外交フォーラム 発売日・バックナンバー

全87件中 1 〜 15 件を表示
869円
特集
アフリカ 離陸への条件

座談会 アフリカへの新しい目線
――現地に根ざしたビジネスと援助を考える
大林稔/白戸圭一/恒川惠市/岡井朝子

外務大臣インタビュー 新たな国際協調の時代における日本の外交課題
岡田克也

日中歴史共同研究を振り返る
北岡伸一

鼎談 『外交フォーラム』が伝えてきたこと
山内昌之/紿田英哉/粕谷一希
869円
<特集>
低炭素社会への挑戦

地球の気候変動が進んでいる。環境問題の脅威が叫ばれ、世論の関心も高まってきた。問題の底流にあるのは、近代から成長を続けてきた人類文明のありかただろう。しかし、成長を否定することは不可能だ。われわれは、高まる脅威とさらなる成長の両立とを図らなければならない。地球規模で問われている問題に、どう取り組むのか。国際政治の最前線、気候変動問題をみつめる


COP15を振り返る
福田哲郎
世界が見つめる中、各国の指導者たちが集まり、地球の将来と国益をかけて議論したCOP15。混乱の中合意を見出した見出した会議の姿を振り返る時、気候変動政策のあり方と日本外交のこれからが浮かび上がってくる

誰が地球に責任を負うのか――COP15の成果と先進国の責務
/松下和夫
史上稀にみる規模の政府首脳交渉で幕を閉じたコペンハーゲン会議。各国の思惑が錯綜した交渉と生み出された合意案を分析したとき、今後に向けた課題が浮かび上がってくる

気候変動ガバナンスの政治力学
――コペンハーゲン会議はどう動いたか
/毛利勝彦
気候変動に関する世界的な機運の高まりとは裏腹に、十分な成果を上げられなかったCOP15。利害を異にする国家の多様な「言い分」がぶつかり合い、錯綜を重ねた会議を読み解く

二〇二〇年へのロードマップ
――UGETSが拓く世界合意の可能性
/安本皓信
気候変動に対して、各国がどれだけ負担を負えば良いのか―。国際的なCO2排出規制をめぐる議論が停滞するなか、途上国と先進国双方が裨益しつつ簡便に取り組める制度の可能性を、排出権取引制度に探る

グリーン・リカバリー
――低炭素社会へ向けた成長戦略
/三橋規宏
いま、世界経済は低炭素社会という新たなパラダイムを迎えている。産業革命以来、人類文明の反映を家人してきた化石燃料に代わる、二一世紀の新たな成長のあり方とは

日本の先端技術が中国のCO2を削減する!
/角隆雄
温暖化が世界的な問題となったいま、それを克服する技術の開発は、各国政府の取り組むべき政策課題としても、また企業のビジネス戦略としても非常に重要になってくる。中国にコークス炉の省エネ。環境技術を輸出する三菱化学エンジニアリングの試みは、日本の環境技術が世界をリードすることを証明する

東京は、もう始めています!
――日本初のCO2総量削減義務に向けて
/大野輝之
地球環境問題は、国家の専売特許ではない。日本を先駆ける東京都の試みは、どのように生まれてきたのか。その思想とプロセスを追う


資料篇 気候変動はやわかり

グラビア COP15 美しい地球に向けて



<特集外>

激変するアジアの軍事バランス
――数量分析でみる軍拡競争
東義孝
アジアにおける軍拡が進んでいる。特に空軍力においては、軍事バランスは激変している。いったい、各国がどれほどの空軍力を有しているのか。数値化することでみえる、日本を取り巻く状況の現状と展望

アフガニスタンの和解と再統合のために
――非合法武装集団の解体(DIAG)の現場から
/山澤俊平
大統領選挙を経ても治安が安定しないアフガニスタン。からまりあう対立の糸を解きほぐし、安定したまとまりある社会を生み出すために、いま何が必要とされているのか。現地の最前線でこの課題に取り組む青木氏が分析する

ユーロ経済を読む ギリシャ危機が示すユーロシステムの脆弱性
/花田吉隆
世界金融危機をうまく乗り越えた欧州。しかしいま、大きな試練に直面している。今回のギリシャの財政問題は域内経済全般に影響を及ぼしうる。ユーロ体制が抱える構造的問題とは

ハイチで大地震発生―日本、国際社会の支援

日本主導のアジア太平洋地域安全・協力フォーラムの提案を
/松井啓
歴史を紐解けば、地域秩序構築イニシアティブをとる有益性は明らかだ。多極化が進む中、アジア太平洋地域における包括的安全・協力フォーラムの構築に日本外交のチャンスを見出す



<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆 佐藤千歳/丸井雅子

談話室 CO2二五%削減は実験済み――世界で最も環境に負荷をかけない自動会社BMWの取り組み ローランド・クルーガー

書評フォーラム 選評/佐々木卓也
『ヴェトナム戦争と同盟外交』『ライシャワーの昭和史』
『現代アメリカの医療改革と政党政治』


INFORMATION & 読者投稿
869円
<特集>
新たな50年が幕を開ける―これからの日米関係
戦後日本の、そしてアジア太平洋地域の安定と繁栄を支えてきた日米安全保障条約。世界的な冷戦の終焉後もその残滓が残る東アジアにおいて、日米安保条約を礎とした日米同盟の役割は大きい。オバマ大統領の訪日と、鳩山首相との首脳会談を経て、これからの日米関係は、どのように展開していくのか。政治・安全保障だけでなく、経済、文化にまで広がる日米関係の将来像を考える。

日本の不在
――今こそ必要な人的ネットワーク
/山本正
日米の安定した関係の基礎には、幅広い指導者層の交流の蓄積がある。しかしいま、この「目に見えない」貴重な外交資産が失われつつある。もう一度、その重要性に目を向けたい

鼎談 岐路に立つ日米関係
沼田貞昭/松尾文夫/渡辺靖
2010年は日米安保条約の改定50周年。この条約を根幹とした日米「同盟」関係は、長く日本の安全と繁栄の基礎となり、また東アジアの秩序を守る「公共財」としても機能してきた。これまでの50年の成果を振り返り、これからの50年を考えるために今、日米同盟にとって何が必要なのかを考える

「同盟」の実質を崩すな
/マイケル・オースリン
50年にわたる日米同盟は、その長さと強固さにおいて世界史上まれな関係である。時代に適応しながら、日本の安全とアメリカの世界戦略を支えてきた日米同盟が直面する課題とは。50年を振り返り、グローバル時代を見据えた進化の道を読み解く

首脳会談が示す未来への射程
/春原剛
鳩山内閣が掲げる「緊密で対等な日米関係」は、それほど新しい思想ではない。むしろ、ブッシュ政権時代からアメリカが求めていた姿勢そのものである。では、なぜ摩擦が起きているのか。日米は果たして「同盟」に耐えられるのか。日米の外交・安全保障政策を長く観察してきた筆者が分析する

米のアフガニスタン支援の「変化」に期待
/中原正孝
世界の安定と繁栄のために、ともにリーダーシップを発揮しようとする日米。国際政治の焦点となっているアフガニスタンは、その試金石となるだろう。アフガニスタンの現状と、日本の援助の成果を踏まえて、これからの課題を考える

気候変動を新しい日米協調の礎石にせよ
/杉山晋輔
気候変動や開発といったグローバルな課題について、オバマ政権の関心は高い。課題の克服に向かって、日米が協力してリーダーシップを発揮する。そういう新しい関係が生まれつつある。

アメリカと中国との狭間で
――いま、日本経済はどこにいるのか
/原田泰
停滞が続く日本経済は、中国との対比の中で明らかなように、世界経済・アジア経済へのプレゼンスを低下させている。日本は大きく変わらなければならないのだろうか。複数のデータを基に、これからの日本の産業をあり方を考える

民族のつながりが約束するもの
/ポール・ウジヒロ・ニワ
政府間のみならず、国境を越えた人と人のネットワークが重要な役割を持つ今日の世界。日米が相互理解を深めようとするとき、日系人の果たす役割は非常に大きい。次世代のリーダーであるニワ氏が、その可能性を語る

フランスからみた新政権下の日米中関係
/山口昌子
日本の政権交代による日米同盟のぎくしゃくぶりと、台頭中国で揺らぐ米国……。国際舞台で、隙あらばと出番を狙っているフランスは、日本、中国、米国をどうみているのか

資料篇 日米150年史・ブックガイド

グラビア アメリカの中に日本を見る

<特集外>
特別インタビュー ジェフリー・サックス
世界の貧困は克服できる!
/聞き手 長尾香里
太平洋西端の先進国に住む私たちは、なぜアフリカの貧困を考えなくてはならないのか。そもそも、ある国を貧困から救い出すことは可能なのか。国連のミレニアム開発目標に関わり、世界の開発戦略をリードする経済学者が語る、世界が豊かになるための処方箋とは

