目次
特集・前立腺がん・泌尿器がんの最新治療
特集1 前立腺がんの基礎知識
前立腺がんになってもあわてない――治療法、その選択肢と選択方法とは
これだけは知っておきたい!前立腺がんの基礎知識
監修●赤倉功一郎 東京厚生年金病院泌尿器科部長
前立腺がんは今、日本で最も増えているがんの1つ。一般的に高齢者に多く、進行が遅いのが特徴です。そのため、手術などの治療を行わずに、PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーで進行をチェックしながら様子を見ること(待機療法)も少なくなく、治療する場合も選択肢がたくさんあります。前立腺がんです、と言われてもあわてずに、医師とともに長期で治療の流れを見据え、できるだけダメージの少ない治療法を選ぶことが大切です。
特集2 前立腺がんの治療とケア
2020年には肺がんに次いで罹患数第2位に。早急な対応が求められている
前立腺がんは早期に発見すれば、さまざまな治療法がある
文●上村博司 横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学准教授
ここへ来て、わが国でも前立腺がんの患者さんは急増しており、2020年には前立腺がんの患者数は、肺がんに次いで第2位になると予測されている。前立腺がんの危険因子から、診断法、症状、最新の治療法まで、前立腺がんの基礎知識を、横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学準教授の上村博司さんが解説する。
特集3 進行再発がんと骨転移
前立腺がんと共存していくには、骨のケアが大切
前立腺がんが再発・転移しても長期のコントロールが可能に
文●佐藤威文 北里大学医学部泌尿器科学講師
前立腺がんは現在では、もっとも生存率の高いがんだが、再発・転移ともなれば、やはり深刻な気持ちにならざるを得ない。北里大学病院で前立腺がんを専門に診療を行っている医学部泌尿器科専任講師の佐藤威文さんは、前立腺がんには再発・転移してもさまざまな治療法があり、決して悲観することはないと力説する。
特集4 パネルディスカッション
小社主催前立腺がん市民公開講座パネルディスカッション
前立腺がんの治療は、打つ手が多く、あきらめないことが肝心!
前立腺がんは早期発見、早期治療が基本だが、運悪く発見、治療が遅れても、打つ手はいろいろある。前立腺がんの患者さんは、いかに前立腺がんと共に生きていくべきか。2008年11月22日(土)前立腺がん市民公開講座が日石横浜ホールで開催された。1部の横浜市立大准教授の上村博司さん、北里大学講師の佐藤威文さんの講演に続いて2部のパネルディスカッション「前立腺がんと共に生きていくために」が横浜市立大学医学部教授の窪田吉信さんを座長に、上村さん、佐藤さん、前立腺がん患者の豊田博慈さん、藤枝志郎さんをパネリストに迎え、患者さんや家族の方々からの質問に答える形で進められた。
特集5 再燃前立腺がんの最新治療
新たな抗がん剤の登場で治療法が大きく前進
ここまで変わった!再燃前立腺がんの最新治療
監修●鈴木啓悦 千葉大学医学部付属病院泌尿器科診療教授
前立腺がんの治療法の1つであるホルモン療法。有力な手立ての1つではあるものの、いずれその効果は効かなくなり、再びがんが増殖をし始め、再燃をきたす。最近、この再燃前立腺がんに対して新たな治療法が加わった。2008年8月に、前立腺がんの抗がん剤としては初めての薬剤が承認されたのだ。大きく変わり始めた前立腺がんの最新治療を紹介する。
特集6 精巣がんの最新治療
治るがんだからこそ、化学療法の治療スケジュールを守ることが重要
抗がん剤の併用療法で精巣がんの根治をめざす
監修●岡田弘 獨協医科大学越谷病院泌尿器科教授
新井学 獨協医科大学越谷病院泌尿器科准教授
精巣がんは基本的に治るがんだ。早期に発見すれば根治率はほぼ90パーセントと良好な成績を示している。また、多くのがんは転移すると根治が難しくなるが、有効な抗がん剤による化学療法と手術療法、放射線治療を組み合わせた集学的治療により、かなりの確率で根治が期待できるがんとなっている。
特集7 膀胱温存療法
抗がん剤と放射線を併用することによって、QOLの高い生活ができる
進行がんでも、膀胱全摘に引けを取らない膀胱温存療法
監修●住吉義光 四国がんセンター第一病棟部長・泌尿器科医長
進行膀胱がんに対しては、普通、膀胱をまるごと切除する治療が行われる。しかしそれを行うと、自分の力で排尿できなくなり、治療後のQOL(生活の質)が著しく損なわれる。そこで四国がんセンター泌尿器科では、切除に代わって、抗がん剤と放射線を駆使して膀胱を温存する治療が進められている。この療法では排尿機能が保たれるばかりでなく、治療成績も全摘術に劣らないという。
医療
最新がんトピックス
今月のセミナー 子宮頸がんゼロへ!
