【最新大腸がん特集】
1 大腸がんの基礎知識 大腸がんはどんな病気?
大腸がんは早期発見の場合 9割が治る!
編集●「がんサポート」編集部
国立がん研究センターが昨年(2015年)4月に発表した2015年のがん患者数の推計で、これまで3位だった大腸がんが、胃がん、肺がんを抜いてトップになった。増加傾向にある大腸がんについて、基礎から治療までをまとめた。
2 人工肛門のほうが良いケースも。手術選択は慎重に
究極の肛門温存術「ISR」 治療成績とその適応は?
監修●船橋公彦 東邦大学医療センター大森病院一般・消化器外科教授
たとえ肛門に近い部位にがんができたとしても、肛門を温存することができる手術法がある。それが、肛門括約筋の一部を切除する「内肛門括約筋切除術」、いわゆるISRと呼ばれる手術だ。「究極の肛門温存術」とも言われるが、どんな人にも向いているわけではない。その適応は?治療成績は?専門家に話を聞いた。
3 基本的には治療ガイドラインに沿って治療
高齢者の大腸がん治療では 併存疾患対策を十分に
監修●中野大輔 がん・感染症センター都立駒込病院大腸外科
大腸がんの罹患率は50歳代から増加し、高齢になるほど高くなる。近年、高齢で大腸がんになる患者の数は増え続けている。では、高齢者が大腸がんになった場合、治療法は若年者と違うのだろうか。治療を受ける際、気をつけるべきポイントは何だろうか。高齢者における大腸がん治療上の注意点を聞いた。
4 側方郭清を省略しても治療成績は同じ
局所再発を抑える 下部直腸がんの術前化学放射線療法
監修●川合一茂 東京大学医学部附属病院腫瘍外科講師
局所進行した下部直腸がんでは、手術時に直腸の左右にある側方リンパ節を切除する側方郭清が標準治療となっている。ただ、直腸周辺には、排尿や性機能などに関わる大事な神経が走っているため、側方郭清を行う際に傷つけてしまう可能性がゼロではない。そうした中、注目されているのが側方郭清を省略して術前に化学放射線療法を行う治療法だ。
5 ステージⅢ(III)と再発リスクの高いステージⅡ(II)が対象に
大腸がん術後補助化学療法は、再発リスクを考慮して行う
監修●鶴田雅士 慶應義塾大学医学部外科学教室(一般・消化器)助教
大腸がんは手術でがんを取り切ることができれば、他のがん種よりも治癒率が高い。しかし、進行がんでは、CTやPETでも捉えられない微小ながんが残されている可能性が高く、これが再発のもとになる。そのリスクを下げるのが、手術後に抗がん薬を投与する術後補助化学療法だ。効果と副作用、ライフスタイルなどを踏まえ、患者にとってベストな治療法を選びたいものだ。
6 ストーマの専門家に相談を
化学療法中のストーマ対策は ストーマ周囲のスキンケアから
監修●工藤礼子 国立がん研究センター中央病院看護部皮膚・排泄ケア認定看護師
大腸がん治療では、術前、あるいは術後に抗がん薬や分子標的薬による化学療法を実施することが一般的な治療法として普及してきている。ただし、化学療法を行うと、皮膚障害、下痢、末梢神経障害など多様な副作用が現れることも少なくなく、ストーマ保有者には大きな問題となる。一方、抗がん薬治療を受けた患者の排泄物による曝露対策も、患者とその家族にとって重要な問題である。
【医療】
凄腕の医療人 がん治療の最前線 温かい眼差しで患者を見守る
●中山優子 神奈川県立がんセンター放射線治療部部長
2015年12月、日本で5番目、がん専門病院としては初の重粒子線治療施設『i-ROCK(ion-beam Radiation Oncology Center in Kanagawa)』を開設し、他の放射線治療装置とともに総合的にきめ細かい放射線治療を目指す神奈川県立がんセンター。その放射線治療の責任者として日々患者のための診療に励む、放射線治療部部長の中山優子さんに話を聞いた。
がんのチーム医療・施設訪問 新設のブレストセンター チームを率いるのは3人の医師
●川口工業総合病院ブレストセンター(埼玉県川口市)
荒川を渡れば東京という埼玉県川口市。かつては映画『キューポラのある町』で描かれたような鋳物生産の町だったが、今は高層マンションが林立する住宅街となっている。地域医療で重要な役割を担うのは今も昔も川口工業総合病院だ。同院では機能を高めるため、2015年12月に乳がんを専門に扱うブレストセンターを立ち上げた。
