変わったか~
企画編集/菅野恵美(東北大学大学院 医学系研究科 看護アセスメント学分野 准教授)

<特集にあたって>

 皮膚創傷は,受傷直後から始まり,炎症期,増殖期,再構築期の3つの過程が互いにオーバーラップしながら進行する一連のプロセスです。順調に治癒に至るためには,治癒過程のなかでも,炎症期をいかにうまく乗り切るかがKeyであり,炎症期の良し悪しは増殖期や再構築期の‘質’にも影響してくる可能性が指摘されています。炎症期を遷延させる要因はさまざまありますが,細菌感染や真菌感染が遷延要因となることが多く,感染対策はすべての創傷で求められてきます。
 創傷の管理・感染対策において,多職種連携は欠かせません。創傷に関わる看護師(WOCナース)は,感染徴候の観察(全身状態・局所状態)からケアまで広く関わりますので,知識や技術のupdateが求められます。創傷管理方法は,この30年の間に飛躍的に研究が進み,この10年で本国での治療の選択肢が拡充しています。たとえば,陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy;NPWT)は,現在の様式で1995年に製品化され,適応疾患,吸引圧の設定,機器の軽量化などが模索されつづけています。陰圧閉鎖療法のみでは,創面の細菌数減少効果が低いことがさまざまな研究から報告され,感染創への効果を高めるために,洗浄を伴う陰圧閉鎖療法や洗浄液が開発され,広く用いられています。
 また,2020年に「早期の抗バイオフィルム戦略で難治性創傷を克服する」というWound hygiene(創傷衛生)の国際的なコンセンサスドキュメントが発表され,初期からの感染対策(バイオフィルム戦略)の重要性が,より強調されはじめています。
 基礎的な研究領域では,解析装置の進化により,単球(マクロファージ)1つをとってみても,その機能により,数種類に分類できることがわかってきました。今後,細胞標的薬,分子標的薬による創傷感染対策も夢ではないかもしれません。また,好中球の存在・活性化がバイオフィルム誘導に関わることが示されていますので,感染対策を考えるうえで免疫細胞の挙動にも注目していく必要があります。
 本特集では,「この10年で変わったこと」を中心に,各分野のエキスパートの方々にご解説いただける機会が得られました。本特集が,皆さまの日常的な疑問を解決し,知識・技術のupdateに役立つと幸いです。

菅野恵美
東北大学大学院 医学系研究科 看護アセスメント学分野 准教授


<目次>

1. 創傷における感染防御機構,影響を与える要因/丹野寛大,菅野恵美
2. Wound hygiene(ウンドハイジーン)の概念/菅野恵美,丹野寛大
3. 重度四肢外傷における深部感染を回避するためのポイント/伊師森葉,今井啓道,鳥谷部荘八
4. 術後創傷に対する感染対策~SSIの予防と治療~/吉村美音,松村 一
5. ドレーン管理と感染対策/松井憲子
6. 熱傷における感染対策/原 幸司,村木健二,今井啓道
7. 人工物手術における感染対策/庄司未樹,今井啓道
8. 慢性創傷(褥瘡/重症下肢虚血など)における感染対策/齋藤順平,市岡 滋
9. 糖尿病性足潰瘍における感染対策/藤井美樹,寺師浩人
10. 栄養学の観点からの感染対策/飯坂真司
2,640円
特集●褥瘡・スキン-テア患者における栄養サポート
企画編集/真壁 昇(関西電力病院 疾患栄養治療センター 栄養管理室 室長,美作大学 客員准教授)

