目次
特集●排泄ケアにおける多職種連携の可能性を考える
企画編集/吉川羊子(小牧市民病院 泌尿器科・排尿ケアセンター 部長)
<特集にあたって>
本特集号では「排泄ケアにおける多職種連携」の可能性をさまざまな領域のエキスパートに論じていただきました。2016年新設の「排尿自立指導料」において「多職種からなる排尿ケアチーム」の必要性が明記されました。さらに,2020年の「外来排尿自立指導料」創設により,退院後の生活における患者の排尿機能を継続的に支援していく視点が求められています。言うまでもなく,排尿の自立とは,患者がトイレに行って帰ってくるという動作過程だけを支えることではありません。排尿,さらには排便も含めた排泄機能は,人の生活のさまざまな場面と密接なかかわりがあります。退院後の排泄ケアには「生活支援」の視点がより必要でしょう。
本号では,まず多職種連携の基本である排尿自立支援・指導について,泌尿器科医,在宅医療医,看護師,療法士の立場から経験豊富な先生方に実践の方法を解説いただきました。「常勤の泌尿器科医師がいない」「地域・在宅医療の医師とどう連携?」といった声,さらに「連携をするためのスタッフ間の協力に悩んでいる」「排尿ケアに不慣れな理学療法士,作業療法士にどのような役割を担ってもらう?」といった悩みや疑問は現場で多く聞かれます。これから排尿自立支援・指導を始める方はもちろん,これまで取り組んできたが課題を解決したいといった方へのヒントになれば幸いです。
また,排泄ケアの実践には栄養管理,薬物療法の介入は欠かせません。とくに,排便コントロールはそれ自体が取り組むべき大きい課題であり,かつ排尿機能にも密接に関連します。適切な栄養や薬剤管理は,フレイル・サルコペニアの予防にもつながります。執筆内容は非常に具体的,実践的で,読者の皆さんが実臨床で活かすこともできますし,できれば施設などの栄養士,薬剤師と連携するための素材として役立ててください。
入退院外来支援,生活支援における排泄ケアに関しては,ソーシャルワーカーと,福祉機器のエキスパートに解説を依頼しました。退院後の生活を支えるハードとソフトを駆使することがよりよい排泄ケアにつながります。健康状態や生活環境の変化に応じて,継続的にきめ細かい包括的排泄ケア介入をするための道具や資源をいかに活用するか,ぜひ多職種でディスカッションしてください。
さらに「排泄ケアに参加する多職種」として,「ものづくり」と「仕組みづくり」についても取り上げました。排泄の問題は,もちろん疾患として治療の対象にもなりますが,暮らしの一部であり,さらには社会参加の一環です。排泄の不具合をサポートする新たな機器や文化などを創ることで得られる排泄の自立もあるでしょう。これらは看護・介護の現場で「こんな道具,仕組みがあったら」という声を上げることから始まります。排泄の問題と直結したお仕事に従事されている皮膚・排泄ケア認定看護師の皆さんには,とくに先頭に立って問題提起をしていただくことを期待しています。
本書が病院,施設はもとより,地域社会全体での多職種連携による排泄ケアを考えるきっかけになれば幸いです。
吉川羊子
小牧市民病院 泌尿器科・排尿ケアセンター 部長
<目次>
1. 総合病院における泌尿器科医の立場から/青木芳隆
2. 多職種連携におけるキーパーソンとしての看護師の役割/永坂和子
3. 排泄機能支援における療法士の関わり/渡邊日香里,山北康介
4. 排泄ケアにおける栄養士の役割~排泄ケアのための栄養管理~/中東真紀
5. 排泄ケアにおける薬剤師の役割/木村 緑
6. 在宅療養患者に対する排尿自立支援のチームアプローチ/土屋邦洋
7. 入退院支援(患者支援)における社会資源と排泄ケア/野田智子
8. 在宅での排泄ケアを支える福祉機器~おむつ・ポータブルトイレ・住宅改修など~/日髙明子
9. ケアテックの概念と排泄ケアに関する技術開発/宇井吉美
10. 社会におけるトイレと排泄ケア/加藤 篤
