家庭の法と裁判(FAMILY COURT JOURNAL) 発売日・バックナンバー

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◆特 集 少年事件における弁護士付添人の実務
少年事件における付添人の意義・役割
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬 健二

弁護士付添人活動の実務 ~活動の基本姿勢とポイント~
 弁護士・上智大学法科大学院教授 岩崎 政孝

家庭裁判所からみた弁護士付添人との連携と協働 ─カンファレンスの在り方を中心に─
 千葉家庭裁判所判事 藤永 祐介

家庭裁判所調査官が弁護士付添人に期待する役割 ~試験観察における協働の視点から~
 東京家庭裁判所主任家庭裁判所調査官 葛西由布子

少年の立ち直り・更生に向けた弁護士の役割と活動
 弁護士 山﨑 健一

◆最高裁判例(2件)
1 遺言執行者は,共同相続人の相続分を指定する旨の遺言を根拠として,平成30年法律第72号の施行日前に開始した相続に係る相続財産である不動産についてされた所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格を有するか
2 相続財産の全部又は一部を包括遺贈する旨の遺言がされた場合における,上記の包括遺贈が効力を生じてからその執行がされるまでの間に包括受遺者以外の者に対してされた不動産の所有権移転登記の抹消登記手続又は一部抹消(更正)登記手続を求める訴えと遺言執行者の原告適格
3 複数の包括遺贈のうちの一つがその効力を生ぜず,又は放棄によってその効力を失った場合における,その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきであったものの帰すう
(最二小判令和5年5月19日3番所有権抹消登記等請求事件)
(参考)原 審 東京高等裁判所令和3年10月21日判決
原々審 東京地方裁判所令和元年6月25日判決

婚姻費用分担審判において,夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否を審理判断することなく,夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の判断に違法があるとされた事例
(最二小決令和5年5月17日 婚姻費用分担申立て却下審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和4年7月14日決定
原々審 大阪家庭裁判所岸和田支部令和4年3月23日審判

◆家事関係裁判(1件)
子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による強制執行の申立てについて,債務者である父に引渡債務の不履行があったとはいえず,引渡債務に係る不履行のおそれを見いだすこともできないとして,同申立てを認容した原決定が取り消され,同申立てが却下された事例
(大阪高決令和3年8月4日 間接強制決定に対する執行抗告事件)
(参考)原 審 和歌山家庭裁判所令和3年6月3日審判

◆少年関係裁判(3件)
少年が,物の損壊や暴力等を行ったことから将来罪を犯すおそれがあるとされたぐ犯保護事件において,少年の問題性の根深さ等を指摘し,家裁係属歴がないことを考慮しても第1種少年院送致が相当とした原決定について,抗告を棄却した事例
(東京高決令和5年1月19日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

施設送致申請事件において,遵守事項違反の内容,程度,本人の問題性,保護観察の経過等を考慮し,本人を第1種少年院送致とするとともに,必要な保護観察期間等を考慮して収容期間を定めた事例
(金沢家決令和5年3月9日 施設送致申請事件)

特定少年である少年が,普通自動二輪車を無免許運転した道路交通法違反保護事件について,非行態様や同種非行による複数の保護処分歴があること等を考慮し,少年院送致を許容した上で,資質上の問題や保護環境等も踏まえ,少年を第1種少年院に送致し,収容期間を2年間とした事例
(那覇家沖縄支決令和5年3月7日 道路交通法違反保護事件)

◆人事訴訟・家事事件の手続のデジタル化 ~令和4年・令和5年改正民事訴訟法,人事訴訟法および家事事件手続法等の概要~
 農林水産省大臣官房法務支援室長(前法務省民事局参事官) 脇村 真治
 法務省民事局参事官(前民事法制企画官) 波多野紀夫
 
◆公正証書に係る一連の手続のデジタル化 ~令和5年改正公証人法の概要~
 法務省大臣官房会計課長(前法務省民事局総務課長) 村松 秀樹
 法務省民事局付兼総務課登記所適正配置対策室長 遠藤 啓佑

◆「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」の施行について
 内閣府政策統括官(政策調整担当)付参事官(性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進担当)付企画官 志村 和俊
 
◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第9回 少年事件と精神保健福祉法,医療観察法
 さいたま家庭裁判所部総括判事 加藤 学

少年矯正の現場から
第26回 少年院創立100周年を迎えて
 多摩少年院首席専門官(教育担当) 花里 征紀

民事信託と後見制度を併用する場合の諸問題
第4回 民事信託の受託者と任意後見人の地位の兼任について
 日公連民事信託研究会,日弁連信託センター

大相続時代と登記実務
第3回 遺言による所有権移転登記手続について
 司法書士 里村美喜夫

◆TOPIC 【令和6年3月1日から】戸籍制度が利用しやすくなります!
法務省民事局民事第一課
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◆座談会 所有者不明土地問題とこれからの相続
司会 山野目章夫 早稲田大学大学院法務研究科教授
   荒木理江 弁護士
   石田京子 早稲田大学大学院法務研究科教授
   大谷太 法務省大臣官房参事官
   小澤吉徳 日本司法書士会連合会会長
   姫野博昭 弁護士
   藤田正人 法務省民事局民事第二課長

◆最高裁判例(2件)
○離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことの許否
(最二小判令和4年12月26日 離婚等請求本訴,同反訴事件)
(参考)原 審 東京高等裁判所令和3年3月16日判決
    原々審 東京家庭裁判所令和2年6月1日判決

○国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還決定に基づき間接強制を申し立てた事案において,同申立ての後,子の返還の代替執行により子の返還が完了したことによって,同返還決定に係る強制執行の目的を達したことが明らかであるから,間接強制の申立ては不適法になったとして,同申立てを却下した原決定を維持し,抗告を棄却した事例
(最三小決令和4年6月21日 間接強制決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和3年4月14日決定
    原々審 大阪家庭裁判所令和3年2月1日決定

◆家事関係裁判(2件)
同居したことがない夫婦間における婚姻費用分担申立事件において,抗告人の申立てを却下した原審の判断を取り消し,相手方に支払いを命じた事例
(東京高決令和4年10月13日 婚姻費用分担申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 横浜家庭裁判所令和4年6月17日審判

養親である控訴人が,養子である被控訴人に対し,離縁を求めた事案において,縁組を継続し難い重大な事由は認められないとして控訴人の請求を棄却した原判決を維持し,控訴を棄却した事案
(名古屋高判令和3年6月11日 離縁請求控訴事件)
(参考)原 審 名古屋家庭裁判所令和2年12月23日判決

◆少年関係裁判(5件)
少年が自身をかねてより虐待してきた実母の頸部を包丁で突き刺したという殺人未遂保護事件において,相当長期間の処遇勧告を付し,医療措置終了後は第1種少年院への移送が相当として,第3種少年院に送致した原決定について,その処分が著しく不当であるとはいえないとして,抗告を棄却した事例
(東京高決令和4年5月27日 第3種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

○特定少年である少年が,営利目的で大麻を譲渡し,営利目的で大麻を所持した大麻取締法違反保護事件において,犯情の重さに加え,少年の保護処分歴や犯行後の情況,少年の性格,年齢,環境等を考慮し,刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(神戸家尼崎支決令和4年12月8日 大麻取締法違反保護事件)

○施設送致申請事件において,遵守事項違反の程度,少年の問題性の根深さ,保護観察の経過,医療措置の必要性等を考慮し,医療措置終了後は第1種少年院への移送が相当との処遇勧告を付した上で少年を第3種少年院送致とするとともに,併合審理された暴行,公務執行妨害及び傷害の各少年保護事件については不処分とした事例
(静岡家決令和4年9月22日 施設送致申請事件,暴行,公務執行妨害,傷害保護事件)

○特定少年である少年が,ゴミ集積所に置かれたゴミ袋等に放火し,公共の危険を生じさせたという建造物等以外放火保護事件について,犯行の結果等の犯情に加え,少年の性格・行状等を考慮し,刑事処分以外の措置が相当であると認め,少年を第1種少年院に送致し,収容期間を2年間とした事例
(大阪家決令和4年9月5日 建造物等以外放火保護事件)

○収容継続申請事件において,薬物依存の影響による心身の不調により少年院による十分な処遇が実施できておらず,仮退院後の就労や治療の実施にも不安が残ることなどの事情を考慮して,申請よりも3か月長い収容継続を認めた事例
(千葉家決令和3年5月24日 収容継続申請事件)

◆民法(親子法制)等の一部を改正する法律の概要
 法務省民事局参事官 佐藤隆幸
 内閣府大臣官房公益法人行政担当室企画官 (前法務省民事局民事法制企画官) 古谷真良
 さいたま地方検察庁検事(前法務省民事局付) 砂山博之
 札幌地方裁判所判事(前法務省民事局付) 濱岡恭平
 法務省民事局付 水谷遥香
(執筆者の肩書きは本稿執筆当時のもの)