<特集にあたって>

 わが国は世界で最も高齢化が進み,種々の治療と並行した褥瘡・スキン-テアの予防と管理が注目されています。褥瘡では,とくに重度褥瘡患者が激減し,体圧分散管理とともに栄養管理の重要性が示されてきました。そもそも,なぜ栄養管理が創傷治癒の1つの柱となるのでしょうか? ―身体は,種々の急性疾患に伴い侵襲が生じ,炎症性サイトカインが放出されます。これらは新型コロナウイルス感染症でも同様であり,C反応性たんぱく(CRP)などの炎症マーカーが増加し,一方で血清アルブミン(Alb)が減少します。CRPとAlbはどちらも肝臓で産生され,両者は相反した動きをします。そのため,Albは急性期の栄養指標としては参考値程度であり,本来は除脂肪体重(lean body mass;LBM)が適切な指標です。たとえば,末梢輸液のみで,栄養を摂らない状態が続くと栄養障害が生じます。生体内では,肝臓と筋肉のグリコーゲンによって生命維持が図られますが1日程度で枯渇するため,その後はLBMが消費されます。侵襲度が増加するほど栄養消費量が増えるため,LBMの減少が進行し栄養障害が増悪します。このLBMの減少に伴い,筋量や血清たんぱく質をはじめとした内臓たんぱく質,免疫能の障害および臓器障害が生じることが知られ,LBMが健常時と比して30~40%以上喪失すると,窒素死(nitrogen death)と呼ばれる不可逆的な生命の危機が生じます。また,LBMの減少率が高くなるほど,経口摂取由来のたんぱく質は創傷治癒に利用されにくくなります。このようにLBMの維持・改善によって,創傷治癒が進展する環境を醸成することから,栄養管理が重要となります。
 近年,褥瘡治癒を促進する特定の栄養素が報告されています。これまで,たんぱく質と亜鉛,アスコルビン酸のシステマティックレビューでは,その有用性が示されない報告がありました。しかし,条件の異なるメタアナリシスが行われた結果であり,実臨床では種々の栄養素のランダム化比較試験(randomized controlled trial;RCT)が参考になります。まもなく「褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)」の発表が予定されていますが,現行の第4版では新たにL-カルノシン,コラーゲン加水分解物などが追加され,日本人の褥瘡患者を対象としたRCTの結果が示されました。そこで本特集では,本RCTを実際に研究された先生方にご執筆をお願いし,皮膚看護領域の専門家であるWOCナースのためにわかりやすくカスタマイズいただきました。
 一方,褥瘡の予防・管理とともにスキン-テアへの関心が増しています。スキン-テアは,紫斑や強い痛みを伴うことが多いことから虐待とも間違われることがあり,またQOLを低下させることから,その対策が急務となっています。これらを背景とし,平成30(2018)年度の診療報酬改定において,褥瘡のアセスメントの危険因子に新たにスキン-テアの項目が追加されました。しかるに,日本においては栄養とスキン-テアの関連に着目した報告は少なく,一方で諸外国においても褥瘡ガイドラインに準じた対応が散見されるなど,学際的に進行中の領域です。本特集では現時点での既報を盛り込むとともに,WOCナースの視点で栄養を探求し,今後の研究にもつながる構成を配慮しました。日常の臨床現場,そして研究のなかで,本分野の専門家であるWOCナースにご活用いただくためのバイブルとなることを祈念いたします。

真壁 昇
関西電力病院 疾患栄養治療センター 栄養管理室 室長,美作大学 客員准教授


<目次>

1. すぐにわかる! 創傷と栄養のい・ろ・は/水野英彰,朱通弓子,横島将光
2. ガイドラインから栄養を探求する/岡田有司
3. たんぱく質の必要量と摂り方の実際/濵田康弘
4. 特定の栄養素:L-カルノシンによる褥瘡の治癒促進効果/榮 兼作,柳澤裕之
5. スキン-テア領域における栄養研究の最新知見と研究のススメ/飯坂真司
6. ICU患者の栄養管理に係わる褥瘡・スキン-テア対策の最前線/諸見里 勝
7. 回復期リハビリテーション病棟における褥瘡・スキン-テア対策と栄養ケア/藤原謙吾,一瀬絵梨,西岡心大
8. 在宅での創傷患者における栄養サポート最前線/塩野﨑淳子
2,640円
特集●高齢者のスキントラブルとその予防・ケア
企画編集/福田英嗣(東邦大学医療センター大橋病院 皮膚科 部長)

