第1特集
認知症高齢者への食事支援
編集協力/千葉由美(横浜市立大学大学院医学研究科 教授)
市村久美子(茨城県立医療大学保健医療学部 教授)
認知症高齢者は症状が進行すると“食事を拒否する”“食べ物を口に含んだまま飲み込まない”“むせる”などの食事に関する行動障害があらわれるが,どのように対処すれば食べてくれるのかがわからず難渋する医療者・介助者も少なくない.食べられない状態が続くことによって低栄養による筋力低下やさらなる摂食嚥下機能低下が生じ,認知症高齢者の予後にも大きな影響を与えてしまう.こうした事態を防ぐためにも,医療者・介助者は認知症高齢者の“食べない・食べられない”理由をアセスメントし対応できることが求められている.
そこで本特集では,認知症と摂食嚥下障害の特徴について解説するとともに,食に関する行動障害のアセスメントと具体的な支援方法について解説する.
Part1 認知症による摂食嚥下障害の特徴/山田律子
Part2 認知症高齢者の食に関する行動障害のアセスメント
① 認知症高齢者の食に関するアセスメントポイント/千葉由美・他
② 行動障害の内容別にみた原因と徴候・アセスメント/千葉由美・他
Part3 食事前の環境調整/迫田綾子
Part4 行動障害ごとの認知症高齢者への食事介助の実際/千葉由美・他
Part5 事 例
① 脳血管性認知症と高次脳機能障害を合併した老老介護の事例/本村美和,田中久美
② レビー小体型認知症の症状と薬剤の見直しが必要であった事例/本村美和,田中久美
③ 重度アルツハイマー型認知症の経口摂取継続の可能性をCRPから検討した事例/本村美和・他
Part6 認知症高齢者への胃瘻導入のポイントとケア/山脇正永
Part7 行動障害を有する認知症高齢者への予防的訓練法/本村美和,田中久美
第2特集
認知症がん患者の意思決定支援
編集協力/柏田孝美(三井記念病院 がん看護専門看護師)
がん治療においては重要な意思決定の場面が何度も訪れるが,認知症をもつ患者の場合,患者の治療に対する理解が不十分で,患者本人の意向や思いをくみ取れないままに治療方針が決定されることも多い.認知症をもつ高齢がん患者の意思を尊重した治療選択や療養場所の決定を行うためには,患者の意思決定能力の査定や多職種での検討,医療倫理コンサルテーションなどを行い,意思決定までのプロセスをていねいに進めていくことが重要である.
本特集では,認知症がん患者の意思決定支援に必要な知識と支援のポイント,進め方について解説し,事例を用いて支援の実際を紹介する.
Part1 認知症がん患者の意思決定支援:基礎知識,支援のポイントと進め方/中嶋義文
Part2 事例にみる意思決定支援の実際/柏田孝美
連 載
◆PICSの予防と対策
ICUでの侵襲的な処置やケア/平敷好史
◆がん患者の症状マネジメント
リンパ浮腫/南口陽子,荒尾晴惠
◆エンドオブライフケア:実践知が導くケア技術
がん患者と非がん疾患患者への緩和ケア技術/武見綾子
◆Q&A
血液ガス編/髙野 洋
人工呼吸器アラーム対応編/石井宣大
人工呼吸器グラフィックモニタ編/奥田晃久
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