目次
特集:15の事例から学ぶ持参薬管理
■特集にあたって(大倉輝明)
■持参薬管理の必要性について
― 入院時の患者安全管理は持参薬管理から ―(賀勢泰子)
■15の事例から学ぶ持参薬管理
A.持参薬管理システムの構築とその効果
・電子カルテを利用した入院前からの薬剤管理(中川史絵ほか)
・健康食品・市販薬を含めた持参薬の術前評価(森本典子ほか)
・電子カルテとリンクした持参薬管理システムの構築
― Customer satisfaction分析を用いた医師・看護師の評価 ―(辻 泰弘ほか)
・「患者持参薬一覧表」を活用した入院患者のリスク管理(佐藤香織ほか)
・持参薬チェックによる医療費の節減効果(伊勢雄也ほか)
・入院患者の持参薬管理
― 経営への貢献から安全管理へ ―(羽毛田 一)
B.チーム医療における持参薬情報共有化の重要性
・持参薬における病棟看護師の意識(粟澤文恵)
・病棟薬剤師の入院時患者面談による持参薬の薬学的管理(田村宏美ほか)
・入院時におけるお薬手帳活用の有用性(橋本 陽)
・与薬リスクの軽減と退院後の継続的な薬剤情報管理を踏まえた持参薬管理(黒畑美津枝)
C.医療安全の確保と医薬品適正使用に向けた持参薬管理の取り組み
・眼科手術目的の短期入院患者に対する持参薬管理(栃倉尚広ほか)
・患者面談から与薬指示実施簿の照合までを通した持参薬管理(尾上雅英ほか)
・腎機能低下患者における入院時持参薬の適正使用(田中亮裕ほか)
・TDM対象薬剤の有無確認の有用性(水谷光江ほか)
・休薬期間を考慮した外来受診時における術前中止薬のスクリーニングについて(波多野 博)
≪SERIES≫
■PCソフトウェアを用いた実践的TDM症例解析 第3回
薬物動態シミュレーションQflex2の概要と操作法 ~PartⅢ~
(渋谷正則ほか)
■小児医療現場で起こっている危険 第3回
小児科医のための薬剤試飲会の意義
(益田博司ほか)
■スムーズにジェネリックを使ってもらう!
(田村祐輔)
≪NEWS≫
・クロザピンの有効性と有用性
・スタチン治療が及ぼす降圧治療への影響
・日本消化器病学会肝硬変診療ガイドラインの刊行
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
≪巻頭言≫
2010年度の診療報酬改定では,入院時に服用していた医薬品の情報の管理が退院後も継続することがすべての患者にとって必要なこととされ,退院時薬剤情報管理指導料として評価された.この情報の出発点となるのが持参薬管理であるが,最近,この業務の必要性がクローズアップされ薬剤師が積極的にかかわり始めたのは,薬物療法の安全性向上と医療経済上のメリットによる.
安全性確保に関しては,2007年8月に行われた「病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会報告書」において,「医療・薬物療法の安全確保と質の向上のための業務」として入院患者の持参薬管理が取り上げられている.この中では,持参薬に関する情報不足による死亡事故などが発生している状況を回避するため,一般用医薬品やいわゆる健康食品を含めた確認・管理が必要であり,薬剤師数の増加に伴って実施割合が高くなっている実態を報告している.
この提言を受けて,日本病院薬剤師会の中小病院委員会が行った2008年度の病院薬剤部門調査の解析では,「すべての入院患者に対して持参薬チェックをし,医師などと情報を共有している」施設は病床規模199床以下で約6割あり,200床以上の施設より2割ほど高い実施率となっている(図1).また,薬剤師配置状況(外来処方せん調剤にかかる人員を補正)と実施率の関係では,薬剤師配置よる影響はあまりみられていない(図2).さらに,「一部の入院患者に持参薬チェック実施」も加えるとすべての病床規模で約8?9割の持参薬が管理されており(図1),持参薬管理は病院薬剤師の基本業務として定着しつつあると考えられる.しかし,その一方で,まだ薬剤師が管理していないケースも多く,持参された医薬品がその病院では使用経験のない場合もあり,適正使用上の問題による事故も報告されている.
