目次
特集:高齢患者のOveruse/Underuse -過剰でも過少でもない薬剤の適正使用を考える-
≪特集の目次≫
■特集にあたって(小島 太郎)
■高齢患者のOveruse/Underuseと適正使用の考え方(小島 太郎)
■高齢患者のOveruse/Underuseの要因とその評価(溝神 文博)
■Overuse/Underuseを見逃さないプロのみかたと対処法!
・抗血栓薬(抗凝固薬・抗血小板薬)(赤尾 昌治)
・β遮断薬(竹屋 泰)
・気管支拡張薬(千田 一嘉)
・スタチン(藤原 圭,島田 和典)
・血糖降下薬(田村 嘉章)
・骨粗鬆症治療薬(宗圓 聰)
・抗うつ薬(水上 勝義)
・抗認知症薬(沼崎 宗夫,荒井 啓行)
・鎮痛薬(村上 敏史)
■Overuse/Underuseに対する薬学管理の実践ポイント
・病院薬剤師のOveruse/Underuseへの関わり(飯田 真之,矢野 育子)
・保険薬局薬剤師のOveruse/Underuseへの関わり(山浦 克典)
・老健施設薬剤師のOveruse/Underuseへの関わり(新井 克明)
≪シリーズ≫
■薬理BOOT CAMP
抗コリン作用による疾患禁忌 〜抗ムスカリンなの,抗ニコチンなの?〜
抗コリン作用:抗ムスカリン作用と抗ニコチン作用
(小野 秀樹)
■BMs-Podによる真の薬物投与設計 〜薬物動態解析の臨床への還元〜
薬物療法支援のためのソフトウェアBMs-Podの効果的な活用法
(尾田 一貴)
■医療マンダラ 〜思考と感性のセンスを磨く〜
「型」は重要だが,「型どおり」だけではうまくいかない!
〜「マニュアルどおりの対応」が嫌われる理由〜
(中野 重行)
巻頭言
高齢人口の増大に伴い,高齢者のポリファーマシーの問題が認識されるようになり,エビデンスの少ない高齢者における最適な薬物治療は何か,ということが一段と重要となってきた.特に,日本の75 歳以上の人口は14%を超えており,日常的に高齢者の治療を行っていく中で,医療者も高齢患者にとりうるあらゆる治療法を検討しているが,十分な確信をもって最良の薬物治療を決定することには,疑問や混乱が起こることもあるのではないかと考えられる.フレイルや要介護状態が寿命に大きく影響することから,治療を開始あるいは強化して十分な意味があるのか,あるいは治療が必要な病状があっても現状の治療のまま経過観察で本当によいか,などである.
一方,疾患によってはunderuse の原因がunder-diagnosis であるものも想定され,overuse を考慮する前にunder-diagnosis にならないよう疾患に対する啓発方法や効率的な診断法について深めなければならない.重要な疾患であった場合にはunderuseの解消が必要である.
高齢患者の病状や機能障害の程度は多様であることから,どの疾患を重点的に治療していくかを判断することが重要であるが,そのためには定期的な病状評価と治療効果や薬物有害事象の判定が必要である.その中でoveruseになっていないか,underuse が存在しないかを判定することが必要となってくる.
日本老年医学会による『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン』では,領域ごとにおいてエビデンスに基づいた有効性や「特に慎重な投与を要する薬物」のリスト,「開始を考慮するべき薬物」のリスト,などが記載されており,一助となっているが,薬物有害事象の原因となる薬剤は必ずしも「特に慎重な投与を要する薬物」ばかりではなく,「開始を考慮するべき薬物」に掲載されていない薬剤でも病状によっては本来使用すべきと判定されるものもあると考えられる.
本特集ではあらためて高齢患者における薬剤のoveruse/underuse について,専門の先生方にその考え方について執筆いただいた.ガイドラインにもなかなか記載されていない,複雑で難解なテーマにつき,執筆いただいた先生方には,この場をお借りして多大な感謝をお伝えしたい.