◆改正少年法施行後の保護観察の運用状況について
 法務省保護局総務課専門官(執筆時 法務省保護局観察課専門官) 平畑昇平

◆連載
遺産分割事件のケース研究
 第12回・完 遺産分割の設例検討 ─ 平成30年・令和3年民法改正を踏まえた検討
 弁護士(元東京家庭裁判所部総括判事) 片岡武

少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第7回 座談会 少年事件の調査・審判
 司会・さいたま家庭裁判所部総括判事 加藤学 
 座談会企画担当・千葉家庭裁判所判事 藤永祐介 ほか

外国少年司法事情
 第36回 北欧(28) スウェーデンにおける軽警備刑務所について
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬健二

少年矯正の現場から
 第25回 検察官送致になった少年の処遇調査と処遇 ~調査センターにおける刑執行開始時調査とユニット型処遇~
 川越少年刑務所
 
民事信託と後見制度を併用する場合の諸問題
 第2回  民事信託の典型的な利用例と家庭裁判所において問題となり得るケース
 日公連民事信託研究会,日弁連信託センター
 
大相続時代と登記実務
 第1回 相続登記の義務化とはなにか
 司法書士 里村美喜夫
1,980円
◆特集 中学生のいま─ 問題を抱えた少年への関わり方と支援
 家庭裁判所の現場から
 大津家庭裁判所主任家庭裁判所調査官 堀田綾子
 
 児童自立支援施設にくる子どもたち
 国立武蔵野学院調査課長 栃堀正信
 国立武蔵野学院教務課第2寮寮長 富野大哲
  
 スクールカウンセラーの現場から
 公認心理師・臨床心理士・博士(小児発達学・メンタルヘルス支援領域) 三尾眞由美
  
 児童精神科医療・少年矯正医療の現場から
 さいたま少年鑑別所医務課長・児童精神科医 河嶌貴子

〈令和3年改正民法の実務②〉
◆論説 新しい管理不全土地等管理制度の実務運用について
日本司法書士会連合会不動産登記法改正等対策部 部委員・司法書士 齋藤毅

◆最高裁判例(1件)
❖子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三小決令和4年11月30日 間接強制決定に対する執行抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和3年10月8日決定
    原々審 和歌山家庭裁判所令和3年7月13日決定

◆家事関係裁判(2件)
❖子の引渡しを命じる家事審判の間接強制の申立てが権利の濫用に当たるものとして却下された事例
(名古屋高金沢支決令和4年3月31日 間接強制申立却下決定に対する執行抗告事件)
(参考)原 審 富山家庭裁判所令和3年12月23日決定

❖相続財産である4筆の土地について,被相続人は,長年にわたり,地元の公共財産として申立人である市の公共の用に供してきており,将来的にもその現状が維持されることを望んでいたとして,申立人である市を特別縁故者と認めて4筆の土地をいずれも市に分与した事例
(水戸家審令和4年7月13日 特別縁故者に対する相続財産分与申立事件)

◆少年関係裁判(2件)
❖少年(特定少年)が,氏名不詳者らと共謀の上,警察官になりすまして,高齢者らからキャッシュカード等を盗み,それを使用して現金を窃取するなどした窃盗,詐欺保護事件について,犯情の悪質性,少年の立場,保護処分歴,保護環境等を考慮の上,刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(鳥取家決令和4年9月26日 窃盗,詐欺保護事件)

❖麻薬及び向精神薬取締法違反(麻薬と誤認して覚醒剤を自己使用),大麻取締法違反(大麻所持)保護事件において,本件が常習的な違法薬物使用,所持の一環として行われたこと等を指摘し,犯情の程度は重く,少年院送致も許容されるとした上で,非行性の悪化等を指摘し,少年を第1種少年院送致とし,収容期間を3年間と定めた事例
(千葉家決令和4年6月24日 麻薬及び向精神薬取締法違反,大麻取締法違反保護事件)

◆法務省「相続登記の申請義務化の施行に向けたマスタープラン」の公表
 法務省大臣官房司法法制部審査監督課法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 古田辰美
 法務省民事局民事第二課法務専門官 太田裕介

◆相続土地国庫帰属制度の具体的運用について
 法務省民事局付 森下宏輝
 法務省民事局民事第二課補佐官 三枝稔宗
 法務省民事局民事第二課補佐官 河瀬貴之
 法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官 手塚久美子
 法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清水玖美
 
◆少年院・少年鑑別所における改正少年法等の運用状況について
 法務省矯正局少年矯正課企画官(少年院係) 藤原尚子
 法務省矯正局少年矯正課企画官(少年鑑別所係) 等々力伸司

◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第6回 年齢切迫事件をめぐる諸問題
 岡山地方・家庭裁判所倉敷支部判事補 横澤慶太

外国少年司法事情
 第35回 北欧  スウェーデンにおける元犯罪者に対する社会復帰支援─ クリスの活動について
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬健二
 
更生保護の現場から
 第24回 更生保護就労支援事業について
 愛知県更生保護就労支援事業所長 井坂巧
 
公証家事実務Q&A
 第19回 負担付相続(遺贈)遺言と遺言による信託設定
 葵町公証役場公証人 田近年則
 
子どもの手続代理人のケース研究
 第1回 事例検討① 家庭裁判所調査官と子どもの手続代理人の協働により子どもの意見形成支援及び子どもの意向を中心とした調整が行われた事例
 日弁連子どもの権利委員会

民事信託と後見制度を併用する場合の諸問題
 第1回 民事信託と後見制度の特徴・比較
 日公連民事信託研究会,日弁連信託センター

◆家庭裁判所事件の概況(2・完)─少年事件─ 最高裁判所事務総局家庭局
1,980円
◆特集 家事事件手続のIT化と実務上の課題
・家事事件手続のIT化─利用者に利用しやすい家事事件手続に向けて
 一橋大学大学院法学研究科教授 山本 和彦
・弁護士実務における家事事件のIT化への対応と課題
 弁護士 櫻井 美幸
・家事事件のIT化の在り方と「3つのe」の展望
 弁護士 平岡 敦
・家事調停手続におけるウェブ会議の運用と課題(4庁における試行結果を中心に)
 最高裁判所事務総局家庭局第一課長 戸苅 左近
 
 〈令和3年改正民法の実務①〉
◆論説 新しい所有者不明土地等管理制度の実務運用について
 日本司法書士会連合会不動産登記法改正等対策部 部委員・司法書士 齋藤 毅
 
◆最高裁判例(1件)
民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否
(最一小決令和4年10月6日 財産開示手続実施決定に対する執行抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
(参考)原審 東京高等裁判所令和3年9月29日決定
    原々審 東京地方裁判所令和3年7月1日決定
   
◆家事関係裁判(7件)
別居中の夫婦間において,妻である抗告人が,夫である相手方に対し,前件調停で定められた未成年者らとの面会交流に関する条項の変更を求める事案において,原審が抗告人と未成年者らとの面会交流を間接交流とするのが相当であるとしたのに対し,抗告審は,長女に対する調査の実施時期や間接交流の継続的な実施状況等を踏まえ,未成年者らの意向・心情等の調査を改めて実施し,直接交流の可否や面会交流の具体的方法等を検討する必要があるとして,原審に差し戻した事例
(東京高決令和4年8月18日 面会交流審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和4年3月30日審判

別居中の夫婦間において,妻である原審申立人が,夫で開業医である原審相手方に対して婚姻費用分担金の支払を求めた事案において,義務者である原審相手方の収入が標準算定方式の上限を超えることから,原審が,同方式によらず,同居時の生活水準や生活費支出状況,別居後の家計収支及び生活状況等の諸般の事情を踏まえて婚姻費用の分担額を定めたのに対し,抗告審においては,同方式を維持した上で,高額所得者である原審相手方の基礎収入について,同人の総収入から控除する税金や社会保険料,職業費及び特別経費について,事業収入の特殊性を踏まえた数値を用い,更に一定の貯蓄分を控除して婚姻費用分担額を算定した事例
(大阪高決令和4年2月24日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和3年6月22日審判

公正証書に基づく養育費支払義務の減額を求める審判及び調停を本案とする強制執行の停止を求める審判前の保全処分における保全の必要性について判断した事例
(東京高決令和3年5月26日 審判前の保全処分(強制執行停止)申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所立川支部令和3年4月14日審判

親子関係の不存在確認に係る合意に相当する審判に対して異議を申し立てることができる利害関係人の範囲について判断した事例
(大阪高決令和3年3月12日 合意に相当する審判に対する異議申立却下審判に対する抗告事件)

不在者に対する債権者となる可能性を有する者が不在者について失踪の宣告を申し立てた事案につき,債権者となる可能性があるにとどまる者は民法30条1項の「利害関係人」に該当しないとして,申立てを却下した原審判を維持した事例
(東京高決令和2年11月30日 失踪宣告申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和2年9月24日審判