<特集にあたって>

 わが国における高齢化問題は避けられない状況となっています。総務省の推計によれば,65歳以上の高齢者人口は2020年9月15日現在,3617万人(前年推計にくらべて30万人増加)で,総人口に占める割合(高齢化率)は28.7%(同0.3ポイント上昇)となり,高齢者人口・高齢化率ともに過去最高を更新しています。また,2065年には高齢化率が38.4%(将来推測値)と推測され,今後高齢化社会はますます深刻化すると考えられています。
 このような背景から,今後,高齢者のスキントラブルに遭遇する機会は増加することが予想され,高齢者に生じる皮膚疾患の病態の理解や治療,その予防・ケアは重要となってきます。
 高齢者に生じるスキントラブルの多くは,皮膚の老化(加齢に伴い生体の恒常性維持能力が低下する過程でみられる現象)に伴い生じます。高齢者では,生体を構成する蛋白や脂質,糖質が加齢に伴い質的・量的に変化することで形態的な変化が生じ,機能的な低下や免疫能の低下のため,種々の疾患に罹患しやすくなります。また,慢性的な紫外線照射は光老化により老化を増強し,良性腫瘍や悪性腫瘍の発生につながります。
 皮膚の老化の症状としては,皮膚の乾燥や爪甲肥厚などの生理的老化による皮膚の変化(老人性徴候)や老人性皮膚萎縮症,老人性色素斑,老人性白斑,老人性紫斑,老人性血管腫などが存在します。また,高齢者に多い皮膚疾患としては皮脂欠乏症や,胼胝・鶏眼などの角化症,水疱性疾患である水疱性類天疱瘡,褥瘡や熱傷などの物理的皮膚障害,白癬やカンジダ症,疥癬,帯状疱疹などの感染症,腫瘍性疾患としては良性腫瘍の脂漏性角化症,癌前駆症の日光角化症やBowen病,悪性腫瘍の基底細胞癌,有棘細胞癌,悪性黒色腫などがあります。
 本特集号では,高齢者のスキントラブルに精通した皮膚科医,内科医,薬剤師,看護師の先生方に,外用薬の基剤と特性,皮脂欠乏症・乾皮症,高齢者の褥瘡,スキン-テア,胼胝・鶏眼,巻き爪・陥入爪,循環障害に伴う足病変,高齢者の疥癬,高齢者に多い真菌症(白癬,カンジダ症),高齢者のアトピー性皮膚炎,臀部老人性苔癬化局面,老人性色素斑と脂漏性角化症,高齢者に多い水疱症に関してご解説いただいています。
 これらの疾患は,WOCナースの方々が直接診療に当たらない疾患も含まれていますが,高齢患者のqualityof life(QOL)を低下させる要因となっていることが多い疾患です。本誌をご拝読いただき,各疾患の概要を理解して整理しておくことは,高齢患者を診察する際に必ず役立ち,さまざまなスキントラブルで悩んでいる高齢患者のQOLの向上へつながることを確信しています。

福田英嗣
東邦大学医療センター大橋病院 皮膚科 部長


<目次>

1. 外用薬の基剤・剤形の特性~WOCナースがよく使用する保湿剤と褥瘡治療薬について~/大谷道輝
2. 皮脂欠乏症・乾皮症(老人性乾皮症)/菊地克子
3. 高齢者の褥瘡~保存的治療における注意点~/鈴木 琢
4. スキン-テア/小谷野結衣子
5. 胼胝・鶏眼,巻き爪・陥入爪~フットケア時の注意点~/高山かおる
6. 循環障害に伴う足病変~フットケア時の注意点~/宇都宮 誠
7. 高齢者の疥癬/和田康夫
8. 高齢者に多い真菌症~白癬とカンジダ症~/常深祐一郎
9. 高齢者のアトピー性皮膚炎/向井秀樹
10. 臀部老人性苔癬化局面/新山史朗
11. 老人性色素斑と脂漏性角化症~鑑別疾患を含めて~/髙橋美咲
12. 高齢者に多い水疱症~ドレッシング材使用時の注意点~/吉田憲司
2,640円
特集●WOCケアに活かす 皮膚真菌症の基礎知識
企画編集/望月 隆(金沢医科大学 皮膚科学講座 教授)

