外交フォーラム 4月号 (発売日2004年03月08日) の目次
特集
アラブ世界の読み方
イラク戦争後、アラブ地域に世界が注目している。いかに安定させ、国際秩序に
組み込むかは国際社会の大きな課題である。アラブ世界内部でも主体的にアラブ秩序を
構築しようという動きがみられる。そこで日本は何ができるのか。日本にとってアラブの
持つ意味とは何か。歴史、宗教、国際関係、文化などから新しいアラブの姿を探る。
アラブの過去と未来――
〈帝国〉へのノスタルジアと夢
/山内昌之
自らの限界を悟らない帝国は生き残れなかった。「アラブとは何か」を自らに問う時、
プライドと思慮分別を均衡させることができなければ、アラブが幸運にも統合できたとしても、
新たな〈帝国〉の未来は必ずしも明るいものではない
対談
アラブの世界観・思想とは
――日本とアラブの対話を試みるために
/森本公誠/池内恵
初期イスラーム世界の現実のなかに存在していた社会構造や価値観の多様性。
果たして、当時のリアリズムと、現代の思想や社会の動向の間に横たわるギャップとは
何なのか。宗教と国家の関係を、歴史と思想の文脈から考える
座談会
新たな経済関係構築のために
/定森大治/友田富也/畑中美樹/奥田紀宏
アラブ地域をいかに安定させるかが現在の国際社会の重要課題の一つである。
日本とアラブ諸国との経済関係はそれほど大きくないが、エネルギー資源を中心に
日本経済はアラブ諸国に依存し、また日本からアラブ諸国への技術供与等援助の蓄積もある。
またアラブと日本の間には、人と人との信頼関係が築いた細いかもしれないが強固なパイプが
存在する。今後の日・アラブ関係構築のための具体的提言
アラブにおける日本観
/イサム・R・ハムザ
日露戦争における日本の勝利は、西欧列強からの独立運動を続けていたアラブ人に
大きな希望を与えた。日露戦争の勝利や第二次世界大戦敗北からの目覚しい成長によって、
この100年間のアラブ世界における日本に対する認識、関心は格別なものであった。
しかしいま、その長過ぎた片思いは諦めに変わりつつある。アラブの人々の日本への想い、
期待とは……
『アラブ人間開発報告書(AHDR)』が示す――
アラブ復興のロードマップ
/マエン・スヌール
知識の探究を促してきたのはイスラーム教やアラブ文化であった。現在、アラブ社会の近代化を
阻んでいるのは、人間が創り出した社会的、経済的、そして何よりも政治的な構造的な問題である。
知識社会を創出するために、アラブ諸国はこうした構造的欠陥を改革しなければならない
――アラブ社会の内部から出された「画期的」と評価を得ている報告書。その内容とは……
ファッションは世界共通のことば
/森英恵
中東文化交流・対話ミッションで訪れたサウジアラビア。女性のためのセミナーでは
「ファッション」を共通アイコンにして語り合った
「ジュネーブ合意」は蜃気楼か
/野上義二
相互不信が悪化するイスラエル・パレスチナ関係だが、昨年秋には「合意も可能」
とする双方のグループが、具体的な各論について詰めはじめた。このプロセスに
協力してきた筆者が、二人のリーダーから本誌のためにコメントを入手した
わが心のレバノン
/本間千枝子
豊かな自然にワインと食生活、そして旧約聖書の神々やキリストの足跡、さらに
イスラーム教の意味を考える視座としてのレバノンは、世界を理解するための
新しい視点を与えてくれる
独立した報道機関をめざして
/四戸潤弥
9・11を契機に一躍世界の注目を浴びた衛星テレビ局アルジャジーラ。
その報道ポリシーとはなにか
アラブとは何か
/藤原和彦
人物と歴史をとおし、アラブ世界の内面を探る
連載
特別企画鼎談 最終回
「日本外交の過誤」を解読する
/御厨貴/坂元一哉/兼原信克
日米開戦に至るまでの「日本外交の過誤」はどこにあったのか。戦後間もなく、
若き外交官たちがつい数十年前の先輩たちの足跡を分析し、そこから得た教訓を取りまとめた
文書「日本外交の過誤」。50年経った今、そこから何を読み取ることができるのか
米国憲法で読むアメリカン・ストーリー 第28回
冷戦と自由、平等
/阿川尚之
冷戦の勃発は、一方で国民の自由を束縛しながら、他方で人種差別撤廃への動きを加速させた。
建国以来180年にわたって続けられた黒人問題をめぐる司法論争は、ついにその決着の時を
迎えたのだが……
東ティモール便り 最終回
平和構築の“隠れた”課題
――傷ついた心をどう癒すのか
/旭英昭
いったん紛争が終わっても、大量虐殺によって刻まれた人びとの心の傷は残る。
法の裁きによる正義の実現か、真実究明による和解か。国際社会の試行錯誤は続く
談話室 第71回
日本の本をアラビア語に
/戸谷美苗
カラー・グラビア 大学ゼミ訪問 第64回
愛知淑徳大学 真田幸光ゼミ
カラー・グラビア&読み物 第18回
外交としてのワードローブ
政治家の愛したシガー
/中島渉
キューバと敵対したケネディ、叛乱鎮圧に参加したチャーチル、そして吉田茂を魅了したのは
キューバ産シガーであった。彼らがこよなく愛した煙の魅力と逸話にせまる
悲観・楽観・世界観
/千野境子
巻頭随筆
/福岡史子/沼田敦
書評フォーラム 選評 深川由起子
『人間が幸福になる経済とは何か』
『日本経済復活への序曲』
『人はなぜ逃げおくれるのか』
読者投稿&INFORMATION
外交フォーラムの内容
- 出版社:都市出版
- 発行間隔:月刊
- サイズ:B5判
日本で唯一の外交問題・国際関係論専門のオピニオン誌
国際社会の中で、日本の外交はどうあるできか。内外の著名な筆者が問題の核心を鋭く分析、世界の動きがリアルにつかめる情報を満載。研究者・ビジネスマン・官界・学生をはじめ国際問題に関心ある人々の必読誌として1988年の創刊以来、高い評価を得る。
この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!
外交フォーラムの所属カテゴリ一覧
Fujisanとは?
日本最大級雑誌の定期購読サービスを提供
デジタル雑誌をご利用なら
最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!