目次
特集テーマ:本気ではじめる! 吸入指導 -デバイスが鍵をにぎる喘息・COPD治療-
<特集の目次>
■特集にあたって(坂野 昌志)
■デバイス別見ひらきトリセツ ─選択・指導ポイントをつかむ!─(中村 敏史 吉村 拓也)
■喘息・COPD治療での「新しい薬剤業務」
・タスクシフト・タスクシェア実現に向けた変化(中根 茂喜)
・調剤報酬改定を踏まえた変化(山方 基寛)
■診療ガイドラインを根拠とする薬学的介入ポイント
・気管支喘息(坂野 昌志)
・慢性閉塞性肺疾患(坂野 昌志)
・ACO 喘息・COPDのオーバーラップ(坂野 昌志)
・小児喘息 ─移行期医療を含めて─(本田 勝亮)
■患者の身体機能にあわせた吸入デバイス選択(吉田 敏人 ほか)
■喘息・COPDのコントロール状況を評価する(島田 泉)
■「初回指導」の心構え
・初回指導時間の目安は30分 ─何にどのくらい時間をかけて説明する?─(谷口 結基)
・正しい吸入手技習得には時間がかかる ─くり返して指導するだけで大丈夫?─(三木 芳晃)
・初回に直面する壁を乗り越える ─治療開始時によく聞く疑問・不安は?─(山下 哲太)
・子どもが主体的に治療参画できるよう指導する ─保護者に丁寧に説明するだけではダメ?─(本田 勝亮)
・患者情報・使用状況を共有する ─情報共有ツール作成のコツ・NGは?─(野村 浩夫)
■「再指導」に役立つ吸入指導の引き出し
・隠れ「吸入できていない」を見つける!(東 春奈 ほか)
・隠れ「吸入していない」を見つける!(片山 智章 ほか)
・再指導のタイミングを考える!(佐野 元基)
・その処方変更,説明できますか?(中根 茂喜)
・デバイスの管理はできている?(荒川 正悟)
<シリーズ>
■えびさんぽ
気管支喘息の治療に用いられるβ2刺激薬は安全ですか?
(青島 周一)
■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈拾陸ノ型〉広い視野で観察し吸入薬を選択せよ!
(坂野 昌志)
■現場で働く薬剤師のための 臨床薬学研究のオモテ・ウラ
〈第16回〉ドライ研究のオモテ・ウラ
(大井 一弥)
■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・DPP-4阻害薬で胆嚢炎リスクが上昇
・DOACの消化管出⾎リスクが多剤併⽤で上昇
(佐藤 宏樹 澤田 康文)
■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
〈第04回〉アセトアミノフェン錠
(小嶋 純 米子 真記)
■くすりのかたち外伝 わかる! 使える! まいにち薬会話
〈第16回〉「血中濃度が上がります」(後編)
(浅井 考介 柴田 奈央)
■腫瘍薬学ハイライト
抗体薬物複合体によるがん治療の進展
(川西 正祐)
■副作用でよくみる「QT延長」を振り返る
〈第一回目〉心電図の波形を理解しよう
(鷹野 誠)
■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
〈第16回〉がん診断:気になるあの言葉の意味は? 〜大腸がんTRIUMPH試験の結果から〜
(藤井 宏典)
□「ファーマストリーム」の理念と実用性
「基礎重視」を軸として,薬剤師の社会的責任の遂行を支援する
(林 正弘)
<巻頭言>
筆者らが『医療薬学』誌に投稿した論文で「DPIの吸入指導にはテスターを使用すること」「吸入薬を使用する前にデバイスの適性を判断すること」の有用性を示したのは2008年でした.今では,喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)のガイドラインにも記載される項目になりましたが,当時は日本のガイドラインや論文などでこれらの内容が明確に示されたものは見つけられず,そもそも適切な吸入指導という概念も希薄な状況でした.それだけ,吸入療法に対して取り組むべき課題があったのです.すでに論文掲載から約15年が経ちますが,この間に使用される吸入薬のデバイスは大幅に増え,薬剤師による吸入指導の重要性は高まっています.また,2020年4月には吸入薬指導加算が新設され,吸入指導に対する薬剤師の業務が保険点数の面からも評価されるようになりました.
