目次
特集 胃がんの最新療法
メスだけではない。内視鏡、腹腔鏡、抗がん剤で治療する時代
監修・山口俊晴 癌研有明病院消化器センター長
消化器がんの中で、胃がんは、大腸がんとともに最も治りやすいがんの1つです。早期発見・早期治療が功を奏したからです。しかし、だからといって、胃がんを侮ってはいけません。早期のうちに腹膜に転移し、やっかいながん性腹膜炎になるものも少なくなく、転移・再発すればやはり厳しくなります。
したがって、大切なことは、がんを正しく把握すること。そしてその進行具合に沿って適切な治療法を見つけ、実行することです。
痛みが少なく、回復も早い腹腔鏡手術の現在
高度な技術力が必要。手術の場合、症例数の多い外科医を選べ
監修・小嶋一幸 東京医科歯科大学病院腫瘍外科講師
胃がんに対する腹腔鏡手術は、1991年に世界にさきがけて日本で開発された治療法。開腹手術に比べ体への負担が軽くて日常生活への復帰が早い、などの利点があり、一部の進行がんにまで適応が広がっている。ただし、技術が難しく、コストもかかるため、施設間、術者間の格差が大きいのが難点。今のところガイドラインでは「臨床研究」と位置づけられているが、5年生存率は開腹手術と同等の良好な結果との研究報告もあり、今後、ますます普及していく治療法といえよう。
治療困難ながん性腹膜炎の最新治療
監修・吉野茂文 山口大学大学院消化器・腫瘍外科講師
胃がんが進行すると、胃壁の表面から裏側へとしみこみ、ついには漿膜を破って腹腔内へこぼれ落ちる。このこぼれ落ちたがん細胞は腹腔内で様々な炎症をひき起こし、がん性腹膜炎となる。がん性腹膜炎になると、治療の手がなくなり、全身状態が急速に悪化する。少し前までは。しかし、今は、こうした状態でも抗がん剤治療の手がある。その最前線をご報告しよう。
ここまで進んでいる進行・再発胃がんの化学療法
監修・小泉和三郎 北里大学東病院消化器内科講師
かつて、「胃がんに効く抗がん剤はない」と言われていた。しかし、この胃がん治療は99年を境に一変。日本の医療現場にTS-1をはじめ、イリノテカン、タキソール、タキソテールなど、新しい抗がん剤が次々に登場し、奏効率、生存率が向上している。その現状と今後の展望をレポートする。
注目される消化器がんの分子標的薬の効果
監修・土井俊彦 国立がんセンター東病院内科医師
従来の抗がん剤に代わって、新しく出現した分子標的治療薬。すでに乳がんや肺がんなどで効果を上げているが、今最も注目されているのが消化器がんの分野。大腸がんを皮切りに、消化器の領域に、アバスチン、アービタックス、ハーセプチンなどの分子標的治療薬が続々と登場してきている。この現状を整理してご報告しよう。
胃がん手術後の後遺症と対策
監修・鈴木裕 東京慈恵会医科大学消化器外科医局長
取材協力・胃を切った人友の会「アルファ・クラブ」
手術法の進歩によって胃がんの治療成績は向上してきました。
半面、胃切除後の後遺症対策は、今もって十分とはいえず、
後遺症に苦しむ患者さんが後を絶ちません。
なぜ後遺症は起こるのか、不快な症状を和らげるにはどんな方法があるのか、
東京慈恵会医科大学消化管外科医局長の鈴木裕さんと、胃を切った人友の会「アルファ・クラブ」事務局長の久本剛さんらにうかがいました。
対談
吉田寿哉のリレーフォーライフ対談 第6回
ゲスト・高杉敬二 ㈱ビーエムアイ(本田美奈子.所属事務所)エグゼクティブプロデューサー
同じ境遇の人たちに勇気と希望のエールを。美奈子.はそれをライフワークに選んだ
急性骨髄性白血病を告げられ、10カ月余りの闘病生活のすえ、昨年11月6日に亡くなった歌手の本田美奈子.さん。しかし、彼女は生前、この病気を克服したら、同じ苦しみと闘っている人たちに勇気と希望のエールを送りたい。それをライフワークにしようと考えていたという。その遺志を受け継いでLIVE FOR LIFEの活動を開始した株式会社ビーエムアイエグゼクティブプロデューサーの高杉敬二さんに、人間・本田美奈子.の素顔と彼女の思いを語ってもらった。
