Orthopaedics(オルソペディクス) 発売日・バックナンバー

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6,160円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.21 No.5
整形外科手術に役立つ皮弁とそのコツ
 
I.皮弁の概念と分類 児島 忠雄
“Flap”の意味から,皮弁手術の今日に到る歴史,皮弁の血行動態の解明が如何に進められてきたかを述べた.穿通枝をめぐって論議があり,日本形成外科学会で「2004皮弁分類」が作成された.


II.有茎皮弁

 1.局所皮弁
  a.菱形皮弁  b.回転皮弁  c.前進皮弁 土田 芳彦
局所皮弁は皮膚茎からのび漫性の血行に頼る乱走皮弁(random pattern flap)であり,その血行は軸走皮弁(axial pattern flap)より劣るが,手術手技が容易なために有用性が高い.局所皮弁として汎用されるものに菱形皮弁,回転皮弁,前進皮弁などがある.

 2.指の皮弁
  a.局所皮弁 牧   裕
皮膚の余裕を見越した無理のない皮弁のデザイン.皮弁の移動や皮膚縫合で皮弁に過度の緊張をかけない.神経血管柄や皮下組織柄に移動後や折り返した後の創閉鎖で圧迫をかけない.
  b.区域皮弁 山野 慶樹
手指の神経,血管,腱,骨,関節などの露出,あるいは指腹の皮膚欠損に対して,隣接部位からの血管柄付きを含めた簡単で有用な有茎皮弁について記述した.
  c.遠隔皮弁(distant flap) 松井 瑞子ほか
指の外傷に対する遠隔有茎皮弁による再建は,microsurgeryの発達により,その機会は少なくはなってきたものの,degloving injuryの際などには有用な方法である.手の被覆に使用できる胸・腹部の有茎皮弁について述べる.

 3.手の皮弁
  a.背側中手動脈を血管茎とする皮弁
   ―kite flapを中心に― 五谷 寛之
背側中手動脈を血管茎とする皮弁のなかでもkite flapは初心者にも有用な皮弁である.同様な手技で第一背側中手動脈だけでなく第二背側中手動脈を血管茎とした順行性,逆行性皮弁も可能である.
  b.逆行性橈側前腕皮弁 梶川 明義
逆行性橈側前腕皮弁は,遊離皮弁に比べ,短時間で手の広範な皮膚欠損を整容的に再建できる.本皮弁を用いる際は,術後の手の血行障害,皮弁のうっ血,採取部瘢痕に注意する必要がある.
  c.後骨間皮弁 柿木 良介
後骨間動静脈は前腕中央部を過ぎると非常に細くなるときがあるが,血管茎に総指伸筋腱と固有小指伸筋の筋膜およびこの後骨間動静脈に伴走する知覚枝を含めれば,皮弁挙上に失敗することはまずない.
  d.手の有茎血管柄付き骨移植
   ―舟状骨偽関節に対する血管柄付き第2中手骨基部骨移植術― 澤泉 卓哉
第2中手骨基部骨移植術の手術手技と治療成績について述べた.本法は特にDISI変形を伴う難治性の舟状骨偽関節に有効な手術法である.

 4.足の皮弁
  a.腓腹皮弁 林  祐司
浅腓腹動脈と腓骨動脈からの穿通枝をドップラー血流計で確認し,腓腹神経,小伏在静脈を含めて筋膜皮弁とすることにより安全に腓腹皮弁を挙上することができる.
  b.足底の局所皮弁 柏  克彦ほか
足底では局所皮弁による耐荷重構造の修復が第一選択であり,皮弁採取部の犠牲も最小限に留める必要がある.V-Y advancement flapや複数の皮弁を駆使することで,局所皮弁の有用性はさらに高まる.
  c.後脛骨動脈皮弁 澤泉 雅之ほか
下腿内側の皮弁作成に必要な血管解剖と基礎的事項について述べ,実際の整形外科疾患に対し後脛骨動脈を利用した様々な局所皮弁の適応症例を供覧する.
  d.Lateral supramalleolar flap 栗原 邦弘ほか
下腿遠位1/3外側から足背部の皮膚軟部組織の血管茎皮弁として用いられる.本皮弁の特徴は,下腿から足部の主要血管を犠牲にすることがない.
  e.VAF & V-NAF flaps 今西 宣晶ほか
この皮弁の栄養血管は皮静脈,皮神経の伴行動脈であるため,皮弁を安全にかつ確実に挙上するには,下腿後面における小伏在静脈および腓腹神経の走行と筋膜との関係を十分に理解することが重要である.


III.遊離皮弁

 1.皮弁・中隔皮弁
  a.外側上腕皮弁 普天間朝上ほか
外側上腕皮弁は栄養血管の破格が少なく,比較的安全に挙上できる薄い皮弁であり,特に上肢では同側より皮弁を採取できる有用な皮弁の一つである.
  b.肩甲皮弁 森田 哲正ほか
肩甲皮弁の歴史,特徴および適応,血管解剖,デザイン,皮弁挙上法,術後合併症およびその対策について述べ,実際の手術症例を提示した.
  c.鼡径皮弁 成澤 弘子
遊離鼡径皮弁の安全な挙上方法とこの皮弁の欠点である血管系の変異と細さに対するソリューションを中心に解説した.
  d.前外側大腿皮弁の四肢への応用 光嶋  勲ほか
ALT皮弁は下肢のみならず上肢の再建にも有用である.本皮弁の特長は,“穿通枝皮弁であり,筋の犠牲がない.Thin flapにできる.四肢の動脈・神経欠損例でもflow-through皮弁として血行・神経再建が一期的にできる.筋膜皮弁として手では腱欠損の再建が同時にできる.欠点は,穿通枝の解剖学的な位置に変異がある.
  e.内側足底皮弁 柴田  実ほか
内側足底部は局所,島状,遊離皮弁として移動でき,他の軟部組織では再建困難な足の荷重部を最も適切に再建できる.手の掌面と似た構造で,手指の再建に最も適している.
  f.その他の穿通枝皮弁 難波祐三郎ほか
穿通枝皮弁の基本コンセプトは筋肉温存,神経温存である.筋肉内血管剥離操作を行うだけで,筋肉・神経を犠牲にすることに起因する合併症を防止できる.