インタビュー「新しい命のために失くしていい命なんてない」のです。
/池上清子

ドイツ政治を読む第三回 ドイツ社会民主党は復活するのか
/花田吉隆
ドイツ社民党が大敗した理由から現在ドイツが抱える困難を描き出す。果たして「赤く染まった」ドイツの行方は

<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
東アジアの「知の共同体」
/進藤榮一
ハシムラ東郷の「百年」
/坂手洋二

書評フォーラム 選評/遠藤乾
『核のアメリカ』
『国際関係のなかの子ども』
『真昼の暗黒』

INFORMATION & 読者投稿
869円
<特集>
新たな50年が幕を開ける―これからの日米関係

戦後日本の、そしてアジア太平洋地域の安定と繁栄を支えてきた日米安全保障条約。世界的な冷戦の終焉後もその残滓が残る東アジアにおいて、日米安保条約を礎とした日米同盟の役割は大きい。オバマ大統領の訪日と、鳩山首相との首脳会談を経て、これからの日米関係は、どのように展開していくのか。政治・安全保障だけでなく、経済、文化にまで広がる日米関係の将来像を考える。

日本の不在
――今こそ必要な人的ネットワーク
/山本正
日米の安定した関係の基礎には、幅広い指導者層の交流の蓄積がある。しかしいま、この「目に見えない」貴重な外交資産が失われつつある。もう一度、その重要性に目を向けたい

鼎談 岐路に立つ日米関係
沼田貞昭/松尾文夫/渡辺靖
2010年は日米安保条約の改定50周年。この条約を根幹とした日米「同盟」関係は、長く日本の安全と繁栄の基礎となり、また東アジアの秩序を守る「公共財」としても機能してきた。これまでの50年の成果を振り返り、これからの50年を考えるために今、日米同盟にとって何が必要なのかを考える

「同盟」の実質を崩すな
/マイケル・オースリン
50年にわたる日米同盟は、その長さと強固さにおいて世界史上まれな関係である。時代に適応しながら、日本の安全とアメリカの世界戦略を支えてきた日米同盟が直面する課題とは。50年を振り返り、グローバル時代を見据えた進化の道を読み解く

首脳会談が示す未来への射程
/春原剛
鳩山内閣が掲げる「緊密で対等な日米関係」は、それほど新しい思想ではない。むしろ、ブッシュ政権時代からアメリカが求めていた姿勢そのものである。では、なぜ摩擦が起きているのか。日米は果たして「同盟」に耐えられるのか。日米の外交・安全保障政策を長く観察してきた筆者が分析する

米のアフガニスタン支援の「変化」に期待
/中原正孝
世界の安定と繁栄のために、ともにリーダーシップを発揮しようとする日米。国際政治の焦点となっているアフガニスタンは、その試金石となるだろう。アフガニスタンの現状と、日本の援助の成果を踏まえて、これからの課題を考える

気候変動を新しい日米協調の礎石にせよ
/杉山晋輔
気候変動や開発といったグローバルな課題について、オバマ政権の関心は高い。課題の克服に向かって、日米が協力してリーダーシップを発揮する。そういう新しい関係が生まれつつある。

アメリカと中国との狭間で
――いま、日本経済はどこにいるのか
/原田泰
停滞が続く日本経済は、中国との対比の中で明らかなように、世界経済・アジア経済へのプレゼンスを低下させている。日本は大きく変わらなければならないのだろうか。複数のデータを基に、これからの日本の産業をあり方を考える

民族のつながりが約束するもの
/ポール・ウジヒロ・ニワ
政府間のみならず、国境を越えた人と人のネットワークが重要な役割を持つ今日の世界。日米が相互理解を深めようとするとき、日系人の果たす役割は非常に大きい。次世代のリーダーであるニワ氏が、その可能性を語る

フランスからみた新政権下の日米中関係
/山口昌子
日本の政権交代による日米同盟のぎくしゃくぶりと、台頭中国で揺らぐ米国……。国際舞台で、隙あらばと出番を狙っているフランスは、日本、中国、米国をどうみているのか

資料篇 日米150年史・ブックガイド

グラビア アメリカの中に日本を見る

<特集外>
特別インタビュー ジェフリー・サックス
世界の貧困は克服できる!
/聞き手 長尾香里
太平洋西端の先進国に住む私たちは、なぜアフリカの貧困を考えなくてはならないのか。そもそも、ある国を貧困から救い出すことは可能なのか。国連のミレニアム開発目標に関わり、世界の開発戦略をリードする経済学者が語る、世界が豊かになるための処方箋とは

インタビュー「新しい命のために失くしていい命なんてない」のです。
/池上清子

ドイツ政治を読む第三回 ドイツ社会民主党は復活するのか
/花田吉隆
ドイツ社民党が大敗した理由から現在ドイツが抱える困難を描き出す。果たして「赤く染まった」ドイツの行方は

<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
東アジアの「知の共同体」
/進藤榮一
ハシムラ東郷の「百年」
/坂手洋二

書評フォーラム 選評/遠藤乾
『核のアメリカ』
『国際関係のなかの子ども』
『真昼の暗黒』

INFORMATION & 読者投稿


869円
<特集>
ベルリンの壁崩壊から20年

1989年11月9日、東西分裂の象徴だったベルリンの壁が崩壊した。東欧の共産党体制はドミノのように倒され、数年後、ソ連は歴史の舞台から姿を消した。あれから、20年――。
本当のところ、何が変わり、何が変わらなかったのだろうか。問いかけがシンプルだからといって、答えも単純だとは限らない。その複雑さに向き合ってはじめて、私たちは新たな一歩を踏み出せるのだろう。

冷戦終焉の三つの位相
/ロバート・クーパー
わたしたちは、冷戦とその後の世界を、どのように語ることができるだろうか。ヨーロッパを代表する外交官であり、著名な学者でもある筆者が、軍事・経済・政治体制という三つの切り口から迫る

冷戦後二〇年ユートピア殺しを超えて
/遠藤乾
冷戦とその終焉を単純な勝ち負けの論理で語ってはならない。変革のプロセスの多様性と多層性を見つめながら、私たちが忘れ、誤解し、あるいは避けてきた論点――歴史とユートピアを鮮やかに描き出す

カジノ経済とどう付き合うか
/岩田規久男
アメリカ発の金融危機に端を発した世界同時不況は、いまだ出口が見えない。なぜバブル経済は繰り返されるのか。日本の経済、金融政策に積極的に提言を行なってきた岩田氏が、金融危機の発生メカニズムとその対処法を論じる

資料篇 冷戦終結20年史


「2009-1989=Q」の世界システムに日本はどう参加するのか
/伊奈久喜
1989年11月のベルリンの壁崩壊は、冷戦の終わりの象徴とされる。この年に何が起き、それが今どうなっているのか。それを点検すれば、冷戦が終わって何が変わり、20年たっても何が変わらなかったのかがわかる

同盟の受容と軍事協力への躊躇――日米安全保障関係の20年
/神谷万丈
アメリカとの同盟は強化が必要だ。しかし軍事的な協力はできるだけ避けたい――果たして、これで同盟の内実を保てるのだろうか。日本と世界の平和と安定のために、日米はこれまで何をなしてきたのか。これからどのように進むべきなのか


東南アジアは「共同体」を目指すのか
/大庭三枝
いまだ冷戦構造が残る北東アジアに比べて、東南アジア諸国は経済発展と地域秩序の構築に成功して注目を集めた。国際環境を利用しながら展開されるASEAN外交に光を当て、その巧みさと、背後にある論理を読み解く

ロシア――「敗者」は復活したのか
/兵頭慎治
冷戦の崩壊は、ソ連の崩壊をもって完了した。ソ連時代末期から続く停滞と混乱を乗り越え、再び大国とならんとしているロシアの現状を分析する


ヨーロッパ1Q89――抵抗する記憶
/吉田徹
第二次大戦、経済復興を伴いつつ進行した、ヨーロッパという普遍主義的かつポスト近代的な試みが、いま試練に直面している。苦悩するヨーロッパは、われわれに何を問いかけているのか

資料篇 データでみる20年の変化
グラビア 世界史の大転換に立ち会う


<特集外>

ドイツ政治を読む第二回 ドイツは右に向かうか
/花田吉隆
総選挙の結果を受け、ドイツがこれまでの左寄りから右寄りに転換し、さらに欧州が右傾化しつつあるとマスコミでは報じられている。果たしてそう言えるか


アジア文明圏におけるソフトパワー戦略
――ウズベキスタンを例として
/グルノラ・イスラモブナ・カリモワ
中央アジアという地政学的争点に位置し、独自のイスラーム文化を有するウズベキスタン。東洋というアイデンティティを重視して打ち出す、力強いソフトパワー戦略論


