化学と生物 発売日・バックナンバー

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1,320円
巻頭言
587 食品成分表,食育,そして農芸化学/野口 忠
今日の話題
588 植物病原性カビの新たな侵入戦略/晝間 敬,吉野香絵,高野義孝
メラニン化した付着器をつくらずに植物を攻撃する
590 腸間膜リンパ節樹状細胞による経口免疫寛容の誘導機構/佐藤克明
食物アレルギーの画期的な治療法につながるか
592 高等植物において特定の遺伝子を標的として改変する技術
人工制限酵素を働かせるだけで標的遺伝子を破壊することが可能に
/刑部敬史,刑部祐里子,土岐精一
594 ヒトと虫の成長を調節する共通のホルモン/溝口 明
昆虫IGF様ペプチドの発見
596 カメムシをエノコログサのエンドファイト(内生菌)で防除する
カメムシ忌避物質の利用で斑点米を防除できるか
/中島廣光,石原 亨
598 コーヒーの免疫調節活性を評価する/後藤真生
食品機能性の検討の難しさと消化吸収経路の重要性
セミナー室
630 これからのバイオイメージング技術
2. 合成小分子蛍光プローブの精密分子設計による in vivo 微小がんイメージング
/浦野泰照
639 土壌圏における窒素循環と微生物N2Oの動態を中心として
5. 硝化を担う微生物の多様性と機能/森本 晶,星野 (高田) 裕子,早津雅仁
農芸化学 @ High School
650 市街化が進んでいる水田地域でアカミミガメはどのように過ごしているのか
/ノートルダム清心学園清心女子高等学校(岡山県)
解 説
601 ゼブラフィッシュ嗅覚系の神経行動学/小出哲也,吉原良浩
誘引,忌避,生殖などの動物の活動にとって不可欠な感覚である嗅覚.ゼブラフィッシュをモデル動物とした神経行動学的研究によって,匂いの受容から嗅覚行動の発現に至る過程に関わる神経回路の仕組みと働きがわかってきた.
610 高齢者が誤嚥しにくい介護食の物性/熊谷 仁,谷米 (長谷川) 温子,田代晃子,熊谷日登美
食物が食道から胃ではなく,気管から肺へ到達してしまう誤嚥.高齢者に多く見られるこの現象の危険性を低下させるために増粘剤などの添加が行なわれる.超音波による咽頭部での食塊の流速測定の結果から,望ましい介護食の物性を探る.
620 アレルギー性炎症誘導機構の解明と臨床への展開/中島裕史
アレルギー性気道炎症の惹起や重症喘息の病態へのTh2細胞やTh17細胞の関与が示されている.これらヘルパーT細胞の産生するサイトカインを標的とした喘息治療薬開発の可能性も含め,アレルギー研究の最前線を紹介する.
624 イネも夏バテをする?/山川博幹,羽方 誠
遺伝子レベルで明らかとなった猛暑が米の品質に及ぼす影響
日本稲の登熟は26℃ 以上の高温で阻害され,乳白粒など玄米品質や粒重の低下を招く.温暖化の害とも言えるこの生理障害,デンプンの合成や分枝に関わる酵素遺伝子の解析の結果,そのメカニズムの一端が明らかになってきた.
海外だより
652 TIL (Tsukuba-INRA Joint Lab) の活動フランス・ボルドーから/森 健太郎
「化学と生物」文書館
645 DNAの高次構造と生物活性プラスミドRSF1010の複製開始過程を中心として/駒野 徹
【プロフィル】609,619,629,657 【求人情報】600,623 【書評】638

次号予定目次
<解説>
農耕地土壌におけるメタゲノム解析研究の動向 藤井 毅
メタボリックプロファイリングによる食品/生薬の
品質評価 津川裕司他
ストレスタンパク質による免疫恒常性の制御 谷 史人
優性遺伝子が劣性遺伝子に勝つ新たな仕組み 樽谷芳明,高山誠司
<今日の話題>
防御から共生へ・中川知己/肥満の環境要因としての腸内細菌叢・園山 慶/Streptococcus mutans 由来グルカンスクラーゼの立体構造解析・伊藤圭祐,伊藤創平/最先端の方法で病原体を見つける・濱田信之/始原生殖細胞の維持に関わるナノスの構造・田丸 浩/高機能性食品素材として有用なオリゴ糖の生産技術開発とその高度利用・中井博之
<セミナー室>
これからのバイオイメージング技術
3. 蛍光寿命イメージングによる光合成系の
光環境応答解析 皆川 純
土壌圏における窒素循環と微生物
6. 同位体解析から見た窒素循環と微生物 木庭啓介
<「化学と生物」文書館>
「化学と生物」とフリーラジカル 並木満夫


今月の表紙
嗅細胞にGFPを発現させたゼブラフィッシュ.鼻は,外界に存在する様々な化学物質を匂い分子として受容するセンサーである.受容された匂い分子の情報は脳へと入力され,認知や識別・匂いのイメージ形成・情動の誘起・嗅覚の記憶・適切な行動発現などの出力へと変換される.最近,モデル脊椎動物ゼブラフィッシュを用いた遺伝学的アプローチによって,匂いの受容から嗅覚行動の発現へと至る神経回路の仕組みがわかってきた.表紙写真は,一部の嗅細胞にGFPを発現させたトランスジェニックゼブラフィッシュの蛍光実体顕微鏡像である.緑色蛍光を発するこれらの嗅細胞は,水に溶けた化学物質を匂い分子として受容する.『ゼブラフィッシュ嗅覚系の神経行動学』(p. 601参照)
1,320円
巻頭言
515 社会のための科学/塚越規弘
今日の話題
516 細胞内の酸化還元状態を検知するタンパク質FRETプローブ,レドックスフロール
酵母の酸化ストレス応答から学び,それを利用する新戦略
/奥 公秀,阪井康能
518 宿主植物から寄生植物への遺伝子水平伝播の発見/吉田聡子,白須 賢
病害雑草ストライガの大規模遺伝子解析から明らかになったこと
519 乳酸菌の免疫賦活能は菌体の培養温度によって変化する/井田正幸,出雲貴幸
細胞壁の厚みとIL-12誘導作用に相関関係
521 新規膜型テルペン環化酵素の発見/伊藤崇敬,久城哲夫
糸状菌のメロテルペノイド生合成に関与
523 チョコレート・ココアは発酵食品/佐藤清隆,崎山一哉
カカオ豆の発酵を制御しておいしいチョコレートの生産が可能に
526 葉の上に棲む微生物でプラスチックゴミを減らそう/北本宏子,小板橋基夫
農業用マルチフィルムの分解促進に期待
セミナー室
555 これからのバイオイメージング技術
1.〓化学発光を利用した生理機能の可視化/齊藤健太,永井健治
560 土壌圏における窒素循環と微生物--N2Oの動態を中心として
4.〓ダイズ根粒根圏からの亜酸化窒素発生機構とその低減化
/板倉 学,稲葉尚子,池西史生,南澤 究
農芸化学〓@〓High School
580 大根由来アミラーゼを利用した新しい焼酎開発
/鹿児島県立錦江湾高等学校(コアSSH指定校)
解 説
529 広がる植物ペプチドホルモンの世界/松林嘉克
高等植物においてペプチドを介した情報伝達機構が次々と明らかになりつつある.これらのうち普遍性が高く成長や分化などに関与するペプチドホルモンについて,その構造的特徴や受容体との相互作用も含めた生理機能を概説する.
535 神経変性疾患「若年性パーキンソン病」の発症メカニズム/松田憲之,田中啓二
原因遺伝子を欠失したマウスに顕著な症状が観察されないことから滞っていた解析が,ショウジョウバエについての研究を突破口として進展し,この病気とミトコンドリアの品質管理が密接に関わっていることがわかってきた.
542 DNAマーカー育種による萎凋細菌病抵抗性カーネーションの作出
/八木雅史,小野崎〓隆
目的とした形質に強く連関するDNAマーカーを指標に新品種の育成をはかる手法が注目されている.萎凋細菌病抵抗性をターゲットに,カーネーションの育種にこの手法を適用した例を紹介するとともに,この手法の今後を展望する.
549 痛みの分子メカニズム/津田 誠,井上和秀
神経がダメージを受けた後に残る慢性的な痛み.患者のQOLにも関わるこの神経障害性疼痛の発症に,補佐的な役割を果たすにすぎないとされてきたグリア細胞の一つが,受容体の発現を介して関与していることがわかってきた.
生物コーナー
573 鳥類は嗅覚を使うのか?-嗅覚研究の最後のフロンティア/横須賀 誠
「化学と生物」文書館
566 分子生物学の黎明期から植物分子生物学へ/大山莞爾
【プロフィル】582,585,586 【求人情報】528,548,572 【書評】583,584
次号予定目次
<解説>
メタボリックプロファイリングによる食品・生薬の品質評価
津川裕司,小林志寿,馬場健史,福崎英一郎
イネも夏バテをする? 山川博幹,羽方 誠
ゼブラフィッシュ嗅覚系の神経行動学 小出哲也,吉原良浩
高齢者が誤嚥しにくい介護食の物性
熊谷 仁,谷米(長谷川)温子,田代晃子,熊谷日登美
<今日の話題>
ヒトと虫の成長を調節する共通のホルモン・溝口 明/植物病原性カビの新たな侵入戦略・高野義孝/高等植物において特定の遺伝子を標的して改変する技術・刑部敬史/食物アレルギーの画期的な治療法につながる経口免疫寛容の仕組み・佐藤克明/カメムシをエノコログサのエンドファイト〓(内生菌)〓で防除する・中島廣光,石原 亨
<セミナー室>
これからのバイオイメージング技術
2. 合成蛍光プローブによる個体内癌組織の可視化 浦野泰照
土壌圏における窒素循環と微生物
5. 硝化を担う微生物の多様性と機能 森本 晶
<海外だより>
TILの活動-フランス・ボルドーから 森 健太郎
<「化学と生物」文書館>
DNAの高次構造と生物活性 駒野 徹
今月の表紙
カカオの木とカカオポッド(メキシコ南部のカカオ農園).カカオの木は,さらに大きな木の日陰で育ち,土壌には湿気が必要である.ポッドは幹から直接生え(幹生花),ラグビーボールほどの大きさに成長すると収穫されるが,その中には30~40個のカカオ豆と糖分を含むカカオパルプがある.収穫直後からパルプと豆を一緒にして発酵が行なわれ,その後に乾燥された豆がチョコレート工場に送られる.『チョコレート・ココアは発酵食品』(p. 523参照)
1,320円
巻頭言
439 3.11に学ぶ - 世界の中の日本,日本中のひとりとして/有岡 学
今日の話題
440 植物のミネラルトランスポーターの細胞膜内偏在/高野順平
ミネラルの輸送方向を制御する仕組み
442 転移RNAを擬態する翻訳因子EF-Pのアミノアシル化修飾
抗菌薬ターゲットとしての可能性に期待
/柳沢達男,澄田智美,横山茂之
445 消化管常在真菌Candida albicansはアレルギーのリスクファクターか?