小島 太郎
東京大学医学部附属病院 老年病科 講師
≪特集の目次≫
■特集にあたって(小島 太郎)
■高齢患者のOveruse/Underuseと適正使用の考え方(小島 太郎)
■高齢患者のOveruse/Underuseの要因とその評価(溝神 文博)
■Overuse/Underuseを見逃さないプロのみかたと対処法!
・抗血栓薬(抗凝固薬・抗血小板薬)(赤尾 昌治)
・β遮断薬(竹屋 泰)
・気管支拡張薬(千田 一嘉)
・スタチン(藤原 圭,島田 和典)
・血糖降下薬(田村 嘉章)
・骨粗鬆症治療薬(宗圓 聰)
・抗うつ薬(水上 勝義)
・抗認知症薬(沼崎 宗夫,荒井 啓行)
・鎮痛薬(村上 敏史)
■Overuse/Underuseに対する薬学管理の実践ポイント
・病院薬剤師のOveruse/Underuseへの関わり(飯田 真之,矢野 育子)
・保険薬局薬剤師のOveruse/Underuseへの関わり(山浦 克典)
・老健施設薬剤師のOveruse/Underuseへの関わり(新井 克明)
≪シリーズ≫
■薬理BOOT CAMP
抗コリン作用による疾患禁忌 〜抗ムスカリンなの,抗ニコチンなの?〜
抗コリン作用:抗ムスカリン作用と抗ニコチン作用
(小野 秀樹)
■BMs-Podによる真の薬物投与設計 〜薬物動態解析の臨床への還元〜
薬物療法支援のためのソフトウェアBMs-Podの効果的な活用法
(尾田 一貴)
■医療マンダラ 〜思考と感性のセンスを磨く〜
「型」は重要だが,「型どおり」だけではうまくいかない!
〜「マニュアルどおりの対応」が嫌われる理由〜
(中野 重行)
巻頭言
高齢人口の増大に伴い,高齢者のポリファーマシーの問題が認識されるようになり,エビデンスの少ない高齢者における最適な薬物治療は何か,ということが一段と重要となってきた.特に,日本の75 歳以上の人口は14%を超えており,日常的に高齢者の治療を行っていく中で,医療者も高齢患者にとりうるあらゆる治療法を検討しているが,十分な確信をもって最良の薬物治療を決定することには,疑問や混乱が起こることもあるのではないかと考えられる.フレイルや要介護状態が寿命に大きく影響することから,治療を開始あるいは強化して十分な意味があるのか,あるいは治療が必要な病状があっても現状の治療のまま経過観察で本当によいか,などである.
一方,疾患によってはunderuse の原因がunder-diagnosis であるものも想定され,overuse を考慮する前にunder-diagnosis にならないよう疾患に対する啓発方法や効率的な診断法について深めなければならない.重要な疾患であった場合にはunderuseの解消が必要である.
高齢患者の病状や機能障害の程度は多様であることから,どの疾患を重点的に治療していくかを判断することが重要であるが,そのためには定期的な病状評価と治療効果や薬物有害事象の判定が必要である.その中でoveruseになっていないか,underuse が存在しないかを判定することが必要となってくる.
日本老年医学会による『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン』では,領域ごとにおいてエビデンスに基づいた有効性や「特に慎重な投与を要する薬物」のリスト,「開始を考慮するべき薬物」のリスト,などが記載されており,一助となっているが,薬物有害事象の原因となる薬剤は必ずしも「特に慎重な投与を要する薬物」ばかりではなく,「開始を考慮するべき薬物」に掲載されていない薬剤でも病状によっては本来使用すべきと判定されるものもあると考えられる.
本特集ではあらためて高齢患者における薬剤のoveruse/underuse について,専門の先生方にその考え方について執筆いただいた.ガイドラインにもなかなか記載されていない,複雑で難解なテーマにつき,執筆いただいた先生方には,この場をお借りして多大な感謝をお伝えしたい.
小島 太郎
東京大学医学部附属病院 老年病科 講師
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