中国の裁判所で成立した養育費に関する調停に基づき,我が国で養育費増額の調停が申し立てられ,その後審判手続に移行した事案について,中国の裁判所で成立した調停につき民事訴訟法118条4号の「相互の保証」があるとは認められないとして,養育費の増額の審判ではなく,新規の養育費算定の審判をした事例
(横浜家川崎支審令和3年12月17日 養育費(増額)申立事件)

離婚を認容する判決において,財産分与として,夫婦が同居中から飼育する犬の帰属につき判断するとともに,財産分与の扶養的要素を考慮して,飼育費用を負担させる趣旨で定期金の支払が命じられた事例
(福岡家久留米支判令和2年9月24日 離婚請求事件,反訴慰謝料等請求事件)

◆少年関係裁判(1件)
少年法62条2項2号に該当する事件を検察官に送致した事例
(大阪家決令和4年8月5日 逮捕監禁致傷,営利略取,営利略取未遂,傷害保護事件)

◆連 載 外国少年司法事情
・第34回 北欧  スウェーデンのハーフウェイハウスについて
 立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二
・少年矯正の現場から
 第24回 女子少年院在院者の特性に応じた処遇等について ~交野女子学院の取組~
 交野女子学院首席専門官 大道真佐美

◆TOPIC 遺産分割等の促進に向けた弁護士会と法務局の連携の取組
 法務省民事局民事第二課法務専門官 齋藤 貴宏
 法務省民事局民事第二課不動産登記第一係員 佐藤 祐太 
 
◆家庭裁判所事件の概況⑴─家事事件─ 最高裁判所事務総局家庭局
1,980円
◆特 集 社会的養護の実情 ─家庭での養育が困難な子の福祉

・社会的養護の実情と里親委託の推進を中心とした今後の課題
 全国家庭養護推進ネットワーク代表幹事・養育里親(元厚生労働省障害保健福祉部長) 藤井 康弘

・社会的養護における子どもの意見表明権~子どもが自分の人生を歩くために~
 弁護士・社会福祉士・公認心理師・精神保健福祉士(前明石こどもセンター(明石市児童相談所)常勤弁護士) 浦 弘文

・一時保護の実情と課題
 弁護士 進藤 千絵

・民法等改正後の特別養子縁組審判の実情について
 東京家庭裁判所判事 今井 弘晃

◆家事関係裁判(5件)
❖財産分与の基準時における財産中に,相続によって取得した特有財産部分の存在を証拠上認めることができない場合においても,上記財産を取得していたことによって基準時における財産分与対象財産が増加し,あるいはその費消を免れたことが推認できるとして,相続により財産を取得していた事情を民法768条3項の「一切の事情」として考慮して財産分与の額を定めた事例
(東京高決令和4年3月25日 財産分与審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和3年11月25日審判

❖当事者双方とも年金収入がある婚姻費用分担請求事件において,いわゆる標準算定方式の適用にあたって,年金収入を給与収入に換算する場合には,職業費がかかっていないことから修正計算をした一方で,事業収入に換算する場合には,事業収入は既に職業費に相当0する費用を控除済みであるとして,修正計算は必要ないとした事例
(東京高決令和4年3月17日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)

❖国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,父である相手方が,母である抗告人に対し,乳児である子をその常居所地国であるオーストラリア連邦に返還するよう求めた事案において,子の常居所地国はオーストラリア連邦であると認めて子の返還を命じた原決定を取り消し,子の常居所地国がオーストラリア連邦であると認めることはできないとして,子の返還申立てを却下した事例
(大阪高決令和3年5月26日 子の返還決定に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和3年1月6日決定

❖抗告人が死亡した養子との死後離縁の許可を求める事案において,原審は推定相続人廃除の手続を潜脱する目的でなされた恣意的なものであると認めざるを得ないとして申立てを却下したが,抗告審は,申立てが生存養親又は養子の真意に基づくものである限り,原則としてこれを許可すべきであるが,離縁により養子の未成年の子が養親から扶養を受けられず生活に困窮することとなるなど,社会通念上容認し得ない事情がある場合には,これを許可すべきではないと解した上で,本件は,利害関係参加人の就労実績や相当多額の遺産を相続しており,利害関係参加人が抗告人の代襲相続人の地位を喪失することとなっても生活に困窮するとは認められないことなどから,社会通念上容認し得ない事情があるということはできないと判断し,このことは抗告人に利害関係参加人を自らの相続人から廃除したいという意図があるとしても左右されるものではないとし,原審判を取り消し,本件申立てを許可した事例
(大阪高決令和3年3月30日 死後離縁許可申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 神戸家庭裁判所姫路支部令和2年11月16日審判

❖申立人である子が,相手方(日本国籍)に認知を求めた事案において,フィリピンの裁判所において母と前夫(いずれもフィリピン国籍)の婚姻を無効とする判決が確定しているところ,これにより同判決の確定前に出生した子である申立人と前夫との間の嫡出親子関係が遡及的に否定されるものではないが,同親子関係を証明するに足りるフィリピン家族法172条に規定される証拠がないことから,申立人と前夫の間の同親子関係を認めることはできないとした上で,申立人が相手方の子であることを認知する旨の合意に相当する審判がなされた事例
(東京家審令和4年1月19日 認知調停申立事件)

◆少年関係裁判(3件)

◆「家族法制の見直しに関する中間試案」の取りまとめについて

◆改正少年法施行後の運用状況について
 最高裁判所事務総局家庭局付 福岡 涼

◆「少年院法」及び「少年院法施行規則」等の改正とその運用について
 ~特定少年に対する矯正教育と第五種少年院の運用~
 法務省矯正局少年矯正課長 西岡 潔子
 法務省矯正局少年矯正課上席補佐官 滝浦 将士

◆連 載 少年実務 THE BASICS AND BEYOND
・第5回 国選付添人をめぐる諸問題
 司法研修所教官 佐藤 傑

・外国少年司法事情
 第33回 北欧 スウェーデンの最新の動向 ─法改正等の動き
 立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二

・更生保護の現場から
 第23回 更生保護における多機関・多職種連携の重要性について
 千葉保護観察所統括保護観察官 里見 有功

・子どもの話を聴くための手法と実践例 ─司法面接の技法をいかして
 第12回 司法面接で得られた情報の評価(完)
 理化学研究所理事・立命館大学OIC総合研究機構客員教授 仲 真紀子
1,980円
◆特集 現代の薬物非行─ 大麻非行を中心に

・少年の大麻事犯の情勢について
 警察庁生活安全局人身安全・少年課課長補佐 亀山 直樹

・大麻非行の調査・審判における工夫・留意点
 福岡家庭裁判所判事補 窓岩 亮佑
 福岡家庭裁判所家庭裁判所調査官 今井 奈津

・少年院における大麻問題を抱えた在院者の処遇の実情について
 法務省矯正局少年矯正課上席補佐官 滝浦 将士
 法務省矯正研修所効果検証センター効果検証官 坂井 智美

・保護観察における大麻の経験を有する少年の対応について
 東京保護観察所首席保護観察官 朝倉 祐子

◆最高裁判例(2件)
・父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることの許否
(最一小決令和3年3月29日 子の監護に関する処分(監護者指定)審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和2年1月16日決定
    原々審 大阪家庭裁判所令和元年9月27日審判

・父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることの許否
(最一小決令和3年3月29日 子の監護に関する処分(面会交流)申立て却下審判に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和元年11月29日決定
    原々審 京都家庭裁判所令和元年8月15日審判

◆家事関係裁判(6件)
・被相続人を保険契約者兼被保険者とし,共同相続人の1人を死亡保険金の受取人とする生命保険契約に基づく死亡保険金請求権について,民法903条の類推適用による特別受益に準じた持戻しを否定した事例
(広島高決令和4年2月25日 遺産分割申立認容審判に対する即時抗告事件)
(参考)原 審 広島家庭裁判所令和3年12月17日審判

・相手方(妻)が抗告人(夫)に対し,婚姻費用の分担金の支払を求めた事案において,婚姻費用分担額の算定に当たっては生活保護費を収入と評価することはできないとし,相手方の病歴や障害等級,就労実績,医師の見解,現在の状況等に鑑みて,現時点においては,相手方に潜在的稼働能力があるとは認められないとして,抗告人に婚姻費用の分担金の支払を命じることは相当であるとした事例
(東京高決令和4年2月4日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 さいたま家庭裁判所越谷支部令和3年10月21日審判

・相手方が抗告人に対し,未成年者の監護者を相手方と定めるとともに,未成年者の引渡しを求めた事案において,抗告人による監護状況の改善や相手方と未成年者との面会交流の段階的実現といった新たな事情に加え,従前の主たる監護者が抗告人であったこと,相手方において未成年者の監護実績が乏しいことなどを指摘し,原審判を取り消し,未成年者の監護者を抗告人と定め,相手方による未成年者の引渡しを求める申立てを却下した事例
(東京高決令和3年8月6日 子の監護者の指定及び子の引渡し審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和2年10月9日審判