 2.筋弁・筋皮弁
  a.薄筋皮弁 服部 泰典ほか
薄筋皮弁は,軟部組織欠損の再建にも有用であるが,現在では機能的筋肉移植のドナー筋肉として第一選択とされている.信頼できる皮弁の血行を得るためには,薄筋と長内転筋の筋間中隔を十分含めることである.
  b.広背筋皮弁 小畠 康宣ほか
下腿の広範囲軟部組織欠損症例などに対して遊離広背筋皮弁は非常によい適応で,flow-through型に移植することで末梢血行の温存も可能である.
  c.腹直筋皮弁 佐藤 兼重ほか
術前に下腹壁動脈の左右差,皮膚穿通枝の位置を超音波診断装置で検査する.穿通枝の位置を知ることで安全に脂肪と筋体量の調節ができ,最小限の前鞘採取が可能となる.
  d.大腿直筋皮弁 松井 瑞子ほか
外陰部から下腹部にかけての再建方法の一つに大腿直筋(皮)弁がある.挙上が簡便であり,血行も安定している.機能障害もほとんど残さないため,症例を選べば有用な筋(皮)弁である.

 3.血管柄付き骨移植
  a.血管柄付き腓骨移植術 前川 尚宜ほか
血管柄付き腓骨移植術の実際と術前準備,採取法,固定法,血管吻合,術後モニタリングなどのコツについて述べた.
  b.血管柄付き肩甲骨移植術 平地 一彦ほか
Angular branchを血管柄とする肩甲骨移植は長いリーチを有する.その利点を生かして鎖骨や上腕骨中央までは有茎移植が可能である.広背筋皮弁をはじめとする連合皮弁を容易に作成できるため,様々な組織欠損に応用できる.
  c.血管柄付き腸骨移植 村上 隆一ほか
腸骨皮弁の挙上には,腹横筋を切開した後,まず外腸骨動脈より深腸骨回旋動脈の分岐を確認し,上前腸骨棘へ剥離を進める.次いで腸骨稜内側で腹横筋膜まで切離して腸骨筋との境界線を確認する.

 4.足趾移植
  a.足趾移植 中島 英親
第II足趾移植の多数指切断(中手骨,基節骨,中節骨レベル)に対するピンチ再建の方法.1本切断に対する足趾移植.
  b.Wrap around flap 田中 克己ほか
Wrap around flapを安全に行い,より優れた結果を得るためには,皮弁の基礎的事項,適応および挙上に必要な解剖を理解し,十分な手術計画を立てることが重要である.
  c.趾腹皮弁 木森 研治
趾神経を含む第1足趾外側皮弁,第2足趾内側皮弁の移植術は,母指や示指の広範囲指腹部皮膚欠損に対する優れた再建法である.
  d.血管柄付き関節移植 坪川 直人
足趾血管柄付き関節移植は技術的に容易ではないが,成人,小児の指PIP関節の再建には最適な方法である.伸展不足の問題があるため伸筋腱縫合方法,後療法は重要である.
IV.皮弁手術のトラブルシューティング 光嶋  勲ほか
四肢における遊離皮弁壊死の予防と対策は,感染創を避け瘢痕外,浅層で移植床血管を選択しflow-through型血管吻合,静脈移植を積極的に行い,皮静脈も含めできるだけ多くの血管吻合を行う.また,血腫による圧迫を避けるため吻合部は開放とする.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.21 No.4
関節拘縮―その予防と治療―
 
上肢の関節拘縮に対するリハビリテーション 片岡 晶志ほか
ADLに必要な肘,前腕の可動域を示すとともに,肘の靱帯解剖,バイオメカニクスを述べた.さらに肘拘縮の原因とリハビリテーション治療に関して述べた.

下肢の関節拘縮に対するリハビリテーション 森口 晃一ほか
下肢関節拘縮のリハビリテーションは,他動的な可動域改善だけでは不十分であり,動作を考慮すべきである.そのため拘縮を生じた関節のみならず,重力環境下における多関節運動連鎖を考慮すべきである.

手の関節拘縮に対する予防と治療―外傷や術後の関節拘縮予防に対する
 リハビリテーション(スプリントを含む)や起こってしまった拘縮に対する外科的治療― 中島 英親ほか
中島式創外固定器を使用した指の関節拘縮の授動術につき述べた.

肩関節拘縮に対する外科的治療 佐野 博高ほか
鏡視下関節包切離術は,「いわゆる五十肩」だけでなく,骨折や手術の後に二次的に発症した関節拘縮に対しても,低侵襲かつ確実に関節可動域の拡大が得られる有用な方法である.

膝関節拘縮に対する外科的治療 中前 敦雄ほか
膝関節拘縮に対する外科的治療として主に鏡視下授動術の適応と手術手技について述べた.関節内に拘縮の主因がある場合は本法は有用であるが,関節外に主因がある場合はその効果に限界がある.

足関節拘縮に対する創外固定器の応用 土屋 弘行ほか
創外固定器を用いた足関節拘縮に対する矯正手術にはどのような方法があるか? 具体的な手術方法と注意点,26肢に行った手術成績について述べた.

人工膝関節置換術後の関節拘縮に対する治療 川村 秀哉
手術には拘縮の程度,術後からの期間により術式が選択されるが,いったん発症した拘縮の改善には多大な努力を要する.拘縮発生の予防に重点を置くべきである.

老人の廃用性関節拘縮の問題と予防法 稲川 利光
(1)関節可動域訓練として簡便かつ的確な関節の動かし方,
(2)起居~立ち上がり動作を例に,関節可動域の維持・改善に有効な介助法,
(3)嚥下機能維持のための,頚部や顎関節および舌の拘縮予防,
(4)生活の活性化に向けた,遊びリテーションの効用につき述べた.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.21 No.3
小児の下肢疾患・障害の診療
 
先天性下肢形成不全 川端 秀彦
先天性下肢形成不全の代表疾患である腓骨列形成不全と脛骨列形成不全について,近年試みられるようになった患肢温存治療に焦点を当てて概説した.

先天性多発性関節拘縮症・先天性膝関節脱臼 二見  徹
先天性多発性拘縮症・先天性膝関節脱臼の概念・分類・治療選択について要約した.治療遂行のためには適応と治療時期は極めて重要であり,早期の適切な取り組みが疾患の性状上不可欠である.

先天性股関節脱臼 赤澤 啓史ほか
先天性股関節脱臼は,生後3か月の乳児健診において開排制限がチェックされ,整形外科に紹介されるので,正しく診断し治療することが必要である.

脳性麻痺における下肢痙性障害 武田浩一郎ほか
脳性麻痺における痙性障害は,進行性に下肢変形を生じる.適切な時期に適切な治療を行って,下肢変形を予防し,矯正することが目的となる.しかし整形外科的手術療法を行う場合は,症状の再発の可能性についても十分説明する必要がある.

幼児におけるO脚・X脚 篠原 裕治
病的なO脚に対する装具療法は,自然経過の結果と比べるとその有効性は認められない.手術適応は,真に病的な例に限って行うべきで,その見極めは注意深い経過観察で判断するしかない.

