麺業界展望~この人に聞く!~
シマダヤ 木下紀夫社長
創業80周年、品質にとことん取り組む
シマダヤは今年、創業80周年を迎えた。同社は1931年に名古屋で創業。当初は米穀業から始まったが、現在はチルド・冷凍麺を事業の中心に据えている。60年に日本で最初の「自動ゆでめん製造装置」を設置し、翌61年にはこれも日本初となる「ゆでめんの個包装化」を実現。また、88年にはゆでずに水を通すだけで食べられる麺「流水麺」を発売するなど、新技術・新商品への挑戦を続けている。
――80周年を迎え、今の心境は。
当社は31年に創業者の牧清雄が、愛知県名古屋市で米穀業から始めた。その後事業を製麺業に切り替えたが、ここまで山あり谷あり、色々な至難を乗り越えられてきた先輩たちがいて今がある。また、多くの皆さんに支えられて、今、関東を中心にチルド麺・冷凍麺を販売することができている。私が感じているのは、シマダヤは品質最優先の会社ということ。品質にとことん取り組むことが創業者の考えで、今後も引き継いでいかなければいけないことだと、改めて考えている。
(中略)
――現在の市場をどうみるか。
今の状態の消費者動向からいうと、まずは節約志向があり、どう対応していくかを考えている。ここに、後ろからは原材料の高騰もある。この事態は、どこの社長も経験したことがないはずだ。どの会社でもコストは上がっていて、下がっているのは人件費くらいだ。また、12年4月1日には法人税が上がり、同10月にはたばこ税、13年からは住民税や所得税も上がる。これが12兆円とかそれ以上で、ここから3年から10年の間はやはり不安になる。時限立法とはいっても、働いている間はずっと復興増税の影響を受ける世代もいる。それからすると、消費は厳しいのではないだろうか。
売上450億円、経常利益30億円を目指す
――今後の展望について。
今起きていることは、売れるものが飛び抜けて売れてしまい、商品のバラエティ化が進まない状態。当社も震災以降に生産を止めなければいけない商品があり、残した商品は伸びたが、生産を復活させた商品の売上が戻らないということがあった。ある意味ではラインナップの再構築になったが、安価でコモディティな商品が増えている。私達は付加価値商品を出していくが、このコモディティな商品と付加価値商品の市場バランスが問題なのだと思っている。私はまだまだ未熟だが、この辺りをどのように舵取りしていくかが今の課題と捉えている。チルド・冷凍麺どちらも本気になって改革をして、コスト競争力を磨いていかなければならない。海外事業では色々なことをやっていくが、儲かるとは思っていない。それよりも関東の市場をいかに掘り下げられるかが問題だ。チルド麺の業界でも淘汰が進んで行くだろう。その中で商品の質によって、シマダヤというブランドをどう強くしていくかが重要だ。次の14年までの中期経営計画では、売上450億円を目指し、経常利益も30億円くらいまでいきたいと考えている。夢ではない。今、当社は中堅優良企業と言われているが、やはりその上を目指していかなくてはと思っている。これからもチルド麺・冷凍麺事業を中心に、強い専業メーカーになりたい。強くなるためにも、生産設備や商品開発への攻めの投資を進めていく。また、それを成果として変えていかなければいけない。
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