目次
特集●褥瘡のアセスメントを極めよう!
~思い込みを防ぎ,よりよい治療方法を選択するために~
〈特集にあたって〉
今月号では「褥瘡を診てください」という依頼を受けたとき,局所のアセスメントをどのように行えばよいかという視点で特集を組みました。その目的は的確な褥瘡の診断,創面アセスメントから適切な治療・ケアのヒントを得ることにあります。したがって,内容は褥瘡の創面のみならず,その鑑別診断,合併症に及んでいます。
私は皮膚科医ですので,ときどき看護師から褥瘡が疑われる創の相談を受けます。時に他の皮膚疾患が,好発部位の潰瘍というだけで褥瘡と診断されていることがあります。創面アセスメントを行う前に褥瘡で間違いないかと確認することは,その後のアセスメントにもつながると思います。なぜなら,診断の確認は,まずこの創がADLの低下などで生じた圧迫・ずれなどで説明できるかを考えることから始まるからです。一方,褥瘡好発部位に生じやすい皮膚疾患の知識も鑑別診断では有用です。そこで,最初の3章で褥瘡と他の皮膚疾患との鑑別について取り上げました。
次は褥瘡のアセスメントです。創の状態評価法は,近年めざましい進歩を遂げています。とくに日本褥瘡学会主導でDESIGN®,さらにDESIGN-R®が判定ツールとして導入されたことで,褥瘡を専門とするメディカルスタッフのみならず,初心者でも,他の職種でも,同じように評価することが可能となった意義は大きいものがあります。さらに,知識があまりなくとも,ガイドラインを用いることで,その評点からある一定の創の治療方針を導き出すことも可能です。しかしながら,たとえば急性期褥瘡,不良肉芽,褥瘡の形,創面の段差など,これらのツールで表現できない病態があります。したがって,エコー検査も含め,これらの病態を的確に判定する眼を養う必要があります。そこで,実際の臨床の現場で役立つ知識が得られるよう,この領域に精通した皮膚・排泄ケア認定看護師の方に,DESIGN-R®も含む各評価項目と創面アセスメントについて,多くの症例を通して解説していただきました。さらに褥瘡の治療・ケアにどう結びつけるかも考えていただきたいと思います。
最後は褥瘡に合併して生じる創面以外の変化です。まず,創周囲の皮膚トラブルを取り上げました。創周囲の皮膚は,過去の褥瘡の既往,創からの滲出液,ドレッシング材,失禁などその他の身体状況などが影響します。そこで,創周囲の皮膚病変の症例を提示し,そのアセスメントからケアへのフィードバックまで考える内容を盛り込んでいます。次に,褥瘡に合併する感染症を取り上げました。褥瘡の予防・ケアが格段に進歩した現在でも,依然として褥瘡の発見,対処の遅れや不適切な局所治療によって,生命にかかわるような重症軟部組織感染症を併発する症例が後を絶ちません。このような症例は専門職のかかわりが少ない在宅や介護施設などで生じやすいのです。感染を防ぐ予防や褥瘡の早期介入はもちろんですが,感染の危険なサインを見逃さず,できるだけ早い対処ができるようになることを目指した内容となっています。
この特集が褥瘡の誤診を防ぎ,的確な創面アセスメントから,よりよい治療・ケアの一助になれば幸いです。
〔褥瘡の診断〕
1章 褥瘡と他の皮膚疾患との鑑別診断~いかに創を見きわめるか~
2章 褥瘡と間違えやすい皮膚疾患(仙骨部,臀部など[下肢を除く])
3章 褥瘡と間違えやすい皮膚疾患(下肢)
〔褥瘡の創面アセスメント各論〕
4章 急性期褥瘡のアセスメント
5章 褥瘡のエコー検査と深部組織損傷(DTI)の評価
6章 DESIGN-R®のつけ方とその活用
7章 深さ(D)のアセスメント
8章 壊死・肉芽(N・G)のアセスメント
9章 感染・滲出液(I・E)のアセスメント
10章 褥瘡の形,ポケット(P)のアセスメント
〔褥瘡の合併症〕
11章 褥瘡の創周囲皮膚トラブル
12章 褥瘡に起因する重症全身感染症
~思い込みを防ぎ,よりよい治療方法を選択するために~
