目次
特集●身体機能障害・高次脳機能障害に対する排尿動作支援
企画編集/吉田美香子(東北大学大学院 医学系研究科 ウィメンズヘルス・周産期看護学 准教授)
<特集にあたって>
排尿自立支援加算・外来排尿自立指導料の導入から6年間を経て,排尿ケアの裾野は目覚ましい広がりをみせました。下部尿路機能は,排尿日誌や残尿測定などの情報収集ツールもあり,蓄尿・排尿(尿排出)機能の評価に必要な知識も系統的にまとめられていることから,下部尿路機能の評価や治療に関する看護職の知識・技能の向上は目覚ましいものがあります。しかしながら,排尿動作支援にはまだまだ課題もあるように感じます。排尿動作の自立は,培ってきた文化のなかで,自身が望む場所(便所)や方法(便器に座って排尿し,身繕いをして外に出る)での排尿を可能とすることを意味し,人の尊厳に直結します。にもかかわらず,排尿自立支援加算の対象になった患者のなかに,排尿動作が自立していないものの,下部尿路症状への治療方針が決まったところで支援が終了してしまう事例が少なくありません。
排尿動作支援の普及が遅れた背景には,排尿動作障害の原因である身体機能障害や高次脳機能障害・認知症は多岐にわたることや,急性期から回復期,生活期までの長期にわたって,居住・トイレ環境の変化や,身体機能障害や高次脳機能障害・認知症の回復に合わせ支援を修正していく必要があり,排尿動作支援が複雑であることがあります。近年,理学療法士・作業療法士から排尿動作支援に関する情報発信が増えたことや,『フレイル高齢者・認知機能低下高齢者の下部尿路機能障害に対する診療ガイドライン2021』が出版されたこともあり,排尿動作支援の知識・技能も系統的にまとまりつつあります。このような背景から,排尿動作支援への意識が高まってきています。
訓練室でがんばる「できる日常動作(ADL)」と24時間の生活のなかで行う「している日常動作(ADL)」のうち,後者は病棟看護師が大きく関わります。排尿ケアチームの中心的役割を担うWOCナースの皆さまに,病棟看護師をエンカレッジして排尿動作支援を進めていただきたいとの想いから,本特集では,身体機能障害・高次脳機能障害に対する排尿動作支援を企画しました。
本特集では,身体機能障害・認知機能障害によって生じる下部尿路機能障害や排尿動作障害について解説いただいたのち,泌尿器科医・リハビリテーション科医,薬剤師の立場から,排尿自立支援の視点で,身体機能障害・認知機能障害に対する治療・注意点を概説いただきます。また,身体機能障害と認知症/高次脳機能障害それぞれの排尿動作支援についてご解説いただくのとは別に,自己導尿動作の支援をご紹介いただきます。最後に,病棟での生活におけるリハビリテーションの考え方の解説と,排尿動作障害が問題となる典型的な疾患である脳卒中・整形外科疾患についての排尿自立支援の事例を紹介していただきます。
この分野で先駆的な実践をされている先生方にご執筆をお願いしました。本特集が読者の皆さまの明日からの臨床にお役立ていただければ幸いです。
吉田美香子
東北大学大学院 医学系研究科 ウィメンズヘルス・周産期看護学 准教授
<目次>
1. 身体機能障害・認知機能障害と下部尿路機能障害の関係/西井久枝,上條駿介,野宮正範,吉田正貴
2. 認知機能障害のレベル(MCI~重症)と生じやすい排尿動作障害の関係/篠原もえ子,小野賢二郎
3. 身体機能障害・認知機能障害がある場合の治療/鈴木基文
4. 排尿コントロールの再獲得に向けた回復期リハビリテーションの実際/池永康規
5. 下部尿路機能障害に対する薬物療法/小川 依
6. 身体機能障害に対する排尿動作支援/松永明子
7. 認知症/ 認知機能低下に対する排尿関連動作支援/神谷正樹,大沢愛子,加賀谷 斉
8. 身体機能障害・認知機能障害がある場合の自己導尿支援/一木愛子
9. 排尿自立支援におけるリハビリテーション看護の役割/正源寺美穂
10. 脳卒中患者への排尿自立支援の実際/堀内景子
11. 整形外科疾患患者への排尿自立支援の実際/帶刀朋代