「子宮頸がん征圧を目指す専門家会議」設立記者発表会
検診とワクチンの2段構えで、子宮頸がんは予防できる
監修●今野良 自治医科大学付属さいたま医療センター産科婦人科教授・「子宮頸がん征圧を目指す専門家会議」実行委員長
話題のHPVワクチン認可が秒読み段階に入ったこの時期、「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」が立ち上がった。議長は子宮頸がん検診(細胞診)を日本で制度化した中心人物である近畿大学名誉学長の野田起一郎さん。顧問には日本医師会会長の高久史麿さん、日本対がん協会会長の垣添忠生さんが就任、メンバーは全国の産婦人科医、小児科医を中心に錚々たる32名が名を連ねる。子宮頸がんの完全制圧を目指す本格的動きが、日本でもようやく始まったといえよう。指標はあくまでも「予防」。予防できる唯一のがんについて、この際、きっちり理解したい。
シリーズ9 機能温存・機能回復目指して
放射線治療で舌を温存し、治療後も味覚を損ねない生活を
QOLを考えた選択肢、舌がんの小線源治療
監修●渋谷 均 東京医科歯科大学医学部腫瘍放射線学科教授
放射線治療は、臓器が温存されて機能の損傷が少ないのが最大の利点です。この特徴を生かして、東京医科歯科大学放射線科では、古くから舌がんを始めとする口腔のがんに小線源治療を中心に放射線治療を行ってきました。同科教授の渋谷均さんによると、1期、2期の舌がんは、ほとんど手術と治療成績も変わらないといいます。しかし、患者からのニーズが高まる一方で、舌がんの小線源治療を行う病院は、減少する傾向にあるといいます。
シリーズ診断の名人が伝授する検査画像の見方、読み方
第28回 胃がん(表面陥凹型)/内視鏡検査
潰瘍と正常粘膜の境界の堤防状の隆起に注目
(患者プロフィール)
73歳の女性Qさん。半年ほど前からときどき上腹部の痛みを感じるようになった。治ったと思うとまたぶり返すので、不安になって近くの病院にて受診。内視鏡検査で胃がんが発見され、国立がんセンターを紹介された。再度の内視鏡検査にて、胃壁に深く侵食している進行胃がんで、表面に潰瘍を伴うタイプであることがわかった
患者のためのがんの薬辞典48
タルセバ(一般名エルロチニブ)
初めて生存期間の延長が確認された肺がん分子標的薬
肺がんの分子標的薬として、まず登場したのは「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)だった。「タルセバ」(一般名エルロチニブ)は、それに続く分子標的薬として2007年10月に承認され、進行・再発肺がん(非小細胞肺がん)の第2、第3次治療に用いられている。作用メカニズムはイレッサと同じだが、海外の臨床試験で生存期間の延長が認められるなど、イレッサを上回る結果を残してきた。懸念されてきた副作用、皮疹や間質性肺疾患に対しては、きめ細かな対策がとられている。
新連載 わたしの町の実力病院・クリニック 東京西徳洲会病院
「女性が安心して受けられる」乳腺腫瘍センターが2008年8月開設
患者に寄り添って世界レベルの標準治療を提供する民間病院
地域の救急病院として知られる徳洲会病院が、がん治療に目を向け始めた。その第1歩となるのが2008年8月に開設した東京西徳洲会病院「乳腺腫瘍センター」だ。地域の民間病院でありながら、世界レベルの標準治療を提供しようと医師をはじめ、コメディカルたちが頑張っている。
対談
鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談
それぞれの行場で誠心誠意勉めれば、必ず道は開ける
宇宙のリズムにあった呼吸をすれば全身の細胞が生き返ってきます
ゲスト・池口惠觀 烏帽子山最福寺法主・高野山真言宗伝燈大阿闍梨・医学博士
