<特集>
アジアはひとつか
―地域統合のベクトルを読み解く
経済面、文化面においてかつてないほど相互交流が進むアジア。
その活発さは、アジアの一体化を感じさせるほどだ。
しかし、政治や安全保障に目を転じれば、そこには多くの課題が存在している。
果たしてアジアはそれらを乗り越え、「ひとつ」になろうとしているのか。
台頭する中国は、いかなる影響を及ぼすのか。
そして世界はアジアの現状をいかに見ているのか。
「アジアはひとつか」という大きな問いに、多方面からのアプローチを試みる
三〇年先を見据えた外交戦略を
/佐々江賢一郎
確実に地域協力が進展するアジア。その中で日本はいかに行動していくべきなのか。米国発の金融危機の影響、六者会合の意義なども確認しながら、日本のアジア外交の今後を聞く
鼎談 日本が求めるアジア、アジアが求める日本
川島真/田村宏嗣/宮城大蔵
アジアとは何か。多様性のアジアで統合は進むのか。地域の形成過程を歴史的においながら、変化するアジア統合の潮流を読み解き、日本外交の課題を考える
より自由で効率的な貿易を求めて-アジア太平洋地域におけるFTAの役割と課題
/椋寛
WTO交渉の難航をよそに、アジア太平洋地域でも各国間のFTA交渉が進んでいる。しかし、FTAの総和がそのまま自由な貿易体制を生み出すわけではない。二国間と地域、それぞれの役割を認識しつつ、規律あるFTA体制への課題を考える
APEC―グローバル・リージョナリズムの可能性
/菊池努
発足二〇年を迎えるAPECは、アジアに存在する地域経済枠組みとしては古参の存在だ。グローバルな自由貿易体制と連動する形で成長したAPECは「無力」と非難されたこともあったが、アジアを世界標準に押し上げるために、無数の可能性を持っている
アジア主義に多方面から光を!
/松浦正孝
戦前の記憶から、長らくタブー視されてきた「アジア主義」。しかし私たちは、実際のところ「アジア主義」がどういったものなのか、本当に分かっているのだろうか。他国との比較のなかから、日本の「アジア主義」を見つめなおす取り組みは、始まったばかりだ
資料篇
アジア地域統合はどこまで進んでいるか
<第2特集>
建国60年を迎えたイスラエル
今年建国60年を迎えたイスラエル。
建国以来の歴史は、苦難の連続だった。
果たしてこれからは、どのような道を辿って行くのだろうか。
ハイテク産業の発展など明るい材料も多いが、パレスチナやアラブ諸国との真の和解には程遠い。
歴史、現状、日本との関係などから、日本人が知っているようで知らないイスラエルという国家のこれまでとこれからを考える
多様性と厳しい現実で育まれたイスラエル性
/鹿取克章
イスラエルと日本は相互の気質を補い合う、有意義な関係を築ける――。多くの日本人がニュースでしか知らないイスラエルについて、こう確信する筆者は二年間の現地での暮らしの中で何を見、何を感じたのか。多様性と厳しい現実の間でたくましく生きるイスラエルの姿とは
閉塞感と相互不信を越えられるか
―中東和平の今後とイスラエル外交
/立山良司
果てしなく続くかにみえるイスラエル・パレスチナ紛争。しかしそれぞれの紛争解決構想をみてみると、共有できる部分も少なくない。和平交渉は、どこまで進展しているのか。何が阻んでいるのか。新しい視点も加えて、和平交渉の今後のあり方を考える
イスラエル建国とシオニズム
――パレスチナ人追放政策は存在したか
/森まり子
イスラエルの建国が論じられるとき、無視できないのは「故郷」を失ったパレスチナ難民の存在だ。難民は自発的に去ったのか、それとも強制されて難民となったのか――さまざまな歴史研究が発表される中で、この問題と向き合うことは、建国六〇年を迎えるイスラエルにとっても避けられない問題だ。
なぜ、イスラエルはハイテクに強いのか
/村橋靖之
ITを中心としたイスラエルのハイテク産業は、政治と国民性によって育てられた強固な基盤をもって、世界から注目を浴び続けている。現地で見たイスラエル企業の強さを論じる
グラビア イスラエル―歴史と文化の交差する場所
共鳴する二つのアリーナと日本外交
―アメリカとアジア
/五百旗頭真
二十一世紀の日本外交は、どこに向かおうとしているのか。アメリカと中国という巨大なアクターとの関係を中心に小泉政権以降の功罪を振り返りながら、新時代の構想と課題を考える
日仏修好通商条約原本を読み解く
―条約調印一五○周年を記念して
/山口昌子
日本側の原本は非公開。フランス外務省で手に取った毛筆で書かれた墨の匂いが立ち上りそうな条約原本からは、当時の日仏関係、そしてこの条約に対する徳川幕府の強い思いが浮かび上がってきた
モザンビークでの成功経験を生かせるか
―アフリカでのPKOと自衛隊の役割
/中澤香世
国連モザンビーク活動は、日本が初めて自衛隊をアフリカへ派遣したPKOである。今年、政府はアフリカのPKOセンターへの貢献や国連スーダン・ミッションの司令部への自衛隊員の派遣を表明したことを踏まえ、アフリカのPKOへの日本の関与のあり方を考察する
<連載>
悲観・楽観・世界観
/千野境子
巻頭随筆
反常識のすすめ
/石井米雄
映画「パラダイス・ナウ」とパレスチナの若者の世界
/浜中新吾
物語「福田ドクトリン」から三〇年 第八回
初の日本ASEAN首脳会議
/枝村純郎
アメリカ合衆国大統領を読む 第九回
ソ連との冷戦に勝利した大統領した ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ
/徳川家広
書評フォーラム 選評 篠田英朗
『アフリカ 苦悩する大陸』
『アフリカ・レポート』
『アフリカに見捨てられる日本』
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