目次
特集: 分子標的薬 ―低分子阻害剤―
■特集にあたって(杉本芳一)
■分子標的薬と低分子阻害剤(中根 実)
■低分子阻害剤による治療の実践
(1)ゲフィチニブ,エルロチニブ
・薬理作用と治療の実際(林 秀敏ほか)
・服薬指導と副作用モニタリング(松井礼子)
(2)イマチニブ,ニロチニブ,ダサチニブ
・薬理作用と治療の実際(齋藤健ほか)
・服薬指導と副作用モニタリング(伊藤忠明ほか)
(3)ボルテゾミブ
・薬理作用と治療の実際(照井康仁)
・服薬指導と副作用モニタリング(根本真記)
(4)ソラフェニブ,スニチニブ
・薬理作用と治療の実際(大家基嗣)
・服薬指導と副作用モニタリング(船崎秀樹)
(5)ラパチニブ
・薬理作用と治療の実際(細永真理ほか)
・服薬指導と副作用モニタリング(瀧口友美)
■これからの分子標的薬(築茂由則ほか)
■分子標的薬と医療経済(田村研治)
■Exercise
≪SERIES≫
■臓器障害からひも解く生理学 10
貧血から血液・造血系の役割と意義を考える
(當瀬規嗣)
■症例から学ぶ TDM 実践アプローチ 第24回
ジゴキシン
~非定常状態における投与量の評価と投与設計~
(小杉隆祥ほか)
■病気百話 よくわかる疾患の病態生理 99
薬疹
―クスリハリスク
(北岡建樹)
■FDA新薬情報 最近の新薬承認から
フォロチン/ボトリエント/アルゼーラ
(石居昭夫)
≪Report≫
■ランソプラゾール口腔内崩壊錠の
自動錠剤分包機調剤に対する適応性検討
(山田貫之ほか)
■自己組織化マップによる副作用情報のビジュアル化(I)
―ビジュアル情報の有用性と副作用発現の予測可能性―
(佐藤憲一ほか)
≪NEWS≫
・緑内障,尿閉・前立腺肥大を有する患者に対する抗うつ薬の投与
・小麦依存性運動誘発アナフィラキシー患者におけるアスピリン
食前投与誘発に対するプロスタグランディンE1製剤の抑制効果
・スポーツラインとして用いた消石灰による化学熱傷
・腎機能低下患者における腎外排泄型薬剤のPK変化
≪巻頭言≫
低分子のがん分子標的薬に焦点を絞って,第一線で活躍されている医師・薬剤師の先生方に執筆をお願いした.
がん分子標的薬の代表ともいえるイマチニブは,BCR/ABLを発現するCMLにめざましい効果をあげた.しかし,キナーゼ阻害薬は決してがん細胞だけを抑制するわけではなく,副作用のコントロールという意味ではほかの抗悪性腫瘍薬と変わるところはない.いずれにしても,それぞれのキナーゼ阻害薬の作用と交差反応を分子レベルで理解することが,これらの薬の副作用の防止と管理に重要である.
キナーゼ阻害薬の作用と副作用は,3種類に分けて考えることができる.第1は,標的となるキナーゼが正常細胞に発現していることによるもの.ゲフィチニブ,エルロチニブは正常細胞のEGFRを阻害し,これが皮疹の原因となる.第2は,キナーゼの交差阻害によるもの.キナーゼ阻害薬は多くがATPとの競合薬であるため,ほかのキナーゼの阻害は避けられない.イマチニブはKITを阻害してGISTに効果を示すが,正常の造血幹細胞に発現するKITの阻害は骨髄抑制の原因となる.第3は,ふつうの薬としての副作用.キナーゼ薬は比較的高用量で長期にわたって投与されるため,腎障害,肝障害などの蓄積的な副作用,CYP3A4を介した薬物相互作用などもしばしば問題となる.
分子標的薬と呼ばれる薬にも,劇的に効く薬から従来の治療とあまり変わらない薬までさまざまである.現在ある薬,これから開発される薬を,いかに安全かつ有効に使うか,本特集がそのために少しでも役に立てば幸いである.