・離婚した抗告人(母A)と相手方(父B)の間において,未成年者ら(C,D)の親権者である相手方が前件調停条項により未成年者らを監護する抗告人に対し,未成年者らを相手方に引き渡すよう求めた事案において,原審は,前提とされた前件調停条項の面会交流が実施されないことから,相手方自身が監護するために未成年者らの引渡しを求めているのであるから,未成年者らの福祉に反することが明らかな場合など特段の事情がない限り,抗告人は,これを拒むことができないと判断して,相手方の申立てを認めたが,抗告審は,前件調停条項どおりの面会交流が実施できなかった責任が主として抗告人にあるとはいえず,相手方は,前件調停条項における抗告人への未成年者らの監護の委託を解除することができないから,抗告人は,現在でも相手方から委託されているというべきであるとした上で,抗告人による監護状況や未成年者らと相手方又は抗告人との親和性,未成年者らの意思等を総合考慮すると,子の福祉の観点から,現時点において,未成年者らを相手方に引き渡すのは相当でないと判断して,原審判を取り消し,相手方の申立てを却下した事例
(東京高決令和3年5月13日 子の引渡し審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 横浜家庭裁判所令和2年11月12日審判

・遺産分割の審判を本案とする審判前の保全処分における被保全権利は,既存の権利ではなく,本案の終局審判で形成される具体的権利であると解され,その発令には本案の終局審判で当該係争物の給付が命ぜられる見込みが一応あるといえることの疎明を要するとした事例
(東京高決令和3年4月15日 審判前の保全処分(遺産分割)申立却下審判に対する抗告事件)

・被相続人の相続人(長女)である控訴人(1審原告)が,被相続人と共同経営者であった被控訴人(1審被告)に対し,被相続人の生前,同人の意思に基づくことなく5270万円余の送金等を受けて金員を領得したと主張して,不当利得返還請求権に基づき控訴人の法定相続分(2分の1)に相当する2940万円余の支払を求めた事案において,二度にわたる贈与契約の締結当時,被相続人が意思能力を有していなかったとは認められず,被控訴人への送金等は有効な贈与契約の履行としてされたものであり,法律上の原因なくされたものではないから,控訴人の請求は理由がないとした原審の判断が維持された事例
(東京高判令和2年9月29日 不当利得返還請求控訴事件)
(参考)原 審 さいたま地方裁判所令和2年1月30日判決

◆少年関係裁判(2件)
・児童自立支援施設入所中の少年が,保護者の正当な監督に服さず,施設職員に傷害を負わせるなどし,将来においても罪を犯すおそれがあるというぐ犯保護事件及び強制的措置許可申請事件において,前者について少年を児童自立支援施設に送致するとともに,後者について事件を児童相談所長に送致し,強制的措置を許可した事例
(千葉家決令和4年3月29日 ぐ犯保護事件及び強制的措置許可申請事件)

・少年が,共謀の上,被害者に対し,暴行を加え,現金を強取して傷害を負わせるなどした強盗致傷,強盗及びぐ犯保護事件において,ぐ犯事実は強盗致傷及び強盗の非行に吸収されるとした上で,試験観察により少年の問題性の根深さやその矯正の難しさが浮き彫りになったこと等を指摘し,少年を第1種少年院送致とした事例
(東京家決令和4年1月13日 強盗致傷,強盗及びぐ犯保護事件)

◆相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令の概要
法務省民事局付 森下 宏輝

◆相続登記の義務化・遺産分割等に関する認知度等調査結果の概要
法務省民事局付 新居 拓馬
法務省民事局民事第二課法規係員 岩井 智樹

◆連 載 少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第4回 観護措置をめぐる諸問題
  広島高等裁判所松江支部判事 福嶋 一訓
 
 外国少年司法事情
 第32回 欧州(7) ドイツの刑事事件・少年事件等の概況(2)
  立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二
 
 少年矯正の現場から
 第23回 薬物事犯の少年の鑑別について~大麻を中心に~
  札幌少年鑑別所函館少年鑑別支所分所長 東山 哲也
1,980円
◆調停制度100周年に寄せて
家事調停制度の沿革~利用者のニーズの変化に応えて~

弁護士・元広島高等裁判所長官 西岡清一郎
これからの時代のニーズに即した在るべき調停運営の模索~家事調停の最新の取組~
東京家庭裁判所判事 今井 弘晃

◆特 集 実務家による終活支援の実情と課題

終活をめぐる弁護士相談と受任の実情
弁護士 冨永 忠祐

弁護士による終活支援の実務と留意点
弁護士 八杖 友一

お一人様の終活と各種の公正証書の利用
麹町公証役場公証人 齊木 敏文

高齢期の介護・福祉サービスと終活
社会福祉士・東京大学大学院教育学研究科特任専門職員 佐々木佐織

◆論 説
ニューヨーク州の離婚訴訟におけるディスカバリ制度─日本の離婚調停手続に対する示唆─
ニューヨーク州弁護士・元コロンビア大学客員研究員 白木 敦士

特定少年の保護者について
さいたま家庭裁判所判事 加藤 学
秋田地方・家庭裁判所大館支部判事補 須川 智裕

◆家事関係裁判(4件)
夫名義の複数の不動産,夫婦それぞれの名義の銀行預金を有する夫婦間の財産分与申立事件において,財産分与対象財産中に,夫の両親が夫婦のためにそれぞれの名義で形成した財産が相当額含まれているとして,この事情を民法768条3項にいう「一切の事情」として考慮して財産分与の額及び方法を定めた事例
(東京高決令和3年12月24日 財産分与審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 千葉家庭裁判所佐倉支部令和3年8月31日審判

国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,母である相手方が,父である抗告人に対し,子らをその常居所地国であるフランス共和国に返還するよう求めた事案において,相手方が主張する返還拒否事由があるとは認められないなどとして,子らの返還を命じた原決定は相当であるとして抗告を棄却した事例
(大阪高決令和2年12月8日 子の返還決定に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和2年9月11日決定

❖婚約の破棄に至る一連の行為が不法行為を構成するとの主張に対して,原告の主張する事項ないし行為ごとに検討し,不法行為の成立を否定した事例
(東京地判令和3年6月7日 損害賠償請求事件)

❖1 公正証書遺言と自書証書遺言が同じ日の午前と午後とに相次いで作成されたケースで,後から作成された自書証書遺言には,遺言者の自書性,遺言能力に問題があるとして,その効力が争われた事例において,後の自筆証書遺言は真正に作成された有効なものであり,これにより先の公正証書遺言は撤回されたものと判断された事例
2 自筆証書において,受遺者の氏名と続柄が一致しないケースで,遺言者と受遺者の交流関係や遺言者が周囲に表明していた事柄から,氏名の記載は勘違いないし記憶違いによる誤記であると認定した上,正しい氏名の受遺者に遺贈されたものと判断された事例
(神戸地判令和元年10月24日所有権移転登記手続等請求事件(本訴),2自筆証書遺言書無効
確認反訴請求事件(反訴))

◆少年関係裁判(1件)
❖送致された非行事実の一部について事実が認められないことを理由として保護処分に付さ
ない旨の決定を受けた少年について,少年の保護事件に係る補償に関する法律3条2号を
適用して,補償の全部をしない旨の決定をした事例
(那覇家決令和3年11月2日 少年補償事件)

◆「新しい運営モデル」の下での間接交流の検討・調整における留意点について
東京家庭裁判所面会交流プロジェクトチーム

◆「更生保護法」及び「犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則」の改正とその運用について
法務省保護局観察課専門官 平畑 昇平

◆連 載

少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第3回 移送・回付をめぐる諸問題
釧路地方・家庭裁判所帯広支部判事補 髙田 浩平

外国少年司法事情
第31回 欧州(6) ドイツの刑事事件・少年事件等の概況(1)
立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二

更生保護の現場から
第22回 更生保護施設やんばる青年隊(一般社団法人沖縄産業開発青年協会)
~その概要と保護観察対象者への処遇~
法務省那覇保護観察所長 岡田 和也
更生保護施設やんばる青年隊施設長 座間味秀樹

公証家事実務Q&A
第18回 公正証書遺言の検索,閲覧,正謄本の請求
札幌中公証役場公証人 竹内 純一

子どもの話を聴くための手法と実践例 ─司法面接の技法をいかして
第11回 司法面接のトレーニングとピアレビュウ
理化学研究所理事・立命館大学OIC総合研究機構客員教授 仲 真紀子
1,980円
◆特集 ステップファミリーをめぐる諸問題

・ステップファミリーをめぐる日本的課題─子どもの権利に着目して
 明治学院大学社会学部教授 野沢 慎司

・再婚に伴うステップファミリー当事者の扶養義務と養育費の支払─裁判例分析を中心として
 慶應義塾大学名誉教授 犬伏 由子

・親の再婚による面会交流への影響と支援の実情・課題
 公益社団法人家庭問題情報センター主任研究員・面会交流支援事業部 笠松奈津子

・ステップファミリーと養子制度の在り方について─「連れ子養子」は子の利益になるか
 大阪産業大学経済学部准教授 菊地 真理

◆最高裁判例(1件)
❖離婚に伴う慰謝料として夫婦の一方が負担すべき損害賠償債務が履行遅滞となる時期
(最二小判令和4年1月28日 離婚等請求本訴,同反訴事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和2年9月3日判決
  第1審 大津家庭裁判所令和元年11月15日判決