国連の普遍主義とアジアの挑戦
/赤阪清隆
二一世紀がアジアの世紀になるとして,アジア諸国は世界に通じる価値として何を提供するのだろうか。国連に代表される普遍主義を包摂するのか。それともいったん撤退を余儀なくされた「アジアの価値」論を再び展開しようとするのだろうか


<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆 渡米実業団、訪米から100年
/渋沢雅英

書評フォーラム 選評/佐々木卓也
『吉田茂と安全保障政策の形成』
『冷戦1945-1991』
『軍事力と現代外交』

年間総目次
869円
<特集>
国連外交

敗戦を出発点とした日本と国連の関係が続いて50年余が過ぎた。「東西の架け橋」や「国連中心主義」など、戦後の日本外交が掲げた理念に国連の存在は決して小さくない。しかし一方で、冷戦下での現実的な安全保障という命題から遊離した面があったことも否定できない。冷戦後、日本外交がグランドデザインを模索する一方、国連の役割は多角化し複雑になった。多極化のなかで改革が叫ばれる国連で、日本外交が主体性を発揮する時を迎えている


国連外交の活性化から日本外交の活性化へ
/北岡伸一
政権交代という民主主義のダイナミズムは、日本の国連外交を再構築する好機をもたらした。鳩山首相の国連総会演説を読み解きながら、世界に貢献する日本のあり方を展望する

[全文]国連総会、国連気候変動首脳会合における鳩山総理大臣演説

座談会 「不可欠だが不完全」な組織に、どう関わるか
星野俊也/中前博之/長有紀枝/羽田浩二
冷戦の終焉から20年が経過して、国連もさまざまな面で成長を遂げ、また試練を受けている。私たちは、国連をどのように捉え、どのように関わっていけばよいのか。

現実を見据えて、力強い国連外交を
/明石康

国連外交の現場
高須幸雄/〔聞き手〕榎原美樹
国際社会の最重要課題を議論する国連安保理。そこで日本は何を目指し、いかに議論をリードしているのか。国連安保理の舞台裏を語る

冷戦後アメリカ国連政策の底流
/ブルース・D・ジョーンズ
湾岸戦争、9・11事件、イラク戦争。現在までの二〇年間、米国と国連は一筋縄にはいかない、複雑な関係を作り出してきた。しかしながら、そのなかでも変わることのなかった、米国の外交政策における国連の位置づけとは

温暖化対策、科学的知見を重視せよ
/浦野光人
地球温暖化という問題は環境という観点だけでは語りきれない。国家と企業と人々の営みが複雑に絡み合い、政治と私生活のあり方が争点として浮き上がる。注目を集めた同友会レポートをまとめた浦野氏が語る

国連PKO新ガイドラインの全貌
/中満泉
現在、困難な状況におかれている国連平和維持活動。その機能をより強化し、より効率的に運用するための新たな指針づくりが始まっている。立案の中心を担った中満氏が構想する、これからのPKOとは

日本と国連が紡ぐ人間の安全保障
/弓削昭子

これからの平和活動が求める人材とは
アン・リビングストン
平和活動は社会や経済、政治にまたがる多元的な任務が有機的に結びついてはじめて成功する。現在、任務が高度化するにつれ、支援する側の能力が問われている。より効果的な平和活動のための現状分析と提言。

国連環境計画親善大使として
加藤登紀子

日本の国連拠出金はこのままでよいのか?
植野篤志
日本は国連のなかで高い評価と信頼を獲得してきた。しかし、ここへ来て日本の国際機関経由のODA実施に黄色信号が灯り始めている

グローバル・コンパクト、一〇年目の挑戦
植野篤志
国際社会に生きる一員として、持続可能な発展のために、企業は何ができるのか。自発的取り組みの輪は、少しずつ、しかし着実に広がっている

日本と国連 稀有な絆
潘亮
戦勝国と敗戦国から始まった国連の関係は、意外なほど強い絆で結ばれるようになった。占領統治、せんごふっこう、東西冷戦といった国際環境の変化にもかかわらず、この絆はなぜ持続したのか。そこにはどのような限界が潜んでいたのか

資料篇 日本の国連外交


<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

関東随筆
開米潤/赤坂清隆

談話室 知花くらら
ザンビアでの出会い―過酷な運命を生きる人を前に、私が考えたこと―

書評フォーラム 選評・宮城大蔵
『軍政ビルマの権力構造』
『池田政権期の日本外交と冷戦』
『外交の戦略と志』

INFORMATION&読者投稿
869円
<特集>
焦点としてのアフガニスタン

世界を震撼させた9・11から八年が経過した。突如として国際政治の焦点として浮上したアフガニスタンは、いま、懸命に自立に向けて歩みを進めている。道のりは決して平坦ではない。数値で計れるような明確な目標があるわけではない。しかし、われわれは関わり続けなくてはならない。遥かかなたにある、光をめざして

復興支援
――今後いっそう高まる日本の役割
/緒方貞子
大統領選挙の開票が進むアフガニスタン。解決されない問題がいくつも残っているが、この国がまだ、復興の途上であることを忘れてはならない

鼎談 開発と復興支援には「出口戦略」を求めない
田中浩一郎/中原正孝/水野孝昭
アフガニスタンの自立に、近道はない。大統領選挙を経て、これからの課題を展望する

アフガニスタンとイラン 二つの大統領選挙が問うているもの
/鈴木均
二度目の大統領選挙を迎えたアフガニスタン。その風景は、国民の政治意識を如実に現している。隣国イランとの比較の中で、見えてくるものとは

NATOからみたアフガニスタンにおける軍事的展開
/吉崎知典
9・11が契機となったことから明らかなように、現在のアフガニスタンと国際社会とのかかわりは、軍事的接触から始まった。あれから八年。状況はどのように変わったのだろうか

アフガニスタン大統領選挙に立ち会って
/香川剛廣
八月二〇日、アフガニスタン大統領選挙が行なわれた。新政権の正統性を確保することが同国の今後の安定にとって重要だ。選挙の自由かつ公正な実施を支援するために派遣された選挙監視団団長に、現地の最新の状況、日本の支援の成果を聞く

PRT(地方復興チーム)参加のチャレンジ
/今井千尋
二〇〇九年五月以降、日本政府初めての試みとして四名の文民要員がアフガニスタンの地方復興チーム(Provincial Reconstruction Team :PRT)に派遣されている。PRTとは、どのような活動をする組織なのだろうか

資料篇 ひとめでわかる日本のアフガニスタン支援

パキスタン対テロ作戦の焦点
――「連邦直轄部族地域」とは何か
/山根聡
テロ組織の温床ともいわれるパキスタン連邦直轄部族地域。しかし、その発端は冷戦を背景にした国際社会の関与にあった。対ソ戦士として伝統社会に迎え入れられた外部ムスリムたちは、なぜテロに向かうのか

エッセイ
支援の現場から

社会の発展は、人々が生きる環境を整えることなしにはありえない。農業、学校建設、医療、そして帰還民の社会復帰――四つの分野で支援の最前線に立つ者たちがみた、アフガニスタンのいま

黄金の穂が垂れる日をめざして
/上堂薗明
日本が世界に誇る稲作技術が、いまアフガンの地で熱烈に求められている。太古の昔、多くの恵みを日本に運んだシルクロードを遡り、日本の知恵が、砂塵舞う大地を金色に染め上げる

学校建設から始まる村の再建
/山本英里
アフガニスタンで行なわれる学校建設支援。地元住民との密接な連携に基づいて建設される学校は、教育の場という本来の役割以上の何かを担いつつある。学校の建設を通して見えてくる、アフガニスタン社会の再建の可能性

いのちをつなぐ仕事
――医療と教育を支援する試み
/レシャード・カレッド
一〇〇〇人中一二九人の新生児が死亡する――さまざまな統計の数字が、アフガニスタンの医療・衛生インフラの劣悪さを物語っている。その中で支援を続けるカレーズの会の代表として、一人の医師として、いまできることは何かを考え、訴える

安心して帰還できる故郷をつくる
/関口正也
戦乱の下での長い避難生活から故郷へ戻る人たちがいる。しかし戻った先で彼らが不安定要因となってしまっては、元も子もない。受け入れる社会の側にとって、いったい何が大切なのだろうか

グラビア この一票が未来を創る!/彩り豊かなアフガニスタンの日常

特集外

天皇皇后両陛下 カナダ・ハワイ御訪問随行記
/川上恭一郎
外国を御訪問される両陛下は、その国の文化、歴史、社会に大いなる敬意と親しみをもって人々と接せられる。そこから生まれる敬愛と信頼の関係は何ものにも替えがたい。御訪問に側近として随行した筆者が、お二人のお姿と交流の意義を語る

