目次
がんの分子標的薬特集
特集1 分子標的薬の基礎知識
これだけは知っておきたい分子標的薬の基礎知識
分子標的薬ががん治療に新しい流れをもたらす
監修・石岡千加史 東北大学加齢医学研究所癌化学療法研究分野教授
がんの薬物療法といえば従来の抗がん剤による治療だけと思われている患者さんもいることだろう。確かに抗がん剤には違いないが、これからの薬物療法の中心は新しいタイプの抗がん剤、つまり分子標的薬が中心となりつつある。分子標的薬の登場は、抗がん剤治療に大きな影響をもたらし、さまざまな恩恵が期待できるという。
特集2 乳がんの分子標的薬
乳がんの最新分子標的治療
進行再発がんのみならず、術後の再発予防にも用い、薬のタイプも種々出現
監修・戸井雅和 京都大学医学部付属病院乳腺外科教授
乳がんの薬物療法は、分子標的薬の登場によって、飛躍的な効果を上げている。しかし、その一方では、高度化・複雑化し、次第にブラックボックス化しつつある。そうした新しい分子標的薬の時代にあって、患者さんはどう向き合えばいいのだろうか。
特集3 肺がんの分子標的薬
肺がんの分子標的薬はサードラインで使うのが標準的
間質性肺疾患の合併に気をつければ、間質性肺炎は防げる
監修・大江裕一郎 国立がんセンター中央病院特殊病棟部医長
イレッサの副作用が社会問題として取り上げられたのは記憶に新しい。けれども、上手に使えば劇的な効果が見られるのも事実だ。現在、肺がんの分子標的薬はどのように使われているのだろうか。国立がんセンター中央病院特殊病棟部医長の大江裕一郎さんに解説いただいた。
特集4・大腸がんの分子標的薬
目覚ましい進歩をとげる大腸がんの分子標的治療
大腸がん治療薬5剤を用いて30カ月の生存期間延長が可能になった
監修・水沼信之 癌研有明病院化学療法科副部長
手術による治癒が難しい進行・再発の大腸がんに対する化学療法が、ここ数年の間に目覚ましい進歩をとげ、生存期間を大幅に延長できるまでになってきた。立役者となっているのは、アバスチン(一般名ベバシズマブ)、アービタックス(一般名セツキシマブ)といった分子標的薬である。
特集5・腎がんの分子標的薬
分子標的薬が変える腎がんの治療地図
副作用を抑えて、がんとの共存生活を支える新薬など登場
監修・篠原信雄 北海道大学大学院医学研究科腎泌尿器外科准教授
今年4月から転移性腎がんに新しい分子標的薬が使えるようになった。インターフェロンなどのサイトカイン治療が効かなくなると、もはや打つ手がなかったこのがんに希望の灯がともった。副作用も比較的穏和で、がんと共存しながらも、普通の生活を送れる。その新薬がネクサバールだ。
特集6 白血病の分子標的薬
分子標的薬の登場で大きく変わる白血病治療
グリベックの10倍以上の効力を持つ新しい分子標的薬も近々承認
監修・畠 清彦 癌研有明病院新薬開発臨床センター長
分子標的薬のグリベックの登場で慢性骨髄性白血病の治療法は従来の治療法から大きく変わることになった。グリベックを服用した実に95パーセントの人が5年後も健在なのだ。だが、「これほど効く」グリベックでも、長期服用すれば耐性が現れ、薬の効果は薄くなり、いずれ効かなくなる。しかし、グリベックに続く新しい分子標的薬も登場し、近々承認される見通しになっている。その新薬開発最前線で活躍する癌研有明病院新薬開発臨床センター長の畠清彦さんに白血病治療の現状と今後の展望について聞いた。
放射線トピック
放射線治療に新たな可能性を開くVMAT
IMRTを超える最新技術で、高い治療効果と軽い患者負担
監修・中川恵一 東京大学病院放射線科准教授
現在、欧米で主流になっている放射線治療の先端技術であるIMRT(強度変調放射線治療)を超える最新技術が、東京大学とエレクタ社で開発され、近々臨床の現場で応用されようとしている。この技術によって、より高い治療効果とより軽い患者負担が得られるという。
日本臨床腫瘍学会詳報
その人に最適のテーラーメード医療の実現に向けて
より高い効果、より少ない副作用のがん治療を目指して着々と
3月20日、21日と福岡市の福岡国際会議場で第6回日本臨床腫瘍学会が開かれた。ここ数年、分子標的治療薬が次々と承認され、がんの薬物療法は大きく変わりつつある。
今回の学会では、遺伝子レベルの研究から、抗がん剤のテーラーメード医療の実現、さらに新たな角度からのがん治療薬の開発などが期待された。その一方で分子標的治療薬の問題点も指摘された。
骨転移最新レポート
骨転移治療中に口に異常を感じたら早めに主治医に相談を
ビスホスホネート剤投与による顎骨骨髄炎・骨壊死は、早期からの抗生物質投与で治療ができる可能性が