<特集にあたって>

 普段あまり意識することはないと思いますが,私たちの身の周り,皮膚,そして私たちの体内は微生物に溢れています。微生物のなかでは大型とはいえ,カビ(真菌)も基本単位はたかだか10ミクロンの細胞です。これは,ヒトの裸眼の検出限界である0.2 mmの20 分の1にすぎません。そのため,そのままでは私たちの眼に触れることはなく,大量に増殖したものがキノコ,風呂場の黒い汚れ,あるいは餅やパンの上のカビなどとしてようやく認識されることになります。こうした真菌は地球上で150万種類以上存在するとされていますが,ほとんどの真菌はヒトと関わりなく,あるいは害を及ぼさずに存在していますし,中にはパン酵母やコウジカビなど有益なものも含まれています。しかし,ごく少数の真菌,おそらく100種程度が皮膚に感染して病原性を示すと考えられています。
 今回のテーマである皮膚真菌症は,生命に直接の影響があることは少ないのですが,患者のケアを行ううえで,また皮膚の健康を考えるうえで避けることができない大きな疾患群です。実際,皮膚科の外来新患患者の約1割が白癬などの皮膚真菌症であったこと,また推定で2500万人の足白癬患者が存在することが知られています。さらに超高齢社会の進行に伴い,皮膚真菌症の有病率の上昇が懸念されています。皮膚科医は日常こうした皮膚真菌症に向き合っているのですが,常にうまくコントロールできるわけではなく,診断,治療に手こずる例をしばしば経験します。この原因としては,皮膚症状が多彩で,皮膚真菌症に類似する多くの疾患が存在すること,逆に「まさか真菌がいるとは」と驚かされるような症状の皮膚真菌症が存在することが挙げられます。たとえば白癬菌が角質に感染すると湿疹反応が引き起こされますが,見た目だけでは白癬かかぶれ(接触皮膚炎)か,鑑別が困難な例もまれではありません。また真菌検査が行われず誤診されたまま治療され,難治とされていた例を診ることもあります。気軽に真菌検査にアプローチできないことも診断の困難さの一因になっているように思います。また治療に手こずる例では,発症の誘因に対するアプローチが必要であることも少なくありません。IAD(失禁関連皮膚炎)では皮膚の最外層の角質の浸軟,劣化が起こり,微生物に対する感染防御能力が低下して,そこに皮膚真菌症が発症してきます。こうした状態のままで抗真菌薬を使用しても適切なスキンケアが行われないかぎり,再燃・再発は避けられませんし,治療薬による接触皮膚炎が生じる可能性も高まります。この分野は皮膚科医もチーム医療の大切さを認識しているところです。
 この特集では,皮膚真菌症の専門家に皮膚真菌症診療の実態をなるべくわかりやすく解説していただき,あわせて実践のうえでの工夫も紹介いただくようにお願いしました。この特集が皮膚の健康に興味をお持ちの皆さまのよりよいケアの実践,そしてチーム医療の推進に役立つことを心から願っています。

望月 隆
金沢医科大学 皮膚科学講座 教授


<目次>

〔総説〕
 1. 真菌とは,そして皮膚真菌症とは/北見由季
 2. 真菌検査法の基本/藤広満智子,小川妙呼
 3. 皮膚科領域の抗真菌薬/佐藤友隆

〔各論〕
 1. おむつ周辺の皮膚カンジダ症/田邉 洋
 2. 知っておきたい体幹にみられる皮膚真菌症/竹田公信
 3. 高齢者の頭部,顔面,体部白癬/角谷廣幸
 4. 高齢者の足・爪白癬/渡邉晴二
 5. フットケアと爪真菌症/高山かおる
 6. 抗真菌剤含有ソープとスキンケア/髙橋秀典
 7. 在宅患者で留意すべき皮膚真菌症/丸山隆児
特集●足の外科領域の疾患とそのケア
企画編集/原口直樹(聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 副院長/病院教授)

<特集にあたって>

 本誌を手にされている皆さんの中には,最近足の疾患に関する症例が増えているな,と感じている方も多いと思います。もちろん,足に疾患をもつ患者や足の外傷を受傷する患者の数そのものが増えているわけではありません。近年足関節・足部の疾患や外傷の病態解明が進み,それに基づいた外科的治療法が飛躍的に進歩したことがその背景にあると考えられます。これに伴って足の外科を専門とする医師の数が大変多くなりました。
 足の外科と一口に言っても,その対象とする疾患・外傷は無数といってよいほど存在し,各々の病態も,他の骨・関節疾患と比較して非常に複雑です。このことは,医師がこの分野をとっつきにくいと感じてきた1つの要因であり,これにかかわる看護師にとっても,病態と治療をしっかり理解したうえで看護することはハードルが高いものでした。
 本誌「WOC Nursing」で足の外科が特集された最大の理由は,足の疾患やその術後管理は創傷ケアと切っても切れない関係があるからです。足の疾患は多くの場合に変形を伴いますが,変形した足部に荷重や靴の刺激が加わると潰瘍や胼胝を形成し,ときには感染も合併します。変形や胼胝のある足で歩行することは,患者にとって大変な苦痛を伴いますし,足部にできた潰瘍はきわめて難治性です。また足部は骨と皮膚との間の軟部組織が少ないため,高エネルギー外傷による水疱形成や皮膚の壊死もまれではありません。さらには,手術後の創の治癒遷延や感染も他の部位の術後より高率に発生し,時として手術の目的である骨の癒合よりも,手術創の合併症に対する治療のほうが長引くことさえあります。
 本特集「足の外科領域の疾患とそのケア」では,各分野での新進気鋭の方々にご執筆賜りました。すべての章が図表を多用したわかりやすいものであり,この特集で1冊の教科書になるほど充実しています。足の解剖は,実践に即して詳細に書かれており,足の解剖書ともいえる内容です。また,足の外科の各疾患,外傷,すなわち,成人期扁平足,外反母趾,関節リウマチ,スポーツ障害,神経障害,変形性足関節症,足の外傷では,その病態から手術治療まで大変詳しく執筆していただき,私自身にとっても大変に勉強になりました。これに続く外来・病棟・手術室での足の外科看護の章では,そのケアに役立つ多くの知見と落とし穴がもれなく記載されています。足の外科のリハビリテーションの章では,なぜいま荷重をかけてはいけないのか,なぜその関節の動きを制限しなければならないのか,術後のある時期でどのようなリハビリテーションが有効なのか,が詳細に述べられています。足の装具の基礎知識では,その歴史から装具作成の実際まで,なかなか学ぶことができない大変興味深い内容をご執筆いただきました。ご執筆いただいた方々に,心より感謝申し上げます。
 本特集号を身近に置いていただき,対象の患者が来院するごとに参照していただければ,病態の深い理解に基づいたより実践的なケアが可能になると確信しています。

