目次
特集●褥瘡治療・予防における薬物療法
企画編集/関根祐介(東京医科大学病院 薬剤部 主査)
<特集にあたって>
褥瘡治療・予防において,全身管理と局所管理の視点での取り組みが重要です。日本褥瘡学会の『褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)』において,褥瘡発生リスクがあり,褥瘡がない場合は,予防ケアのアルゴリズム,発生予防全身管理のアルゴリズムを,褥瘡がある場合は,発生後全身管理のアルゴリズム,創部の管理については,保存的治療のアルゴリズムまたは外科的治療のアルゴリズムを使用し,褥瘡予防・管理計画を立案・実施すること,としています。
褥瘡予防における全身療法としては,薬剤が起因として発生する褥瘡(薬剤関連褥瘡)への対応があります。薬剤関連褥瘡は不適切な薬物投与(重複投与や過量投与,誤服用など)を受けることで,過鎮静から無動となり外力が発生し褥瘡を発症し,被疑薬の中止により活動性が上昇,外力が取り除かれることが特徴とされています。原因薬物として,催眠鎮静剤・抗不安剤,全身麻酔薬,精神神経用剤,麻薬などが挙げられます。褥瘡治療における全身療法としては,創傷治癒に影響する薬剤や褥瘡が起因とする感染のコントロールなどが挙げられます。褥瘡予防・治療の両者の全身療法として栄養療法があります。褥瘡治療・予防における全身療法においては,薬物療法の適正使用を実施することが重要です。
褥瘡治療における局所療法としては,褥瘡の病態を把握し,病態を考慮した外用薬の選択を行います。外用薬の大半は基剤で構成されており,直接創面に接する基剤の役割が重要で,主薬より「感染管理」,「壊死組織除去」,「肉芽形成」,「表皮形成」を,基剤より「滲出液」を考慮します。また外用薬の効果を発揮させるためには適正使用が重要で,使用量,使用回数,薬剤滞留障害などに配慮することが重要です。褥瘡予防における局所療法としては,スキンケアなどが挙げられます。
褥瘡治療・予防における薬物療法を実施していくためには薬剤師との連携が不可欠です。2022年度の診療報酬改定にて,入院基本料の「褥瘡対策の基準」について,必要に応じて,薬剤師と連携して,薬学的管理事項を記載することとなりました。また日本褥瘡学会では,褥瘡・創傷専門薬剤師認定制度が制定され,薬剤師の役割が注目されています。
本特集では,「褥瘡治療・予防における薬物療法」について編集しました。PART 1では「褥瘡治療・予防における全身療法」として,創傷に影響する薬剤,薬剤関連褥瘡,向精神薬,栄養療法,感染症治療について解説します。PART 2では「褥瘡治療・予防における局所療法」として,外用薬の選択,基剤による滲出液管理,感染管理・壊死組織除去・肉芽形成・表皮形成・スキンケアに用いる外用薬,薬剤滞留を考慮した使用方法について解説します。PART 3では「褥瘡治療・予防における薬剤師の役割」として,病院薬剤師・保険薬局薬剤師の役割を解説します。
本特集が,褥瘡治療・予防における薬物療法について理解を深め,褥瘡対策の一助となれば幸いです。
関根祐介
東京医科大学病院 薬剤部 主査
<目次>
PART 1 褥瘡治療・予防における全身療法
1. 創傷に影響する薬剤/関根祐介
2. 褥瘡の発生に影響する薬剤(薬剤関連褥瘡)/溝神文博
3. 褥瘡治療・予防における向精神薬の適正使用/定岡摩利,定岡邦夫
4. 褥瘡治療・予防における栄養療法/門脇寛篤
5. 感染褥瘡における全身療法/下平智秀
PART 2 褥瘡治療・予防における局所療法
1. 褥瘡の病態に応じた基剤ファーストによる外用薬の選択~フルタメソッド~/古田勝経
2. 外用薬の基剤による滲出液管理/笹津備尚
3. 感染管理・壊死組織除去に用いる外用薬/生島繁樹
4. 肉芽形成・表皮形成に用いる外用薬/武藤理恵,谷田宗男
5. スキンケアに用いる保湿剤/藤瀬 遥
6. 褥瘡外用療法の適正使用方法~塗布量から薬剤滞留問題まで~/宮川哲也
PART 3 褥瘡治療・予防における薬剤師の役割
1. 病院薬剤師の役割/飯塚雄次
2. 薬局薬剤師の役割/小黒佳代子
企画編集/関根祐介(東京医科大学病院 薬剤部 主査)