世界平和と衆生救済を祈りながら、毎日2時間、炎の高さが3メートルにもなる護摩行を勤める、真言行者の池口惠觀さんは、各地の大学医学部で、仏教者の立場から生命倫理、医療倫理を説く医学博士でもある。池口さんは、祈りで重病の患者さんを治したこともある。そのポイントは患者さんの身体のリズムを大宇宙のリズムに同調させることだと言う。日頃から「がんばらない」「いいかげんがいい」と、仏教に通底する医療を実践している鎌田實さんが、その心に迫った――。
生き方
私の生きる道 小西博之さん 俳優・タレント
左腎臓にできたがんは13センチ。「これからも僕はがんと上手に付き合います」と語る小西博之さん
あの日、腎がんを克服し、『徹子の部屋』に出ると決めた
小西博之さんは俳優・タレントとして活躍するかたわら、企業に招かれポジティブ・シンキングをテーマに講演する機会が多かった。4年前、自らが腎臓がんと知ったとき、日頃話しているポジティブ・シンキングを、自分の体で実践しよう、と心に決めたという。
がんと生きる
藤田真理子さん 北京パラリンピック日本女子円盤投げ・砲丸投げ代表・スポーツ指導員
抗がん剤治療をしながら北京パラリンピックに挑んだ脳性まひアスリート、2つの闘い
あきらめたらあかん。あきらめなければ夢は叶う
脳性まひをもつ藤田真理子さんは、障害者スポーツの世界に飛び込むなり頭角を現し、日本を代表する障害者アスリートとなる。そして2008年9月。日本女子投擲代表選手として北京パラリンピックという夢舞台に立った。1年前に見つかった乳がんの治療と競技生活を両立させながら、幾多の困難を乗り越え、その地にたどり着いた。「あきらめなければ、夢は叶います。がんと闘う人も勇気をもって」と輝く笑顔で私たちに語りかける。
連載 紅珊瑚のブレスレット〜がんになって、考えたこと〜
洞口依子
連載 第3回 しえのがんルネッサンス
「がんと言われて、自分を責めたり、運が悪いなんて思わないで」
ゲスト 渥美雅子 弁護士
患者会
患者会活動レポート 並木ひろば 事務局 香川優子
「安心できる温かい場」の提供を
届け!がん患者たちの声
市民団体が、厚生労働省に体制整備の要望書を提出
骨転移の痛みをとるストロンチウム89治療を全国で受けられるように
患者サポート
野崎洋行と牛込紀子の「和のテイストで、免疫アップ・レシピ」
冬にエネルギーを蓄えた季節の食材を味わう
今月の料理 煎り大豆御飯 牡蠣のすり流し じゃがいもと鯖のトマト煮
冬の間、草木が芽吹くためのエネルギーを蓄えているように、
如月(2月)という季節は、体の中に力を蓄えてくれる食べ物がたくさんあります。「とくに季節の食材である牡蠣は海のミルクと言われているほど、栄養価が高い」と「分とく山」の野崎洋光さん。
冬にエネルギーを蓄えた、力強い季節の食材を味わいましょう。
この国の医療をよくするために 22 田島知郎
官民共謀の大規模談合型への堕落③
連載21・元気が出るチーム医療
横浜市立大学付属病院の挑戦③
~医師も看護学から多くのことを学ぶ~
小嶋修一・TBS報道局解説室
乳がん治療において、患者中心の医療や、患者にとって最善の医療を実現させるためには、もはや医師(主治医)1人による治療では自ずと限界がみえてきます。そのため、様々な職種が、それぞれ最大の力を出し合って患者の診療にあたる、いわゆる「チーム医療」が欠かせなくなってきています。このチーム医療の本質を探ろうというのが、本連載の最大のテーマでした。今回も、横浜市立大学付属病院のチーム医療への取り組みを紹介します。乳がん看護について、医師や薬剤師も一緒になって学ぶことで、チーム医療における絆が深まっていくことを、みなさんも納得していただけると思います。
内田絵子の「おばさん力で変えちゃおう!がん医療」⑩
がん予防のための夫婦のパートナーシップ
無理せず、がんばらないがん予防を
仕事をしながら療養する
ワーキングプアを体験。仲間と共に就労セカンドオピニオンでがん患者を支援
