化学と生物 発売日・バックナンバー

全60件中 1 〜 15 件を表示
1,320円
化学と生物
ISSN 0453-073X
KASEAA 50(12)853-932(2012)
Vol. 50, No. 12
日本農芸化学会◉編集・発行
株式会社国際文献社◉刊行


853 食品のはたらきとその活用/山田耕路

854 アーキア由来の超耐熱性セルラーゼ/石川一彦
耐熱性酵素を用いた高効率バイオマス糖化
857 蜂蜜中に含まれるオリゴ糖酸『マルトビオン酸』/深見 健
糖質と酸との融合により生まれた新素材
859 人工甘味料―甘味受容体間における相互作用メカニズムの解明/三坂 巧
低分子甘味料の受容様式は非常に多様である
862 イネにおける光防御の遺伝学的制御機構/笠島一郎
クロロフィル蛍光解析法の解説からイネの葉のNPQ制御機構まで
865 好熱性シアノバクテリア由来Photosystem I の安定化技術の開発と太陽電池への応用
両親媒性ペプチドによる膜貫通タンパク質の機能制御
/松本和也

897 食品の官能評価法
5. フレーバーホイール/宇都宮 仁
専門パネルによる官能特性表現
904 放射性降下物の農畜水産物等への影響
7. 低濃度汚染土壌における野菜への放射性核種の移行
/大下誠一,安永円理子,高田大輔,田野井慶太朗,川越義則

907 窒素固定菌の研究/魚住武司
913 プロリン特異性酵素/芳本 忠
生化学・構造生物学的解析と応用の経過

917 世界の希少酒について/寺本祐司

868 「真の」二機能性酵素の発見とその「変身」のメカニズム
古細菌型フルクトース-1,6-ビスリン酸アルドラーゼ/ホスファターゼ
/伏信進矢,西増弘志,若木高善
古細菌や好熱性細菌がもつこの酵素は糖新生経路において働き,1つの活性部位で2つの異なる化学反応を触媒する.発見の経緯からその見事な構造変化と反応機構,生物学的意義などについて概説する.
876 オーキシンの受容と信号伝達の分子機構/林 謙一郎,野崎 浩
TIR1オーキシン受容体拮抗剤の分子設計
オーキシンの信号伝達の分子機構が明らかとなった.オーキシンはどのように植物の複雑な分化・成長を制御するのだろうか? その分子基盤を解説するとともに,新しいオーキシン受容体拮抗剤を紹介する.
883 おたまじゃくしの尾の消失/井筒ゆみ
免疫学的な観点から見る動物の体づくり
両生類の尾の消失は古くから甲状腺ホルモンの作用によるものと説明されてきたが,幼生期に特異的に発現する新規抗原タンパク質を標的とした免疫細胞からの拒絶がかかわることがわかった.免疫系の新しい機能を示す.
891 食品ポリフェノールによる核内レセプターの活性化/安岡顕人
食品ポリフェノールのなかには特定のタンパク質との相互作用が報告されているものがある.本稿では,食品ポリフェノールによる核内レセプターの活性化と,その結果生じる代謝調節作用について概説する.

921 【記念シンポジウム】
記念シンポジウム縁品展示で見る鈴木梅太郎先生の偉業/東原和成,吉田 稔,吉川博文

927 オオズアリの社会構造に関する研究/福岡大学附属大濠高等学校
多雌性コロニーにおける女王とワーカーの関係について
【プロフィル】856,867,890,906 【書評】930 【求人情報】926
次号予定目次
<解説>
糸状菌二次代謝のエピジェネティクス制御と天然物探索
浅井禎吾,大島吉輝
新規一分子蛍光観察法によるタンパク質の構造変化の可視化
―折り畳み研究への応用 鎌形清人
細菌のタンパク質分泌を促進する膜タンパク質SecDFの構造と
機能 森 博幸,塚崎智也
ストリゴラクトンの生物活性を担う立体化学の重要性
上野琴巳他
<今日の話題>
自家不和合性における「自己認識」と「非自己認識」・久保健一他/O-マンノース型糖鎖異常による筋ジストロフィー症・萬谷 博,遠藤玉夫/代償性増殖と酸化ストレス・中野裕康/腸内細菌が作り出す大豆イソフラボン代謝産物の有用性と安全性・石見佳子,東泉裕子
<「化学と生物」文書館>
糖鎖の研究―糖鎖の人工合成と細胞機能 木曽 真
環境バイオ―分解菌の新機能を探る 古川謙介
<セミナー室>
放射性降下物の農畜水産物等への影響
8. 放射性セシウムのイネへの移行 根本圭介


今月の表紙
理化学研究所は皇室からの御下賜金,政府からの補助金,民間からの寄付金により1917年に設立され,伏見宮貞愛親王殿下を総裁に奉戴した.そのため各宮家の御台臨に際しては,所内見学先,説明者,説明事項を所長が入念にチェックしていた.記録によると見学先は平均12の研究室に及んでいたという.写真はかつての理化学研究所1号館鈴木梅太郎研究室の一部である(1935年11月8日).壁には梅太郎のドイツ留学時代の師であり共同研究者でもあったエミール・フィッシャー(1902年ノーベル賞受賞者)から贈られたポスター(1912年)が掲げられており,梅太郎は生涯このポスターを大事にしていたという.『記念シンポジウム縁品展示で見る鈴木梅太郎先生の偉業』(p. 921参照)写真提供:独立行政法人理化学研究所
1,320円
779 これからの日本の科学教育のために必要なこと/河野憲二

780 呼吸能低下株は高い好気エタノール発酵能と熱耐性を同時に獲得する
Zymomonas mobilis呼吸欠損株の新しい機能
/林 毅,古川謙介
783 酸化コレステロールと脂質代謝の変動/長田恭一
動物性加工食品の偏食には注意を
786 天然変性タンパク質による光合成調節の新規分子メカニズム
複合体形成によるCP12立体構造の安定化
/松村浩由,田茂井政宏,重岡 成
789 ユーグレナミトコンドリアの糖代謝系におけるユニークな酵素
特殊な融合型酵素が映し出すミトコンドリアの進化
/中澤昌美,宮武和孝
792 酵素合成法が可能にした完全13C標識化と多次元NMRによるmiltiradieneの構造解析
複雑精緻なテルペノイドの構造を明瞭に決定
/菅井佳宣,川出 洋

818 食品の官能評価法
4. 記述型の官能評価/製品開発におけるQDA法の活用/今村美穂
825 放射性降下物の農畜水産物等への影響
6. 高線量地帯周辺における野生動物の生態・被曝モニタリング/石田 健

830 Brevibacillusによるタンパク質の分泌生産/鵜高重三
835 未解明微生物現象の究明と発酵産業/緒方靖哉

794 時計遺伝子による代謝調節と疾患/榛葉繁紀
多くの疫学研究により不規則な生活が生活習慣病の発症につながっていること,そして基礎研究により,そのメカニズムとしてサーカディアンリズムの形成因子である時計遺伝子の機能異常が明らかにされてきた.
801 フォルミンタンパク質のアクチン二重らせんに沿った回転重合
/渡邊直樹,水野裕昭
フォルミンファミリーは,真核生物に広く保存されたアクチン重合促進因子である.単分子蛍光偏光観察を用いて,フォルミンファミリーが線維のらせん構造に沿って回転しながらアクチンを伸長することが証明された.
807 水産物のメチル水銀とセレン/山下倫明,今村伸太朗,山下由美子
マグロ類やカジキ類,ハクジラ類などの海洋の高次捕食者には,食物連鎖によって生物濃縮されたメチル水銀が,筋肉に含まれることから,魚食からのメチル水銀の摂取による毒性を明らかにする必要がある.水産物のメチル水銀とセレンによる解毒に関する最近の知見を紹介する.

840 生きた化石,ムカシトンボの由来/吉澤和徳

844 月桂冠株式会社 取締役総合研究所長 兼 醸造部長 秦 洋二 氏

849 ヤマビル前吸盤の温度感受性を利用した忌避剤の開発/秋田県立金足農業高等学校
【プロフィル】782,785,791,800,806 【書評】851
次号予定目次
<解説>
オーキシンの受容と信号伝達の分子機構―TIR1オーキシン受容体拮抗剤の分子設計 林 謙一郎,野崎 浩
「真の」二機能性酵素の発見とその「変身」のメカニズム
―古細菌型フルクトース-1,6-ビスリン酸アルドラーゼ/
ホスファターゼ 伏信進矢他
おたまじゃくしの尾の消失―免疫学的な観点から見る動物の
体づくり 井筒ゆみ
<今日の話題>
蜂蜜中に含まれるオリゴ糖酸『マルトビオン酸』・深見 健/アーキア由来の超耐熱性セルラーゼ・石川一彦/人工甘味料・三坂 巧/好熱性シアノバクテリア由来Photosystem Iの安定化技術の開発と太陽電池への応用・松本和也
<「化学と生物」文書館>
窒素固定菌の研究 魚住武司
プロリン特異性酵素―生化学・構造生物学的解析と応用の経過
芳本 忠
<バイオサイエンススコープ>
世界の稀少酒について 寺本祐司

今月の表紙
ほ~ほけきょ,というウグイスのさえずりの声は,どなたでもご存知だろう.写真のような姿は,知らない方がむしろ多いのでは.海岸や高山の灌木,里山や森林のササ薮,大都市の街中でもちょっとした薮があれば,その声を聴ける.姿は,人前にはなかなか現さない.北海道から沖縄まで,日本のほとんどの地方に多数が生息する.ほ~ほけきょ,と鳴くのは雄だけ.雄は雌より一回り大きく,なわばりを構えて,子育てには参加せずに春から夏中,朝から日がな鳴き続ける.本州のほとんどの地方では,山の上で繁殖する者は,里や海岸の暖地で冬を過ごす.ウグイスの糞は古来,高級美顔剤としても重用されていた.トム・クルーズも愛用,とか.『高線量地帯周辺における野生動物の生態・被曝モニタリング』(p. 825参照)
1,320円