化膿性関節炎 高村 和幸
小児の化膿性疾患はMRIの発達により適切で迅速な画像診断が可能になり,早期の治療が容易になった.また,細菌感受性の変化により初期投与薬剤が第1,2世代セフェム系より,カルバペネム系を使用したほうが予後が良いことが確認された.

幼小児における膝障害 佐粧 孝久
幼小児期に見られる膝関節障害を念頭におき診療に当たり,患児の一生を左右する問題であると認識し適切な診断と治療をすることが求められる.

出血性関節障害(血友病,血管腫) 西須  孝ほか
繰り返される関節血症の予後は不良であり,積極的に鏡視下滑膜切除術を行って関節症性変化の進行を抑制することが重要である.
学童期の股関節疾患(ペルテス病,大腿骨頭すべり症,

単純性股関節炎) 金  郁?
学童期の股関節疾患は早期診断,早期治療を必要とするが,症状が跛行だけであったり,大腿部や膝部の疼痛であることが多く,診断が遅れやすいので注意する必要がある.

下肢のスポーツ障害(overuse syndromeを中心に) 古橋 範雄ほか
成長期の下肢のoveruse syndromeには疲労骨折,シンスプリント,骨軟骨障害などがあるが,成長期特有の別疾患でも運動時痛が初期症状として現れることがあるので診察には注意が必要である.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.21 No.2
整形外科疾患感染症の予防と治療
 
手術部位感染の予防とinfection control teamの役割 山本 謙吾ほか
手術部位感染(SSI)予防の基本は周術期の清潔操作であり,感染制御チーム(ICT)を中心に院内スタッフ全員が十分な知識を身につけ,感染予防に努めることが重要である.

皮膚消毒の有効性 松下 和彦ほか
皮膚を消毒しても,時間の経過とともに皮膚表面では細菌が増殖している.しかし,ヨード含有ドレープを用いると手術部位感染発生率を有意に減少させることが可能である.

抜歯と血行感染,その予防 萩尾 佳介ほか
人工関節置換術後の遅発性血行性感染の原因のひとつに歯科処置が挙げられ,予防策として術前口腔内検査,術後口腔内ケアの促進・地域歯科医師との連携により処置時の抗菌薬の投与が重要である.

抗菌薬含有骨セメント 川那辺圭一ほか
人工関節置換術の感染治療あるいはその予防において,抗菌剤含有骨セメントの有効性は文献上明らかになっている.研修指定病院へのアンケート調査で,82%の主治医は使用効果ありと判定していた.

単純性股関節炎と化膿性股関節炎の鑑別と治療法 松井 好人ほか
単純性股関節炎と化膿性股関節炎の鑑別診断は,病歴や理学所見,血液検査所見や画像所見の総合的な判断によってなされるが,症状の重篤感が強ければ,積極的に化膿性股関節炎を疑う必要がある.

開放骨折と創洗浄 橋本 孝治ほか
外傷や開放骨折において,初期治療の具体的対処について,最新の文献的考察をふまえてまとめた.経験的側面が多い分野であるが,いかに早く,確実な処置を行うかどうかが,患者の治療予後を大きく左右しうることを肝に銘じて治療にあたって頂ければ幸いである.

人工膝関節深部感染の治療法 早川 和恵ほか
感染TKAの治療は長期間を要する.早期治療を行いインプラントの温存か再置換を目指すべきである.

慢性骨髄炎の開放療法 星   亨
慢性骨髄炎に対する,開放療法(パピノー法)の基本事項と注意点について述べた.骨髄炎治療に有効な方法であり,整形外科医が習得すべき処置であると考える.

整形外科領域での最近の特殊感染症 豊島 良太ほか
壊死性筋膜炎とガス壊疽は頻繁に遭遇する疾患ではないが,患肢のみならず生命までも脅かす可能性が高く,迅速かつ適切な診断と治療が要求される.その診断と治療の要点について概説した.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.21 No.1
腰下肢痛・しびれ―診断と治療―
 
腰下肢痛・しびれの診断 佐藤 勝彦
外来診療における腰下肢痛・しびれの診断ポイントを概説した.退行性疾患以外の疾患・病態を見逃さないように留意すること,精神医学的問題のスクリーニングを行うことが必要である.

腰下肢痛・しびれの評価法 中村 正生
身近な腰痛・下肢痛・しびれといった症状を評価する際に用いられる,腰椎関連疾患に関係した各種尺度を紹介する.対象に適した評価尺度を選択することが肝要である.

腰下肢痛・しびれの画像診断 伊藤 茂彦
腰下肢痛・しびれをきたす代表的疾患としては腰椎椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄症などが考えられる.各種画像診断の特性,限界を理解したうえでの適応,検査の組み合わせが疾患の診断に肝要である.

腰下肢痛・しびれに対する保存的治療 小西 宏昭
下肢の痛みやしびれの多くは保存的治療の適応である.治療にあたっては病態の解明に努めなければならない.その病態に合った治療法の組み合わせを考えることが重要である.


腰下肢痛・しびれに対する手術

 (1) 棘突起縦割式椎弓切除術 辻   崇ほか
棘突起縦割式椎弓切除術では,良好な視野のもとでトランペット型の除圧により,椎間関節の温存が可能である.また棘突起の筋付着部を温存できることから術後の筋萎縮を軽減することができる.

 (2) 内視鏡視下除圧手術 麻殖生和博ほか
腰下肢痛,しびれを生じる腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡視下手術の概要とその治療成績を新しい日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)を用いた患者立脚型の評価法で検討した.

 (3) PLF 畑山 明広ほか
変性疾患に対するPLFの適応に関し,不安定性を把握して,適宜術式を選択すべきである.また骨癒合を成功させるには,十分なdecorticationと十分量の骨移植を行うこと,そしてpedicle screw fixationの併用である.

 (4) PLIF 三戸 明夫ほか
自家局所骨とプラズマポアコーティングのチタン製スペーサー(プロスペース®)を用いたPLIFと椎間関節固定術(facet fusion)を併用した手術手技の詳細につき述べる.

 (5) 経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF) 細江 英夫ほか
TLIFは,硬膜を牽引しないため神経合併症が少ない.椎間前方に馬蹄型スペーサーを横向きに設置するTLIFは,1個のスペーサーで良好な矢状面,冠状面アライメントが獲得できる.

 (6) 内視鏡下腰椎前方固定術 山縣 正庸
内視鏡手術を応用した腰椎の前方椎体間固定術は,低侵襲で安定した成績を示した.手術手技には習熟を要するが器具の進歩も含め,今後も発展する可能性のある術式と考える.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.13
高齢者の頚椎症・頚髄症―その診断と治療―
 
高齢者頚椎症性脊髄症に対する手術的治療
―手術治療選択のタイミング― 片岡 秀雄ほか
頚椎症性脊髄症の高齢者患者は重症度が高く,症状の進行も早い.手術による改善率は非高齢者と同等であり,合併症に対処できれば早期に手術を行うべきである.