医学会レポート ~2016年米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO GI2016)から~
編集●「がんサポート」編集部
1月下旬に米サンフランシスコで開かれた2016年米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO GI2016)から、プレスリリースをもとに話題を拾った。
臨床試験ガイド 1 治験を受けられるのは〝代表選手〟 意義、メリット、デメリットを理解して参加
監修●宋 菜緒子 がん研有明病院臨床試験・研究センター臨床研究コーディネーター主任・看護師
臨床試験や治験というと、言葉は知っていても、どのように行われているのかよく知らない、自分とは縁遠いものだ、と思っている患者や家族も多い。近年は免疫チェックポイント阻害薬に代表される新薬の研究が相次いでおり、医療機関に持ち込まれる治験の数も増えている。2回にわたり、臨床試験、とくに新薬を対象とした治験について分かりやすく解説する。
患者のためのがんの薬事典 奏効率の高い第1選択薬に、第2、第3選択薬が続く GIST(消化管間質腫瘍)の治療薬
監修●尾阪将人 がん研有明病院消化器センター肝胆膵内科副医長
GIST(消化管間質腫瘍)の治療は、手術による切除が第1選択です。発見されにくい腫瘍であるため、切除できない状態で治療を開始する場合も少なくありませんが、2003年に承認された治療薬グリベックは奏効率が8割近く、万一耐性ができても、第2、第3の選択薬が2剤あり、GIST患者の生存期間を延ばしています。
【対談】
鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談 「糖質」の摂取が、がんに一番悪いと思います
●福田一典さん(銀座東京クリニック院長)・後編
がん細胞へのブドウ糖の補給を絶つ「ケトン食」で、がん医療に新たなアプローチをしている銀座東京クリニック院長の福田一典さん。今月号では、がん患者さんに適したケトン食の具体例や、ケトン食はがん予防にも効果があるらしいという興味深い話も伺った。
【生き方】
私の生きる道 がんになって初めて、人生の区切りを実感しました
●議員中に大腸がんを経験した、医師であり元厚生労働大臣の坂口 力さん(82歳)
坂口力さんが大腸の回盲部にがんが見つかったのは、厚生労働大臣を退任した5年後の2009年のことだ。手術をし、その後化学療法を行うかどうか、主治医は自らも医師である坂口さんに、その判断を委ねた。「それでは、私は化学療法を行いません」。坂口さんは躊躇することなく、そう答えたという。
がん闘病記 4 「思えば遠くに来たもんだ」 1
●泉 幸夫さん
悪性リンパ腫発症後1年、今度は大腸がんを発症した男の人生の仕舞い方
【患者サポート】
がん相談 乳がん放射線治療/子宮体がん/胃がん
乳がん放射線治療●回答者:関口建次・苑田会放射線クリニック副院長
子宮体がん●回答者:織田克利・東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座生殖腫瘍学准教授
胃がん●回答者:山口俊晴・がん研有明病院長
症状別おすすめ・レシピ (12)食欲不振の方の食事
レシピ・料理製作●渡邊太一 国立がん研究センター東病院栄養管理室 管理栄養士
食欲不振の原因は、消化吸収機能の低下やがん治療の副作用症状など様々です。いつでもとれる間食を用意しておくと手軽に栄養補給できます。
がん哲学外来 今月の言葉「偉大なものの源流は 驚くほど小さい」
●樋野興夫・順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授
がん患者さんの力になりたい(Y・T さん、会社役員 53歳)
がんサポートの内容
- 出版社:エビデンス社
- 発行間隔:月刊
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