699 リオ+20,フクシマ+1.5 に思う―ムラから村へ―/星野貴行

700 トコトリエノールの代謝とその調節/池田彩子
トコトリエノールの機能性は生体内において期待できるか?
702 遺伝子探索による耐熱性キチン分解酵素の開発/峯 昇平,中村 努,上垣浩一
構造学的アプローチによる機能解明
704 有用希少イノシトールの微生物生産/吉田健一
新たなイノシトール代謝経路の発見とその応用
706 イントロンへの挿入配列が遺伝子発現量を調整する/鈴木俊二,藤田景子
ブドウ果皮の着色を決定するMybA1の新たな発現制御機構の発見
708 出芽酵母における選択的オートファジーの新規輸送基質の発見/柚賀正樹,新谷尚弘
一粒で二度おいしい酵素たちの話

742 食品の官能評価法
3. 製品開発の官能評価/國枝里美
分析型パネルと嗜好型パネルの違いについて
748 放射性下降物の農畜水産物等への影響
4. 菌類による放射性セシウムの吸収・蓄積/齋藤雅典,山田明義,松田陽介,大和政秀
752 放射性下降物の農畜水産物等への影響
5. 魚肉の汚染とその低減対策/渡部終五

756 ある女性研究者の漂流/佐々木幸子
植物と光の関係を調べて,脂肪酸合成の鍵酵素に出会う
761 解糖系酵素からエリスロポエチンまで/佐々木隆造

776 タンパク質分解酵素の不活性化と再活性化/茨城県立日立第一高等学校

710 動物試験における遺伝子解析や酵素活性測定で脂質代謝制御は明らかにできるのか?
絶食やPair-feedingに伴うさらなる混乱
/池田郁男
食品の機能性を調べる動物試験ではmRNA発現量や酵素活性の測定が一般的に行われる.しかし,これらのパラメータの変動と実際の代謝は必ずしも一致しないうえに,Pair-feedingや屠殺時の絶食がさらなる混乱を招くことを解説する.
717 好塩基球研究のルネッサンス/吉川宗一郎,烏山 一
免疫細胞のなかでも,古くからその存在は知られているが,非常に数が少なく,どんな機能をもっているのかほとんど知られていなかった,好塩基球.130年たった今,その正体が明かされつつある.
723 なぜ清酒酵母はアルコール発酵力が高いのか?/渡辺大輔
清酒酵母はどのようにして高いアルコール発酵力を獲得したのだろうか.ゲノム/トランスクリプトーム解析結果から明らかになってきた,清酒酵母の特徴を生み出す遺伝子レベルでのメカニズムについて紹介する.
730 環境ゲノム情報時代の未知微生物探索研究/玉木秀幸,鎌形洋一
次世代シークエンサーの登場により環境微生物学は大変革を遂げている.この大規模な環境ゲノム情報解析の時代において,未知微生物の探索研究はどのような進展をしてきているのか.現状と展望について概説する.

768 【記念シンポジウム】
微生物が支えるビタミン類の工業生産/清水 昌

773 植物工場の今/鈴木克己
【プロフィル】703,705,722,729,747 【求人情報】751 【お知らせ】775,777 【訂正】778
次号予定目次
<解説>
時計遺伝子による代謝調節と疾患 榛葉繁紀
フォルミンタンパク質のアクチン二重らせんに沿った回転重合
渡邊直樹,水野裕昭
水産物のメチル水銀とセレン 山下倫明他
オーキシンの受容と信号伝達の分子機構―TIR1オーキシン
受容体拮抗剤の分子設計 林 謙一郎,野崎 浩
<今日の話題>
呼吸能低下株は高い好気エタノール発酵能と熱耐性を同時に獲得する・林 毅,古川謙介/酸化コレステロールと脂質代謝の変動・長田恭一/酵素合成法が可能にした完全13C標識化と多次元NMRによるmiltiradieneの構造解析・菅井佳宣,川出 洋/天然変性タンパク質による光合成調節の新規分子メカニズム・松村浩由他/ユーグレナミトコンドリアの糖代謝系におけるユニークな酵素・中澤昌美,宮武和孝
<「化学と生物」文書館>
Brevibacillusによるタンパク質の分泌生産 鵜高重三
未解明微生物現象の究明と発酵産業 緒方靖哉
<トップランナーに聞く>
月桂冠株式会社 秦 洋二先生 聞き手:後藤奈美,関 泰一郎
<セミナー室>
食品の官能評価法
4. 記述型の官能評価/製品開発におけるQDA法の活用
今村美穂
今月の表紙
骨髄細胞から分化誘導させた好塩基球(分葉核)と肥満細胞に,IgEを介した脱顆粒を誘導させたときの写真.青は核,赤は顆粒を示し,緑は脱顆粒にかかわる分子である,SNAREタンパク質を示している.好塩基球もマスト細胞同様,IgEを介したシグナルにより,分泌顆粒が細胞膜表面に移行しているのがわかる.マダニに対する感染防御には,IgEを介した好塩基球の脱顆粒が必須であると考えられるため,好塩基球の脱顆粒によって分泌されるタンパク質や脂質メディエーターの解析が,治療法確立に役立つと期待される.『好塩基球研究のルネッサンス』(p. 717参照)
1,320円

621 限りなく天災に近い人災考/高橋秀夫

622 ユニークなセスクアテルペン(C35テルペン)生合成経路/佐藤 努
今までに類のない新型と二機能性テルペン環化酵素の同定
624 脊椎動物における抗原受容体の選択/須藤洋一,笠原正典
相同リンパ球に発現される由来の異なる受容体
627 広範な植物病原菌に対する抵抗性遺伝子/前田 哲,森 昌樹
イネからBSR1遺伝子をFOXハンティングにより発見
629 イネの形質転換効率向上方法の開発とその意義/小沢憲二郎
イネ効率的相同組換え系の確立にむけて
631 運動学習の記憶を長持ちさせるのに,適度の休憩をとることが大事なのはなぜか
運動記憶の固定化の脳機構
/永雄総一

660 放射性下降物の農畜水産物等への影響
1. 東京大学大学院農学生命科学研究科全体の取り組みについて/中西友子
663 放射性下降物の農畜水産物等への影響
2. 福島県農業総合センターの取り組み/吉岡邦雄
668 放射性下降物の農畜水産物等への影響
3. 乳牛における放射性セシウムの動態/眞鍋 昇

671 C–P結合の研究/瀬戸治男
ビアラホスを中心として
679 手書きの「質量分析」創刊号/板垣又丕
草創期における先人の理想と情熱

696 グリセリンの物性に関する研究/京都府立桃山高等学校

633 小胞体膜上で起こるスプライシングに秘められた巧妙な仕組み
/柳谷耕太,河野憲二
真核生物では,小胞体の異常は小胞体膜上で起こるmRNAのスプライシングによって核に伝えられる.この風変わりなシグナル伝達機構に潜む,細胞質で起こるスプライシングならではの巧妙な仕組みを紹介する.
641 時間栄養学/柴田重信
時間栄養学とは,体内時計の機能による時間学と栄養学を結びつけた造語である.つまり,時間栄養学は食物や栄養の働きを時間軸の切り口で解明しようとする研究領域であり,体内時計の応用学問として注目されている.
647 モノクローナル抗体の生薬研究への応用/正山征洋
重要生薬の活性成分に対するモノクローナル抗体を作成し,簡便かつ精確な分析法の開発,新抗体染色法であるイースタンブロットやノックアウトエキスの作成に成功.また,小型化抗体遺伝子による新育種法を確立した.
654 花成ホルモン―フロリゲン―とその受容体の構造解析からみえてきたフロリゲン機能の分子基盤
/田岡健一郎,大木 出,辻 寛之,児嶋長次郎,島本 功
花成ホルモン・フロリゲンと,その受容体14-3-3と転写因子FDからなる複合体の構造と機能が明らかになった.ジャガイモ塊茎形成なども誘導するフロリゲンの多機能性の分子基盤が明らかにされようとしている.

