目次
【肺がん最新治療特集】
1 EGFR-TKI治療の現状 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬の開発が進行中
非小細胞肺がん・EGFR-TKIの「使い分け」と「耐性への対応」
監修●西尾誠人 がん研有明病院呼吸器内科部長
EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療は、分子標的薬であるイレッサやタルセバ、さらにはジオトリフといったEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)がキードラッグであり、これらの薬剤登場によって大きく変わってきた。一方で、当初は著効したEGFR-TKIもその効果がなくなる薬剤耐性が問題となっている。現在、その薬剤耐性を克服することが期待されている第3世代と呼ばれる新規薬剤の臨床試験が進行中だ。
2 ALK阻害薬の治療戦略 国内3番手となるALK阻害薬も開発中
新たな治療薬も登場!肺がん・ALK阻害薬の最新情報
監修●田村友秀 聖路加国際病院呼吸器センター呼吸器内科医長
ここ2~3年でALK融合遺伝子を持つ肺がん患者さんの治療環境は大きく変わった。そのきっかけとなったのが、2012年に登場したザーコリだ。さらに2014年9月には新たなALK阻害薬アレセンサも登場し、患者さんにとっては福音となっている。
3 肺がんの新規免疫療法 分子標的薬との併用で効果を高める可能性も
免疫チェックポイント阻害薬で肺がん治療はさらなる進歩へ
監修●副島研造 慶應義塾大学医学部呼吸器内科准教授
手術、抗がん薬治療、放射線療法に並び、第4の治療法として今、俄然注目を浴びているのが免疫療法だ。中でも「免疫チェックポイント阻害薬」は、肺がん領域でも、期待の持てる治療成績をあげている。
4 肺がん放射線療法 体幹部定位放射線治療(SBRT)の適応拡大を
ピンポイントで肺がんを狙い撃ち 治療効果に加えて治療期間も短縮
監修●柏原賢一 東京放射線クリニック院長
肺がんの放射線治療で注目されているのが、体幹部定位放射線治療(SBRT)だ。7~9方向から線量の高い放射線をがんに集中させ、徹底的に叩く。肺がんでは大きさにより保険適用されるケースもある。数年前に登場した放射線治療の最新兵器だ。同治療法に詳しい専門医にその現状を聞いた。
5 陽子線治療の現状 X線治療の難しいリスクの高い症例にも適応
Ⅲ期非小細胞肺がんで根治性の確保を可能とする陽子線治療
監修●秋元哲夫 国立がん研究センター東病院放射線治療科長/粒子線医学開発分野長
SBRT(体幹部定位放射線治療)、重粒子線治療と並んで注目されているのが陽子線治療。陽子線治療のメリットは、SBRTに比べて線量集中性が優れるため副作用を少なく出来ること、また重粒子線治療では適応となっていないⅢ期の肺がんにも条件つきながら対応している点である。陽子線治療の現状について専門医に聞いた。
6 重粒子線治療の現状 注目される重粒子線治療の局所制御
ステージⅠの末梢型肺がんなら1日の照射で終了
監修●山本直敬 放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院第一治療室長
肺がん治療における放射線(粒子線)治療の1つである重粒子線治療で、注目されているのが「Ⅰ期(ステージⅠ)末梢型肺がん」への適応だ。先進医療に指定され、手術を拒否する患者層にも対応している。近年注目されているのが、1日で治療が終了するプログラム。肺がんにおける重粒子線治療の研究を続けてきた専門医に聞いた。
7 高齢肺がん患者の治療 本人と家族の希望を大切に
高齢者個々に合った肺がん治療を選ぶ
監修●坪井正博 国立がん研究センター東病院呼吸器外科科長
肺がん患者さんは高齢者が多数を占める。高齢者の場合、手術、化学療法、放射線治療などの治療に関して、どのように適応を判断しているのだろうか。高齢者の肺がん治療の現状と展望について、国立がん研究センター東病院呼吸器外科科長の坪井正博さんに伺った。
8 肺がんの呼吸リハビリ 医療だけではない日常生活の対応も大切