◆家事関係裁判(7件)
❖自筆証書遺言の作成当時,遺言者が遺言能力を欠いていたとして,遺言者の遺言能力を認め遺言を有効とした原判決を取り消し,当該遺言を無効と判断した事例
(東京高判令和元年10月16日 遺言無効確認請求控訴事件)
(参考)原 審 東京地方裁判所立川支部平成30年11月28日判決

❖成年に達した子からの扶養に関する処分請求の申立てを却下した原審判を取り消して,扶養料の支払を命じた抗告審の事例
(福岡高決令和元年9月2日 扶養に関する処分申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 福岡家庭裁判所小倉支部平成30年11月30日審判

◇特別縁故者に対する相続財産の分与申立事件において
1 申立て後,審判前に死亡した申立人の相続人らに相続財産の一部を分与した事例
2 申立人が既に民法958条の3第2項の期間を経過した者との間で,申立人に対する相続財産分与審判が確定することを停止条件とする贈与契約を締結したことの考慮の当否を判断した事例
(山口家裁周南支審令和3年3月29日 特別縁故者に対する相続財産分与申立事件)

◇養子となる者の実父が養子となる者と申立人ら(養父となる者及び養母となる者)との間の特別養子縁組に同意していない事案において,民法817条の6ただし書を適用して,申立人らと養子となる者との間における縁組について特別養子適格があることを確認した事例
(名古屋家審令和3年2月26日 特別養子適格の確認申立事件)

◇妻である申立人が夫である相手方に対し婚姻費用の分担を求めた事案において,会社の代表取締役である相手方の役員報酬の減額が不当なものとはいえないとして減額後の役員報酬額をもって相手方の収入と認定した上で,相手方が前妻との間の子の養育費を支払っていることや相手方が申立人の居住する住宅ローンの支払を行っていることなどによる修正を行って婚姻費用月額を算定した事例
(東京家審令和3年1月29日 婚姻費用分担申立事件)

◇申立人(父)に対して恐怖心を抱いている未成年者らの心情を考慮して,未成年者らとの直接的な面会交流が相当ではなく,まずは従前から実施していた電話や手紙による間接交流の実施を重ね,未成年者らの不安や葛藤を低減していくのが相当とし,間接交流の具体的な方法等について詳細に検討した事例
(奈良家審令和2年9月18日 面会交流申立事件)

◇1 第1の公正証書遺言から7年経過後に作成された第2の公正証書遺言が他人のなりすましによるとしてその効力が争われた事例において,提出された4通の私的筆跡鑑定を子細に検討した上,公証人が現認した当時の遺言者の様子と遺言者の属性に矛盾がないことや,遺言者との人間関係からみて遺言内容の変遷に不自然なところはないなどとして,第2の公正証書遺言は真正に作成した有効なものであると判断された事例
2 遺言者から生前交付された500万円につき,贈与ではなく貸金であると認定された事例
(大阪地判令和2年6月24日 不当利得返還請求事件(甲事件),貸金請求事件(乙事件))

◆少年関係裁判(1件)
◇少年が,共犯者とともに友人の自殺を援助したという自殺幇助保護事件において,犯情は検察官送致をするほどに重いとは認められず,少年の行状等も考慮すると,保護処分を相当と認めるが,安易に不適切な解決方法を選択しやすいとの問題点を自覚させ,適切な社会性を身に付けさせるためには,長期間の系統立った矯正教育が必要であるとして,少年を第1種少年院送致(2年程度の相当長期間の処遇勧告)とした事例
(千葉家決令和3年12月10日 自殺幇助保護事件)

◆令和3年民法等改正における相続登記及び遺産分割の促進と運用について
福岡高等裁判所那覇支部判事(前法務省民事局付) 吉賀朝哉
那覇地方・家庭裁判所沖縄支部判事補(前法務省民事局付) 中丸隆之

◆少年審判規則及び刑事訴訟規則の一部を改正する規則の解説
(少年審判規則関係)
最高裁判所事務総局家庭局第一課長 戸苅左近
最高裁判所事務総局家庭局付 福岡涼

◆少年調査票の新たな様式について
最高裁判所事務総局家庭局第三課課長補佐 小野裕輝
大阪家庭裁判所総括主任家庭裁判所調査官 柳下哲矢

◆連載
遺産分割事件のケース研究
 第11回 事例検討⑪ 事例研究を通じた遺産分割の特別受益と寄与分
水戸地方・家庭裁判所麻生支部判事 數間薫

外国少年司法事情
 第30回 欧州⑸ ドイツの少年法制⑸
立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬健二

少年矯正の現場から
 第22回特定少年に対する特定生活指導「成年社会参画指導」について
多摩少年院首席専門官(教育担当) 大門貴彦
1,980円
◆特集 特定少年の処遇─令和3年改正少年法
【座談会】
松原 里美◯弁護士 (司会)
廣瀬 健二◯立教大学法学部特定課題研究員
加藤 学◯さいたま家庭裁判所部総括判事
髙橋 明宏◯東京家庭裁判所判事
岩﨑 貴彦◯千葉地方裁判所判事
中田 潔◯東京家庭裁判所総括主任家庭裁判所調査官
松田 和哲◯弁護士
【論説】
逆送規定の改正について
南山大学名誉教授 丸山 雅夫

◆最高裁判例(2件)
・性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号と憲法13条,14条1項
(最三小決令和3年11月30日 性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和2年6月4日決定
    原々審 神戸家庭裁判所尼崎支部令和2年2月10日審判
・財産の分与に関する処分の審判の申立てを却下する審判に対し相手方が即時抗告をすることの許否
(最一小決令和3年10月28日 財産分与申立て却下審判に対する抗告一部却下等決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 広島高等裁判所令和2年10月29日決定
    原々審 広島家庭裁判所令和2年6月30日審判

◆家事関係裁判(5件)
・抗告人(母)が未成年者らを相手方(父)と直接的面会交流させることを内容として成立した調停調書に基づいて相手方が間接強制を申し立てた事案において,当事者間では新型コロナウイルス感染症の流行拡大を踏まえて代替としてビデオ通話を利用するなどして面会交流が実施されてきており,実際に何らの面会交流もされなかったのは緊急事態宣言発令下の1回のみであること,上記調停調書が定める以外にも抗告人が未成年者らを相手方と直接的面会交流させてきたこと等の事情によれば,相手方が間接強制により面会交流させる義務の履行を求めることは過酷執行に当たるなどとして,原決定を取り消し,相手方の間接強制の申立てを却下した事例
(大阪高決令和3年8月2日 間接強制決定に対する執行抗告事件)
(参考)原 審 京都家庭裁判所令和3年5月31日決定

・元妻である相手方が元夫である抗告人に対して財産分与を求めた事案において,原審は,抗告人が開示を拒否し,調査嘱託にも同意をしなかったため,金融機関が預金口座の取引履歴に係る調査嘱託に応じなかった普通預金につき,相手方が保有していた当該預金口座の過去の一時期の通帳の写しの内容や財産分与の基準時における預金残高が判明しなかった経緯から相手方による当該預金口座の基準時の残高の推計に合理性を認め,その残高が少なくとも440万円であったと推認し,同額が財産分与の対象になると判断したところ,抗告審において,抗告人が基準時の残高が168万円余りであることを示す当該預金口座の通帳の写しを提出したものの,抗告審は,抗告人の本件手続の追行は,財産隠しと評されてもやむを得ないものであって,明らかに信義に反し不誠実なものというほかなく,このことに,相手方による上記の推計には相応の合理性があることを併せ考慮すれば,抗告人は,本件手続において判明していない口座を有しており,440万円から168万円余りを差し引いた金額を同口座に保管しているものと認めるのが相当であるとして抗告を棄却した事例
(大阪高決令和3年1月13日 財産分与審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和2年9月14日審判

・申立人(日本国籍・母)が相手方(F国籍・父)に対し,いずれも日本国籍を有する未成年者ら(C,D,E)の監護者を申立人と定めることを求めるとともに,相手方が未成年者C及びDを連れ去った上,無断で日本国外に出国したなどと主張して未成年者両名の引渡しを求めた事案において,準拠法は未成年者らと申立人との同一本国法である日本法とした上で,別居までの未成年者らの主たる監護者は申立人であって,相手方は,別居前,未成年者らの監護養育への関与は限定的であった上,別居に際し,未成年者C,Dの単独監護の開始を強行し,日本の家庭裁判所での手続中に,申立人に無断で未成年者両名の旅券を虚偽の届出により取得し,海外渡航させ,申立人と未成年者両名との交流をほぼ全面的に断ち,従前と全く異なる生活環境において未成年者両名を監護しようとしており,監護者としての適格を欠くというべきであるとして,申立人の各申立てをいずれも認容した事例
(東京家審令和3年5月31日 ①子の監護者の指定申立事件,②子の引渡し申立事件)