核廃絶と核の傘の狭間で、北朝鮮にどう向き合うのか
/阿部信泰
今年五月、オバマ大統領によるプラハ演説に対抗するように、二度目の核実験を行なった北朝鮮。日本は「北の脅威」にどう立ち向かえばいいのか。長年軍縮・不拡散問題に携わってきた筆者が現状と展望を論じる

ドイツ政治を読む
/花田吉隆
九月二七日にはドイツでも連邦議会選挙が予定されている。日本同様、ドイツでも国内政治の話題はこの選挙で持ちきりである。ドイツ政治の特色はどこにあるのか

連載

悲観・楽観・世界観
/千野境子

書評フォーラム 選評・遠藤乾
『ウェストファリア条約』
『日本の難点』
『首相の権力』

INFORMATION
869円
特集◎新時代の日韓関係
「近くて遠い国」と呼ばれて久しい韓国。果たして、その距離は縮まっているのだろうか。
過去の問題を大切にしつつ、世界へと視野を広げ、未来に向かってどのような協力ができるのか。新しい一歩は、もう踏み出されている。

一〇〇年目に訪れた機会
――日韓の「成熟したパートナーシップ」
/小此木政夫
歴史問題、竹島問題と、とかく対立が目立った近年の日韓関係。しかし戦後の両国は、協調への歩みを一歩一歩進めてきた。いま、その実績を糧に、新たな試みが始まる

韓国政治文化におけるアメリカと日本
/朴喆煕
冷戦終焉前後の韓国は、さまざまな政治環境の変化に対応するなかで、自信を深めていった。その自信は、どのような対外政策と結びつくのか。近年の韓国政治のなかで、アメリカや日本は、どのような存在として映っているのか

座談会◎「求同存異」の関係をつくりたい
金玄基/木村幹/小針進/山田重夫
首脳間のシャトル外交が復活し、市民交流も活発化している日韓。「近くて遠い国」から「近くて近い国」になったのだろうか。日韓関係の捉え方を問い直す

社会的弱者の自立なくして、経済復興なし
――アフガニスタン職業訓練における日韓協力
/加藤大二郎
世界のために、日韓は何ができるのか。その答えのひとつが、アフガニスタンにある。これからの産業発展を担う人材育成をめざして、社会的弱者の自立のための新しいプロジェクトが始まっている

なぜ、東レは韓国社会に受け入れられたのか
/上野健次
韓国には多くの日本企業が進出しているが、他方で撤退の事例も少なくない。
国交回復前から交流を深める東レが語る、共栄共存のビジネス戦略とは

つなげよう東京とソウル、つなげよう未来へ
――「日韓交流おまつり2009」にかける思い
/高橋妙子
日韓の新しい懸け橋としてしっかりと根をはりつつある「おまつり」。さまざまな議論とチャンレンジを重ねながら、今年も間もなく幕を開ける

資料篇 二〇〇九年日韓部品素材調達・供給展示会開催

グラビア 結びつきを強める日韓――市民、企業、政府


第二特集◎メコン地域の可能性
日本とメコン地域が交流を始めたのは約600年前のこと。当時、双方を結んだのは貿易だった。しかし現代において日本とメコンを繋ぐのは貿易だけではない。グローバル化のなか、政治経済あらゆる側面で繋がりができはじめている。空前の勢いで深化する交流はメコンと日本の将来に何をもたらすのか。地域とそこに関わる国それぞれの発展に深く根ざした構想こそが、いま求められている

鼎談◎メコン開発が変える東南アジアの未来像
白石隆/讃井暢子/小野啓一
日本の新たな外交ターゲット、メコン地域。この地域の開発・発展にはどのような意味があるのか。現状をどうとらえたらいいのか。それはどのような東南アジア像と結びつくのか。そして、そこでの日本の役割とは何か。歴史をひもときながら考える

メコン地域の経済回廊と日本の経済協力と
/石田正美
現在、メコン地域の経済拠点をインフラで結ぶ巨大な事業が進められている。そのなかでも目立つのは、日本のODAによる経済支援だ。地域経済を大きく発展させるプログラム「経済回廊」とは。

カンボジアの文化遺産を、カンボジア人が守る
/石澤良昭
いまから半世紀近く前。アンコール遺跡に出会った石澤青年は、とりつかれたようにその発掘と調査にのめりこんだ。いまなお第一線の研究者として学界をリードする知性からのメッセージ

資料篇 ひとめでわかるメコン地域

グラビア メコン 変わる風景、変わらない風景

ラクイラ・サミットを振り返って
/小田部陽一
三五年目を迎えるサミットがイタリアのラクイラで行なわれ、金融危機後の深刻な経済情勢、気候変動問題など重要な課題が話し合われた。日本はそこで存在感を示すことができたのか。オバマ新大統領はどのような外交手腕を見せたのか。シェルパを務めた外務審議官が振り返る

資料篇 ラクイラ・サミットで何が議論されたのか


誰が核軍縮・不拡散を進めるのか
――G8の可能性と限界
/浅田正彦
今年四月のオバマ米大統領のプラハ演説以来、核軍縮・不拡散は国際政治の主要な論点として浮上した。しかし国家の安全保障にかかわるこの複雑な政治問題を、一体誰がリードするのか。ラクイラ・サミットを振り返り、この問題におけるG8の役割を再考する

混沌のイラン、亀裂の行方
/吉武祐
大統領選挙以来、いまだ混乱が収まらないイラン。保守派と改革派は、なぜここまで亀裂を深めなければならなかったのか。国際社会が注目する核開発問題への影響はあるのか。現地で推移を見つめるジャーナリストが読み解く


対話の積み重ねこそが、信頼関係をつくる
――中東カタールとの防衛交流
/下平拓哉

連載「変節」に寛容な日本的現象(下)
/王敏

悲観・楽観・世界観
/千野境子

談話室 耕地を耕し、人々の心を耕す
――ミャンマー中央乾燥地植林計画
/山崎秀人

巻頭エッセイ 『大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清』を執筆しおえて
/松本崇

書評フォーラム 選評・佐々木卓也
『レッドムーン・ショック』
『マッカーサー』
『アジア地域主義とアメリカ』

INFORMATION&読者投稿



869円
<特集>
核兵器のない世界へ
――日本の軍縮イニシアティブ

戦後日本の原点には、敗戦と、とりわけ広島・長崎の痛みがある。しかし、その痛みがあまりに強烈であったがゆえに、アメリカの「核の傘」と不可分な安全保障の現状とうまく接合せず、核をめぐる議論は、しばしば停滞した。いま、冷戦の終焉から二〇年が経過し、日本も世界も変化している。直面するさまざまな危機を見据えつつ、将来の核軍縮・不拡散に向けて、歩みを始めるときが来た

「ゼロへの条件」を整えるため
――今後一年の日本の核軍縮外交
/中曽根弘文
核軍縮・不拡散の気運が高まっている。軍縮・不拡散の主張を続けてきた日本にとっては、まさに好機だ。その好機を掴まんとして、日本国外相が謳う「一一の指標」――その意味するところと、覚悟を外相自身が語る

広島にこめた平和への思い
/河野洋平
「政治家として、そして人間として大切にしなければいけないことが二つある。一つは環境、そしてもう一つは平和・軍縮。その二つが守られなければ人類の未来はない」――昨年九月、広島でG8下院議長会議が開催され、平和と軍縮の問題が議論された。議題の設定と広島での開催に尽力した河野議長の思いとは

座談会 軍縮と安全保障のはざまで
/黒澤満/吉田文彦/川崎哲/佐野利男
核をめぐる議論は複雑だ。アメリカのオバマ政権がリードする核軍縮の潮流に、日本はどのように対応するのか。官・学・民の有識者が交わす白熱した議論から、日本の針路を考える

「持てる国」と「持てない国」の協調は取り戻せるか
――NPTを機能させるために
/秋山信将
世界の核不拡散体制を支えるNPT。本質的に不平等性を抱えるこの条約を機能させるには、核兵器を「持てる国」と「持てない国」との信頼醸成が不可欠だ。世界は、多くの困難を越え、核不拡散への新たなビジョンを生み出せるか

オバマ政権の意欲
/ジョージ・パーコビッチ
今世紀最初の一〇年で、テロや北朝鮮など核の脅威は多様化し増大した。しかしその一方で、オバマ大統領が核軍縮とその先の廃絶に向けて演説を行なったことで新たな希望が吹き込まれた。長く核戦略および核不拡散の研究を行なってきた識者が、アメリカ新政権の戦略とその展望を解説する

プラハを演出した四賢人
/春原剛
オバマ大統領が掲げる「核のない世界」は、安全保障問題に詳しい米有識者らの水面下での活動に支えられていた。ロシアとともに核軍縮で先導的な役割を果たそうとしている米国に各国が注目する中、オバマの「本気」はどこまで世界を変えることができるのだろうか

