特集:合併旧市町村の行方
「平成の大合併」によって誕生した自治体が相次いで10周年を迎えている。合併自体の評価はさまざまだが、合併によって周辺に位置することになった旧市町村が寂れたとの評価はほぼ一致するのではないか。
人口問題の陰に隠れがちだが、旧市町村地域の「活躍」こそが、地方創生には不可欠。いまこそ合併旧市町村の自治力、充実策の方向性を考えたい。
■合併旧市町村の自治力・職員力/大森 彌 東京大学名誉教授
合併後にも、住民自治の単位としての地区コミュニティの維持及び発展が可能となるような配慮は必要である。しかし、失われた自治体の自治を地区コミュニティで代替できるわけではない。だからこそ、合併によって、自治体を消滅させるかどうかは重大な決定になる。それでもなお、合併後の地域自治の充実策は重要である。
■東日本大震災と合併旧市町村/今井 照
■地域協議会と合併旧市町村/山崎仁朗
■合併旧市町村を活かす政策法務/山口道昭
■都市内分権と合併旧市町村/大杉 覚
■地域コミュニティと合併旧市町村/中川幾郎
■市町村合併後[時代]の住民自治
──多層な自治に議会からの政策サイクルを活かす/江藤俊昭
■合併後の旧市町村支援策を考える/島田恵司
スキルアップ特集:あなたの職場は大丈夫? 職員のストレス対策
自治体を取り巻く状況が厳しさを増す中、職員たちはさまざまなストレスを抱えながら仕事をしています。職員のメンタルヘルスは、どこの職場でも共通の課題ではないでしょうか。改正労働安全衛生法に基づき、12月から新たに導入されるストレスチェック制度も効果的に活用しながら、改めて職場全体で、また職員一人ひとりがストレス対策を強化して、元気に働きましょう!
■ストレスチェック制度の導入と効果的な活用に向けて/植田健太
■ストレスに負けない部下を育てる上司の役割/高嶋直人
〈取材リポート〉
◇職場環境改善によるストレス軽減を目指し「職場ドック」を推進/高知県
スキルアップ連載
■ガンバレ新田くん!新米係長の仕事術/山本雄司
■ファシリテーションdeコミュニケーション/加留部貴行
■モチベーション・マネジメント/太田 肇
■クレーム対応駆け込み寺/関根健夫
■これで万全!はじめての議会答弁/田村一夫
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●Governance Topics
□「地方創生~第2ステージの処方箋」をテーマに緊急イベント開催
──早大マニフェスト研究所
□西原茂樹・静岡県牧之原市長、岐阜県可児市議会、東北OMがグランプリを受賞
──第10回マニフェスト大賞
□市民の信頼と参加をどのように確保すべきか
──総務省・地方議会活性化シンポジウム2015
□地方創生実現のためのシティプロモーションに向けて
自治体の“知恵”と“工夫”を共有──第2回シティプロモーション首長シンポジウム
□市民と議員の直接対話で「もやいなおし」を
──市民と議員の条例づくり交流会議in九州2015
□田園回帰と地域づくりは不可分の関係
──都市・農村共生社会創造全国リレーシンポジウム in 東京
□「人口減少社会と自治体」をテーマに、現場の視点から議論
──関東学院大学シンポジウム
□東京・多摩地域のオフサイトミーティングがキックオフ
──タマガワ・リーグ第1回大会
取材リポート
□平成にっぽんの首長 自治の自画像/藤井浩人 岐阜県美濃加茂市長
住民一人ひとりの意識を高め、子どもたちに地域の大切さを教えたい。
全国最年少市長の藤井浩人・岐阜県美濃加茂市長(31)。昨年6月、市議時代の収賄容疑で逮捕されたが、一貫して無実を主張し、今年3月、一審無罪判決を勝ち取った。
藤井浩人・岐阜県美濃加茂市長(31)。全国最年少市長。昨年6月、市議時代に業者から現金を受け取ったとされた収賄容疑で逮捕・拘留された。一貫して無実を主張し、今年3月、一審無罪判決を勝ち取った。
□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
何を栽培すればいいのか【福島県楢葉町・150戸の帰還(下)】原発事故、続く苦悩
町を本当に取り戻すなら、農業は欠かせない。しかし、帰れるようになったからと言って、農産物が売れるとは限らない。売れたとしても生計は立てられるのか。そもそも何を栽培すればいいのか。福島県楢葉町の農家は岐路に立たされている。そうした中で、評価の高かったイチゴやトマトを捨て、「花」という未知の世界に飛び込もうとする人々がいる。
□現場発!自治体の「政策開発」