684 【随想】
日本のビタミン研究の流れ/左右田健次
688 【随想】
農芸化学と産業行政/貝沼圭二

691 清酒醸造と白髪染め/中村幸宏
【プロフィル】640,659,662,670,683,687 【求人情報】690,695,697
次号予定目次
<解説>
動物試験における遺伝子解析や酵素活性測定で脂質代謝制御は
明らかにできるのか?―絶食やpair-feedingに伴うさらなる
混乱― 池田郁男
好塩基球研究のルネッサンス 吉川宗一郎,烏山 一
環境ゲノム情報時代の未知微生物探索研究 玉木秀幸,鎌形洋一
なぜ清酒酵母はアルコール発酵力が高いのか? 渡辺大輔
<今日の話題>
トコトリエノールの代謝とその調節・池田彩子/遺伝子探索による耐熱性キチン分解酵素の開発 構造学的アプローチによる機能解明・峯 昇平,中村 努,上垣浩一/酵素合成法が可能にした完全13C標識化と多次元NMRによるmiltiradieneの構造解析―複雑精緻なテルペノイドの構造を明瞭に決定―・菅井佳宣,川出 洋/イントロンへの挿入配列が遺伝子発現量を調整する―ブドウ果皮の着色を決定するMybA1の新たな発現制御機構の発見―・鈴木俊二,藤田景子/有用希少イノシトールの微生物生産・吉田健一
<「化学と生物」文書館>
ある女性研究者の漂流―植物と光の関係を調べて,脂肪酸合成の鍵酵素に出会う 佐々木幸子
解糖系酵素からエリスロポエチンまで 佐々木隆三
今月の表紙
水槽のガラスに張りついたヤツメウナギの口の部分を撮影したものです.ヤツメウナギは顎を持たない原始的な特徴を持つ脊椎動物,無顎類の一種で,その丸い口から円口類とも呼ばれます.この吸盤のような口で川などの石に張りついたり,サケなどの魚に張りついて体液を吸い取るとされています.川で3–4年ほど成長した後,変態して海へ降り,さらに3年ほど生活して産卵のために川に登ってくるというサイクルを繰り返しています.無顎類は顎を持たないなどの形態的な特徴のほか,免疫学的な仕組みも,ほかの脊椎動物とは異なることが近年わかってきており,脊椎動物の進化の過程を解明するための重要なカギを握る生物として注目されています.『脊椎動物における抗原受容体の選択』(p. 624参照)
1,320円
559 秋入学移行で議論再燃―大学教育のグローバル化/牧 正敏

560 黄麹菌Aspergillus oryzaeのアフラトキシン生合成系遺伝子は機能しない
アフラトキシン生合成遺伝子ホモログクラスタの解析
/山田 修
562 進むストリゴラクトンアゴニスト創製/福井康祐,浅見忠男
科学的・実用的応用を目指した展開
564 糖脂質修飾が決めるタンパク質の選別輸送機構/藤田盛久
GPIアンカーの構造変化によるタンパク質輸送・膜局在の制御
567 「合成代謝工学」による化学品生産/本田孝祐,岡野憲司,大竹久夫
発酵工学のための新たなパラダイム構築にむけて

600 食品の官能評価法
2. 官能評価パネルの選抜・訓練/早川文代

605 食品機能論/荒井綜一
その学術的広がりをたどる
609 天然物化学その魅力と領域 後編/磯部 稔
立体制御合成の奥義

618 食用油脂の比較研究/大阪府立千里高等学校・総合科学科

570 香りの生合成経路が季節によって変わる/平田 拓,大西利幸,渡辺修治
重水素化フェニルアラニンを用いた代謝・変換研究によって,バラが発散する主要香気成分2-フェニルエタノールの生合成経路は2つ存在し,それらが季節によって使い分けられていることがわかってきた.
577 麹菌の染色体工学と産業利用/小山泰二,金 鋒杰,原 精一
麹菌のゲノム解析が進み,遺伝子ターゲティングが開発されたことにより,染色体の任意の領域を大規模に加工する,染色体工学が可能になった.染色体工学を用いた麹菌の育種や遺伝子の機能解析の例を紹介する.
584 造血における前駆細胞の系列決定の過程/河本 宏,桂 義元
古典的なミエロイド系/リンパ系二分法からの脱却
血液細胞には多くの系列が含まれるが,それらがどのような分岐を経てつくられるかということが,最近ようやく明らかになってきた.それは,多くの教科書に描かれている仮想的なモデルとは異なるものであった.
592 比較ゲノム解析によるセルロース分解微生物「トリコデルマ・リーセイ」日本型系統樹進化の謎の解明とさらなる進化
/小笠原 渉,志田洋介
古典的な変異処理によって改良されてきたセルラーゼ高生産性糸状菌トリコデルマ・リーセイ変異株の日本型系統樹について,次世代シーケンサーを駆使した比較ゲノム解析および分子生物学的解析の成果を紹介する.

616 松井正直先生を悼む/森 謙治
【プロフィル】566,569,599,604,619
次号予定目次
<解説>
小胞体膜上で起こるスプライシングに秘められた巧妙な仕組み
柳谷耕太,河野憲二
時間栄養学柴田重信
モノクロナール抗体の生薬研究への応用正山征洋
結核菌を認識する新たなc型レクチンの同定山﨑 晶
<今日の話題>
脊椎動物における抗原受容体の選択・須藤洋一,笠原正典/広範な植物病原菌に対する抵抗性遺伝子―イネからBSR1遺伝子をFOXハンティングにより発見・前田 哲/細菌由来のC35テルペン生合成酵素の同定・佐藤 努

<「化学と生物」文書館>
C-P結合の研究―ビアラホスを中心として瀬戸治男
手書きの「質量分析」創刊号―草創期に於ける先人の理想と情熱
板垣又丕
今月の表紙
バラ,ロザ・イブピアッチェ (Rosa ‘Yves Piaget’) の香気捕集風景.バラの主要な香気成分2-フェニルエタノールはアミノ酸l-フェニルアラニンから中間体フェニルアセトアルデヒドを経て生合成される.しかし,季節を通してバラ花弁への重水素標識化l-Phe投与実験を行った結果,6–9月のバラは中間体フェニルピルビン酸を介する新規経路によって2-フェニルエタノールを生合成しているという知見が得られた.写真は,重水素化標識体l-[2H8] フェニルアラニンをバラに投与し,発散される香気成分を香気吸着材(モノトラップ)を用いて捕集している様子.『香りの生合成経路が季節によって変わる』(p. 570参照)
1,320円
475 3.11が投げかけたこと―研究者の責任と人間の価値観/山根久和

476 ミツバチの女王蜂分化を誘導する因子ロイヤラクチンの発見/鎌倉昌樹
ミツバチのカースト分化誘導機構の解明
479 ミトコンドリアゲノムの母性遺伝のメカニズム/佐藤美由紀,佐藤 健
オートファジーによる父性ミトコンドリアの分解
481 結晶構造から見る古細菌tRNAIle2のアグマチニル化反応/大澤拓生,沼田倫征
新しいtRNAアンチコドン修飾メカニズムの解明
484 小胞体品質管理に関わるジスルフィド結合還元酵素ERdj5の構造と機能
小胞体関連分解の新たな機構の解明
/前川憲一,稲葉謙次

518 食品の官能評価法
1. 官能評価とは何か,そのあるべき姿/山口静子

540 還元反応を引き金とするoff/on型蛍光プローブを用いたRNA検出法の開発
/阿部 洋,柴田 綾,古川和寛,常田 聡,伊藤嘉浩

545 糸状菌のポリケタイド生合成反応/藤井 勲

552 食の安全・安心と環境保全に貢献する新農薬の創製/吉村 巧
―ピリミスルファンおよびピロキサスルホンの開発―

488 破骨細胞の分化と機能を制御する転写因子の役割
/久木田明子,菖蒲池健夫,久木田敏夫
骨代謝や炎症性の病態において骨吸収を司る破骨細胞,その分化を制御する因子RANKLシグナルに関わる転写因子,リンパ球と破骨細胞の分化の調節に関わる転写抑制因子OCZF/LRFの働きが明らかとなってきた.
498 ウシをはじめとする家畜ミルクオリゴ糖研究の最近の進歩
/浦島 匡,朝隈貞樹,福田健二,齋藤忠夫
ウシを中心とする家畜ミルクオリゴ糖構造研究の歴史的な展開をはじめ将来的な家畜ミルクオリゴ糖やミルク複合糖質の産業面での利用可能性について解説
510 セミインタクト細胞リシール法を用いた「病態モデル細胞」作製とその疾患研究への応用
/村田昌之,加納ふみ
「病態環境」を再現した細胞アッセイ系として,セミインタクト細胞リシール法を用いて作製した「病態モデル細胞」とその利用法を紹介.誕生したばかりのツールの利点と,その克服すべき問題点と今後の展望について解説

525 天然物化学その魅力と領域 前編/磯部 稔
立体制御合成の奥義

537 野村眞康先生を悼む/國中 明,山本 出
【プロフィル】478,483,487,517,544,557 【求人情報】524
次号予定目次
<解説>
香りの生合成経路が季節によって変わる 平田 拓
比較ゲノム解析によるセルロース分解微生物「トリコデルマ・リーセイ」 小笠原 渉
麹菌の染色体工学と産業利用 小山泰二
造血における前駆細胞の系列決定の過程 河本 宏
<今日の話題>
合成代謝工学による化学品生産・本田 孝祐/糖脂質修飾が決めるタンパク質の選別輸送機構・藤田盛久/黄麹菌Aspergillus oryzaeがアフラトキシン生合成系遺伝子は機能しない・山田 修
<セミナー室>
食品の官能評価法
2. 官能評価規格の現状および官能評価パネル選抜・訓練
早川文代

<「化学と生物」文書館>
食品機能論 荒井綜一
天然物化学とその魅力と領域 後編 磯部 稔
1,320円

393 予定外を愉しむ/伊藤幸成

394 植物のオーキシン生合成主経路の解明/笠原博幸,増口 潔,神谷勇治
TAAおよびYUCCAファミリーによるインドール-3-酢酸の生合成
396 海産軟体動物から得られる多様なラミナリナーゼ/熊谷裕也,尾島孝男
動物種の生活環境と関連した酵素特性の違い
398 酵母の浸透圧ストレス応答/古川健太郎
アクア(グリセロ)ポリンの生理機能と制御機構
400 クワガタムシにおける空中窒素利用の可能性/藏之内利和
里山の人気者は物質循環の立役者
402 イネが環境に応じて水分量を調節するしくみ/石川(櫻井)淳子,村井(羽田野)麻理
地上部からの蒸散要求に応じて根のアクアポリン発現量が変化
404 海洋天然物のケミカルバイオロジー/不破春彦
ブリオスタチンとイグジグオリドへの合成化学的アプローチ

