外交フォーラム 発売日・バックナンバー

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<特集>
科学技術と外交

かつて科学はその意義を真理の探究に捧げていた。しかし、いまは社会との関わりを強く意識するようになっている。人々の保健衛生から地球温暖化、そして核や宇宙に至るまで、さまざまな問題を抱える私たちにとって、その解決には科学技術の力は不可欠なのだ。これから日本は、科学技術の力をどのように高めていくのか。そしてそれを、どのように外交に生かしていくのか。外国の取り組みも視野に入れつつ、日本の科学技術外交の課題を考える

科学技術外交の可能性
―そこには夢があるのか
/薬師寺泰蔵
近年、「科学技術外交」という言葉が使われ始めた。科学技術立国・日本がより存在感を増すためのソフトパワーとしての科学技術と、日本の科学技術を発展させるための外交的取り組み。この相乗効果は、日本外交にどのような可能性をもたらすのか

鼎談 日本の科学技術が世界を変えてゆく
相澤益男/北澤宏一/小島誠二
科学技術立国・日本とはよく言われたものだが、それはもっぱら高度に精密な「製品」として知られる話であった。いまの科学技術は、社会の抱えるさまざまな問題を解決するための重要な役割を担い始めている。この新しい役割に、日本外交はどう取り組んでいくのか

世界は科学について何を語るのか-STSフォーラムの挑戦
インタビュー○アミルザイ・サンギン/カレストス・ジュマ
本誌編集部
科学技術はもはや科学者だけのものではない。社会に開かれた科学技術のあり方を話し合うための国際フォーラムが、日本のリードで開催されている。今年で五回目を迎えたSTSフォーラムを取材し、その意義を考える

宇宙外交が拓く日本の国際的リーダーシップ
/古川勝久
いまの日本は、自らが有する高度な科学技術能力を外交戦略に積極活用する、という認識が希薄ではないか。日本が今後の国際社会で主導的役割を果たすためには、科学技術のシーズと外交のニーズを合致させることが求められる

ヒトは太陽を作れるか―国際熱核融合炉(ITER)の試み
/池田要
太陽や恒星でエネルギーを生む核融合反応。核融合炉が成功すると人類はほぼ無尽蔵のエネルギーを得る事が可能になる。人類初の核融合実験炉建設を目指すITER計画とは

グローバルな不拡散・軍縮を進めるために―国際科学技術センターの使命
/アドリアーン・ヴァン・デル・メール
大量破壊兵器などの不拡散を推進するためには、知識を持つ科学者たちを逃さないこと――旧ソ連地域で兵器開発に携わった科学者の民生研究への転換支援を通じ、拡散防止問題に取り組む多国間組織がある。そのユニークな取り組みとは

日本の取り組みはどこまで進んでいるのか
/柳淳
日本において、科学技術と外交の交わる点に位置する外務省。本格的な「科学技術外交」が始動するなかで、外務省はどのような取り組みを見せているのか

科学技術先進国・米国の戦略
/ヴォーン・トゥレキアン
グローバルな課題に対処する面でも、また自国の国益を増進させる面でも、科学と外交政策の連動がもたらす効用は大きい。科学技術と国際政治の両面で「大国」であるアメリカの取り組みから、学び取れるものは少なくない

英国外交と科学イノベーション・ネットワーク
/クリス・プーク
英国における科学技術と外交の結びつきは強い。新たな試みを次々と繰り出す力の源泉はどこにあるのか


<特別企画>
皇室の国際親善のための活動―平成の20年間をふりかえって

皇室の国際親善には、どのような意味があるのだろうか。それは政治や経済や安全保障の懸案を解決するといった政策的な営みではない。むしろそれらの基礎となる信頼関係の構築にこそ、役割がある。国と国との関係が、互いの歴史や文化や精神を尊重しあう関係となること。相手の国を、指導者を、市井の人たちを敬愛し、慈しむこと。そこに皇室の国際親善活動の根本がある。平成の20年間を振り返り、皇室が取り組んできたさまざまな活動の意義を考える

「良き日本」の象徴-天皇皇后両陛下
/渡辺允
皇室の国際親善といっても、その内容は多岐にわたる。一〇年半にわたり侍従長を務めた渡辺氏が、外国ご訪問における天皇皇后両陛下のエピソードを交えながら、世界との友好関係の基礎をつくる皇室の活動について語る

座談会 皇室による国際親善活動歴史とこれから
井上茂男/内藤昌平/山内昌之/楠本祐一
日本の地位と日本人への信頼を外国からいかにとりつけるか――。これが外交の究極的な目的だとすれば、皇室の国際親善活動は大きな役割を果たしている。政治家や外交官ではできない長年にわたる信頼の積み重ねを振り返り、今後の皇室と世界との関わり方を考える

「科学者陛下」ご訪欧の一〇日間
/野依良治
日本の皇族は科学者としての活躍でも知られ、世界的に高い評価を得ている。二〇〇七年春、ヨーロッパをご訪問された天皇陛下は、「科学者天皇」として大きな存在感を示すことになった。首席随員として随行した筆者が語る、「科学者天皇」への国際的な反応とは

タイ国民の心にふれた両陛下のご訪問
/小林秀明
天皇皇后両陛下のタイご訪問は、長い伝統を持ち、タイ国民から広く愛されているタイ王室との交流を深め、ひいては日本とタイとの絆をいっそう強める旅となった。大使として両陛下をお迎えした小林氏が、当時の様子を振り返る

天皇皇后両陛下の印象
/ステファン・ノレーン
長い歴史と伝統を持つ日本の皇室は、世界的に見ても独特の存在だ。同じく伝統ある王室を維持するスウェーデンの駐日大使が、自らの接した皇室の印象、スウェーデン王室と皇室との交流を語る

資料篇 ご訪問国・訪日外国賓客リスト

グラビア 世界に広がる皇室の国際親善活動


<論文>

グルジア紛争をどう捉えるか―旧ソ連地域における未承認国家の問題
/廣瀬陽子
二〇〇八年夏、世界に衝撃をもって迎えられたグルジア紛争。その構造を分析すれば、紛争が起こるべくして起こった「緊張の帰結」であったこと、「未承認国家」という現代国際政治の大きな課題が根底にあることが明らかになる

変わるイラク情勢と日本の役割
/小川郷太郎
イラク戦争開戦から五年半あまりが経過したイラク。国内状況は予断を許さないが、治安・経済には改善の兆しが見られつつある。イラクをさらなる安定と復興に導くため、日本はその強みを活かし、どのような役割を果たすべきなのか


<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
川崎剛/君塚直隆

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第九回
インドネシア・フィリピン訪問とマニラ・スピーチ
/枝村純郎

書評フォーラム 新書評委員の「私の一冊」
宮城大蔵/佐々木卓也/遠藤乾

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<特集>
アジアはひとつか
―地域統合のベクトルを読み解く

経済面、文化面においてかつてないほど相互交流が進むアジア。
その活発さは、アジアの一体化を感じさせるほどだ。
しかし、政治や安全保障に目を転じれば、そこには多くの課題が存在している。
果たしてアジアはそれらを乗り越え、「ひとつ」になろうとしているのか。
台頭する中国は、いかなる影響を及ぼすのか。
そして世界はアジアの現状をいかに見ているのか。
「アジアはひとつか」という大きな問いに、多方面からのアプローチを試みる


三〇年先を見据えた外交戦略を
/佐々江賢一郎
確実に地域協力が進展するアジア。その中で日本はいかに行動していくべきなのか。米国発の金融危機の影響、六者会合の意義なども確認しながら、日本のアジア外交の今後を聞く

鼎談 日本が求めるアジア、アジアが求める日本
川島真/田村宏嗣/宮城大蔵
アジアとは何か。多様性のアジアで統合は進むのか。地域の形成過程を歴史的においながら、変化するアジア統合の潮流を読み解き、日本外交の課題を考える

より自由で効率的な貿易を求めて-アジア太平洋地域におけるFTAの役割と課題
/椋寛
WTO交渉の難航をよそに、アジア太平洋地域でも各国間のFTA交渉が進んでいる。しかし、FTAの総和がそのまま自由な貿易体制を生み出すわけではない。二国間と地域、それぞれの役割を認識しつつ、規律あるFTA体制への課題を考える

APEC―グローバル・リージョナリズムの可能性
/菊池努
発足二〇年を迎えるAPECは、アジアに存在する地域経済枠組みとしては古参の存在だ。グローバルな自由貿易体制と連動する形で成長したAPECは「無力」と非難されたこともあったが、アジアを世界標準に押し上げるために、無数の可能性を持っている

アジア主義に多方面から光を!
/松浦正孝
戦前の記憶から、長らくタブー視されてきた「アジア主義」。しかし私たちは、実際のところ「アジア主義」がどういったものなのか、本当に分かっているのだろうか。他国との比較のなかから、日本の「アジア主義」を見つめなおす取り組みは、始まったばかりだ

資料篇
アジア地域統合はどこまで進んでいるか



<第2特集>
建国60年を迎えたイスラエル

今年建国60年を迎えたイスラエル。
建国以来の歴史は、苦難の連続だった。
果たしてこれからは、どのような道を辿って行くのだろうか。
ハイテク産業の発展など明るい材料も多いが、パレスチナやアラブ諸国との真の和解には程遠い。
歴史、現状、日本との関係などから、日本人が知っているようで知らないイスラエルという国家のこれまでとこれからを考える


多様性と厳しい現実で育まれたイスラエル性
/鹿取克章
イスラエルと日本は相互の気質を補い合う、有意義な関係を築ける――。多くの日本人がニュースでしか知らないイスラエルについて、こう確信する筆者は二年間の現地での暮らしの中で何を見、何を感じたのか。多様性と厳しい現実の間でたくましく生きるイスラエルの姿とは

閉塞感と相互不信を越えられるか
―中東和平の今後とイスラエル外交
/立山良司
果てしなく続くかにみえるイスラエル・パレスチナ紛争。しかしそれぞれの紛争解決構想をみてみると、共有できる部分も少なくない。和平交渉は、どこまで進展しているのか。何が阻んでいるのか。新しい視点も加えて、和平交渉の今後のあり方を考える

イスラエル建国とシオニズム
――パレスチナ人追放政策は存在したか
/森まり子
イスラエルの建国が論じられるとき、無視できないのは「故郷」を失ったパレスチナ難民の存在だ。難民は自発的に去ったのか、それとも強制されて難民となったのか――さまざまな歴史研究が発表される中で、この問題と向き合うことは、建国六〇年を迎えるイスラエルにとっても避けられない問題だ。

なぜ、イスラエルはハイテクに強いのか
/村橋靖之
ITを中心としたイスラエルのハイテク産業は、政治と国民性によって育てられた強固な基盤をもって、世界から注目を浴び続けている。現地で見たイスラエル企業の強さを論じる

グラビア イスラエル―歴史と文化の交差する場所



共鳴する二つのアリーナと日本外交
―アメリカとアジア
/五百旗頭真
二十一世紀の日本外交は、どこに向かおうとしているのか。アメリカと中国という巨大なアクターとの関係を中心に小泉政権以降の功罪を振り返りながら、新時代の構想と課題を考える

日仏修好通商条約原本を読み解く
―条約調印一五○周年を記念して
/山口昌子
日本側の原本は非公開。フランス外務省で手に取った毛筆で書かれた墨の匂いが立ち上りそうな条約原本からは、当時の日仏関係、そしてこの条約に対する徳川幕府の強い思いが浮かび上がってきた

モザンビークでの成功経験を生かせるか
―アフリカでのPKOと自衛隊の役割
/中澤香世
国連モザンビーク活動は、日本が初めて自衛隊をアフリカへ派遣したPKOである。今年、政府はアフリカのPKOセンターへの貢献や国連スーダン・ミッションの司令部への自衛隊員の派遣を表明したことを踏まえ、アフリカのPKOへの日本の関与のあり方を考察する