桜井なおみさん(現在、41歳)は、37歳のとき、乳がんが見つかった。会社を約8カ月間休んで、全摘手術と術後化学療法、ホルモン療法を受けた。休職中は、年次有給休暇と健康保険の傷病手当金を活用した。職場復帰して約1年9カ月後、ホルモン療法の副作用(更年期障害)に苦しんで退職。雇用保険の失業手当などを利用しながら職探し。ワーキングプア体験後、やっと再就職先を得た。
森川那智子のゆるるんヨガで“ほっ”⑮
寒い季節に、おおきく伸び
患者と医者のための医療リテラシー講座 西根英一メディカルプロデューサー
第2回「料理教室に学ぶ」
がん相談
多発性骨髄腫 回答者・小林武(東京都駒込病院血液内科医師)
膀胱がん 回答者・福井巌(癌研有明病院泌尿器科部長・副院長)
婦人科がん 回答者・宮城悦子(横浜市立大学付属病院化学療法センター長)
乳がん 回答者・上野貴史(板橋中央総合病院外科医師)
コラム&連載
「がんサポート」の編集方針…………………………………11
フォト・エッセイ 至福の時間………………………………62
命を食べる季節を味わう………………………………………70
インターネットで探るがん情報………………………………76
編集部の本棚……………………………………………………78
ヒーリング・コラム……………………………………………100
エッセイ 山里より 中島ようこ……………………………106
ももセンセーの「患者とともに」……………………………108
イベントへの誘い………………………………………………118
読者の交差点……………………………………………………119
バックナンバーのご案内………………………………………120
定期購読のご案内・編集後記…………………………………122
特集1 前立腺がんの基礎知識
前立腺がんになってもあわてない――治療法、その選択肢と選択方法とは
これだけは知っておきたい!前立腺がんの基礎知識
監修●赤倉功一郎 東京厚生年金病院泌尿器科部長
前立腺がんは今、日本で最も増えているがんの1つ。一般的に高齢者に多く、進行が遅いのが特徴です。そのため、手術などの治療を行わずに、PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーで進行をチェックしながら様子を見ること(待機療法)も少なくなく、治療する場合も選択肢がたくさんあります。前立腺がんです、と言われてもあわてずに、医師とともに長期で治療の流れを見据え、できるだけダメージの少ない治療法を選ぶことが大切です。
特集2 前立腺がんの治療とケア
2020年には肺がんに次いで罹患数第2位に。早急な対応が求められている
前立腺がんは早期に発見すれば、さまざまな治療法がある
文●上村博司 横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学准教授
ここへ来て、わが国でも前立腺がんの患者さんは急増しており、2020年には前立腺がんの患者数は、肺がんに次いで第2位になると予測されている。前立腺がんの危険因子から、診断法、症状、最新の治療法まで、前立腺がんの基礎知識を、横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学準教授の上村博司さんが解説する。
特集3 進行再発がんと骨転移
前立腺がんと共存していくには、骨のケアが大切
前立腺がんが再発・転移しても長期のコントロールが可能に
文●佐藤威文 北里大学医学部泌尿器科学講師
前立腺がんは現在では、もっとも生存率の高いがんだが、再発・転移ともなれば、やはり深刻な気持ちにならざるを得ない。北里大学病院で前立腺がんを専門に診療を行っている医学部泌尿器科専任講師の佐藤威文さんは、前立腺がんには再発・転移してもさまざまな治療法があり、決して悲観することはないと力説する。
特集4 パネルディスカッション
小社主催前立腺がん市民公開講座パネルディスカッション
前立腺がんの治療は、打つ手が多く、あきらめないことが肝心!