肺がん緩和期の適切なリハビリとケア
監修●吉澤明孝 要町病院副院長
肺がん患者さんが悩まされる息苦しさ……その原因には低酸素や呼吸困難感がある。それらを突き止めて適切な処置をしないと、患者さんの苦痛はなかなか治まらない。肺がんや肺転移に伴う呼吸リハビリテーションは病期に応じて様々な方法があるが、ここでは、Ⅳ期など緩和ケアの段階での対応を紹介する。
9 肺がん市民フォーラム「3期、4期でもあきらめない」採録レポート
今後について決めるときに一番大事なのは「希望」
取材・文●「がんサポート」編集部
弊社主催の肺がん市民フォーラム「3期、4期でもあきらめない」が、昨年(2014年)11月24日、都内で開催されました。第1部では、「最新の肺がん診療―標準治療と個別化治療」「在宅治療中の日常生活と服薬についての注意点」「在宅治療中の副作用対策―皮膚症状のコントロールについて」と題して、それぞれ専門家の講演が行われました。
また、第2部「パネルディスカッション:患者さんからのQ&A」では、事前に寄せられた肺がんの治療・副作用などの質問に対し、講演者からの回答が開示されました。このパネルディスカッションには肺がん患者さんも加わりました。子宮頸がんの体験者である元日本テレビアナウンサーで、現在フリーアナウンサーとして活躍する山本舞衣子さんが司会・コーディネータ役を務めました。以下、同フォーラムの概要を紹介します。
【医療】
凄腕の医療人
脂肪移植で失った乳房を取り戻す 乳房再建の新しい道を開拓
凄腕の医療人●吉村浩太郎 東京大学医学部形成外科講師
自分自身の下腹部や太ももなどから脂肪組織を吸引し、乳がん摘出手術で失った乳房に移植して組織を再生させる――女性にとって夢のように負担の少ない乳房再建術が実現した。つい数年前まで不可能とされていた脂肪移植による乳房再建術。再生医療も絡むこの領域で世界を牽引するのが東京大学医学部附属病院形成外科・美容外科であり、その先頭に立つのが今回の凄腕の医療人、同科講師の吉村浩太郎さんだ。
がんのチーム医療・施設訪問
「看取る」本当の意味を追求 医師・看護師らの密な情報交換が命
●要町病院/要町ホームケアクリニック(東京都豊島区)
東京の大ターミナル駅・池袋から地下鉄で1駅の駅前、池袋から歩いても20分ほどの幹線道路沿いに建つ真紅の6階建てが要町病院だ。1957年開業の地域に浸透している同院では、1994年から在宅医療も行うようになり、とくにがんの患者さんを多く診療している。医師、看護師らは密な情報交換を通じて、より患者さんや家族の心に沿うことを目指している。
サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2014)リポート
主な臨床試験結果の概要紹介
取材・文●「がんサポート」編集部
2014年サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2014)が、12月9-13日の日程で、米テキサス州サンアントニオで開催されました。同シンポジウムで報告された主な臨床試験の概要を紹介します。
患者のためのがんの薬事典
ベルケイド(一般名ボルテゾミブ)多発性骨髄腫の1次治療薬
監修●竹迫直樹 災害医療センター血液内科部長
多発性骨髄腫(MM)の治療は、1980年以前はMP療法しか選択肢がありませんでしたが、80年代に抗がん薬を用いたVAD療法が出現、90年代には自家末梢血幹細胞移植が登場しました。ベルケイドは、2006年に登場した分子標的薬で、その効果の高さから現在唯一、1次治療の標準治療となっています。
【対談】
鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談
バイオマーカーによる乳がんの完全な診断システムは今年完成します
●落谷孝広さん(国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野長)(後編)
母乳中のマイクロRNAの働きから、マイクロRNAバイオマーカーを着想した落谷孝広氏の話は、医学の最先端分野の話でありながら、読者にもわかりやすい話になっており、鎌田さんもどんどん引き込まれた。21世紀のがん検診法とも言うべきバイオマーカーが、健康診断にまで広がったとき、がん治療の世界も変わる――。
