目次
特集 『 ポリファーマシー -不要な薬に立ち向かう- 』
≪特集の目次≫
■総 論
ポリファーマシー:何が問題なのか? どうすればよいのか?(宮田靖志)
ポリファーマシーを防ぐ適切処方のためのツール:Beers Criteria,STOPP,START(梶 有貴,他)
製薬企業の製品説明をどうみればよいのか? ─薬を使わせる戦略とどうつき合うか─(南郷栄秀)
薬剤師のEBM 教育の現状(佐々木順一,他)
Pill pusher ─薬をねじ込むメガファーマ─(齊尾武郎)
ポリファーマシー対策のための多職種連携をどう進めるか(孫 大輔)
ポリファーマシーと医学教育(茂木恒俊)
すんなりわかる
実践! ポリファーマシー(西村加奈子)
■各 論
高齢者診療の立場から(星 哲哉)
病院総合診療の立場から(石丸裕康)
在宅医療の立場から(古屋 聡,他)
緩和ケアにおけるポリファーマシー(岡本拓也)
開業診療の立場から(小田倉弘典)
小児科診療の立場から(児玉和彦)
精神科領域における多剤処方の実態と背景(山之内芳雄)
抗不安薬,睡眠薬,抗うつ薬の適正使用のために(佐藤創一郎)
地域医療とポリファーマシーへの対応(木村琢磨)
お薬手帳を通じたコミュニケーション(野呂瀬崇彦)
適切な服薬管理のための薬剤師による訪問薬剤管理(古田精一)
残薬調整から医薬品の適正処方・適正使用へつなげる「節薬バッグ運動」 ─九州大学と一般社団法人福岡市薬剤師会との共同事業─(島添隆雄,他)
地域連携でポリファーマシーを削減(吉岡睦展)
≪Series≫
医者のストレス,患者の不満(最終回)
医者のやりがい,患者の満足(寺本研一)
私たちはこんな世界を生きている アスペルガー症候群の当事者研究(13)
みんなの支えあって(Y. K.)
タイムマシンに連れられて 30 年後の未来医療(5)
近未来のプライマリ・ケア(藤沼康樹)
心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(2)
嫌味の人(京極 真)
≪今月の視点≫
多くの薬が処方されている状態をポリファーマシーと呼ぶ.耳慣れない言葉かもしれないが,臨床現場ではこのポリファーマシーと呼ばれるケースにしばしば遭遇する.複数の病態や疾患を抱えた高齢患者が増えたことがその要因かもしれない.医療が高度化し難治性疾患を抱えた慢性患者が増加したことも関係しているだろう.もちろん患者側の要因だけではない.医学が進歩しさまざまな治療薬が開発され,患者に使用できる薬が増えたことも影響しているだろう.使用できる薬が増えたことにより,医師は今まで以上に慎重にその使用を検討すべきであるが,適切処方の教育は十分とはいえない.医療・ケア供給システムの複雑化もポリファーマシーの重要な要因となっている.外来,入院,在宅,介護施設,慢性期ケア,緩和ケアなど,患者の状態によってさまざまな医療・ケアが提供されるが,これらを提供する施設,医療関係者の連携も必ずしも十分ではない.とくに,医師と他職種のコミュニケーション不足は深刻であり,そのために処方薬の管理が十分に行われていないことは多い.複数の医療機関に通院し,複数の医師から処方を受けている患者はポリファーマシーとなる傾向があるが,これには医師同士のコミュニケーション不足が大きく関与しているだろう.
このように,臨床現場で生じるポリファーマシーの要因は複雑であり,ポリファーマシー自体の存在が認識されることはあっても,その効果的な対策が十分に講じられていることはほとんどない.また,ポリファーマシーによって多くの薬物有害反応が発生しているはずであるが,医療従事者のなかではその認識さえ十分になされていないことが多い.
ポリファーマシーによる患者の不利益を解消することに対して大きな力を発揮できるのは,患者の最も身近なケア供給機能であるプライマリ・ケアにかかわる医療従事者である.ポリファーマシーへの理解を深め,多職種で連携してこの問題の解消に当たろうではないか.