<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
反常識のすすめ
/石井米雄
映画「パラダイス・ナウ」とパレスチナの若者の世界
/浜中新吾

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第八回
初の日本ASEAN首脳会議
/枝村純郎

アメリカ合衆国大統領を読む 第九回
ソ連との冷戦に勝利した大統領した ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ
/徳川家広

書評フォーラム 選評 篠田英朗
『アフリカ 苦悩する大陸』
『アフリカ・レポート』
『アフリカに見捨てられる日本』

年間総目次

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817円
<特集>創刊20周年記念
外交フォーラムがみた日本外交20年

本誌が創刊したのは1998年。
翌年には冷戦が終わり、その後、ベルリンの壁もソ連も崩壊した。
国内をみると、元号は昭和から平成へ。
日経平均株価は2万7000円で、二年後には4万円台にまで上昇する。
冷戦の崩壊と好景気。前途は明るくみえたものだ。
しかし、その後の情勢は改めて記すまでもない。
日本は、世界は、多くの試練を受け、いまだもがいている。
秩序とは、一夜にしてできあがるものではない。
理想を掲げ、現実を直視し、方策を立て、実践する。
全てにおいて努力が必要だが、視線を上げて、歩みを進めたい。
いま、あらためて考える。
世界の平和と繁栄のために、日本は何をなしてきたのか。
そして、何をなすべきなのか

分岐点の日本
――積極的な平和主義とグローバルな外交
/北岡伸一
冷戦が崩壊してから20年、その間、日本外交は、新しい時代の諸課題に十分対応できずにいた。冷戦時代の残滓を振り払い、新しい外交ビジョンとそれに相応しい体制をつくれるか。日本はいま、正念場を迎えている。

ドキュメント そのときの私
外交最前線でみた世界の大転換
天安門事件、ベルリンの壁崩壊、ソ連崩壊、カンボジア和平、9.11.世界を動かした大事件に現場の第一線で立ち会った外交官が、当時を回想しながら綴る緊迫の手記

1989年6月 中国
天安門の花火
/佐藤重和

1989年11月 ドイツ
ベルリンの壁「崩壊」
――崩壊か、開放か
/岩間公典

1991年8月 ソ連
せめぎ合いから奔流へ
――8月クーデターとソ連崩壊
/相木俊宏

1990年6月 カンボジア
カンボジア和平プロセスに関与して
/高橋妙子

2001年9月 アメリカ
9・11 ニューヨーカーの反撃
/越川和彦

2001年9月 日本
積極的平和主義への転換
――9・11から海上自衛隊インド洋派遣へ
/兼原信克


時代の波にどう揺られたか
――外務省20年の分析
/伊奈久喜
日本の外交を担う官僚組織、外務省。その長きにわたる伝統と実績が、21世紀を迎えて試されている。変化する世界にどのように対応していくのか。組織と人の両面から読み解く

世界との距離は縮まったのか
――外交ジャーナリズムにとっての20年
/千野境子
この20年、日本と世界の関わりは確実に深まった。しかし、ジャーナリズムは期待された役割を果たしたのだろうか。国際ジャーナリストとして数多くの現場を経験した著者が、体験的に振り返る

アフガニスタン支援と日本
――自らの課題として取り組む秋
/中満泉
これまでの日本の補給支援をめぐる議論には、アフガニスタン安定化のための根本的な視点が欠けていたのではないか。同国の情勢悪化を受けて主要各国が支援を見直す中、国際感覚の欠如が否めない日本はどう対応すべきか

開放と共生に向かって
――国際政治の構造変動と日本
/神保謙
未来を予測することは難しい。しかし歴史に学び、また現状のさまざまな指標をシミュレーションをすることで見えてくる姿がある。これからの時代のために、日本は何に取り組まなくてはいけないのか

資料篇 年表 日本と世界、激動の20年

グラビア 外交フォーラム 1988-2008 世界を動かした大事件


<外交フォーラム国際シンポジウム>
新時代における日印協力の可能性
/ブラマ・チェラニー/アルン・アスラニ/ケサバン/堀本武功/堂道秀明
2008年3月17日、日本とインドから両国を熟知する識者たちがインド・ニューデリーに参集。日印関係の進むべき道を探った。中国の台頭や各国の経済的相互依存の進展など激動するアジア。日本とインドはその中でどのような関係を築いていくべきなのか

<特別座談会>
オバマ対マケイン 有権者の心をつかむのはどちらか
/久保文明/中山俊宏/松尾文夫/山野内勘二
マケインとオバマ。選挙戦が始まった当初には決して本命ではなかった二人が、決戦の舞台に立った。彼らを押し上げたものは何か。そこにはどのような力学が働いているのか。終盤を迎えた米大統領選挙を読み解く

世界を揺るがす環境問題
/小町恭士
環境問題が国際的課題になってから久しいが、依然としてその全貌をつかむことは容易なことではない。現在、環境問題はいかなる特徴を示しているのか、各国はどのような議論を戦わせているのか。日本発の環境外交を考えるため、その論点と現状を整理する



<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
「異なる文明との邂逅」/松本好隆

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第七回
「福田ドクトリン」の誕生
/枝村純郎

アメリカ合衆国大統領を読む 第八回
冷戦期極度の緊張感の中で就任した大統領 ロナルド・ウィルソン・レーガン
/徳川家広

書評FORUM 選評・川島真
『帝国日本の植民地法制』
『陸羯南』
『東京大生×北京大生 京論壇』

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<特集>
大学の国際競争力

いま、大学が変わりつつある。
英語で展開される授業。多くの留学生が集う研究室。
先端研究での企業とのコラボレーション。
世界に目を向けることで、社会に門戸を開放することで、
大学は新たな戦略を描き始めている。
日本各地から発信されるようになったさまざまな新しい試みは、
これからの高等教育、そして日本社会をどのように変えていくのか。
その現状と課題を分析する


秋田で日本最先端の大学を作る
/中嶋嶺雄
初の公立大学法人として二〇〇四年四月に開校した国際教養大学(秋田市雄和)。国際社会で通用する人材育成のために考慮された教育カリキュラム、教育理念とは

教育体制の充実こそ、世界の学生を引きつける
/徳永保
大学においても国際競争力の必要性が叫ばれて久しい。では国際競争力とは何なのか。それはどうやって生まれるのか。日本の高等教育行政を担う徳永氏が考える、これからの大学と大学院のあり方とは

元留学生からひとこと
――日本の留学生政策への提言
/タン・ジョンレク
なぜ、外国人学生は日本を留学先に選ぶのだろうか。留学生呼び寄せへの関心が世界的に高まるなかで、その理由を探ることは必要不可欠だ。シンガポールから日本に留学した経験を持つ筆者が、その理由と留学生が日本に求めていることを語る

世界に通じる大学システムの構築に向かって
/片山卓也
一九九〇年の誕生から一八年。トップレベルの研究と国際的競争力を兼ね備え、大学院教育に新風を吹き込んできた北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の魅力とは何か。
そこには将来の日本の大学院の一つのモデルが見えてくるはずだ

「留学生三〇万人計画」実現のために何が必要か
/横田雅弘
優秀な人材を世界中から集める、福田内閣が積極的に進めようとしている留学生政策は、既存の大学システムにも大きな変化を求めるものだ。八〇年代の「一〇万人計画」と比較しながら、「三〇万人計画」が示す大学と日本社会の未来像を考える

「アジア人財資金構想」がめざすもの
/富原早夏
グローバルな人材獲得競争が激化するなか、日本への留学生の多くが希望の職に就けずにいる。このような状況を打開すべく始められたのが「アジア人財資金構想」だ。日本の人材獲得に大きく資すると期待される構想の背景と取り組みをあきらかにする。

世界を知るグローバル人材が求められている
/佐藤スコット
日本で企業が国際化をリードしてきた。しかし生産・流通面に比べて人事面での取り組みは遅れている。留学生をはじめ、日本で働きたい外国人は増えている。そのマッチングに取り組むパソナグループの佐藤氏が語る、外国人登用の現状と可能性とは

資料篇 留学生30万人計画とは・留学生世界移動図

グラビア
個性が光る大学たち


<第2特集>
国際協力の新しい潮流

成長重視の援助モデルを世界へ
/木寺昌人
経済情勢の厳しさも手伝って、日本政治のなかで国際援助の優先順位が下がりつつある。新しいODA戦略の構築にむけて、日本が世界に対してできること、するべきことを、いまもう一度考えたい

アドボカシーを通じて、世界に語りかけていく
/山田太雲/寺田頼子
国際協力のアクターとして、NGOはすでに大きな影響力を持ち始めている。現場だけでなく、マクロの政策提言にも積極的に関わるオックスファム・ジャパンの活動から、NGOの役割と課題を考える

<共同研究>
アジアにおける非伝統的安全保障と地域協力

国境を越える脅威に立ち向え
――アジアにおける非伝統的安全保障と地域協力を考える
/白石隆
テロをはじめとする越境犯罪、感染症……経済的繁栄のつづく東アジア地域に、国境を越えた「共通の脅威」が忍び寄る。国家以外からの脅威の実態と、その対応としての非伝統的安全保障のあるべき姿とはなにか。
本特集で諸論文から多角的に検証し、アジアの地域協力における日本の進むべき道を探る

日本の得意分野を生かした協力を
――テロ対策と海賊対策
/本名純

アジアにおけるマネー・ローンダリング問題
――その実態、対策の限界、そして課題
/久末亮一

新型インフルエンザ対策
――何をなすべきか
/鬼丸武士

森林の違法伐採が地球を蝕む
/鈴木伸二

非伝統的安全保障とは何か
――開発援助の課題としての考察
/大岩隆明


<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆「大学で中国を教えること」/梶谷懐

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第六回
福田赳夫総理東南アジア歴訪の準備
/枝村純郎

アメリカ合衆国大統領を読む 第七回
転換期に翻弄された大統領 ジェイムズ・アール・カーター
/徳川家広

書評フォーラム 選評 細谷雄一
『国家の崩壊』
『「海洋国家」日本の戦後史』
『欧州連合』

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817円
<特集>エネルギー安全保障への戦略

資源価格の高騰が止まらない。
特に1バレル=140ドルを突破した原油価格は、
私たちの生活に大きな影響を与えている。
なぜ、高騰が続くのだろうか。
この状況はいつまで続くのだろうか。
資源のない日本は、これから大丈夫だろうか。
日々の暮らしの根底を支えるエネルギー問題について、
深く考えるときがきた

官民一体で新しい国際枠組みに挑め
/柴田明夫/前田匡史
工業立国であり資源小国でもある日本は、石油をはじめとする資源への自由なアクセスが生命線だ。価格高騰が続くなど激変するエネルギー情勢のなかで、日本のエネルギー安全保障は確立できるのか、その戦略を考える


一次エネルギー資源高騰期 日本のエネルギー戦略
/竹内一之
いまや石油は再び「戦略物資」の地位に返り咲いた。地球規模のエネルギー事情に地殻変動が起きる中、日本の外交の最前線ではエネルギー戦略のあり方をどう捉えているのか

「原子力ルネッサンス」のなかの日本外交
――カザフスタン、ロシアとの協力からみえること
/鈴木達治郎
エネルギー需要の増大や環境問題への対応を迫られる中、世界的な原子力発電への回帰が起こっている。しかしそれは、他方で核拡散と結びつく懸念がある。原子力先進国で、かつ核兵器廃絶を国是とする日本はどのような原子力外交をめざすべきか

なぜ、アフリカをめざすのか
――中国、インドの原油獲得戦略
/嶋津八生
急成長を続ける中国とインドは、石油資源の争奪をめぐって、激しい火花と散らしている。その主戦場はアフリカだ。なぜ、アフリカなのか。そこにはどのような問題がひそんでいるのか。外交戦略の全体像から読み解く