原口直樹
聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 副院長/病院教授


<目次>

1. 足の外科に必要な解剖の知識/尾関拓磨
2. 成人期扁平足/山田俊介
3. 外反母趾の病態と治療/太田光紀
4. 関節リウマチの足部・足関節障害/笠井太郎
5. 足のスポーツ障害/亀田 壮
6. 足の神経障害/熱田智範
7. 変形性足関節症/岡村 龍
8. 足の外傷/有山ゆり
9. 足の外科領域の看護-病棟と外来-/菅谷絵里奈,篠﨑絵美,斉藤寛之,地代所真弥
10. 足の外科領域の看護-手術室-/土屋大星
11. 足の外科領域のリハビリテーション/岩澤裕之
12. 足の装具の基礎知識/寺門厚彦
特集●実践! 超高齢社会における排尿ケア
企画編集/高橋 悟(日本大学 医学部 泌尿器科学系 泌尿器科学分野 主任教授)

<特集にあたって>

 「実践!超高齢社会における排尿ケア」を企画しました。
 ご存知のように,近年多職種チームによる「排尿自立指導」が保険適用となり,「排尿ケアの意義を保険診療の上で認知してもらう」という私たちの念願が実現しました。さらに令和2年度診療報酬改定で,従来の排尿自立指導は「排尿自立支援」となり,新たに「外来排尿自立指導」が保険適用となったことは特筆すべきことであり,排尿ケアのさらなる発展が期待されます。
 今回,これらの制度で中核的役割を担うWOCナースの皆さまが読者である本誌で,特集を企画できますことを大変光栄に思います。そこでまずは,谷口珠実先生に日本における排尿ケア全般を俯瞰していただき,その現状と課題についてご解説いただきます。日本の排尿ケアは,排尿自立支援・指導の導入に加えて,自己導尿の特殊カテーテル加算など近年着実に制度面でも充実しつつあります。
 次に吉田正貴先生には,高齢者にみられるさまざまな下部尿路症状ならびに,フレイル,認知症などによる影響についてご解説いただきます。ご存知のように,下部尿路の解剖は男女で大きく異なり,診療ガイドラインも別に2つ存在します。柿崎秀宏先生と和田直樹先生にはガイドラインに沿って,高齢男性の下部尿路症状の診断と治療をご解説いただき,吉澤 剛先生には2019年に刊行された新しいガイドラインに沿って,女性下部尿路症状の診断と治療を解説してもらいます。また最近進歩の著しい難治性過活動膀胱の治療(膀胱壁ボツリヌス毒素注入手術,仙骨神経刺激療法)も紹介します。一方,高齢者に多い排尿トラブルは夜間頻尿です。横山 修先生には,2020年刊行の『夜間頻尿診療ガイドライン』をご紹介いただき,夜間頻尿の原因と対処法についてご解説いただきます。最近,NHK総合テレビの生活情報番組「ガッテン!」でも紹介された最新の生活習慣指導,行動療法に加えて,男性患者へのデスモプレシンについても紹介していただきます。
 排尿ケアの実践編としては,吉田美香子先生に前述の排尿自立支援・外来排尿自立指導制度導入の経緯ならびにその役割と最新のデータをご紹介いただき,多職種チームによる排尿ケアの今後の展望をお示しいただきます。一方,実際の排尿自立支援・指導はどのように行われているのでしょうか。梅田富子先生にはケース・スタディ形式で,入院患者への排尿自立支援,外来排尿自立指導の症例を提示してもらい,自己導尿指導の実際も解説いただきます。
 超高齢社会の日本で日常的に遭遇する大きな課題として,要介護患者における排尿ケアがあります。野島陽子先生にはフレイル・認知症患者における排尿ケアのポイント,QOLの向上と介護負担の軽減を両立させるコツをご解説いただきます。また現在,厚生労働省は地域包括ケアシステムを推進し,病院医療から在宅医療へのシフトを目指しています。そこで板橋区医師会訪問看護ステーションの馬場実央先生と多嶋智英美先生に,「在宅支援の現状と排尿ケアの実際~訪問看護で行うケア~」のタイトルで,在宅における排尿ケアのリアルをご解説いただきます。
 最後は,最も重要なトピックスであるコロナ問題を取り上げます。「Withコロナ時代の排尿ケア」と題して,帶刀朋代先生に「新しい日常」としてコロナとどう向き合い,必要な排尿ケアを実践したらよいかをご解説いただきます。
 本特集が,読者の皆さまの明日からの診療に少しでもお役に立てば望外の喜びです。