経口抗原に対する感作を促進.炎症の増悪にも関わり
/園山 慶
447 化合物アレイを用いた阻害剤探索/長田裕之
機能未知タンパク質ピリンに対する阻害剤 TPh A の発見
449 哺乳類における涙のフェロモン/〓 紗智子,東原和成
マウスのペプチド性フェロモンの受容体,神経回路,行動まで明らかに
451 テトロドトキシンの薬物動態解析/松本拓也,長島裕二
トラフグ肝臓の毒化メカニズム
セミナー室
474 有機化合物による環境汚染の現状とその対策
6. 有機塩素系POPs農薬の作物残留問題/大谷 卓
479 土壌圏における窒素循環と微生物--N2Oの動態を中心として
3. 水田土壌で機能する脱窒微生物群の特定とN2O低減化への利用の可能性
/石井 聡,多胡香奈子,妹尾啓史
農芸化学 @ High School
509 花酵母の採取・分離と花の種類との関係
/ノートルダム清心学園清心女子高等学校(岡山県)
トップランナーに聞く
497 日清オイリオグループ(株)執行役員 青山敏明 氏
解 説
454 IL-17と疾患/南部あや,中江 進
Th1細胞やTh2細胞とは異なるTh17細胞が同定され,その産生するIL-17が免疫応答,アレルギーなどの各種疾患と深く関わっていることがわかってきた.従来のTh1/Th2細胞のバランスというパラダイムが改変を迫られている.
461 核内倍加と細胞成長を規定する発生制御/石田喬志,クリスチャン・ブラウワー,杉本慶子
植物の分裂組織では細胞分裂周期により新たな細胞が生み出され,分化後の細胞ではゲノムDNAの増幅のみが起こる核内倍加周期への移行により核相の上昇が起こる.この切り替えのタイミングの制御に関わる諸因子について概説.
468 デンプン工場から排出される有用物質としてのポテトペプチドの機能性
/福島道広,大庭 潔
バレイショからデンプンを製造する過程で廃棄されていた残渣物にはタンパク質などが豊富に含まれる.これを酵素分解して得られたペプチドには脂質代謝改善効果などの機能性が認められ,その有効利用が期待されている.
バイオサイエンススコープ
503 科学者から国民への情報発信の意義と方法/小泉 周
化学の窓
492 DNP-NMRの新しい感度向上技術とその応用/阿部孝政
「化学と生物」文書館
485 二成分制御系研究を振り返って(後編:ゲノム時代)/水野 猛
追悼
490 木下祝郎先生を悼む/別府輝彦
【プロフィル】453,460,496,502,508,512 【求人情報】467 【書評】513

次号予定目次
<解説>
広がる植物ペプチドホルモンの世界 松林嘉克
アレルギー性炎症:誘導機構の解明と臨床への展開 中島裕史
痛みの分子メカニズムにおける最近の話題 津田 誠,井上和秀
結核菌を認識する新たなc型レクチンの同定 山〓 晶
DNAマーカー育種による萎凋細菌病抵抗性
カーネーションの作出 八木雅史,小野崎隆
<今日の話題>
チョコレート・ココアは発酵食品・佐藤清隆/宿主植物から寄生植物への遺伝子水平伝播の発見・吉田聡子/乳酸菌の免疫賦活能は菌体の培養温度によって変化する・井田正幸,出雲貴幸/葉の上に棲む微生物でプラスチックゴミを減らそう・北本宏子,小板橋基夫/細胞内の酸化還元状態を検知するタンパク質FRETプローブ,レドックスフロール・奥 公秀,阪井康能
<セミナー室>
新しいバイオイメージング
1. 化学発光プローブによる生理機能の可視化 永井健治,齊藤健太
土壌圏における窒素循環と微生物
4. ダイズ根粒根圏からの亜酸化窒素発生機構とその低減化
板倉 学,稲葉尚子,南澤 究
<生物コーナー>
鳥類は嗅覚を使うのか? 横須賀誠
<「化学と生物」文書館>
DNAの高次構造と生物活性 駒野 徹
今月の表紙
根におけるホウ酸トランスポーターの局在.ホウ酸トランスポーターBOR1にGFPを融合したタンパク質を発現するシロイヌナズナの根を共焦点蛍光顕微鏡によって撮影し,緑色蛍光像と明視野像を重ね合わせた.BOR1は内皮細胞の内側(中心柱側)細胞膜領域に局在し,内皮細胞からホウ酸を排出して中心柱方向に輸送すると考えられる.中心柱に入ったホウ酸は導管(写真ではハシゴ状に見える)を伝って地上部へ送られる.このようなトランスポーターの細胞膜内偏在は,植物体内の様々な部位でミネラル(無機栄養素)の輸送方向を決定している.『植物のミネラルトランスポーターの細胞膜内偏在』(p. 440参照)
1,320円
巻頭言
363 世界に冠たる農芸化学/北本勝ひこ
今日の話題
364 モデル植物シロイヌナズナはどのように自家受精を行なうようになったのか
DNA配列情報が解き明かす繁殖システムの進化
/土松隆志,清水健太郎
366 細菌毒素100年の謎を解く/中平久美子,柳原 格
腸炎ビブリオ耐熱性溶血毒の不思議な性質
368 消化管タイトジャンクションバリア機能を調節する食品成分/鈴木卓弥
生体防御の最前線をコントロール
370 シロアリの女王フェロモン/松浦健二
女王が巣内の役割分業を制御する物質を特定
372 ビタミンKの代謝的活性化と骨作用の分子機構
骨形成を助けるビタミンK2変換酵素の発見
/岡野登志夫,中川公恵,廣田佳久,澤田夏美
375 オリゴ糖でカルシウム補給/村上 洋,桐生高明,木曽太郎,中野博文
高水溶性カルシウム塩「ラクトビオン酸カルシウム」の開発
セミナー室
415 土壌圏における窒素循環と微生物┳4BA8┳4BA8N2Oの動態を中心として
2. 農耕地土壌起源のN2O排出量算定方法/澤本卓治,秋山博子
420 有機化合物による環境汚染の現状とその対策
5. バイオレメディエーションの実際:油汚染土の浄化/千野裕之
「化学と生物」文書館
426 二成分制御系研究を振り返って(前編:組換えDNA時代)/水野 猛
431 植物二次代謝産物と農薬化学/水谷純也
農芸化学 @ High School
435 ショウジョウバエの摂食行動┳4BA8おいしそうな匂いはどうして食欲を増すのか
/福岡県立小倉高等学校
解 説
377 バクテリアのシリコンバイオサイエンス/黒田章夫,廣田隆一,石田丈典,池田 丈
2001年の米国での炭疽菌バイオテロの謎の解明を機に,シリコンを蓄積するバクテリアと,その機構に関心が高まっている.植物や微生物における役割,環境との関わりなど,シリコンバイオサイエンスの一端と応用への可能性を展望.
385 生体分子イメージングでみる肥満脂肪組織炎症と血栓形成過程
/西村 智,長崎実佳
脂肪組織や血液中の種々の細胞を直接可視化する生体分子イメージングの手法によって,肥満に伴う細胞内慢性炎症の動態,そしてこれらと血栓形成との関係など,メタボリックシンドロームの病態へのアプローチも可能になってきた.
392 アレルギー疾患と母乳中のTGF-β/中尾篤人
TGF-βはアレルギー予防の救世主か?
母乳が乳幼児期の感染症の予防に役立つことはよく知られており,近年はアレルギー疾患を抑制する因子としても注目されている.その主役と見なされているのがTGF-βである.経口免疫寛容を中心にその働きを探る.
【2007年 農芸化学研究企画賞】
398 プロリン異性化酵素Pin1阻害剤の探索/森 正,内田隆史
癌やアルツハイマー病発症に関わるプロリン異性化酵素Pin1.その制御物質の予防・治療薬としての可能性に期待が高まっている.ハイスループットスクリーニングや表面プラズモン共鳴を使ったPin1活性調節物質探索の試みを紹介.
406 新しいNF-κB阻害剤DHMEQ/梅澤一夫,須貝 威
その生物有機化学と抗炎症・抗がん剤への展望
炎症性サイトカインやアポトーシス阻害因子などの転写にあずかるNF-κB,その阻害剤DHMEQの分子デザイン,作用機構の解明,鏡像体の分離法の開発などに成功し,抗炎症,抗がん剤などとしての実用化が期待されている.