日本企業の湾岸進出にみられる新潮流
/河野秀樹
私たちにとって中東は原油輸入の九割近くを依存する重要な地域である。しかし、近年になって原油の輸入以外の経済交流も深まりつつある。いったいどのような分野の交流が進んでいるのか。意外と身近な企業も進出している

資料篇
日本のエネルギー安全保障を考えるために




<第2特集>
日本とインドネシア - 戦略的パートナーシップ構築に向けて

今年、国交樹立五〇周年を迎える日本とインドネシア。インドネシアは、戦後日本にとって最も重要な東南アジアのパートナーだった。そしてこれまで積み上げてきた信頼関係は、両国だけでなく東南アジアの繁栄と安定に貢献してきた。しかし時代は急速に変わっている。冷戦が終わり、グローバル化が進む世界。そのなかでインドネシアは、世界最大のイスラム人口を抱えながら、民主化と近代化という重い課題のなかを歩もうとしている。日本はこの歩みをどのように支援していけるのか。新時代の日本とインドネシアのあり方を考える

援助―被援助の関係をこえて
――日イ関係のこれまでとこれから
/國廣道彦
外交関係樹立から半世紀、日本とインドネシアは共存共栄の反映を築き上げてきた。いくつかの変化の兆候があらわれるなか、これからも両国の絆を深めるために、日本がするべきことは何だろうか

信頼ある「市民警察」誕生のお手伝い
/山﨑裕人

座談会
経験に基づいたインドネシアという国の魅力とそれへの思い
/畠薫/安江勝信/東本真吾/金子一也/清水彩子
イスラム・近代化・民主化という条件の中で発展していくという大きな実験をしているインドネシア。その実験は確実に成果を上げている。激動の時代、インドネシアとともに歩んできたエキスパート外交官によるインドネシア分析と同国への思いとは

インドネシアに民主主義は定着するのか
/川村晃一
長きにわたってインドネシアを支配してきたスハルト体制が崩壊して10年。インドネシアは着実に民主化の道を歩み始めている。四人の大統領の業績と課題を振り返り、さらなる民主主義の定着のために何が必要かを考える

「アニメ・マンガ世代」が日・インドネシア関係を変える
/白石さや

1976年からのフェア・トレード
タナ・トラジャでおいしいコーヒーができるまで
/本誌編集部

資料編
独立後のあゆみ

<カントリー・イン・フォーカス>ニュージーランド
開かれた民主主義国を楽しむ
/千本倖生
日本の携帯電話界を切り開いた千本氏はニュージーランドをこよなく愛し、永住権も保有している。大自然だけではない、氏を虜にするニュージーランドの魅力とは何か

小さな国の偉大な実験
――ニュージーランドの改革のその後
/吉崎達彦
南半球の小さな国ニュージーランドは、この二〇年間を通して日本の政治経済の最重要テーマだった「改革」の偉大なる先達である。ニュージーランドではどのような改革が試みられたのか、そして、なぜ実現できたのか。その深層から今の日本の課題がみえてくる

日・NZが「自然なパートナー」になるために
/高橋利弘
「アジア太平洋地域において民主的価値を共有する自然なパートナー」、日本とニュージーランド。さらなる関係強化のために必要なこととは……

資料編
クラーク首相の訪日
世界で活躍するニュージーランドの有名人

グラビア
南太平洋に輝くネーチャー・アイランド

<特集外>
ヒマラヤ鳴動して国王一人
/饗場和彦




<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
「日米戦争と戦争の終結について考える」/鈴木多聞

談話室第106回 河野雅治
七月八日午前零時。総理の一言から、会議が動いた
資料編
北海道洞爺湖サミット成果文書

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第五回
対ASEAN政策の構築
/枝村純郎

アメリカ合衆国大統領を読む 第六回
大統領選挙で一度も勝ったことのない大統領 ジェラルド・フォード
/徳川家広

書評フォーラム 選評 篠田英朗
『イラクは食べる』
『西南戦争』
『占領と改革』

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CONTENTS



<特集>オリンピックを迎える中国

世界が注目する北京オリンピックの開幕まで、あとわずかとなった。
大国化する中国にとって、その台頭をアピールする最高の場、それがオリンピックだ。
しかし世界の目は必ずしも歓迎一色ではない。
チベット暴動やそれに伴う外国排斥の激しいデモは、
図らずもいまの中国が抱える問題を映し出した。
時にむき出しの奔流と化すナショナリズム。
中国はそれをどう制御し、つきあっていくのか。
オリンピックという華やかな祭典の背景に目を向け、
中国社会のいまとこれからを読み解く

草の根の交流が育てる新しい日中関係
/道上尚史
地震の復興作業はオリンピック後も続く。オリンピックを通じ多くを学ぶだろう。世界に目を開き、愛国心を抱きながらも国際協調の方向に進むだろう。その意味でも、北京のオリンピックの成功を期待する。


「緑色五輪」から「紅色五輪」に-北京開催で欠落していること
/高井潔司
オリンピックに対する中国人の熱い期待。しかしそこには北京オリンピックが「紅色」化してしまう危険性が潜んでいる。「紅色」化とは何か。中国はいかにオリンピックを迎えるべきなのか。メディアと世論に焦点を当てながら、中国のいまを考える

オリンピック・メディアが中国にもたらすものーオリンピック準備の舞台裏から
/藤原庸介
オリンピック・メディアの目的は、一義的には大会や選手の活躍を世界に伝えることだ。しかし同時にオリンピックの開催国にも大きなインパクトを与えることになる。北京オリンピックは中国「情報開国」への大きなステップになるか

世界は北京オリンピックをどうみているか
/加藤青延
オリンピックを目前に控え、熱気溢れる中国。しかし国内にはチベット暴動、環境問題など多くの不安を抱えている。世界はそれをいかに見ているのか。北京オリンピックへ向かう世界の動きと展望を探る

和解を阻むものはなにかーチベット問題と「中華民族」ナショナリズム
/平野聡
三月のチベット暴動とそれに続き聖火リレーの混乱は、中国の抱える民族問題の複雑さを世界に見せつけた。いったい何が対立を深めているのか。清末からの中国ナショナリズムの歴史をたどり、その論理構造から要因をさぐる

資料篇
胡錦濤国家主席の訪日

グラビア
いよいよ開催




<第2特集>
アイデンティティを模索するカナダ

カナダの魅力は、雄大な大自然の織りなす数々の美しい風景だけではない。多くの民族が存在しながら共生を図る社会、世界の平和構築をリードする重層的な多国間外交、一次産品だけでなく資源やハイテク産業を武器に動き出す経済。大国アメリカを隣国としながら、カナダはそれに飲み込まれることなく、独自の輝きを放ってきた。日本とも共通する諸課題にカナダはどう取り組んでいるのか。先進国としてユニークな道を歩むカナダの全貌を解き明かす

座談会
壮大な実験国家、カナダの挑戦
/藤田直博/西原正/沼田貞昭
カナダはユニークな国だ。多民族の共生を掲げ、隣国アメリカとは違った社会の統合を模索している。外交政策を多国間主義と対米重視とのバランスをとりながら、独自の理念を生み出そうとしている。カナダが望む数々のチャレンジを読み解き、日加協調のあり方を考える

日加のパートナーシップを深めたい
/沼田貞昭

ケベックを脱皮させた「静かなる革命」とはーアイデンティティの模索が創造性を解放した
/スザンヌ・エティエ
ケベックの存在は、「多様のなかの統一」という文化をカナダに育むこととなった。アイデンティティの模索を糧に、大きな力を生み続けているケベックの歴史を聞く

ピアソンセンターの目指すもの
――カナダの平和貢献と日本

/瀬谷ルミ子
平和構築分野での先進国であるカナダ。それを支える人材育成機関がピアソンセンターだ。日々変化する平和への諸課題に、ピアソンセンターはどのように対応しているのか。そしてそこから日本が学ぶべきこととは

カナダの宝石を見つけて
/ウィリアム・ノリー
世界中の人々が訪れる観光大国カナダ。カナディアンロッキーを初め、定番スポットがずらりと並ぶ。しかしカナダの魅力はそこにとどまるわけではない。中央平原に位置するマニトバ州を中心に、ちょっとディープな観光名所をご紹介します。

資料編
ひとめでわかるカナダ
グラビア
多様性の中の統一

<特集外>

日本の鏡ウクライナ

――日本への熱い期待
/馬渕睦夫
私たちは少しなじみが薄い、日本から遠く離れたウクライナ。だが、そんなウクライナは大の親日国であり、日本を尊敬しているという。そこには、私たちがグローバル化の中で忘れかけていた、日本の大事な心が見えてくる

正念場に差しかかったミンダナオ和平
-日本の平和協力外交の試金石としての試練

/永石雅史
フィリピン・ミンダナオ島における紛争和平プロセスが停滞し、これまで重要な役割を担ってきたマレーシアが国際監視団からの撤退を表明した。今後の展開とともに、日本はいかなる貢献ができるのか。現場から問いかける





<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
「死生観を考える」/宮川政昭
「災害医療の難しさ」/松本はる美

談話室第105回
MONKEY MAJIK

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第四回
東南アジア情勢の変化と日本の対応
/枝村純郎

アメリカ合衆国大統領を読む 第五回 徳川家広
最も有能で、最も人格的に問題のある大統領 リチャード・ミルハウス・ニクソン
/徳川家広

書評フォーラム 選評 川島真
『東アジア現代史の中の韓国華僑ー冷戦体制と「祖国」意識』
『グローバル・ガバナンスの最前線ー現在と過去の間』
『中華民族の多元一体構造』

INFORMATION&読者投稿

817円
<特集>北海道洞爺湖サミットのすべてがわかる

サミットはユニークだ。石油危機を背景にパリ郊外のランブイエで先進国の首脳が初めて集まったのが一九七五年。三〇年以上にわたり毎年首脳が集い、多岐にわたるテーマを直接に語り合う会合は他にはない。しかし二一世紀に入り、環境、開発、反テロといった新たな問題群が現れている。アクターも多様化した。サミットは変化している。なぜ、どのように変わるのか。そして変わらないのか。北海道洞爺湖から、サミットのいまを考える

対談
G8サミットは、地球時代に何を語るのか
/船橋洋一/河野雅治
世界秩序においてサミットの占める位置づけは変わってきている。金持ち先進国クラブだった時代から、議題もアクターも多様化している現在。新しい課題群に対してG8サミットはどのように取り組もうとしているのか。北海道洞爺湖サミット開催を目前に控え、その変容と存在意義を探る

沖縄サミットを回顧する
/野上義二
二〇〇〇年のG8沖縄サミットは、それまで「経済中心」の「先進国クラブ」だったサミットを大胆に変え、新しいか代位対応する新しいアリーナを模索した、画期的なサミットだった。そのサミットをシェルパとして支えた筆者が「二一世紀型サミット」の意義を語る

集極の時代
――二一世紀の米外交とG8サミットの行方
/春原剛
北海道洞爺湖サミットは、新たな時代の幕開けと歩みを共にすることが運命付けられている。一極でも多極でも無極でもない。「集極」の時代の世界とは……

―― 北海道洞爺湖サミット 最重要テーマ解題 ――

貧困諸国支援の今後――「最底辺の一〇億人」とG8サミット
/高橋基樹
ポール・コリアー オックスフォード大教授著『最底辺の一〇億人』が世界で注目されている。従来の援助の持つ問題点、貧困諸国の将来を切り開くための実際的な処方箋を提示する同書から日本・国際社会は何を学び、実践すべきか

新しいアフリカ開発の歴史が始まる――TICAD4からG8サミットへ
/木寺昌人
二〇〇八年五月二八日~三〇日、神奈川県横浜市で第四回アフリカ開発会議(TICAD4)が開催された。いわば裏方の責任者として会議を支えた木寺氏がみたTICADとは。そしてG8サミットへの期待とは

