目次
特集:あの疾患・治療はどうなった?
-時を経て今どのような位置づけになったか,専門家が解説!-
≪今月の視点≫
医学の進歩は著しく,病因・病態の解明による新たな疾患概念の提唱,新しい治療法の開発,また生活習慣,環境の変化あるいは自然発生による新しい疾患の出現・流行などにより,一般社会はもとより医学・医療界の話題の中心も日々変遷していく.一方,一時期に話題となった疾患や一世を風靡した治療で,現在は話題となる機会が減少した疾患・治療法も多数あるが,これらの現在的な意義や位置づけを知ることは,一般医家の診療にとって重要と思われる.たとえば,「かつて世間で大騒ぎとなった狂牛病の現状はどうなったのか,牛肉は安心して食べられるのか?」,「生物製剤出現後の関節リウマチに対する金療法,ステロイド療法はどのような位置づけなのか?」(本特集中の該当論文を参照のこと)などの自然な疑問を思い浮かべていただければと思う.それらのなかには,事実上消滅した,または予防体制が確立したために現在ではほとんど鑑別対象とならない疾患や,ほかのより優れた治療に置き換わったため適用とならない治療もあれば,現在でも日常診療にとって一定の位置を占める(ある意味で定着した)ので話題とならなくなった疾患や治療法もあるだろう.しかし,該当する領域の専門家でない一般医家にとっては,このような疾患・治療を逐一フォローアップすることは困難を伴い,事実上現在における意義や位置づけを知る機会は少ないのではないだろうか.
本特集は,このような疾患や治療の現在における位置づけを,その領域の専門家に論じていただくことで,一般医家の診療や予防活動に役立てていただくことを目的としている.すなわち,「以前は一般的だった(流行した)あの疾患・治療は今どうなったの? どのような位置づけがあるの?」という一般医家の疑問に対して,その領域の専門家の助けを借りた再認識の機会を提供することが企画の趣旨である.
しかしながら,このような企画の必然として,多領域のテーマを集めた「オムニバス形式」とならざるを得ず,この形式では,取り上げた疾患・治療が一般医家にとって興味があり役立つものか,また本来取り上げるべき対象が欠けていないかどうかは,常に念頭に置くべき課題となる.この点は,本誌の多くの編集委員の先生方のご意見を集約して企画案を作成することで,この選択基準の問題をブレークスルーしようと努めたが,まだ不十分な点があることは否めないと思われる.この点,本企画の編集幹事である私の力不足に関しては叱責を覚悟しているので,読者の方々の率直なご批判をいただきたい.逆に,本企画が日常臨床に少しでも役立てば,望外の幸いである.
渡辺 毅 福島県立医科大学腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科(第3内科)教授
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今月の視点(渡辺 毅)
■あれは今どうなった?
結核(山岸文雄)
ハンセン病(四津里英 他)
脚気(橋詰直孝 他)
狂牛病(皆川洋子)
家畜・野生動物・人間と口蹄疫(岡本嘉六)
内分泌攪乱物質(柳瀬敏彦)
ドクターヘリ運航と課題(坂本照夫)
■あの治療の現在の位置づけは?
【糖尿病】ビグアナイド(能登 洋)
【糖尿病神経障害】アルドース還元酵素阻害薬(堀田 饒)
【高血圧】レセルピン(青木英彦 他)
【妊娠中の高血圧】メチルドパ・ヒドララジン(吉田 純)
【脂質異常症】プロブコール(横手幸太郎)
【脳梗塞】発症後のリハビリテーション・ラジカルスカベンジャー(及川博隆 他)
【胃潰瘍・慢性胃炎・逆流性食道炎】PPI 登場以前の胃薬(引地拓人 他)
【虫垂炎】「薬で散らす」の功罪(小鹿雅博 他)
【慢性肝炎】小柴胡湯(山川淳一 他)
【慢性腎炎・腎不全】抗血小板薬,レニン・アンジオテンシン系阻害薬(武田之彦 他)
【関節リウマチ】ケナコルト注射・金製剤(大野 滋)
【喘息・慢性気管支炎】タンパク分解酵素薬(大林王司 他)
【感染症】古典的な抗菌薬(ペニシリン・バンコマイシン・ST 合剤・メトロニダゾール)(大城雄亮 他)
【かぜ】総合感冒薬・鎮痛薬(小児での使用)(小口敬伸 他)
【中耳炎】鼓膜切開(吉田友英)
【うつ】抗うつ薬(仙波純一)
【多発性骨髄腫】サリドマイド(畑 裕之)
【更年期障害】ホルモン補充療法(高田恵子 他)
≪Series≫
温故医新(12)
内科医たりとも肛門や子宮の内診を忽せにすることはできない(雨森正洋)
医療ポライトネス・ストラテジー(12)
医師-患者関係を構築するコミュニケーションにおけるポライトネス理論の役割 (石崎雅人)
医と社会のコスモロジー -歴史に学ぶ 近代日本と医師たちの課題と実践-(3)
「お雇い外国人」と近代医学教育(小野尚香)
よりよい医院経営(67)
訪問看護ステーションと医療機関との連携(野島あけみ)
再生医学のいま -基礎研究から臨床への展開に向けて-(44)
細胞移植:心臓病における臨床応用への潮流(五條理志 他)
ヒポクラテスが教える病名のない病理学(35)
腺・肉質について(中島旻保)
-時を経て今どのような位置づけになったか,専門家が解説!-
≪今月の視点≫
医学の進歩は著しく,病因・病態の解明による新たな疾患概念の提唱,新しい治療法の開発,また生活習慣,環境の変化あるいは自然発生による新しい疾患の出現・流行などにより,一般社会はもとより医学・医療界の話題の中心も日々変遷していく.一方,一時期に話題となった疾患や一世を風靡した治療で,現在は話題となる機会が減少した疾患・治療法も多数あるが,これらの現在的な意義や位置づけを知ることは,一般医家の診療にとって重要と思われる.たとえば,「かつて世間で大騒ぎとなった狂牛病の現状はどうなったのか,牛肉は安心して食べられるのか?」,「生物製剤出現後の関節リウマチに対する金療法,ステロイド療法はどのような位置づけなのか?」(本特集中の該当論文を参照のこと)などの自然な疑問を思い浮かべていただければと思う.それらのなかには,事実上消滅した,または予防体制が確立したために現在ではほとんど鑑別対象とならない疾患や,ほかのより優れた治療に置き換わったため適用とならない治療もあれば,現在でも日常診療にとって一定の位置を占める(ある意味で定着した)ので話題とならなくなった疾患や治療法もあるだろう.しかし,該当する領域の専門家でない一般医家にとっては,このような疾患・治療を逐一フォローアップすることは困難を伴い,事実上現在における意義や位置づけを知る機会は少ないのではないだろうか.