435 自然免疫の応答と制御―その共通性と多様性
8. ショウジョウバエ腸管での免疫応答と制御/倉石貴透,倉田祥一朗
441 産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線―物質生産の効率化に向けた新たな挑戦
6. Corynebacterium glutamicumのグルタミン酸排出チャネルの発見と
その有用物質生産への展開/川崎 寿,和地正明

465 新たな時代を迎える日本ワイン/鹿取みゆき

471 卵の内皮がもつ機能の解明と新しいリサイクル材料としての活用法開発
/国立米子工業高等専門学校(鳥取県)

406 オプトジェネティックスの最前線/松崎政紀
チャネルロドプシン-2を細胞に発現させ青色光を照射して細胞内外に陽イオンを透過させる.光受容体の特異な性質を利用し,光によって特定の神経細胞を刺激し解析する試みが進展している.応用例も含めて,最新の成果を紹介
414 クリックケミストリー 創薬やケミカルバイオロジーの強力なツール
/北山 隆,馬場良泰
操作が簡便,副生成物を生ぜず高収率,水など種々の溶媒中で効率よく進行…などの特徴をもって広範囲に利用されつつあるクリックケミストリー.その概要と生体分子の化学修飾への展開,創薬への応用などについて解説
423 細胞の酸化ストレス耐性に関わるシグナル伝達系/伊東 健,蝦名真行
Nrf2/Keap 1シグナリングと自己防衛機能
酸化ストレスに関わる親電子性物質を解毒化するために誘導されるGSTをはじめとする種々の解毒化酵素の誘導に中心的な役割を果たす転写因子Nrf2.その活性化機構や抑制因子Keap 1との関わりの解明が進展している.
430 アミノ酸の窒素安定同位体比から生き物の栄養段階を読み解く
/大河内直彦,力石嘉人,小川奈々子
生体中に含まれるアミノ酸の窒素安定同位体比を精密に測定することによって,その生物が食物連鎖のどこに位置するかを推定できる.生態系の解析はもとより,環境変化が生物の食性に及ぼす影響について解析した例などを紹介

458 【記念シンポジウム】
理研時代の鈴木梅太郎博士/小川智也

450 メチロトローフと農芸化学/加藤暢夫
【プロフィル】413,422,429,440,449,457 【お知らせ】470
次号予定目次
<解説>
ウシをはじめとする家畜ミルクオリゴ糖研究の進歩 浦島 匡
セミインタクト細胞リシール法を用いた病態モデル細胞作成とその疾患研究への応用 村田昌之
<今日の話題>
小胞体品質管理機構に関わるジスルフィド結合還元酵素ERdj5の構造と機能・稲葉謙次/ミトコンドリアの母性遺伝のメカニズム・佐藤美由紀/結晶構造からみる古細菌tRNAIie2のアグマチニル化反応・大澤拓生/ミツバチの女王蜂分化を誘導する因子ロイヤラクチンの発見・鎌倉昌樹
<セミナー室>
食品の官能評価法
1. 官能評価とは何か,そのあるべき姿 山口静子
<生物コーナー>
糸状菌のポリケタイド生合成反応 藤井 勲
<「化学と生物」文書館>
天然物化学とその魅力と領域 礒部 稔
<プロダクトイノベーション>
食の安全・安心と環境保全に貢献する新農薬の創製 吉村 巧
<化学の窓>
投げ縄型イントロンRNAの蛍光検出法の開発 阿部 洋
今月の表紙
C. glutamicumの3Dステレオビュー.グルタミン酸生産菌C. glutamicumはsnapping divisionと呼ばれる特殊な細胞分裂を行なう.細胞の中央で折れ曲がるように分裂し,分裂後の細胞対がV字型になるのが特徴である.走査型電子顕微鏡で視野角(視差6度)を変えて撮影した2枚の画像より作成した(交差法).寄り目にして右目で左の画像,左目で右の画像を見るようにすると立体的に見える.スケールバー:1 μm.撮影:東京工業大学技術部髙田綾子氏, 幸喜順氏.『Corynebacterium glutamicumのグルタミン酸排出チャネルの発見とその有用物質生産への展開』(p. 441参照)
1,320円
311 学術雑誌の価値と評価/依田幸司

312 甘味,旨味,苦味細胞産生の必須因子Skn-1a/松本一朗,應本 真
味細胞種の分化機構の一端が明らかに
314 植物細胞の意外なコミュニケーション術/中島敬二
マイクロRNAを介した組織形成シグナリング
316 シスチン・グルタミン酸トランスポーター (xc- 系)/佐藤英世
細胞へのシスチン取り込みを介した酸化ストレス防御機構と新たな展開
318 In Vitro精子形成の条件/小川毅彦
培養成功のカギは血清代替物.重要因子はアルブミンか?
320 腸管常在性真菌が腸管に定着する仕組みを探る
Candida glabrataの乳酸脱水素酵素Cyb2は腸管定着に必要な因子
/上野圭吾,松本靖彦,関水和久,金城雄樹,知花博治
322 実測パラメーターに基づく細胞内シグナル伝達系の定量的シミュレーション
これまで見えてこなかった反応やモデルを精度よくあぶり出す
/青木一洋

363 自然免疫の応答と制御—その共通性と多様性
7. 植物による鞭毛タンパク質フラジェリンの認識と免疫応答の分子機構
/蔡 晃植,平井洋行
370 産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線—物質生産の効率化に向けた新たな挑戦
5. 大腸菌の内膜輸送体を介したシステイン関連化合物のシャトルシステム
による酸化ストレス防御機構
/大津厳生,鈴木茉里奈,高木博史

383 動物細胞の培養における血清の影響と成長因子の探査
/横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校

378 心は遺伝子の発現を調節する/村上和雄

325 視覚センサー遺伝子の適応と進化多様性/河村正二
生物種によって色の見え方に違いがあることはよく知られている.これには色覚を司る視覚センサー=視覚オプシンの多様性が関わっている.長い進化の過程で,生物の色覚はどのようにしてその多様性を獲得してきたのだろうか.
337 分裂酵母を用いた経時寿命制御因子の探索と機能解析/饗場浩文,大塚北斗
細胞寿命の制御には酵母からヒトまで共通性があるといわれる.増殖を停止した酵母細胞の生存期間=経時寿命を指標に明らかとなった寿命延長効果をもたらす要因について詳述し,各生物種に共通の寿命制御機構を探る.
345 放射線の食品保存への利用/林  徹
放射線を照射することで,食品の殺菌や貯蔵期間の延長を図る食品照射.これに利用される放射線は食品が放射能を帯びることのないものに限定されている.低エネルギー電子線を利用した殺菌技術を中心にその有効性と安全性を紹介.
350 有機溶媒中での生体触媒反応による物質生産/本田孝祐,大竹久夫
微生物などを利用して水にまったく/ほとんど溶けない化学物質を生産するには,有機溶媒存在下での生体触媒利用技術の開発が不可避である.耐性微生物や親油性微生物の探索も含め,開発が進むバイオプロセスのいくつかを紹介.
357 寝たきり患者の筋萎縮に対する栄養学的アプローチ
/山下結衣,越智ありさ,河野尚平,二川 健
寝たきり状態や無重力下など,機械的負荷の減少により骨格筋が萎縮し機能が障害されるのはなぜか.その原因とメカニズムを探るとともに,萎縮を阻止する薬剤,そして食品成分の摂取による予防・治療の可能性を探る.

385 【記念シンポジウム】
健康をまもるABC蛋白質/植田和光
390 【随想】
農芸化学と有機化学/森 謙治
【プロフィル】324,344,369,377 【お知らせ】382 【訂正】336
次号予定目次
<解説>
細胞の抗酸化ストレス耐性に関わるシグナル伝達系 伊東 健
オプトジェネティクスの最前線 松崎政紀
破骨細胞の分化と機能を制御する転写因子の役割 久木田明子他
アミノ酸の窒素同位体比から生き物の栄養段階を読み解く
大河内直彦
クリックケミストリー:創薬やケミカルバイオロジーの強力なツール 北山 隆,馬場良泰
<今日の話題>
植物のオーキシン生合成主経路の解明・笠原博幸/海洋軟体動物から得られるラミナリナーゼ・尾島孝男/ミトコンドリアの母性遺伝のメカニズム・佐藤美由紀/イネが環境に応じて水分量を調節するしくみ:アクアポリンのはたらき・石川(櫻井)淳子/クワガタムシにおける空中窒素利用の可能性・蔵之内利和
<セミナー室>
産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線
6. グルタミン酸生産機構研究の歴史とグルタミン酸排出に関わるメカノセンシティブチャンネルの発見 川崎 寿
自然免疫の応答と制御 ― その共通性と多様性
8. ショウジョウバエ腸管での免疫応答と制御 倉田祥一朗
<バイオサイエンススコープ>
新たな時代を迎える日本ワイン 鹿取みゆき
<「化学と生物」文書館>
メチロトローフと農芸化学 加藤暢夫
今月の表紙
動くマイクロRNAが根の組織分化を制御する.シロイヌナズナの根を蛍光染色して共焦点レーザー顕微鏡で観察すると,内部の細胞パターン(赤色)を容易に観察することができる.この写真では,マイクロRNA165 (miR165) を生産する内皮細胞(黄色)と,miR165により発現調節されるPHB転写因子(緑色)を,さらに別々の蛍光タンパク質でラベルしている.内皮でつくられたmiR165は周囲の細胞層へ広がり,PHBのメッセンジャーRNAを分解する.この作用により,PHB転写因子は根の中心で濃く,外側へ行くほど薄い濃度勾配をつくる.このようなPHBの濃度勾配が根の組織分化を制御している.『植物細胞の意外なコミュニケーション術』(p. 314参照)
1,320円

231 当世学生事情/桑原重文

232 植物26Sプロテアソームの多様な機能/佐古香織
「品質管理」にとどまらず器官サイズや遺伝子サイレンシングなど様々な現象を制御
234 オルガネラ膜融合のin vitro完全再構成/三間穣治
SNAREシャペロン複合体が膜融合の中心的な機構であることを証明
236 イオノフォアポリエーテル生合成における骨格構築機構/南 篤志,及川英秋
酵素的エポキシド開環反応によって多数のエーテル環を効率的に構築
237 アディポネクチンの新たな機能/山内敏正,門脇 孝
肥満症,2型糖尿病の新規治療法への期待
239 地力窒素の分子実体は何か/森泉美穂子,松永俊朗
土壌には多様な分子量の有機態窒素が存在する
241 病原真菌Candida glabrataにおけるステロール輸送の生理的役割/田辺公一
血清からのコレステロール取り込みが病原性に必須か?