【プロフィル】391,397,430,434 【求人情報】414 【訂正】419

次号予定目次
<解説>
神経変性疾患「若年性パーキンソン病」の発症メカニズム
松田憲之,田中啓二
広がる植物ペプチドホルモンの世界 松林嘉克
核内倍加と細胞成長を規定する発生制御 石田喬志,杉本慶子
IL-17と疾患 南部あや,中江 進
DNAマーカー育種による萎凋細菌病抵抗性
カーネーションの作出 八木雅史,小野崎 隆
<今日の話題>
植物のミネラルトランスポーターの細胞膜内偏在・高野順平/消化管常在真菌 Candida albicans はアレルギーのリスクファクターか?・園山 慶/リジル-tRNA合成酵素パラログGenx-Yjekによる翻訳因子EF-Pのアミノアシル化修飾・柳沢達男,澄田智美,横山茂之/高等植物において特定の遺伝子を標的として改変する技術・刑部敬史,刑部祐理子,土岐誠一/化合物アレイを用いた阻害剤探索・長田裕之/チョコレート・ココアは発酵食品・佐藤清隆
<セミナー室>
有機化合物による環境汚染の現状とその対策
6. 有機塩素系POPs農薬の作物残留問題 大谷 卓
土壌圏における窒素循環と微生物
3. 水田土壌で機能する脱窒微生物群の特定
とN2O低減化への利用の可能性 妹尾啓史,石井 聡
<バイオサイエンススコープ>
科学者から国民への情報発信の意義と方法 小泉 周
<「化学と生物」文書館>
二成分制御系研究を振り返って(後編:ゲノム時代) 水野 猛
今月の表紙
「生体イメージング」でみる体内の細胞動態.「生体分子イメージング」手法では手に取るように微小循環における生体内の各種細胞の動きがわかります.この図では,ヘキストにより白血球・血管内皮・間質の細胞の核を青色に,また血小板特異的蛍光標識抗体で血小板を緑色に染めて,血流と赤血球を赤色の蛍光デキストランで可視化しています.このように,赤血球,血小板,血管内皮,マクロファージを特異的に染色し,マルチカラーで生体内でのそれぞれの細胞の挙動をリアルタイムで可視化することが可能になりました.『生体分子イメージングでみる肥満脂肪組織炎症と血栓形成過程』(p. 385参照)
1,320円
巻頭言
291 農芸化学のSTI/吉田 稔
今日の話題
292 イネいもち病菌エフェクターと宿主R遺伝子の微妙な関係/曾根輝雄
感染過程での菌側と宿主側の因子の相互作用の一端が明らかに
295 細胞膜を撹乱する海洋天然物/西村慎一,掛谷秀昭,吉田 稔
セオネラミドはステロールに結合し,異常な細胞壁合成を誘導する
297 「アラキドン酸」による食品の美味しさ向上効果/山口 進
油脂とその加熱生成成分が味覚に及ぼす影響
299 フェアリーリングの化学/崔 宰熏,河岸洋和
フェアリー(妖精)の正体解明と農業への応用
光合成水分解の謎に迫る/三室 守
少ない光エネルギーでも反応を導く酸化還元電位の調節
305 有用テルペノイド化合物の増産を可能にする新しい鍵酵素/┳1A5D山智久
メバロン酸経路の新しいアセトアセチルコエンザイムA合成酵素の発見
セミナー室
335 土壌圏における窒素循環と微生物--N2Oの動態を中心として
1. 窒素循環と土壌からのN2O発生/秋山博子,澤本卓治,八木一行
「化学と生物」文書館
341 有機化学と核磁気共鳴/鵜澤 洵
バイオサイエンススコープ
352 化粧品特許:「美しく」を評価する難しさ/三谷祥子
農芸化学 @ High School
356 黴書道(かびしょどう) 自由自在に「かもす」ことは可能か/神奈川県立神奈川総合高等学校
解 説
【2010年ノーベル化学賞 解説】
307 有機合成における遷移金属触媒クロスカップリング反応/眞鍋 敬
鈴木章,根岸英一,リチャード・ヘック三博士のノーベル賞受賞の対象となったクロスカップリング反応.受賞者以外にも多くの日本人が関わってきた研究の概要と歴史的広がりを紐解きながら,その今日的意義を解説する.
313 花香を媒介とした植物と昆虫の多様な関係/大村 尚
多くの被子植物は,花粉を運んでもらうために特定の昆虫を誘引したり,あるいは植食性の昆虫を忌避したりするために花の香りを利用している.長い進化の過程を経てでき上がった花香成分と送粉者たちとの生態的関わりを概観する.
320 医薬品開発におけるリスク評価向上を目指した遺伝毒性試験の現状と展望
/橋爪恒夫,小田裕昭
医薬品開発において,候補化合物の毒性,特に発がん性の予測にとって,遺伝毒性試験は重要な位置を占める.リスク評価の向上を目指し,ヒト肝がん由来の細胞にシトクロムP450を導入し検出精度を向上させた試験法を中心に紹介する.
328 スフィンゴ脂質が関わる免疫抑制とシグナル伝達/竹松 弘,小堤保則
冬虫夏草から見いだされた免疫抑制物質をもとに合成されたFTY720が,自己免疫疾患の一種,多発性硬化症の治療薬として期待されている.その作用はスフィンゴ脂質の受容体に対するアンタゴニストとしての働きによることがわかった.
化学の窓
347 新規タンパク質マンノシル付加修飾:合成化学からの生物学への貢献
/眞鍋史乃,井原義人,伊藤幸成
海外だより
ドイツにおける若手研究者支援システム ポール・エーリッヒ研究所より
/戸田雅子
【プロフィル】312,319,334,340,346 【お知らせ】306,355
次号予定目次
<解説>
バクテリアのシリコンバイオサエンス 黒田章夫他
新しいNF-κB阻害剤DHMEQ 梅澤一夫,須貝 威
アレルギー疾患と母乳中のTGF-β 中尾篤人
生体分子イメージングでみる肥満脂肪組織炎症と血栓形成過程 西村 智,長崎実佳
天然物由来のリン酸化タンパク質特異的プロリン異性化酵素機能調節剤の探索 森 正,内田隆史
<今日の話題>
オリゴ糖でカルシウム補給・村上 洋/モデル生物シロイヌナズナはどのように自家受精を行なうようになったのか・土松隆志,清水健太郎/シロアリの女王フェロモン・松浦健二/骨形成を助けるビタミンK2 変換酵素の発見・岡野登志夫/細菌毒素100年の謎を解く・中平久美子,柳原 格/食品による消化管タイトジャンクションバリアの保護・鈴木卓弥
<セミナー室>
有機化合物による環境汚染の現状とその対策
5. バイオレメディエーションの実際:原油汚染 千野裕之
土壌圏における窒素循環と微生物
2. 農業起源のN2O発生量算定方法 澤本卓治
<化学の窓>
DNP-NMRのあたらしい感度向上技術とその応用 阿部孝政
<「化学と生物」文書館>
二成分制御系研究を振り返って (I) 水野 猛
今月の表紙
コムラサキシメジによるフェアリーリング病.コムラサキシメジの菌糸により,芝生がリング状に濃緑色を呈して繁茂し,さらに子実体(きのこ)が発生するとともに,時にリングの一番外側の芝草は枯死する.芝生が濃緑色を呈し繁茂するのは,コムラサキシメジ菌糸の産生するAHXにより芝草の成長が促されるためである.芝草の枯死は,菌糸体が土壌表面に不透水層をつくるためと考えられているが,ICAが関わっている可能性もある.なお,リングの位置は毎年2 mほど外側に移動する.(解説・写真提供:琉球大学教授 寺嶋芳江氏,千葉県千葉市にて2003年に撮影)『フェアリーリングの化学』(p. 299参照)
1,320円
巻頭言
219 大学で学ぶこと/佐藤文彦
今日の話題
220 新しい遺伝子改変技術「ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)」/真下知士
短期間でのノックアウト動物の作製が可能など,数々の利点
222 イネの洪水における異なる2つの生存戦略/永井啓祐,服部洋子,芦苅基行
エチレン情報伝達を介した深水洪水と冠水洪水に対する耐性機構
224 抗原提示細胞としての機能をもつマスト細胞と好塩基球/中野信浩
アレルギー疾患治療の有力なターゲットになりうるか
226 タバコモザイクウイルス抵抗性に果たすMAPキナーゼの予期せぬ役割
正と負の制御に関わる二面性をもっていた!
┳5E00/小林光智衣,光原一朗,瀬尾茂美
229 骨格筋特異的カルパイン3の活性制御因子は細胞内Na+/小野弥子,反町洋之
例外か多様性か
231 出芽酵母の細胞極性形成におけるエンドサイトーシス┳4BACリサイクリング経路の役割
アクチンケーブルが形成されない変異株からわかったこと
┳5E00/山本隆晴,田中一馬
セミナー室
256 有機化合物による環境汚染の現状とその対策
4.┳5A62バイオレメディエーションの実際┳5AD4:┳5AB0揮発性有機塩素化合物による土壌・地
┳5E00下水汚染と対策技術/高畑 陽
261 植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
5.┳5A62イネにおけるマイクロアレイ解析の現状と今後の展望
┳5E00/安益公一郎,諏訪部圭太
農芸化学┳5A64@┳5A64High School
287 果実を遮光して栽培したリンゴの品質/青森県立名久井農業高等学校
解 説
234 ゲノム情報を基盤にした放線菌群の転写制御機構研究/原 啓文,大西康夫,福田雅夫
放線菌群には医薬品の生産や難分解性環境汚染物質の分解などに有用な菌が存在する.トランスクリプトーム解析の結果,液体培養と固体培養とで発現する遺伝子の違いや,汚染物質分解に関わる遺伝子の発現の様相などがわかってきた.
243 茶カテキン類と脂質膜との相互作用/熊澤茂則,中山 勉
生活習慣病などのリスクの低減に役立つとされるポリフェノール類の中でも注目される茶カテキン.その生理活性には種類により差が見られる.脂質膜との相互作用に焦点をあて,固体NMRを用いてその機構を解明した知見を紹介.
250 天然有機化合物のNMRデータベース┳5A63“CH-NMR-NP”/早水紀久子
天然有機化合物の構造解析には┳5A641Hと┳5A6413C-NMRスペクトルデータが不可欠なものとなっている.その情報を総合的かつ迅速に調べることができるデータベースについて,その開発背景や設計思想,運用法を紹介する.