しかし,薬剤師による吸入指導関連の論文を検索してみると2008~2022年の間に『日本病院薬剤師会雑誌』6報,『医療薬学』誌6報,その他の学会誌でも数報であり,学会発表数も決して多くはありません.吸入療法は薬剤師の力が治療効果を左右する分野でありながら新たな報告が少ないのが現状です.これは,吸入薬の使い方や注意点を製薬会社が動画で掲載したり,医師や薬剤師がYouTubeなどの動画配信サービスで解説するなど,情報が溢れているために検証すべき課題を見つけにくくなっているからかもしれません.
一方で,本誌の姉妹誌である『Rp.+レシピプラス』2018年冬号「気管支喘息・COPDの吸入剤」は重要な情報がコンパクトにまとまった良書ということもあり,発刊から4年経った現在でも継続して多くの方に購入されています.このことから,論文や発表数が減ったからといって吸入療法に対する薬剤師の意識が低くなっているわけではなく,多くの先生方がしっかり学びたいという意識をもっていることがうかがえます.
本特集では,吸入療法について学びたいと考えている先生方が臨床で感じると思われる疑問や,一段階上の吸入指導を行うために知っておいていただきたい内容を取り上げています.吸入薬の使用法の説明は動画を見れば簡単にできますが,吸入療法の本質を理解し,治療効果の向上につながる一歩踏み込んだ吸入指導は決して簡単ではありません.「本気ではじめる! 吸入指導」のために本特集をご活用いただき,「本気で取り組んだからこそ見えてくる問題点」を解決するために多くの施設から新たなエビデンスが発信されることを心から願っています.
名古屋セントラル病院 薬剤科 副薬剤長
坂野昌志
<特集の目次>
■特集にあたって(坂野 昌志)
■デバイス別見ひらきトリセツ ─選択・指導ポイントをつかむ!─(中村 敏史 吉村 拓也)
■喘息・COPD治療での「新しい薬剤業務」
・タスクシフト・タスクシェア実現に向けた変化(中根 茂喜)
・調剤報酬改定を踏まえた変化(山方 基寛)
■診療ガイドラインを根拠とする薬学的介入ポイント
・気管支喘息(坂野 昌志)
・慢性閉塞性肺疾患(坂野 昌志)
・ACO 喘息・COPDのオーバーラップ(坂野 昌志)
・小児喘息 ─移行期医療を含めて─(本田 勝亮)
■患者の身体機能にあわせた吸入デバイス選択(吉田 敏人 ほか)
■喘息・COPDのコントロール状況を評価する(島田 泉)
■「初回指導」の心構え
・初回指導時間の目安は30分 ─何にどのくらい時間をかけて説明する?─(谷口 結基)
・正しい吸入手技習得には時間がかかる ─くり返して指導するだけで大丈夫?─(三木 芳晃)
・初回に直面する壁を乗り越える ─治療開始時によく聞く疑問・不安は?─(山下 哲太)
・子どもが主体的に治療参画できるよう指導する ─保護者に丁寧に説明するだけではダメ?─(本田 勝亮)
・患者情報・使用状況を共有する ─情報共有ツール作成のコツ・NGは?─(野村 浩夫)
■「再指導」に役立つ吸入指導の引き出し
・隠れ「吸入できていない」を見つける!(東 春奈 ほか)
・隠れ「吸入していない」を見つける!(片山 智章 ほか)
・再指導のタイミングを考える!(佐野 元基)
・その処方変更,説明できますか?(中根 茂喜)
・デバイスの管理はできている?(荒川 正悟)
<シリーズ>
■えびさんぽ
気管支喘息の治療に用いられるβ2刺激薬は安全ですか?