宮田靖志 国立病院機構名古屋医療センター 卒後教育研修センター/総合内科 センター長
≪特集の目次≫
■総 論
ポリファーマシー:何が問題なのか? どうすればよいのか?(宮田靖志)
ポリファーマシーを防ぐ適切処方のためのツール:Beers Criteria,STOPP,START(梶 有貴,他)
製薬企業の製品説明をどうみればよいのか? ─薬を使わせる戦略とどうつき合うか─(南郷栄秀)
薬剤師のEBM 教育の現状(佐々木順一,他)
Pill pusher ─薬をねじ込むメガファーマ─(齊尾武郎)
ポリファーマシー対策のための多職種連携をどう進めるか(孫 大輔)
ポリファーマシーと医学教育(茂木恒俊)
すんなりわかる
実践! ポリファーマシー(西村加奈子)
■各 論
高齢者診療の立場から(星 哲哉)
病院総合診療の立場から(石丸裕康)
在宅医療の立場から(古屋 聡,他)
緩和ケアにおけるポリファーマシー(岡本拓也)
開業診療の立場から(小田倉弘典)
小児科診療の立場から(児玉和彦)
精神科領域における多剤処方の実態と背景(山之内芳雄)
抗不安薬,睡眠薬,抗うつ薬の適正使用のために(佐藤創一郎)
地域医療とポリファーマシーへの対応(木村琢磨)
お薬手帳を通じたコミュニケーション(野呂瀬崇彦)
適切な服薬管理のための薬剤師による訪問薬剤管理(古田精一)
残薬調整から医薬品の適正処方・適正使用へつなげる「節薬バッグ運動」 ─九州大学と一般社団法人福岡市薬剤師会との共同事業─(島添隆雄,他)
地域連携でポリファーマシーを削減(吉岡睦展)
≪Series≫
医者のストレス,患者の不満(最終回)
医者のやりがい,患者の満足(寺本研一)
私たちはこんな世界を生きている アスペルガー症候群の当事者研究(13)
みんなの支えあって(Y. K.)
タイムマシンに連れられて 30 年後の未来医療(5)
近未来のプライマリ・ケア(藤沼康樹)
心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(2)
嫌味の人(京極 真)
≪今月の視点≫
多くの薬が処方されている状態をポリファーマシーと呼ぶ.耳慣れない言葉かもしれないが,臨床現場ではこのポリファーマシーと呼ばれるケースにしばしば遭遇する.複数の病態や疾患を抱えた高齢患者が増えたことがその要因かもしれない.医療が高度化し難治性疾患を抱えた慢性患者が増加したことも関係しているだろう.もちろん患者側の要因だけではない.医学が進歩しさまざまな治療薬が開発され,患者に使用できる薬が増えたことも影響しているだろう.使用できる薬が増えたことにより,医師は今まで以上に慎重にその使用を検討すべきであるが,適切処方の教育は十分とはいえない.医療・ケア供給システムの複雑化もポリファーマシーの重要な要因となっている.外来,入院,在宅,介護施設,慢性期ケア,緩和ケアなど,患者の状態によってさまざまな医療・ケアが提供されるが,これらを提供する施設,医療関係者の連携も必ずしも十分ではない.とくに,医師と他職種のコミュニケーション不足は深刻であり,そのために処方薬の管理が十分に行われていないことは多い.複数の医療機関に通院し,複数の医師から処方を受けている患者はポリファーマシーとなる傾向があるが,これには医師同士のコミュニケーション不足が大きく関与しているだろう.
このように,臨床現場で生じるポリファーマシーの要因は複雑であり,ポリファーマシー自体の存在が認識されることはあっても,その効果的な対策が十分に講じられていることはほとんどない.また,ポリファーマシーによって多くの薬物有害反応が発生しているはずであるが,医療従事者のなかではその認識さえ十分になされていないことが多い.
ポリファーマシーによる患者の不利益を解消することに対して大きな力を発揮できるのは,患者の最も身近なケア供給機能であるプライマリ・ケアにかかわる医療従事者である.ポリファーマシーへの理解を深め,多職種で連携してこの問題の解消に当たろうではないか.
宮田靖志 国立病院機構名古屋医療センター 卒後教育研修センター/総合内科 センター長
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