生き方
連載 情報戦を生き抜いて「乾杯」
本田麻由美・読売新聞記者
医療
腫瘍内科の第一人者渡辺亨チームが医療サポートする
前立腺がん編―2
ステージB1。手術を避けて、放射線とホルモン療法の併用を選択
赤倉功一郎・東京厚生年金病院泌尿器科部長
腫瘍内科の第一人者渡辺亨チームが医療サポートする
原発不明がん―2
ただちに「原発のわからないがん」として治療を始めるべき
安藤正志・国立がんセンター中央病院乳腺・腫瘍内科医
患者のための抗がん剤事典・アクプラ
畠清彦・癌研有明病院化学療法部長
がん相談・乳がん・肺がん・悪性リンパ腫
がんの基礎
ハイ!赤星たみこの「がんの授業」です
第32時限目 免疫療法
患者会
患者会活動レポート・三重県乳腺患者友の会「すずらんの会」
患者会通信・「市民と共に創るホスピスケアの会」「リボンの会」
患者サポート
治癒力を引き出すがん漢方講座 第5回 福田一典
「気」とは体を動かす生命エネルギー
届け!がん患者たちの声
失ったおっぱいを取り戻したい 乳房再建に保険の全面適用を!
病気で体の一部を失えば、たとえ指1本でも心と体へのダメージは大きく、失われたものを再び取り戻したいと願うのは当然のことだろう。ましてや、乳がんで大切な乳房を失ったとしたら、その思いはなおさら強いに違いない。ところが、「もとどおりにしたい」と乳房再建の治療を受けても、保険適用にならないケースがある。「お金を持っている人でなければ乳房再建ができないなんておかしい」と、保険の全面適用を求めているのがNPO法人ブーゲンビリア(旧内田絵子と女性の医療を考える会)だ。
がん体験
私が選んだがん治療・芝崎次郎(肝内胆管がん)
生きるための時間を確保したい、高齢者の治療選択
80歳を超える高齢患者の場合、どんなことを考えて治療法を選べばいいだろうか。その治療法選択のいい見本となるのが、ここに登場していただいた芝崎次郎さんのケースだ。手術の後遺症に対する恐怖心から手術を拒んでいたが、 ひょんなきっかけから翻意することになった。その心境の変化をうかがった。
がんと生きる1・高野昌昭(自然音の専門家)
おーい、がんよ、もっと話し合おうよ
音響プランナーを経て、現在、自然素材を使った音具の製作、演奏を行う「自然音の専門家」として活躍している高野昌昭さん。
昨年2月に前立腺がんの4期と診断。自ら決めた〝20カ月〟という命のリミットの中で、音具を通した自然との対話を続けるとともに、がんの声を聞き、共生する術を発見していく。
がんと生きる2・中原レイコ(日本舞踊「錦流」宗家、錦加宝光)
白血病を乗り越え、骨髄バンク支援に立ち上がる舞踊家
病気1つしたことがなかった日本舞踊の宗家が、50を過ぎて突然、急性骨髄性白血病に。厳しい抗がん剤治療に苦しめられながらも、一命を取り留める。
その闘病を乗り越えたとき、彼女の中に同病者への支援の心が芽生えてきた。
それが骨髄バンク支援のチャリティー発表会の実現となった。
読者投稿 膵がん闘病記・小川嘉子
社会保険労務士の小川嘉子さんは、仕事に家庭に充実感を感じながら暮らしていたが、7年前人間ドックで膵嚢胞がみつかる。
毎年定期検査を受けていたが、2004年1月の検査結果をみて、すぐ入院、手術を受けた。退院後、抗がん剤治療のため再入院。1クール受けたところで、外来での治療に切り替わった。
コラム&連載
がん医療セミナーのご案内
仕事をしながら療養する
命を食べる季節を味わう
フォト・エッセイ 至福の時間
インターネットで探るがん情報
編集部の本棚
がんが扉を開いて まつばらけい
