目次
特集:『インフルエンザ -人類とウイルスとの攻防の歴史から学ぶ- 』
■特集にあたって(喜田 宏)
■インフルエンザの基礎知識
・インフルエンザの過去・現在・未来(喜田 宏)
・わが国におけるインフルエンザウイルスのインパクト(谷口 清州)
・インフルエンザウイルスの病原性と伝播性に関与する因子(山田 晋弥 ほか)
・インフルエンザの臨床症状とウイルス排泄の時間推移(三田村 敬子)
■インフルエンザワクチン
・インフルエンザワクチンの開発動向と今後の展望(奥野 良信)
・インフルエンザに対するワクチン接種の意義(中山 哲夫)
■インフルエンザの治療とその課題
・ノイラミニダーゼ阻害薬の治療効果と使い分け(岩田 敏)
・注意すべきハイリスク患者とその対応―喘息患者への対応を中心に―(石原 享介)
・薬剤耐性インフルエンザウイルスの現状とその対応(畠山 修司)
・インフルエンザに対する漢方薬の効果(牧野 利明)
・オセルタミビルと精神神経症状に関するこれまでの動向(本田 麻子 ほか)
・オセルタミビルと精神神経症状―基礎研究から得られた知見―(小野 秀樹)
■炎症病態時における薬物動態の変化(山内 淳史 ほか)
■ウイルス性気道感染症と細菌感染
・細菌性合併症の影響と抗菌薬の予防投与(鵜沼 直穂子 ほか)
・抗菌薬耐性菌の増加と蔓延―話題の耐性菌,耐性メカニズムを含めて―(舘田 一博)
■インフルエンザ治療における新規治療薬・治療戦略
・ファビピラビル(T-705)(古田 要介 ほか)
・マクロライドのインフルエンザウイルス感染症に対する臨床効果とウイルス感染抑制効果(山谷 睦雄)
・インフルエンザに対するマクロライド系薬の作用メカニズム(新屋 智寛 ほか)
■ウイルス性上気道感染症に対する予防効果のエビデンス
・マスク/レスピレータ―医療従事者が最低限知っておくべき呼吸用防護具の知識―(太田 寛 ほか)
・うがい・手洗い(藤田 直久)
■Exercise
≪SERIES≫
■CDTM(薬物治療共同管理)実践Navi 最終回
プロトコール処方の実践に向けて(岩澤 真紀子)
■Pharm.D.を取り巻く 医療環境レポート
・高齢の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対する吸入器選択時の考慮点
・疼痛管理のためのエラストマー注入システムの安全性を改善する方法
(木村 利美 ほか)
■もし薬剤師が薬(ドラッグ)の化学構造式をもう一度勉強したら 第❶回
化学構造式を“読む”ことの必要性(浅井 考介 ほか)
■FDA新薬情報 最近の新薬承認から
Zelboraf / Firazyr / Xalkori(石居 昭夫)
■PCソフトウェアを用いた実践的TDM症例解析 第15回
薬物動態解析ソフトウェアを使う〜後編〜(渋谷 正則 ほか)
≪NEWS≫
・薬剤性の肺障害が増加している!?
・肥満症の外科的治療の現状
・久山町における糖尿病
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
≪巻頭言≫
2009年4月までは,WHOをはじめ,一部の専門家,メディアと行政は,「H5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスがパンデミックを起こすのは,秒読み段階」と危機感を煽っていた.日本では,不活化H5N1ウイルス全粒子に水酸化アルミニウムゲルを加えたワクチンを成人のみならず,3歳以下の幼児を含む6,000人あまりに接種する臨床試験が実施された.
2009年4月に,メキシコでブタH1N1インフルエンザウイルスがヒトに伝播し,たちまち,全世界に感染が広がった.日本では,これを“新型インフルエンザ”とよび,流行防止を図ろうとしたが,一貫性を欠いていた.それから1年3ヵ月後に,このウイルス感染による死亡者は,全世界で2万人に満たなかった.季節性インフルエンザのそれに比べ,きわめて少ない.本パンデミックウイルスの伝播性は高いが,病原性は低いといえる.このウイルスは,過去の例に違わず,季節性インフルエンザの流行を起こしている.
鳥インフルエンザ,ブタインフルエンザおよび新型インフルエンザは,いずれも,ヒトの病名ではない.インフルエンザウイルス感染症,すなわち「インフルエンザ」である.これまでのパンデミックインフルエンザの発生と流行の事実を踏まえ,今後のその出現に備える対策を講じていたならば,昨今の混乱は避けられたであろう.日本だけで毎年数千人を死亡させ,少なくとも数百人に脳症,多臓器不全を起こしている,季節性インフルエンザの克服こそが,パンデミックインフルエンザ対策の基盤である.
本特集は,人類が長きにわたり悩まされてきたインフルエンザについて,医療従事者が歴史と事実に学び,過剰な情報から的確なものを選び,総合的に考え,正しい判断を下すための参考に企画された.