ベリー元米国米国防長官特別インタビュー
「核兵器のない世界」への道
/聞き手 春原剛
「核なき世界」に向けて、オバマ米政権はどのような考え、戦略で望むのか。この問題について、オバマ大統領に助言を送っているウィリアム・ペリー元米国防長官に聞いた

核軍縮時代の日本の安全保証
――拡大抑止の信頼性向上が鍵
/佐藤行雄
米国の抑止力は、必ずしも核兵器にだけ依存したものではない。非核戦力の重要性をも視野に入れることで見えてくる、日米同盟の本来の姿。核軍縮・不拡散を追求する世界の趨勢の中にあって、日本がとるべき安全保障戦略の指針がここにある

世論を変え、政府を変える
――川口・エバンス委員会の挑戦
/川口順子
かつて核廃絶がこれほどまでに真剣な議論を呼んだことはあっただろうか。いま、国際社会の変化を背景に日豪の共同チームがこの問題に取り組んでいる。「核兵器ゼロのインフラ」をつくることはできるのか

なぜ、アジアだけ軍拡なのか
――「コンサート」慣行を生み出すための考察
/納屋政嗣
世界的な軍縮気運の高まりとは裏腹に、アジアではむしろ軍拡が進んでいる。この地域で軍縮を語ることは出来るのか。長期的な構造変動を念頭に、大国間協調による軍縮・不拡散戦略の可能性を探る

「核の傘」再考の時代へ
/黒崎輝
一九四五年の広島・長崎への原爆投下以降、日本は唯一の被爆国として、反核感情から、非核三原則を掲げてきた一方で、「核の傘」に依存してきた。政権交代の可能性が高まる中、「核の傘」の是非を問う論議が再び生まれようとしている

北朝鮮問題
――北東アジア非核化へのアポリア
/李鐘元
北朝鮮は、アジアにおける核軍縮の焦点である。ミサイル発射実験、核実験を強行した北朝鮮の意図は何か。米朝間の対話は進むのか。核問題の解決に向けた構図を読み解く

IAEAの核査察とは何か
/久野祐輔
世界の核不拡散体制を支えるIAEAの査察。いま、それはどれだけ有効に機能しているのか。査察現場を指揮した経験を持つ久野氏が語る、査察の実態とは

見落とされる通常兵器移転の問題
――武器貿易条約をめぐる歴史と課題
/夏木碧
対人地雷やクラスター弾とは違って、通常兵器の移転規制をめぐる議論は地味で複雑だ。国家の自衛権や紛争の平和的解決を妨げることなく、安定的なルール作りのためには、何が必要なのか

資料篇 米国を動かした核軍縮提言/ひとめでわかる核問題

グラビア 世界が、軍縮へと動き始めた

<特集外>

フランスとNATOとの情熱的関係
/山口昌子
フランスとNATOとの関係は複雑だ。冷戦期、NATOを強く必要とするも、フランスが選んだのはNATOを離れ独自路線を歩むことだった。再びNATO復帰を果たしたフランスの「情熱」はいまどこに向かっているのか

インド総選挙
――国民会議派の「復活」か
/佐藤宏
七億の選挙民を抱える世界最大の民主主義国家、インド。今年、政権を決める総選挙が巨大な規模で実施された。大方の予想を裏切る与党国民会議派躍進の要因とは何か。選挙の分析を通じ、インド流「民主主義」おあり方を読み解く



<連載>

連載 「変節」に寛容な日本的現象(中)
/王敏

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
/松尾文夫/久保健一

談話室
/五嶋みどり

書評フォーラム 選評・宮城大蔵
『日台関係史』
『東部ジャワの日本人部隊』
『南北アメリカ華民と近代中国』

INFORMATION



869円
<特集>
日本を売り込む!
――魅力ある日本の発信を目指して

アニメ、マンガ、ガールズファッションといったポップカルチャーを中心に、いま、日本からたくさんの文化が発信されている。いつの間にか、世界は日本文化をCool!とみるようになった。いったい、なぜ受け入れられているのか。かっこよくあり続けるためには、何が必要なのか。日本発の魅力あるコンテンツ――その発見、育成、展開の可能性を考える

日本らしさとは何か
――アイデンティティと文化外交
/渡辺靖
特殊日本的な伝統なるものから「日本文化」を語れるわけではない。他者との対話に開かれた、柔軟で強靭な営みのなかで育まれたものこそ、クールだ。気鋭の文化人類学者が考察する、かっこいい日本とは

私も、クール・ジャパンです!
/鴻上尚史
常に日本と時代に向き合ってきた舞台人が語る、クール・ジャパンのススメ

アニメは父親や母親のような存在です
――世界に広がる文化外交ツールの可能性
/櫻井孝昌
日本アニメはいまや世界的なメディアコンテンツに成長している。しかし、そうした状況を外交ツールとして扱う、あるいはそういった認識すら長らく不在ではなかったか。アニメによる日本の新しい文化外交の現状と可能性を探る

対談 「魅せる」から「売る」へのシフトチェンジ
――ガールズファッションが世界に羽ばたくために
/海保香織/永谷亜矢子
いまや世界的な広がりを見せる日本のガールズ・ファッション。しかし足もとでは課題が少なくない。よいものが日本から発信され続けるためには、何が必要なのか

オールジャパンで売り込む「日本」
/門司健次郎
ドラえもんがアニメ文化大使として世界を駆け巡り、ミニスカートの女子高生がカワイイ大使に就任――。今、日本を世界に売り込む外交戦略が、柔らかく、熱い。世界が熱狂する日本のポップカルチャーを、国家はどう扱うべきか。賛否両論が渦巻く日本のソフトパワー戦略の確信に迫る

ベトナムの中学校で日本語を教える
――日本語教育試行プロジェクトの現場より
/稲見由紀子
二〇〇三年からベトナムで始まった日本語教育プロジェクトは数多くの優秀なベトナム人日本語教師を輩出し、日本語の普及に大きく貢献している。しかし、プロジェクトの正念場はこれからだ

「かわいい日本」の衝撃
――韓国における日本文化受容の意味
/小倉紀蔵
韓国における日本文化の浸透はもはや不可逆的だ。しかしそれは一つの外国文化の流入という次元にとどまらない。強固な近代性を有する韓国社会をゆるがす、衝撃的な「事件」である。現代思想から読み解く、出色の文化論

中国を説明する
――中国のソフト・パワーと文化交流
/青山瑠妙
今世紀に入ってから、中国は積極的な対外文化交流を進めている。そこにはどのような意図が込められているのか。「孔子学院」など、具体的な政策を紹介しつつ、その現状と課題を探る

資料篇 日本を魅せる人々/数字で見る日本イメージ

グラビア 日本発!世界を席巻する「カワイイ」カルチャー


<特集外>
連載 「変節」に寛容な日本的現象(上)
/王敏
欧米人や中国人が理解しがたい日本人の謎がある。なぜ造反議員は簡単に主義主張を変えて許されるのか?戦後民主主義への移行はなぜかくもスムーズに運んだのか?アジア対欧米という従来の図式では捉えきれない日本の独自性を、「転向」と「変節」という言葉から鋭く分析する

時事コラム 太平洋・島サミット開催
太平洋諸島の発展と協力のため、開催された「太平洋・島サミット」。決して浅からぬ関係の日本と太平洋諸島がタッグを組んだこの会議の成果とメッセージを読み解く


<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
/山口昌子

談話室
/篠田英朗

書評フォーラム 選評・遠藤乾
『国際正義の論理』
『グローバル・シティ』
『ポスト・プライバシー』

INFORMATION
869円
〈特集〉
ユーラシアのパワー・バランス
ヨーロッパとアジアに跨る広大な領域、「ユーラシア」。そこでは古くから、大国による覇権争いが幾度となく繰り返されてきた。特に中央アジア地域は、ヨーロッパとアジアの交差点として、そして豊富な天然資源を産出する土地として、さまざまな思惑に翻弄されてきた。新たな「グレート・ゲーム」の時代が始まったとも言われる現在、今またこの地域に熱い視線が注がれている。「ユーラシア」は今後、どこへ向かって行くのか。そして日本は、どのように関わっていけばよいのか


「ユーラシア」という視点
――焦点としてのアフガニスタンと中央アジア
/河東哲夫
古来、諸文明を結びつける「統合の地」であったユーラシア。近代における幾多の分断の歴史を経て、いま再び一体を為そうとしているこの地域を、歴史の縦軸と「六すくみ」の国際政治の現実から読み解く

座談会 過剰な戦略論に陥るな
――中央アジアをめぐる国際政治と日本外交
/石郷岡建/斎藤元秀/孫崎享/本村真澄/
古くから大国のパワーゲームの舞台としての歴史を持つ中央アジア。冷戦の終焉から20年。オバマ政権の誕生、再興するロシア、中国の台頭、資源とテロをめぐる外交戦略が入り交じる、国際政治の交差路を読み解く