【生き方】
私の生きる道 声が出ない日々――。廃業の恐怖と隣り合わせでした
喉頭がんで一時的に声を失ったものの、見事「笑点」に復帰した落語家の林家木久扇さん(77歳)
噺家にとって声は命。とくに林家木久扇さんの声は、多種多様なギャグや物まねを演じきることができる超一級の声である。喉頭がんが見つかって放射線治療を受けることになった木久扇さんは、76歳という年齢で、この命にも等しい声を一時的に失うことを余儀なくされた。
がんと生きる がんを隠さず、オープンに生きると闘う力が湧いてくる
●水野ゆきさん(障害者送迎車添乗員)
肺がんが、がん死亡率第1位といわれるようになって久しい。そんななか、7年前にステージⅢBの進行性肺線がんを発症。アレルギーや喘息の持病を抱えながらも、手術と化学療法によって生還し、元気に暮らしている人がいる。埼玉県在住の水野ゆきさん(61歳)。穏やかな笑顔が印象的な女性だ。
【患者サポート】
がん相談 骨肉腫/骨軟部肉腫・精巣腫瘍・肺がん
骨肉腫/骨軟部肉腫●回答者:川井 章・国立がん研究センター中央病院希少がんセンター長
精巣腫瘍●回答者:古賀文隆・都立駒込病院腎泌尿器外科医長
肺がん●回答者:久保田 馨・日本医科大学付属病院がん診療センター長
がんとボクと先生と (7)やっと肝転移の手術を決意
●福原正美(言語学講師)/織畑剛太郎(おりはた乳腺胃腸パラスクリニック院長)
ある日、突然がん患者になった言語学講師の福原正美さんが、主治医の織畑剛太郎さんとどうコミュニケーションを取りながら、がんと向き合っていったのか──。手術後、そろそろ肝臓の転移の手術をする時期と告げられた福原さん……。
わたしの町の在宅クリニック 何よりもその人らしさを大切に――。在宅での療養を支える
●関本クリニック
麻酔科医として病院に勤務していた関本雅子さんは、請われて六甲病院(神戸市)のホスピス病棟立ち上げに携わり、ホスピス医長を務めた。ホスピス病棟から自宅に戻った患者さんを訪問した際に、病室と家とで患者さんの表情が全く違うのを目の当たりにして、関本さんは「患者さんがその人らしくいられるご自宅で診たい」という思いを募らせ、2001年10月、神戸市灘区で関本クリニックを開設した。
聞いて! 私たち患者の声
〝働くがん患者〟になるための3つのポイントを提言
●仕事を続ける肺がん患者さんの取り組み 「がんと共に働く」をライフワークに
医療の進歩で、がんは不治の病とは限らなくなり、治療しながら仕事を続けるのが可能な時代になっています。しかし現実には、がんになって退職を余儀なくされたり、再就職ができないなどの困難に直面している人も少なくありません。そこで、がんの患者さん自身が始めたのが、「がんと共に働く」ことを自ら実践する中で、がんと就労を取り巻く環境をよくしていこうという活動です。
私が目指すがん医療
泌尿器がんの治療で、海外医療支援で、求められる場で最新最善を目指します
●光森健二さん 大阪赤十字病院泌尿器科副部長
大阪赤十字病院の光森健二さんは、泌尿器科部の医師としての業務を行いながら、ウガンダやハイチなどの海外医療支援に赴いている。がん治療医としては少し珍しい経歴の持ち主だ。主治医として患者さんを診ながらの活動に、どのような意義や思いがあるのか聞いた。
がん哲学外来 目下の急務がわかれば不安はなくなる
●樋野興夫・順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授
がんになって人生にもやがかかった(A・Y さん、会社役員 61歳)
1 EGFR-TKI治療の現状 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬の開発が進行中
非小細胞肺がん・EGFR-TKIの「使い分け」と「耐性への対応」
監修●西尾誠人 がん研有明病院呼吸器内科部長
EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療は、分子標的薬であるイレッサやタルセバ、さらにはジオトリフといったEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)がキードラッグであり、これらの薬剤登場によって大きく変わってきた。一方で、当初は著効したEGFR-TKIもその効果がなくなる薬剤耐性が問題となっている。現在、その薬剤耐性を克服することが期待されている第3世代と呼ばれる新規薬剤の臨床試験が進行中だ。
2 ALK阻害薬の治療戦略 国内3番手となるALK阻害薬も開発中
新たな治療薬も登場!肺がん・ALK阻害薬の最新情報
監修●田村友秀 聖路加国際病院呼吸器センター呼吸器内科医長
ここ2~3年でALK融合遺伝子を持つ肺がん患者さんの治療環境は大きく変わった。そのきっかけとなったのが、2012年に登場したザーコリだ。さらに2014年9月には新たなALK阻害薬アレセンサも登場し、患者さんにとっては福音となっている。
3 肺がんの新規免疫療法 分子標的薬との併用で効果を高める可能性も
免疫チェックポイント阻害薬で肺がん治療はさらなる進歩へ
監修●副島研造 慶應義塾大学医学部呼吸器内科准教授
手術、抗がん薬治療、放射線療法に並び、第4の治療法として今、俄然注目を浴びているのが免疫療法だ。中でも「免疫チェックポイント阻害薬」は、肺がん領域でも、期待の持てる治療成績をあげている。
4 肺がん放射線療法 体幹部定位放射線治療(SBRT)の適応拡大を
ピンポイントで肺がんを狙い撃ち 治療効果に加えて治療期間も短縮
監修●柏原賢一 東京放射線クリニック院長
肺がんの放射線治療で注目されているのが、体幹部定位放射線治療(SBRT)だ。7~9方向から線量の高い放射線をがんに集中させ、徹底的に叩く。肺がんでは大きさにより保険適用されるケースもある。数年前に登場した放射線治療の最新兵器だ。同治療法に詳しい専門医にその現状を聞いた。
5 陽子線治療の現状 X線治療の難しいリスクの高い症例にも適応
Ⅲ期非小細胞肺がんで根治性の確保を可能とする陽子線治療
監修●秋元哲夫 国立がん研究センター東病院放射線治療科長/粒子線医学開発分野長
SBRT(体幹部定位放射線治療)、重粒子線治療と並んで注目されているのが陽子線治療。陽子線治療のメリットは、SBRTに比べて線量集中性が優れるため副作用を少なく出来ること、また重粒子線治療では適応となっていないⅢ期の肺がんにも条件つきながら対応している点である。陽子線治療の現状について専門医に聞いた。
6 重粒子線治療の現状 注目される重粒子線治療の局所制御
ステージⅠの末梢型肺がんなら1日の照射で終了
監修●山本直敬 放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院第一治療室長
肺がん治療における放射線(粒子線)治療の1つである重粒子線治療で、注目されているのが「Ⅰ期(ステージⅠ)末梢型肺がん」への適応だ。先進医療に指定され、手術を拒否する患者層にも対応している。近年注目されているのが、1日で治療が終了するプログラム。肺がんにおける重粒子線治療の研究を続けてきた専門医に聞いた。
7 高齢肺がん患者の治療 本人と家族の希望を大切に
高齢者個々に合った肺がん治療を選ぶ
監修●坪井正博 国立がん研究センター東病院呼吸器外科科長
肺がん患者さんは高齢者が多数を占める。高齢者の場合、手術、化学療法、放射線治療などの治療に関して、どのように適応を判断しているのだろうか。高齢者の肺がん治療の現状と展望について、国立がん研究センター東病院呼吸器外科科長の坪井正博さんに伺った。
8 肺がんの呼吸リハビリ 医療だけではない日常生活の対応も大切
肺がん緩和期の適切なリハビリとケア
監修●吉澤明孝 要町病院副院長
肺がん患者さんが悩まされる息苦しさ……その原因には低酸素や呼吸困難感がある。それらを突き止めて適切な処置をしないと、患者さんの苦痛はなかなか治まらない。肺がんや肺転移に伴う呼吸リハビリテーションは病期に応じて様々な方法があるが、ここでは、Ⅳ期など緩和ケアの段階での対応を紹介する。
9 肺がん市民フォーラム「3期、4期でもあきらめない」採録レポート
今後について決めるときに一番大事なのは「希望」