「化学と生物」文書館
269 プロジェクト「遺伝子組換え作物の研究」生理機能性タンパク質・ペプチド高含量作物の開発
┳5E00/村田幸作,裏出令子
海外だより
275 第62回日米学生会議 Inspired and Realized through Academic Experiences
┳5E00/橋本 遥
化学の窓
281 海洋性カロテノイドの効率的なエネルギー伝達のしくみを分子レベルで解き
┳5E00明かす/梶川敬之,勝村成雄
【求人情報】242,249,280 【プロフィル】233,274,286,289 【訂正】260
次号予定目次
<解説>
【2010年ノーベル化学賞┳5A62解説】有機合成における
┳5E00パラジウム触媒によるクロスカップリング反応 眞鍋 敬
スフィンゴ脂質が関わる免疫抑制とシグナル
┳5E00伝達 竹松 弘,小堤保則
医薬品開発におけるリスク評価向上を目指した
┳5E00遺伝毒性試験の現状と展望 橋爪恒夫
花香を媒介とした植物と昆虫の多様な関係 大村 尚
新しいNF-κB阻害剤DHMEQの生物有機化学と
┳5E00抗炎症・抗がん剤への展望 須貝 威,梅澤一夫
<今日の話題>
フェアリーリングの化学・崔 宰熏,河岸洋和/光合成水分解の謎に迫る・三室 守/アラキドン酸による食品の美味しさ向上効果・山口 進/イネいもち病菌エフェクター研究の最近の進歩・曾根輝雄/細胞膜を攪乱する海洋天然物・西村慎一
<セミナー室>
有機化合物による環境汚染の現状とその対策
5. バイオレメディエーションの実際:原油汚染 千野裕之
土壌圏における窒素循環と微生物
1. 窒素循環と土壌からのN2O発生 秋山博子
<化学の窓>
新規タンパク質マンノシル付加修飾;合成化学からの
┳5E00生物学への貢献 眞鍋史乃
<海外だより>
Paul-Ehrlich-Institut┳5A64(ドイツ)┳5A64でユニット長となって 戸田雅子
<┳5AAC「┳5AAB化学と生物」文書館>
有機化学と核磁気共鳴 鵜澤 洵
今月の表紙
ZFNにより作製されたX-SCIDラット.新しい遺伝子改変技術「ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)」により作製されたX連鎖重症複合免疫不全症(X-SCID)のモデルラット(右のラット).インターロイキン2受容体γ鎖(┳5AA1┳5976Il2rg┳5AA1┳5975)遺伝子が破壊されているため,胸腺の欠損,およびT,┳5A63B,┳5A63NK細胞をもたない重度の免疫不全症となる.X-SCIDラットは免疫不全のため,異種移植されたヒトES・iPS細胞や組織などに拒絶反応を示さないことから,再生医療,創薬,移植研究などに幅広く利用されるモデル動物となる.左のラットは,コントロール動物のF344ラット.『新しい遺伝子改変技術「ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)」』(p.┳5A64220.┳5A63参照)
1,320円
巻頭言
149 地域の知と和〓〓地域の活性化/早川 茂
今日の話題
150 tRNase ZとTRUE gene silencing/高久洋暁,梨本正之
効率的なmRNA発現抑制に役立つtRNA前駆体切断酵素とその生体内での役割
152 植物の高温障害による雄性不稔とオーキシン/阪田 忠,東谷篤志
葯特異的にシグナル伝達活性が低下
154 動植物共通の免疫センサーの制御に働くタンパク質複合体/門田康弘,白須 賢
立体構造解析から機能に迫る
156 ウロコから眼/都木靖彰
さかなのウロコのコラーゲンを利用して人工角膜をつくる
158 食品中の水分分布を可視化する/吉田 充
MRIでスパゲティの食感を決定する要因としての水分分布を測る
セミナー室
193 植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
4.〓クラウド型計算機資源利用に基づいた新型DNAシークエンサ大量配列解析
/神沼英里,中村保一
199 有機化合物による環境汚染の現状とその対策
3.〓微生物によるバイオレメディエーション利用指針における微生物の生態系
等への影響評価/福田雅夫
農芸化学〓@〓High School
214 果実中のタンパク質分解酵素の有効利用/長崎県立猶興館高等学校
216 キッチンdeペーパーマッシュルーム/長崎県立諫早高等学校
解 説
161 植物ホルモンの受容とシグナル伝達の構造基盤
/西村宜之,平野良憲,人見研一,箱嶋敏雄,村瀬浩司
オーキシン受容体を皮切りに,ジベレリンやアブシジン酸の受容体の構造が解明され,植物ホルモンの作用機序を原子レベルで理解できるようになってきた.分子認識やシグナル伝達の機構との関わりを中心に解説する.
170 アレルギー疾患に関わるサイトカインシグナル伝達制御とIL-4転写調節機構
/久保允人
アレルギーの制御にあずかるT細胞として注目されるTh2細胞.その産生するIL-4はアレルギー疾患が関わるサイトカインシグナル伝達においてどのような役割を果たしているのか.分化,転写の過程での産生制御機構を探る.
177 お酒を変敗させる乳酸菌/鈴木康司
お酒の歴史は同時に変敗の歴史でもある.変敗の原因となるLactobacillus paracollinoidesなどの酒類変敗乳酸菌について,ビールなど醸造酒を中心に検出・判定法について概説するとともに,その起源と進化について考察する.
【2007年〓農芸化学研究企画賞】
187 胃腸障害に効く野菜のリン脂質/田中 保
食べる胃腸薬と呼ばれるキャベツなどのアブラナ科植物には,創傷治癒性リン脂質であるリゾホスファチジン酸が多く含まれている.このリン脂質の胃腸障害への効果について概説するとともに,有効な摂食方法などを考える.
「化学と生物」文書館
204 一台の天秤から/大東 肇
トップランナーに聞く
209 株式会社カネボウ化粧品〓執行役員(研究担当)〓井上紳太郎〓氏
【プロフィル】160,176,186,198,203

次号予定目次
<解説>
茶カテキン類と脂質膜との相互作用 熊澤茂則他
ゲノム情報を基盤にした放線菌群の転写制御機構研究 原 啓文他
医薬品開発におけるリスク評価向上を目指した
〓遺伝毒性試験の現状と展望 橋爪恒夫
天然有機化合物のNMRデータベース〓“CH-NMR-NP”〓
〓について〓早水紀久子
2010年ノーベル化学賞「有機合成におけるパラジウム
〓触媒クロスカップリング反応」 眞鍋 敬
<今日の話題>
出芽酵母の細胞極性形成におけるエンドサイトーシス・山本隆晴/骨格筋特異的カルパイン-3の活性制御因子は細胞内Na+・反町洋之他/タバコモザイクウイルス抵抗性に果たすMAPキナーゼの予期せぬ役割・小林光智衣他/抗原提示細胞としての機能をもつマスト細胞と好塩基球・中野信浩/神経変性疾患「若年性パーキンソン病」の発症メカニズム・松田憲之,田中啓二/イネの洪水における異なる2つの生存戦略・芦苅基行
<セミナー室>
有機化合物による環境汚染の現状とその対策
4. バイオレメディエーションの実際 高畑 陽
植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
5. イネにおけるマイクロアレイ解析の現状と
〓〓〓〓今後の展望 安益公一郎他
<バイオサイエンススコープ>
化粧品特許〓三谷祥子
<海外だより>
第62回 日米学生会議にて,感じる 橋本 遥
今月の表紙
ウルトラ微量天秤.この望遠鏡のついたウルトラ微量天秤は,故〓三井哲夫京大教授の発明考案によるものである.秤量限界は〓20〓g,〓感量〓100〓μg,〓実感量〓10〓μg〓という性能を有しており,微量分析の精度向上の基礎になったという意味で,分析化学の関係者にとって記念碑的な天秤である.このタイプの天秤は〓(株)〓島津製作所によって昭和12年から30年頃まで製造されていた.その後,三井教授は同製作所との共同研究により実感量〓1〓μg〓の島津微量天秤MDP-1を開発することになる.写真の天秤は昭和20年代初頭に製作されたものであり,現在,京都大学農学研究科に保管されている.『一台の天秤から』(p.〓204参照)
1,320円
巻頭言
73 志を高くもってください,若い研究者の皆さん/栗木 隆
今日の話題
74 植物のストレス反応制御ホルモン―アブシジン酸の細胞内受容体の構造決定
ABAシグナル伝達経路の活性化に導くメカニズムが判明
/澤野頼子,田之倉 優
77 牛乳から新奇に見いだされた運搬タンパク質/福田健二
乳に存在する odorant-binding protein の役割とは?
79 マメ科植物と根粒菌の共生は和気藹々とした関係か?/内海俊樹
根粒菌を共生状態へと分化させるマメ科植物の抗菌性ペプチド
81 システイン/シスチンのシャトルシステムによる新しい酸化ストレス防御機構
内膜のトランスポーターを介した過酸化水素除去の巧妙なしくみ
/大津厳生,高木博史
83 昇圧系の律速酵素を阻害する血圧制御/樋渡一之,高橋砂織
レニン活性阻害による新しいアプローチ
85 NINJAはコリプレッサーTOPLESSとジャスモン酸シグナルをつなぐ
植物ホルモンの受容による新しい転写制御機構の役割は?
/野村裕也,吉岡博文
セミナー室
115 植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
3. パスウェイデータベースによるシステム生物研究の展開/櫻井 望
121 有機化合物による環境汚染の現状とその対策
2. バイオレメディエーション指針の概要/須藤 学
プロダクトイノベーション
132 銀イオンクロマトグラフィー用HPLCカラム“Silver column KANTO”
/関東化学(株) 大瀧伸之
農芸化学 @ High School
143 卵殻膜の特性を利用した光機能性材料の開発/国立米子工業高等専門学校(鳥取県)
146 家畜の糞の違いによるメタン発生量の変化/筑波大学附属坂戸高等学校(埼玉県)
解 説
88 植物における小胞体の品質管理/小泉 望,岩田雄二
病原菌認識機構の解析から見えてきたもの
シロイヌナズナの自然免疫に関する変異体を用いた研究から,小胞体内でフォールディングを助け正しい高次構造をもつタンパク質を選別する機構,そして小胞体ストレス応答の分子機構の一端が明らかになってきた.