前立腺がんは早期発見、早期治療が基本だが、運悪く発見、治療が遅れても、打つ手はいろいろある。前立腺がんの患者さんは、いかに前立腺がんと共に生きていくべきか。2008年11月22日(土)前立腺がん市民公開講座が日石横浜ホールで開催された。1部の横浜市立大准教授の上村博司さん、北里大学講師の佐藤威文さんの講演に続いて2部のパネルディスカッション「前立腺がんと共に生きていくために」が横浜市立大学医学部教授の窪田吉信さんを座長に、上村さん、佐藤さん、前立腺がん患者の豊田博慈さん、藤枝志郎さんをパネリストに迎え、患者さんや家族の方々からの質問に答える形で進められた。
特集5 再燃前立腺がんの最新治療
新たな抗がん剤の登場で治療法が大きく前進
ここまで変わった!再燃前立腺がんの最新治療
監修●鈴木啓悦 千葉大学医学部付属病院泌尿器科診療教授
前立腺がんの治療法の1つであるホルモン療法。有力な手立ての1つではあるものの、いずれその効果は効かなくなり、再びがんが増殖をし始め、再燃をきたす。最近、この再燃前立腺がんに対して新たな治療法が加わった。2008年8月に、前立腺がんの抗がん剤としては初めての薬剤が承認されたのだ。大きく変わり始めた前立腺がんの最新治療を紹介する。
特集6 精巣がんの最新治療
治るがんだからこそ、化学療法の治療スケジュールを守ることが重要
抗がん剤の併用療法で精巣がんの根治をめざす
監修●岡田弘 獨協医科大学越谷病院泌尿器科教授
新井学 獨協医科大学越谷病院泌尿器科准教授
精巣がんは基本的に治るがんだ。早期に発見すれば根治率はほぼ90パーセントと良好な成績を示している。また、多くのがんは転移すると根治が難しくなるが、有効な抗がん剤による化学療法と手術療法、放射線治療を組み合わせた集学的治療により、かなりの確率で根治が期待できるがんとなっている。
特集7 膀胱温存療法
抗がん剤と放射線を併用することによって、QOLの高い生活ができる
進行がんでも、膀胱全摘に引けを取らない膀胱温存療法
監修●住吉義光 四国がんセンター第一病棟部長・泌尿器科医長
進行膀胱がんに対しては、普通、膀胱をまるごと切除する治療が行われる。しかしそれを行うと、自分の力で排尿できなくなり、治療後のQOL(生活の質)が著しく損なわれる。そこで四国がんセンター泌尿器科では、切除に代わって、抗がん剤と放射線を駆使して膀胱を温存する治療が進められている。この療法では排尿機能が保たれるばかりでなく、治療成績も全摘術に劣らないという。
医療
最新がんトピックス
今月のセミナー 子宮頸がんゼロへ!
「子宮頸がん征圧を目指す専門家会議」設立記者発表会
検診とワクチンの2段構えで、子宮頸がんは予防できる
監修●今野良 自治医科大学付属さいたま医療センター産科婦人科教授・「子宮頸がん征圧を目指す専門家会議」実行委員長
話題のHPVワクチン認可が秒読み段階に入ったこの時期、「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」が立ち上がった。議長は子宮頸がん検診(細胞診)を日本で制度化した中心人物である近畿大学名誉学長の野田起一郎さん。顧問には日本医師会会長の高久史麿さん、日本対がん協会会長の垣添忠生さんが就任、メンバーは全国の産婦人科医、小児科医を中心に錚々たる32名が名を連ねる。子宮頸がんの完全制圧を目指す本格的動きが、日本でもようやく始まったといえよう。指標はあくまでも「予防」。予防できる唯一のがんについて、この際、きっちり理解したい。
シリーズ9 機能温存・機能回復目指して
放射線治療で舌を温存し、治療後も味覚を損ねない生活を
QOLを考えた選択肢、舌がんの小線源治療
監修●渋谷 均 東京医科歯科大学医学部腫瘍放射線学科教授
放射線治療は、臓器が温存されて機能の損傷が少ないのが最大の利点です。この特徴を生かして、東京医科歯科大学放射線科では、古くから舌がんを始めとする口腔のがんに小線源治療を中心に放射線治療を行ってきました。同科教授の渋谷均さんによると、1期、2期の舌がんは、ほとんど手術と治療成績も変わらないといいます。しかし、患者からのニーズが高まる一方で、舌がんの小線源治療を行う病院は、減少する傾向にあるといいます。
シリーズ診断の名人が伝授する検査画像の見方、読み方
第28回 胃がん(表面陥凹型)/内視鏡検査
潰瘍と正常粘膜の境界の堤防状の隆起に注目