一方,医療経済上のメリットからみると,患者の医療費負担の軽減が求められ,また,介護療養病棟などの包括化やDPC制度の導入などの医療制度の変化に伴い,医療資源の有効活用などの視点からも入院患者の持参薬の利用は増加している.しかし,国がすすめている後発医薬品の使用促進により持参薬中の後発医薬品の使用割合も高くなり,看護師による持参薬の鑑別は難しくなりつつある.
以上のような背景により,入院時に患者の服薬コンプライアンス状況を把握し,持参薬服用における過誤や重複投与,相互作用による重大な医療事故を防ぐためにも,薬剤師による全患者の持参薬管理が求められ,今回の診療報酬改定につながっている.そこで本特集では,持参薬管理において創意工夫をしながら取り組みを行っている病院の業務内容を紹介し,多くの病院でより効率的な持参薬管理を行うための参考にしていただきたいと考えている.
文献
1)日本病院薬剤師会雑誌,46(5): 584, 2010
※図につきましては本誌掲載内容をご確認ください.
長野県厚生連富士見高原病院薬剤部 薬剤部長 大倉 輝明
■特集にあたって(大倉輝明)
■持参薬管理の必要性について
― 入院時の患者安全管理は持参薬管理から ―(賀勢泰子)
■15の事例から学ぶ持参薬管理
A.持参薬管理システムの構築とその効果
・電子カルテを利用した入院前からの薬剤管理(中川史絵ほか)
・健康食品・市販薬を含めた持参薬の術前評価(森本典子ほか)
・電子カルテとリンクした持参薬管理システムの構築
― Customer satisfaction分析を用いた医師・看護師の評価 ―(辻 泰弘ほか)
・「患者持参薬一覧表」を活用した入院患者のリスク管理(佐藤香織ほか)
・持参薬チェックによる医療費の節減効果(伊勢雄也ほか)
・入院患者の持参薬管理
― 経営への貢献から安全管理へ ―(羽毛田 一)
B.チーム医療における持参薬情報共有化の重要性
・持参薬における病棟看護師の意識(粟澤文恵)
・病棟薬剤師の入院時患者面談による持参薬の薬学的管理(田村宏美ほか)
・入院時におけるお薬手帳活用の有用性(橋本 陽)
・与薬リスクの軽減と退院後の継続的な薬剤情報管理を踏まえた持参薬管理(黒畑美津枝)
C.医療安全の確保と医薬品適正使用に向けた持参薬管理の取り組み
・眼科手術目的の短期入院患者に対する持参薬管理(栃倉尚広ほか)
・患者面談から与薬指示実施簿の照合までを通した持参薬管理(尾上雅英ほか)
・腎機能低下患者における入院時持参薬の適正使用(田中亮裕ほか)
・TDM対象薬剤の有無確認の有用性(水谷光江ほか)
・休薬期間を考慮した外来受診時における術前中止薬のスクリーニングについて(波多野 博)
≪SERIES≫
■PCソフトウェアを用いた実践的TDM症例解析 第3回
薬物動態シミュレーションQflex2の概要と操作法 ~PartⅢ~
(渋谷正則ほか)
■小児医療現場で起こっている危険 第3回
小児科医のための薬剤試飲会の意義
(益田博司ほか)
■スムーズにジェネリックを使ってもらう!
(田村祐輔)
≪NEWS≫
・クロザピンの有効性と有用性
・スタチン治療が及ぼす降圧治療への影響
・日本消化器病学会肝硬変診療ガイドラインの刊行
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
≪巻頭言≫
2010年度の診療報酬改定では,入院時に服用していた医薬品の情報の管理が退院後も継続することがすべての患者にとって必要なこととされ,退院時薬剤情報管理指導料として評価された.この情報の出発点となるのが持参薬管理であるが,最近,この業務の必要性がクローズアップされ薬剤師が積極的にかかわり始めたのは,薬物療法の安全性向上と医療経済上のメリットによる.