本特集は,このような疾患や治療の現在における位置づけを,その領域の専門家に論じていただくことで,一般医家の診療や予防活動に役立てていただくことを目的としている.すなわち,「以前は一般的だった(流行した)あの疾患・治療は今どうなったの? どのような位置づけがあるの?」という一般医家の疑問に対して,その領域の専門家の助けを借りた再認識の機会を提供することが企画の趣旨である.
しかしながら,このような企画の必然として,多領域のテーマを集めた「オムニバス形式」とならざるを得ず,この形式では,取り上げた疾患・治療が一般医家にとって興味があり役立つものか,また本来取り上げるべき対象が欠けていないかどうかは,常に念頭に置くべき課題となる.この点は,本誌の多くの編集委員の先生方のご意見を集約して企画案を作成することで,この選択基準の問題をブレークスルーしようと努めたが,まだ不十分な点があることは否めないと思われる.この点,本企画の編集幹事である私の力不足に関しては叱責を覚悟しているので,読者の方々の率直なご批判をいただきたい.逆に,本企画が日常臨床に少しでも役立てば,望外の幸いである.
渡辺 毅 福島県立医科大学腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科(第3内科)教授
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今月の視点(渡辺 毅)
■あれは今どうなった?
結核(山岸文雄)
ハンセン病(四津里英 他)
脚気(橋詰直孝 他)
狂牛病(皆川洋子)
家畜・野生動物・人間と口蹄疫(岡本嘉六)
内分泌攪乱物質(柳瀬敏彦)
ドクターヘリ運航と課題(坂本照夫)
■あの治療の現在の位置づけは?
【糖尿病】ビグアナイド(能登 洋)
【糖尿病神経障害】アルドース還元酵素阻害薬(堀田 饒)
【高血圧】レセルピン(青木英彦 他)
【妊娠中の高血圧】メチルドパ・ヒドララジン(吉田 純)
【脂質異常症】プロブコール(横手幸太郎)
【脳梗塞】発症後のリハビリテーション・ラジカルスカベンジャー(及川博隆 他)
【胃潰瘍・慢性胃炎・逆流性食道炎】PPI 登場以前の胃薬(引地拓人 他)
【虫垂炎】「薬で散らす」の功罪(小鹿雅博 他)
【慢性肝炎】小柴胡湯(山川淳一 他)
【慢性腎炎・腎不全】抗血小板薬,レニン・アンジオテンシン系阻害薬(武田之彦 他)
【関節リウマチ】ケナコルト注射・金製剤(大野 滋)
【喘息・慢性気管支炎】タンパク分解酵素薬(大林王司 他)
【感染症】古典的な抗菌薬(ペニシリン・バンコマイシン・ST 合剤・メトロニダゾール)(大城雄亮 他)
【かぜ】総合感冒薬・鎮痛薬(小児での使用)(小口敬伸 他)
【中耳炎】鼓膜切開(吉田友英)
【うつ】抗うつ薬(仙波純一)
【多発性骨髄腫】サリドマイド(畑 裕之)
【更年期障害】ホルモン補充療法(高田恵子 他)
≪Series≫
温故医新(12)
内科医たりとも肛門や子宮の内診を忽せにすることはできない(雨森正洋)
医療ポライトネス・ストラテジー(12)
医師-患者関係を構築するコミュニケーションにおけるポライトネス理論の役割 (石崎雅人)
医と社会のコスモロジー -歴史に学ぶ 近代日本と医師たちの課題と実践-(3)
「お雇い外国人」と近代医学教育(小野尚香)
よりよい医院経営(67)
訪問看護ステーションと医療機関との連携(野島あけみ)
再生医学のいま -基礎研究から臨床への展開に向けて-(44)
細胞移植:心臓病における臨床応用への潮流(五條理志 他)
ヒポクラテスが教える病名のない病理学(35)
腺・肉質について(中島旻保)
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