ヒーリング・コラム
イベントへの誘い
読者の交差点
バックナンバーのご案内
定期購読のご案内・編集後記
メスだけではない。内視鏡、腹腔鏡、抗がん剤で治療する時代
監修・山口俊晴 癌研有明病院消化器センター長
消化器がんの中で、胃がんは、大腸がんとともに最も治りやすいがんの1つです。早期発見・早期治療が功を奏したからです。しかし、だからといって、胃がんを侮ってはいけません。早期のうちに腹膜に転移し、やっかいながん性腹膜炎になるものも少なくなく、転移・再発すればやはり厳しくなります。
したがって、大切なことは、がんを正しく把握すること。そしてその進行具合に沿って適切な治療法を見つけ、実行することです。
痛みが少なく、回復も早い腹腔鏡手術の現在
高度な技術力が必要。手術の場合、症例数の多い外科医を選べ
監修・小嶋一幸 東京医科歯科大学病院腫瘍外科講師
胃がんに対する腹腔鏡手術は、1991年に世界にさきがけて日本で開発された治療法。開腹手術に比べ体への負担が軽くて日常生活への復帰が早い、などの利点があり、一部の進行がんにまで適応が広がっている。ただし、技術が難しく、コストもかかるため、施設間、術者間の格差が大きいのが難点。今のところガイドラインでは「臨床研究」と位置づけられているが、5年生存率は開腹手術と同等の良好な結果との研究報告もあり、今後、ますます普及していく治療法といえよう。
治療困難ながん性腹膜炎の最新治療
監修・吉野茂文 山口大学大学院消化器・腫瘍外科講師
胃がんが進行すると、胃壁の表面から裏側へとしみこみ、ついには漿膜を破って腹腔内へこぼれ落ちる。このこぼれ落ちたがん細胞は腹腔内で様々な炎症をひき起こし、がん性腹膜炎となる。がん性腹膜炎になると、治療の手がなくなり、全身状態が急速に悪化する。少し前までは。しかし、今は、こうした状態でも抗がん剤治療の手がある。その最前線をご報告しよう。
ここまで進んでいる進行・再発胃がんの化学療法
監修・小泉和三郎 北里大学東病院消化器内科講師
かつて、「胃がんに効く抗がん剤はない」と言われていた。しかし、この胃がん治療は99年を境に一変。日本の医療現場にTS-1をはじめ、イリノテカン、タキソール、タキソテールなど、新しい抗がん剤が次々に登場し、奏効率、生存率が向上している。その現状と今後の展望をレポートする。
注目される消化器がんの分子標的薬の効果
監修・土井俊彦 国立がんセンター東病院内科医師
従来の抗がん剤に代わって、新しく出現した分子標的治療薬。すでに乳がんや肺がんなどで効果を上げているが、今最も注目されているのが消化器がんの分野。大腸がんを皮切りに、消化器の領域に、アバスチン、アービタックス、ハーセプチンなどの分子標的治療薬が続々と登場してきている。この現状を整理してご報告しよう。
胃がん手術後の後遺症と対策
監修・鈴木裕 東京慈恵会医科大学消化器外科医局長
取材協力・胃を切った人友の会「アルファ・クラブ」
手術法の進歩によって胃がんの治療成績は向上してきました。
半面、胃切除後の後遺症対策は、今もって十分とはいえず、
後遺症に苦しむ患者さんが後を絶ちません。
なぜ後遺症は起こるのか、不快な症状を和らげるにはどんな方法があるのか、
東京慈恵会医科大学消化管外科医局長の鈴木裕さんと、胃を切った人友の会「アルファ・クラブ」事務局長の久本剛さんらにうかがいました。
対談
吉田寿哉のリレーフォーライフ対談 第6回
ゲスト・高杉敬二 ㈱ビーエムアイ(本田美奈子.所属事務所)エグゼクティブプロデューサー
同じ境遇の人たちに勇気と希望のエールを。美奈子.はそれをライフワークに選んだ