医学研究の誘致と蓄積で住民の健康と地域医療を守る
──るもいコホートピア構想(北海道留萌市)
北海道留萌市は、地域住民を対象にしたコホート研究の誘致と蓄積によって住民の健康を守り、医療環境の構築と医療産業の創出をめざす「るもいコホートピア構想」を推進している。北海道内の医育大学などの協力を得てNPO法人が研究を誘致・実施し、留萌市と北海道が支援して研究活動を展開する学官民連携共同プロジェクトとして取り組んでいるのが特徴だ。大学と企業の共同研究も始まっている。
□人口減少・地域再生に挑む/吉田直幸
「写真文化首都」を掲げ、小さな町の可能性を広げる──北海道東川町
北海道のほぼ中央、道内最高峰の旭岳を仰ぎ、雄大な自然に恵まれた東川町は、地域資源を活かした「写真の町」づくりを進めている。自立の町を選択してからは、定住促進策に加え、応援町民を増やす「株主制度」を導入。また、アジアなどから日本語研修生を受け入れ、町立日本語学校も開校した。これらの取り組みが実を結び、多くの小規模町村が人口減少に悩む中、定住人口増加に成果を上げている。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
「政策推進会議」を核に、議会の政策提言を充実へ──福岡県古賀市議会
福岡県古賀市議会は10月19日、議会基本条例に基づく「政策推進会議」を開催。政策テーマを選定するため各会派・議員による発表会(プレゼンテーション)が行われた。市議会では2月、県内の議会で初めて大学とのパートナーシップ協定も締結。議会による政策提言の充実に向けて、議会改革が加速する同市議会を取材した。
連載
□続・アサノ・ネクスト 浅野史郎 1億総活躍と地方創生
□「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ/後藤好邦
仕事の質を変える3つのポイント──時間外勤務ゼロの仕事術
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 細井平洲(一) 両国の青空劇場で講義する
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□ザ・キーノート/清水真人
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□自治体政策とアナリティクス/工藤卓哉
□政策法務の視線/提中富和
□地方分権改革と自治体実務──政策法務型思考のススメ/分権型政策法務研究会
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□もっと自治力を!広がる自主研修・ネットワーク【公務員キャリアデザインスタジオ】
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『ルポ コールセンター──過剰サービス労働の現場から』仲村和代]
カラーグラビア
□自治・地域再興
[朝比奈一郎・青山社中㈱筆頭代表CEO]
真のリーダーシップ(始動力)が地方創生には不可欠
官僚時代に霞が関の構造改革を目指す「プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)」の初代代表を務め、2010年11月、日本全体の活性化を目指して「青山社中」を設立した朝比奈一郎氏。政策立案に加えリーダー養成や地域活性化に取り組む朝比奈氏は、真のリーダーシップ(始動力)が地方創生には不可欠だと強調する。
□山間海間/芥川 仁
歴史と思い出が詰まった「柿」の里──和歌山県伊都郡かつらぎ町四郷地区
□手業手技/大西暢夫
本物の洋傘はステイタス──洋傘職人・北澤良洋(長野市)
□ドキュメントW──戦火の日常を撮る/綿井健陽
空爆の下に横たわる「非対称な死」
□人と地域をつなぐ──ご当地愛キャラ
ねじり ほんにょ(宮城県栗原市)
□クローズ・アップ
職種で地域おこし協力隊を募集──鹿児島県長島町
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■DATA・BANK2015 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
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[特別企画]
□「構造化PDF」の活用で、古文書を再利用可能なオープンデータとして世界に発信!
──静岡県掛川市