ヨーロッパの東方政策とロシア問題
――新しいアイデンティティの模索
/六鹿茂夫
冷戦の終結によって、その範囲と役割について新たな模索の時代に入ったヨーロッパ。ユーラシアへの「拡大」は、どのような論理と政治力学のなかで進んでいるのか。ロシアとの関係調整の難しさを踏まえつつ、錯綜するユーラシア関係の見取り図を描く

中央アジアを理解するための六つの鍵
/宇山智彦
地政学的重要さと資源の豊富さから注目が集まる中央アジア。効果的な外交を展開するためには地域情勢への深い認識が欠かせない。中央アジアを理解するうえで重要な「鍵」を解説する

「寅さんの日本」を大切にしたい
/ウマロフ・ブニョード
十九歳で中央アジアのウズベキスタンからやってきた日本。留学先で、仕事のなかで感じた日本とは

トゥルクメン葦笛の謎
――中央アジア伝統音楽をめぐるエピソード
/瀧知也
かつてシルクロードの途上にあって栄えた砂漠の文化が、今も風前の灯火の如く伝承されている。トルクメニスタンに伝わる笛「トゥイドゥク」もそのひとつだ。哀切と陶酔に満ち、イスラーム神秘主義の影響も感じさせるその音色の由来に迫る

資料篇 世界と日本はアフガニスタンにどう関わっているか

資料篇 ひとめでわかる中央アジア

グラビア ユーラシア―国際政治の交差点


<特集外>

インタビュー 北朝鮮ミサイル発射で、何が変わるのか
/伊豆見元
二〇〇九年四月五日、北朝鮮は、自制を求める国際社会の声を無視し、日本の上空に「ミサイル」を通過させた。これは、日本の安全保障と北東アジアの安定への重大な挑戦である。今回の事件をどのように読み解けばよいのか。北朝鮮問題の現状と展望を聞く

対談 統合の深化がもたらしたもの
―『原典ヨーロッパ統合史』の試み
/遠藤乾/岩間陽子
日本の研究者の手により、世界水準のヨーロッパ統合史資料集が生まれた。この本はいかにして作られたのか。そしてその制作過程で、どのような課題が浮かび上がってきたのか。気鋭のヨーロッパ研究者が語り合う

ポップ・カルチャー外交の実践と理論
―オタク外交官と呼ばれて
/山田彰
海外で高い人気を誇る日本のポップ・カルチャー。外交ツールの一つとして、それを活用しない手はない。しかし、実際にどのようにポップ・カルチャーを外交に活かせばよいのだろうか。スペインでアニメ・マンガを通じた外交を展開し、「オタク外交官」として親しまれていた筆者が語る、ポップ・カルチャー外交の真髄

日露学生フォーラムに参加して
――本音の交流で実感する「国際交流」の意味
/野本和宏
エネルギー分野や輸出産業など経済的結びつきを中心に新たな局面を迎えている日露関係。しかし環境は大きく変化しても、人間がそれに追いつかなければ意味は薄い。学生交流はそうした国際関係の前線とも言える。ロシアという「他者」と本音で語らった学生が見た「国際交流」のあり方とは

<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
/根本かおる/吉田重信/奈良岡聰智

書評フォーラム 選評・佐々木卓也
『CIA秘録』
『アメリカ政治外交史教材』
『平和を勝ち取る』

INFORMATION&読者投稿
869円
〈特集〉
日本の国家戦略
冷戦が終焉したとき、「勝者は日本だ」と言われた。しかし、日本の本当の試練はそこから始まっている。アメリカの保護の下で、自国の安全と繁栄に集中していればよかった時代は過ぎた。世界の中で生きていかなくてはならない日本は、世界のために何ができるのか。いま、この問いかけに真剣に答えたい。

「国家戦略」論を疑う
/伊奈久喜
神話を疑い、事実を示して破壊するのは、いつの時代もジャーナリズムの機能であり、使命である。意味のある議論をしようとすれば、国家戦略といった抽象名詞ではなく、具体的な言葉を使う必要がある

鼎談 机上の法律論から現実の外交論へ
/田中均/本田優/兼原信克
冷戦という秩序にあまりに適合してきたからであろう。冷戦終焉後20年の日本外交の歩みは迷走している。責任と能力を有した国家として、日本は自国と世界のために何をなすべきか。克服すべき国内議論の閉塞性を明らかにし、これからの秩序像を考える

日本国家の形を求めて
――日本外交「再生」への提言
/馬渕睦夫
豊かな歴史と伝統を持つ日本は、国際社会において多大な貢献を成すことができる。キーワードは「共生的進化」と「形」の重要性だ。日本外交を再生し、「自由と繁栄の弧」を達成するための積極的提言

NSCとは何か
――アメリカ国家安全保障政策の決定過程
/森聡
アメリカの安全保障政策における大統領の決定を補佐する機関――それが国家安全保障会議(NSC)だ。しかしその組織と運用のあり方は、歴史とともに大きく変化している。超大国アメリカにおいて、NSCが機能する条件とは何か

〈第二特集〉
共生に向かって
――外国人労働者をめぐる諸問題
近年、ブラジルなどから多数の外国人労働者が来日しており、人口の大きな割合を占める自治体も現れている。少子高齢化時代の日本にとって、外国人労働者は重要な資産である。しかし日本社会は受け入れの準備ができているのだろうか。経済危機以後の状況を踏まえつつ、日本における外国人労働者のあり方を考える

在日外国人をどう受け入れていくのか
――多文化共生社会の課題と展望
/近藤敦
戦後、排除と差別から始まる「外国人」との関係は、やがて同化から統合への変化する。そして、日本が閉鎖的でいられた社会的経済的要因が崩れつつあるいま、新たに求められる共生の関係とは、どのようにあるべきなのか。現状と課題を考える

「開かれた日本」への制度設計
――東アジア統合と「循環移民」構想
/井口泰
世界経済危機の影響で、外国人労働者のおかれた環境が厳しさを増している。いま求められているのは、東アジア統合を視野に入れた経済政策の展開と、それに適合的な移民・外国人労働者政策であろう。その鍵は「循環移民」の実現にある

不況の時代だからこそ、共生の力が試されている
――増加する日系ブラジル人と豊橋市の取り組み
/本馬基次/加藤修一
一九九〇年代から増加を続けるブラジル人労働者。経済危機後の日本において、彼らの生活は苦しくなる一方だ。それは受け入れる自治体にとっても重大な問題だ。共生先進地域、豊橋市の取り組みから、労働と共生のあり方を考える

共生の諸相
――フランスにおけるムスリム社会
/浪岡新太郎
ヨーロッパ最多の移民出身者を抱えるフランス社会。移民新世代のムスリムアイデンティティがフランスの市民アイデンティティと対立するのではないかという懸念もある。しかし、彼らの要求は他のフランス国民と変わらない。それは、「社会経済的に排除されずに生活したい」というものだ
資料編 数字で見る外国人労働者の推移

グラビア 私の原点がここにある

〈特集外〉
鼎談 追悼 永井陽之助
『平和の代償』の衝撃
/粕谷一希/中本義彦/中山俊宏
戦後日本の政治学に大きな影響を与えた巨人、永井陽之助が二〇〇八年一二月三〇日、八四歳で逝去された。その冷徹で深遠な洞察は二〇世紀の本質を見通していたのみならず、二一世紀の世界を考えるためのヒントをも与えてくれる。彼はなぜそのような洞察へと到達しえたのか。そしてわれわれはそこから何を継承できるのだろうか

永井陽之助略歴・著作リスト

シンポジウム イギリスは、モデルたりうるか
――地域統合の中のイギリスと日本
/益田実/小川浩之/吉田徹/潘亮/宮城大蔵/鈴木一人
なぜイギリスは「ヨーロッパ」であることを選んだのか。イギリス外交の叡智と苦悩が
集積した「英欧関係」の足跡から、「日本とアジア」のあり方を考える

〈連載〉
悲観・楽観・世界観
/千野響子

談話室 世界視野の人材を羽ばたかせたい
――東京大学グローバル・リーダーシップ寄附講座の試み
/北岡伸一

巻頭随筆 クラシック音楽にみる〈伝統〉の変容
/福中琴子

物語「福田ドクトリン」から三〇年 最終回
離任――言い遺しておきたいことの幾つか
/枝村純郎
書評フォーラム 選評・宮城大蔵
『日本労働政治の国際関係史 1945-1964』
『移民還流』
『外交の力』

INFORMATION&読者投稿
817円
<特集>
世界経済危機への処方箋

サブプライム・ローン問題に端を発したアメリカの金融危機は、瞬く間に実体経済に波及し、世界へと拡大していった。「100年に一度」のこの経済危機がもたらすものとは何か。アメリカ一極体制は変わるのか。新興国はどのような役割担えるのか。資本主義はモラルを取り戻せるのか。景気の回復には、どのような政策が必要なのか。私たちの暮らしと直結する世界経済のいまを、多角的に読み解く