高齢者の頚椎症・頚髄症の画像診断とその特徴 大谷 晃司
画像所見での退行性変化と症状は,必ずしも一致しないが,症状と対応させて吟味していくとその特徴が明らかになってくる.本稿では,高齢者頚髄症患者の頚椎単純X線写真やMRIの特徴を述べた.

高齢者の頚椎症・頚髄症の電気生理学的検査とその特徴 田中 信弘ほか
高齢者頚髄症では臨床症状の重症度とCMCTが相関せず,CMCTだけでなくMEP波形・潜時あるいは末梢潜時を含めた総合的な電気生理学的評価が必要とされる.

高齢者の頚椎症・頚髄症の保存療法と自然経過 林  協司ほか
保存療法として,薬物療法,各種ブロック注射,理学療法などが組み合わせて行われるが,漫然とした治療を行わず,手術治療を必要とする患者では,手術タイミングを逃さないことも重要である.

高齢者の頚椎症・頚髄症の手術的治療(前方固定術)とその成績 谷口愼一郎ほか
頚椎症性脊髄症に対する前方除圧固定術の術後成績は,70歳以上の高齢者であっても70歳未満の症例と同等であり,合併症や既往歴に対して対策を講じることが可能であれば有効な治療法と考えられる.

高齢者の頚椎症・頚髄症の手術的治療(後方法)とその成績
―頚椎・後方法を中心に― 星地亜都司
高齢者の頚髄症は合併症既往症に対する事前の検討が重要である.十分な対策を講じておくことで周術期の重篤な合併症を回避可能である.後期高齢者の頚髄症では後方法が第一選択肢である可能性が高い.

高齢者の頚椎症・頚髄症に対する頚椎・腰椎同時後方除圧術
について 渡辺 航太ほか
頚椎症性脊髄症と腰部脊柱管狭窄症の合併例では,腰部脊柱管狭窄症の症状を確実に捉えることが重要である.手術は全身状態が許す限り,別々の術者による頚椎と腰椎の同時手術が推奨される.

高齢者非骨傷性頚髄損傷の治療について 植田 尊善
高齢者の頚髄損傷は非骨傷例が多く,不全麻痺例がほとんどである.しかし,損傷高位がC3/4に多いため,上肢機能も不良であり,車椅子での自立が困難である.自宅復帰のためには,家族だけでなく地域社会全体の体制構築が要求される.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.12
関節疾患の視診・触診のコツ
 
肩関節周囲炎・腱板断裂・反復性肩関節脱臼の視診・触診のコツ 真志取浩貴ほか
肩関節の基本的な診察をふまえ,肩関節周囲炎・腱板断裂・反復性肩関節脱臼に対する視診・触診について述べた.

肩関節の視診・触診―肩スポーツ障害の診察法 菅谷 啓之
肩のスポーツ障害の治療は基本的に保存療法で,機能訓練が奏効する症例が圧倒的に多く手術に至る症例は少ない.すなわち,本症の治療では機能診断が極めて重要となる.

肘関節の視診・触診 新井  猛ほか
肘関節の診察では外傷や疾患の診断に解剖を把握してくことが診断の助けになる.また,外傷などでは疼痛が高度のため触診が困難なことも少なくないので,視診や単純X線撮影が診断の決め手になる.

手関節外傷の視診・触診 矢崎 尚哉ほか
手関節の視診・触診には手関節の解剖の正確な理解が重要である.

手関節,手の視診・触診のコツ 有野 浩司
手関節,手の視診・触診では腫脹・疼痛の部位を中心によく触れて,解剖学的部位を正確に把握する.

股関節の診療 瀧川 悟史ほか
日常診療における成人の股関節疾患の診察の基本的診察手順である問診・視診・触診,各種計測,画像診断,その他検査,また代表的股関節疾患の要点につき述べた.

小児股関節の診療 視診・触診のコツ 北野 利夫
人生のなかで急速な成長をとげる時期に,一瞬の診断の遅れが,患児の長い人生に運動機能障害を残す可能性がある.成長期の特徴的な疾患と診断法を理解して,早期診断の手技を身につける必要がある.

膝関節の視診・触診 三浦 裕正
おざなりな診察で済ませ,あとは画像所見に依存するという安易な態度は厳に慎み,詳細な問診に基づいて該当する疾患を念頭に置きながら入念に診察することが重要である.

膝関節の視診・触診 松末 吉隆
膝関節の診察では,歩容,屈伸などの動的観察およびアライメント,拘縮,腫脹,圧痛点について左右差の比較が重要である.特に膝蓋大腿関節障害では大腿四頭筋収縮による動的観察が不可欠である.

足部と足関節の視診・触診 高倉 義典
足部・足関節の診察に際しては種々の異常所見を健側と比較する視診と,筋肉や皮下組織が少ないために種々の器官を容易に触知できるので圧痛点などの触診が大切になる.
4,510円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.11
足の疾患―私の外来診療のコツ―
 
A.小児の足部障害

  先天性内反足 大関  覚
先天性内反足では下腿三頭筋の低形成のため踵骨は距骨下関節で内反・内転し,足底筋の低形成のため前足部は回内している.Ponseti法は合理的保存療法である.

  先天性内転足 山本 晴康
先天性内転足は生下時より前足部が内転・内反している変形で,後足部に異常がなく,内反足と鑑別される.自然矯正があるので,注意深く観察し,変形が残存する場合は適切な徒手矯正とギプス固定を行う.

  小児外反扁平足 若林健二郎ほか
足部アーチ構造について述べるとともに,小児外反扁平足の病態・症状・診断・装具療法について述べた.


B.成長期の足部障害

  足根骨癒合症 熊井  司ほか
足根骨癒合症の診断については,本疾患の存在を念頭に置いた診察が最も重要であり,足底挿板を主とした保存的治療と,癒合部切除術または固定術による手術的治療により良好な成績が期待できる.

  成長期の足部骨端障害 谷口  晃ほか
成長期の足部で特定の部位に痛みを訴える場合は骨端症や骨化障害を疑う.骨端症としてFreiberg病,Köhler病,Sever病,Iselin病について,骨端核の骨化障害として外脛骨,三角骨,os subtibialeについて詳述した.


C.後天性足部障害

  外反母趾 奥田 龍三
外来診療では外反母趾の症状発生の病態をよく把握したうえで最も適切な保存療法を選択するが,疼痛緩解には限界があり,変形矯正が困難であることから手術療法についても説明しておく.

  後脛骨筋腱機能不全 仁木 久照
PTTDの治療戦略として,臨床診断と画像診断から病期に応じた治療法の選択までのアルゴリズムを示し,術前後の患者指導のポイントについて述べた.

