目次
特集:患者安全 -医療安全から患者安全へ-
≪今月の視点≫
重要なのは誰の安全なのか?
医療安全と聞いてみなさんは何を思い浮かべるであろうか? インシデントレポートを書かされるとか,訴訟で負けないためのカルテ記載,インフォームド・コンセント,そして防衛医療など,ネガティブな側面を思い浮かべる人もいるのではないだろうか.いつしか医療安全とは,われわれ医療者の安全を守ることに主眼が置かれ,患者の安全が二の次になってはいないかという思いからこの特集を企画した.
「患者安全」を考えることは,よりよい医療,より安全な医療を求める医療の本道であり,そこから医療の質の向上を図るというポジティブな行為なのである. アメリカ医学研究所(Institute of Medicine:IOM)が1999年に発表した「To Err is Human:Building a Safer Health System」のレポート以後,医療事故はあってはならないものから,「人は誰でも間違える」ことを前提に,安全を確保できるシステムを見直し,将来のエラーを減らす方向に舵が切られた.起こってしまった失敗事例を振り返り,次に活かすべき教訓を得るには,個人を責めるのではなく,個人の安全が守られた環境で有意義な振り返りをするのが肝要である.この特集では失敗をしてしまった人にどのように対応し,どのような振り返りを行えば,組織的な安全文化を醸成できるのかに触れている.
また,事故が起こった際の患者・家族の思い,そして安全への提言を実際の当事者である豊田さんからいただいた.そして「何が起こっているか知りたい」,「誠実な対応をしてほしい」と願う当事者を救うために,メディエーションやナラティブに基づいた対応についても取りあげた.
そして新しいパラダイムとして「レジリエンスエンジニアリング」を取り上げた.医療現場は予想どおりにいかずさまざまなことが起こるが,日常臨床では失敗事例よりもうまくいっていることのほうが圧倒的に多いのである.「レジリエンスエンジニアリング」はこの点に着目し,ダイナミックに変化する状況においてもシステムが機能するには,どのような調整が行われていて,それをどう活かすのかというアプローチである.今の複雑な医療現場では,失敗から学ぶことに加え,このようなアプローチが必要不可欠である.
ほかにも豪華執筆陣に安全の取り組みや提言をご寄稿いただいたので,ぜひ多くの医療者に読んでいただけると幸いである.
[編集幹事]函館稜北病院 総合診療科 川口篤也
≪特集の目次≫
■これからの患者安全のパラダイム
臨床現場で医師が安全を考えるための枠組み(長谷川 剛)
安全教育と安全文化の醸成(長谷川 剛)
患者・家族からの安全への提言(豊田郁子)
レジリエンスエンジニアリングの考え方(小松原明哲)
レジリエンスエンジニアリングの医療への応用(滝沢牧子,他)
■臨床現場での患者安全への取り組み
TeamSTEPPS の医療現場での活用(辰巳陽一)
医療メディエーション(中西淑美)
ナラティブに基づく紛争解決(斎藤清二)
診断エラー学(徳田安春)
“ともに考える”インフォームド・コンセント ─そのコンセプトと実際─(尾藤誠司)
倫理サポートチームの実践(大浦 誠)
M & M カンファレンスの実践(井桁龍平,他)
ヒヤリハットカンファレンスとその効果(松浦武志)
ミスをした研修医への対応(小田浩之)
■特別対談
患者安全の変遷と今後のビジョン(川口篤也,長谷川 剛)
≪連 載≫
今月のお薬ランキング(21)
緑内障・高眼圧症用点眼薬(浜田康次)
「治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
〜“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は〜(9)
あなたとコンビに 〜 Note 9.「緩和ケア」を言い換える(前編)〜(市原 真)
≪今月の視点≫
重要なのは誰の安全なのか?
医療安全と聞いてみなさんは何を思い浮かべるであろうか? インシデントレポートを書かされるとか,訴訟で負けないためのカルテ記載,インフォームド・コンセント,そして防衛医療など,ネガティブな側面を思い浮かべる人もいるのではないだろうか.いつしか医療安全とは,われわれ医療者の安全を守ることに主眼が置かれ,患者の安全が二の次になってはいないかという思いからこの特集を企画した.
「患者安全」を考えることは,よりよい医療,より安全な医療を求める医療の本道であり,そこから医療の質の向上を図るというポジティブな行為なのである. アメリカ医学研究所(Institute of Medicine:IOM)が1999年に発表した「To Err is Human:Building a Safer Health System」のレポート以後,医療事故はあってはならないものから,「人は誰でも間違える」ことを前提に,安全を確保できるシステムを見直し,将来のエラーを減らす方向に舵が切られた.起こってしまった失敗事例を振り返り,次に活かすべき教訓を得るには,個人を責めるのではなく,個人の安全が守られた環境で有意義な振り返りをするのが肝要である.この特集では失敗をしてしまった人にどのように対応し,どのような振り返りを行えば,組織的な安全文化を醸成できるのかに触れている.
また,事故が起こった際の患者・家族の思い,そして安全への提言を実際の当事者である豊田さんからいただいた.そして「何が起こっているか知りたい」,「誠実な対応をしてほしい」と願う当事者を救うために,メディエーションやナラティブに基づいた対応についても取りあげた.
そして新しいパラダイムとして「レジリエンスエンジニアリング」を取り上げた.医療現場は予想どおりにいかずさまざまなことが起こるが,日常臨床では失敗事例よりもうまくいっていることのほうが圧倒的に多いのである.「レジリエンスエンジニアリング」はこの点に着目し,ダイナミックに変化する状況においてもシステムが機能するには,どのような調整が行われていて,それをどう活かすのかというアプローチである.今の複雑な医療現場では,失敗から学ぶことに加え,このようなアプローチが必要不可欠である.
ほかにも豪華執筆陣に安全の取り組みや提言をご寄稿いただいたので,ぜひ多くの医療者に読んでいただけると幸いである.
[編集幹事]函館稜北病院 総合診療科 川口篤也
≪特集の目次≫
■これからの患者安全のパラダイム
臨床現場で医師が安全を考えるための枠組み(長谷川 剛)
安全教育と安全文化の醸成(長谷川 剛)
患者・家族からの安全への提言(豊田郁子)
レジリエンスエンジニアリングの考え方(小松原明哲)
レジリエンスエンジニアリングの医療への応用(滝沢牧子,他)
■臨床現場での患者安全への取り組み
TeamSTEPPS の医療現場での活用(辰巳陽一)
医療メディエーション(中西淑美)
ナラティブに基づく紛争解決(斎藤清二)
診断エラー学(徳田安春)
“ともに考える”インフォームド・コンセント ─そのコンセプトと実際─(尾藤誠司)
倫理サポートチームの実践(大浦 誠)
M & M カンファレンスの実践(井桁龍平,他)
ヒヤリハットカンファレンスとその効果(松浦武志)
ミスをした研修医への対応(小田浩之)
■特別対談
患者安全の変遷と今後のビジョン(川口篤也,長谷川 剛)
≪連 載≫
今月のお薬ランキング(21)
緑内障・高眼圧症用点眼薬(浜田康次)
「治療」「薬局」合同連載 Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳
〜“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は〜(9)
あなたとコンビに 〜 Note 9.「緩和ケア」を言い換える(前編)〜(市原 真)
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- 出版社:南山堂
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月1日
- サイズ:B5判
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