気候変動問題に国際社会はどう取り組むか
/亀山康子
サミットで地球環境問題が初めて扱われてから約二〇年。以来この問題はさまざまなレベルで議論されてきた。現在、長期目標の設定に政治的判断が求められている。しかしこれは、交渉の中心的フォーラムである条約締結国会議では決めにくい。首脳が集う洞爺湖サミットでは、いかなる議論が期待されるのか

インタビュー
新しい核の秩序に向けて
/遠藤哲也
現在、原子力をめぐる国際情勢は光と影の部分を持ち合わせている。日本がG8サミット議長国を務めるに際して、「核軍縮・不拡散・平和利用」の三つの柱をバランスよく実現するため、タスクフォースが立ち上がった。各国の核をめぐる思案が一致しない中、タスクフォース座長として、いかに日本政府に、そして国際社会に働きかけるのか

G8は世界経済の難題に応えられるか
/水野和夫
戦後で最も厳しい不況に陥るリスクを抱えているのであるから、北海道洞爺湖サミットでは、当然「減速する世界経済にどう対処するか」も大きなテーマとなるであろう。それは「グローバリゼーションにどう対処するか」に他ならない。この大問題にG8はどう応えるか

テロの少ない世界をつくるために
/茂田 宏
9・11以降、対テロ「戦争」として語られることの多かったテロ対策は、脅威の変化に伴って多様化している。いまある脅威とは何か。どのような対策が必要なのか

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
NGOがサミットに期待すること
/星野昌子
いまや、サミットのアクターとしてNGOの存在は欠かせないものとなっている。NGOがサミットに関わることの意義とは何か。どのような政策を提言するのか。NGOフォーラムの代表を務める星野氏が、北海道洞爺湖サミットとNGOのあり方を語る

―― 最先端技術を世界へ 環境ショーケースの試み ――
地球環境問題への取り組みの重要なポイントは技術革新だ。サミットでは日本の最先端の環境技術を展示する環境ショーケースがオープンする。サミット全体を運営するなかでの環境への配慮と、日本が誇る環境ショーケースの展示技術の一部をご紹介します

北海道洞爺湖サミットにおける環境配慮
/深田博史
日本が誇る環境技術
◆次世代自動車の活用/松永明
◆水問題 膜処理で何ができるか?/竹内 弘
◆「触れる地球」が語りかけるもの/竹村真一

資料篇 2008年北海道洞爺湖サミットとは・関係閣僚会合プロセス

グラビア
出席する首脳の横顔
地球の現在と未来――地球観測データから見えるもの


<第2特集>国際法を武器にする外交とは
国際秩序を形成する上で、国際法はどれほど有効か。このテーマをめぐって、多くの学者や実務家がさまざまな議論を展開してきた。主権国家が並立する国際社会を安定的に運営するためには、各国が対外的に、そして対内的に「法」を尊重することが望まれる。現在、どのように国際法が制度として実体化しつつあるのだろうか。そして現場はどのように動いているのか。また国際社会は、法整備「途上国」にいかなる支援を行なっているのか。古くて新しいテーマに迫ってみる

インタビュー
若く可能性に満ちた組織でのチャレンジ
――国際刑事裁判所裁判官として
/齋賀富美子
戦争犯罪や大量虐殺、人道に対する罪を犯した個人を国際法に基づき裁く常設刑事法廷として二〇〇二年七月に発足した国際刑事裁判所(ICC)。その裁判官に日本人として、そしてアジアで初の女性として選ばれた齋賀富美子氏。ICCの役割とICC判事としての抱負を語る

日本外交と法の支配
/小松一郎
日本は、「開国」と「戦後処理」という困難を経て「法の支配」の重要性を身をもって学んだ。それは依然として「ホッブス的」な現代国際社会でも重要な意義をもつ。国際法を遵守する国である日本の外交にとって「法の支配」重視の今日的意義とは

クメール・ルージュ裁判が問いかけるもの
/四本健二
カンボジアで一〇〇万人以上が犠牲となったといわれるクメール・ルージュ政権下の人権侵害――ようやくその加害者たちを裁く「クメール・ルージュ裁判」がはじまった。なぜ、自国での裁判に国際社会の支援が必要なのか。そこにはカンボジアの法と司法が直面する課題が浮き彫りとなっている

国際正義を支える多文化組織
――国際刑事裁判所インターン体験記
/村井伸行
二一世紀に入り産声を上げた国際刑事裁判所。世界の人道を守るために、世界中から優秀な人材が集まり、議論を重ね、一つひとつ実績を重ねている。ここにインターンとして飛び込んだ筆者が肌で感じた、国際組織の難しさと面白さとは

世界が求める国際法のプロになるために
/柴田明穂
世界の平和から私たちの日常の安心まで、国際法は人々の生活に深く関わっている。これから世界で活躍したいと思っている人がいたら、国際法は重要な武器になる。ぜひこの武器を使いこなして、国際社会を闊歩しよう!

<特集外>
ヒマラヤ鳴動して国王一人
――ネパールで平和構築を考える
/餐場和彦
マオイストの勝利により、200年以上続く王政が消えるかもしれない。いまネパールは政治体制の面でも、平和の定着の面でも分岐点にさしかかっている。しかしそこで問われている課題は、単なる選挙やテロ対策にはとどまらない。新生ネパールの課題とは

特別インタビュー
国際緊急援助隊の使命を果たして
中国・視線大地震被災の現場で
/小泉崇
五月一二日、中国四川省で大地震が発生し、現在もその復興活動がなされている。今回、中国が歴史上初めて受け入れた海外の緊急援助隊が日本の国際緊急援助隊(JDR)だった。このJDRの団長が被災直後の中国でみた光景とは。そして、今回の経験から得られた教訓とは


<連載>
5 悲観楽観世界観 千野境子
8 巻頭随筆 鈴木りえこ/山田文比古
86 アメリカ合衆国大統領を読む 第四回 徳川家広
「悲劇」の主人公であり著者であった大統領 リンドン・B・ジョンソン
91 物語「福田ドクトリン」から三〇年 枝村純郎
ASEANとの対話の始まり
98 書評フォーラム 選評 細谷雄一
『日米関係史』『アイゼンハワー政権の封じ込め政策』『国際政治経済学』
103 INFORMATION&読者投稿

817円
<特集>
TICADⅣ(第四回アフリカ開発会議)のすべてがわかる本

第四回アフリカ開発会議(TICADⅣ)がいよいよ開催される。
「アフリカ」には常套句として「問題」がつきまとっている。確かに現在もアフリカは貧困、紛争、政治腐敗、HIV/AIDSなど深刻な問題を抱えている。
それを見過ごしてはならない。
しかし同時にアフリカが政治・経済面で成長の兆しをみせていることもまた事実である。
「元気なアフリカを目指して(Towards a Vibrant Africa)」
というメッセージのもとに進められるTICADⅣ開催を目前に控え、
もう一度アフリカの課題と可能性を見直してみよう


世界は「底辺の10億人」を救えるか
/ポール・コリアー/[聞き手]高橋基樹

一部の開発途上国が貧困問題の改善を順調に果たしつつある一方、貧困から抜け出せず、慢性的な成長停滞の危機に直面している国々がある。そこで生活する最底辺の10億人の生活水準を底上げするために、国際社会そして日本は何をすべきか。アフリカ開発問題の第一人者が日本の対アフリカ支援への期待を語る。

TICADⅣへの期待――新たな日アフリカ関係の構築を
/小田英郎
盛況が見込まれるTICADⅣ。しかし、アフリカのオーナーシップ、自助努力を前提にして取り組むべき諸課題の「行動計画」化、ましてその実践は、容易ではない。議長国日本はいかにリーダーシップを発揮すべきか

資料篇 TICADとは

駐日大使3人が語るTICADⅣ――貨物列車の車掌から、わたしは人生を始めたのです
/E・E・E・ムタンゴ/G・S・シマシク/E・ルワマシラボ
アフリカに歴史的転機が来ている。貧困克服と“グッドガバナンス”を、ともに成長を通じて獲得する道が見える。いま日本にできること、日本にしかできないこととは。TICADⅣを前に3人の大使が「アフリカをもっと元気にする法」を語った

虐殺から和解へ――ルワンダ
/武内進一
1994年、内戦に伴うジェノサイドが起こったルワンダ。その悲劇は世界中に報道され、私たちの記憶に残っている。しかし、いまルワンダは、さまざまな曲折を経ながらも和解の道を歩み始めている。それはいかにして可能となったのか。そしてこれからの課題は何か

低所得国のガバナンス――タンザニア
/吉田昌夫
アフリカにおいても、安定的な政治体制を維持している国がある。それがタンザニア。決して豊かとはいえないタンザニアが、政情の安定という多くのアフリカ諸国が直面する問題を、いかに乗り越えてきたのだろうか

財政運営を問われる資源大国――ナイジェリア
/望月克哉
1億4000万人超の人口を有し、OPEC第5位のサミット入国でもある西アフリカの大国ナイジェリア。しかし一人当たりのGDPは700ドルに満たない。豊かな資源を利用しつつ、国民に富を配分できる仕組みは作れるのか。連邦予算を切り口に資源とガバナンスのあり方を考える

SMASSEが理数科教育を変える
/武村重和
アフリカに日本の算数や理科の教育手法が広がっている。その名はSMASSE(スマッセ)。生徒たちが興味を示した「考える」教育の実践とは

シニアボランティア体験記 ザンビアの地に品質管理を根付かせたい
/安丸元一
JICAのシニア海外ボランティアには、毎年多くの応募がある。人生のセカンドステージにおいて、自分の持っている技術や経験を途上国の発展のために活かしたい。そんな重いから飛び込んだザンビアの地で筆者が感じたこととは

子どもたちが切り撮った
/冨田秀実
新しいものに触れることは、子どもにとって何よりの喜びだ。初めてデジタルカメラを手にした子どもたちは、何を写し、私たちに何を伝えてくれたのか

市民社会の対話から見えるもの
/大林稔
今回のTICADⅣはアフリカ市民社会の登場が一つの特徴だ。これまでTICADを常にそばで見守ってきた筆者が、市民の立場から訴えることとは



スワヒリ文学の目指す「自分探し」の旅
/木村映子
2008年、スワヒリ語文学界は元気な実りの年になりそうだ。アフリカにおける言語事情、出版事情からアフリカに吹く新たな風をレポートする

中国はなぜアフリカに進出するのか
/井上和子
近年アフリカにとくに関心を示し、進出が著しい国といえば中国である。その積極的な外交攻勢によって、中国とアフリカとの関係はどこまで進んだのか。そしてなぜ中国はアフリカに進出しようとするのか。歴史的経緯も踏まえながら、中国の対アフリカ戦略を読み解く。

資料篇 ひとめでわかるアフリカ

携帯電話をのぞいてみると……―レアメタルがつなぐ日本とアフリカ
/北良行
地理的にも心理的にも遠い感覚のあるアフリカ。だがそのアフリカから届く希少資源が、私たちの生活を支えている。いまや生活必需品となった携帯電話も、その中身はアフリカとの関わりなしには存在しえないのだ

グラビア 動き始めたアフリカの行方

時事コラム TICADプロセスの意義 ベンジャミン・ムカパ

<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
/鈴木裕之/宮川政昭

物語「福田ドクトリン」から三〇年 第二回
田中総理のインドネシア訪問と「反日」暴動
/枝村純郎

アメリカ合衆国大統領を読む 第三回
自らの栄光をひたすら追い求めた「王様」――ジョン・F・ケネディ
/徳川家広

書評フォーラム 選評 篠田英朗
『人類の議会』『日本と国連の50年』『国連開発援助の変容と国際政治』

INFORMATION&読者投稿
817円
CONTENTS



<特集>

胡錦濤の中国ー台頭するグローバルパワー

2008年、それは中国にとって「われらが生涯最良の年」。北京オリンピックは、中国が長い不遇の時代を脱し、真の大国としての第一歩を高らかに宣言する場となるだろう。しかし、その陰では急速な発展に付随してさまざまな矛盾が露見している。緊迫する対外問題や国内社会に多くの課題を抱えながら、国際社会での自覚ある行動を求められ始めたいま、長い眠りから覚めた大国はどこへ向かうのか。苦悩しつつも進む中国を多面的に分析する