  変形性足関節症 寺本  司
内反型変形性足関節症に対する骨切り術では足関節のアライメントと足関節の安定性を考慮する必要がある.


D.足部の外傷性障害

  足関節部骨折と後遺障害 長谷川 惇
足関節果部骨折は三角靱帯損傷や高位腓骨骨折の存在に注意する.脛骨天蓋骨折は関節骨片の整復と関節面同士の適合が重要である.足関節骨端線損傷はその骨折形態を確実に診断することが重要である.

  足部骨折と後遺症 門司 順一
解剖学的整復が重要なのは足部骨折に限ったことでないが,足部骨折ではそれぞれの骨折部位で見落としがちな治療上の要点が存在する.部位ごとに注意しなければならない変形遺残やその対処法について述べる.


E.足のスポーツ障害

  足関節靱帯損傷 杉本 和也
足関節外側靱帯損傷では新鮮例,陳旧例ともに前距腓靱帯単独損傷か前距腓・踵腓靱帯複合損傷かが重要である.正確な診断により十分な治療が可能で,不要な手術侵襲なども避けることができる.

  距骨離断性骨軟骨炎 宇佐見則夫
距骨骨軟骨障害の多くは捻挫などの外傷後に生じることが多い.疼痛が長期に続くときにはCTやMRIで検索すべきである.治療法は関節鏡を用いて大きさ・軟骨の状態を把握して決定する.

  アキレス腱周囲炎と足底腱膜炎 鳥居  俊
アキレス腱周囲炎と足底腱膜炎はランニング動作により発生する代表的な慢性スポーツ障害である.局所の圧痛や腫脹により診断でき,補助診断に超音波やMRIを用いる.保存的治療を基本とする.

  アキレス腱断裂
   ―早期スポーツ復帰を目指すための治療方法と後療法― 高尾 昌人
アキレス腱断裂患者が早期にスポーツ復帰するためには,早期に外来での確実な診断を行い,手術により断端間の確実で強固な連続性を得たうえで早期の荷重と可動域訓練を開始し,腓腹筋・ヒラメ筋の萎縮を最小限にとどめ腱の再生を促すことが重要である.


F.足部の炎症性障害

  RA足関節障害と足部障害 野口 昌彦
手術適応でも全身状態などにより手術不可能な場合には,装具を工夫し無痛性の胼胝にすること,潰瘍ができないように努めることにより保存療法でADL,QOLの向上をめざすことが重要である.

  糖尿病足 早稲田明生
糖尿病患者では,神経症,血行障害により潰瘍が形成されやすく,いったん感染を生じると病変は急速に進行する.病変部の評価には潰瘍の深さ,感染,虚血の有無の判断が重要となる.

  足の皮膚疾患 加藤 卓朗
足の皮膚疾患は非感染性の炎症性疾患,感染症,腫瘍,角化症,その他に分けられ,接触皮膚炎,蜂窩織炎,尋常性疣贅,足白癬,胼胝,鶏眼などが重要である.


G.足部の麻痺性障害

  足部の末梢神経障害 安田 稔人ほか
画像診断上,明らかな病因を認める罹病期間の短い足根管症候群においては,保存療法に抵抗した場合には,早めに手術治療を選択することが薦められる.

  麻痺性足部変形:内反尖凹足の治療 宮城  登
麻痺性内反尖凹足の治療はアキレス腱延長術や足底解離術などの軟部組織手術が第一選択であるが,それにより十分な矯正が得られない場合には,第一中足骨骨切り術などの骨手術が必要となる.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.10
肘関節画像診断のコツ
 
肘関節X線像の撮影と読影のコツ 井上 五郎
肘関節単純X線像では通常の撮影法以外に上腕骨小頭撮影,橈骨頭撮影,ストレス撮影などが必要なことがある.小児では骨端核の出現年齢を覚えておき,その転位により骨折や脱臼のタイプを診断する.

肘関節疾患に対するCTと3D-CTの有用性 佐久間雅之ほか
骨性病変を主とする肘関節疾患では(3D-)CTは他の画像診断に比べその診断価値は高い.本稿では症例を提示しながらその有効性の概要を述べる.

変形性肘関節症の画像診断 水関 隆也
肘関節の関節症病変部位の把握は画像診断により可能である.画像から得られる情報を正確に評価分析し,侵襲が少なく,かつ効率的な手術計画を立てることが肝要である.

上腕骨小頭離断性骨軟骨炎の画像診断 高原 政利
離断性骨軟骨炎のX線,MRI,超音波,CTのそれぞれの画像診断を解説し,International Cartilage Repair Societyの関節鏡分類との整合性を検討した.

Panner病とHegemann病の画像診断 伊藤 和生ほか
成長期の小児が明らかな外傷歴がなく肘の腫脹,可動域制限,疼痛などを訴えた場合には,骨壊死が原因の骨端症(Panner病,Hegemann病)を鑑別診断として念頭におく必要がある.

外側側副靱帯の画像診断 堀井恵美子ほか
肘関節外側側副靱帯の重要性が再認識され,いかに評価するかが重要な課題である.超音波,MRIなどで描出は可能となったが,病態を把握するにはストレス撮影など総合評価が依然として必要である.

テニス肘の画像診断 青木 光広ほか
難治性テニス肘ではT2強調MRI像が重要であり,ECRBの起始部の限局性高輝度像,上腕骨小頭の骨軟骨骨折,ガングリオン,カルシウム沈着,びまん性浮腫,後外方滑膜襞,関節水腫を認める.

小児肘周辺骨折の画像診断 佐藤 雅人ほか
未完成な骨化の小児の肘について単純X線写真で診断する際の注意すべき点を述べた.また,より詳細な情報を得るためのCT, MRI超音波による補助診断についても付け加えた.

成人肘周辺骨折の画像診断 今谷 潤也
肘周辺骨折の手術的治療の原則は,
(1)骨折部の解剖学的整復,
(2)低侵襲手術手技による強固な内固定,
(3)術後早期からの強力なリハビリテーションである.その治療方針および手術方法の決定には,術前の正確な骨折部の評価が必要である.

炎症性関節炎の画像診断 永谷 祐子ほか
肘関節に炎症性関節炎をきたす疾患における,特に関節リウマチを中心に,診断,経過観察,術前計画での画像診断の重要性について述べることとする.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.9
腰椎分離症診療マニュアル
 
腰椎分離症の疫学 尾形 直則ほか
腰椎分離症の自然発生頻度,整形外科外来およびスポーツ医学外来における分離症の遭遇頻度と臨床症状について解説した.

発育期腰椎分離症・すべり症の発生メカニズム 西良 浩一ほか
分離症および分離すべり症は,発育期に発生する.適確な治療,予防法の確立には,そのメカニズムを知っておく必要がある.