監修・大田洋二郎 静岡がんセンター口腔外科部長 渡邊純一郎・静岡がんセンター女性内科医長
進行がんの骨転移治療にビスホスホネートがきわめて有効であることが知られている。ところが、この治療ではおよそ100人に1人の割合で顎骨壊死という対応に苦慮する副作用が起こるという。いち早くこの問題に注目し、対策をはかっている静岡県立静岡がんセンター口腔外科部長の大田洋二郎さんと女性内科医長の渡邉純一郎さんに、顎骨壊死への取り組みについてうかがった。
ここまで進んだがんの「テーラーメード型ペプチドワクチン療法」
医薬品としての承認申請を目指した臨床試験が始まった
監修・山田亮 久留米大学先端癌治療研究センターがんワクチン分子部門教授
久留米大学医学部免疫学教室では90年代から精力的にがんワクチンの研究を続けてきた。その努力の積み重ねによって生み出されたのが、テーラーメード型がんペプチドワクチン療法。今回、このテーラーメード型がんペプチドワクチン療法と抗がん剤の併用が、高い効果を示すことが示された。こうしたデータを元に、医薬品としての承認申請を目指した臨床試験も開始されている。
がんのリハビリテーション2
嚥下障害、発声障害の効果的なリハビリ法
頭頸部がんの周術期リハビリテーション。こうすればQOLは向上する
監修・辻哲也 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室講師
頭頸部がんの手術後に起こるのが、食べ物を飲み込めなくなったり、むせたりする「嚥下障害」や、話すのが困難になる「発声障害」。嚥下障害は誤嚥性肺炎や窒息など命にかかわるトラブルに至りかねないし、発声障害は社会復帰への大きな妨げとなる。がんのリハビリテーションの第1人者である慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室専任講師の辻哲也さんに、効果的なリハビリ法を聞いた。
腫瘍内科研修物語3
患者さんに病状と見通しをきちんと説明することの大切さを学ぶ
内科・外科合同カンファレンスでの徹底討論から「内科の真髄」を体得する
監修・渡辺亨 浜松オンコロジーセンター長
Sがんセンターの臨床研修医に採用されて1カ月。福沢早苗医師はインフォームド・コンセントの大切さを身をもって体験する。また、月1回開かれている、内科・外科合同カンファレンスを楽しみに待っていた。口角泡を飛ばす激しい議論が展開される会議のなかで個人に合ったベストの治療を提供するのが腫瘍内科医だと実感させられた。
診断の名人が伝授する検査画像の見方・読み方
第20回 虫垂がん・注腸検査/CT検査
陰の輪郭、かたまり具合、色調の濃淡を見つける
監修・森山紀之 国立がんセンターがん予防・検診研究センター長
患者プロフィール
58歳の女性Pさん。右下腹部の鈍痛がしばしば起こり、退く気配がないので、近くの病院にて受診。エックス線注腸検査により、上行結腸の下部に腫瘍とおぼしき陰が写った。CT検査による精密検査を追加して、虫垂がんと確認された。国立がんセンターを紹介され、手術を受けた
対談
鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談
医師に「神懸かり的患者」と言われた男の闘病哲学
がん手術6回を乗り越えた金融マンのあきらめない・投げ出さない」人生
関原健夫(日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー(株)社長)
旧日本興業銀行のエリート行員としてニューヨーク支店に派遣され、「ライジング・サン」と言われた日本の金融マンとしての誇りを持って仕事に邁進していた関原健夫さんが、大腸がんと診断されたのは24年前のことだ。
最初の手術をニューヨークで受けて以来、がん手術6回、心臓手術2回。医師に「神懸かり的」と言われた関原さんは、現在、資本金429億円の大企業の社長として活躍している。その闘病哲学をうかがった。
私の生きる道
肺がんが教えてくれた生きるヒント
放射線治療専門医が34歳でがんに。アフラックのCMで有名になった加藤大基さん
加藤大基さん・東京大学医学部付属病院放射線科
放射線科の医師である加藤大基さんは34歳のとき肺にがんが見つかった。しかもそのがんを最初に発見したのは胸部レントゲン写真を見た彼自身だった。
様々な検査を受けていくうちに悪性が疑われていた。が、幸いにして転移性である可能性は低くかった。そこで加藤さんは東大病院に患者として入院し、摘出手術を受けることになった。
