化学と生物 3月号 (発売日2012年03月01日) の目次
149 生きるとは,学ぶとは 生命,食糧,環境の教育研究から考える/松井博和
150 微生物燃料電池の可能性/高妻篤史,宮原盛夫,渡邉一哉
グリーンイノベーションへの挑戦
152 リンゴ小球形潜在ウイルスとFT遺伝子を利用したリンゴの早期開花
果樹の品種改良にとって強力な新手法となるか
/吉川信幸,山岸紀子
154 トランスシナプス標識法による神経回路の可視化と機能解析/宮道和成
高解像度の神経接続マップがひらく新しい脳科学の世界
156 植物ホルモン・ジャスモン酸の主要な不活性化経路/北岡直樹,松浦英幸
ジャスモン酸イソロイシン12位水酸化酵素CYP94B3の発見
158 新規エナンチオ選択的イミン還元酵素の探索と発見/満倉浩一,長澤 透
光学活性アミンの酵素合成への展開とその可能性
160 病原細菌を標的としたオートファジーにおける新規認識機構/小川道永
赤痢菌を認識するカーゴレセプターの一員Tecpr1の役割が明らかに
188 産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線―物質生産の効率化に向けた新たな挑戦
3. コリネ型細菌における糖取り込み機構PTSの遺伝子発現制御
/田中裕也,乾 将行,湯川英明
196 自然免疫の応答と制御―その共通性と多様性
5. 病原体を運ぶ蚊の免疫システム/横山卓也,青沼宏佳,嘉糠洋陸
219 太陽化学(株)代表取締役副社長 ジュネジャ・レカ・ラジュ 氏
228 組織培養―絶滅危惧種ヒゴタイを救え/長崎県立諫早高等学校
224 東日本大震災への大学の対応
5.ポスドク・学生の実験室での震災対応と経過/吉見 啓
163 【2006年農芸化学研究企画賞】
出芽酵母発現システムを利用した天然物の生物合成
/恒松雄太,守屋央朗,渡辺賢二
日本人に馴染み深い酒や味噌の発酵に利用されてきた出芽酵母.この酵母のもつ外来遺伝子発現系を利用し,特に植物や糸状菌由来の天然物生合成遺伝子を発現させ,医薬品など有用物質を効率的に生産する試みについて解説する.
175 環境応答とバイオミネラリゼーション/藤野泰寛,横山拓史,土居克実
極限環境下における細菌の生存戦略
ケイ酸を取り込んで生育に必須の被殻形成に利用しているケイソウなどとは異なり,極限環境に働きかけてシリカ沈殿物を周辺につくっている好熱菌が知られている.彼らにとってその行為はどのような意味をもっているのだろうか.
182 乳酸菌の免疫調節作用に関わる細胞内シグナルとその制御/加地留美
腸内フローラの安定化に役立っているプロバイオティクスとしての乳酸菌.最近,腸管免疫系の細胞の受容体などと相互作用して獲得免疫応答の多様性を生み出していることがわかってきた.シグナル伝達に関わる諸因子ついて概説.
209 【記念シンポジウム】
栄養科学から食品機能論・味覚分子論への推移をめぐる一考察/阿部啓子
215 【随 想】
農芸化学に育まれた私の食品科学/荒井綜一
203 日本の澱粉科学と産業の発達史を辿って Ⅰ.澱粉の科学―古典から近代まで/貝沼圭二
【プロフィル】195,208,218,223,227 【求人情報】162,174
次号予定目次
<解説>
細胞核の構造とエピゲノム制御 原田昌彦
植物の根のサイズ決定に関わる分子メカニズム 塚越啓央
塩分の過剰摂取と高血圧の関係 藤田敏郎
血管病の発症メカニズムと食品成分によるその予防の可能性
加治屋勝子
<今日の話題>
土壌の地力窒素の分子実体は何か?・森泉美穂子/アディポネクチンの新たな機能・山内 正/イオノフォアポリエーテル生合成における骨格構築・南 篤志,及川英秋/オルガネラ膜融合のin vitro完全再構成・三間穣治/植物26Sプロテアソームの多様な機能・佐古香織/病原真菌Candida glabrataにおけるステロール輸送の生理的役割・田辺公一
<セミナー室>
産業微生物の細胞膜を介した物質輸送研究の最前線
4. コリネ型アミノ酸生産菌のもつ潜在的なグルコース
輸送バイパス 池田正人
自然免疫の応答と制御 ― その共通性と多様性
6. カブトガニの病原体に対する自然免疫の応答と制御
柴田俊生,川畑俊一郎
<鈴木梅太郎博士シンポジウム>
講演:鈴木梅太郎研究室を引き継いで,広がる生物化学 東原和成
<バイオサイエンススコープ>
50年後の水稲生産を予測する 長谷川利拡
<「化学と生物」文書館>
日本の澱粉科学と産業の発達史を辿って-II 貝沼圭二
今月の表紙
田んぼ発電.これは,千葉県野田市の野田自然共生ファームにおける田んぼ発電の写真です.田んぼ発電は微生物燃料電池の原理を応用したもので,稲の根圏土壌にアノード(負の電極)を,すぐ上の水中にカソード(正の電極)を設置し,それらを電線で繋ぐことにより発電する方法です.現在は,1 m2の広さで数十mW程度の電力が得られます.つまり,数平方メートルの田んぼで発電すれば,携帯音楽プレーヤーが動かせます.この発電においては,稲が光合成によりつくり出した有機物が根から放出され,根圏の電気生成菌のエネルギー源となることにより電気が発生します.つまり,稲と微生物の共生系による太陽電池と考えることもできます.『微生物燃料電池の可能性』(p. 150参照)
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