高橋 悟
日本大学 医学部 泌尿器科学系 泌尿器科学分野 主任教授


<目次>

1. 超高齢社会日本における排尿ケア:現状と課題/谷口珠実
2. 高齢者の下部尿路機能障害の特徴/吉田正貴,横山剛志,西井久枝,野宮正範
3. 高齢男性の下部尿路症状:診断と治療/和田直樹,阿部紀之,宮内琴菜,柿崎秀宏
4. 高齢女性の下部尿路症状:診断と治療/吉澤 剛,髙橋 悟
5. 高齢者に多い夜間頻尿:夜間多尿を中心とした原因と対処法について/横山 修
6. 排尿自立支援・指導:現状と課題/吉田美香子
7. 排尿自立支援・指導:ケース・スタディ~排尿自立支援加算・外来排尿自立指導料の実際~/梅田富子
8. 要介護者における排尿ケア:実際とポイント~フレイル・認知症患者における排尿ケアのポイント,QOLの向上と介護負担の軽減を両立させるコツ~/野島陽子
9. 在宅支援の現状と排尿ケアの実際~訪問看護で行うケア~/馬場実央,多嶋智英美
10. Withコロナ時代の排尿ケア/帶刀朋代
特集●徹底理解! おむつ皮膚炎
企画編集/常深祐一郎(埼玉医科大学 皮膚科 教授)

<特集にあたって>

 「おむつ皮膚炎」の特集を企画しました。本来,皮膚炎とは湿疹と同義で,おむつ皮膚炎はおむつ部に生じる湿疹のことを指します。しかし実際の現場ではおむつ部に生じた湿疹のようにみえるものすべてを包括して使用されていることが多いです。本特集ではそのような背景を踏まえて,実際的な解説書を目指しました。つまり,本特集では,「おむつ皮膚炎」とは,臨床像のみで定義し,おむつと接する部位に生じる紅斑,小丘疹・小水疱・小膿疱,鱗屑,浸軟,びらん,痂皮などからなる皮膚病変としています。そこには主に湿疹と真菌症が混在もしくは併存しています。現場で使用されている「いわゆる『おむつ皮膚炎』」のとらえ方をそのまま持ち込みました。
 これを理解するために,最初に,湿疹とは? 真菌症とは? という,「おむつ皮膚炎」を構成する要素を解説し,そのうえで,「おむつ皮膚炎」の定義や臨床像を述べています。湿疹とは何かなど,漠然としていて,これまでしっかり学んだことのない方も多いのではないでしょうか。次に,「おむつ皮膚炎」に現場で即応するための対応アルゴリズムを提案しています。これは私の研究に基づくものです。「おむつ皮膚炎」の多くは皮膚科専門医が不在の医療現場で対応されています。そういう場所でも初動としてこういう風にしてみましょう,というものです。次に専門的な治療法を解説し,さらに,看護の視点からの予防やケアの方法を創傷・スキンケアの専門家に述べていただいています。また,「おむつ皮膚炎」の治療に用いることの多いステロイド外用薬ですが,独特の存在で皮膚科医が昔から重宝してきたものの,あまり知名度の高くない薬剤2剤を紹介しています。ぜひ今後活用いただけますと幸いです。そして最後に,「おむつ皮膚炎」と間違えてはいけない疾患を取り上げました。水疱症,亜鉛欠乏症,褥瘡,悪性腫瘍です。これらはアプローチが「おむつ皮膚炎」とまったく異なります。「おむつ皮膚炎」と区別しなければなりませんが,「おむつ皮膚炎」と併存していることもあり,背後に隠れていることもありますから,各段階で評価し直すことが重要です。
 「おむつ皮膚炎」をみない日はないはずです。本誌を読まれたあとは,「おむつ皮膚炎」を見る目が変わり,患者さんのQOL,満足度が向上することを祈っています。

