目次
がんサポート10月号 乳がん総力特集
1薬物療法ガイドライン
乳がんの新『薬物療法ガイドライン』は、ここが大きく変わった
患者の視点に立ち、治療の流れに沿ってさまざまな治療法を集約してまとめた
監修●中村清吾 昭和大学医学部乳腺外科教授・昭和大学病院ブレストセンター長
今年6月に刊行された『乳癌診療ガイドライン薬物療法』改訂第3版は、治療法全体を理解するための総論やアルゴリズムが加わり、推奨グレードも4段階から5段階に分かれるなど、より利便性が高められた。ハーセプチンの術後療法がグレードBからAに格上げされるなど、最近の研究成果も盛り込まれている。
2ASCO 2010報告
次々に明らかになった乳がんの不要な検査と治療
効果は維持しつつ、負担軽減へ~ASCO 2010報告
2010年6月4日から8日の5日間、米国イリノイ州シカゴにおいて、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の第46回年次集会が開催された。これまでスタンダードとされてきた検査や治療でも、行わなくてもいい場合がある――。臨床現場への影響も大きい試験結果が次々と発表され、乳がんはさらなる個別化治療時代に突入した。
3先端医療の現場 乳がんラジオ波療法
「傷をつけない治療」乳がんのラジオ波焼灼療法、実際の効果は?
臨床試験によって、1センチの早期乳がんが適応とされた
監修●木下貴之 国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科副科長
肝がんでは大きく普及しているラジオ波焼灼療法。その治療法の乳がんへの応用が行われている。がんをラジオ波で焼いて殺す。その電極を入れるだけでよいため、手術のような大きな傷が残らないことから、患者さんの期待は大きいが、実際の効果はどうなのだろうか。
4トリプルネガティブの治療
トリプルネガティブ乳がん患者よ!術前化学療法で乗り切ろう
まだ標準治療薬こそないが、アンスラサイクリン系やタキサン系薬剤などが効果的
監修●紅林淳一 川崎医科大学乳腺甲状腺外科准教授
今まで、打つ手がないとされてきたトリプルネガティブ乳がん。だがここへきて、トリプルネガティブに有効な薬剤が徐々にだが明らかになってきた。どうやらトリプルネガティブも個別化治療の方向へ向かって進んでいるようだ。
5乳がん術後療法①
乳がんの術後補助化学療法として新たに注目を集めるTC療法
新ガイドラインで推奨。国際的にも認められた重要な選択
監修●向井博文 国立がん研究センター東病院化学療法科医長
新たに今年6月に改訂された乳がんの薬物療法ガイドラインにおいて、実践すべき術後の補助化学療法としてアンスラサイクリン系薬剤を含まないTC療法が新たに推奨された。無病生存率と生存率について、従来のアンスラサイクリン系薬剤を含んだ補助化学療法を上回る治療成績が立証されたためだ。
6乳がん術後治療②
乳がん術後薬物療法に新しい選択肢が登場
脱毛がほとんど起こらずQOLを高く保てる経口抗がん剤の実力が評価された
監修●稲治英生 大阪府立成人病センター乳腺・内分泌外科主任部長
今年改訂された『乳癌診療ガイドライン①薬物療法』(2010年版)には、術後薬物療法の新たな選択肢が加えられている。旧版では、エビデンス(科学的根拠)が十分ではないとされていた経口抗がん剤「UFT」の実力が、認められたのだ。日本人の患者さんを対象に、日本で行われた臨床試験のデータが評価され、今回の改訂につながったのだという。
7脱毛をめぐって患者座談会
脱毛の喪失感を乗り越え、病気前と変わらない生活を楽しむ
いいウィッグを見つけたときは恋人に巡り合ったときのように嬉しい
髪の毛は女性の命とまで言われる.抗がん剤や放射線など、がん治療によって起こる脱毛は患者さんを悩み苦しませてきた。そこで、脱毛を経験した乳がん患者に集まっていただき、脱毛をどう乗り越えてきたか、そのときウイッグはどんな役割をしたか、話し合っていただいた。
医療
シリーズ2・知っていますか?「骨髄異形成症候群」
早期に見つけるには年1回以上の血液検査を
「貧血」「出血傾向」「抗がん剤経験者」に要注意!