94 アレルギーワクチンの開発/石井保之
増加の一途を辿っているアレルギー患者に対し,現在の治療は対症療法が主体であり,根本治療を可能にするアレルギーワクチンの開発が急務である.アレルギー疾患のメカニズムとワクチン研究の最前線について概説する.
【2008年 農芸化学研究企画賞】
100 ストレスにおける酵母のユビキチンリガーゼRsp5の役割とその応用/高木博史
高温,高浸透圧など様々なストレス下で生成する異常タンパク質の処理に関わるユビキチンリガーゼ,Rsp5. その機能についての理解が深まりつつあり,高アルコール耐性などを目指した酵母の育種への利用に期待が高まっている.
108 カドミウム汚染土壌のファイトエキストラクション/村上政治
カドミウムなどの有害金属の汚染土壌の浄化に期待されるファイトエキストラクション.これまでの試行を概説するとともに,実用化に必要な浄化能力の向上,汚染物質の回収・処理などの課題について展望する.

「化学と生物」文書館
125 構造生物学への道/森田雄平
バイオサイエンススコープ
137 ナショナルバイオリソースプロジェクト・トマト(NBRPトマト)
/有泉 亨,江面 浩
【プロフィル】93,114,124,136,145

次号予定目次
<解説>
アレルギー疾患に関わるサイトカインシグナル伝達制御
とIL-4転写調節機構 久保允人
アルコール飲料変敗乳酸菌の研究に関わる最近の展開 鈴木康司
植物ホルモンの受容とシグナル伝達の構造基盤 村瀬浩司他
胃腸障害に効く野菜のリン脂質 田中 保
<今日の話題>
植物の高温障害による雄性不稔とオーキシン・阪田 忠,東谷篤志/ウロコから眼:さかなのウロコのコラーゲンを利用して人工角膜を造る・都木靖彰/食品中の水分分布を可視化する・吉田 充/動植物共通の免疫センサーの制御に働くタンパク質複合体・門田康弘/tRNase ZとTRUE gene silencing・高久洋暁/光合成水分解の謎に迫る・三室 守
<セミナー室>
有機化合物による環境汚染の現状とその対策
3. バイオレメディエーション指針 福田雅夫
植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
4. クラウド型計算機資源利用に基づいた次世代
シークエンサ大量配列解析 神沼英里他
<化学の窓>
海洋性カロテノイドの効率的なエネルギー伝達の
しくみを分子レベルで解き明かす 勝村成雄
<「化学と生物」文書館>
プロジェクト「遺伝子組換え作物の研究」 村田幸作,裏出令子




今月の表紙
矮性トマト系統マイクロトム.筑波大学はライフサイエンス研究の基礎となる遺伝資源において,収集,保存,あるいは提供を行なうナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)のトマトの整備拠点として選ばれている.当機関では多数のトマト栽培種や近縁野生種の種子を保有している.また,トマト矮性系統であるマイクロトムと呼ばれる品種(写真)における大規模な突然変異体集団を作出している.筑波大学では,国内外のトマト研究の推進を目的として,TOMATOMA (http://tomatoma.nbrp.jp/)と呼ばれるデータベースを通して栽培種,近縁野生種,そしてマイクロトム変異体の種子の提供を行なっている.(p. 137参照)
1,320円
巻頭言
1 “「化学と生物」文書館”を読んでいますか?/加藤暢夫
今日の話題
2 自己免疫寛容を誘導する胸腺内シグナル制御機構/秋山泰身,新澤未穂
“自己と非自己の識別”を制御する胸腺髄質上皮細胞分化の分子機構に迫る
4 ペプチドホルモンによる気孔密度の調節機構/嶋田知生,菅野茂夫,西村いくこ
増減に関わるシグナル因子の働きが判明
6 臓器老化モデルマウスを用いた抗老化食品の探索/清水孝彦
食品投与による特定臓器の病態改善の有無を in vivo で調べることが可能に
9 DNA複製をコントロールするクランプ複合体/清成信一,石野良純
クランプ分子PCNA上での分子切り換え機構解析の進展
11 インクレチン分泌を刺激する食品ペプチド,アミノ酸/比良 徹
消化管内分泌細胞による栄養素認識,Nutrient-sensingの解明と応用に期待
13 組換えイネでつくられたIL-10/藤原義博
植物を用いた安価で安全性の高いタンパク質生産系の確立
セミナー室
48 植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
2. 共発現情報から見る遺伝子機能ネットワーク/大林 武,木下賢吾
農芸化学 @ High School
063 変形菌植物の世界/兵庫県立加古川東高等学校
解 説
15 ラクトフェリンによる脂質代謝の制御/小野知二,村越倫明
乳由来のラクトフェリンには抗菌作用や免疫賦活作用など様々な機能が知られているが,最近ヒトの内臓脂肪低減に有効であることがわかってきた.この成果を中心に脂質代謝との関係を概説し,内臓脂肪減少メカニズムについて考察する.
22 水素イオンで動く細菌べん毛モーターの構造と機能/中村修一,南野 徹
大腸菌やサルモネラ菌などの細菌はべん毛を高速回転させて水中を泳ぎ生育に適した環境に移動することができる.プロトン駆動力を利用して動くべん毛モーターの構造と回転機構について,その詳細が明らかになってきた.
32 細胞増殖必須因子ポリアミンと代謝物アクロレインの生理作用と臨床応用
/五十嵐一衛,柏木敬子
細胞増殖に関わるいくつかのタンパク質の合成がポリアミンにより翻訳レベルで促進を受ける機序などについて概説するとともに,代謝物アクロレインが脳梗塞のバイオマーカーとして期待されている経緯についても触れる.
40 イオン液体処理によるセルロース系バイオマスの酵素糖化/神谷典穂
セルロース系バイオマスの多くは巨大な三次元網目構造を形成していることがその溶解,酵素糖化の障壁となっているが,イオン液体を溶剤とすることで,前処理やその後の酵素処理の効率化がはかれることがわかってきた.
「化学と生物」文書館
57 近代納豆の幕開けと応用菌学/堀田国元,佐々木 博
バイオサイエンススコープ
66 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)/安藤勝彦
【プロフィル】21,31,47,62,71
次号予定目次
<解説>
植物における小胞体の品質管理機構 小泉 望他
ストレスにおける酵母のユビキチンリガーゼRsp5の役割とその応用 高木博史
アレルギーワクチンの開発 石井保之
カドミウム汚染土壌のファイトエキストラクション 村上政治
<今日の話題>
植物のストレス反応制御ホルモン・アブシジン酸の細胞内受容体の構造決定・田之倉 優他/NINJAはコリプレッサーTOPLESSとジャスモン酸シグナル伝達をつなぐ・野村 裕也他/マメ科植物と根粒菌の共生は和気藹々とした関係か?・内海俊樹/昇圧系の律速酵素を阻害する血圧制御・高橋砂織他/システイン/シスチンのシャトルシステムによる新しい酸化ストレス防御機構・大津厳生他/牛乳から新奇に見いだされた運搬タンパク質・福田健二
<セミナー室>
有機化合物による環境汚染の現状とその対策
2. バイオレメディエーション指針 福田雅夫
植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
3. パスウェイデータベースによるシステム生物研究の展開 櫻井 望
<プロダクトイノベーション>
銀イオンクロマトグラフィー用HPLCカラムSilver column KANTO 大瀧伸之
今月の表紙
stomagen過剰発現株の葉の表皮.気孔は葉の表面にあるガス交換のための通気口であり,唇形をした一対の孔辺細胞とその間の孔からなる.孔辺細胞は,葉の発生のごく初期に,未分化な表皮細胞から決まった細胞系譜を経て分化する.モデル植物シロイヌナズナを用いた分子遺伝学的な研究から,気孔形成がペプチドホルモンを介した細胞間シグナリングにより制御されていることがわかってきた.表紙写真はstomagen過剰発現株の葉の表皮の走査型電子顕微鏡像.stomagen遺伝子を人為的に過剰発現させると,葉の表皮の気孔密度が高くなる.『ペプチドホルモンによる気孔密度の調節機構』(p. 4参照)
1,320円
巻頭言
805 これからの農芸化学に期待する/冨田房男
今日の話題
806 Timファミリー分子を介したアポトーシス細胞貪食機構/中山勝文
自己免疫疾患の制御に重要な役割
808 植物におけるオーキシン生合成の多様化/笠原博幸,神谷勇治
アブラナ科植物固有の二次代謝経路から分岐するIAA生合成経路
810 アレルギー疾患発症を制御するTh2細胞分化のエピジェネティクス/山下政克
IL-4, IL-5, IL-13 などの Th2 サイトカイン遺伝子の発現を協調的に制御するしくみ
812 膜由来の新しいシグナル伝達物質グリセロホスホジエステルの生理的な役割
分解酵素GDEの生理機能から導かれる新展開
/矢中規之,本田絢子
814 黄金色藻Ochromonas danicaの特異な脂質クロロスルホリピド
発見から40年後に単離して立体化学を解明
/河原哲平,沖野龍文
817 ミトコンドリアをターゲットとするアポトーシス阻害剤/新藤 充,篠原康雄
ボンクレキン酸の合成とその作用機序の解明
セミナー室
844植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
1. オミックス・データを活用するためのデータベースと研究基盤
/本郷耕平,諏訪部圭太,矢野健太郎
生物コーナー
871 霊長類のモデル動物確立に向けたマーモセット免疫系の基盤整備/垣生園子
農芸化学 @ High School
868 水あめに関する研究〓デンプンの加水分解反応機構の解明/岡山県立岡山一宮高等学校
解 説
【2007年〓農芸化学研究企画賞】
821 好熱菌による難分解性動物タンパク質の分解/渡部邦彦
リサイクルバイオテクノロジーの構築に向けて
再利用されずに廃棄されてきたケラチンやコラーゲンなどに代表される難分解性動物タンパク質を,微生物により分解・再利用できないか.リサイクルバイオテクノロジーの実用化に向けた試みをトリ羽毛を中心に紹介する.