企画編集/吉田美香子(東北大学大学院 医学系研究科 ウィメンズヘルス・周産期看護学 准教授)
<特集にあたって>
排尿自立支援加算・外来排尿自立指導料の導入から6年間を経て,排尿ケアの裾野は目覚ましい広がりをみせました。下部尿路機能は,排尿日誌や残尿測定などの情報収集ツールもあり,蓄尿・排尿(尿排出)機能の評価に必要な知識も系統的にまとめられていることから,下部尿路機能の評価や治療に関する看護職の知識・技能の向上は目覚ましいものがあります。しかしながら,排尿動作支援にはまだまだ課題もあるように感じます。排尿動作の自立は,培ってきた文化のなかで,自身が望む場所(便所)や方法(便器に座って排尿し,身繕いをして外に出る)での排尿を可能とすることを意味し,人の尊厳に直結します。にもかかわらず,排尿自立支援加算の対象になった患者のなかに,排尿動作が自立していないものの,下部尿路症状への治療方針が決まったところで支援が終了してしまう事例が少なくありません。
排尿動作支援の普及が遅れた背景には,排尿動作障害の原因である身体機能障害や高次脳機能障害・認知症は多岐にわたることや,急性期から回復期,生活期までの長期にわたって,居住・トイレ環境の変化や,身体機能障害や高次脳機能障害・認知症の回復に合わせ支援を修正していく必要があり,排尿動作支援が複雑であることがあります。近年,理学療法士・作業療法士から排尿動作支援に関する情報発信が増えたことや,『フレイル高齢者・認知機能低下高齢者の下部尿路機能障害に対する診療ガイドライン2021』が出版されたこともあり,排尿動作支援の知識・技能も系統的にまとまりつつあります。このような背景から,排尿動作支援への意識が高まってきています。
訓練室でがんばる「できる日常動作(ADL)」と24時間の生活のなかで行う「している日常動作(ADL)」のうち,後者は病棟看護師が大きく関わります。排尿ケアチームの中心的役割を担うWOCナースの皆さまに,病棟看護師をエンカレッジして排尿動作支援を進めていただきたいとの想いから,本特集では,身体機能障害・高次脳機能障害に対する排尿動作支援を企画しました。
本特集では,身体機能障害・認知機能障害によって生じる下部尿路機能障害や排尿動作障害について解説いただいたのち,泌尿器科医・リハビリテーション科医,薬剤師の立場から,排尿自立支援の視点で,身体機能障害・認知機能障害に対する治療・注意点を概説いただきます。また,身体機能障害と認知症/高次脳機能障害それぞれの排尿動作支援についてご解説いただくのとは別に,自己導尿動作の支援をご紹介いただきます。最後に,病棟での生活におけるリハビリテーションの考え方の解説と,排尿動作障害が問題となる典型的な疾患である脳卒中・整形外科疾患についての排尿自立支援の事例を紹介していただきます。
この分野で先駆的な実践をされている先生方にご執筆をお願いしました。本特集が読者の皆さまの明日からの臨床にお役立ていただければ幸いです。
吉田美香子
東北大学大学院 医学系研究科 ウィメンズヘルス・周産期看護学 准教授
<目次>
1. 身体機能障害・認知機能障害と下部尿路機能障害の関係/西井久枝,上條駿介,野宮正範,吉田正貴
2. 認知機能障害のレベル(MCI~重症)と生じやすい排尿動作障害の関係/篠原もえ子,小野賢二郎
3. 身体機能障害・認知機能障害がある場合の治療/鈴木基文
4. 排尿コントロールの再獲得に向けた回復期リハビリテーションの実際/池永康規
5. 下部尿路機能障害に対する薬物療法/小川 依
6. 身体機能障害に対する排尿動作支援/松永明子
7. 認知症/ 認知機能低下に対する排尿関連動作支援/神谷正樹,大沢愛子,加賀谷 斉
8. 身体機能障害・認知機能障害がある場合の自己導尿支援/一木愛子
9. 排尿自立支援におけるリハビリテーション看護の役割/正源寺美穂
10. 脳卒中患者への排尿自立支援の実際/堀内景子
11. 整形外科疾患患者への排尿自立支援の実際/帶刀朋代
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