(青島 周一)
■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈拾陸ノ型〉広い視野で観察し吸入薬を選択せよ!
(坂野 昌志)
■現場で働く薬剤師のための 臨床薬学研究のオモテ・ウラ
〈第16回〉ドライ研究のオモテ・ウラ
(大井 一弥)
■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・DPP-4阻害薬で胆嚢炎リスクが上昇
・DOACの消化管出⾎リスクが多剤併⽤で上昇
(佐藤 宏樹 澤田 康文)
■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
〈第04回〉アセトアミノフェン錠
(小嶋 純 米子 真記)
■くすりのかたち外伝 わかる! 使える! まいにち薬会話
〈第16回〉「血中濃度が上がります」(後編)
(浅井 考介 柴田 奈央)
■腫瘍薬学ハイライト
抗体薬物複合体によるがん治療の進展
(川西 正祐)
■副作用でよくみる「QT延長」を振り返る
〈第一回目〉心電図の波形を理解しよう
(鷹野 誠)
■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
〈第16回〉がん診断:気になるあの言葉の意味は? 〜大腸がんTRIUMPH試験の結果から〜
(藤井 宏典)
□「ファーマストリーム」の理念と実用性
「基礎重視」を軸として,薬剤師の社会的責任の遂行を支援する
(林 正弘)
<巻頭言>
筆者らが『医療薬学』誌に投稿した論文で「DPIの吸入指導にはテスターを使用すること」「吸入薬を使用する前にデバイスの適性を判断すること」の有用性を示したのは2008年でした.今では,喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)のガイドラインにも記載される項目になりましたが,当時は日本のガイドラインや論文などでこれらの内容が明確に示されたものは見つけられず,そもそも適切な吸入指導という概念も希薄な状況でした.それだけ,吸入療法に対して取り組むべき課題があったのです.すでに論文掲載から約15年が経ちますが,この間に使用される吸入薬のデバイスは大幅に増え,薬剤師による吸入指導の重要性は高まっています.また,2020年4月には吸入薬指導加算が新設され,吸入指導に対する薬剤師の業務が保険点数の面からも評価されるようになりました.
しかし,薬剤師による吸入指導関連の論文を検索してみると2008~2022年の間に『日本病院薬剤師会雑誌』6報,『医療薬学』誌6報,その他の学会誌でも数報であり,学会発表数も決して多くはありません.吸入療法は薬剤師の力が治療効果を左右する分野でありながら新たな報告が少ないのが現状です.これは,吸入薬の使い方や注意点を製薬会社が動画で掲載したり,医師や薬剤師がYouTubeなどの動画配信サービスで解説するなど,情報が溢れているために検証すべき課題を見つけにくくなっているからかもしれません.
一方で,本誌の姉妹誌である『Rp.+レシピプラス』2018年冬号「気管支喘息・COPDの吸入剤」は重要な情報がコンパクトにまとまった良書ということもあり,発刊から4年経った現在でも継続して多くの方に購入されています.このことから,論文や発表数が減ったからといって吸入療法に対する薬剤師の意識が低くなっているわけではなく,多くの先生方がしっかり学びたいという意識をもっていることがうかがえます.
本特集では,吸入療法について学びたいと考えている先生方が臨床で感じると思われる疑問や,一段階上の吸入指導を行うために知っておいていただきたい内容を取り上げています.吸入薬の使用法の説明は動画を見れば簡単にできますが,吸入療法の本質を理解し,治療効果の向上につながる一歩踏み込んだ吸入指導は決して簡単ではありません.「本気ではじめる! 吸入指導」のために本特集をご活用いただき,「本気で取り組んだからこそ見えてくる問題点」を解決するために多くの施設から新たなエビデンスが発信されることを心から願っています.
名古屋セントラル病院 薬剤科 副薬剤長
坂野昌志
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