取材・文●「がんサポート」編集部
弊社主催の肺がん市民フォーラム「3期、4期でもあきらめない」が、昨年(2014年)11月24日、都内で開催されました。第1部では、「最新の肺がん診療―標準治療と個別化治療」「在宅治療中の日常生活と服薬についての注意点」「在宅治療中の副作用対策―皮膚症状のコントロールについて」と題して、それぞれ専門家の講演が行われました。
また、第2部「パネルディスカッション:患者さんからのQ&A」では、事前に寄せられた肺がんの治療・副作用などの質問に対し、講演者からの回答が開示されました。このパネルディスカッションには肺がん患者さんも加わりました。子宮頸がんの体験者である元日本テレビアナウンサーで、現在フリーアナウンサーとして活躍する山本舞衣子さんが司会・コーディネータ役を務めました。以下、同フォーラムの概要を紹介します。
【医療】
凄腕の医療人
脂肪移植で失った乳房を取り戻す 乳房再建の新しい道を開拓
凄腕の医療人●吉村浩太郎 東京大学医学部形成外科講師
自分自身の下腹部や太ももなどから脂肪組織を吸引し、乳がん摘出手術で失った乳房に移植して組織を再生させる――女性にとって夢のように負担の少ない乳房再建術が実現した。つい数年前まで不可能とされていた脂肪移植による乳房再建術。再生医療も絡むこの領域で世界を牽引するのが東京大学医学部附属病院形成外科・美容外科であり、その先頭に立つのが今回の凄腕の医療人、同科講師の吉村浩太郎さんだ。
がんのチーム医療・施設訪問
「看取る」本当の意味を追求 医師・看護師らの密な情報交換が命
●要町病院/要町ホームケアクリニック(東京都豊島区)
東京の大ターミナル駅・池袋から地下鉄で1駅の駅前、池袋から歩いても20分ほどの幹線道路沿いに建つ真紅の6階建てが要町病院だ。1957年開業の地域に浸透している同院では、1994年から在宅医療も行うようになり、とくにがんの患者さんを多く診療している。医師、看護師らは密な情報交換を通じて、より患者さんや家族の心に沿うことを目指している。
サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2014)リポート
主な臨床試験結果の概要紹介
取材・文●「がんサポート」編集部
2014年サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2014)が、12月9-13日の日程で、米テキサス州サンアントニオで開催されました。同シンポジウムで報告された主な臨床試験の概要を紹介します。
患者のためのがんの薬事典
ベルケイド(一般名ボルテゾミブ)多発性骨髄腫の1次治療薬
監修●竹迫直樹 災害医療センター血液内科部長
多発性骨髄腫(MM)の治療は、1980年以前はMP療法しか選択肢がありませんでしたが、80年代に抗がん薬を用いたVAD療法が出現、90年代には自家末梢血幹細胞移植が登場しました。ベルケイドは、2006年に登場した分子標的薬で、その効果の高さから現在唯一、1次治療の標準治療となっています。
【対談】
鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談
バイオマーカーによる乳がんの完全な診断システムは今年完成します
●落谷孝広さん(国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野長)(後編)
母乳中のマイクロRNAの働きから、マイクロRNAバイオマーカーを着想した落谷孝広氏の話は、医学の最先端分野の話でありながら、読者にもわかりやすい話になっており、鎌田さんもどんどん引き込まれた。21世紀のがん検診法とも言うべきバイオマーカーが、健康診断にまで広がったとき、がん治療の世界も変わる――。
【生き方】
私の生きる道 声が出ない日々――。廃業の恐怖と隣り合わせでした
喉頭がんで一時的に声を失ったものの、見事「笑点」に復帰した落語家の林家木久扇さん(77歳)
噺家にとって声は命。とくに林家木久扇さんの声は、多種多様なギャグや物まねを演じきることができる超一級の声である。喉頭がんが見つかって放射線治療を受けることになった木久扇さんは、76歳という年齢で、この命にも等しい声を一時的に失うことを余儀なくされた。