腸管の生体防御や恒常性維持における脂質メディエーター
827 スフィンゴシン一リン酸の役割/國澤 純
感染の防御や生体の恒常性の維持にあずかる腸管粘膜の免疫機能が注目されているが,その制御および食物アレルギーの発症などに脂質メディエーターのスフィンゴシン一リン酸が重要な役割を果たすことがわかってきた.
831 鉄硫黄クラスター生合成マシナリーの構造と作動機構/和田 啓,福山恵一,高橋康弘
エネルギー代謝や遺伝子発現調節などの重要な生理機能を担う鉄硫黄(Fe〓S)タンパク質,そのコファクターであるFe-Sクラスターの生合成マシナリー(NIF,〓ISC,〓SUF)〓について,構造と作動機構を概説する.
839 エピジェネティクスと生活習慣病/亀井康富,江原達弥,高橋真由美,小川佳宏
胎児期~乳幼児期に何を摂取するかが,太りやすさや生活習慣病などと関係していることが示されつつある.糖尿病に関わる代謝関連遺伝子のエピジェネティクス制御を中心に,最近の研究動向を概説する.
「化学と生物」文書館
855 分子育種学(遺伝子工学)の黎明/坂口健二
864 黄色ブドウ球菌の分子戦略/神尾好是
【求人情報】826,870 【プロフィル】838,854,877 【訂正】830
次号予定目次
<解説>
イオン液体処理によるセルロース系バイオマスの
酵素糖化〓神谷典穂
ラクトフェリンによる脂質代謝の制御〓小野知二他
細胞増殖必須因子ポリアミンとその代謝物
アクロレインの生理作用と臨床応用 五十嵐一衛他
水素イオンで動く細菌べん毛モーターの構造と機能 中村修一他
<今日の話題>
ペプチドホルモンによる気孔密度の調節機構・嶋田知生他/アオムシの体色はなぜ緑色か?・白井孝治/インクレチン分泌を介して血糖を調節する食品ペプチド,アミノ酸・比良 徹/臓器老化モデルマウスを用いた抗老化食品の探索・清水孝彦/DNA複製をコントロールするクランプ複合体・清成信一他/遺伝子組換えイネでつくられたIL-10・藤原義博
<セミナー室>
有機化合物による環境汚染の現状とその対策
2. バイオレメディエーション指針 福田雅夫
植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
2. 共発現情報から見る遺伝子機能ネットワーク 大林 武他
<バイオサイエンススコープ>
ナショナル・バイオリソース・プロジェクト・
トマト 有泉 享,江面 浩
今月の表紙
黄金色藻 (golden algae, chrysophytes) Ochromonas danica. 黄金色藻は単細胞遊泳性の微細藻類で,移動や周囲の餌粒子の取り込みに鞭毛の運動を用いる.〓1960年代に魚毒性などが示唆されていたが,活性本体は不明であった.細胞内にクロロスルホリピドと呼ばれる非常に稀な脂質を大量に含有していることが40年前から知られている.最近になって,天然の状態で単離され,謎のままであったクロロスルホリピド類の立体構造と本藻の毒性成分の正体が明らかとなった.(写真提供:北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 本村泰三教授).『黄金色藻 Ochromonas danica の特異な脂質クロロスルホリピド』(p. 814参照)
1,320円
巻頭言
733 Center of Uniquenessを目指そう/松野隆一
今日の話題
734 植物の細胞死を司る遺伝子/初谷紀幸,西村いくこ
多彩なデスプロテアーゼの役割を探る
736 聴覚におけるガングリオシドの機能/郷 慎司,吉川弥里,井ノ口仁一
GM3合成酵素欠損マウスの聴覚機能障害の解析から判明
739 光合成CO2固定酵素RuBisCO誕生の秘密/齋藤洋太郎,蘆田弘樹
RuBisCO-like proteinが隠しもつRuBisCOとしての潜在能力
742 高温で選抜育種したニジマスの高温耐性/稲野俊直,渡部終五
特性と遺伝子発現の特徴を育種に応用するために
744 なぜ根粒菌は宿主マメ科植物との共生によってのみ高い窒素固定能力を発揮するか
根粒菌のニトロゲナーゼ合成に必須な宿主植物遺伝子を発見
/箱山雅生,河内 宏,菅沼教生
746 正倉院染織品に使われた植物染料の材質分析/中村力也
非破壊手法による分析で1,250年前の染料を特定する
セミナー室
772 有機化合物による環境汚染の現状とその対策
1. 汚染とバイオレメディエーション概説:汚染の現状と法規制/中島 誠
780 染色体テロメア:老化,がん化,進化
5. テロメレース:テロメア伸長反応と新たな機能/木下圭太,毎田佳子,増富健吉
農芸化学 @ High School
791 糠床と食中毒菌 抑制のメカニズム/九州国際大学付属高等学校(福岡県)
解 説
749 これからの特定保健用食品/清水 誠
食品中に存在する多様な生体調節機能をもつ成分,その研究が大型プロジェクトとして我が国で始まっておよそ30年.農芸化学の基礎研究が新たな産業の創出につながった“トクホ”の歴史と現在,そして将来の課題を展望する.
757 海底下生命圏の拡がりと限界を探る/諸野祐樹,稲垣史生
高感度・高精度・高性能の生命検出計数法の開発
生命圏はどこまで拡がっているか? この問いに答えるには,海底下堆積物掘削で得た試料に存在する生命を迅速・正確に計数する技術が必要である.蛍光色素を利用した選択的生物検出とその自動化を中心に紹介する.
764 食品タンパク質由来ペプチドの多様な神経調節作用/大日向耕作,吉川正明
大豆や牛乳などの食品タンパク質が消化される際に派生するペプチドに,抗不安,摂食調整,記憶学習促進などの神経調節作用があることがわかってきた.多彩な食品タンパク質由来ペプチドの作用機構を中心に紹介する.
「化学と生物」文書館
785 固定化酵素 〓 世界初の工業化/千畑一郎
プロダクトイノベーション
794 タンパク質生産システムASPEXの開発/旭硝子(株)ASPEX事業部 熊谷博道
生物コーナー
799 日本におけるリステリア食中毒の危険性/宮 聡子,木村 凡
【書評】763 【求人情報】771 【プロフィル】748,793,798 【お知らせ】756
次号予定目次
<解説>
鉄硫黄クラスター生合成マシナリーの構造と作動機構 高橋康弘他
植物における小胞体の品質管理機構 小泉 望他
腸管の生体防御や恒常性維持における脂質メディエーター
スフィンゴシン一リン酸の役割 國澤 純
エピジェネティクスと生活習慣病〓亀井康富
好熱菌による難分解性動物タンパク質の分解
-リサイクルバイオテクノロジーの構築 渡部邦彦
<今日の話題>
Tim-3レセプターを介するアポトーシス細胞貪食機構・中山勝文/ミトコンドリアをターゲットとするアポトーシス阻害剤・新藤 充他/黄金色藻 Ochromonas danica の特異な脂質クロロスルホリピッド・河原哲平他/アレルギー疾患を制御するタイプ2ヘルパーT細胞分化のエピジェネティクス・山下政克/膜由来の新しいシグナル伝達物質グリセロホスホジエステルの生理的な役割・矢中規之他/植物におけるオーキシン生合成の多様性・笠原博幸他
<セミナー室>
有機化合物による環境汚染の現状とその対策
2. バイオレメディエーション指針 福田雅夫
植物科学におけるバイオインフォマティクス活用法
1. オミックス・データを活用するための
データベースと研究基盤 矢野健太郎他
<生物コーナー>
霊長類のモデル動物確立に向けたマーモセット免疫系の
基盤整備 垣生園子
今月の表紙
刺繍飾りに黄蘗染めの糸が使われた繍線鞋.奈良・正倉院に伝わる奈良時代に製作された染織品の多くは,植物を原料とした染料を用い,色素の化学的特性を巧みに利用して,彩り豊かな色彩に染め出されている.近年の機器分析技術の発達に伴い,紫外・可視分光や蛍光分光法などの非破壊手法により宝物を分析することが可能となり,履物や舞楽装束,鏡箱の中敷などの正倉院染織品に用いられた植物染料の素材が特定された.見いだされた染料には,茜,黄蘖,刈安,藍,紫根があり,奈良時代には多様な染料が用いられていることが科学的に証明された.『正倉院染織品に使われた植物染料の材質分析』(p. 746参照;宮内庁正倉院提供)
1,320円
巻頭言
659 見える世界と見えない世界/新家 龍
今日の話題
660 インドール環転移酵素,VioEの反応機構/尾仲宏康,永野真吾
ビオラセイン生合成に見られるトリッキーなインドール環転移反応
663 腸管上皮細胞におけるTLRの発現制御とその機構/高橋恭子
腸内細菌との共生のしくみ
664 γ-グルタミル中間体を経る大腸菌の新規ポリアミン代謝系と取り込み系の発見
プトレッシンの効率的な発酵生産に資するか?
/栗原 新,鈴木秀之
666 Single-cell isolation技術で何ができるか/石井 聡,大塚重人
ハイスループットな分離・培養技術が進歩.一細胞レベルの微生物の挙動解明に期待
668 料理とワインのマリアージュの科学/田村隆幸
「相性が悪い場合には何が起こっているのか」という逆説的アプローチ
671 ビフィズス菌を用いた固形がんの治療/谷口俊一郎
低酸素環境を標的とする選択的デリバリー
セミナー室
706 植物機能制御剤の探索・創製とその生理学,化学遺伝学への応用
5. プラントアクティベーターによる植物免疫の活性化と化学遺伝学への利用
/鳴坂義弘,平塚和之,能年義輝
713 染色体テロメア:老化,がん化,進化
4. テロメア・テロメレースを標的とした抗腫瘍療法/清宮啓之
農芸化学〓@〓High School
724 ファイトレメディエーションの実用化に向けて 排気ガスの浄化と植物育成への応用
/東京都立科学技術高等学校
解 説
674 宿主因子を標的とするC型肝炎治療薬/川崎健一,坂本 洋,須藤正幸,青木雅弘,佃 拓夫
新規抗C型肝炎ウイルス剤NA255の発見とその誘導体合成法の開発
ウイルス自身ではなく,宿主側の因子を標的としてスクリーニングした結果,スフィンゴ脂質の生合成経路を遮断することによって抗C型肝炎ウイルス活性を示す物質NA255を見いだした.その経緯とこの薬の作用機序などを詳述.