・日本及びD国の国籍を有する原告(妻)が,チェコ及びE国の国籍を有する被告(夫)に対し,離婚を求めるとともにD国及びE国の国籍だけでなく,チェコ国籍を有することに争いがある長男の親権者を原告と定めること等を申し立てた事案において,親子間の法律
関係の準拠法については,法の適用に関する通則法により,原告は日本法通則法38条1項ただし書),被告は約24年間チェコに在住していたこと等からチェコ法(通則法38条1項本文),長男はチェコ国籍を有するものと認めた上で約2年半チェコに居住し永住権も
取得していること等からチェコ法(通則法38条1項本文)がそれぞれ本国法となり,子である長男の本国法と父である被告の本国法が同一であるから,親子間の法律関係はチェコ法が適用(通則法32条)されるとし,長男の親権者・監護については,チェコ民法においては,離婚後も親責任を有するが,被告は様々な国に転々と赴任し長男の養育環境としては不安定な面があることは否定できないなどとして原告の単独監護(チェコ民法907条1項)に委ねることが相当であるとし,原告の請求を認容した事例
(東京家判令和3年3月29日 離婚等請求事件)

・申立人である出生届未了の子が申立人の母(フィリピン国籍)の元夫である相手方(日本国籍)に対し,嫡出否認の調停を申し立てた事案において,準拠法に関し,本件において申立人が相手方の嫡出子であることが否認されるためには,①相手方と母が婚姻していたことから,父とされる相手方の本国法である日本法及び母の本国法であるフィリピン法のいずれかにおいて嫡出である子の親子関係が認められ,かつ,②その法に基づき嫡出性を否認することが可能であることが必要であるとし,夫のみが訴えを提起することができることとされている嫡出の否認(民法774条,775条)についても,子が申し立てた嫡出否認の調停において合意に相当する審判を行うことができるとした上で,日本法及びフィリピン法のいずれの下でも,申立人が相手方の嫡出子であることは否認されるべきものであると判断し,嫡出否認の合意に相当する審判をした事例
(東京家審令和3年1月4日 嫡出否認申立事件)

◆少年関係裁判(1件)
少年が,被害者を引き倒して腹部を踏みつけるなどの暴行を加え,腹部挫傷等の傷害を負わせたという傷害保護事件において,少年を第1種少年院送致とした原決定に対する処分の著しい不当を理由とする抗告につき,試験観察中に補導委託先から無断退去し,不良交友に居場所を求めたこと等を指摘し,抗告を棄却した事例
(東京高決令和3年9月6日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第2回 ぐ犯保護事件の諸問題(その2)
 秋田地方・家庭裁判所判事 柴田 雅司

更生保護の現場から
 第21回 地方更生保護委員会における82条調査・調整の推進と展望について
 近畿地方更生保護委員会事務局調整指導官 歌原 拓人

公証家事実務Q&A
 第17回 自筆証書遺言書の保管制度
 世田谷公証役場公証人 中山 顕裕

子どもの話を聴くための手法と実践例─ 司法面接の技法をいかして
 第10回 性的虐待,三機関による協同面接について
 理化学研究所理事・立命館大学OIC総合研究機構客員教授 仲 真紀子

◆家庭裁判所事件の概況(2・完)─少年事件─ 最高裁判所事務総局家庭局
1,980円
◆特集 成年年齢引下げに伴う影響と対応

・成年年齢引下げについて─家事事件,児童福祉法等を中心に─
法務省民事局参事官 北村治樹
厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課長 中野孝浩

・成年年齢引下げに伴う家庭裁判所実務への影響と留意点
東京家庭裁判所判事 佐藤康憲

・成年年齢引下げによる若年者の消費者被害への影響と対策の実情
弁護士 平澤慎一

・成年年齢引下げと高校現場の対応
弁護士・兵庫教育大学大学院学校教育研究科准教授 神内聡

・成年年齢引下げに伴う児童福祉分野への影響
弁護士 浜田真樹


◆家事関係裁判(6件)

・婚姻費用の算定に当たり,失職した義務者の収入について,潜在的稼働能力に基づき認定することが許されるのは,就労が制限される客観的,合理的事情がないのに主観的な事情によって本来の稼働能力を発揮しておらず,そのことが婚姻費用の分担における権利者との関係で公平に反すると評価される特段の事情がある場合でなければならないものと解されるとした上で,上記の特段の事情があるとは認められないとして,原審判を取り消し,申立てを却下した事例
(東京高決令和3年4月21日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 宇都宮家庭裁判所令和2年12月25日審判

・別居中の夫婦間の婚姻費用の分担につき,子に生じた私立高等学校の学費等のうち公立学校教育費を超過する分の負担割合について,二等分とすべき旨の主張を排斥し,双方の基礎収入の額に応じて按分するのが相当とした原審判の判示部分を維持するとともに,別居時から調停申立時までの婚姻費用又は扶養料の請求について,妻の請求に対して夫がその一部を支払い,妻が不足分の請求を直ちにしていたとは認め難いことを考慮すれば,不足分の清算は婚姻費用分担審判や扶養料の審判においてではなく財産分与の判断に委ねるのが相当と判示した事例
(東京高決令和2年10月2日 婚姻費用分担審判及び扶養料申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 水戸家庭裁判所土浦支部令和2年6月22日審判

・抗告人が相手方に対し,未成年者の監護者を抗告人と定めることを求めた事案において,相手方による未成年者の監護の開始には違法な点は認められず,抗告人が相手方よりも未成年者の監護者として適していると認めることはできないとして,抗告人の申立てを却下した原審判を相当と判断して抗告を棄却した事例
(名古屋高決令和2年6月9日 子の監護者の指定申立却下審判に対する即時抗告事件)
(参考)原 審 名古屋家庭裁判所一宮支部令和2年2月13日審判

・夫である相手方(原審申立人)が,別居中の妻である抗告人(原審相手方)に対し,抗告人が未成年者を連れて別居を開始したことが,別居開始前に当事者間で交わされた示談書中の親権者指定等に関する条項に違反する違法な子の連れ去りに当たるとして,未成年者の仮の監護者の指定及び仮の引渡しを求めた事案において,示談の経緯及び内容等に照らし,上記条項の存在をもって抗告人の別居開始が違法な子の連れ去りには当たるとはいえないとした上で,当事者の監護者としての適格性に関する調査の状況等に照らし,未成年者の監護を相手方に委ねることが抗告人の監護を継続するよりも相当であると認めることはできないから,本案申立てを認容する蓋然性が高いとはいえず,保全の必要性もないとして,原審判を取り消し,申立てをいずれも却下した事例
(東京高決令和元年12月10日 仮の地位を定める仮処分(監護者指定・子の引渡し)審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 さいたま家庭裁判所川越支部令和元年10月9日審判

・未成年者らの父である債権者が,未成年者らを単独で監護している母を債務者として,母の面会交流調停に基づく面会交流の不履行についてした間接強制の申立てを受けて,各未成年者についての不履行1回につき5万円の支払を命じた原決定について,母が執行抗告を申し立てたのに対し,抗告裁判所が,抗告人は面会交流が不可能ではないとの認識を有していたのに,長男については一度も,二男については平成31年3月を最後に面会交流を実施しておらず,未成年者らの精神状態不安定等についても裏付け資料がないなどと判示して,抗告を棄却した事例
(東京高決令和元年11月21日 間接強制決定に対する執行抗告事件)
(参考)原 審 水戸家庭裁判所土浦支部令和元年7月1日決定

・被相続人の弟(申立人)が,被相続人の子ら(相手方ら)に対し,特別寄与料の支払を求めた事案において,申立人がその者の貢献に報いて特別寄与料を認めるのが相当なほどに顕著な貢献をしたとまではいえず,「特別の寄与」の存在を認めることは困難であり,また,民法1050条2項ただし書の「相続の開始及び相続人を知った時から六箇月」を除斥期間とした上で,同項にいう「相続人を知った時」とは,当該相続人に対する特別寄与料の処分の請求が可能な程度に相続人を知った時を意味するものと解するのが相当であって,申立人の相手方らに対する各申立ては,上記除斥期間を経過した後にされたものであるとした事例
(静岡家審令和3年7月26日 特別の寄与に関する処分申立事件)


◆少年関係裁判(1件)
警察官を投げ飛ばして傷害を負わせたという傷害,公務執行妨害保護事件において,非行事実を認定した原決定(保護観察決定)に対する重大な事実の誤認があるなどしてされた抗告につき,原決定の説示には適切,相当でない点もあるが,少年は警察官を投げ飛ばすなどの暴行を加えたとの非行事実を認定した原決定の判断に事実の誤認は認められないとして,抗告を棄却した事例
(東京高決令和2年4月28日 保護処分決定(保護観察)に対する抗告申立事件)