企画編集/吉川羊子(小牧市民病院 泌尿器科・排尿ケアセンター 部長)
<特集にあたって>
本特集号では「排泄ケアにおける多職種連携」の可能性をさまざまな領域のエキスパートに論じていただきました。2016年新設の「排尿自立指導料」において「多職種からなる排尿ケアチーム」の必要性が明記されました。さらに,2020年の「外来排尿自立指導料」創設により,退院後の生活における患者の排尿機能を継続的に支援していく視点が求められています。言うまでもなく,排尿の自立とは,患者がトイレに行って帰ってくるという動作過程だけを支えることではありません。排尿,さらには排便も含めた排泄機能は,人の生活のさまざまな場面と密接なかかわりがあります。退院後の排泄ケアには「生活支援」の視点がより必要でしょう。
本号では,まず多職種連携の基本である排尿自立支援・指導について,泌尿器科医,在宅医療医,看護師,療法士の立場から経験豊富な先生方に実践の方法を解説いただきました。「常勤の泌尿器科医師がいない」「地域・在宅医療の医師とどう連携?」といった声,さらに「連携をするためのスタッフ間の協力に悩んでいる」「排尿ケアに不慣れな理学療法士,作業療法士にどのような役割を担ってもらう?」といった悩みや疑問は現場で多く聞かれます。これから排尿自立支援・指導を始める方はもちろん,これまで取り組んできたが課題を解決したいといった方へのヒントになれば幸いです。
また,排泄ケアの実践には栄養管理,薬物療法の介入は欠かせません。とくに,排便コントロールはそれ自体が取り組むべき大きい課題であり,かつ排尿機能にも密接に関連します。適切な栄養や薬剤管理は,フレイル・サルコペニアの予防にもつながります。執筆内容は非常に具体的,実践的で,読者の皆さんが実臨床で活かすこともできますし,できれば施設などの栄養士,薬剤師と連携するための素材として役立ててください。
入退院外来支援,生活支援における排泄ケアに関しては,ソーシャルワーカーと,福祉機器のエキスパートに解説を依頼しました。退院後の生活を支えるハードとソフトを駆使することがよりよい排泄ケアにつながります。健康状態や生活環境の変化に応じて,継続的にきめ細かい包括的排泄ケア介入をするための道具や資源をいかに活用するか,ぜひ多職種でディスカッションしてください。
さらに「排泄ケアに参加する多職種」として,「ものづくり」と「仕組みづくり」についても取り上げました。排泄の問題は,もちろん疾患として治療の対象にもなりますが,暮らしの一部であり,さらには社会参加の一環です。排泄の不具合をサポートする新たな機器や文化などを創ることで得られる排泄の自立もあるでしょう。これらは看護・介護の現場で「こんな道具,仕組みがあったら」という声を上げることから始まります。排泄の問題と直結したお仕事に従事されている皮膚・排泄ケア認定看護師の皆さんには,とくに先頭に立って問題提起をしていただくことを期待しています。
本書が病院,施設はもとより,地域社会全体での多職種連携による排泄ケアを考えるきっかけになれば幸いです。
吉川羊子
小牧市民病院 泌尿器科・排尿ケアセンター 部長
<目次>
1. 総合病院における泌尿器科医の立場から/青木芳隆
2. 多職種連携におけるキーパーソンとしての看護師の役割/永坂和子
3. 排泄機能支援における療法士の関わり/渡邊日香里,山北康介
4. 排泄ケアにおける栄養士の役割~排泄ケアのための栄養管理~/中東真紀
5. 排泄ケアにおける薬剤師の役割/木村 緑
6. 在宅療養患者に対する排尿自立支援のチームアプローチ/土屋邦洋
7. 入退院支援(患者支援)における社会資源と排泄ケア/野田智子
8. 在宅での排泄ケアを支える福祉機器~おむつ・ポータブルトイレ・住宅改修など~/日髙明子
9. ケアテックの概念と排泄ケアに関する技術開発/宇井吉美
10. 社会におけるトイレと排泄ケア/加藤 篤
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