常深祐一郎
埼玉医科大学 皮膚科 教授


<目次>

Ⅰ.「おむつ皮膚炎」総括
 1.「おむつ皮膚炎」を理解する
  (1)予備知識:「おむつ皮膚炎」を構成する要素
   ①湿疹とは?/植木理恵
   ②真菌症とは?/佐藤友隆
  (2)「おむつ皮膚炎」とは?~おむつ皮膚炎の定義と病態~/常深祐一郎
 2.「おむつ皮膚炎」に対応する
  (1)現場における「おむつ皮膚炎」対応~高齢者のおむつ皮膚炎に対する治療アルゴリズム~/常深祐一郎
  (2)「おむつ皮膚炎」の治療/宮澤理恵子,種井良二
  コラム:「おむつ皮膚炎」に活用できるステロイド外用薬
   ①グリテール含有副腎皮質ホルモン剤 グリメサゾン軟膏/藤永製薬株式会社
   ②エキザルベ/マルホ株式会社
 3.「おむつ皮膚炎」を予防する,ケアする/松岡美木

Ⅱ.「おむつ皮膚炎」と間違えてはいけない疾患・「おむつ皮膚炎」の背後に隠れていることのある疾患
 1. 自己免疫性水疱症/山上 淳
 2. 亜鉛欠乏症/浅川理子,川村龍吉
 3. 褥瘡/前川武雄
 4. 悪性腫瘍/田中隆光
2,640円
特集●大腸がん治療における有害事象とストーマ管理~がん治療を支えるためにWOCナースができること~
企画編集/福永 睦(兵庫県立西宮病院 副院長/外科部長/消化器外科部長)

<特集にあたって>

 がんは日本において1981年より死因の第1位であり,がん対策の一層の推進を図るために2007年4月1日「がん対策基本法」が施行されました。それに伴い,がん対策の基本的方向を定め,がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため,2007年から5年ごとに「がん対策推進基本計画」が策定されています。第1期(2007年度~2011年度)では「がん診療連携拠点病院」の整備,緩和ケア提供体制の強化および地域がん登録の充実が図られ,第2期(2012年度~2016年度)の基本計画では,小児がん,がん教育およびがん患者の就労を含めた社会的な問題などについても取り組むこととされ,死亡率の低下や5年相対生存率が向上するなど,一定の成果が得られました。
 一方,日本での大腸がんの罹患数および死亡数は増加しており,国立がん研究センターの最新がん統計によると2018年の大腸がんの死亡数は,男性3位,女性1位,総数2位,2017年の罹患数は,男性3位,女性2位,総数1位と報告されています。2017年のデータに基づく大腸がんの生涯がん罹患リスクは,男性が10.3%(10人に1人),女性が8.1%(12人に1人)であり,ストーマ造設に関与する直腸がんの生涯がん罹患リスクは,男性が3.8%(26人に1人),女性が2.2%(45人に1人)と考えられています。近年,直腸がんの術式として低位前方切除術(LAR)や括約筋間直腸切除術(ISR)を選択することが多くなり,一時的ストーマの割合が増えていますが,肛門に浸潤する場合は直腸切断術が避けられず,他部位がんも含めて緩和ストーマとしての永久ストーマも少なくありません。医療者にとってストーマ造設はがん治療の一部ですが,永久か一時的か,ストーマ合併症の有無,がん治療継続の有無などで,患者のストーマに対する向き合い方には当然相違が生じていることでしょう。手術直後,薬物療法施行中,再発の不安を抱えた経過観察中,治癒判定を受けたがんサバイバー,有効な治療法のなくなった緩和対象患者など,オストメイトが遭遇するさまざまな場面で,ストーマ管理ががん治療に支障を及ぼす可能性もあります。オストメイトがストーマ管理をコントロールして,生涯にわたるがん治療を継続していくためには,オストメイト自身の覚悟や知識はもちろんですが,医療者側のストラテジーやサポートが重要となります。
 本特集では「大腸がん治療における有害事象とストーマ管理~がん治療を支えるためにWOCナースができること~」と題して,手術後や放射線治療および薬物療法に伴う有害事象がストーマ管理に与える影響,在宅医療や緩和医療におけるストーマ管理の特徴を,経験豊富なエキスパートの先生方に解説していただきます。とくに薬物療法は日進月歩であり,使用する薬物ごとに特徴的な有害事象があり,下痢や手指の巧緻性低下による管理困難など全身観察を必要とし,各職種間の相互協力によるチーム医療が必要不可欠です。在宅や緩和ケアでは,患者の身体状況だけでなく社会的背景,家族構成や居宅状況も考慮しなければなりません。本特集が,ストーマに関わるすべての医療者の,がん治療戦略におけるストーマ管理の一助となれば幸いです。