安全性確保に関しては,2007年8月に行われた「病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会報告書」において,「医療・薬物療法の安全確保と質の向上のための業務」として入院患者の持参薬管理が取り上げられている.この中では,持参薬に関する情報不足による死亡事故などが発生している状況を回避するため,一般用医薬品やいわゆる健康食品を含めた確認・管理が必要であり,薬剤師数の増加に伴って実施割合が高くなっている実態を報告している.
この提言を受けて,日本病院薬剤師会の中小病院委員会が行った2008年度の病院薬剤部門調査の解析では,「すべての入院患者に対して持参薬チェックをし,医師などと情報を共有している」施設は病床規模199床以下で約6割あり,200床以上の施設より2割ほど高い実施率となっている(図1).また,薬剤師配置状況(外来処方せん調剤にかかる人員を補正)と実施率の関係では,薬剤師配置よる影響はあまりみられていない(図2).さらに,「一部の入院患者に持参薬チェック実施」も加えるとすべての病床規模で約8?9割の持参薬が管理されており(図1),持参薬管理は病院薬剤師の基本業務として定着しつつあると考えられる.しかし,その一方で,まだ薬剤師が管理していないケースも多く,持参された医薬品がその病院では使用経験のない場合もあり,適正使用上の問題による事故も報告されている.
一方,医療経済上のメリットからみると,患者の医療費負担の軽減が求められ,また,介護療養病棟などの包括化やDPC制度の導入などの医療制度の変化に伴い,医療資源の有効活用などの視点からも入院患者の持参薬の利用は増加している.しかし,国がすすめている後発医薬品の使用促進により持参薬中の後発医薬品の使用割合も高くなり,看護師による持参薬の鑑別は難しくなりつつある.
以上のような背景により,入院時に患者の服薬コンプライアンス状況を把握し,持参薬服用における過誤や重複投与,相互作用による重大な医療事故を防ぐためにも,薬剤師による全患者の持参薬管理が求められ,今回の診療報酬改定につながっている.そこで本特集では,持参薬管理において創意工夫をしながら取り組みを行っている病院の業務内容を紹介し,多くの病院でより効率的な持参薬管理を行うための参考にしていただきたいと考えている.
文献
1)日本病院薬剤師会雑誌,46(5): 584, 2010
※図につきましては本誌掲載内容をご確認ください.
長野県厚生連富士見高原病院薬剤部 薬剤部長 大倉 輝明
◼︎ 目次配信サービス
薬局最新号の情報がメルマガで届く♪ メールアドレスを入力して登録(解除)ボタンを押してください。
※登録は無料です
※登録・解除は、各雑誌の商品ページからお願いします。/~\Fujisan.co.jpで既に定期購読をなさっているお客様は、マイページからも登録・解除及び宛先メールアドレスの変更手続きが可能です。
以下のプライバシーポリシーに同意の上、登録して下さい。
おすすめの購読プラン
この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!
薬局の所属カテゴリ一覧
Fujisan.co.jpとは?
株式会社富士山マガジンサービスが運営する、
日本最大級の雑誌オンライン書店です。
一般的な書店と異なり、
定期購読サービスに特化しています。
雑誌、新聞、シリーズ書籍、漫画や
本屋にも無い古い本も見つかる!
法人サービスはこちら >
-
タイトル1万以上
豊富なラインナップで
書店に並ばない本とも出会える -
試し読み
バックナンバー1冊まるごと試し読み
したり、最新号も試し読みできる -
タダ読み
5,000冊以上の雑誌が
無料で読み放題 -
500円OFF
普段読んでいる雑誌のレビュー投稿で
500円割ギフト券をプレゼント -
事前予約
気になる本は
発売日前から事前予約可能 -
割引や特典付き
定期購読なら
お得に本が読めて
送料無料の雑誌も!
デジタル雑誌をご利用なら
最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!