巻頭言
587 食品成分表,食育,そして農芸化学/野口 忠
今日の話題
588 植物病原性カビの新たな侵入戦略/晝間 敬,吉野香絵,高野義孝
メラニン化した付着器をつくらずに植物を攻撃する
590 腸間膜リンパ節樹状細胞による経口免疫寛容の誘導機構/佐藤克明
食物アレルギーの画期的な治療法につながるか
592 高等植物において特定の遺伝子を標的として改変する技術
人工制限酵素を働かせるだけで標的遺伝子を破壊することが可能に
/刑部敬史,刑部祐里子,土岐精一
594 ヒトと虫の成長を調節する共通のホルモン/溝口 明
昆虫IGF様ペプチドの発見
596 カメムシをエノコログサのエンドファイト(内生菌)で防除する
カメムシ忌避物質の利用で斑点米を防除できるか
/中島廣光,石原 亨
598 コーヒーの免疫調節活性を評価する/後藤真生
食品機能性の検討の難しさと消化吸収経路の重要性
セミナー室
630 これからのバイオイメージング技術
2. 合成小分子蛍光プローブの精密分子設計による in vivo 微小がんイメージング
/浦野泰照
639 土壌圏における窒素循環と微生物N2Oの動態を中心として
5. 硝化を担う微生物の多様性と機能/森本 晶,星野 (高田) 裕子,早津雅仁
農芸化学 @ High School
650 市街化が進んでいる水田地域でアカミミガメはどのように過ごしているのか
/ノートルダム清心学園清心女子高等学校(岡山県)
解 説
601 ゼブラフィッシュ嗅覚系の神経行動学/小出哲也,吉原良浩
誘引,忌避,生殖などの動物の活動にとって不可欠な感覚である嗅覚.ゼブラフィッシュをモデル動物とした神経行動学的研究によって,匂いの受容から嗅覚行動の発現に至る過程に関わる神経回路の仕組みと働きがわかってきた.
610 高齢者が誤嚥しにくい介護食の物性/熊谷 仁,谷米 (長谷川) 温子,田代晃子,熊谷日登美
食物が食道から胃ではなく,気管から肺へ到達してしまう誤嚥.高齢者に多く見られるこの現象の危険性を低下させるために増粘剤などの添加が行なわれる.超音波による咽頭部での食塊の流速測定の結果から,望ましい介護食の物性を探る.
620 アレルギー性炎症誘導機構の解明と臨床への展開/中島裕史
アレルギー性気道炎症の惹起や重症喘息の病態へのTh2細胞やTh17細胞の関与が示されている.これらヘルパーT細胞の産生するサイトカインを標的とした喘息治療薬開発の可能性も含め,アレルギー研究の最前線を紹介する.
624 イネも夏バテをする?/山川博幹,羽方 誠
遺伝子レベルで明らかとなった猛暑が米の品質に及ぼす影響
日本稲の登熟は26℃ 以上の高温で阻害され,乳白粒など玄米品質や粒重の低下を招く.温暖化の害とも言えるこの生理障害,デンプンの合成や分枝に関わる酵素遺伝子の解析の結果,そのメカニズムの一端が明らかになってきた.
海外だより
652 TIL (Tsukuba-INRA Joint Lab) の活動フランス・ボルドーから/森 健太郎
「化学と生物」文書館
645 DNAの高次構造と生物活性プラスミドRSF1010の複製開始過程を中心として/駒野 徹
【プロフィル】609,619,629,657 【求人情報】600,623 【書評】638
次号予定目次
<解説>
農耕地土壌におけるメタゲノム解析研究の動向 藤井 毅
メタボリックプロファイリングによる食品/生薬の
品質評価 津川裕司他
ストレスタンパク質による免疫恒常性の制御 谷 史人
優性遺伝子が劣性遺伝子に勝つ新たな仕組み 樽谷芳明,高山誠司
<今日の話題>
防御から共生へ・中川知己/肥満の環境要因としての腸内細菌叢・園山 慶/Streptococcus mutans 由来グルカンスクラーゼの立体構造解析・伊藤圭祐,伊藤創平/最先端の方法で病原体を見つける・濱田信之/始原生殖細胞の維持に関わるナノスの構造・田丸 浩/高機能性食品素材として有用なオリゴ糖の生産技術開発とその高度利用・中井博之
<セミナー室>
これからのバイオイメージング技術
3. 蛍光寿命イメージングによる光合成系の
光環境応答解析 皆川 純
土壌圏における窒素循環と微生物
6. 同位体解析から見た窒素循環と微生物 木庭啓介
<「化学と生物」文書館>
「化学と生物」とフリーラジカル 並木満夫
今月の表紙
嗅細胞にGFPを発現させたゼブラフィッシュ.鼻は,外界に存在する様々な化学物質を匂い分子として受容するセンサーである.受容された匂い分子の情報は脳へと入力され,認知や識別・匂いのイメージ形成・情動の誘起・嗅覚の記憶・適切な行動発現などの出力へと変換される.最近,モデル脊椎動物ゼブラフィッシュを用いた遺伝学的アプローチによって,匂いの受容から嗅覚行動の発現へと至る神経回路の仕組みがわかってきた.表紙写真は,一部の嗅細胞にGFPを発現させたトランスジェニックゼブラフィッシュの蛍光実体顕微鏡像である.緑色蛍光を発するこれらの嗅細胞は,水に溶けた化学物質を匂い分子として受容する.『ゼブラフィッシュ嗅覚系の神経行動学』(p. 601参照)
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