277 自然免疫の応答と制御—その共通性と多様性
6. カブトガニの病原体に対する自然免疫の応答と制御/柴田俊生,川畑俊一郎
283 産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線—物質生産の効率化に向けた新たな挑戦
4. コリネ型アミノ酸生産菌のもつ潜在的なグルコース輸送バイパス/池田正人

298 50年後の水稲生産を予測する 温暖化・CO2濃度上昇が水稲生産に及ぼす影響を実際の水田で調べる
/長谷川利拡

308 食材の抗凝血活性/福岡県立鞍手高等学校

289 日本の澱粉科学と産業の発達史を辿って Ⅱ.ライフワークとしての澱粉・関連酵素の研究
/貝沼圭二

243 高等脊椎動物における免疫制御/米山光俊
2011年ノーベル医学生理学賞がもたらした知見
2011年ノーベル医学生理学賞は免疫制御に重要な役割を担う樹状細胞を発見した業績,Tollの機能を明らかにした業績,そのToll様分子が哺乳類でも同様に感染応答に機能することを示した業績に贈られた.その発見を中心に解説.
250 塩分の過剰摂取と高血圧の関係/下澤達雄,穆 勝宇,藤田敏郎
食塩過剰摂取の血圧への影響は分子レベルでどの程度わかっているのか.腎臓におけるNa再吸収能,Naチャネルが関わる食塩感受性と非感受性,交感神経の働きなどについて概観する中で,新たな治療法の可能性を探る.
255 植物の根のサイズ決定に関わる分子メカニズム/塚越啓央
植物の根は生育する環境の影響を強く受け,そのサイズの決定には根端細胞の分裂から分化への機能転換の制御が鍵となっている.関与する植物ホルモンや転写因子,そしてシステム生物学的手法によって解明された成果を紹介する.
262 細胞核の構造とエピジェネティック制御/尾間由佳子,原田昌彦
DNAの配列変化を伴わないで遺伝情報の発現を制御するメカニズム——エピジェネティック制御.最近,これに核膜孔複合体やアクチン関連タンパク質など,核構造に関わる諸因子が深く関わっていることがわかってきた.
269 【2008年農芸化学研究企画賞】
血管病の発症メカニズムと食品成分によるその予防の可能性/加治屋勝子
狭心症,心筋梗塞など血管の収縮による疾病を血管病と総称する.特に血管異常収縮によるものを中心に,その発症メカニズムについて詳述するとともに,収縮を特異的に抑制する食品成分による予防の可能性を探る.

302 【記念シンポジウム】
鈴木梅太郎研究室を引き継いで,広がる生物化学/東原和成
【プロフィル】276,282,297,310 【お知らせ】261 【求人情報】268
次号予定目次
<解説>
分裂酵母を用いた細胞の経時寿命制御因子の探索と機能解析
饗場浩文,大塚北斗
有機溶媒中での生体触媒反応による物質生産
本田孝祐,大竹久夫
寝たきり患者の筋萎縮に対する栄養学的アプローチ
山下結衣,二川 健ほか
放射線の食品保存への利用 林  徹
視覚のセンサー遺伝子の適応と進化多様性 河村正二
<今日の話題>
植物細胞の意外なコミュニケーション・中島敬二/シスチン・グルタミン酸トランスポーター・佐藤英世/甘味,旨味,苦味細胞産生の必須因子Skn-1a・松本一朗/酵母の浸透圧ストレス応答・古川健太郎/実測パラメーターに基づく細胞内シグナル伝達系の定量的シミュレーション・青木一洋
<セミナー室>
産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線
5. 大腸菌の内膜輸送体を介したシステイン関連化合物の
シャトルシステムによる酸化ストレス防御機構 大津巌生
自然免疫の応答と制御 ― その共通性と多様性
7. 植物による鞭毛タンパク質フラジェリンの認識と
免疫応答の分子機構 蔡 晃植
<バイオサイエンススコープ>
新たな時代を迎える日本ワイン 鹿取みゆき
<「化学と生物」文書館>
心は遺伝子の発現を調節する 村上和雄
今月の表紙
マウス脾臓由来の樹状細胞.1973年,Ralph Steinman博士によって同定された樹状細胞は,高等脊椎動物の自然免疫において,病原体感染などを検知して多様なサイトカインを産生し,病原体排除や炎症反応応答に関与するとともに,抗原提示細胞として異物をリンパ球に提示することにより獲得免疫の制御を行なう.一方で,アレルギーや自己免疫などの疾病にも深く関与しており,免疫制御において非常に重要な機能を担う細胞である.『高等脊椎動物における免疫制御 2011年ノーベル医学生理学賞がもたらした知見』(写真提供:京都大学大学院生命科学研究科・稲葉カヨ先生)(p. 243参照)
1,320円

149 生きるとは,学ぶとは 生命,食糧,環境の教育研究から考える/松井博和

150 微生物燃料電池の可能性/高妻篤史,宮原盛夫,渡邉一哉
グリーンイノベーションへの挑戦
152 リンゴ小球形潜在ウイルスとFT遺伝子を利用したリンゴの早期開花
果樹の品種改良にとって強力な新手法となるか
/吉川信幸,山岸紀子
154 トランスシナプス標識法による神経回路の可視化と機能解析/宮道和成
高解像度の神経接続マップがひらく新しい脳科学の世界
156 植物ホルモン・ジャスモン酸の主要な不活性化経路/北岡直樹,松浦英幸
ジャスモン酸イソロイシン12位水酸化酵素CYP94B3の発見
158 新規エナンチオ選択的イミン還元酵素の探索と発見/満倉浩一,長澤 透
光学活性アミンの酵素合成への展開とその可能性
160 病原細菌を標的としたオートファジーにおける新規認識機構/小川道永
赤痢菌を認識するカーゴレセプターの一員Tecpr1の役割が明らかに

188 産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線―物質生産の効率化に向けた新たな挑戦
3. コリネ型細菌における糖取り込み機構PTSの遺伝子発現制御
/田中裕也,乾 将行,湯川英明
196 自然免疫の応答と制御―その共通性と多様性
5. 病原体を運ぶ蚊の免疫システム/横山卓也,青沼宏佳,嘉糠洋陸

219 太陽化学(株)代表取締役副社長 ジュネジャ・レカ・ラジュ 氏

228 組織培養―絶滅危惧種ヒゴタイを救え/長崎県立諫早高等学校

224 東日本大震災への大学の対応
5.ポスドク・学生の実験室での震災対応と経過/吉見 啓

163 【2006年農芸化学研究企画賞】
出芽酵母発現システムを利用した天然物の生物合成
/恒松雄太,守屋央朗,渡辺賢二
日本人に馴染み深い酒や味噌の発酵に利用されてきた出芽酵母.この酵母のもつ外来遺伝子発現系を利用し,特に植物や糸状菌由来の天然物生合成遺伝子を発現させ,医薬品など有用物質を効率的に生産する試みについて解説する.
175 環境応答とバイオミネラリゼーション/藤野泰寛,横山拓史,土居克実
極限環境下における細菌の生存戦略
ケイ酸を取り込んで生育に必須の被殻形成に利用しているケイソウなどとは異なり,極限環境に働きかけてシリカ沈殿物を周辺につくっている好熱菌が知られている.彼らにとってその行為はどのような意味をもっているのだろうか.
182 乳酸菌の免疫調節作用に関わる細胞内シグナルとその制御/加地留美
腸内フローラの安定化に役立っているプロバイオティクスとしての乳酸菌.最近,腸管免疫系の細胞の受容体などと相互作用して獲得免疫応答の多様性を生み出していることがわかってきた.シグナル伝達に関わる諸因子ついて概説.