がんと生きる がんを隠さず、オープンに生きると闘う力が湧いてくる
●水野ゆきさん(障害者送迎車添乗員)
肺がんが、がん死亡率第1位といわれるようになって久しい。そんななか、7年前にステージⅢBの進行性肺線がんを発症。アレルギーや喘息の持病を抱えながらも、手術と化学療法によって生還し、元気に暮らしている人がいる。埼玉県在住の水野ゆきさん(61歳)。穏やかな笑顔が印象的な女性だ。
【患者サポート】
がん相談 骨肉腫/骨軟部肉腫・精巣腫瘍・肺がん
骨肉腫/骨軟部肉腫●回答者:川井 章・国立がん研究センター中央病院希少がんセンター長
精巣腫瘍●回答者:古賀文隆・都立駒込病院腎泌尿器外科医長
肺がん●回答者:久保田 馨・日本医科大学付属病院がん診療センター長
がんとボクと先生と (7)やっと肝転移の手術を決意
●福原正美(言語学講師)/織畑剛太郎(おりはた乳腺胃腸パラスクリニック院長)
ある日、突然がん患者になった言語学講師の福原正美さんが、主治医の織畑剛太郎さんとどうコミュニケーションを取りながら、がんと向き合っていったのか──。手術後、そろそろ肝臓の転移の手術をする時期と告げられた福原さん……。
わたしの町の在宅クリニック 何よりもその人らしさを大切に――。在宅での療養を支える
●関本クリニック
麻酔科医として病院に勤務していた関本雅子さんは、請われて六甲病院(神戸市)のホスピス病棟立ち上げに携わり、ホスピス医長を務めた。ホスピス病棟から自宅に戻った患者さんを訪問した際に、病室と家とで患者さんの表情が全く違うのを目の当たりにして、関本さんは「患者さんがその人らしくいられるご自宅で診たい」という思いを募らせ、2001年10月、神戸市灘区で関本クリニックを開設した。
聞いて! 私たち患者の声
〝働くがん患者〟になるための3つのポイントを提言
●仕事を続ける肺がん患者さんの取り組み 「がんと共に働く」をライフワークに
医療の進歩で、がんは不治の病とは限らなくなり、治療しながら仕事を続けるのが可能な時代になっています。しかし現実には、がんになって退職を余儀なくされたり、再就職ができないなどの困難に直面している人も少なくありません。そこで、がんの患者さん自身が始めたのが、「がんと共に働く」ことを自ら実践する中で、がんと就労を取り巻く環境をよくしていこうという活動です。
私が目指すがん医療
泌尿器がんの治療で、海外医療支援で、求められる場で最新最善を目指します
●光森健二さん 大阪赤十字病院泌尿器科副部長
大阪赤十字病院の光森健二さんは、泌尿器科部の医師としての業務を行いながら、ウガンダやハイチなどの海外医療支援に赴いている。がん治療医としては少し珍しい経歴の持ち主だ。主治医として患者さんを診ながらの活動に、どのような意義や思いがあるのか聞いた。
がん哲学外来 目下の急務がわかれば不安はなくなる
●樋野興夫・順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授
がんになって人生にもやがかかった(A・Y さん、会社役員 61歳)
商品情報・内容
- 出版社:エビデンス社
- 発行間隔:月刊
■ 信頼度NO.1のがん実用誌!がんと生きるすべての人を応援します。
がんサポートは、世界最新の科学的根拠(エビデンス)に基づいた視点から、良質な正しい医療情報を厳選し、提供していきます。エビデンス(Evidence)とは、根拠があって明白な証拠、を意味する英語。常に信頼の置ける情報と知識を提供することを使命と考えます。がんサポートは、がん患者さん・ご家族の方々の求めに応えるために、がん患者さんやがん患者団体の代表の方に企画に参加していただき、と同時にがん患者(読者)参加記事をできるだけ多くして、患者さんと共に考え編集していく考えです。患者さんにやさしい雑誌にしようと、できるだけ軽くて、環境にもやさしい用紙を用い、文字も大きくしました。「役立つ・読みやすい・わかりやすい・支え・癒し」をモットーに編集していきます。
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