<特集にあたって>
褥瘡治療・予防において,全身管理と局所管理の視点での取り組みが重要です。日本褥瘡学会の『褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)』において,褥瘡発生リスクがあり,褥瘡がない場合は,予防ケアのアルゴリズム,発生予防全身管理のアルゴリズムを,褥瘡がある場合は,発生後全身管理のアルゴリズム,創部の管理については,保存的治療のアルゴリズムまたは外科的治療のアルゴリズムを使用し,褥瘡予防・管理計画を立案・実施すること,としています。
褥瘡予防における全身療法としては,薬剤が起因として発生する褥瘡(薬剤関連褥瘡)への対応があります。薬剤関連褥瘡は不適切な薬物投与(重複投与や過量投与,誤服用など)を受けることで,過鎮静から無動となり外力が発生し褥瘡を発症し,被疑薬の中止により活動性が上昇,外力が取り除かれることが特徴とされています。原因薬物として,催眠鎮静剤・抗不安剤,全身麻酔薬,精神神経用剤,麻薬などが挙げられます。褥瘡治療における全身療法としては,創傷治癒に影響する薬剤や褥瘡が起因とする感染のコントロールなどが挙げられます。褥瘡予防・治療の両者の全身療法として栄養療法があります。褥瘡治療・予防における全身療法においては,薬物療法の適正使用を実施することが重要です。
褥瘡治療における局所療法としては,褥瘡の病態を把握し,病態を考慮した外用薬の選択を行います。外用薬の大半は基剤で構成されており,直接創面に接する基剤の役割が重要で,主薬より「感染管理」,「壊死組織除去」,「肉芽形成」,「表皮形成」を,基剤より「滲出液」を考慮します。また外用薬の効果を発揮させるためには適正使用が重要で,使用量,使用回数,薬剤滞留障害などに配慮することが重要です。褥瘡予防における局所療法としては,スキンケアなどが挙げられます。
褥瘡治療・予防における薬物療法を実施していくためには薬剤師との連携が不可欠です。2022年度の診療報酬改定にて,入院基本料の「褥瘡対策の基準」について,必要に応じて,薬剤師と連携して,薬学的管理事項を記載することとなりました。また日本褥瘡学会では,褥瘡・創傷専門薬剤師認定制度が制定され,薬剤師の役割が注目されています。
本特集では,「褥瘡治療・予防における薬物療法」について編集しました。PART 1では「褥瘡治療・予防における全身療法」として,創傷に影響する薬剤,薬剤関連褥瘡,向精神薬,栄養療法,感染症治療について解説します。PART 2では「褥瘡治療・予防における局所療法」として,外用薬の選択,基剤による滲出液管理,感染管理・壊死組織除去・肉芽形成・表皮形成・スキンケアに用いる外用薬,薬剤滞留を考慮した使用方法について解説します。PART 3では「褥瘡治療・予防における薬剤師の役割」として,病院薬剤師・保険薬局薬剤師の役割を解説します。
本特集が,褥瘡治療・予防における薬物療法について理解を深め,褥瘡対策の一助となれば幸いです。
関根祐介
東京医科大学病院 薬剤部 主査
<目次>
PART 1 褥瘡治療・予防における全身療法
1. 創傷に影響する薬剤/関根祐介
2. 褥瘡の発生に影響する薬剤(薬剤関連褥瘡)/溝神文博
3. 褥瘡治療・予防における向精神薬の適正使用/定岡摩利,定岡邦夫
4. 褥瘡治療・予防における栄養療法/門脇寛篤
5. 感染褥瘡における全身療法/下平智秀
PART 2 褥瘡治療・予防における局所療法
1. 褥瘡の病態に応じた基剤ファーストによる外用薬の選択~フルタメソッド~/古田勝経
2. 外用薬の基剤による滲出液管理/笹津備尚
3. 感染管理・壊死組織除去に用いる外用薬/生島繁樹
4. 肉芽形成・表皮形成に用いる外用薬/武藤理恵,谷田宗男
5. スキンケアに用いる保湿剤/藤瀬 遥
6. 褥瘡外用療法の適正使用方法~塗布量から薬剤滞留問題まで~/宮川哲也
PART 3 褥瘡治療・予防における薬剤師の役割
1. 病院薬剤師の役割/飯塚雄次
2. 薬局薬剤師の役割/小黒佳代子
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