麺業界展望~この人に聞く!~
ソディック・プラステック 大迫健一副社長
新体制の下、製品の精度アップと海外進出に注力
ソディック新横トム事業部は昨年10月、ソディック・プラステック、トム事業部として新しいスタートを切った。製麺プラントメーカーとして、新体制の下でどんな展開があるのか。大迫健一副社長に聞いた。
――新体制はどのようなものですか。
大迫 まず、2つのメリットが挙げられる。
ソディック・プラステックは射出成形機をメインにしている。型で押し出して型をつくっていくのは麺作りに似ていると考えている。
新体制になり生産設備が更に充実した。例えば当社にはマザーマシンと言われる五面加工機などがあるのでこれによりミキサー麺機の精度を上げることができるなど、環境が変わったことにより、可能性が広がった。
もうひとつはアジアを中心とした海外進出だ。現在、中国の蘇州と厦門市、タイに工場がある。昨年5月から厦門工場で麺機の製造がスタートし、すでに7ラインを中国国内に出荷している。今年の4~5月には茹で機の製造にも着手する予定だ。製麺機、茹で機、即席麺のラインまで中国工場で製造することができる。今年中に全機械のラインを作りたい。ゆくゆくは東南アジアに向けて、タイ工場での製造も視野に入れている。
――製品について。
大迫 生麺の製造では真空ミキサーを使用することが現在の常識になっている。その中で、真空度のぎりぎりのラインをいかにキープするかは難しい問題だ。製品が新しい内はいいが、パッキンがゆるんだり摩耗したりすると真空度が落ちてくる。新体制となり、製品の精度を高めることで、こうした耐久度も大きく上がることになる。また、麺カスのでないロールや、生産性を上げるためにロール幅が広くなっても麺圧を一定化させることなども課題の一つだ。これらの課題に取り組んでいくことで、製品の品質はアップしていくだろう。2010年は、白山工場が加賀工場に移転し、トム事業部のショールームなども設置される。
(中略)
――今後の展開は。
大迫 日本国内でも価格競争は厳しくなり、機械も「安くていいものを」という要望が当然ある。将来的には中国で製造した製品を国内に持ってくることも計画している。製造コストについても、100%中国産で製造すれば国内産の半額程度で済むが、部品などの品質レベルを考えると日本製の部品を使うことになる。中国企業からすれば、関税などがかからない分、日本製品が半額くらいで買えるということで、喜ばれる。中国人自身が、中国製は安いが問題が多いということをよく知っている。中国製品と同じ価格にすることは無理だが、安全安心をどこまでアピールできるかが課題でもある。
――日本の麺の世界進出は進んでいますか。
大迫 中国に進出している麺メーカーは多い。これからの若い経営者は外に目を向け、実際に見に行って、世界の実態を知ることで閉塞感から解放されるのではないか。夢を持って飛び出していけばやれることはたくさんある。日本だけが農業がネックになり、アジア諸国の中で遅れている。自由に貿易ができ、行き来できれば食文化ももっと大きく広まっただろう。世界には変な日本食がたくさんある。本当の日本の食産業が世界に進出することで、そういったものはなくなっていくのではないか。
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