680 魚類生殖細胞の特性とそれを利用した代理親魚技法/吉崎悟朗
最近,生殖細胞の異種間移植による代理親魚生殖技術が確立し,資源量が激減した魚類を回復する方法として期待されている.これらの技術と応用の可能性について紹介する.
688 細菌の生態学的種を考える/西澤智康,佐藤嘉則,藤村玲子,太田寛行
細菌の分類は近年,菌体成分の分子情報に基づいて行なわれているが,これに対し,初成土壌にすみつく細菌のエコタイプについての分析結果を考察する中で,種の形成という出来事を分類と生態の両面から考えることの重要性を説く.
695 分泌タンパク質にジスルフィド結合を形成する仕組み/門倉 広
ジスルフィド結合形成反応中間体の検出
多くの分泌タンパク質の立体構造形成や活性発現に必須のジスルフィド結合.その形成にあずかる酵素DsbAおよびDsbB~Dの働きがわかってきた.特にDsbAの変異体を用いた解析からは,結合形成反応の素過程の詳細が明らかになった.
「化学と生物」文書館
720 農芸化学と高峰譲吉/山本 綽
海外だより
727 スイス・ローザンヌ大学での研究/宮崎 亮
【求人情報】705,712〓【プロフィル】673,687,719,723,731
次号予定目次
<解説>
食品タンパク質由来ペプチドの多様な神経調節作用 大日向耕作他
海底下生命圏の拡がりと限界を探る 諸野祐樹他
腸管の生体防御や恒常性維持における脂質
メディエーターの役割 國澤 純
これからの特定保健用食品 清水 誠
<今日の話題>
光合成CO2固定酵素RuBisco誕生の秘密・蘆田弘樹他/なぜ根粒菌は宿主マメ科植物との共生によってのみ高い窒素固定能力を発揮するのか・菅沼教生他/高温で選抜育種したニジマスの高温耐性・稲野俊直/正倉院染織品に使われた植物染料の材質分析・中村力也/聴覚におけるガングリオシドの機能・井ノ口仁一他/植物の細胞死を司る遺伝子・初谷紀幸,西村いくこ
<セミナー室>
有機化合物による環境汚染の現状とその対策
1. 有機化合物による環境汚染の現状とその対策 中島 誠
染色体テロメア:老化,がん化,進化
5. テロメレース:テロメア伸長と新たな機能 増富健吉他
<プロダクトイノべーション>
タンパク質生産システムASPEXの開発 熊谷博道
三倍体ヤマメ両親から得られたニジマス稚魚.魚類の三倍体は減数分裂の進行不全により不妊となる.三倍体化処理を施した不妊ヤマメの孵化稚魚腹腔内に通常の二倍体ニジマスの精原細胞(精巣内にある精子のもとになる細胞)を移植すると,移植された細胞は自発的に宿主ヤマメの生殖腺へと移動し,そこで配偶子形成を開始した.これらの三倍体宿主ヤマメは完全に妊性を回復し,雄の場合はニジマス精子を,雌の場合はニジマス卵を生産した(すなわち精原細胞が卵へと分化したことを意味している).これら宿主ヤマメの雌雄を交配すると,次世代では正常なニジマス稚魚が得られた.なお,ヤマメ両親から得られたニジマス次世代は正常に成長し,成熟することが確認された.『魚類生殖細胞の特性とそれを利用した代理親魚技法』(p. 680参照)
1,320円
巻頭言
587 地方大学の法人化と産学官連携/大山莞爾
今日の話題
588 病気に感染する植物から見いだした抵抗性遺伝子の育種利用/福岡修一
いもち病が発生しても安定した生育にあずかるpi21遺伝子の特性に注目
589 ユビキチンのホメオスタシスを制御する因子の発見/木村洋子
脱ユビキチン化酵素とそのインヒビターによる制御
591 葉の器官サイズを司る遺伝子ネットワーク/塚谷裕一
細胞数と細胞サイズを統合するメカニズム
593 哺乳動物卵ならびに胚の超低温保存/菊地和弘
ジーンバンクの現状と展望
595 出芽酵母における遊離N型糖鎖の生成と代謝機構/鈴木 匡,平山弘人
解明進む・小胞体における異常糖タンパク質の分解機構
598 MALDI-TOF/MSを利用した新しい菌株同定技術とその応用/谷 明生
迅速・簡単が魅力.従来の分類指標との相関は?
セミナー室
630 染色体テロメア:老化,がん化,進化
3. テロメアと発がん/杉本正信
637 植物機能制御剤の探索・創製とその生理学,化学遺伝学への応用
4. エチレン,ジベレリン,ジャスモン酸,ストリゴラクトン/王 敬銘,伊藤晋作,浅見忠男,平山隆志,中嶋正敏
農芸化学 @ High School
656 ヘドロの有効活用と水質浄化能力の検討/愛知県立佐屋高等学校
解 説
602 M細胞上の細菌認識受容体,Glycoprotein 2の発見/大野博司,長谷耕二
腸管免疫組織を覆う上皮領域に存在する特殊な腸管上皮細胞〓M細胞.最近,この細胞上に発現するGlycoprotein 2が細菌取り込み受容体で,抗原特異的な粘膜免疫応答の惹起に重要な役割を担っていることが示された.
608 「転炉スラグ」で土壌環境を制御する/村上圭一,後藤逸男
国内産未利用資源によるアブラナ科野菜根こぶ病の防除
ハクサイ,ブロッコリーなどのアブラナ科野菜に深刻な被害をもたらす根こぶ病.製鉄所の製鋼過程で発生する副産物「転炉スラグ」を土壌酸性改良資材として施用することで,この根こぶ病を防除する試みが普及しつつある.
614 アーキアにおける膜脂質生合成/邊見 久
酵素学的視点から
バクテリア,ユーカリアと並ぶ第3の生物群アーキアは,特有の構造の膜脂質をもち,他の生物と明確に区別される.標準的なアーキアの膜脂質の生合成を中心に,他生物との違いなどについて,酵素学的視点から概観する.
622 カロテノイドの血中濃度と喫煙・飲酒との関係/杉浦 実
果物や野菜に含まれるカロテノイドには強力な抗酸化性を示すものが多い.最近の疫学調査により喫煙や過剰な飲酒などで亢進する酸化ストレスに対して,これらのカロテノイドの摂取が有効であることが示されている.
「化学と生物」文書館
643 ブドウ糖が果糖に〓新しい形の「異性化糖」の誕生/山中 啓
生物コーナー
652 緑膿菌感染モデルとしてのカイコ/飯山和弘
【求人情報】642 【プロフィル】613,636 【お知らせ】658 【訂正】651
次号予定目次
<解説>
生態学的種を考える 太田寛行他
魚類生殖細胞の特性とそれを利用した代理親魚技法 吉崎悟朗
食品タンパク質由来ペプチドの多様な神経調節作用 大日向耕作他
宿主因子を標的とするC型肝炎治療薬 川崎健一他<今日の話題>
大腸菌 γ グルタミル中間体を経る新規なポリアミン代謝系およびインポーターの発見・栗原 新他/Single-Cell Isolation 技術で何ができるのか・大塚重人他/インドール環転移酵素,VioEの反応機構・尾仲宏康他/腸管上皮細胞におけるTLRの発現制御とその機構・高橋恭子/料理とワインのマリアージュの科学・田村隆幸/ビフィズス菌を用いた固形がん治療・谷口俊一郎
<セミナー室>
植物機能制御剤の探索・創製とその生理学,化学遺伝学への応用
5. プラントアクティベーターによる植物免疫の活性化と化学遺伝学への利用 鳴坂義弘他
染色体テロメア:老化,がん化,進化
4. テロメア,テロメレースを標的とした抗腫瘍療法 清宮啓之
<生物コーナー>
わが国におけるリステリア食中毒の危険性 宮 聡子他
今月の表紙
ジーンバンク・液体窒素タンク.農業生物資源ジーンバンクでは,家畜・家禽の遺伝資源の保存を行なっています.一部は生体でも飼養していますが,精子や卵などの配偶子,受精卵や胚を液体窒素(-196℃)タンク内で超低温保存します(写真).耐凍剤に浸漬しプラスチックストロー(容量は0.25~5〓ml)に入れて収納します.文字の判読が困難なので色付きのシールで識別し,コンピュータによる在庫管理を行なっています.液体窒素の液面レベルもモニターされており,蒸発により液面が低下すると,外部の大型貯蔵タンクより自動補給されますので,枯渇の心配はありません.『哺乳動物卵ならびに胚の超低温保存』(p. 593参照)
1,320円
巻頭言
純粋培養と混合培養/蓼沼 誠
今日の話題
516 夏ウンカはなぜ「肥やしになる」のか?/五味剣二
加害によってイネの病害抵抗性が高まる根拠は? 緑のかおりが鍵
517 猛暑の年は酒粕が多くなる?/奥田将生
気象データによる清酒醸造用原料米の性質予測
520 基質親和性を利用した新しいタンパク質蛍光標識法の開発/橋本 誠
古くて新しいベンゼンスルホン酸エステルの反応性を利用したタンパク質新規化学修飾
521 ブルークラブの求愛行動と性フェロモン/神尾道也
〓オス,メスの尿成分の比較分析による分子レベルの実体解明に期待
523 界面活性剤様ペプチドの自己組織化/田中雄二
両親媒性ペプチドの特性を利用して様々な性質を自在につくり出す

525 乳酸菌のヒスタミン生成遺伝子は種を超えて転移する?/里見正隆
ヒスタミン生成遺伝子の伝播機構に挑む
セミナー室
550 染色体テロメア:老化,がん化,進化
2.〓ヘテロクロマチンとしてのテロメア/石川冬木
555 植物機能制御剤の探索・創製とその生理学,化学遺伝学への応用
3.〓アブシジン酸/上野琴巳,平山隆志
農芸化学〓@〓High School
583 知多の地酒からの食酢づくり/愛知県立半田農業高等学校
解 説
528 ムギネ酸類によるイネ科植物の鉄取り込み機構/村田佳子
イネ科植物は直接吸収できない3価鉄を根からムギネ酸を分泌し錯体を形成することにより取り込んでいる.ムギネ酸の構造と合成の機構とともに,ムギネ酸〓鉄錯体トランスポーターの局在と機能解析の成果を中心に紹介する.