腰椎分離症の自然経過 紺野 愼一
すべりの発生時期と腰痛発生とは無関係である.分離症がたとえ小児期に発見されたとしても,少なくとも50歳までの予後は良好であり,運動を制限する必要はない.

腰椎分離症の早期発見と画像診断 渡辺  磨
腰椎分離症の早期画像診断における単純X線検査,CT,MRI,骨SPECTのそれぞれの長所,短所を再検討し,腰椎分離症診断のフローチャートを呈示する.

腰椎分離症の病期と治療方針
 ―思春期腰椎分離症を中心に― 吉田  徹ほか
保存療法は新鮮分離期に骨疲労後の骨吸収期を考慮して行う.たとえ骨癒合が得られなかったとしても,この期の保存療法は分離部の骨萎縮を防止し,将来,すべり症への進展を抑止する.

分離症・分離すべり症に対する手術療法
 ―分離部修復術について― 武政 龍一ほか
分離部修復術は,椎間可動性を温存する小侵襲術式であり,分離部に発痛源を有する若年の偽関節型分離症に有用である.

分離症・分離すべり症に対する手術療法
 ―椎間固定術を中心に― 徳橋 泰明ほか
椎弓根スクリューや椎間ケージの進歩により,腰椎分離すべり症に対して後方法の椎間固定術で安定した治療成績が得られるようになった.手術手技のポイントと治療成績を紹介する.

腰椎分離・分離すべり症に対する最小侵襲手術
 ―特に高齢者に対する顕微鏡下分離部神経根除圧術― 西島雄一郎
腰椎分離・分離すべり症に対する最小侵襲手術としての顕微鏡下分離部神経根除圧術,特に高齢者に対してその手術適応と手技,MRI診断上のScream canal sign.

腰椎分離症とスポーツ 加藤 真介ほか
腰椎分離症は発育期のスポーツ選手の腰痛の大きな原因であり,発生に種目特異性があることが推察できる.治療の基本は保存的治療であるが,分離部修復術が適応となることもある.

腰椎高度すべり症に対する外科的治療 松本 守雄ほか
腰椎高度すべり症の手術治療は困難であるが,近年の椎弓根スクリューシステムとケージの使用により,良好な整復固定が得られるようになっている.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.8
手根管症候群診療マニュアル
 
手根管症候群の疫学 今枝 敏彦
手根管症候群の診断にはgold standardがないため,その疫学調査がどの診断基準で行われたかを知ったうえで,疫学指標(有病率,罹患率など)を解釈することが大切である.

手根管症候群の診断―聴取すべき所見,理学検査の実際― 辻井 雅也ほか
補助診断を用いなくともCTSの診断は可能であると述べる手の外科医は多い.我々の行っている診断手順で聴取すべき所見と理学所見の実際について述べた.

手根管症候群の診断―電気生理学的検査の手技と問題点― 内山 茂晴
神経伝導速度測定は簡便で客観性にすぐれ,反応性の大きい検査であり,手根管症候群の診断,治療方針決定,再発の診断に極めて有用である.

手根管症候群に対する超音波検査 中道 健一
超音波検査は,特発性手根管症候群の有無に関する補助診断,神経伝導速度検査との併用による診断能の改善,占拠性病変・滑膜炎・手関節部骨病変の検出,手術の低侵襲化に有用である.

手根管症候群に対する保存療法 長岡 正宏
手根管症候群に対するステロイド注射は,軽症例には有効であるが,再発率も高い.

手根管症候群に対するOCTR 池田 和夫
観血的手根管開放術は,手根管内を直視下に観察操作ができるので,安全確実に正中神経を除圧できる.また,手掌部小皮切で行えば,術後の手掌部痛も少ない.

手根管症候群に対するECTR 篠原 孝明ほか
鏡視下手根管開放術(ECTR, Chow変法)の適応,手術手技,治療成績,再発,合併症につき詳述した.

手根管症候群;透析患者のCTS 姜  良勲
血液透析患者のCTSは特発性手根管症候群と異なった病態で,透析アミロイドーシスによる腱滑膜炎およびアミロイド蓄積による手根管狭窄である.本稿ではその概要と治療戦略の実際を述べる.

手根管症候群に対する母指対立再建術 普天間朝上ほか
Camitz変法(岩渕法)は移行腱の遠位を二分し,一束を短母指外転筋腱に縫着し,他の一束を短母指伸筋腱に引っかけた後に両端を縫合する方法で,母指対立時の母指回内とMP関節伸展を誘導する.

手根管症候群と狭窄性腱鞘炎 森田 哲正ほか
手根管症候群は腱滑膜の腫脹を伴う疾患であり,その病態は各種の狭窄性腱鞘炎と共通である可能性が高い.このため手根管症候群を治療する際には各種狭窄性腱鞘炎が併発,或いは続発する可能性が高いことを患者に伝えておくことが重要である.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.7
投球障害肩
 
投球障害肩の実態1 皆川 洋至ほか
秋田県では小学校高学年の野球選手の約1割に投球障害肩が発生していたが,整形外科受診していたのは障害者全体の2割にも満たなかった.

投球障害肩の実態2 佐藤 英樹ほか
小・中学野球選手の投球側肩関節では内旋域減少・外旋域拡大を認め,外旋域拡大に先んじて,内旋域減少を認めた.可動域変化と身体所見との関連はなかったが,全体の19%で肩関節痛の既往があった.

投球障害の病態 大泉 尚美ほか
投球障害肩では複数の要因が関連した複雑な病態をとることが多く,また肩以外の体幹・股関節の障害が原因となることがあり,投球のバイオメカニクスを理解し,各投球期(phase)に症状を呈しやすい障害を念頭において詳細な問診,理学所見および画像所見から診断することが重要である.

投球動作:よいフォーム,わるいフォーム 二宮 裕樹ほか
投球障害を定量的に評価するには,肩関節に加わる負荷を定量化することが必要である.投球フォームを3次元動作解析し,投球障害という観点でのよいフォーム・わるいフォームを検討した.

投球障害肩患者に対する診察と病態把握のポイント 原  正文
投球障害肩を腱板機能を中心とした11項目の理学所見から診断し,さらに脊髄反射を利用して隠れた関節柔軟性を見抜き診断精度を上げる手法について述べた.

野球とスポーツ障害・外傷 岩堀 裕介
投球障害肩の治療は,投球禁止,消炎鎮痛剤の投与,温熱療法などの対症療法のみでは不十分であり,障害発生メカニズムの理解,コンディショニングの改善,投球フォームの矯正が重要である.