座談会 日中関係の構造変化に目を向けよ
/国分良成/千野境子/平田信正/秋葉剛男
日中関係は変化している。何より中国が変わった。経済成長が国力を高め、それに伴って社会的セクターの影響力が増大してきた。外交はいまや政府の独占物ではない。個々の事件にのみ目を奪われるのではなく、背後にある大きな変化に留意しながら日中のこれからの付き合い方を考える


中国は「平和的崛起」に向かうのか
/毛利和子
中国外交はどのような行動原理を持っているのだろうか。指導者や指揮者の用いる外交用語に注目し、1970年代にまでさかのぼりながら、中国の外交戦略と自己認識を読み解く


挑戦者から擁護者へ
/川島 真
中国外交を理解しようとするとき、歴史のアナロジーを用いてみたり、内政の延長とする見方が多いかもしれない。しかし国際社会への影響力の増大と比例して、中国自身の外交論が生まれつつある。これからの世界に中国はどのように関わっていくのか、その変化の内実を検証する

馬英九の勝利と台湾の将来
/松田康博
馬英九政権の誕生は、台湾アイデンティティがコンセンサスとなった結果である。この状況を前提に、新政権は、冷え切った中国との関係をどのように再始動させるのか。馬英九政権の誕生メカニズムとこれからの外交戦略を問う


資料篇 ひとめでわかる中華人民共和国
グラビア 北京五輪へのカウントダウン

<第二特集>アフガニスタンの現場

2001年のアフガニスタン戦争から6年半が経過しようとしている。その間、世界の関心はアフガニスタンから少しずつ逸れていった。しかし忘れてはいけない。現在もそこに暮らし、あるいは難民として非難しながら、祖国の再建を願う人々がいる。世界から、日本から、彼らを支えるべく多くの支援の手が差し伸べられている。アフガニスタンは決して見捨てられていない。いまも止むことのない現場からの声に、もう一度耳を傾けよう

アフガニスタンの過去と現在
/奥田紀宏
多くの軍事、民主支援をうけながらアフガニスタン情勢は改善に向かわない。そこには、アフガニスタン側のみならず、支援ドナー側にも問題があった。分水嶺を迎えるアフガニスタンに対し、本年サミット議長国 の日本はいかに関わっていくべきか

国家再建に向けてともに歩む
/中原正孝
国家を再生させるためには、中長期的な復興プランが必要だ。新しいアフガニスタンには何が必要なのか。それに向けたJICAの取り組みとは


絵本から始まる交流
/山本英里
戦争や政策で生じた30年間の空白を取り戻るには、数倍の年月がかかる。識字率の向上を目指し、絵本を普及させる活動のなかで感じた、アフガニスタンのいまとは



女性の健康と自立を促す援助を
/長谷部貴俊
長年の戦争の影響から、アフガニスタンでは医療システムの整備が遅れている。女性や子供の健康という視点から、JVCが行う活動とは。日本の復興支援のあり方と合わせて考える


資料篇 ひとめでわかるアフガニスタン
グラビア アフガニスタンの現場



<特集外>

戦後アジアの変容と日本
/宮城大蔵
かつてアジアは、独立や革命、冷戦をめぐる戦乱の舞台であった。しかし一九六〇年代を境にもう一つの潮流が見え始める。開発と成長。開かれたアジアを象徴するこの価値の広がりに、戦後日本はいかなる役割を果たしてきたのか


持続可能な未来のための原子力
/秋山信将
非核兵器国で最大の原子力利用国。唯一の被爆国として核不拡散外交にも真剣に取り組む。そして京都議定書をはじめ環境問題に対しても世界をリードしようという意欲を持つ。日本こそが、原子力の平和利用による人類の福祉の促進と原子力のリスクの低減という困難という課題の両立にイニシアティブを発揮すべきだろう

潘新事務総長と新しい国連
/赤坂清隆
潘基文前韓国外相が国連事務総長に就任してから一年あまり、国連は大きく変貌を遂げようとしている。スキャンダルにまみれて意気消沈した国連事務局の姿はもはや過去の姿のものとなった。「よりより世界のためのより強靭な国連」というスローガンを掲げて、世界の主要な課題に果敢に取り組もうとしている。すでにダルフール紛争、気候変動問題などで潘事務総長の率いる国連は重要な成果を挙げつつある


<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
「90秒間で語る平和構築」-国連大学オープンキャンパスにて
/岸守 一
スーザン・シャーク著『中国あやうい超大国』翻訳者の弁
/徳川家広

談話室第104回 市民団体と社会的弱者を支援して/池田明子

新連載 第一回 物語「福田ドクトリン」から30年
東南アジア外交 見たまま、感じたまま
/枝村純郎

第二回
アメリカ合衆国大統領を読む
政治を超越しようとした指導者――ドワイト・アイゼンハワー
/徳川家広

書評フォーラム 選評・川島 真
『植民地官僚の政治史』
『中国動漫新人類』
『東京裁判』

INFORMATION&読者投稿

817円
【テキストボックスA】

アメリカ大統領選挙を読み解く
政治は血を流さない戦争である。アメリカ大統領職をめぐる権力闘争は、さしずめ最大の「血を流さない戦争」だろう。その激しいキャンペーンそのものが、現在のアメリカ社会を映す鏡であり、未来のアメリカ社会へのメッセージとなっている。アメリカはどのように統合に向かっていくのか。世界の問題にどう関わろうとしているのか。選挙戦で繰り広げられる政策と個性のぶつかり合いの中から、アメリカと世界の将来を読み解く

【テキストボックスB】
―論文―
2008年選挙の歴史的位相
「福田アジア外交」を考える
―座談会―

オバマはアメリカを変えられるのか

【C-1】
<特集>

アメリカ大統領選挙を読み解く

政治は血を流さない戦争である。アメリカ大統領職をめぐる権力闘争は、さしずめ最大の「血を流さない戦争」だろう。その激しいキャンペーンそのものが、現在のアメリカ社会を映す鏡であり、未来のアメリカ社会へのメッセージとなっている。アメリカはどのように統合に向かっていくのか。世界の問題にどう関わろうとしているのか。選挙戦で繰り広げられる政策と個性のぶつかり合いの中から、アメリカと世界の将来を読み解く

2008年大統領選挙の歴史的位相
/古矢 旬
政治不信の深まりのなかで行なわれる二〇〇八年の米大統領選挙。共和党は分裂した保守勢力をいかに糾合するかに苦心し、民主党は「変化」を訴える。選挙戦のなかで浮かび上がった争点や対立の構図の意味を、歴史的文脈を織り込みながら明らかにする

座談会 オバマはアメリカを変えられるのか
/久保文明/中山俊宏/松尾文夫/山野内勘二座談会
国内はもちろん世界中に大きな影響を与える米国大統領選挙。その行方はいまだ混沌としているが、今年一月のアイオワ党員集会以降、見えてきたものも少なくない。イラク戦争の今後、なぜオバマは強いのか、新政権の外交戦略。いまアメリカ政治で何が起こっているのか、鋭く切り込む


アジア政策の語られ方
/伊藤 剛
各大統領候補の対アジア政策や、日本が「同盟国」としてどの程度重要視されるのかといった鳥瞰図は、いまだおぼろげである。しかし、候補者の主張に一貫しているのは、中国の存在に一目置いているということである


マイノリティの選択
/大津留(北川)智恵子

女性とアフリカ系という民主党の二候補のアイデンティティに象徴されるように、マイノリティの問題にこれほど焦点が当てられる選挙は珍しい。アメリカ社会の分裂と統合の重要な指標であり続けるマイノリティ問題は、どのように語られているのか


米大統領選・中間報告―16年周期説の深層
/鈴木美勝

アメリカでは「16年」周期で彗星のごとく新リーダーが誕生するという。大きな時代のうねりを背景に、同国の多様性を象徴する顔ぶれとなった大統領予備選挙の注目候補たち。その三者三様の戦いぶりを追う


資料篇 一目でわかる アメリカ大統領が生まれるまで


<第二特集>日本のアジア外交

日本にとって、アジアとは何か。一九世紀までは仰ぎ見る師であった。二〇世紀前半は克服すべき停滞のシンボルだった。二〇世紀後半は巨大な市場であった。そして二一世紀。日本はアジアと肩を組んで歩み始めようとしている。政治、経済、文化を包括するような大きな秩序づくりのパートナーとして、日本はアジアとどのように関わっていけばよいのか。多様で多義的なアジアのいまの姿から、日本のアジア外交のあり方を考える


日本のアジア外交を考えるために
/白石隆

近年、大きく変容しつつある東アジア。新たな時代の日本のアジア外交はどう構想されるべきか。 対中外交のあり方とは


対談 アジア・アイデンティティの模索が始まった
――文化からみた東アジア共同体の可能性

/青木保/進藤榮一

とかく政治経済の分野で語られがちな東アジア共同体だが、その根底にある文化の問題をないがしろにしてはならない。アジアに共通の文化的基盤はあるのか。アジアのアイデンティティの確立には、何が必要なのか


指導者交代期のアジアにおける日本外交
/ギルバート・ロズマン

北東アジアの地域協力の可能性が改善されつつあった2007年だが、08年には、政権交代に伴うさらなる変化があると考えられる。安全保障枠組みの樹立を目指すアジア。その中で日本外交にどのような選択肢がありうるのか



ASEAN統合からみえる東アジア共同体の姿
/石川幸子

話し合いの時期を経て、来る五年間は統合への具体的行動の期間になるだろう。新事務総長に外相経験者スリン氏を迎えた新生ASEANは、統合とその先にある「東アジア共同体」実現に向けてどう動いていくのか



メコンの豊かな恵み
/原洋之助

近年インドシナ地域の政治的安定化が進み、メコン川流域の開発に改めて国際社会の期待が寄せられている。一方で、メコン川はその豊かな水量によって多様な自然と文化、歴史を育んできた。メコン開発の歴史とともに今後の持続的発展の可能性を探る



「防衛政策」としての六者会合
――核軍備管理で探る北東アジアの近未来

/吉田文彦

なかなか前進のみられない六者会合。しかしこれを核軍備の文脈から見直したとき、そこにはこれからの北東アジアの戦略的安定をつくり出す、いくつかの可能性が秘められている。北東アジアの非核化をめざす構想とは


「福田アジア外交」を考える
/谷野作太郎

とにかく感情的な議論が横行しがちだった時期を経て、日本のアジア外交は落ち着きを取り戻したかにみえる。しかしさらなる発展のためには、まだまだ双方向の努力が必要だ。福田政権が担う対中・対韓関係の諸課題を、アジア外交のエキスパート、谷野氏が語る



【C-2】

<カントリー・イン・フォーカス>

スロベニア共和国

ユーゴスラビアからEUへ
――スロベニアの歴史
/柴宜弘

自らの国を初めてもったのは1991年だが、その歴史は長く複雑だ。諸州に散在して支配を受けながらも、言語に基づき独自性を保ってきた。だが、その言語は多くの方言から成っていて、統一性に欠ける。多様な小国は「すべての人々に開かれた」社会を築くことができるのか


スロベニアから見た日本、日本から見たスロベニア

/アンドレイ・ベケシュ

大学で日本研究に携わる筆者。両国の留学生の研究テーマを通して、互いの国がどう映っているかを論じる

私のスキー留学青春記

/原田彦

スキー修行のために、一五歳でスロベニアの地を踏んだ私。国境近くの小さな街で過ごした五年間は、文化の多様性、人と自然との一体性を感じた幸せな時間だった

世界の中央舞台にデビューしたスロベニア

/飯山常成

ユーゴスラビアから独立して16年。経済的にも短期間で急成長を遂げ、EU加盟・ユーロ圏入りをいち早く果たし、現在ではEU議長国を務めるに至った。そのサクセス・ストーリーとは