◆父母の離婚をめぐる子の養育に関する法制度の見直し及び法務省の取組について
法務省民事局民事第一課補佐官(前民事局付) 横山智宏
東京地方・簡易裁判所判事(前法務省民事局付) 倉重龍輔 ほか


◆連載
遺産分割事件のケース研究
第10回 事例検討⑩ 遺産の範囲の確定に向けた調停運営に関する研究
法務省訟務局付(前静岡家庭・地方裁判所判事) 藤枝祐人

外国少年司法事情
第29回 欧州⑷ ドイツの少年法制⑷
立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬健二

少年矯正の現場から
第21回 社会復帰支援に資する鑑別
~社会復帰支援チェックシートについて~
東京少年鑑別所地域非行防止調整官(前同所鑑別調査官) 島﨑素直

◆家庭裁判所事件の概況⑴─家事事件─ 最高裁判所事務総局家庭局
1,980円
◆特集 令和3年少年法改正
・少年法改正の概要について
立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬健二

・特定少年の法的地位
─法制審議会少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会における議論の経緯と改正法─
東京大学大学院法学政治学研究科教授 川出敏裕

・少年法改正と保護観察
千葉大学教育学部教授 羽間京子

・改正少年法の運用と弁護士実務
弁護士 山﨑健一

・家庭裁判所における改正少年法の運用について
仙台家庭裁判所長(前東京家庭裁判所少年部所長代行者) 入江猛

◆講演録
新たな遺留分制度の概要
法務省大臣官房審議官 堂薗幹一郎

◆論説
令和元年改正を踏まえた渉外養子縁組事件の審理・判断の在り方についての一考察
東京家庭裁判所判事 村井壯太郎

アメリカ合衆国オレゴン州マルトノマ郡の少年事件手続の運用状況について─手続の早期局面における人種・民族的格差の是正に向けた取組に着目して─
横浜家庭裁判所家庭裁判所調査官 吉岡文

◆家事関係裁判(6件)
❖離婚訴訟における財産の分与に関する処分(附帯処分)の判断において,当事者が開示していない財産分与対象財産を保有し,あるいは保有し得たとの事情があり,この事情を斟酌しなければ財産分与における当事者間の衡平を害すると認められる場合には,民法768条3項の「一切の事情」として考慮して財産分与の額を定めるのが相当であるとした事例
(大阪高判令和3年8月27日 離婚 離婚等請求控訴事件,同附帯控訴事件)

❖国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,母である抗告人が,父である相手方に対して,子らをその常居所地国であるアメリカ合衆国に返還するよう求めた事案において,子らの常居所地国は日本であって,アメリカ合衆国であると認めることはできないことから,子の返還申立てをいずれも却下した原決定は相当であるとして抗告を棄却した事例
(東京高決令和2年9月3日 子の返還申立却下決定に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和2年7月3日決定

❖国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,父である相手方が,母である抗告人に対して,子をその常居所地国であるフィリピン共和国(以下「フィリピン」という。)に返還するよう求めた事案において,子の常居所地国はフィリピンであるとした上で,同法28条1項4号(重大な危険)の返還拒否事由があるとは認められないとして,子の返還を命じた原決定を取り消し,子の常居所地国がフィリピンであると認めることはできないとして,子の返還申立てを却下した事例
(東京高決令和2年5月15日 子の返還決定に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和元年11月29日決定

❖申立人ら夫婦(ニュージーランド及びD国籍を有する申立人父と日本国籍を有する申立人母)が申立人母及びH国籍を有する実父との間の非嫡出子である未成年者(日本国籍及びH国籍)を申立人らの養子とすることの許可を求めた事案において,準拠法については,渉外養子縁組の実質的成立要件は縁組当時の養親の本国法により,養子の保護のための同意,許可等の要件については,養子の本国法が併せて考慮されるところ,申立人父との養父子関係については,ニュージーランド法が準拠法となり,日本法の保護要件も具備する必要があり,申立人母との養母子関係については,日本法が準拠法となるとした。ニュージーランド法の養子縁組では,同意が要求される実親等について,非嫡出子の場合,母等のほか,必要であると裁判所が判断するときは,父の同意を要件とすることができる旨が規定され,実親と養子との関係について断絶効があるところ,本件においては,申立人母は,夫婦共同縁組で普通養子縁組の申立てをしていることから,申立人父との間でも非断絶型の養子縁組が成立すると解されることに鑑みれば,実父の同意を要件とする必要はないとして,本件申立てを許可した事例
(東京家審令和3年1月27日 養子縁組許可申立事件)

❖妻である申立人が別居中の夫である相手方に対し,婚姻費用分担金の支払を求めた事案において,①婚姻費用分担の始期は,調停申立時ではなく,申立人が内容証明郵便をもって婚姻費用の分担を求める意思を確定的に表明した時点を基準とし,②婚姻費用分担額の算定に当たり,改定標準算定方式及び改定算定表は,そもそも法規範ではなく,合理的な裁量の目安であることに照らせば,当事者間に改定前の標準算定方式及び算定表を用いることの合意が形成されているなどの事情がない限り,改定標準算定方式及び改定算定表による算定に合理性がある以上は,その公表前の未払分を含めて,改定標準算定方式及び改定算定表により,婚姻費用分担額を算定するのが相当であるとして,本件でもこれらを用いて算定した事例
(宇都宮家審令和2年11月30日 婚姻費用分担申立事件)

❖事件本人の養子から後見開始の審判の申立て(甲事件)がされた後,事件本人と任意後見契約を締結した弁護士から任意後見監督人選任の申立て(乙事件)がされた事案において,乙事件申立人が任意後見人となることにより権限が濫用される具体的なおそれまでは認められないものの,公平らしさという点で問題が残ることや,同意権・取消権のない任意後見制度では事件本人の保護の万全を期することができるかについて問題があることなどから,任意後見契約が登記されている場合における後見開始の審判の要件である「本人の利益のため特に必要があると認めるとき」(任意後見契約に関する法律10条1項)に該当するとして,甲事件の申立てを認容し,乙事件の申立てを却下した事例
(水戸家審令和2年3月9日 後見開始の審判申立事件(甲事件),任意後見監督人選任(新規)申立事件(乙事件))

◆少年関係裁判(1件)
建造物損壊,ぐ犯保護事件において,少年を第3種少年院に送致した決定に対する重大な事実の誤認,処分の著しい不当を理由としてされた抗告につき,原決定の事実認定に誤りがないとした上で,処分の著しい不当の主張に関して,処遇選択に当たっては,少年の健全育成を図るために,その時機に応じた最も効果が上がる処遇を選択することを重視すべきであるなどと説示し,原決定の処分は正当であるとして,抗告を棄却した事例
(東京高決平成30年9月18日 第3種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第1回 ぐ犯保護事件の諸問題(その1)
東京高等裁判所判事 河畑勇

更生保護の現場から
第20回 社会と少年たちを「つなぐ」役割を目指して
特定非営利活動法人チェンジングライフ理事長 野田詠氏

公証家事実務Q&A
第16回 養育費に関する公正証書を巡るいくつかの問題
浜松町公証役場公証人 田村眞

子どもの話を聴くための手法と実践例─ 司法面接の技法をいかして
第9回 幼児からの聴取,年少者への配慮が求められる事案について
立命館大学OIC総合研究機構教授 仲真紀子
1,980円
◆特集 実務家のための民事信託入門
・民事信託の活用~弁護士からの信託実践例を中心に
弁護士・日弁連信託センターセンター長 伊庭潔
・弁護士からみた民事信託の留意点
弁護士・日弁連信託センター副センター長 杉山苑子
・公証役場からみた民事信託
藤沢公証役場公証人 金子順一
・金融機関における民事信託─各種信託商品,信託口口座の設計─
三井住友信託銀行専門理事 八谷博喜

◆論説 
親の離婚を経験した子どもと面会交流支援団体に関する調査報告─社会に求められる支援と制度
東京国際大学人間社会学部教授 小田切紀子

児童福祉法による一時保護の法的論点の現状と課題
弁護士 大畑亮祐

◆最高裁判例(3件)
❖民法750条及び戸籍法74条1号と憲法24条
(最大決令和3年6月23日 市町村長処分不服申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件)
(参考)原 審 東京高等裁判所令和元年11月25日決定
原々審 東京家庭裁判所立川支部平成31年3月28日審判

❖相続人YがAの遺産について相続分を有することを前提とする前訴判決が他の相続人Xとの間で確定し,また,XがYに対してAのXに対する債務をYが法定相続分の割合により相続したと主張してその支払を求める訴えを提起していた場合において,Xが自己に遺産全部を相続させる旨のAの遺言の有効確認をYに対して求める訴えを提起することが信義則に反するとはいえないとされた事例
(最二小判令和3年4月16日 遺言有効確認請求事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和元年12月20日判決
第1審 京都地方裁判所令和元年7月25日判決