投球障害に対する腱板断裂手術 菅谷 啓之
保存療法に抵抗する腱板関節面断裂に対しては,その断裂の深さに応じてデブリードマン,trans-tendon法あるいはdouble-row法による修復を選択する.

投球傷害に対するSLAP手術 杉本 勝正
SLAP手術は損傷されている部位によりアンカーの位置や固定する方法を変える必要がある.特にtype2の前方型,後方型,前後方型では病態が異なるため注意を要する.

投球障害肩に対する肩関節鏡視下手術
 ―腱板疎部損傷,Bennett病変・後方関節包拘縮を中心に― 水野 直子ほか
投球障害肩に対する関節鏡視下手術のうち,腱板疎部損傷に対する腱板疎部縫縮術・靱帯再建術,後方関節包拘縮に対する関節包解離術と,有痛性Bennett病変に対する骨棘切除術について解説する.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.6
高齢者の大腿骨遠位部骨折治療マニュアル
 
高齢者大腿骨遠位部骨折に対する保存的治療法 斎藤 政克ほか
高齢者においては保存的治療の対象が「ほとんど転位のない症例」か「問題のある症例」に二極化している.後者に対しては治療のゴールは機能回復よりも疼痛や介護面の改善を図ることが優先される.

高齢者大腿骨顆部部分関節内骨折に対する手術治療 野田 知之ほか
高齢者の大腿骨顆部部分関節内骨折は粗鬆骨に対する内固定法の選択を含め,骨質や骨折型に応じた治療戦略が必要とされる.本骨折に対する治療戦略につき論述する.

高齢者の大腿骨遠位部骨折に対するconventional methodによる
プレート固定法 増山  茂
高齢者の大腿骨遠位部骨折に対する従来法によるプレート固定法では,骨粗鬆症に対する対策を考慮しなければならず,安易に行えば合併症が生じて成績不良となる.このため,種々の工夫が必要
である.

高齢者の大腿骨遠位部骨折に対するMIPO法の実際 長野 博志
高齢者の大腿骨遠位部骨折に対するMIPO(minimally invasive plate osteosynthesis)の適応,手術手技,ピットフォールなどについて自験例を交え述べた.

高齢者の大腿骨遠位部骨折に対するMIPO法
 ―conventional plateとlocking plateの比較― 小川 健一ほか
Locking plateを使用したMIPOは,conventional plateを用いた場合に比べ整復位の損失が少ないため,骨折部にgapを残さないよう,ある程度短縮変形を許容し骨性整復位を獲得する必要がある.

高齢者の大腿骨遠位部骨折に対する髄内釘固定法 酒本 佳洋ほか
逆行性髄内釘を用いた高齢者の大腿骨遠位部骨折について報告した.対象の81例中77例で良好な骨癒合を得たが,可動域に関しては関節内骨折,粉砕骨折群ではやや不良となる傾向にあった.

高齢者の大腿骨顆上骨折に対するエンダー釘の適応と限界 山路 哲生ほか
エンダー法は手術器械が単純で安価な一方,釘先端の分散や深度などの手技に十分注意を払わないと結果が思わしくない場合もある.本稿では基本的な手術手技と応用について述べる.

高齢者の全人工膝関節周囲骨折に対する観血的治療法 佐藤  徹ほか
高齢者のperi-TKA骨折に対する観血的治療法の第一選択はIMSC nailであるが,適応外症例も増加している.ロッキングプレートを使用したMIPO法は著明な骨粗鬆例でも比較的強固な固定性を維持することが可能である.

高齢者における大腿骨顆部・顆上骨折治療後の合併症と治療 中村 光伸
合併症は幾つか複合しており治療方法も組み合わせになる.我々は幾つもの治療方法の一長一短を理解し修得する必要がある.その中から,個々の患者の人生観や生きるバックグラウンドに最も適した治療方法を選択する必要がある.

大腿骨顆上骨折に対する人工膝関節置換術 西郷嘉一郎ほか
大腿骨顆上骨折に対して,受傷前にTKAの適応がある症例に対して,逆行性髄内釘による観血的整復固定術とTKAを一期的に行い良好な成績であった.
6,160円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.5
膝関節疾患保存療法マニュアル
 
小児の膝関節障害に対する保存療法 小林 龍生ほか
Osgood-Schlatter病,離断性骨軟骨炎,円板状半月板,Blount病などの小児膝障害および小児の前十字靱帯損傷の保存療法について概説する.

小児科疾患に伴う膝関節障害に対する保存療法 小林 大介ほか
血友病,若年性特発性関節炎,白血病における膝関節障害の病態と治療に関し記述した.

スポーツによるオーバーユース障害に対する保存療法 松本 秀男
膝関節にはジャンパー膝,鵞足炎など腱の過牽引による様々なオーバーユース障害が発生するが,その際には原因となった筋力訓練は等尺性訓練に留め,拮抗筋中心の訓練メニューに変更する.

半月板損傷の保存的治療 堀部 秀二ほか
損傷半月板に対する保存療法は効果や期間など不確定な要素も少なくないが,症例を選べば,症状の改善と膝関節の機能回復を目的に,数か月間試みても良い方法である.

膝靱帯損傷に対する保存的治療に関わるバイオメカニクス 遠山 晴一ほか
靱帯損傷の診断には各靱帯が一次支持機構となる徒手検査により,機能不全が生じている組織に基づく診断をつけるべきである.また,力学的環境は損傷靱帯の生物学的修復過程に多大なる影響を与えることを念頭におき,保存療法を行うべきである.

膝靱帯損傷に対する保存的治療に関わるバイオロジー 田中 美成ほか
損傷後の修復靱帯は数年をかけて成熟していく.しかしながら,修復組織はあくまでも瘢痕組織であり,組織学的のみならず力学的特性においても正常靱帯とは違った組織である.

膝前十字靱帯新鮮損傷に対する保存的治療 井原 秀俊
損傷して2週間以内の膝前十字靱帯に対して,損傷靱帯の修復を目指す方法を示した.力学的制動能に優れた装具を装着し,関節運動により力学的情報を損傷靱帯に付加することで形態獲得を目指す.

膝後十字靱帯損傷に対する保存的治療 秋末 敏宏ほか
PCL損傷膝では,保存的治療により,MR像でPCLが連続性を保ち,弛緩はしているものの,後方押し込みテストではhard end pointを認める症例が数多く存在する.

膝内側支持機構損傷に対する保存的療法 村瀬 研一
内側側副靱帯は修復能力が高く単独損傷は保存療法を行う.保存療法は漫然とした外固定を行わず積極的に早期リハビリテーションを行う.

