目次
特集 『 CRPology 』
≪今月の視点≫
もう1度CRPの使い方を考えてみよう
私が初期研修医の頃はまさにCRPの全盛期であり,「CRPを測定しない者は医者ではない」という雰囲気すら感じるバブリーな空気がそこにはありました(個人的な感想です).当時は「CRPが高いので抗菌薬を開始しておきました」,「CRPが低いので重症ではありません.帰宅可能です」といった,今となっては目を覆いたくなるような,CRPの数値のみを判断指標としたアセスメントが横行していました.私はこれをCRP-oriented Medicine(通称COM:コム)と呼んでいます.
しかし,今から約10年ほど前を境に,COMに対する逆風が吹き始めます.これまでの不適切な感染症診療に代わって,エビデンスに基づいたスタンダードな感染症診療の考え方が国内でも広がりだしました.この流れによって,当時20年くらい遅れて,ガラパゴス化していた日本の感染症診療が大きく前進したことはご存知のとおりかと思います.しかし,そのスタンダードな感染症診療の考え方が普及していくなかで,「CRPは有用ではない」という考え方もセットで広まっていったように思います.これは,「CRPでは感染臓器を知ることはできないし,経過観察もCRP値の推移ではなく,臓器特異的なパラメーターをみていくべきである」という意図であったはずですし,私もそれについては全く異論はありません.しかし,一部では「CRPを測定するなんてナンセンスだ」と拡大解釈され,日本に多く存在したCOM信仰者(通称COMer:カマー)との軋轢を生んだのもまた事実でしょう.
この「CRPology」という企画の意図は「もう1度CRPの使い方を考えてみよう」ということにあります.COMerのようにCRPに偏った診療も極端ですが,CRPを全く測定しないというのもまた極端ではないかと感じます.CRPの有用性と限界をきちんと理解したうえで,適切なタイミングで用いれば,CRPは強力な道具となるはずです.そして,その「CRPの適切な使い方」は,古くからCRPを最も測定してきた,われわれ“日本の”医療従事者から発信すべきではないでしょうか.本特集が,読者の皆さまのCRPとの適切なつき合い方を定めるための1つの教科書になれば幸いです.
[編集幹事]
国立国際医療研究センター 国際感染症センター/国際診療部
忽那賢志
≪特集の目次≫
■特別座談会
CRPとの上手なつき合い方とは?(忽那賢志,佐田竜一,山口征啓,山本 祐)
■総 論
CRPとは(忽那賢志)
■科別/セッティング別
救急医のCRP(東 秀律)
集中治療医のCRP(浅香葉子,他)
膠原病科医のCRP(坂上沙央里,他)
不定愁訴とCRP(國松淳和)
心血管系・動脈硬化とCRP(守川義信)
感染症医のCRP(松尾裕央)
がんとCRP(萩原彰人,他)
小児科とCRP(山元 佳)
呼吸器内科医のCRP(片岡裕貴)
離島医療とCRP(平島 修)
■特別寄稿
CRPの有用性と重要性(三森明夫)
■CRP以外のマーカーのエビデンス
赤血球沈降速度の有用性(原田 拓)
プロカルシトニン(谷崎隆太郎)
白血球(石金正裕)
≪連載≫
「治療」「薬局」合同企画データで読むクスリ
C型肝炎治療薬の最新動向は ?!─IFNベースvsIFNフリー─ (浜田康次)
すんなりわかる
実践! CRPology(井村春樹)
プロ×プロ イナダ(研修医)も学べばブリ(指導医)になる 現場のプロと臨床推論のプロが教える診断能力アップ術 (4)
痩せが止まらない……(体重減少)(安藤公美惠,林 寛之,大西弘高)
在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識 (11)
【システム編】在宅医療のニーズがない地域で,ニーズを生み出す!(永井康徳,他)
タイムマシンに連れられて 30年後の未来医療(15)
30年後の血管内治療(石井 暁)
心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(12)
燃えつきた人(京極 真)
子どもの今と未来を支える医療と教育 ~スウェーデンにおける最新の医学・医療とダイバーシティ教育~ (最終回)
医療と教育の連携─神経発達障害の子どもに対する支援を創生する─(小野尚香)
≪今月の視点≫
もう1度CRPの使い方を考えてみよう
私が初期研修医の頃はまさにCRPの全盛期であり,「CRPを測定しない者は医者ではない」という雰囲気すら感じるバブリーな空気がそこにはありました(個人的な感想です).当時は「CRPが高いので抗菌薬を開始しておきました」,「CRPが低いので重症ではありません.帰宅可能です」といった,今となっては目を覆いたくなるような,CRPの数値のみを判断指標としたアセスメントが横行していました.私はこれをCRP-oriented Medicine(通称COM:コム)と呼んでいます.