杉本芳一 慶應義塾大学薬学部 化学療法学講座 教授
■特集にあたって(杉本芳一)
■分子標的薬と低分子阻害剤(中根 実)
■低分子阻害剤による治療の実践
(1)ゲフィチニブ,エルロチニブ
・薬理作用と治療の実際(林 秀敏ほか)
・服薬指導と副作用モニタリング(松井礼子)
(2)イマチニブ,ニロチニブ,ダサチニブ
・薬理作用と治療の実際(齋藤健ほか)
・服薬指導と副作用モニタリング(伊藤忠明ほか)
(3)ボルテゾミブ
・薬理作用と治療の実際(照井康仁)
・服薬指導と副作用モニタリング(根本真記)
(4)ソラフェニブ,スニチニブ
・薬理作用と治療の実際(大家基嗣)
・服薬指導と副作用モニタリング(船崎秀樹)
(5)ラパチニブ
・薬理作用と治療の実際(細永真理ほか)
・服薬指導と副作用モニタリング(瀧口友美)
■これからの分子標的薬(築茂由則ほか)
■分子標的薬と医療経済(田村研治)
■Exercise
≪SERIES≫
■臓器障害からひも解く生理学 10
貧血から血液・造血系の役割と意義を考える
(當瀬規嗣)
■症例から学ぶ TDM 実践アプローチ 第24回
ジゴキシン
~非定常状態における投与量の評価と投与設計~
(小杉隆祥ほか)
■病気百話 よくわかる疾患の病態生理 99
薬疹
―クスリハリスク
(北岡建樹)
■FDA新薬情報 最近の新薬承認から
フォロチン/ボトリエント/アルゼーラ
(石居昭夫)
≪Report≫
■ランソプラゾール口腔内崩壊錠の
自動錠剤分包機調剤に対する適応性検討
(山田貫之ほか)
■自己組織化マップによる副作用情報のビジュアル化(I)
―ビジュアル情報の有用性と副作用発現の予測可能性―
(佐藤憲一ほか)
≪NEWS≫
・緑内障,尿閉・前立腺肥大を有する患者に対する抗うつ薬の投与
・小麦依存性運動誘発アナフィラキシー患者におけるアスピリン
食前投与誘発に対するプロスタグランディンE1製剤の抑制効果
・スポーツラインとして用いた消石灰による化学熱傷
・腎機能低下患者における腎外排泄型薬剤のPK変化
≪巻頭言≫
低分子のがん分子標的薬に焦点を絞って,第一線で活躍されている医師・薬剤師の先生方に執筆をお願いした.
がん分子標的薬の代表ともいえるイマチニブは,BCR/ABLを発現するCMLにめざましい効果をあげた.しかし,キナーゼ阻害薬は決してがん細胞だけを抑制するわけではなく,副作用のコントロールという意味ではほかの抗悪性腫瘍薬と変わるところはない.いずれにしても,それぞれのキナーゼ阻害薬の作用と交差反応を分子レベルで理解することが,これらの薬の副作用の防止と管理に重要である.
キナーゼ阻害薬の作用と副作用は,3種類に分けて考えることができる.第1は,標的となるキナーゼが正常細胞に発現していることによるもの.ゲフィチニブ,エルロチニブは正常細胞のEGFRを阻害し,これが皮疹の原因となる.第2は,キナーゼの交差阻害によるもの.キナーゼ阻害薬は多くがATPとの競合薬であるため,ほかのキナーゼの阻害は避けられない.イマチニブはKITを阻害してGISTに効果を示すが,正常の造血幹細胞に発現するKITの阻害は骨髄抑制の原因となる.第3は,ふつうの薬としての副作用.キナーゼ薬は比較的高用量で長期にわたって投与されるため,腎障害,肝障害などの蓄積的な副作用,CYP3A4を介した薬物相互作用などもしばしば問題となる.
分子標的薬と呼ばれる薬にも,劇的に効く薬から従来の治療とあまり変わらない薬までさまざまである.現在ある薬,これから開発される薬を,いかに安全かつ有効に使うか,本特集がそのために少しでも役に立てば幸いである.
杉本芳一 慶應義塾大学薬学部 化学療法学講座 教授
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