209 【記念シンポジウム】
栄養科学から食品機能論・味覚分子論への推移をめぐる一考察/阿部啓子
215 【随 想】
農芸化学に育まれた私の食品科学/荒井綜一

203 日本の澱粉科学と産業の発達史を辿って Ⅰ.澱粉の科学―古典から近代まで/貝沼圭二
【プロフィル】195,208,218,223,227 【求人情報】162,174
次号予定目次
<解説>
細胞核の構造とエピゲノム制御 原田昌彦
植物の根のサイズ決定に関わる分子メカニズム 塚越啓央
塩分の過剰摂取と高血圧の関係 藤田敏郎
血管病の発症メカニズムと食品成分によるその予防の可能性
加治屋勝子
<今日の話題>
土壌の地力窒素の分子実体は何か?・森泉美穂子/アディポネクチンの新たな機能・山内 正/イオノフォアポリエーテル生合成における骨格構築・南 篤志,及川英秋/オルガネラ膜融合のin vitro完全再構成・三間穣治/植物26Sプロテアソームの多様な機能・佐古香織/病原真菌Candida glabrataにおけるステロール輸送の生理的役割・田辺公一
<セミナー室>
産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線
4. コリネ型アミノ酸生産菌のもつ潜在的なグルコース
輸送バイパス 池田正人
自然免疫の応答と制御 ― その共通性と多様性
6. カブトガニの病原体に対する自然免疫の応答と制御
柴田俊生,川畑俊一郎
<鈴木梅太郎博士シンポジウム>
講演:鈴木梅太郎研究室を引き継いで,広がる生物化学 東原和成
<バイオサイエンススコープ>
50年後の水稲生産を予測する 長谷川利拡
<「化学と生物」文書館>
日本の澱粉科学と産業の発達史を辿って-II 貝沼圭二
今月の表紙
田んぼ発電.これは,千葉県野田市の野田自然共生ファームにおける田んぼ発電の写真です.田んぼ発電は微生物燃料電池の原理を応用したもので,稲の根圏土壌にアノード(負の電極)を,すぐ上の水中にカソード(正の電極)を設置し,それらを電線で繋ぐことにより発電する方法です.現在は,1 m2の広さで数十mW程度の電力が得られます.つまり,数平方メートルの田んぼで発電すれば,携帯音楽プレーヤーが動かせます.この発電においては,稲が光合成によりつくり出した有機物が根から放出され,根圏の電気生成菌のエネルギー源となることにより電気が発生します.つまり,稲と微生物の共生系による太陽電池と考えることもできます.『微生物燃料電池の可能性』(p. 150参照)
1,320円
ISSN 0453-073X
KASEAA 50(2)73-148(2012)

Vol.50, No. 2
日本農芸化学会.編集・発行
化学と生物
2
学会出版センター.刊行

73他流試合の勧め/永井和夫


74小胞体から出芽する輸送小胞に輸送基質が濃縮される仕組み/佐藤 健積み荷タンパク質の選別や輸送に関わる COPIIとSar1の役割
76核内タンパク質の品質管理機構/川向 誠分裂酵母のユビキチン化経路を特定
77カフェオイルキナ酸は神経細胞保護作用をもつ学習・記憶障害の抑制効果に期待/韓 畯奎,宮前友策,繁森英幸,礒田博子
79合成代謝経路を導入した大腸菌によるイソプロパノール生産 140グラム毎リットル以上の生産を達成
/猪熊健太郎,花井泰三

80メイラード反応による着色機構/渡辺寛人,早瀬文孝メラノイジン前駆体 Blue-M1と褐変との関わりを探る
82脂質成分を利用したグイマツ雑種 F1苗木の判別/佐藤真由美ケモタキソノミーの林業分野への応用


119自然免疫の応答と制御.その共通性と多様性
4.マダニの生存戦略と病原体伝播/辻 尚利,藤崎幸蔵
111産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線.物質生産の効率化に向けた新たな挑戦
2.産業微生物由来のアスパラギン酸:アラニン交換輸送体( AAEx)ファミリーに属する膜輸送体の機能と産業応用
/福井啓太,七谷 圭,阿部敬悦


136色変わりバラにおける花色発現/兵庫県立加古川東高校

138東日本大震災への大学の対応

4.哺乳類細胞ならびに動物を用いて活動している研究室の震災の現実/福田智一


86植物と微生物の駆動力と膜輸送体/浜本 晋,七谷 圭,佐藤陽子,魚住信之
動物との相違点と共通性

植物・微生物は動物とは異なるイオン環境で生育するために独自の K+および Na+輸送システムを発達させている.栄養や老廃物などの物質輸送に関わるトランスポーター,イオンチャネルの役割を構造と機能から概観する.
93バイオ燃料として期待される微細藻類の炭化水素生合成酵素/岡田 茂
微細藻類,特に Botryococcus brauniiはトリテルペンなどの液状炭化水素を生産・蓄積し,バイオ燃料資源として注目されている.炭化水素の生成機構を追究する中で,関与する複数の生合成酵素とその性状が明らかになってきた.
103代謝反応ネットワーク解析の意義と方法/白石文秀,岩田通夫,シユタサカンスポーン
生物の営みは生体内の無数の物質の代謝反応のネットワークによって維持されている.分析手法の進歩によって可能となった細胞内代謝物濃度の網羅的測定データをいかに効率よく解析するか.その一端を紹介.

マウスは求愛の歌を歌う/菊水健史


グローバル時代を生き抜く研究者へ 米国大学院留学からシンガポールで独立まで
/杉井重紀


127 L-ドーパ ―酵素による生産/熊谷英彦
【プロフィル】 85,102,135,146 【求人情報】 92 【書評】 147
次号予定目次
<解説>
環境応答とバイオミネラリゼーション 土居克実他
血管病の発症メカニズムと食品成分による
その予防の可能性 加治屋勝子
出芽酵母発現システムを利用した天然物の生物合成 渡辺賢二他
乳酸菌の免疫調節作用に関わる細胞内シグナルと
その制御 加地留美
<今日の話題>

黄麹菌 Aspergillus oryzaeのアフラトキシン生合成系遺伝子は機能しない・山田 修/新規エナンチオ選択的イミン還元酵素の探索と発見・長澤 透,満倉浩一/微生物燃料電池の可能性・渡邉一哉他/病原細菌を標的としたオートファジーにおける新規認識機構・小川道永/トランスシナプス標識法による神経回路の可視化と機能解析・宮道和成<セミナー室>産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線
3.コリネ型細菌における PTS遺伝子発現制御機構乾 将行他自然免疫の応答と制御
5.病原体を運ぶ蚊の免疫システム
横山卓也,青沼宏佳,嘉糠洋陸<緊急企画>東日本大震災への大学の対応
5.ポスドク・学生の実験室での震災対応とその経過吉見 啓<バイオサイエンススコープ> 50年後の水稲生産を予測する長谷川利拡
今月の表紙マウスの超音波ラブソングのソノグラム.オスマウスはメスマウスと出会うと,100 kHz程度の非常に高い超音波領域での音声を発する.この音声のパターンを解析すると,鳥の歌と同じような構造をしていることが明らかとなった.上段は C57BL6系統の,下段は BALB/c系統のオスの歌となる.歌のシラブルと呼ばれる音節の出現のパターン,さらにその出現の頻度も大きく異なっており,C57BL6系統では,高いピッチの音声で一つの音声中に周波数が飛ぶ Jumpと呼ばれる音声が多く観察される.これに対して,BALB/c系統のオスでは低めのピッチで緩やかな長い音が多く,時に倍音のようなハーモニックスを含むことがわかった.『マウスは求愛の歌を歌う』(p. 131参照)

ホームペーシ( http://www.jsbba.or.jp/02/kaseiindex.html)に目次を掲載しておりますので,ご覧下さい.

1,320円

1 探索研究の勧め/松田 譲

2 母乳栄養乳児の腸管におけるビフィズスフローラ形成の謎/片山高嶺
ヒトとビフィズス菌による腸内フローラ形成戦略
5 細胞内Gタンパク質シグナルの仕分けが生体リズムのタイミングを決める
目覚まし遺伝子Rgs16の発見
/土居雅夫,岡村 均
7 接ぎ木栽培によるナス果実のカドミウム低減メカニズムを探る/山口紀子
シンクロトロン放射光源マイクロビーム蛍光X線分析の応用
9 mRNA輸送体の多様化と生物学的意義/山崎智弘,増田誠司
高等真核生物では機能の異なるものに多様化.生物進化の原動力か?
11 酸素分圧の変化をモニターするインスリン様成長因子システム
酸素分圧の変化を胚の発育速度の調節につなげるしくみ
/亀井宏泰,梶村真吾,Cunming Duan,高橋伸一郎
13 マイクロバブルの農業・食品分野での利用の可能性/玉置雅彦
効率の良い殺菌や植物の生育促進に効果

44 産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線 物質生産の効率化に向けた新たな挑戦
1. 遺伝学的手法を用いた大腸菌の新規l-アラニン排出輸送体の同定と機能解析
/米山 裕,堀 初弘
52 自然免疫の応答と制御―その共通性と多様性
3. LysM受容体を介した植物免疫応答/賀来華江,新屋友規,渋谷直人

69 私たちのバイオマス―資源循環型学校生活をめざして/大阪府立園芸高等学校

67 東日本大震災への大学の対応
3. 研究室(有機化学系)の被災状況と対策/清田洋正

16 平行進化する基質特異性/小埜栄一郎,堀川 学,中山 亨
フラボノイドやアントシアニン類の多くは配糖体化によって安定化されている.それに関わるUDP糖依存型配糖体化酵素の機能解析から,酵素機能と二次代謝物の構造多様性の平行進化の様相が明らかになってきた.
23 褐色脂肪組織でのエネルギー消費と食品成分による活性化/斉藤昌之
寒冷環境下に代謝的熱産生によってエネルギーを消費・散逸する部位である褐色脂肪.ヒト成人にも高頻度に存在し体脂肪量の調節などに寄与することがわかってきた.その活性化に同様の効果がある食品の辛み成分が注目される.
30 ゲノム合成の実践とゲノム活用の将来/板谷光泰
数百あるいは数千の遺伝子を含む長鎖高分子であるDNAを細胞外(試験管)で恒常的に扱う技術がきわめて乏しい中,ゲノムそのものを一度の操作でクローニングする2つの方法,KEIO法とJCVI法について紹介し,その将来を展望する.
36 アーキアにおける遺伝暗号解読機構/鈴木 勉
アグマチジンの生合成とAUAコドンの解読
解読が最も難しいとされるAUAコドン.方法は真正細菌,真核生物,アーキアで異なるが,tRNAIleのアンチコドン1字目に修飾塩基を用いる点は共通している.アーキアの修飾塩基アグマチジンが関わるAUAコドン解読の機構を詳述.