監修●通山 薫 川崎医科大学検査診断学教授
取材・文●がんサポート編集部
血液がんの1つである骨髄異形成症候群(MDS)は、これまで謎が多く、治療薬もなかったが、近年は新薬が登場し、治療の選択肢が増えつつある。ただし、適切な治療を受けるには、骨髄異形成症候群を早期に、かつ確実に診断することが肝腎だ。
患者のためのがんの薬事典67 レブラミド(一般名レナリドミド水和物))
多発性骨髄腫を長期に抑えると期待の新薬
取材・文●がんサポート編集部
多発性骨髄腫の薬物療法は、新薬が次々に登場したことで大きく進歩しました。今年7月、多発性骨髄腫に対する効果の大きいレブラミドが発売され、治療成績のさらなる向上が見込まれています。レブラミドは、手足のしびれなどの副作用が少ない経口剤で、QOL(生活の質)の改善にも役立つと注目されています。
精神(こころ)にも身体(からだ)にも優しい緩和ケア
すべては患者さんのために
監修●東口髙志 藤田保健衛生大学医学部外科・緩和ケア講座教授
取材・文●柄川昭彦
撮影●河合 修
がんと共に生きる体づくりをすれば、本来の寿命をまっとうすることができるーー今、がんの臨床現場では、こうした認識が高まりつつある。がん患者さんにとって、がんと診断されたときから、がん治療に必要な栄養サポートや積極的な緩和ケアは、精神や身体を支えるのに欠かせない。栄養は口から食事として摂るのが基本。そして、痛みは我慢しないこと。適正な痛みの治療によって、痛みのない生活を送る事が緩和ケアでは重要だ。
連載9 川本敏郎の教えて!がん医療のABC
ショック!! 抗がん剤と放射線治療による味覚障害がこんなにつらいとは
放射線治療に潜む得手、不得手がもたらす人生の悲喜こもごも
監修●佃 守 横浜市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授
幡多政治 横浜市立大学大学院医学研究科放射線医学准教授
下咽頭がんの治療にあたって、抗がん剤と放射線治療を組み合わせた方法で、声を失わずにすんだ川本さん。しかし、治療が始まるや否や、口の中のある重大な
副作用に悩まされることになります。
診断の名人が伝授する検査画像の見方、読み方 第47 回 膀胱がんCT検査
膀胱壁の輪郭の滑らかさからがんの浸潤を見分ける
監修●森山紀之 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター長
(患者プロフィール)70歳の男性Eさん。1週間ほど前、突然、尿が真っ赤になって、近くの病院の泌尿器科外来を受診。尿検査と腹部エコー(超音波)を行い、膀胱がんの可能性が高いということで、国立がん研究センターを紹介された。内視鏡の1種である膀胱鏡による検査でがんが確認されたが、CT検査で比較的、初期のがんとわかった
がん相談
胃がん 回答者・山口俊晴 癌研有明病院副院長、消化器外科部長
胆道がん 回答者・森実千種 国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科医師
泌尿器がん 回答者・島田 誠 昭和大学横浜市北部病院泌尿器科教授
乳がん 回答者・上野貴史 板橋中央総合病院外科医師
生き方
鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談 ゲスト・篠田久男 福祉美容師
その人にとっていちばん美しい髪型にすれば、誰でも明るくなります
悪性リンパ腫と闘いながら人のために命を懸ける福祉美容師の情熱
店を3軒持って腕を振るっていたカリスマ美容師・篠田久男さんは、ある日、悪性リンパ腫と診断され、闘病生活に入った。店も畳まざるを得なかった。しかし、妻と重い障害を持つ子どもをかかえながら、篠田さんはくじけなかった。福祉美容師の資格を取り、さまざまな施設を回って、人を喜ばせるために、いのちを懸けてカットを続けている。その強さ・やさしさの秘密は何か?「がんばらない」「あきらめない」の鎌田實さんが、涙ながらに迫った――。
がん徹底対論(中)立花隆 評論家×中川恵一 東京大学病院放射線科准教授&緩和ケア診療部長
がん検診率が低いのは自分はがんとは関係がないと思っているから
多彩な分野で評論活動を続け、「知の巨人」と言われる立花隆さんと、東京大学病院放射線科准教授として放射線治療をリードしている中川恵一さんの、「がん徹底対論」第2弾。今号は、先進国の中で唯一がん死亡者数が増えている日本の現状を踏まえ、日本人の死生観をまじえながら、この国のがん検診率の低さの背景など中心に熱く語り合った。
私の生きる道 仁支川峰子さん 歌手