新たな国際経済社会秩序の構築
/重原久美春
1930年代の世界恐慌以来ともいわれる危機の発生を機に、世界経済社会の枠組みはどのように変わるのか。あるいは枠組みをどのように変えるべきなのか

鼎談 日本復活のシナリオはあるのか
/伊藤元重/野上義二/山口伸二
いま、世界を覆っている経済危機は、世界経済の構造をも変えようとしている。世界と日本に、新たな処方箋はあるのか

内需主導型世界経済への転換を
――世界経済危機への処方箋
/五味廣文
アメリカ発の金融危機は、人災だった。金融関係者が、誰一人として、当然のことをやらなかった報いだ。だが、この危機を乗り越えた先には、内需主導型の新しい世界経済の形が見えてくる

銀行「国有化」にまで踏み込むのか
――オバマ政権の経済対策と金融安定化
/滝田洋一
実体経済と金融が負の連鎖を引き起こしている米国経済。マクロ政策の効果を挙げるためには、金融システム回復が最大の課題となっている。景気刺激と金融安定化を目指し、強硬策も辞さないオバマ政権の政策を分析する

「世界の工場」は協調に向かうのか
/大橋英夫
世界経済のなかで比重を増す新興国。とくに関心を集めているのが「世界の工場」として台頭する中国の動向である。世界は経済大国へと変貌した中国が、世界経済危機のなかで相応の国際的責任を果たすことに期待している。中国はその期待に応えるのか。現状を分析する

危機へのスクラム、いまだ成らず
/ピエール・ルモアン
危機発生の直後、さながら消防士のように鎮火に対応した欧州各国政府だったが、彼らの回復計画はいまだに一貫した共通のビジョンを欠いたままである。早期回復が望まれるなか、くすぶり続ける危機の火種に、EUは前どのように対峙すべきか


<第二特集>
国際機関で働こう!

世界にはさまざまな困難がひそんでいる。一日一ドルで暮らす人たちがいる。感染症の広がりに無防備な人たちがいる。故郷を追われ難民となる人たちがいる。暴力の連鎖に恐れおののくばかりの人たちがいる。私たちは、それを放置しない。決して遠い世界のことではなく、私たちの「生」の延長として、世界に関わる。その最前線へ飛び込むための扉が、ここにある

国際機関の長を九年間務めて
/松浦晃一郎
ユネスコの運営ぶりを不満として1980年代に脱退していた米国、シンガポールの復帰を実現。加盟国を五カ国増やした。数々の改革を打ち出し、国際社会におけるユネスコの信頼を取り戻すことに成功した筆者。任期満了を前に国連機関の長、そして日本の顔としてのこれまでを振り返る

鼎談「命をかける」仕事が、ここにある
/根本かおる/日向俊一/村田俊一
世界には、いまもさまざまな困難が広がっている。貧困、飢餓、病気、暴力……。その困難に立ち向かう人たちがいる。現場に立ち、あるいは現場を見据えながら、人々のよりよい生活に取り組む仕事。その最前線からのメッセージ

WFPが要らない世界へ
/忍足謙朗
五〇カ国を超える筆者の訪問のなかでもっとも悲惨というスーダン。「明日の食べ物を心配しなくてはならないような状況では、平和は築けない」という信念で活動を続けるが、それは時に厳しい決断と生命の危険にぶつかることでもある――

インタビュー 国際機関で生き残る秘訣
/山口郁子
「国際機関で働く」と言っても、活動するフィールドは多種多様だ。それでも国際機関で働く人間に求められるものには共通したものがある。さまざまな機関での勤務経験から得た教訓とは

インタビュー リクルートミッションに聞く 国連が求める人材とは
/キャサリン・ポラード/ジョン・エリクソン/伊藤美保子
国連職員に適性はあるのか。国連事務局が実施する国連職員採用競争試験を含め、応募する際の書類作成や面接の留意点とは

国際公務員になるには
/外務省国際機関人事センター
国際社会においては、平和と安全の維持、開発、貿易、環境及び人権・人道問題などさまざまな分野で活動する国連などの国際機関の役割がいっそう重要になってきています。そのような国際機関で働くための方法などについてご紹介します

大学から始まる国際機関へのキャリア・パス
――早稲田大学・OECDインターンシップの試み
/白木三秀/勝間靖
国際機関で働くことに関心を持つ学生は少なくないが、いったいどうやってアプローチすればよいのか、分からないことは多い。早稲田大学の先進的な取組みを、先生方へのインタビューで紹介する

資料篇 本で読み解く国際機関
グラビア 世界の困難の現場に立つ


<論文>
オバマのベトナムとなるのか
――米アフガニスタン政策
/堀本武功
ブッシュ政権のイラク戦争への専心とタリバーンの再台頭が、アフガニスタン情勢を不安定化させている。周辺国であるパキスタン情勢、さらに印パ関係も悪化する中で、アフガン重視を掲げるオバマ政権に成功の可能性はあるのか

<時事コラム>
クラスター爆弾禁止条約署名へ
/佐藤丙午


<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆 追跡―国際連盟脱退宣言はどこでなされたか
/美根慶樹

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第12回
アサハン・アルミの対日輸出停止問題
/枝村純郎

書評フォーラム 選評・遠藤乾
『ジャン・モネ回想録』
『現代アジア研究<1> 越境』
『パリテギ』

INFORMATION&読者投稿



817円
<特集>
アメリカは変るのか
――オバマ登場の意味するもの

長期化し、大きな軍事的・財政的負担を引き起こした対テロ戦争と大恐慌にもなぞらえられる世界規模の金融危機、それにともなう「超大国」イメージの凋落……現在、アメリカは試練の時代を迎えている。選挙戦で「チェンジ」を訴え、就任演説ではアメリカ再生のため「新たな責任の時代」の始まりと国民の結束を訴えたオバマ新大統領。彼はどのような人々を率い、いかなる政治を展開するのか。世界は、そして日本は、オバマのアメリカとどのように向き合うべきか。新政権誕生を迎えて、アメリカと世界の「変化」を考える

オバマ氏がアメリカを変えるのか、アメリカが変わったからオバマ氏を選んだのか
/伊奈久喜

座談会 世界秩序を担う日米関係の構築を
/久保文明/中山俊宏/松尾文夫/山野内勘二
オバマ新政権の誕生は、アメリカ国民から好意を持って迎えられている。オバマはなぜ人々の心をつかめたのか。彼は立ち向かわなくてはいけない課題とは何か。日本はどのような世界像を共有できるのか


「オバマ・マニア」
――フランスのアンビバレンス

/山口昌子
ここ数年、ブッシュ政権とさまざまな対立を生じてきたフランスは、選挙戦当時からオバマ新大統領に熱い注目を注いできた。フランス国内のオバマへの熱狂の背景には、冷静な利害計算と複雑な対米感情、さらに国内政治状況への不満などが混在している。

日米同盟の行方
/森本敏
同盟とは、目的ではなく手段である。自国領域、アジア地域、そしてグローバル――異なる三つの枠組みで、日本の安全保障戦略を考えた時、オバマ大統領率いる新しいアメリカとの関係は問い直しが求められるはずだ。新たな対米関係を軸とした、日本の外交戦略を考える

対テロ主戦場、南アジア政策
/堀本武功
政権成立まもなくアフガニスタン・パキスタン担当の特別代表任命を発表。国際テロとの闘いを進めるためオバマ政権は南アジア政策と本格的に対峙する姿勢を見せている。オバマ政権の南アジア政策は実行可能か、立ちはだかる壁は何か

ポスト新自由主義時代の世界経済を構想する
/鈴木庸一
世界経済の混乱が、アメリカ中心の経済体制を動揺させている。金融分野が肥大した資本主義のあり方、危機に瀕する自由貿易、アジア経済圏の形成といった難問に、日本はどのように答えるのか

危機脱出のシナリオはあるのか
――金融・経済危機の来歴と構図
/地主敏樹
クリントンが生み、ブッシュが育てた金融危機の萌芽は、今や世界同時不況へと展開している。彼らが行なった失敗の論理とは何であったのか。そして、オバマ新大統領が示す処方箋とは。世界的な金融危機の動態を、米大統領三代の視点で読み解く

環境政策の舵は切られるのか
――グリーン・ニューディールの実現性
/太田宏
国際協調を重視すると目されるオバマ政権。グリーン・ニューディールを掲げ、気候変動枠組みといった国際問題としての環境政策分野で大きく舵を切ろうとしている。地球規模で影響を与える新政策の実現性と、鍵を握る国内の動きを検証する

