目次
特集:発熱患者を診たら!
-外来における診療の基本から,その対応までわかりやすく解説-
≪今月の視点≫
初期研修医時代を振り返ると,アルバイト先の診療所で一人心細く外来診療をしていたことが思い出される.「じゃあ検査しますね」と患者を診察室の外へ出し,急いで教科書を読んで検査を選んでいた.医療安全的にその状況が正しかったかは別として,アルバイトを禁止されていることから,現在,大病院で研修する多くの初期研修医はいわゆる「風邪」の外来診療機会をなくしている.つまり,本来内科医に最も大切な能力,「莫大な数の急性上気道炎による発熱患者のなかから至急対応が必要な患者を発見すること」のトレーニングがなされていない.
大学病院の総合診療科医の仕事で最も面白いのは不明熱の診断である.私は15年間で数多くの不明熱患者の診療に携わった.なかには,病院に来たいがために発熱を訴える患者,患者思いの前医が知恵を絞って投与した薬で発熱している人がいた.そして少数ではあるが,私の診断が遅かったために命を落とした不明熱患者もいる.不明熱診療は正に診断学・治療学の最終試験である.しかし,多くの検査と入院期間を要するため,DPC制度の病院では経営的に問題視される.そして,不明熱診療の中心となるべき大学病院総合診療科は「何を診療しているのかわからない」,「必要のない診療科なのではないか」といわれることも少なくない.
当院の感染症ホットライン制度では,院内各科からの相談に毎日電話当番が対応している.最も多い相談は,やはり「患者が発熱しています!」である.しかし,「尿検査はしていません」や「とりあえず昨日から抗菌薬は使っていますが」という担当医が多いのが現実である.院内発熱のファーストワークアップ(血液培養2セット,胸部X線2方向,尿一般・塗抹培養検査)を行わずに院内発熱を診断するのは,心電図をとらずに心筋梗塞を診断するようなものである.
これらの問題点の根源には,発熱患者のプライマリ・ケアの重要性が十分認識されていないことがある.そして,初診医と発熱患者のセカンダリ・ケア医との相互理解が不十分なことも影響している.この状況を打破し,わが国の発熱診療が正しい方向に向かうために今回の特集を企画し,全国の発熱診療の第一人者に集合していただいた.この企画が,明日からの適正な発熱診療に役立つことを確信している.
内藤俊夫 順天堂大学医学部総合診療科 准教授
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今月の視点(内藤俊夫)
■総 論
発熱患者診療の基本原則(青木 眞)
最初に行うべき検査(羽田野義郎 他)
■発熱に伴う症状
皮疹を伴う発熱(柳澤如樹)
関節痛を伴う発熱(乾 啓洋)
頭痛を伴う発熱(志賀尚子 他)
リンパ節腫脹を伴う発熱(加藤哲朗)
下痢を伴う発熱(中嶋 均 他)
■発熱患者への対応
高次病院へ紹介するタイミング(林 純 他)
外来で経過観察するときの注意点(吉岡経明 他)
■特殊な発熱患者
腫瘍熱(吉川哲矢 他)
詐熱と心因性発熱(上原由紀)
薬剤熱(徳田安春)
旅行者の発熱(福島慎二 他)
■トピックス
とりあえず抗菌薬を飲ませておくべき?(松尾裕央 他)
まずCRP 検査? それとも…(大塚喜人)
インフルエンザの検査をするべき?(荒岡秀樹)
HIV 感染症の可能性は?(内藤俊夫)
≪Series≫
温温故医新(8)
抗菌薬乱用の継承(内藤俊夫)
医療ポライトネス・ストラテジー(8)
破壊的医師「アルファ・ドクター」への処方せん(徳田安春)
Doctor’s career 医師の多様なキャリアを紹介!(11)(久 智行)
よりよい医院経営(66)
病院経営におけるIT 活用-人とデータがつながるということ-(佐藤正晃)
再生医学のいま -基礎研究から臨床への展開に向けて-(40)
幹細胞を用いた血液再生(横山泰久 他)
ヒポクラテスが教える病名のない病理学(31)
疾病と疾患② (中島旻保)
何が正解? 循環器治療 EBM で検証(49)
末梢動脈疾患(PAD)の外来薬物療法と合併症(安部開人 他)
News & Trend
information:国立国際医療研究センターによる「糖尿病情報サービス」の展開(能登 洋 他)
Contribution
臨床経験:自然脱落をきたした成人S 状結腸Peutz-Jeghers 型ポリープの1 例(太和田昌弘 他)
臨床経験:直腸肛門部悪性黒色腫の1 例(諸橋 一 他)
臨床経験:PEG による長期経腸栄養患者における潜在性銅欠乏例(樋園和仁 他)
-外来における診療の基本から,その対応までわかりやすく解説-
≪今月の視点≫
初期研修医時代を振り返ると,アルバイト先の診療所で一人心細く外来診療をしていたことが思い出される.「じゃあ検査しますね」と患者を診察室の外へ出し,急いで教科書を読んで検査を選んでいた.医療安全的にその状況が正しかったかは別として,アルバイトを禁止されていることから,現在,大病院で研修する多くの初期研修医はいわゆる「風邪」の外来診療機会をなくしている.つまり,本来内科医に最も大切な能力,「莫大な数の急性上気道炎による発熱患者のなかから至急対応が必要な患者を発見すること」のトレーニングがなされていない.
