外交フォーラム 221号 (発売日2006年11月08日) の目次
日本のODAは脱皮できたか
政府開発援助(ODA)の抜本的改革がいよいよ本格化してきた。問題は、生きた現実と個性ある人々を相手にしているということ。実り豊かなODAの可能性は時間とともに形を変えていく。われわれはなぜ彼らと関わらねばならないのか。いま一度足もとを確かめ、より思慮深い選択を
■外交政策としてのODA
――新たな時代の開発援助の方策とは
/廣野良吉
なんのためのODAなのか。いま、ODAは外交政策手段としての位置づけを獲得しつつある。世界は変わっていく。それにあわせて外交政策も変わっていく。ODAが外交政策の一環であるならば、日本はどうODAを変えていくべきだろうか
■国際的な援助議論の潮流
/リチャード・マニング
自国の経験から得られた教訓を開発援助に反映させる。これが援助大国日本の特性である。他主要ドナーと比較して日本の援助はいかなるものであろうか。日本はどのようにして援助成果を向上できるか
■ODAとNGOのパートナーシップ強化にむけて
――人間の安全保障の観点から
/野田真里
人間の安全保障とは一人ひとりの尊厳を重んじ「恐怖と欠乏からの自由」を実現すること。この日本の国際協力の柱となる概念を実効性のあるものにするには、ODAとNGOが互いに協力していくことが大切だ
■サマーワの笑顔のために
――対話と共感を基調とする人道復興支援
/江端康行
サマーワ最後の日、いつもどおり元気よく手を振る子どもたちの笑顔を眺めながら、これまでにない充実感、安堵感、そして多少の寂しさを味わった。この笑顔がサマーワから消えないことを心から祈っている
■ドミニカ共和国で自動車整備士を育てる
/浅妻金平
遠く離れたカリブ海の国、ドミニカ共和国。ここでは自動車の七割を日本車が占め、その整備技術が不足している。シニア海外ボランティアとして派遣された元技術者は海を越え、言葉の壁を越えて彼らに何を伝えたか
■コラム
海外経済協力会議に携わって
/小川和也
海外経済協力会議の議題はあらかじめ決まっているわけではなく、どのような国や事項をどのタイミングで取り上げるのか、また国際会議や要人訪問などの外交日程なども勘案しつつ機動的に判断される
■エッセイ
スキーム間の統合で何ができるか
開発に確たる処方箋はない。だからこそ、現地で足場を確かめる者と、それを吟味して大規模な事業へつなげていく者とが提携すれば、きっとすばらしいことができる
■異なる能力を統合し、さらなる高みへ
/小西淳文
■クライアント志向の徹底を
――フィリピンの現場経験を通じて
/木村 出
■援助協調と援助競争
――日本のODAの国際競争力
/生島靖久
■資料
ODA改革で何が変わるか
■カラー・グラビア
日本の技術を世界へ
――シニア海外ボランティアの活躍
<第二特集>
地域統合の新潮流
■インタビュー
新たな「知」の共同体を目指して
――「開かれたアジア」構築のために
/竹内佐和子
近年、世界では地域統合をめぐる動きが注目を集めている。アジアもまたその例外ではない。21世紀は「アジアの時代」とも言われるが、同地域が今後、経済的な結びつきを一層強めていくためにも新たな枠組みの構築が望まれる
■アジアにおける域内バスケット通貨への道筋
/木村茂樹
通貨統合。それは地域経済統合にとっての最終的な到達段階だ。しかし、アジアがそこに至るまでの道程は険しく長い。「アジア通貨単位」に関する議論が急速に高まる中で、どのような道筋がアジアにとって現実的なものなのか。アジアにおける域内バスケット通貨への道筋について考える
■マルチラテラルな国際政治の中のインド
/竹中千春
冷戦後の15年。それはインドが大国への道を歩む上で試練の期間であったかもしれない
<緊急特集>
北朝鮮はどこに向かっているのか
■北朝鮮核実験の背景
/小此木政夫
冷静に問題の本質がどこにあるのか見極めよ。「ならず者」から武器を取り上げることは、そうたやすいことではないのだから――。北朝鮮はなぜ核を求めるのか。ブッシュ政権はなにを読み違えたのか。いま日本が置かれている状況とは。北朝鮮核実験の背景を探る
■新・米朝対立
――北朝鮮核実験とブッシュ政権の戦略
/春原 剛
突如として行なわれた北朝鮮による核実験。その時、大国は何を考え、いかなる思惑を抱いたのか。北朝鮮の終焉が秒読み段階に入るなか、その彼岸では米中による冷徹な値踏みが進行していた。ポスト冷戦後の「パワー・ゲーム」に迫る
■資料編
北朝鮮の核問題を知るために
<特集外>
■エッセイ
悲劇の慰霊碑を任された日本人建築家
――「Postcard(ポストカード)」
/福永佳津子
9・11の悲劇から5年。マンハッタンを臨むスタッテンアイランドに犠牲者たちを悼む慰霊碑がつくられた。あまたいるコンペ参加者からグランプリを勝ち取ったのは、若き日本人建築家、曽野正之氏。彼はこのメモリアルにどんな思いを込めたのか
■米欧対立と21世紀の国際政治構造 第2回
米欧関係の中の冷戦の再考
――覇権的協力関係から競争関係へ
/渡邊啓貴
「友」であるが「敵」でもある。冷戦の緊張緩和に伴い、アメリカとヨーロッパの間に顕在化したそれぞれの自己評価と世界観の隔たりは根が深かった。ケーガンが「われわれは火星に、彼らは金星にいる」と表現したほどに
<連載>
■大学ゼミ訪問 第84回
青山学院大学 土山實男ゼミ
■悲観・楽観・世界観
/千野境子
■巻頭随筆
女性のたくましさに魅かれて
/古居みずえ
疾風の中韓歴訪
/木下英臣
■新連載 映画からみる世界の今 第1回
映画が教えてくれること
/朴木浩美
映画プロデューサーである筆者が、毎月一作品を取り上げ、作品の魅力を通して世界情勢を語る
■洋書百遍、意自ずから通ず 第5回
The Money and the Power, by Sally Denton and Roger Morris
/徳川家広
カジノ、犯罪組織、CIAの腐敗――。カジノ・リゾート都市ラスベガスの歴史を掘り起こすと、アメリカの裏面史が丸ごと透視できてしまう
■書評フォーラム 選評・篠田英朗
『正しい戦争という思想』
『人権の政治学』
『諸刃の援助――紛争地での援助の二面性』
■年間総目次
■読者投稿
外交フォーラムの内容
- 出版社:都市出版
- 発行間隔:月刊
- サイズ:B5判
日本で唯一の外交問題・国際関係論専門のオピニオン誌
国際社会の中で、日本の外交はどうあるできか。内外の著名な筆者が問題の核心を鋭く分析、世界の動きがリアルにつかめる情報を満載。研究者・ビジネスマン・官界・学生をはじめ国際問題に関心ある人々の必読誌として1988年の創刊以来、高い評価を得る。
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