〈特集にあたって〉
今月号では「褥瘡を診てください」という依頼を受けたとき,局所のアセスメントをどのように行えばよいかという視点で特集を組みました。その目的は的確な褥瘡の診断,創面アセスメントから適切な治療・ケアのヒントを得ることにあります。したがって,内容は褥瘡の創面のみならず,その鑑別診断,合併症に及んでいます。
私は皮膚科医ですので,ときどき看護師から褥瘡が疑われる創の相談を受けます。時に他の皮膚疾患が,好発部位の潰瘍というだけで褥瘡と診断されていることがあります。創面アセスメントを行う前に褥瘡で間違いないかと確認することは,その後のアセスメントにもつながると思います。なぜなら,診断の確認は,まずこの創がADLの低下などで生じた圧迫・ずれなどで説明できるかを考えることから始まるからです。一方,褥瘡好発部位に生じやすい皮膚疾患の知識も鑑別診断では有用です。そこで,最初の3章で褥瘡と他の皮膚疾患との鑑別について取り上げました。
次は褥瘡のアセスメントです。創の状態評価法は,近年めざましい進歩を遂げています。とくに日本褥瘡学会主導でDESIGN®,さらにDESIGN-R®が判定ツールとして導入されたことで,褥瘡を専門とするメディカルスタッフのみならず,初心者でも,他の職種でも,同じように評価することが可能となった意義は大きいものがあります。さらに,知識があまりなくとも,ガイドラインを用いることで,その評点からある一定の創の治療方針を導き出すことも可能です。しかしながら,たとえば急性期褥瘡,不良肉芽,褥瘡の形,創面の段差など,これらのツールで表現できない病態があります。したがって,エコー検査も含め,これらの病態を的確に判定する眼を養う必要があります。そこで,実際の臨床の現場で役立つ知識が得られるよう,この領域に精通した皮膚・排泄ケア認定看護師の方に,DESIGN-R®も含む各評価項目と創面アセスメントについて,多くの症例を通して解説していただきました。さらに褥瘡の治療・ケアにどう結びつけるかも考えていただきたいと思います。
最後は褥瘡に合併して生じる創面以外の変化です。まず,創周囲の皮膚トラブルを取り上げました。創周囲の皮膚は,過去の褥瘡の既往,創からの滲出液,ドレッシング材,失禁などその他の身体状況などが影響します。そこで,創周囲の皮膚病変の症例を提示し,そのアセスメントからケアへのフィードバックまで考える内容を盛り込んでいます。次に,褥瘡に合併する感染症を取り上げました。褥瘡の予防・ケアが格段に進歩した現在でも,依然として褥瘡の発見,対処の遅れや不適切な局所治療によって,生命にかかわるような重症軟部組織感染症を併発する症例が後を絶ちません。このような症例は専門職のかかわりが少ない在宅や介護施設などで生じやすいのです。感染を防ぐ予防や褥瘡の早期介入はもちろんですが,感染の危険なサインを見逃さず,できるだけ早い対処ができるようになることを目指した内容となっています。
この特集が褥瘡の誤診を防ぎ,的確な創面アセスメントから,よりよい治療・ケアの一助になれば幸いです。
〔褥瘡の診断〕
1章 褥瘡と他の皮膚疾患との鑑別診断~いかに創を見きわめるか~
2章 褥瘡と間違えやすい皮膚疾患(仙骨部,臀部など[下肢を除く])
3章 褥瘡と間違えやすい皮膚疾患(下肢)
〔褥瘡の創面アセスメント各論〕
4章 急性期褥瘡のアセスメント
5章 褥瘡のエコー検査と深部組織損傷(DTI)の評価
6章 DESIGN-R®のつけ方とその活用
7章 深さ(D)のアセスメント
8章 壊死・肉芽(N・G)のアセスメント
9章 感染・滲出液(I・E)のアセスメント
10章 褥瘡の形,ポケット(P)のアセスメント
〔褥瘡の合併症〕
11章 褥瘡の創周囲皮膚トラブル
12章 褥瘡に起因する重症全身感染症
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