福永 睦
兵庫県立西宮病院 副院長/外科部長/消化器外科部長


<目次>

1. 大腸がん治療におけるストーマ管理を考える/福永 睦
2. 一時的ストーマ造設患者におけるHigh output stoma syndromeの病態とストーマ管理/井上 透,西口幸雄
3. 放射線治療を受ける大腸がん患者に生じる有害事象の特徴と対策/宮前奈央
4. 最新の大腸がん薬物療法/岩田 崇,三嶋秀行
5. ストーマ管理に影響を及ぼす大腸がん薬物療法の合併症とその対応
 ①抗EGFR抗体薬に起因する皮膚障害とストーマ管理/小森孝通,小西 健,仲西優美,福永 睦
 ②5-FU系薬剤に起因する有害事象とストーマ管理/森岡直子
 ③オキサリプラチンに起因する有害事象とストーマ管理-末梢神経症状への対応-/津村剛彦,安藤嘉子
6. 地域・在宅医療におけるストーマ管理の特徴と対応/古川智恵
7. 緩和ストーマ造設における合併症とストーマ管理/中田 健,森本伸一郎,南部真里恵
8. 終末期医療におけるストーマ管理/遠藤麻子,安藤嘉子
2,640円
特集●泌尿器がんのストーマ造設・管理の実際
企画編集/武藤 智(順天堂大学大学院 医学研究科 泌尿器外科学 特任教授)

<特集にあたって>

 筋層浸潤性膀胱がんおよびBCG不応性筋層非浸潤性膀胱がんに対する標準治療は膀胱全摘除術です。膀胱がんは高齢者の頻度が高いことは従来より知られており,日本でも高齢化社会によって症例数は確実に増えています。膀胱全摘除術は決して侵襲が低いとはいえず,患者に対する負担を無視するわけにはいきません。できるだけ低侵襲で行うために,最近ではロボット支援膀胱全摘除術がglobalで徐々に症例数が増え,日本でも2018年4月に保険適用され,多くの施設で行われています。
 膀胱全摘除術に尿路変向術は必ず必要であることは言うまでもありません。現在では,新膀胱造設術,回腸導管造設術,尿管皮膚瘻造設術の3つの術式が標準的です。新膀胱造設術,回腸導管造設術では回腸を用いることが一般的です。腸管利用の尿路変向術には,それ以外に禁制型ストーマとしてコックパウチ,インディアナパウチ,マインツパウチがあり,以前は多くの症例に対して行われてきましたが,優位性に乏しく,現在ではきわめてまれでしょう。
 本特集では,回腸導管,尿管皮膚瘻のストーマ管理を中心に企画しました。いずれの尿路変向術も,まず作成を専門とする医師から手術について解説いただきます。ストーマ管理を行ううえで,どのような方法で作成しているかを理解することは重要です。次に管理についての実際をWOCナースの立場から解説いただきます。いずれも日本を代表するエキスパートの方々であり,多くの症例を長期間ケアしていただいています。本特集から,現在泌尿器がんのストーマを管理している多くの方に,豊富な経験をお示しすることができます。
 先述したように,ロボット支援手術が導入され,今までの開腹手術や腹腔鏡下手術と比べると患者の負担はかなり減少しました。今後も手術自体のさらなる進化が予想され,泌尿器がんに対する手術も例外ではありません。さらに尿路上皮がんに対しても新規の薬剤が登場しており,ストーマ造設後の患者でも,より長期の予後が期待できます。したがって,私たちが要求される泌尿器がんストーマ管理もこのような環境の変化に十分に対応することが求められており,WOCナースの皆さんのさらなる向上を希望しています。

武藤 智
順天堂大学大学院 医学研究科 泌尿器外科学 特任教授


<目次>

1. 腹腔鏡下膀胱全摘術における体腔外回腸導管造設術/三木 淳
2. ロボット支援体腔内回腸導管造設術/武藤 智
3. 医師による回腸導管の管理/清水史孝
4. WOCナースによる回腸導管の管理/赤坂和美,吉田春子
5. ダブルストーマのケア/山口涼子
6. 尿管皮膚瘻造設術(開腹手術における)/井上高光,飯沼昌宏
7. ロボット支援体腔内尿管皮膚瘻造設術の経験/北村香介
8. WOCナースによる尿管皮膚瘻の管理/小山田幸枝
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商品情報・内容

  • 出版社:医学出版
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月20日

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