59 応用微生物学の誕生と発展と坂口謹一郎―人間科学の形成者/坂口健二
【プロフィル】15,51,58 【求人情報】29 【お知らせ】66 【書評】71
次号予定目次
<解説>
代謝反応ネットワーク解析の意義とその方法
白石文秀,岩田通夫,シュタサ・カンスポーン
環境応答とバイオミネラリゼーション 極限環境下における
細菌の生存戦略 土居克実,横山拓史,藤野泰寛
バイオ燃料として期待される微細藻類の炭化水素合成酵素
岡田 茂
植物と微生物の駆動力と膜輸送体:動物との相違点と共通性
魚住信之,浜本 晋,七谷 圭,佐藤陽子
<今日の話題>
カフェオイルキナ酸は神経細胞保護作用をもつ・宮前友策/核内タンパク質の品質管理機構・川向 誠/脂質成分を利用したグイマツ雑種F1苗木の判別・佐藤真由美/メイラード反応による着色機構・早瀬文孝/合成代謝経路を導入した大腸菌によるイソプロパノール生産・花井泰三
<セミナー室>
産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線
2. 産業菌のアスパラギン酸:アラニン交換輸送ファミリー(AAExファミリー)の機能と産業応用 七谷 圭他
自然免疫の応答と制御
5. マダニの生存戦略と病原体伝播 辻 尚久,藤崎幸藏
<緊急企画>
東日本大震災への大学の対応
4. 哺乳類細胞ならびに動物を用いて活動している
研究室の震災の現実 福田智一
<生物コーナー>
マウスは求愛の唄を歌う 菊水健史
<「化学と生物」文書館>
l-ドーパ 酵素による生産 熊谷英彦



今月の表紙
有糸分裂期のHeLa細胞の様子.青は染色体DNA,緑は染色体のセントロメア部分,赤はスピンドルを示しています.右端は3種の蛍光像を統合した像.上段は対照細胞,中段はUAP56をノックダウンした細胞,下段はURH49をノックダウンした細胞.UAP56をノックダウンした細胞では,セントロメアが赤道面に集結せず,張力もかかっていないため,スピンドルも間延びしています.そのため,うまく姉妹染色体を分配できない状態になっていることがわかります.『mRNA輸送体の多様化と生物学的意義』(p.9参照)
1,320円
巻頭言
805 時には立ち止まって/山崎素直
今日の話題
806 昆虫の体色を変化させる共生細菌の発見/土`田 努
感染によって多環性キノン系色素の生産が活性化.生態系にも影響?
808 メタボロミクスで遺伝子組換え作物を「客観的に」評価する/草野 都
安全性評価のための汎用性の高い手法として期待
810 血中カルボキシペプチダーゼTAFIの新機能/奥村暢章
線溶系とともに炎症の調節などにも深く関与
812 パターン認識受容体の改変による植物の耐病性向上の試み
過敏感細胞死を誘導するキメラ受容体の構築
/西澤洋子,香西雄介,岸本久太郎
814 ビフィズス菌の産生する酢酸がO157感染死予防に重要である
マルチオーミクス手法の有用性
/大野博司,福田真嗣
817 大気中CO2濃度の増加が樹木を変える?/渡邊陽子
光合成作用や樹木の成長・材質などに及ぼす影響を探る
セミナー室
857 自然免疫の応答と制御―その共通性と多様性
2. 自然免疫における生体防御レクチンと補体/藤田禎三
852 これからのバイオイメージング技術
5. 化学とバイオイメージング/藤田克昌
農芸化学 @ High School
875 キスゲとハマカンゾウの開花に及ぼす光の影響/福岡県立小倉高等学校
緊急企画
870 東日本大震災への大学の対応
2. 大学の被害状況と今後の防災指針/色川俊也
解 説
819 サリドマイドの催奇性メカニズム/伊藤拓水,安藤秀樹,半田 宏
催奇性をもちつつも難病への治療効果から,厳しい規制の下で処方が認可されているサリドマイド.これまで未解明だったその催奇性のメカニズムがユビキチンリガーゼのサブユニット,セレブロンの阻害によることが解明された.
825 大腸菌を用いた植物由来テルペン生合成酵素遺伝子の効率的機能解析システム
/原田尚志,三沢典彦
多様な構造と機能をもち医薬品や食品など様々な分野で利用されているテルペン.その生合成酵素遺伝子を解析するための大腸菌を用いた効率的なシステムとそれを用いて新たに同定された遺伝子などを紹介する.
834 土壌 作物系における放射性セシウムおよび放射性ストロンチウムの動態
/塚田祥文,山口紀子,高橋知之
福島原発事故によって放出された放射性核種の土壌や作物などへの汚染・移行が懸念されている.放射性Cs,Srの動態や移行についてのこれまでの研究結果を紹介し,移行を評価するためのモデルについて概説する.
843 カンキツ果実におけるカロテノイド集積メカニズム/加藤雅也
種々のカンキツ果実の中でも特にウンシュウミカンは,ビタミンA前駆体の β-クリプトキサンチンを高含有する.これらカロテノイドの集積メカニズムを合成や代謝に関わる酵素遺伝子の発現パターンを解説する中で明らかにする.
鈴木梅太郎博士 ビタミンB1発見100周年祝典・記念シンポジウム
農芸化学者 鈴木梅太郎先生/太田明徳
「化学と生物」文書館
865 古細菌脂質研究の展開/古賀洋介
【プロフィル】818,824,833,874 【求人情報】878 【お知らせ】851

次号予定目次
<解説>
ゲノム合成の実践とゲノム活用の将来 板谷光泰
褐色脂肪組織でのエネルギー消費と食品成分による活性化 斉藤昌之
天然物生合成遺伝子の発現によるシンセティックバイオロジー 渡辺賢二
平行進化する基質特異性 小埜栄一郎,堀川 学,中山 亨
<今日の話題>
mRNA輸送体の多様化と生物学的意義・山崎智弘,増田誠司/接ぎ木栽培によるナス果実のカドミウム低減メカニズムを探る・山口紀子/母乳栄養乳児の腸管におけるビフィズスフローラ形成の謎・片山高嶺/マイクロバブルの農業・食品分野での利用の可能性・玉置雅彦/ミツバチの女王蜂分化を誘導する因子ロイヤラクチンの発見・鎌倉昌樹
<セミナー室>
微生物の物質生産と輸送体の応用
1. 大腸菌の L-アラニン排出輸送能欠損変異株の
分離と新規 L-アラニン排出輸送体の同定 米山 裕
自然免疫の応答と制御
3. LysM受容体を介した植物免疫応答 賀来華江
<緊急企画>
東日本大震災への大学の対応
3. 研究室(有機化学系)の被害状況と対策 清田洋正
<海外だより>
グローバル時代を生き抜く研究者へ 杉井重記
<「化学と生物」文書館>
応用微生物学の誕生と発展と坂口謹一郎 坂口健二

今月の表紙
共生細菌により,アブラムシの体色が変化.欧米に分布するエンドウヒゲナガアブラムシでは同種内に赤色と緑色の体色をもつものが存在し,それらは捕食者や寄生者からの逃れやすさが異なることが知られていた.最近,生態的にも重要な役割を担う本種の体色が,新規の共生細菌Rickettsiellaの感染により,赤色から緑色に変化している場合があることが報告された.本現象の発見は,生物の生態や環境適応の理解に新たな視点を提示するものである.『昆虫の体色を変化させる共生細菌の発見』(p. 806参照)
1,320円




巻頭言
731 □DNA時代/山根國男
今日の話題
732 □転写因子によるRNAポリメラーゼの制御のメカニズム
□細菌の転写を阻害する新たな仕組み
/関根俊一,田上俊輔,横山茂之
734 □シアンこそがいもち病菌の増殖を抑えるイネの重要な防御物質である
□抵抗性遺伝子導入系統の解析からフラボノイドと協調した呼吸の阻害が判明
/瀬尾茂美,光原一朗,大橋祐子
736 □ワムシ個体数変動の分子機構/尾﨑 依,大森文人,金子 元
□高い環境適応力の謎を探る
738 物質生産のためのStreptomyces avermitilisゲノムの改変/池田治生
□産業微生物における合成生物学
740 □体内時計は,アレルギー反応を制御するカギの1つである/中尾篤人
□反応の強弱が時計遺伝子によって決定
742 □きのこを用いた連結バイオプロセスによるバイオエタノール製造
□コスト削減の救世主となり得るか?
/金子 哲,前原智子
セミナー室
789 自然免疫の応答と制御――その共通性と多様性
□1. 内因性リガンドに対する病原体センサーの応答制御/三宅健介
784 これからのバイオイメージング技術
□4. 超高速多ニューロンカルシウム画像法/宇治田早紀子,┳24DE原雄史,池谷裕二
農芸化学 @ High School
803 □醤油の色と米麹のタンパク質分解酵素の働き/岡山県立玉島高等学校
緊急企画
800 東日本大震災への大学の対応
□1. 震災復興に向けて農芸化学分野ができることは?/福田雅夫
解 説
745 □ユビキチン依存的タンパク質分解系を標的とする創薬/塚本佐知子,横沢英良
細胞内タンパク質分解の主要な担い手であるユビキチン-プロテアソームシステム.様々な生命現象の制御機構としてのその役割と仕組みについて最新の知見を解説するとともに,このシステムを標的とした創薬研究の最前線を探る.
755 □最大の天然物ポリセオナミドの構造決定/┳2855田季之
5,032. NMRを使って構造決定された二次代謝物質の中では最大の分子量をもつポリセオナミド.構成アミノ酸,配列解析,立体化学,そして三次元構造と,その構造決定のあらましを描く中で“モノ取り研究”の重要性を説く.
762 □新たなヒトT細胞株 “HOZOT” の発見とその免疫制御機構/竹内誠人
□cell-in-cell活性を中心として
T細胞群のひとつで免疫制御機能をもつ制御性T細胞に,新たにHOZOTと名づけられたヒト細胞株が加わった.癌細胞中に積極的に侵入する挙動や環境に応じて活性を変える多機能性が示されており,癌治療への応用に期待がかかる.
770 □植物二次細胞壁形成の転写制御機構/山口雅利,大谷美沙都,出村 拓
植物の維管束木部の道管細胞や繊維細胞などには,通常の細胞壁に加えて,その内側に肥厚した二次細胞壁が形成され,細胞に機械的強度や化学・生物学的抵抗性を与えている.その形成の制御にあずかる転写因子群の解明が進んでいる.
778 □ニコチン生合成のマスター転写因子/庄司 翼,橋本 隆
身近なアルカロイド┳4BA8ニコチン.タバコ植物の低ニコチン変異体についての研究から,生合成に関わる酵素遺伝子やトランスポーター遺伝子の発現を制御するマスター転写因子の解明が進展している.代謝工学への利用も期待される.
「化学と生物」文書館
795 □植物培養細胞生物学の展望┳4BA8培養細胞によるアルカロイドの生産への過程/山田康之
□【プロフィル】744,754,769,777,794 【求人情報】761

