巻頭言
441 大学院教育の実質化へ一言/大島敏久
今日の話題
442 染色体分配の方向を決める根本原理/作野剛士,渡邊嘉典
コヒーシンによる接着を介した動原体の方向性制御機構
444 植物の刺激応答に関与するアセチルコリン/桃木芳枝
細胞外分泌シグナルとしてのアセチルコリンエステラーゼの役割解明に期待
447 チトクロムP450〓(CYP1A1)はベン〓ゾ[〓〓a]ピ〓レンの解毒,排泄に不可欠/宇野茂之
生体異物代謝機構に新知見
449 サンゴの共生におけるレクチンの役割/神保 充
〓褐虫藻の体内増殖や取り込みに関与
450 現在の有機合成化学をもってしても合成困難な天然物とは?
二量体型アルカロイド(+)-Haplophytineの全合成
〓/徳山英利,植田浩史,福山 透
453 アレルギーワクチンの創製/秋 庸裕,河本正次,小埜和久
診断・治療に必要なアレルゲンのデータベース化など,望まれる周辺技術の充実
セミナー室
493 染色体テロメア:老化,がん化,進化
1.〓テロメアの機能と構造/石川冬木
485 植物機能制御剤の探索・創製とその生理学,化学遺伝学への応用
2.〓オーキシン/林〓謙一郎,嶋田幸久
農芸化学〓@〓High School
506 ゾウリムシをマイクロマシンとして活用する研究 動け!〓僕らのゾウリムシ
〓〓〓〓/宮崎県立宮崎大宮高等学校
解 説
456 植物の葉の形造りに関わる遺伝子ネットワーク/町田千代子,〓橋広夫,町田泰則
目に青葉,植物の葉は実に多様な形をしている.葉の発生・分化の過程で軸形成に関わる遺伝子の機能のわずかな違いが,形の違いとなって表われる.そのしくみと個々の遺伝子の制御ネットワークの一端が明らかになってきた.
463 メタン生成古細菌は歯周病の病原因子?/山部こころ,苔口 進,前田博史
従来,歯周病は口腔内に生息するグラム陰性桿菌の感染とそれらに対する自己免疫応答から説明されてきたが,最近,メタン生成古細菌の関与がわかってきた.自己免疫応答に関与するシャペロニンの機能などを中心に新たな視点からその機構を探る.
471 哺乳類細胞のストレス受容・伝達機構とそれに起因する疾患
〓〓〓/畑中 良,関根悠介,一條秀憲
細胞にストレスが加わると,細胞内シグナル伝達機構が活性化し,適切な細胞応答が誘導される.シグナル伝達分子ASK1の解析によってわかってきたストレス受容・認識の機構と,がんや神経変性疾患におけるその役割について解説.
478 イネ科植物オオムギの耐塩性機構における
〓〓〓〓巧みな適合溶質グリシンベタイン利用戦略/三屋史朗,藤原崇志,服部 侑,高倍鉄子
植物の浸透圧調節に働き耐塩性などに関わる適合溶質.オオムギの産生するベタインの合成・蓄積・輸送のメカニズムの解明が進み,塩ストレス下での植物のしたたかな適応戦略がわかってきた.
「化学と生物」文書館
498 A-ファクターの再発見/別府輝彦
503 醗酵一宇会 その由来と発展の歴史/石崎文彬
バイオサイエンススコープ
509 新学習指導要領に基づく
〓〓〓生物教育教材の開発と農芸化学教育への展望/山野井貴浩,武村政春
【書評】462,512,513 【求人情報】492〓【プロフィル】470,477,484,505,508 【お知らせ】455
次号予定目次
<解説>
ムギネ酸類を介したイネ科植物の鉄取り込み機構〓村田佳子
アーキアにおける膜脂質生合成〓邊見 久
転炉スラグの多量施用によるアブラナ科野菜根
〓こぶ病の防除〓村上圭一
c型レクチン受容体ファミリーを介した非自己糖鎖の
〓免疫修飾作用〓日野真吾
昆虫キチナーゼとキチナーゼ様タンパク質〓荒金靖之
<今日の話題>
基質親和性を利用した新しいタンパク質蛍光標識法の開発・橋本 誠/ブルークラブの求愛行動と性フェロモン・神尾道也/界面活性剤様ペプチドの自己組織化・田中雄二/夏ウンカがイネの病害抵抗性を高める・五味剣二/猛暑の年は酒粕が多くなる?・奥田将生/好塩性乳酸菌のヒスタミン生成遺伝子・里見正隆
<セミナー室>
植物機能制御剤の探索・創製とその生理学,化学遺伝学への応用
3. アブシジン酸〓上野琴巳
染色体テロメア:老化,がん化,進化
2. テロメアと細胞周期〓石川冬木
<化学の窓>
グリコシダーゼの触媒反応機構〓千葉誠哉
<「化学と生物」文書館>
遍歴:農産物の有機化学〓坂村貞雄
今月の表紙
石垣島でのサンゴの白化.2007年に見られた石垣島の大規模白化の様子.サンゴは褐虫藻と共生することにより生存しているが,水温の上昇などさまざまなストレスを受けると光合成色素の欠失や褐虫藻の脱落が起こって,表紙の白いサンゴのようになる.この状態が長く続くと,サンゴが死んでしまうことから,褐虫藻との共生はサンゴの生存に必要不可欠だと考えられる.近年,その共生機構の確立や維持の分子機構の一端が明らかにされつつある.本文では,共生機構の一端を担うと考えられるレクチンについて紹介する.(写真提供:広島大学大学院生物圏科学研究科 小池一彦先生)『サンゴの共生におけるレクチンの役割』(p.〓449参照)
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