しかし,今から約10年ほど前を境に,COMに対する逆風が吹き始めます.これまでの不適切な感染症診療に代わって,エビデンスに基づいたスタンダードな感染症診療の考え方が国内でも広がりだしました.この流れによって,当時20年くらい遅れて,ガラパゴス化していた日本の感染症診療が大きく前進したことはご存知のとおりかと思います.しかし,そのスタンダードな感染症診療の考え方が普及していくなかで,「CRPは有用ではない」という考え方もセットで広まっていったように思います.これは,「CRPでは感染臓器を知ることはできないし,経過観察もCRP値の推移ではなく,臓器特異的なパラメーターをみていくべきである」という意図であったはずですし,私もそれについては全く異論はありません.しかし,一部では「CRPを測定するなんてナンセンスだ」と拡大解釈され,日本に多く存在したCOM信仰者(通称COMer:カマー)との軋轢を生んだのもまた事実でしょう.
この「CRPology」という企画の意図は「もう1度CRPの使い方を考えてみよう」ということにあります.COMerのようにCRPに偏った診療も極端ですが,CRPを全く測定しないというのもまた極端ではないかと感じます.CRPの有用性と限界をきちんと理解したうえで,適切なタイミングで用いれば,CRPは強力な道具となるはずです.そして,その「CRPの適切な使い方」は,古くからCRPを最も測定してきた,われわれ“日本の”医療従事者から発信すべきではないでしょうか.本特集が,読者の皆さまのCRPとの適切なつき合い方を定めるための1つの教科書になれば幸いです.
[編集幹事]
国立国際医療研究センター 国際感染症センター/国際診療部
忽那賢志
≪特集の目次≫
■特別座談会
CRPとの上手なつき合い方とは?(忽那賢志,佐田竜一,山口征啓,山本 祐)
■総 論
CRPとは(忽那賢志)
■科別/セッティング別
救急医のCRP(東 秀律)
集中治療医のCRP(浅香葉子,他)
膠原病科医のCRP(坂上沙央里,他)
不定愁訴とCRP(國松淳和)
心血管系・動脈硬化とCRP(守川義信)
感染症医のCRP(松尾裕央)
がんとCRP(萩原彰人,他)
小児科とCRP(山元 佳)
呼吸器内科医のCRP(片岡裕貴)
離島医療とCRP(平島 修)
■特別寄稿
CRPの有用性と重要性(三森明夫)
■CRP以外のマーカーのエビデンス
赤血球沈降速度の有用性(原田 拓)
プロカルシトニン(谷崎隆太郎)
白血球(石金正裕)
≪連載≫
「治療」「薬局」合同企画データで読むクスリ
C型肝炎治療薬の最新動向は ?!─IFNベースvsIFNフリー─ (浜田康次)
すんなりわかる
実践! CRPology(井村春樹)
プロ×プロ イナダ(研修医)も学べばブリ(指導医)になる 現場のプロと臨床推論のプロが教える診断能力アップ術 (4)
痩せが止まらない……(体重減少)(安藤公美惠,林 寛之,大西弘高)
在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識 (11)
【システム編】在宅医療のニーズがない地域で,ニーズを生み出す!(永井康徳,他)
タイムマシンに連れられて 30年後の未来医療(15)
30年後の血管内治療(石井 暁)
心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(12)
燃えつきた人(京極 真)
子どもの今と未来を支える医療と教育 ~スウェーデンにおける最新の医学・医療とダイバーシティ教育~ (最終回)
医療と教育の連携─神経発達障害の子どもに対する支援を創生する─(小野尚香)
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- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月1日
- サイズ:B5判
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