喜田 宏
北海道大学大学院獣医学研究科 教授
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター センター長
■特集にあたって(喜田 宏)
■インフルエンザの基礎知識
・インフルエンザの過去・現在・未来(喜田 宏)
・わが国におけるインフルエンザウイルスのインパクト(谷口 清州)
・インフルエンザウイルスの病原性と伝播性に関与する因子(山田 晋弥 ほか)
・インフルエンザの臨床症状とウイルス排泄の時間推移(三田村 敬子)
■インフルエンザワクチン
・インフルエンザワクチンの開発動向と今後の展望(奥野 良信)
・インフルエンザに対するワクチン接種の意義(中山 哲夫)
■インフルエンザの治療とその課題
・ノイラミニダーゼ阻害薬の治療効果と使い分け(岩田 敏)
・注意すべきハイリスク患者とその対応―喘息患者への対応を中心に―(石原 享介)
・薬剤耐性インフルエンザウイルスの現状とその対応(畠山 修司)
・インフルエンザに対する漢方薬の効果(牧野 利明)
・オセルタミビルと精神神経症状に関するこれまでの動向(本田 麻子 ほか)
・オセルタミビルと精神神経症状―基礎研究から得られた知見―(小野 秀樹)
■炎症病態時における薬物動態の変化(山内 淳史 ほか)
■ウイルス性気道感染症と細菌感染
・細菌性合併症の影響と抗菌薬の予防投与(鵜沼 直穂子 ほか)
・抗菌薬耐性菌の増加と蔓延―話題の耐性菌,耐性メカニズムを含めて―(舘田 一博)
■インフルエンザ治療における新規治療薬・治療戦略
・ファビピラビル(T-705)(古田 要介 ほか)
・マクロライドのインフルエンザウイルス感染症に対する臨床効果とウイルス感染抑制効果(山谷 睦雄)
・インフルエンザに対するマクロライド系薬の作用メカニズム(新屋 智寛 ほか)
■ウイルス性上気道感染症に対する予防効果のエビデンス
・マスク/レスピレータ―医療従事者が最低限知っておくべき呼吸用防護具の知識―(太田 寛 ほか)
・うがい・手洗い(藤田 直久)
■Exercise
≪SERIES≫
■CDTM(薬物治療共同管理)実践Navi 最終回
プロトコール処方の実践に向けて(岩澤 真紀子)
■Pharm.D.を取り巻く 医療環境レポート
・高齢の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対する吸入器選択時の考慮点
・疼痛管理のためのエラストマー注入システムの安全性を改善する方法
(木村 利美 ほか)
■もし薬剤師が薬(ドラッグ)の化学構造式をもう一度勉強したら 第❶回
化学構造式を“読む”ことの必要性(浅井 考介 ほか)
■FDA新薬情報 最近の新薬承認から
Zelboraf / Firazyr / Xalkori(石居 昭夫)
■PCソフトウェアを用いた実践的TDM症例解析 第15回
薬物動態解析ソフトウェアを使う〜後編〜(渋谷 正則 ほか)
≪NEWS≫
・薬剤性の肺障害が増加している!?
・肥満症の外科的治療の現状
・久山町における糖尿病
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≪巻頭言≫
2009年4月までは,WHOをはじめ,一部の専門家,メディアと行政は,「H5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスがパンデミックを起こすのは,秒読み段階」と危機感を煽っていた.日本では,不活化H5N1ウイルス全粒子に水酸化アルミニウムゲルを加えたワクチンを成人のみならず,3歳以下の幼児を含む6,000人あまりに接種する臨床試験が実施された.
2009年4月に,メキシコでブタH1N1インフルエンザウイルスがヒトに伝播し,たちまち,全世界に感染が広がった.日本では,これを“新型インフルエンザ”とよび,流行防止を図ろうとしたが,一貫性を欠いていた.それから1年3ヵ月後に,このウイルス感染による死亡者は,全世界で2万人に満たなかった.季節性インフルエンザのそれに比べ,きわめて少ない.本パンデミックウイルスの伝播性は高いが,病原性は低いといえる.このウイルスは,過去の例に違わず,季節性インフルエンザの流行を起こしている.
鳥インフルエンザ,ブタインフルエンザおよび新型インフルエンザは,いずれも,ヒトの病名ではない.インフルエンザウイルス感染症,すなわち「インフルエンザ」である.これまでのパンデミックインフルエンザの発生と流行の事実を踏まえ,今後のその出現に備える対策を講じていたならば,昨今の混乱は避けられたであろう.日本だけで毎年数千人を死亡させ,少なくとも数百人に脳症,多臓器不全を起こしている,季節性インフルエンザの克服こそが,パンデミックインフルエンザ対策の基盤である.
本特集は,人類が長きにわたり悩まされてきたインフルエンザについて,医療従事者が歴史と事実に学び,過剰な情報から的確なものを選び,総合的に考え,正しい判断を下すための参考に企画された.
喜田 宏
北海道大学大学院獣医学研究科 教授
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター センター長
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