<特集外>
欧州を静かに揺るがすコソボ独立の余波

/月村太郎

内戦後の復興につまずくコソボは、「独立」にその将来を託した。この選択は、それぞれに民族問題を抱える近隣諸国にどのような影響を与えるのか。主権国家の内実の変容と合わせて検証する

資料篇 コソボ独立を理解するために


【C-3】
<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
アジアと日本の情報の懸け橋を目指して
/中安昭人
日本・アイルランドにかける〈新しい橋〉
/瀬尾秀彰

新連載 第一回
アメリカ合衆国大統領を読む
戦後世界の基本形を決定した男――ハリー・S・トルーマン
/徳川家広


書評フォーラム 選評・細谷雄一
『アジアのなかの日本』
『現代日本の東南アジア政策』
『歴代の駐日英国大使 1859-1972』

INFORMATION&読者投稿

817円
<特集>

大統領選挙後の韓国

李明博政権の韓国が始まる。10年ぶりの保守政権を担う新指導者は、これまで韓国政治をリードしてきた軍人でも民主化の闘志でもない。大企業の経営者出身の大統領の誕生である。彼の信条は実用主義。理念と政治に傾きがちだった前政権から、実用と経済へとどう政策をシフトさせてくるのか。北朝鮮問題の出口がなかなか見出せない中、南北融和路線は変わるのか。対米・対日関係は修復されるのか。新政権を徹底解剖する

李明博政権の輪郭を描く
/小此木政夫
初の企業経営者出身の大統領は、韓国をいかなる方向へ導こうとしているのか。キーワードはプラグマティズム。政権発足を直前に控え、理念重視だった前政権から何を引き継ぎ、何を変えようとしているのか

国民は何を選んだのか――韓国政治の「変容」
/木宮正史
今回の大統領選挙の結果は、韓国社会の「保守化」の表れと言われる。しかし、それを政治の構造的変化の訪れと見ることは果たして妥当だろうか。韓国特有の政党政治の特徴を吟味し、その変容を検証する

韓米日間の協調は復活するか
/李 鍾元
10年ぶりに誕生した保守政権は、実利を中心にすえた対アジア外交を展開しそうだ。対米関係の改善を基盤としつつ、対日関係の修復や対中関係の調整、そして多国間の協調に向けて、新政権はいかなるリーダーシップを発揮するのか

北朝鮮が模索する次の一手
/平岩俊司
昨年10月、六者会合においていわゆる「第二段階の措置」が約束された。しかし期限を過ぎてなお、北朝鮮の対応はにぶい。北朝鮮は何を考えているのか。米国、韓国、六者会合への対応を軸に、北朝鮮の行動原理を探る

「人道」に加え「人権」にまで踏み込むのか
/倉田秀也
李明博新政権の対北朝鮮政策は、北東アジアのみならず国際社会にとても死活的に重要である。新政権が打ち出す「非核・開放・3000構想」をこれまでの政権の対北朝鮮政策と比較しながら分析し、その問題点を洗い出す

Who’s Who?-新政権の外交ブレーンたち
/西野純也
今後五年間の李明博外交をリードしていくであろう六名のブレーンたちお横顔とは

日本の一歩先を行く新政権の経済戦略
/深川由起子
自ら「経済大統領」を標榜する李明博大統領は、前政権の政策矛盾を修正しつつ、FTAを含む経済外交強化に邁進するとみられる。韓国が明確なグローバル戦略を持つ一方、これまで韓国のお手本だった日本は迷い続けている。日韓FTA交渉再開が期待される中、いかに韓国とつきあっていくか

アリランテレビにみる韓国国際放送の現在
/田中則広
二四時間、英語で「韓国」を世界に伝えるアリランテレビ。効率的な国際放送実施のために新政権が直面する課題とは

韓国人の感じ方-日韓文化交流に携わって
/久保和朗
日韓交流は着実に進んできている。しかしその割には根深い不信感は払拭されていなお。その原因はどこにあるのか。社会の根底にある価値観を理解するために何が必要か

国際的な歴史相互理解のために――日韓歴史共同研究に寄せて
/鳥海 靖
現在、世界の各地域で国際的な歴史の相互理解を深める試みが広がっている。こうした活動に長年携わってきた筆者が示す、日本を含む東アジアでの有効かつアカデミックな歴史共同研究に向けての提案とは


<第二特集>平和構築に何が必要なのか

民族問題、希少資源をめぐる対立、政府の腐敗、グローバリゼーションと貧富の格差。紛争の原因は複雑に絡み合っている。それらを一つひとつ解きほぐし、和解を促進させ、復興への道筋をつける。平和をつくることは難しいし、それを維持することはもっと難しい。だからこそ世界が全力で関わらなければならない。われわれは紛争の現場で、国際社会の中で、いかなる役割を担えるのか。その可能性と課題を探る


平和をつくる人間の生きる力
/篠田英朗
平和構築に何が求められるのか。それは、人間であり、平和を愛し、平和のために努力する人々の生きる力である

なぜ私は志すのか
――研修員の生活と意見
/古本建彦
研修は私に、進路変更が間違っていないと再確認させてくれた。そして今後の課題も知ることができた。「紛争の処方箋」づくりを目標に、これからも精一杯がんばっていきたい

紛争の地で考える――平和構築とは何か
/駒野欽一
主体的な開発努力と国際的支援の増加で、成功の端緒を掴み始めているアフリカ諸国。エチオピアでは中・印の進出をきっかけに、各国による支援競争が激化している。その中で、日本は独自性をどう打ち出していくべきか

座談会 日本が動けば世界が変わる
――平和構築における日本・国連・NGOの役割
/高橋清高/村田俊一/脇阪紀行/滝崎成樹
「平和協力国家」として責任ある役割を国際社会において果たすべき日本。世界の平和を率先垂範、創っていくうえでいまどのような問題に直面しているのか。現場からの証言

世界の現実を直視して
――国連平和構築委員会議長として
/高須幸雄
ポスト紛争国の平和構築ニーズの高まりに応えて発足した国連平和構築委員会。その役割とビジョンはいかなるものか。また現在議長を務める日本の果たすべき役割とは

平和構築の現場から 東ティモール
目の前の何かを変えるために
/栗林伸昭
六年前に独立を果たした東ティモールの平和構築は、復興・開発のステージへ。新たな騒乱の目を早期に摘むための「再発予防」が重要なこの時期、国家などの大規模な支援とは一線を画す、NGOの具体的取組みを追う

平和構築の現場から コンゴ民主共和国
辛抱強く、希望を捨てずに
/水野光明
平和の構築は時間のかかる作業である。紛争が収まればニュースで取り上げられなくなり、人々の関心も薄らいでしまいがちだが、真の試練は紛争後の復興プロセスにある

ピースビルダーにあなたもなれる
/上杉勇司
誰も平和構築のゴッホやピカソになれるわけではない。しかし、平和な社会を築く一つひとつの過程で価値ある仕事を成し遂げる名匠になれたなら、それは立派なピースビルダーだ。平和構築のプロになるためには何が必要か


<カントリー・イン・フォーカス>
アイルランド共和国

インタビュー 日本とアイルランドの知られざる絆
/ブレンダン・スキャネル

歴史への誇り 平和への勇気――アイルランドと日本外交関係五〇周年を超えて
/林 景一
日本においてアイルランドのイメージは断片的だ。しかし複雑な歴史を土台としながら、政治や経済に知恵を働かすアイルランドの姿は多面的でダイナミックだ。信頼できる友人として、日本が学ぶべき点は多い

アイルランドより、日本美術のすばらしさを世界へ
/潮田淑子
ダブリンは、実は貴重な日本美術の宝庫である。まだ自由に海外に行くことができなかった時代、ひょんなことからこの地で日本美術の保存と紹介に尽力することになった一人の女性がいた。その静かで熱い思いとは

製薬・IT企業がアイルランドに進出する理由
/井上修爾
現在、世界の大手製薬企業15社のうち、13社がアイルランドを製造拠点としている。進出先としての魅力はどこにあるのか

<特集外>
米国の対パキスタン政策――総選挙後の展望
/堀本武功
パキスタン総選挙直前の2007年12月27日、有力な首相候補だったブットーが暗殺された。2月18日に予定される総選挙は、米国の望むようにパキスタン政治の安定化をもたらし、効果的な「テロとの闘い」を展開できるきっかけとなるのだろうか

<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子
グラビア 大学ゼミ訪問 第85回
/東京大学大学院工学系研究科 斑目春樹ゼミ

巻頭随筆
コリアン・ネットワーク
/朝倉敏夫
オソオセヨ「韓国と交流してみませんか」
/今西 肇

談話室第103回
地雷除去にかける情熱とプライド
/雨宮 清

書評フォーラム 選評・ 篠田英朗
『平和構築の仕事』
『戦争と平和の谷間で』
『イラク危機はなぜ防げなかったのか』

INFORMATION&読者投稿

817円
外交家と歴史家―薩英戦争から第二次世界大戦まで―
/山内昌之
混乱と躍動の時代を観察者としても行為者としても見ることができ、外交家と歴史家という二つの天職を経験したE・H・カー、重野安繹、久米邦武、成島柳北の四人。この四人には、その生き方や感慨に底流する本質的な共通点がみられる。そして、なお歴史的に「面白い時代」に生きているはずであるわれわれに語りかけることとは…


歴史家はいかにして外交家になるか
――キッシンジャー
/中本義彦
外交家になった歴史家であるキッシンジャーの存在がわれわれに教えてくれているのは、両者を結びつける実践的思惟の必要性なのではないか


「歴史の効用」について
――昭和の外交官をめぐる雑感
/酒井哲哉
人は相反する願望を持つ存在である。歴史を学ぶことの意味は、このような生の両義性に触れることである


座談会 「ポスト冷戦世代」の歴史感覚
――外務省ってやっぱり歴史を扱っているところ
/岩本桂一/松川るい/石井順也/石川真由美
外務省で最も多忙な年齢層の4人に集まってもらった。社会的事件として最初に記憶するが「ベルリンの壁崩壊」という世代。冷戦の雰囲気やベトナム戦当時の緊迫感は知らない。歴史の連続そのものを扱う外交という課題に、新しい歴史認識をもつ世代はどうもがきつつ、取り組んでいるのか

「外交」を知るための読書案内 付・さらに読み進むための書籍リスト
――気鋭の研究者が描く、良質で包括的な外交論
/村田晃嗣

<小特集>TICAD4に向けて

かつてアフリカを訪問した森喜朗元首相は「アフリカ問題の解決なくして二一世紀の世界の安定と繁栄はなし」と語った。冷戦終結後一時は「見捨てられた」アフリカが再度国際社会の注目を集めている。各国はアフリカが抱える諸問題に対して、いかなる戦略をもっているのか。また、「見捨てられた」時代にも積極的に関与し続けてきた日本は今年で四回目のアフリカ開発会議を開催する。日本と世界が注目するアフリカの現在とは


2008年、日本は世界の流れを主導できるのか
/井伏純一


ひとめでわかるアフリカの現状






<カントリー・イン・フォーカス>

ホンジュラス共和国

遠い国の信頼を得るとはどういうことなのか
/三輪 昭
「ビバ・ハポン(日本万歳)!」遥か太平洋の向こう側、ホンジュラスで日本大使離任の際に起った大歓声。なぜ日本人には馴染みの薄いホンジュラスが親日なのか。厚い信頼関係を築くまでには、地道な努力や善意の積み重ねがあった

海を越えた診療
――国際緊急援助隊・自衛隊部隊に参加して
/橋爪浩臣
1998年にホンジュラスを襲ったハリケーンは、甚大な被害をもたらした。遠く離れた国に対し、日本はどのような援助ができるのか。初の国際緊急援助隊・自衛隊部隊派遣として注目を集める中で、現地に派遣された隊員が見たものとは