(患者プロフィール)
73歳の女性Qさん。半年ほど前からときどき上腹部の痛みを感じるようになった。治ったと思うとまたぶり返すので、不安になって近くの病院にて受診。内視鏡検査で胃がんが発見され、国立がんセンターを紹介された。再度の内視鏡検査にて、胃壁に深く侵食している進行胃がんで、表面に潰瘍を伴うタイプであることがわかった
患者のためのがんの薬辞典48
タルセバ(一般名エルロチニブ)
初めて生存期間の延長が確認された肺がん分子標的薬
肺がんの分子標的薬として、まず登場したのは「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)だった。「タルセバ」(一般名エルロチニブ)は、それに続く分子標的薬として2007年10月に承認され、進行・再発肺がん(非小細胞肺がん)の第2、第3次治療に用いられている。作用メカニズムはイレッサと同じだが、海外の臨床試験で生存期間の延長が認められるなど、イレッサを上回る結果を残してきた。懸念されてきた副作用、皮疹や間質性肺疾患に対しては、きめ細かな対策がとられている。
新連載 わたしの町の実力病院・クリニック 東京西徳洲会病院
「女性が安心して受けられる」乳腺腫瘍センターが2008年8月開設
患者に寄り添って世界レベルの標準治療を提供する民間病院
地域の救急病院として知られる徳洲会病院が、がん治療に目を向け始めた。その第1歩となるのが2008年8月に開設した東京西徳洲会病院「乳腺腫瘍センター」だ。地域の民間病院でありながら、世界レベルの標準治療を提供しようと医師をはじめ、コメディカルたちが頑張っている。
対談
鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談
それぞれの行場で誠心誠意勉めれば、必ず道は開ける
宇宙のリズムにあった呼吸をすれば全身の細胞が生き返ってきます
ゲスト・池口惠觀 烏帽子山最福寺法主・高野山真言宗伝燈大阿闍梨・医学博士
世界平和と衆生救済を祈りながら、毎日2時間、炎の高さが3メートルにもなる護摩行を勤める、真言行者の池口惠觀さんは、各地の大学医学部で、仏教者の立場から生命倫理、医療倫理を説く医学博士でもある。池口さんは、祈りで重病の患者さんを治したこともある。そのポイントは患者さんの身体のリズムを大宇宙のリズムに同調させることだと言う。日頃から「がんばらない」「いいかげんがいい」と、仏教に通底する医療を実践している鎌田實さんが、その心に迫った――。
生き方
私の生きる道 小西博之さん 俳優・タレント
左腎臓にできたがんは13センチ。「これからも僕はがんと上手に付き合います」と語る小西博之さん
あの日、腎がんを克服し、『徹子の部屋』に出ると決めた
小西博之さんは俳優・タレントとして活躍するかたわら、企業に招かれポジティブ・シンキングをテーマに講演する機会が多かった。4年前、自らが腎臓がんと知ったとき、日頃話しているポジティブ・シンキングを、自分の体で実践しよう、と心に決めたという。
がんと生きる
藤田真理子さん 北京パラリンピック日本女子円盤投げ・砲丸投げ代表・スポーツ指導員
抗がん剤治療をしながら北京パラリンピックに挑んだ脳性まひアスリート、2つの闘い
あきらめたらあかん。あきらめなければ夢は叶う
脳性まひをもつ藤田真理子さんは、障害者スポーツの世界に飛び込むなり頭角を現し、日本を代表する障害者アスリートとなる。そして2008年9月。日本女子投擲代表選手として北京パラリンピックという夢舞台に立った。1年前に見つかった乳がんの治療と競技生活を両立させながら、幾多の困難を乗り越え、その地にたどり着いた。「あきらめなければ、夢は叶います。がんと闘う人も勇気をもって」と輝く笑顔で私たちに語りかける。
連載 紅珊瑚のブレスレット〜がんになって、考えたこと〜
洞口依子
連載 第3回 しえのがんルネッサンス
「がんと言われて、自分を責めたり、運が悪いなんて思わないで」
ゲスト 渥美雅子 弁護士
患者会
患者会活動レポート 並木ひろば 事務局 香川優子
「安心できる温かい場」の提供を
届け!がん患者たちの声
市民団体が、厚生労働省に体制整備の要望書を提出
骨転移の痛みをとるストロンチウム89治療を全国で受けられるように
患者サポート
野崎洋行と牛込紀子の「和のテイストで、免疫アップ・レシピ」
冬にエネルギーを蓄えた季節の食材を味わう