大学病院の総合診療科医の仕事で最も面白いのは不明熱の診断である.私は15年間で数多くの不明熱患者の診療に携わった.なかには,病院に来たいがために発熱を訴える患者,患者思いの前医が知恵を絞って投与した薬で発熱している人がいた.そして少数ではあるが,私の診断が遅かったために命を落とした不明熱患者もいる.不明熱診療は正に診断学・治療学の最終試験である.しかし,多くの検査と入院期間を要するため,DPC制度の病院では経営的に問題視される.そして,不明熱診療の中心となるべき大学病院総合診療科は「何を診療しているのかわからない」,「必要のない診療科なのではないか」といわれることも少なくない.
当院の感染症ホットライン制度では,院内各科からの相談に毎日電話当番が対応している.最も多い相談は,やはり「患者が発熱しています!」である.しかし,「尿検査はしていません」や「とりあえず昨日から抗菌薬は使っていますが」という担当医が多いのが現実である.院内発熱のファーストワークアップ(血液培養2セット,胸部X線2方向,尿一般・塗抹培養検査)を行わずに院内発熱を診断するのは,心電図をとらずに心筋梗塞を診断するようなものである.
これらの問題点の根源には,発熱患者のプライマリ・ケアの重要性が十分認識されていないことがある.そして,初診医と発熱患者のセカンダリ・ケア医との相互理解が不十分なことも影響している.この状況を打破し,わが国の発熱診療が正しい方向に向かうために今回の特集を企画し,全国の発熱診療の第一人者に集合していただいた.この企画が,明日からの適正な発熱診療に役立つことを確信している.
内藤俊夫 順天堂大学医学部総合診療科 准教授
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今月の視点(内藤俊夫)
■総 論
発熱患者診療の基本原則(青木 眞)
最初に行うべき検査(羽田野義郎 他)
■発熱に伴う症状
皮疹を伴う発熱(柳澤如樹)
関節痛を伴う発熱(乾 啓洋)
頭痛を伴う発熱(志賀尚子 他)
リンパ節腫脹を伴う発熱(加藤哲朗)
下痢を伴う発熱(中嶋 均 他)
■発熱患者への対応
高次病院へ紹介するタイミング(林 純 他)
外来で経過観察するときの注意点(吉岡経明 他)
■特殊な発熱患者
腫瘍熱(吉川哲矢 他)
詐熱と心因性発熱(上原由紀)
薬剤熱(徳田安春)
旅行者の発熱(福島慎二 他)
■トピックス
とりあえず抗菌薬を飲ませておくべき?(松尾裕央 他)
まずCRP 検査? それとも…(大塚喜人)
インフルエンザの検査をするべき?(荒岡秀樹)
HIV 感染症の可能性は?(内藤俊夫)
≪Series≫
温温故医新(8)
抗菌薬乱用の継承(内藤俊夫)
医療ポライトネス・ストラテジー(8)
破壊的医師「アルファ・ドクター」への処方せん(徳田安春)
Doctor’s career 医師の多様なキャリアを紹介!(11)(久 智行)
よりよい医院経営(66)
病院経営におけるIT 活用-人とデータがつながるということ-(佐藤正晃)
再生医学のいま -基礎研究から臨床への展開に向けて-(40)
幹細胞を用いた血液再生(横山泰久 他)
ヒポクラテスが教える病名のない病理学(31)
疾病と疾患② (中島旻保)
何が正解? 循環器治療 EBM で検証(49)
末梢動脈疾患(PAD)の外来薬物療法と合併症(安部開人 他)
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臨床経験:直腸肛門部悪性黒色腫の1 例(諸橋 一 他)
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- 出版社:南山堂
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月1日
- サイズ:B5判
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