急性骨髄性白血病を告げられ、10カ月余りの闘病生活のすえ、昨年11月6日に亡くなった歌手の本田美奈子.さん。しかし、彼女は生前、この病気を克服したら、同じ苦しみと闘っている人たちに勇気と希望のエールを送りたい。それをライフワークにしようと考えていたという。その遺志を受け継いでLIVE FOR LIFEの活動を開始した株式会社ビーエムアイエグゼクティブプロデューサーの高杉敬二さんに、人間・本田美奈子.の素顔と彼女の思いを語ってもらった。
生き方
連載 情報戦を生き抜いて「乾杯」
本田麻由美・読売新聞記者
医療
腫瘍内科の第一人者渡辺亨チームが医療サポートする
前立腺がん編―2
ステージB1。手術を避けて、放射線とホルモン療法の併用を選択
赤倉功一郎・東京厚生年金病院泌尿器科部長
腫瘍内科の第一人者渡辺亨チームが医療サポートする
原発不明がん―2
ただちに「原発のわからないがん」として治療を始めるべき
安藤正志・国立がんセンター中央病院乳腺・腫瘍内科医
患者のための抗がん剤事典・アクプラ
畠清彦・癌研有明病院化学療法部長
がん相談・乳がん・肺がん・悪性リンパ腫
がんの基礎
ハイ!赤星たみこの「がんの授業」です
第32時限目 免疫療法
患者会
患者会活動レポート・三重県乳腺患者友の会「すずらんの会」
患者会通信・「市民と共に創るホスピスケアの会」「リボンの会」
患者サポート
治癒力を引き出すがん漢方講座 第5回 福田一典
「気」とは体を動かす生命エネルギー
届け!がん患者たちの声
失ったおっぱいを取り戻したい 乳房再建に保険の全面適用を!
病気で体の一部を失えば、たとえ指1本でも心と体へのダメージは大きく、失われたものを再び取り戻したいと願うのは当然のことだろう。ましてや、乳がんで大切な乳房を失ったとしたら、その思いはなおさら強いに違いない。ところが、「もとどおりにしたい」と乳房再建の治療を受けても、保険適用にならないケースがある。「お金を持っている人でなければ乳房再建ができないなんておかしい」と、保険の全面適用を求めているのがNPO法人ブーゲンビリア(旧内田絵子と女性の医療を考える会)だ。
がん体験
私が選んだがん治療・芝崎次郎(肝内胆管がん)
生きるための時間を確保したい、高齢者の治療選択
80歳を超える高齢患者の場合、どんなことを考えて治療法を選べばいいだろうか。その治療法選択のいい見本となるのが、ここに登場していただいた芝崎次郎さんのケースだ。手術の後遺症に対する恐怖心から手術を拒んでいたが、 ひょんなきっかけから翻意することになった。その心境の変化をうかがった。
がんと生きる1・高野昌昭(自然音の専門家)
おーい、がんよ、もっと話し合おうよ
音響プランナーを経て、現在、自然素材を使った音具の製作、演奏を行う「自然音の専門家」として活躍している高野昌昭さん。
昨年2月に前立腺がんの4期と診断。自ら決めた〝20カ月〟という命のリミットの中で、音具を通した自然との対話を続けるとともに、がんの声を聞き、共生する術を発見していく。
がんと生きる2・中原レイコ(日本舞踊「錦流」宗家、錦加宝光)
白血病を乗り越え、骨髄バンク支援に立ち上がる舞踊家
病気1つしたことがなかった日本舞踊の宗家が、50を過ぎて突然、急性骨髄性白血病に。厳しい抗がん剤治療に苦しめられながらも、一命を取り留める。
その闘病を乗り越えたとき、彼女の中に同病者への支援の心が芽生えてきた。
それが骨髄バンク支援のチャリティー発表会の実現となった。
読者投稿 膵がん闘病記・小川嘉子
社会保険労務士の小川嘉子さんは、仕事に家庭に充実感を感じながら暮らしていたが、7年前人間ドックで膵嚢胞がみつかる。
毎年定期検査を受けていたが、2004年1月の検査結果をみて、すぐ入院、手術を受けた。退院後、抗がん剤治療のため再入院。1クール受けたところで、外来での治療に切り替わった。
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