「米百俵」のメッセージ
――国家ビジョンの確立に向けて
/リカルド・マドゥーロ・ジョエスト
「今でこそただの百俵だが、後年には一万俵になるか、百万俵になるか、はかり知れないものがある。いや米俵などでは、見つもれない尊いものになるのだ」(山本有三『米百俵』より)-この精神に共鳴したホンジュラスは、長期的なビジョンを持ち、自助努力を続けている

資料篇
はやわかりホンジュラス

<特集外>

大統領選後のロシアの新体制
――メドヴェプーチンスキー・タンデム
/上野俊彦
今年三月に行なわれるロシア大統領選は、同国の影響力の拡大もあいまって、世界の注目を集めている。最有力候補のメドヴェージェフはどんな人物か、そして気になるプーチン大統領との関係は

「人間の安全保障」普及に向け、概念の明確化を
/吉田鈴香
言葉のみがひとり歩きして、現場が戸惑う場合がままある。目的と目標の設定があって、コンセプトが生まれる。その下に、方法・手段が考案され、便益の最大化が図られるのだ。

国家の逆襲、市場の敗北
――中国
/村山 宏
中国は本当に「官から民の時代」に入り、民主化に向かうのか。民営化路線の結果として、市場経済の恩恵を受けたのは、逆に、国家だったという皮肉。国家と市場、最後に勝つのはどっちか

「和をもって貴しとなす」日中関係を
/坂中英徳
マスコミに報道されない在日中国人は、勤勉でよく学び、よく働く人々である―。人口が急減する日本が、すぐれた外国人を受け入れるためには、まず、日本人の側から外国人に対するイメージを変えなければならない。






<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
インドネシア・イスラム寄宿塾を訪問して
/河野毅
IPCCのノーベル平和賞受賞
/村瀬信也

日本の読み方・読まれ方 第6回
Doing Fieldwork in Japan
edited by Theodore C.Bestor, Patricia G.Steinhoff and Victoria Lyon Bestor
/徳川家広
日本の存在感の薄さに懸念を抱く声も聞こえるが、心配はいらない。「脅威論」時代の表層的なイメージを越え、さまざまな側面を丹念に研究する日本研究者により海外での日本理解は着実に深まっている。彼らが、研究(フィールドワーク)を通して見ている日本/日本人の姿とは…

書評フォーラム 選評・ 川島真
『現代中国の外交』
『オランダ風説書と近世日本』
『在日朝鮮人のメディア空間 GHQ占領期における新聞発行とそのダイナミズム』

INFORMATION&読者投稿

817円
CONTENTS



<特集>

2008年日本の外交課題

国際社会の課題として「アフリカ問題」や「環境問題」がその中心の一角を占めつつある今日、予てからこの問題に取り組んできた日本がリーダーシップをとる余地は大きい。その意味で二〇〇八年に開かれる第四回アフリカ開発会議や北海道・洞爺湖サミットは、その試金石となるはずだ。
また、間もなく行なわれる韓国大統領選や来年の米国大統領選はその結果に関わらず日本を取り巻くアジア情勢に重要な意味を持ちうる。
世論との関係から「パブリック・ディプロマシー」の重要性も叫ばれる中、日本は常に変化する国際情勢にいかに対応し、なにを発信していくのか


日本外交の正念場
/松本好隆
日本周辺を含むどの国も自国の国益を目指して必死の情勢である。2008年は、日本外交にとって国の行方を決定付ける、そして重い判断の岐路に立ち、覚悟の選択をする年になる


日中関係の棚卸し
――これまでとこれから
/清水美和
対立から戦略的互恵関係へ、日本と中国の関係は、いま、大きな転換点にある。しかし日中間には依然として多くの問題が横たわっている。歴史、領土、経済、環境から中国国内の諸問題に至るまで、福田政権はどのような対中構想を描くのか


日米同盟と北東アジア多国間機構
/春原 剛
東アジアの国際秩序を考えたとき、長らくその基底となっていたのは日米の同盟関係だった。しかし、近年、中国の台頭、北朝鮮問題における多国間枠組みなど、新たな要素をが加わりつつある。相対化の感もある日米同盟を日本はどのよに再構築していくのか


TICADに託す国益
――日本外交におけるアフリカ
/目賀田周一郎
冷戦の終焉後、アフリカは一時見捨てられた大陸の感があった。しかし21世紀をむかえ、再びアフリカ問題に関心が集まっている。内戦、貧困、感染症、環境破壊。山積するさまざまな課題に対して日本はどのように取り組むのか

日本の魅力 ライフスタイルという外交資産
/山本忠道
現代は世論が外交を動かす時代である。外交が政府間交渉の枠を超えて、広く国民同士との対話を意味するとき、重要になるのがパブリック・ディプロマシー、すなわち相手国の世論に働きかける外交だ。文化交流外交からみる日本の魅力と課題とは。

資料篇
ひと目でわかる外交カレンダー2008


<第2特集>気候変動に日本はどう取り組むか

2007年は気候変動問題について様々なレベルで議論が展開され、国際社会における関心が急速に高まった一年であった。いまやこの問題はサミットや主要な国際会議で中心議題となっている。国際社会は、いまや国際政治の中核に位置するこの問題に今後どのように取り組んでいくのか。
また、これまでも気候変動問題に積極的に取り組んできた日本は、いかに国際社会全体を巻き込みながら、新たな枠組み形成にリーダーシップを発揮できるのか


気候変動問題をめぐる政治力学
/蟹江憲史
多分野にまたがる気候変動問題。グローバルで協力して取り組む必要のある同問題解決へのアプローチの仕方には、各国の政治的思惑、考え方の違いが如実に現れる。日本はそのユニークな立場を利用して将来枠組み策定の過程でいかにリーダーシップを発揮すべきか。学会からの提言

ポスト京都へのリーダーシップ
/大江 博
京都議定書が結ばれてから十年が経過した。来年から第一約束期間が始まり、その成果が注目される一方で、いわゆる「ポスト京都」のあり方にも関心が集まる。アメリカはどのように対応するのか、中国・インドの関与は実現できるのか。気候変動に関する国際的な枠組みの問題の現状と課題を明らかにする


気候変動対策への日本の援助 モルディブ・マレ島を守った護岸工事
/渡邊泰浩
いまや世界的な気候変化は一国の存亡にかかわるまでに深刻さを増している。他人事と見過ごしてはいられない現状に、日本はどう対応しているのか。実践的な取り組みを追う

資料篇
図表で読み解く気候変動問題

グラビア
気候変動問題の現状







<カントリー・イン・フォーカス>

トルコ

歴史物語 エルトゥール号が結ぶトルコと日本

1890年、明治政府のオスマン朝への表敬訪問に対する返礼のために訪日した軍艦エルトゥール号。世界最大の王朝がその国力を誇った木造軍艦はその帰路、台風に遭遇して沈没し、多くの人命を失った。しかし暴風雨の中で大島の魚民たちはトルコ兵の救出・介護にあたり60名の命を救った。この歴史的な事件は、惨劇を越えて島民による人道的救出物語として記憶にとどめられている。それからおよそ100年後、1985年にはトルコ政府がイラン・イラク戦争勃発でイランに取り残された日本人を救出した。この二つの出来事は100年近い時を超えて行なわれた人道的な互恵支援であり、両国が深い絆を大切に育んできたことを示している

資料篇
ひとめでわかるトルコ

<特集外>

私の推す一冊
経済成長と外交エキスパートの関係を論じる
/アフターブ・セット
中国やインドの急成長に貢献している主要なアクターの中に、その国の外務省が挙げられることはあまりない。成長の基盤を整える上で欠かせない存在として外務省が奮闘していることに気づかされる一冊

「ポップ・ジャパン」は世界をめぐる…か
/徳川家広
今や「オタク」という言葉が世界的市民権を得るほど日本のアニメ・マンガの人気は衰えを知らない。国家的にもこれらのソフト・パワーに注目し始めたが、はてさて、日本ポップカルチャーの真の実力とはいかなるものか

アジアにおける信頼醸成装置
その提唱から実現まで
/ヌルラン・B・イェルメクバイエフ
近年、アジアにおいて信頼醸成ネットワーク作りが試みられるようになってきた。その一つの原型が、冷戦終焉後の早い時期にカザフスタンが主導したCICAだ。その構想から創設、発展のプロセスを明らかにする




<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
世界に誇れる日本の財産
/若月美奈
科学的発展観とは何か?
/田中 修

談話室102
食糧援助=単に食糧を運ぶだけではありません
/相賀裕嗣

日本の読み方・読まれ方 第5回
Election Campaigning Japanese Style
by Gerald Curtis
/徳川家広
一党支配体制の日本政治社会にも民主主義は確かに存在したのか。一人の代議士の選挙戦に密着し、その疑問を解明していく軌跡は、最良の民俗学やジャーナリズムの仕事によく似ている。

書評フォーラム 選評・ 細谷雄一
『東アジア国際政治史』
『日本軍のインテリジェンス―なぜ情報が活かされないのか』
『ピースメイカーズ―1919年パリ講話会議の群像 上・下巻』

INFORMATION&読者投稿

817円
<特集>

英国から見える世界

かつて「大英帝国」として世界に君臨した英国。世界中に商品を運び、文化と言語を広め、「英国外交」は「国際政治」と同義だった。そして21世紀。長い低迷を経て英国経済は再生を果たし、外交においてはいまなお世界で主導的な役割をはたし続けている。英国はなぜ外交に強いのか。新しい指導者の下で英国外交はいかなる展開をみせるのか。再興する伝統的大国の視点から、世界と日本の課題を考える


開かれたウィンブルドン・モデルの共有へ
/サー・ジョン・ボイド/野上義二
日本が西洋社会の衝撃を受け、国を開いてから150年。英国は一貫して日本にとって重要な国であり続けた。波乱に満ちた歴史を踏まえ、これから両国はどのように課題に臨み、どのような社会を目指すべきなのか


対談をおえて 隣の芝生は美しいのか
/野上義二

ブラウン政権の外交課題
――ポスト・ブレアの外交戦略
/細谷雄一
ブレア後のイギリス政治は少しずつ、しかし明瞭にその変化を示しつつある。静かな、しかし長期的な取り組みとして外交を考えるブラウン外交は溢れるほどの外交課題にどう取り組むのか


英国に見るNATO、NATOに見る英国
/鶴岡路人
英国外交を考える上でNATOは欠くことのできない存在である。その発足から中心国であり、米欧の架け橋であった英国。冷戦の終焉、そして9・11を経て、英国外交はNATOの新たな展開にどのような影響を与えているのか


英国の東アジア外交
――専門知識を備えた外交官を派遣する重要性
/グレアム・フライ
英国の東アジア外交の歴史は古く、日本との国交が結ばれて間もなく150年を迎える。帝国主義の時代、民主主義の時代を経て、英国外交はどのように東アジアに関わってきたのか。英国が求める外交官の条件とは

英国王室の外交戦略
/君塚直隆

影響力の源泉
/サイモン・ウッド

資料篇
英国に集まるヒト・モノ・カネ

欧州そして世界への早道、英国
――投資を集める強さの秘密
/アンドリュー・カーン
1970年代の英国病を脱し、新自由主義改革の時代を経て、21世紀のイギリス経済は堅実な成長を続けている。新しい産業を生み出し、世界中から投資を集めるイギリス経済の強さの秘密とは




<第2特集>

海外援助のあり方を考える 新体制下のODA

戦略性、機動性、透明性、効率性を高めるために改革を重ねている日本の海外援助。「ODA(政府開発援助)」という言葉につきまとうネガティブなイメージをこえ、いかにオールジャパンで実のある海外援助を実現するか。2008年10月には新JICAが誕生、技術協力、有償資金協力、無償資金協力の援助手法を三位一体で展開する世界でも有数の総合的なODA実施機関となる。新体制発足に向けて効果的な海外援助、国際協力のあり方を考える