次号予定目次
<解説>
カンキツ果実におけるカロテノイド集積メカニズム 加藤雅也
ゲノム合成の実践とゲノム活用の将来 板谷光泰
土壌-作物系における放射性セシウムおよび放射性
ストロンチウムの動態 塚田祥文
サリドマイドの催奇性メカニズム 伊藤拓水他
<今日の話題>
パターン認識受容体の改変による植物の耐病性向上の試み・西澤洋子他/昆虫の体色を変化させる共生細菌の発見・土田 努/大気中CO△2■濃度の増加が樹木を変える?・渡邊陽子/ビフィズス菌の産生する酢酸がO157感染死亡予防に重要である・大野博司/mRNA輸送体の多様化と生物学的意義・山崎智弘,増田誠司/メタボロミクスで遺伝子組換え作物を「客観的に」評価する・草野 都
<セミナー室>
自然免疫の応答と制御
2. 自然免疫における生体防御レクチンと補体 藤田禎三
これからのバイオイメージング技術
5. 化学とバイオイメージング 藤田克昌
<緊急企画>
東日本大震災への大学の対応
2. 大学の被害状況と今後の防災指針 色川俊也
<「化学と生物」文書館>
古細菌脂質研究の展開 古賀洋介




今月の表紙
誘導型VND7過剰発現体の葉の表皮.植物の維管束木部の道管細胞や繊維細胞では,通常の細胞壁に加えて二次壁を発達させる.最近の研究により二次壁形成の制御に様々な転写因子が関与していることが明らかになりつつある.VND7は道管分化マスター因子として単離された.誘導型VND7を過剰発現させると,誘導処理により多くの細胞が道管細胞に分化転換する.写真は共焦点レーザー顕微鏡によりサフラニンで染色した形質転換体の葉の表面を観察したものである.ジグソーパズルの形をした表皮細胞や孔辺細胞の多くが螺旋状模様の二次壁を形成している様子が観察される.『植物二次細胞壁形成の転写制御機構』(p. 770参照)
1,320円






□巻頭言
659 □農芸化学と繊維化学のはざまにて/滝波弘一
□今日の話題
660 □防御から共生へ/中川知己
□共生シグナルを認識するNodファクター受容体は,キチン受容体から進化した!?
662 □始原生殖細胞の維持に関わるナノスの立体構造/橋本 博,田丸 浩
□明らかになった新奇ジンクフィンガードメインの構造と機能
664 □肥満の環境要因としての腸内細菌叢/園山 慶
□肥満を予防・改善できるプロバイオティクスはあるか?
665 Streptococcus mutans 由来グルカンスクラーゼの立体構造解析/伊藤圭祐,伊藤創平
□虫歯予防食品開発への分子基盤
667 □最先端の方法で病原体を見つける/濱田信之
□メタゲノム解析の威力とウイルス学への期待
669 □高機能性食品素材として有用なオリゴ糖の生産技術開発とその高度利用/中井博之
□加リン酸分解酵素(ホスホリラーゼ)を利用して高収率生産
□セミナー室
704 これからのバイオイメージング技術
□3. 蛍光寿命イメージングを光合成研究に応用する/岩井優和,皆川 純
711 土壌圏における窒素循環と微生物┳4BA8┳4BA8N△2■Oの動態を中心として
□6. 同位体解析から見た窒素循環と微生物/木庭啓介,楊 宗興
□農芸化学 @ High School
718 □解明せよ! いつもきれいな水槽の謎┳4BA8緑藻による水質浄化の可能性
/愛知県立時習館高等学校
□解 説
672 □自閉症患者における染色体異常を基にしたモデルマウスの作製と精神疾患へ
のアプローチ/福本景太,内匠 透
自閉症の原因は先天的な遺伝子異常であることが強く示唆されている.その解明のために作製した,染色体の特定の領域が重複したマウスのモデルとしての妥当性を検証した経緯と,このマウスの解析から得られた興味深い知見を紹介.
678 □優性遺伝子が劣性遺伝子に勝つ新たな仕組み/樽谷芳明,高山誠司
□メンデルの遺伝の法則に新たな視点
アブラナ科植物の自家不和合性を解析する過程で,優性側対立遺伝子近傍の配列からつくられる small RNA が,劣性側対立遺伝子のプロモーター領域をメチル化し,発現を抑制している現象が見いだされた.
683 □メタボリックプロファイリングによる食品/生薬の品質評価
/津川裕司,小林志寿,馬場健史,福﨑英一郎
食品や生薬のおいしさ・品質評価は従来,特別な技術を必要とする官能試験に頼ってきたが,最近,より客観的で再現性の高いプロファイリングを目指して,メタボロミクス技術をこの分野に応用する試みが進展している.
689 □ストレスタンパク質による免疫恒常性の制御/谷 史人
種々のストレス負荷によって発現が誘導される熱ショックタンパク質.近年,分子シャペロンあるいは抗原としての機能の他に,自然免疫系を中心とした生体防御など,広く免疫恒常性の制御に関わっていることがわかってきた.
697 □農耕地土壌におけるメタゲノム解析研究の動向/藤井 毅
DNAシーケンシング技術の発展によって可能となりつつある土壌メタゲノム解析は,複雑で多様な土壌微生物の働きをどこまで解き明かすことができるのだろうか.その研究の歴史的な変遷と解析の現状を紹介し,農業の未来への貢献を探る.
□「化学と生物」文書館
721 □「化学と生物」とフリーラジカル/並木満夫
□【プロフィル】703,717,720,729 【求人情報】677 □【お知らせ】682,688,696

次号予定目次
<解説>
ユビキチン依存的タンパク質分解系を標的とする
創薬 塚本佐知子,横沢英良
カンキツ果実におけるカロテノイド集積メカニズム 加藤雅也
最大の天然物ポリセオナミドの構造決定 濱田季之
植物二次細胞壁形成の転写制御機構 山口雅利他
<今日の話題>
転写因子によるRNAポリメラーゼの制御メカニズム・関根俊一他/シアンこそがいもち病菌の増殖を抑えるイネの重要な防御物質である・瀬尾茂美他/体内時計はアレルギー反応を制御するカギの1つである・中尾篤人/連結バイオプロセスによるバイオエタノール製造・金子 哲,前原智子/ワムシ個体数変動の分子機構・尾崎 依他/物質生産のための Streptomyces avermitilis ゲノムの改変・池田治生
<セミナー室>
自然免疫の応答と制御
1. 内因性リガンドに対する病原体センサーの応答制御 三宅健介
これからのバイオイメージング技術
4. 超高速多ニューロンカルシウム画像法 池谷裕二
<「化学と生物」文書館>
植物培養細胞生物学の展望 山田康之




今月の表紙
ミヤコグサの根毛先端から受け入れられる根粒菌.マメ科植物は根に根粒菌と呼ばれる細菌が感染することで窒素栄養の乏しい土壌でも生育できる.根粒菌が分泌するNodファクターを認識した宿主植物は,根毛の先端が根粒菌を巻き込むようにカーリングする.その後に植物の細胞膜が陥入して根毛細胞内に通路が形成され,その中を根粒菌が増殖しながら根の中心に向かって移動する.根粒菌をDsRED標識などで可視化した場合,増殖した根粒菌が菌糸のように見えることから,これは感染糸と呼ばれる.『防御から共存へ』(p. 660参照)

化学と生物の内容

最新の情報から話題のトピックスまで、研究者がいちばん知りたい、化学と生物の情報を満載した総合誌
農芸化学会が対象としている食糧・生命・環境分野ばかりでなく、広く自然科学の中から問題を取り上げ、それらを化学的・生物学的視点から平易に解説しています。また、最新研究の話題や産業界の動向などについても紹介するとともに、農芸化学関連の和文の原著論文も掲載しています。

化学と生物の無料サンプル

2006年06月25日発売号
2006年06月25日発売号をまるごと1冊ご覧いただけます
サンプルを見る

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

化学と生物の所属カテゴリ一覧

Fujisanとは?

日本最大級雑誌の定期購読サービスを提供

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
マイページ
マイライブラリ
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.