現地レポート 新大統領誕生の瞬間
/淡路愛
「わたしには夢がある――キング牧師が行なった、歴史的な演説から半世紀。いま、人々の目の前に立つのは新たな大統領である。一八〇万の国民が見守る中、「夢」が結実する。米史上初の黒人大統領というかたちで

日米間の文化・教育交流が未来をつくる
――新生日米文化教育交流会議(カルコン)
槇原稔
環境問題など地球的課題が噴出し、日米協調がますます求められている中、両国は自らの理念・価値観に基づき、世界に対してその説得力を有効に発揮し、リードしていけるのか。まさにこの問題を論ずる上で、両国の文化・教育交流促進に取り組む「カルコン」は触媒としての重要な役割を果たし、処方箋を呈示することができるだろう

日米関係を支える人的交流プログラム
/町村明子
日々の政治経済状況によって変ることのない、日米関係の基底をなすもの――CGPの活動に人的交流の裾野をみる

日米協調を担う新政権のキーパーソンたち
/足立正彦
二期八年ぶりとなる民主党政権は、どのような対日政策を展開するのか。実務を担うスタッフ人事から、対日政策の方向性を予測する

米新政権との新たな日米経済関係の構築に向けた提言
/これからの世界経済と日米経済関係に関する研究会

資料篇 オバマ政権の主要スタッフ

資料篇 オバマ大統領就任演説(日英両文)

グラビア
新大統領誕生の瞬間


<特集外>


日本外交のかたち
/薮中三十二
アメリカでオバマ政権が発足するなど、激動する世界情勢。その中で日本も外交力を発揮していなかければならない。現役外務事務次官による「中規模高品質国家」への提言

「衆愚」の時代の外政論
/鈴木美勝
民主国家において政治が世論に作用することは必要だ。しかし、大衆の「気分・感情」が外交に大きく作用してしまう「衆愚」の時代、外交はどこに向かうのか。古くて新しい課題は、深刻なものになりつつある



<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第11回
援助倍増の要求
/枝村純郎

アメリカ合衆国大統領を読む 第10回
米国政治のロジックを見誤った大統領 ウィリアム・J・クリントン
/徳川家広

書評フォーラム 選評 佐々木卓也
『米欧同盟の協調と対立』
『アイゼンハワー政権と西ドイツ』
『歴史としての現代日本』

INFORMATION&読者投稿

817円
外交フォーラム 2月号目次
February 2009 No.247

<特集>
E・H・カー――現代への地平

国際政治におけるリアリズムの祖であると同時に、偉大な歴史家といわれるE・H・カー。彼への興味は尽きることがない。彼は、いったいどのような環境に育まれたのだろうか。彼はどのように歴史を語り、国際政治を眺め、ソ連を分析し、そしてどのように生きたのだろうか。いま再び衆目を集める偉才の、多面的な魅力について語る

私のE・H・カーとの出会い
/山内昌之
継承すべき二〇世紀の歴史家の一人、E・H・カー。その魅力はどこにあり、著作はどう読み解けるのか。イスラム史研究と国際関係史研究の第一人者がカー作品との出会いを語る

『危機の二十年』の現実主義論
――その構造と読解の変容
/遠藤誠治
国際政治学における現実主義者として名声を博するE・H・カー。しかし、彼の真価はユートピア主義との巧妙なバランスにあった。語り継がれる古典を新たな視点から読み直す

冷戦後におけるソ連史研究
――E・H・カーの射程
/下斗米伸夫
いま再び衆目を集める歴史学の大家、E・H・カー。そして「予知できない過去を持つ国」、ソ連。果たして、彼の慧眼はこの難解な国とどのように向き合っていたのか。大歴史家の洞察を批判的にとらえ直す

テキストとしてのE・H・カー
――『歴史とは何か』を再読する
/有馬学
『歴史とは何か』は、戦後日本において古典的名著として読み継がれてきた。しかし、その受容のされ方には、当然ながら時代の制約がある。その制約を明らかにしつつ、いまこの古典を読み返す意味を考える

イギリス知的空間のなかのE・H・カー
/細谷雄一
カーの国際政治論における美徳の一つは、原理主義的で一面的な思考に陥らずに、物事を多面的にとらえ思考における均衡を維持することであった。それゆえ「知識人と官僚」の双方を経験し、「真実と権力」の双方の世界に浸かったカーの議論は、現在の日本外交にも多くの示唆を与えることであろう

知的巨人、カーの実像に迫る
/山中仁美
E・H・カーは多彩なキャリアと研究領域をもつ巨人であった。当然その全体像を把握することは容易ではない。果たしてわれわれは、カーという巨人にいかに迫ればよいのだろうか

資料篇 E・H・カーの足跡――日本語で読める著作リスト


<第二特集>
2009年日本の外交課題

新しい年を迎え、世界も動きを急にしている。世界経済危機に世界第2の経済大国として、日本は責任ある対応が求められる。また、オバマ新大統領が登場する米国との関係構築も急務だ。それだけではない。かねてからの懸案である東アジアの安定のためには、日中関係という視座は不可欠である。転じて地球規模の舞台においては、2008年は日本が開発と環境の議論において先進的な役割を果たした年であった。世界的な変化の潮流の中にあって、日本は自国の役割をどのように定め、何を主張するのか

談話室 地球環境とアフリカ開発
――「闘い」は始まったばかりだ
/恒川惠市

座談会 日本外交のアイデンティティとは、何か
/秋田浩之/高原明生/田所昌幸/森健良
2009年の世界はどう動くのか。出口の見えない世界経済危機、新政権が誕生するアメリカ、アジアの大国として存在感を増す中国。世界の変化をにらみながら、日本外交のあり方を考える。

新政権下のアメリカと日本
――日米同盟のさらなる強化に向けて
/西宮伸一
オバマ次期政権が日本との関係を重視していることは間違いない。その上で、オバマ次期政権が「どんな注文をつけてくるのか」を心配するよりも、今の国際社会の期待と日本の国益に照らして、日本自身がいかに行動するかが、まさに問われなければならない

「協調」から「競争」へ
――金融危機回避のメカニズムを考える
/竹森俊平
アメリカ発の金融危機は、ヨーロッパをはじめ世界へと広がっていった。危機への対応をめぐっては新興国を含めた国際協調が叫ばれるが、果たして国際協調で危機を乗り切れるのか。協調よりも競争の側面を重視した各国の金融政策の効果と影響を分析する


<特別企画>
アメリカ大統領選挙を読み解く

オバマは何を変えたのか
/古矢旬
国際的な注目を浴びる中、オバマ新政権が誕生する。オバマを大統領に押し上げたものは何なのか。そして彼は今後アメリカをどう変えるのか。新大統領を迎えるアメリカの現状とオバマ政権の課題を探る

燃え尽き症候群に苦しむ米国女性
――ヒラリー・ペイリン敗北ショック
/小栗泉
史上初の女性候補者が登場した今回の大統領選挙は、米国市民やメディアに「女性」ということの意味をも問い直すきっかけとなった。二人の女性候補の結果を敗北と見る米国女性の心理を探る

長く厳しい闘いが終わった
――現地で見た大統領選挙
/石井正文
建国以来、初の黒人大統領を選択した二〇〇八年アメリカ大統領選挙。しかし、この選挙はそれ以外にも多くの「初めて」を示している。選挙の一部始終を現地で体験した在米大使館公使が、アメリカ政治のいまを語る


忘れられた宮澤外相演説
/荒船清彦
一九七五年七月一〇日、海外のマスコミから「日本外交、戦後初めて動き出す」等の見出しで大きく報じられたスピーチがある。日本の東アジア政策が新たな局面を迎える今、スピーチを起案した筆者が戦後アジア外交の起点を改めて振り返る


<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
堀本武功/田代秀俊

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第10回
歴訪はなぜ成功したか――理念主導の外交
/枝村純郎

アメリカ合衆国大統領を読む 第10回
米国政治のロジックを見誤った大統領 ウィリアム・J・クリントン
/徳川家広

書評フォーラム 選評 宮城大蔵
『日米同盟の静かなる危機』
『大平正芳「戦後保守」とは何か』
『村田良平回想録』

INFORMATION&読者投稿

外交フォーラムの内容

  • 出版社:都市出版
  • 発行間隔:月刊
  • サイズ:B5判
日本で唯一の外交問題・国際関係論専門のオピニオン誌
国際社会の中で、日本の外交はどうあるできか。内外の著名な筆者が問題の核心を鋭く分析、世界の動きがリアルにつかめる情報を満載。研究者・ビジネスマン・官界・学生をはじめ国際問題に関心ある人々の必読誌として1988年の創刊以来、高い評価を得る。

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

外交フォーラムの所属カテゴリ一覧

Fujisanとは?

日本最大級雑誌の定期購読サービスを提供

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
マイページ
マイライブラリ
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.