新たな時代の日本の援助戦略
/別所浩郎
日本の援助政策が変わろうとしている。環境、貧困、感染症など地球規模に広がる21世紀の諸課題にどのように取り組むのか。それにふさわしい国内体制とはどのようなものなのか。来年の洞爺湖サミットを前に日本が発する新しい国際協力のメッセージ


世界各国のODA政策
/外務省国際協力局総合計画課
財政改革の名の下に日本の政府開発援助(ODA)が減額されるなか、世界の主要国は逆に途上国への援助に力を入れ始めている。9・11以後、テロの温床としての貧困問題が意識されたからだ。いま、各国のODA政策はどのように展開されているのか


グローバル競争時代のODA
/山形辰史
グローバル競争は、ODA分野にも浸透している。これまで日本の援助額は大きかったため、他ドナーの動向にあまり注意を払わずとも、存在感を示すことができた。しかし今後もODAの額が減っていくのであれば、他ドナーを競争・連携相手としてより強く意識する必要がある

変革のダイナミズムのさなかで変わってはいけないものとは
/戸田隆夫
これまで、日本は「人」を中心とした国際協力をおこなってきた。「JJ統合(JICAと国際協力銀行〈JBIC〉の統合)」を一年後に控え、未来を見据え日本の国際協力のあり方を考える上で、変わるべきこと、そして変わらざるべきこととは何かを考える時期が来た

資料篇
ODA国際比較







<カントリー・イン・フォーカス>

マレーシア

よみがえれ熱帯雨林
――マレーシア・ボルネオ島における植林活動
/小川孝一
地球上で最も古い生態系の一つであり、人間や地球環境にもさまざまな恩恵を与えている熱帯雨林が消失の危機にさらされている。日本にとっても重要であるボルネオ島でもこの危機は深刻だ。そんな熱帯雨林を救うべく日本マレーシア協会が行っている活動とは


ポスト・マハティールの時代
――変わったもの、変わらなかったもの
/佐藤考一
20年を越えてマレーシアの経済発展をリードしてきたマハティール氏が政権を去って4年が経過した。親日家でアジア外交に指導力を発揮した大物首相の後を受けて、アブドラ首相は何を引き継ぎ、何を変えていこうとしているのか。マレーシア政治の現在を明らかにする


イスラームへのゲートウェイ、マレーシア
/立本成文
かつてマレーシア国内で華人とマレー人が激しく対立している時期があった。だが長い歴史を紐解くとこの国は「包摂の原理」でもって栄えてきた。そのような特徴をもつマレーシアは今後、対イスラーム圏、対非イスラーム圏に対し、どのような可能性をもっているのだろうか


いまが旬、ホットでクールなマレーシア映画のあれこれ
/暉峻創三
1980年代後半からのアジア映画の世界進出からあえて距離を置いてきたマレーシア映画界。しかし、一本のマレーシア映画がその伝統に終止符を打った。ここにきて、マレーシアの多文化社会を打ち出す作品に世界が注目している


資料篇
ひとめでわかるマレーシア


<特集外>

安倍対中外交の通信簿
――中国はどうみたか
/藤野 彰
靖国神社参拝などが原因となって悪化の一途をたどった小泉内閣時代の日中関係だが、後を襲った安倍内閣は中国を最初の外遊先に選び、関係改善をアピールした。果たして安倍内閣の対中外交は成功したのか。中国側の視点からその評価と課題を明らかにする




<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
言葉は生きている-『日英米ファッション用語イラスト辞典』執筆奮闘記
/若月美奈
『検証 現代中国の経済政策決定-近づく改革開放路線の臨界点』を上梓して
/田中 修

時事コラム
国際貢献をめぐる本質的な議論を
/佐藤鴻全

日本の読み方・読まれ方 第4回
Molding Japanese Minds
by Sheldon Garon
/徳川家広
日本が近代から現代へと姿を変えたとき、国民と国家はどのような関係だったのか。一億総中流階級社会を生み出したのは、政府の行った“新生活運動”かもしれない……

書評フォーラム 選評・ 篠田英朗
『ロメオ・ダレール 戦禍なき時代を築く』
『国際人道支援における心のケア』
『パブリック・ディプロマシー』

INFORMATION&読者投稿
817円
<特集>

日米人脈の耐久力

かつてマンスフィールド大使が日米関係を「世界で最も重要な二国間関係」と呼んでから四半世紀が過ぎた。その間、首脳会談からビジネス、アカデミズム、そして草の根の市民活動に至るまで、さまざまなレベルで人々の交流が深まっていった。しかし、近年そのパイプが先細ってきているとの指摘がある。小泉・ブッシュの蜜月時代を経て、日米はこれから離間の方向に向かうのだろうか。日米関係の現状と課題を分析し、これからの日米関係を支える人的交流のあるべき姿を探る


人的交流の希薄化は次の時代に禍根を残す
/沼田貞昭
格別な懸念がない今だからこそ、日米間の人的交流を「意識的に」強化する必要がある。世界が直面している問題について、互いにアイディアを出し合い、共に考え、一緒に行動する指針を作れるような場を、人材育成も含めて準備しておかなければならない。


資料篇
日米文化教育交流会議(カルコン)とは

米国は日本への関心を失ったのか
/加藤洋一
米国の日本離れがささやかれている。知日派がブッシュ政権から相次いで去ったこと、シンクタンクの日本研究者の不在、中国への関心の高まりなどが理由に挙げられる。米国における日本のマージナル化が進む中、米国を呼び戻すために日本に求められていることはなにか


日米関係と日系人の将来
――日系人は日米関係の原動力となりうるのか
/海部優子
在米日系人は日米関係安定化にとって欠かせない存在である。しかし日系人政治家の数は減少傾向にあり、さらに日系人としてのアイデンティティは希薄化していると言われる。このようななか、日系人は日米関係において将来的にどのような役割を果たすのだろうか


日米関係とコミットメント
――CGP評議会へのオマージュ
/茶野純一
1991年4月、地球的課題解決へ向けた日米協力推進と両国関係の強化を目的に発足した国際交流基金日米センター(CGP)に評議会が設置された。政界、経済界をはじめ錚々たるメンバーにより構成された同評議会では、意義深い議論が展開され、両国の絆は強化されていった


これでいいの?JETプログラム

<第2特集>

外交基盤を強化するために

日本の「外交力強化」の必要性が叫ばれて久しい。冷戦時代、また9・11同時多発テロ以前と比べて、国際情勢は大きく変化した。常に変わり続ける国際環境に、日本外交が柔軟に対応していかなければならないことは疑いない。新時代に対応した日本外交を作り上げるために、現状の外交実施体制にはいかなる問題が散在しているのか。また、それらの問題を解消するために、どのように外交力を強化していくべきか。そのために次世代を担う外交官に求められるものは


外交力強化のためにいま何が必要か
/北岡伸一
現在、外交交渉の主流はバイ(二国間)からマルチ(多国間)となった。この際に必要なのは、外交力の基盤=足腰を鍛えることだ。では、どうすれば強化できるのか。アカデミズムと外交の現場という二つの舞台を経験した筆者に、日本外交のあるべき姿を問う


連携の必要性
――地方自治体が日本外交にもたらすものとは
/末吉興一
日本の総合的外交力の観点から、地方自治体の役割の重要性が注目を集めている。姉妹都市関係や文化交流、技術協力など、「市民力」を生かしたさまざまな活動は諸外国からの評判も高い。北九州市長の経験をもつ筆者が考える今後の日本外交における地方自治体との連携のあるべきすがたとは


NGOが外交の新たなプレイヤーたるために
/長 有紀枝
現代外交を支えているのは必ずしも政府だけでない。NGOも重要な外交の柱の一つである。しかし、日本においてその役割は完全に確立されたとは言いがたい。欧米におけるNGO外交の状況を考慮し、日本のNGOの外交的役割を探り、いま必要とされる外交力を考える


資料篇
外交力強化へのアクションプラン10
在外公館の充実・強化はなぜ必要か








<カントリー・イン・フォーカス>

ポーランド

大きく変わりつつあるポーランド
――「ショパンと連帯の国」を超えたかの国の魅力
/田邊隆一
歴史の波にもまれ、独立と自由を求めて戦いつづけてきたポーランドはいま、大きな変貌を遂げつつある。国交回復50周年を迎えるかの国と日本は未来に向けていかに関係を構築していくべきか


分野横断的な人的交流と人材育成を
/田口雅弘
かつて「日本ポーランド協会」が存在した。だが人材不足と情報化社会の影響を受け、その存在価値を薄め休会に追い込まれた。しかし、いままた新たな社会環境に適し、新たな人材交流を促すべく「フォーラム・ポーランド」が旗揚げされた。「フォーラム・ポーランド」が目指す役割とは


ポーランド日本情報工科大学設立に携わって
/東保光彦
数年前に『ニューズウィーク』誌ポーランド版が企業に対して行なった「採用したい学生」アンケート調査で、トップに輝いたポーランド日本情報工科大学。1994年10月に設立された同大学から、これまでに2000名を超える情報技術者が卒業し、情報通信産業はじめ、公共、民間を問わずさまざまなセクターの情報部門で活躍している


日本に魅せられた巨匠
――アンジェイ・ワイダ
/久山宏一
ポーランドを代表する映画監督、アイジェイ・ワイダは大の日本通で知られている。彼が日本を知るきっかけとなったのは、自国ポーランドが独ソに分割占領され、占領軍が友好国日本の美術品の展示会を開催した1944年のことだった


資料篇
ひとめでわかるポーランド


<特集外>

21世紀の日本外交を担う君たちへ
――日本の国家戦略
/兼原信克
かつての日本の外交官にはさまざまな制約があった。しかし新しい時代に入り、国際社会で日本が能動的に外交を行なうとともに、積極的な役割を担うことは間違いないだろう。この国際環境の中で「攻め」の日本外交を担う未来の外交官には、どのような資質と心構えが要されるのか


現地レポート レイテ島の小さな医学校
/大嶋英一
フィリピンでは頭脳の海外流出が大きな問題となっている。医療現場も例外ではなく、地方の医師不足は深刻だ。しかしこの問題に一石を投じる試みが、レイテ島で行なわれている。そのユニークな教育システムとは


競い合う知のアリーナへ
――国際法模擬裁判「2007年アジア・カップ」
/筒井若水
模擬裁判とは、知的格闘技である。アジアの大学生たちが国際法の解釈を競い合い、また生きた国際交流の場となった国際法模擬裁判。そこで彼らは何を学んだのか。運営の舞台裏とともに紹介する




<連載>

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
ムンバイで思ったこと
/柴原三貴子
日系ブラジル人二世として
/松本美一

談話室 第101回
外交官に求めらる資質とは
/谷内正太郎

映画から見る世界の今 最終回
映画のもつパワーの秘密
/朴木浩美
日々映画を愛する人に会う。最初は一対一の付き合いだが、どんどん広がり、気づくと一緒に映画をつくっていたりする。映画は、本当にいいものだ

日本の読み方・読まれ方 第3回
Securing Japan
by Richard J.Samuels
/徳川家広
日本にいながらにして、自国の国家戦略を理解しようと情報を集めても、かえって混乱してしまうことが多い。しかし、本書を読めば、日本が目標としている国家のあり方が見えてくる

書評フォーラム 選評・川島真
『近代日本の国際秩序論』
『通訳者と戦後日米外交』
『記念日の創造』

INFORMATION&読者投稿

外交フォーラムの内容

  • 出版社:都市出版
  • 発行間隔:月刊
  • サイズ:B5判
日本で唯一の外交問題・国際関係論専門のオピニオン誌
国際社会の中で、日本の外交はどうあるできか。内外の著名な筆者が問題の核心を鋭く分析、世界の動きがリアルにつかめる情報を満載。研究者・ビジネスマン・官界・学生をはじめ国際問題に関心ある人々の必読誌として1988年の創刊以来、高い評価を得る。

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