膝後外側支持機構損傷に対する保存的治療法 佐々木 茂ほか
膝後外側支持機構損傷によって生じる後外側回旋不安定性の診断と保存的治療法を中心とした治療指針を記載した.
膝複合靱帯損傷に対する保存的治療

 ―後十字靱帯損傷合併例について― 滝  正徳ほか
膝PCL複合靱帯損傷にギプス治療は無効である.装具療法の適応はPCL, MCL損傷で,PLC合併損傷は適応外である.当院での保存療法の結果から膝PCL複合靱帯損傷の治療方針を検討する.

膝関節内骨折に対する保存的治療 幅田  孝
脛骨外側顆プラトー骨折および前・後十字靱帯脛骨付着部裂離骨折に関して,適応を十分に考慮すれば保存的に治療できる場合が少なくない.
膝前面痛(anterior knee pain)に対する保存的療法

 ―anterior knee pain syndromeの病態と保存療法― 高木  博ほか
Anterior knee pain syndromeの詳しい病態について述べた.そして保存療法,特に筋力強化や全身の姿勢・動作の調節を目的とした運動療法の実際について詳しく解説した.

膝蓋骨脱臼,亜脱臼に対する保存的治療 早川 和恵ほか
膝蓋骨が外方へ亜脱臼することを防ぐ方法は筋力増強訓練と手術以外には装具が最も有効である.

変形性膝関節症に対する保存的治療に関わるバイオメカニクス 池田 真一ほか
いかなる治療においてもその基礎的な裏付け,原理を知ることは大切である.本稿では運動療法や装具療法の効果について,バイオメカニカルな視点から解説した.


変形性膝関節症に対する保存的治療

 ―運動療法に関するEBM― 千田 益生
変形性膝関節症に対する保存的治療について,多くのRCTが示したように,膝の痛みや障害を軽減させることが可能であり,有効性を十分認識して運動療法を指導すべきである.
変形性膝関節症に対する保存的治療

 ―運動療法の実際― 池田  浩ほか
筋力訓練および荷重・歩行訓練は,変形性膝関節症(膝OA)による疼痛およびADL障害の軽減に有効であり,膝OAの治療法として積極的に取り入れるべきである.

変形性膝関節症に対する保存的療法:ヒアルロン酸製剤 菊池  啓
(1)変形性膝関節症の早期診断治療ならびに教育が重要である,
(2)変形性膝関節症に対し高分子ヒアルロン酸注入療法は有効である,
(3)関節マーカーとしてCTX-2が有用である.
変形性膝関節症に対する保存療法
 ―グルコサミン療法― 角野 隆信ほか
グルコサミンおよびコンドロイチン硫酸の効果および作用機序はいまだ不明な点が多く,一定の結論が出ていない.今回,臨床,基礎研究の最近のエビデンスおよび当教室で行った基礎研究結果を報告する.

変形性膝関節症に対する装具療法
 ―2001年以降(21世紀)の国際雑誌掲載論文からの考察― 戸田 佳孝ほか
メタ分析では,1年間外反ブレースを装着することに対する応諾性は58%であり,足底挿板(86%,P=0.01)や新型足底板(84%,P=0.009)を2年間装着する応諾性よりも有意に低かった.

膝骨壊死に対する保存療法 荒武 正人ほか
特発性膝骨壊死は初期にはX線写真で診断できないため,MRIが有用である.保存療法の鍵は早期の診断,病巣範囲の把握,適切な免荷指示である.

リウマチ性疾患における膝疾患の保存的治療 石川 晴邦ほか
RAの疾患活動度,病期,関節機能障害度,そして個々の症例の生活様式を考慮し,薬物療法,装具療法,理学・作業療法,環境整備を組み合わせて行っていくことが大切である.

膝関節疾患への漢方医学の応用 松村 崇史
漢方では経絡の流れが外因や内因によって阻害されることによって痛みが発生すると考える.外因の防御と内因の改善が治療の基本である.
2,310円
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Monthly Book Orthopaedics. Vol.20 No.4
鎖骨骨折の治療
 
鎖骨骨幹部骨折に対する保存療法 蜂谷 將史ほか
鎖骨骨幹部骨折の保存治療を行うに際し,筆者の改良した機能的鎖骨バンドの特徴・装着方法のポイントおよび治療上の留意点を念頭に入れて,治療にあたる.

鎖骨骨幹部骨折に対するプレート固定法 伊藤 貴明
手術時の整復で,患肢を上後方に牽引することで良好な整復位が得られやすくなる.良い整復位をとることがプレート固定をしやすくするポイントである.

鎖骨骨幹部骨折に対する(経皮的)Kirschner鋼線固定法 坂中 秀樹ほか
(経皮的)K-wire固定法は,手術侵襲が少なく,美容的にもすぐれた治療法である.今回その骨癒合に影響を及ぼす因子を検討したので,治療上のポイントとともに紹介する.

鎖骨骨幹部骨折に対する中空海綿螺子固定術の成績と問題点 三浦 修一ほか
鎖骨骨幹部骨折に対する,不適切な保存的治療は,いたずらに骨癒合を遷延させ早期社会復帰を妨げる場合がある.中空海綿螺子を用いた髄内固定術は比較的低侵襲で内固定材の突出,逸脱も少なく固定性に優れ,早期社会復帰と良好な骨癒合が得られる有効な治療法である.

鎖骨遠位端骨折type IIに対する新しい保存療法 西堀 靖広ほか
鎖骨遠位端骨折Neer分類type IIはこれまで手術が必要とされていた.我々は新しい保存療法を考案し,本骨折を手術しないで治療することに成功した.その方法を紹介する.

鎖骨遠位端骨折に対するplate固定法 生田 拓也ほか
鎖骨遠位端骨折の内固定法として,plate固定法は固定力が強く,外固定をほとんど必要とせず,安定した術後経過が期待できる.この利点が本骨折にplate固定法を選択する理由である.

鎖骨遠位端骨折に対する鋼線締結固定法 仲川 喜之
鎖骨遠位端骨折に対するKirschner鋼線キャップ付き鋼線締結固定法の適応,手術手技について説明する.本法は遠位端骨折の大多数に適応可能であり,簡易,低侵襲,安価な優れた治療法である.

鎖骨遠位端骨折に対するBosworth法 高橋  新ほか
Bosworth法は,鎖骨遠位端骨折に対して低侵襲で行える手術法だが,螺子挿入の困難さと脱転の危険性から敬遠されがちである.今回手術手技のポイントを示すとともに,本法の適応について示す.

鎖骨近位端骨折の治療 南野 光彦ほか
鎖骨近位端骨折の大多数は転位が小さく保存的治療が可能であるが,遠位骨片が前上方に大きく転位した場合には,保存的治療では整復保持は困難であるためplateなどの内固定が必要である.

鎖骨偽関節に対する治療 吉田  篤
鎖骨偽関節の発生頻度,成因,治療とその成績について文献と自験例をもとに述べた.
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