手術でできた首の傷は、私の山あり谷あり人生の勲章です
たちの良い甲状腺がんでも、歌手生命を脅かされるまでの経験をした歌手の仁支川峰子さん
命にかかわらないがんでも、職業的な生命が脅かされることがある。抜群の歌唱力で知られる歌手の仁支川峰子さん(昨年12月に西川峰子から改名)のケースは、その典型といってよい。彼女は今春、甲状腺乳頭がんが見つかった。このがんは進行の遅い、悪性度の低いものだが、手術で切除するしか治療法がないとされたため、声に大きなダメージを受けるおそれがあった。
患者サポート
野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」
今月の料理 ご飯すいとん 南京すり流し 大根菜の煮びたし
神無月は、食べられることのありがたさとともに収穫の喜びを感じさせてくれる月でもあります。「食物繊維が豊富なのが秋の根菜。少しアレンジを加えることで、お料理の新鮮さを季節感とともに味わいましょう」と、分とく山の野崎洋光さん。実りの秋。自然の恵みの収穫とに感謝しながら、栄養たっぷりの旬の食材で免疫力をアップして、毎日を元気に過ごしましょう。
美容ジャーナリスト山崎多賀子の生きる力が湧くキレイ塾6
帽子とつけ毛でオシャレを楽しむ−脱毛を快適に乗り切るための帽子&つけ毛選びのポイント−
脱毛中の患者にとって、手軽にかぶれてファッション性の高い帽子は強い味方。ただ、帽子に不慣れな人がほとんどで、かぶり方ひとつをとっても、自然にかっこよく見えるポイントがあることを知りません。治療中に使う帽子選びにも注意事項があります。またウィッグの代わりに帽子とペア使いする、手軽なつけ毛にも注目。帽子&つけ毛によるオシャレは、テンションが上がります。
今月のセミナー
がん治療中でも自分らしく、いきいきメイク!
「マンマチアー」委員会の〝チアー活動〟で、山崎多賀子さんがメイクアドバイス講演
NPO法人女性医療ネットワーク ブレストケア部会の「マンマチアー」委員会は7月21日、月1回開かれるチアー活動の中で、実行委員メンバーの1人、美容ジャーナリストの山崎多賀子さんが、がん治療中でもイキイキと生活するためのメイクアドバイスについて講演した。
仕事をしながら療養する 連載40回
雇用保険をフル活用し、再就職活動で天職に巡り合えた 石井京子さん
障害者の人材紹介事業を行うテスコ・プレミアムサーチ㈱代表取締役の石井京子さん(56歳)は、大手通信会社勤務中の46歳のとき、直腸がんで手術を受けた。約1年4カ月後に退職。雇用保険の支給を受けながら職業訓練校に通学。1年間の充電期間を経て再就職、障害者専門の人材紹介という「天職」に巡り合った。
連載10 肝っ玉弁護士「がんのトラブル解決します」 解決人・渥美雅子
「私ががん」と同僚が話してしまった。賠償は可能か(質問)
いい本に出会う キャシー中島(タレント・キルト作家)
『食堂かたつむり』小川糸 著 ポプラ社 1,365円(税込)
連載 いのちのかけ橋 嵯峨崎泰子
がんという「状態」~環境の影響(2)
新・リテラシー講座❸文・絵 西根英一メディカルプロデューサー
自分を客観視してみる「私は○型人間です!」
患者会活動レポート NPO乳がん患者の会 ぴんく・ぱんさぁ 与儀淑恵
手をつなごう、沖縄の乳がん患者みんなで
コラム&連載
フォト・エッセイ 至福の時間/命を食べる 季節を味わう/インターネットで探るがん情報/編集部の本棚/エッセイ 山里より 中島ようこ/イベントへの誘い/読者の交差点/
バックナンバーのご案内/定期購読のご案内・編集後記
商品情報・内容
- 出版社:エビデンス社
- 発行間隔:月刊
■ 信頼度NO.1のがん実用誌!がんと生きるすべての人を応援します。
がんサポートは、世界最新の科学的根拠(エビデンス)に基づいた視点から、良質な正しい医療情報を厳選し、提供していきます。エビデンス(Evidence)とは、根拠があって明白な証拠、を意味する英語。常に信頼の置ける情報と知識を提供することを使命と考えます。がんサポートは、がん患者さん・ご家族の方々の求めに応えるために、がん患者さんやがん患者団体の代表の方に企画に参加していただき、と同時にがん患者(読者)参加記事をできるだけ多くして、患者さんと共に考え編集していく考えです。患者さんにやさしい雑誌にしようと、できるだけ軽くて、環境にもやさしい用紙を用い、文字も大きくしました。「役立つ・読みやすい・わかりやすい・支え・癒し」をモットーに編集していきます。
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