535 C型レクチン受容体ファミリーを介した非自己糖鎖の免疫修飾作用/日野真吾
哺乳類にはない微生物や植物などの糖鎖は,生体に非自己糖鎖として認識されることで様々な免疫修飾作用を示す.その認識にあずかる受容体との関わりについて,C型レクチン受容体ファミリー中心に最新の知見を紹介する.
542 昆虫キチナーゼとキチナーゼ様タンパク質/荒金靖之
昆虫のキチン代謝の調節に関わるキチナーゼやキチナーゼ様タンパク質.進化的に保存されたこれら酵素群には複数のアイソザイムが存在し,様々な発達段階や異なる組織において特異的に機能していることがわかってきた.
「化学と生物」文書館
564 遍歴〓農産物の有機化学/坂村貞雄
化学の窓
571 グリコシダーゼの触媒反応機構/千葉誠哉
生物コーナー
577 世界におけるミツバチの現状と減少要因/門脇辰彦
【書評】585 【求人情報】527,534,541,570〓【プロフィル】549,554,563
次号予定目次
<解説>
果物・野菜に多いカロテノイド色素が有する
〓生理機能と喫煙・飲酒との関係〓杉浦 実
M細胞上の細菌認識受容体,Glycoprotein〓2〓の発見
〓大野博司ほか
アーキアにおける膜脂質生合成〓邊見 久
分泌タンパク質にジスルフィド結合を形成する仕組み〓門倉 広
「転炉スラグ」で土壌環境を制御する〓村上圭一ほか
<今日の話題>
MALDI-TOF/MSを利用した菌株同定技術・谷 明生/哺乳動物卵ならびに胚の超低温保存・菊地和弘/ユビキチンのホメオスタシスを制御する因子の発見・木村洋子/病気に感染する植物から見いだした抵抗性遺伝子の育種利用・福岡修一/出芽酵母における遊離N型糖鎖の生成,代謝機構・鈴木 匡/葉の器官サイズを司る遺伝子群・塚谷裕一
<セミナー室>
植物機能制御剤の探索・創製とその生理学,化学遺伝学への応用
4. エチレン,ジベレリン,ジャスモン酸,
〓〓〓〓ストリゴラクトン〓王 敬銘ほか
染色体テロメア:老化,がん化,進化
3. テロメアと発がん〓杉本正信
<生物コーナー>
緑膿菌感染モデルとしてのカイコ〓飯山和弘
今月の表紙
ブルークラブオスの求愛ディスプレイ〓(Courtship〓Stationary〓Paddling).繁殖脱皮前のメス個体は水草の茂みなどに隠れており,〓フェロモンを放出してオスを誘引する.〓茂みの中にメスを見つけたオスは Courtship Stationary Paddling によってメスに向かって自分のフェロモンを含んだ水流を送りつけて隠れ家からおびき出す.このように,オス-メス双方向のケミカルコミュニケーションによって成熟したオスとメスが出会うことができる.写真の行動は本来はメスに向けて行なわれるものだが,水槽のガラスに向かって行なわれている.(写真提供:C.〓M.〓Rowell氏,Oregon Coast Aquarium にて2006年に撮影)『ブルークラブの求愛行動と性フェロモン』(p.〓521参照)
1,320円
巻頭言
441 大学院教育の実質化へ一言/大島敏久
今日の話題
442 染色体分配の方向を決める根本原理/作野剛士,渡邊嘉典
コヒーシンによる接着を介した動原体の方向性制御機構
444 植物の刺激応答に関与するアセチルコリン/桃木芳枝
細胞外分泌シグナルとしてのアセチルコリンエステラーゼの役割解明に期待
447 チトクロムP450〓(CYP1A1)はベン〓ゾ[〓〓a]ピ〓レンの解毒,排泄に不可欠/宇野茂之
生体異物代謝機構に新知見
449 サンゴの共生におけるレクチンの役割/神保 充
〓褐虫藻の体内増殖や取り込みに関与
450 現在の有機合成化学をもってしても合成困難な天然物とは?
二量体型アルカロイド(+)-Haplophytineの全合成
〓/徳山英利,植田浩史,福山 透
453 アレルギーワクチンの創製/秋 庸裕,河本正次,小埜和久
診断・治療に必要なアレルゲンのデータベース化など,望まれる周辺技術の充実
セミナー室
493 染色体テロメア:老化,がん化,進化
1.〓テロメアの機能と構造/石川冬木
485 植物機能制御剤の探索・創製とその生理学,化学遺伝学への応用
2.〓オーキシン/林〓謙一郎,嶋田幸久
農芸化学〓@〓High School
506 ゾウリムシをマイクロマシンとして活用する研究 動け!〓僕らのゾウリムシ
〓〓〓〓/宮崎県立宮崎大宮高等学校
解 説
456 植物の葉の形造りに関わる遺伝子ネットワーク/町田千代子,〓橋広夫,町田泰則
目に青葉,植物の葉は実に多様な形をしている.葉の発生・分化の過程で軸形成に関わる遺伝子の機能のわずかな違いが,形の違いとなって表われる.そのしくみと個々の遺伝子の制御ネットワークの一端が明らかになってきた.
463 メタン生成古細菌は歯周病の病原因子?/山部こころ,苔口 進,前田博史
従来,歯周病は口腔内に生息するグラム陰性桿菌の感染とそれらに対する自己免疫応答から説明されてきたが,最近,メタン生成古細菌の関与がわかってきた.自己免疫応答に関与するシャペロニンの機能などを中心に新たな視点からその機構を探る.
471 哺乳類細胞のストレス受容・伝達機構とそれに起因する疾患
〓〓〓/畑中 良,関根悠介,一條秀憲
細胞にストレスが加わると,細胞内シグナル伝達機構が活性化し,適切な細胞応答が誘導される.シグナル伝達分子ASK1の解析によってわかってきたストレス受容・認識の機構と,がんや神経変性疾患におけるその役割について解説.
478 イネ科植物オオムギの耐塩性機構における
〓〓〓〓巧みな適合溶質グリシンベタイン利用戦略/三屋史朗,藤原崇志,服部 侑,高倍鉄子
植物の浸透圧調節に働き耐塩性などに関わる適合溶質.オオムギの産生するベタインの合成・蓄積・輸送のメカニズムの解明が進み,塩ストレス下での植物のしたたかな適応戦略がわかってきた.
「化学と生物」文書館
498 A-ファクターの再発見/別府輝彦
503 醗酵一宇会 その由来と発展の歴史/石崎文彬
バイオサイエンススコープ
509 新学習指導要領に基づく
〓〓〓生物教育教材の開発と農芸化学教育への展望/山野井貴浩,武村政春
【書評】462,512,513 【求人情報】492〓【プロフィル】470,477,484,505,508 【お知らせ】455
次号予定目次
<解説>
ムギネ酸類を介したイネ科植物の鉄取り込み機構〓村田佳子
アーキアにおける膜脂質生合成〓邊見 久
転炉スラグの多量施用によるアブラナ科野菜根
〓こぶ病の防除〓村上圭一
c型レクチン受容体ファミリーを介した非自己糖鎖の
〓免疫修飾作用〓日野真吾
昆虫キチナーゼとキチナーゼ様タンパク質〓荒金靖之
<今日の話題>
基質親和性を利用した新しいタンパク質蛍光標識法の開発・橋本 誠/ブルークラブの求愛行動と性フェロモン・神尾道也/界面活性剤様ペプチドの自己組織化・田中雄二/夏ウンカがイネの病害抵抗性を高める・五味剣二/猛暑の年は酒粕が多くなる?・奥田将生/好塩性乳酸菌のヒスタミン生成遺伝子・里見正隆
<セミナー室>
植物機能制御剤の探索・創製とその生理学,化学遺伝学への応用
3. アブシジン酸〓上野琴巳
染色体テロメア:老化,がん化,進化
2. テロメアと細胞周期〓石川冬木
<化学の窓>
グリコシダーゼの触媒反応機構〓千葉誠哉
<「化学と生物」文書館>
遍歴:農産物の有機化学〓坂村貞雄

今月の表紙
石垣島でのサンゴの白化.2007年に見られた石垣島の大規模白化の様子.サンゴは褐虫藻と共生することにより生存しているが,水温の上昇などさまざまなストレスを受けると光合成色素の欠失や褐虫藻の脱落が起こって,表紙の白いサンゴのようになる.この状態が長く続くと,サンゴが死んでしまうことから,褐虫藻との共生はサンゴの生存に必要不可欠だと考えられる.近年,その共生機構の確立や維持の分子機構の一端が明らかにされつつある.本文では,共生機構の一端を担うと考えられるレクチンについて紹介する.(写真提供:広島大学大学院生物圏科学研究科 小池一彦先生)『サンゴの共生におけるレクチンの役割』(p.〓449参照)

化学と生物の内容

最新の情報から話題のトピックスまで、研究者がいちばん知りたい、化学と生物の情報を満載した総合誌
農芸化学会が対象としている食糧・生命・環境分野ばかりでなく、広く自然科学の中から問題を取り上げ、それらを化学的・生物学的視点から平易に解説しています。また、最新研究の話題や産業界の動向などについても紹介するとともに、農芸化学関連の和文の原著論文も掲載しています。

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