今月の料理 煎り大豆御飯 牡蠣のすり流し じゃがいもと鯖のトマト煮
冬の間、草木が芽吹くためのエネルギーを蓄えているように、
如月(2月)という季節は、体の中に力を蓄えてくれる食べ物がたくさんあります。「とくに季節の食材である牡蠣は海のミルクと言われているほど、栄養価が高い」と「分とく山」の野崎洋光さん。
冬にエネルギーを蓄えた、力強い季節の食材を味わいましょう。
この国の医療をよくするために 22 田島知郎
官民共謀の大規模談合型への堕落③
連載21・元気が出るチーム医療
横浜市立大学付属病院の挑戦③
~医師も看護学から多くのことを学ぶ~
小嶋修一・TBS報道局解説室
乳がん治療において、患者中心の医療や、患者にとって最善の医療を実現させるためには、もはや医師(主治医)1人による治療では自ずと限界がみえてきます。そのため、様々な職種が、それぞれ最大の力を出し合って患者の診療にあたる、いわゆる「チーム医療」が欠かせなくなってきています。このチーム医療の本質を探ろうというのが、本連載の最大のテーマでした。今回も、横浜市立大学付属病院のチーム医療への取り組みを紹介します。乳がん看護について、医師や薬剤師も一緒になって学ぶことで、チーム医療における絆が深まっていくことを、みなさんも納得していただけると思います。
内田絵子の「おばさん力で変えちゃおう!がん医療」⑩
がん予防のための夫婦のパートナーシップ
無理せず、がんばらないがん予防を
仕事をしながら療養する
ワーキングプアを体験。仲間と共に就労セカンドオピニオンでがん患者を支援
桜井なおみさん(現在、41歳)は、37歳のとき、乳がんが見つかった。会社を約8カ月間休んで、全摘手術と術後化学療法、ホルモン療法を受けた。休職中は、年次有給休暇と健康保険の傷病手当金を活用した。職場復帰して約1年9カ月後、ホルモン療法の副作用(更年期障害)に苦しんで退職。雇用保険の失業手当などを利用しながら職探し。ワーキングプア体験後、やっと再就職先を得た。
森川那智子のゆるるんヨガで“ほっ”⑮
寒い季節に、おおきく伸び
患者と医者のための医療リテラシー講座 西根英一メディカルプロデューサー
第2回「料理教室に学ぶ」
がん相談
多発性骨髄腫 回答者・小林武(東京都駒込病院血液内科医師)
膀胱がん 回答者・福井巌(癌研有明病院泌尿器科部長・副院長)
婦人科がん 回答者・宮城悦子(横浜市立大学付属病院化学療法センター長)
乳がん 回答者・上野貴史(板橋中央総合病院外科医師)
コラム&連載
「がんサポート」の編集方針…………………………………11
フォト・エッセイ 至福の時間………………………………62
命を食べる季節を味わう………………………………………70
インターネットで探るがん情報………………………………76
編集部の本棚……………………………………………………78
ヒーリング・コラム……………………………………………100
エッセイ 山里より 中島ようこ……………………………106
ももセンセーの「患者とともに」……………………………108
イベントへの誘い………………………………………………118
読者の交差点……………………………………………………119
バックナンバーのご案内………………………………………120
定期購読のご案内・編集後記…………………………………122
商品情報・内容
- 出版社:エビデンス社
- 発行間隔:月刊
■ 信頼度NO.1のがん実用誌!がんと生きるすべての人を応援します。
がんサポートは、世界最新の科学的根拠(エビデンス)に基づいた視点から、良質な正しい医療情報を厳選し、提供していきます。エビデンス(Evidence)とは、根拠があって明白な証拠、を意味する英語。常に信頼の置ける情報と知識を提供することを使命と考えます。がんサポートは、がん患者さん・ご家族の方々の求めに応えるために、がん患者さんやがん患者団体の代表の方に企画に参加していただき、と同時にがん患者(読者)参加記事をできるだけ多くして、患者さんと共に考え編集していく考えです。患者さんにやさしい雑誌にしようと、できるだけ軽くて、環境にもやさしい用紙を用い、文字も大きくしました。「役立つ・読みやすい・わかりやすい・支え・癒し」をモットーに編集していきます。
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