改めて誰もが年齢に関係なくがんになる可能性のあることを認識させられた。
この思いもかけない事態を加藤さんはどう受け入れ、どう対処していったのだろう。
がんと生きる
酒もタバコも「お気に召すまま」、映像作家の仰天がん哲学
がん闘病中の自分を自分で撮った映像作家が学び直した「病は気から」
かわなかのぶひろさん(映像作家)
胃がんで入院し手術するまでの自分を、自ら映像に収めた映像作家がいる。2年前まで、東京造形大学教授だった、かわなかのぶひろさんである。
胃カメラを呑みながら、映し出された胃がんの画像を映像に収めている。手術で切除されたばかりの生々しい胃のかたまりも撮られている。すさまじい映像作家根性だと脱帽するしかないが、驚きはそれだけではない。
術後まだ3年足らずだが、焼酎を1日20杯、タバコは1日5箱!その闘病哲学は「病は気から」だと言う。
野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップレシピ」
太陽と水の恵みをどうぞ、たっぷりと
今月の料理 トマト汁・あじとわかめの緑酢がけ・じゃこと大葉のご飯
6月は水無月。「水のない月」と訳されがちですが、実は「水の月」が正しく、田に水をひく月であるところからきているようです。東京・西麻布にある日本料理の名店「分とく山」の名料理人、野崎洋光さんと栄養士の牛込紀子さんは、その水をたっぷりと吸い込んだ野菜たちのみずみずしさを生かした料理を提案してくれます。
小児がんへの理解を深めるために
まず理解する―そこから始まる新たな小児がん医療
4月12日(土)午前10時。快晴の下、小児がんの子どもたちを支援するために六本木の街を歩く啓発イベント「ゴールドリボンウォーキング2008」(主催:ゴールドリボン事務局)が六本木ヒルズ、アリーナ広場に昨年の参加人数の倍をはるかに上回る約3000名の参加者を集め、盛大に開催された。
「ゴールドリボン」は小児がんへの理解と支援の広がりを願う世界共通のシンボルマークでアメリカを中心に多くの団体が啓発、治療研究助成、精神的・経済的支援を行っている。
元気が出るチーム医療 連載14
乳がんの臨床現場から拡がる日本のチーム医療
小嶋修一・TBS報道局解説室
本連載のテーマであるチーム医療。昨年4月に施行された「がん対策基本法」でも、「チーム医療」の普及が急務とされるなど、チーム医療の重要性は、あちこちで叫ばれるようになってきました。そうしたこともあり、チーム医療とは、医師や看護師らが、単に、″チームワーク良く″働くことではないことも、少しずつ広まってきたように思えます。
この国の医療をよくするために 14
実稼動医師不足の副因 勤務医と開業医の格差 ①
内田絵子の「オバさん力で変えちゃおう!がん医療」③
1人のオバさんに過ぎないからこそ、がん医療について語り続ける
森川那智子のゆるるんヨガde“ほっ” 8 弓のポーズ
患者活動レポート
「仲間」との連携を深め、新しい仲間たちとネットワークを作っていきたい
アスパラの会 主宰 大島寿美子
がん相談
肝臓がん・椎名秀一朗 東京大学医学部付属病院消化器内科講師
婦人科がん ・磯西成治 東京慈恵会医科大学第三病院産婦人科診療医長
前立腺がん ・島田 誠 昭和大学横浜市北部病院泌尿器科教授
コラム&連載
フォト・エッセイ 至福の時間 丹野清志
命を食べる季節を味わう
インターネットで探るがん情報 諏訪邦夫
編集部の本棚
ヒーリング・コラム 中本雅子
エッセイ 山里より 中島ようこ
ももセンセーの「患者とともに」田中祐次
商品情報・内容
- 出版社:エビデンス社
- 発行間隔:月刊
■ 信頼度NO.1のがん実用誌!がんと生きるすべての人を応援します。
がんサポートは、世界最新の科学的根拠(エビデンス)に基づいた視点から、良質な正しい医療情報を厳選し、提供していきます。エビデンス(Evidence)とは、根拠があって明白な証拠、を意味する英語。常に信頼の置ける情報と知識を提供することを使命と考えます。がんサポートは、がん患者さん・ご家族の方々の求めに応えるために、がん患者さんやがん患者団体の代表の方に企画に参加していただき、と同時にがん患者(読者)参加記事をできるだけ多くして、患者さんと共に考え編集していく考えです。患者さんにやさしい雑誌にしようと、できるだけ軽くて、環境にもやさしい用紙を用い、文字も大きくしました。「役立つ・読みやすい・わかりやすい・支え・癒し」をモットーに編集していきます。
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