❖民法上の配偶者が中小企業退職金共済法14条1項1号にいう配偶者に当たらない場合
(最一小判令和3年3月25日 退職金等請求事件)
(参考)原 審 東京高等裁判所令和元年12月24日判決
第1審 東京地方裁判所平成30年9月21日判決

◆家事関係裁判(2件)
❖遺言者が一切の財産を抗告人(長男)に相続させ,その相続の負担として,原審申立人(二男)の生活を援助するものと定めた遺言について,原審申立人が,遺言者の死亡後,「原審申立人の生活を援助する」義務を負ったのにこれを履行していないとして,遺言の取消しを求めた事案において,原審はこれを認め,本件遺言を取り消したが,抗告審においては,抗告人に「原審申立人の生活を援助すること」,すなわち,少なくとも月額3万円を援助する義務があることを認めた一方で,遺言の文言が抽象的であり,その解釈が容易でないこと,抗告人は今後も一切義務の履行を拒絶しているものではなく,義務の内容が定まれば履行する意思があることなどを考慮すると,抗告人の責めに帰することができないやむを得ない事情があり,本件遺言を取り消すことが遺言者の意思にかなうものともいえないとして,原審を取り消し,本件申立てを却下した事例
(仙台高決令和2年6月11日 負担付遺言取消申立ての審判に対する即時抗告事件)
(参考)原 審 福島家庭裁判所いわき支部令和2年1月16日審判

❖信託契約に関する契約書の案文の作成,公正証書の作成手続の補助,不動産信託登記の申請手続の代理,受託者名義の預金口座開設の支援等の委任を受けた司法書士に,情報提供義務及びリスク説明義務違反があるとされた事例
(東京地判令和3年9月17日 損害賠償請求事件)

◆少年関係裁判(1件)
殺すぞなどと怒号しながら包丁を示して脅迫したという暴力行為等処罰に関する法律違反保護事件において,家裁係属歴がない少年を第1種少年院に送致した原決定について,抗告審が,少年の非行性がさほど進んでいるとは言い難く,社会内処遇の可能性が検討されるべきであり,原決定の処分は著しく不当であるとして,これを取り消した事例
(広島高決令和2年8月18日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

◆国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の実施状況について
法務省民事局付 高橋あゆみ
外務省領事局ハーグ条約室課長補佐 木田佳央人

◆連載
遺産分割事件のケース研究
第9回 事例検討・分割方法を意識した調停運営に関する研究
旭川地方・家庭裁判所判事補(前東京家庭裁判所判事補) 澤野真未

外国少年司法事情
第28回 欧州・ドイツの少年法制・
立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬健二

少年矯正の現場から
第20回 通信制高等学校と連携した修学支援への取組について
多摩少年院首席専門官(教育担当) 山下嘉一
1,980円
◆特集 未成年の子を持つ親の協議離婚の実態と分析
・協議離婚制度に関する調査結果の概要とその法的分析
棚村 政行(早稲田大学法学学術院教授)
・協議離婚制度に関する調査研究報告 ─調査結果から見えた協議離婚制度の課題と子への影響─
青木 聡(大正大学臨床心理学科教授)
・協議離婚における養育費,面会交流,財産分与の取り決め実態とその要因
大石亜希子(千葉大学大学院社会科学研究院教授)

◆最高裁判例(1件)
自筆遺言証書に真実遺言が成立した日と相違する日の日付が記載されているからといって同証書による遺言が無効となるものではないとされた事例
(最一小判令和3年1月18日 遺言無効確認請求本訴,死因贈与契約存在確認等請求反訴事件)
(参考)原 審 名古屋高等裁判所平成30年10月26日判決
   第1審 名古屋地方裁判所平成30年4月20日判決

◆家事関係裁判(5件)
同性同士である控訴人と被控訴人において,約7年間にわたり同居し,米国で婚姻登録証明書を取得し,日本国内においても結婚式を挙げるなどしてその関係を親しい人に明らかにし,2人で子を育てることを計画するなどしていたという判示の事実の下では,控訴人と被控訴人の間には,婚姻に準ずる関係があったといえ,被控訴人は,かかる関係から生じる法律上保護される利益を有し,控訴人が第三者と性的関係を結んだことは,上記関係の解消をやむなくさせる行為として,被控訴人との関係で不法行為に該当すると判断した事案
(東京高判令和2年3月4日 損害賠償請求控訴事件,同附帯控訴事件)
(参考)原 審 宇都宮地方裁判所真岡支部令和元年9月18日判決

未成年者らとの直接的な面会交流が相当ではなく,未成年者らを撮影した写真の送付及び未成年者らに対する手紙の送付などの間接的な面会交流が相当とされた事例
(大阪高決令和元年11月20日 子の監護に関する処分(面会交流)審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和元年8月20日審判

成年後見人が成年被後見人の預貯金を横領した場合に後見監督人の善管注意義務違反を理由とする損害賠償責任が認められなかった事例
(名古屋高判令和元年8月8日 損害賠償請求控訴事件)
(参考)原 審 名古屋地方裁判所平成31年2月21日判決

アメリカ合衆国籍を有し日本に居住する原告が,アメリカ合衆国籍を有し同国で死亡した亡夫と原告との離婚が,方式の違法ないし離婚意思の欠缺により無効であると主張してその確認を求める事案において,原告及び亡夫にとっては,カリフォルニア州法が本件離婚の準拠法及び離婚の方式の準拠法となるとした上で,同法によれば,協議離婚の方式による離婚は認められていないこと等から,本件離婚は,原告の離婚意思の欠缺について判断するまでもなくその方式において違法であり無効であるとして,原告の請求を認容した事例
(東京家判令和2年3月23日 離婚無効確認請求事件)

夫婦である申立人らの間の体外受精でできた胚を用いて,ウクライナで代理母出産により生まれた未成年者(申立人夫は胎児認知している。)について,申立人らが特別養子縁組の申立てをした事案において,申立人らの養親としての適格性,未成年者との適合性に問題はない一方で,代理母は,そもそも未成年者が申立人らを実親とし,申立人らに監護養育されることを予定して未成年者を懐胎しており,代理母が未成年者を監護することは著しく困難で,未成年者を申立人らの特別養子とすることが,その利益のために特に必要があるといえるなどとして,本件申立てを認容した事例(令和元年法律第34号による改正前の事例)
(静岡家浜松支審令和2年1月14日 特別養子縁組申立事件)

◆少年関係裁判(2件)
少年が,共犯少年と共謀の上,被害者の背部を飛び蹴りして転倒させるなどして金品を強取し,負傷させたという強盗傷人保護事件において,少年を第1種少年院送致とした原決定につき,試験観察に付することを含む在宅処遇の可能性を慎重に検討しておらず,処分が著しく不当であるとして,これを取り消した事例
(福岡高決令和3年1月7日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

保護処分歴のない少年が店舗でコミック本等を2回にわたり万引きしたという窃盗保護事件において,経緯を踏まえると軽微な事案と評価することは相当ではなく,問題性が広がりを見せつつあること,資質面の課題が非行と強く関係し,根深いこと等を指摘し,少年を第1種少年院送致とした事例
(東京家決令和3年2月9日 窃盗保護事件)

◆少年法等の一部を改正する法律の概要
北原 直樹(法務省刑事局付)

◆連 載
外国少年司法事情
第27回 欧州(2) ドイツの少年法制(2)
廣瀬 健二(立教大学法学部特定課題研究員)

更生保護の現場から
第19回 更生保護における犯罪被害者等施策の現状と課題 ─被害者等の声を加害者に届ける心情等伝達制度の運用事例─
堤 美香(東京保護観察所犯罪被害者等相談室保護観察官)

公証家事実務Q&A
第15回 遺言の撤回・変更
松本 清隆(神戸公証センター公証人)

子どもの話を聴くための手法と実践例─司法面接の技法をいかして
第8回 Q&A 第三者による性被害,捜査機関が中心となる代表者聴取について
仲 真紀子(立命館大学OIC総合研究機構教授)
1,980円
◆特集 改正相続法施行後の運用状況と実務
・改正相続法(特別寄与料、配偶者居住権、遺留分)と税務
舘 彰男(弁護士)
・配偶者居住権の登記手続
後藤浩平(元東京法務局城北出張所長)
・預貯金の仮払い制度と銀行実務
佐藤繁樹(三井住友信託銀行個人事務企画推進部)
・遺言書保管制度の利用状況
希代浩正(法務省民事局商事課補佐官)
→改正相続法施行後の運用における最新情報がわかる!

◆最高裁判例(1件)
❖少年保護事件を題材として家庭裁判所調査官が執筆した論文を雑誌及び書籍において公表した行為がプライバシーの侵害として不法行為法上違法とはいえないとされた事例 (最二小判令和2年10月9日 損害賠償請求事件)

◆家事関係裁判(9件)
別居中の夫婦間において,未成年の母(相手方・原審申立人)が,未成年者の父(抗告人・原審相手方)に対し,未成年者(平成20年生)との面会交流の調停を申し立て,これを本案として,毎週1回,a市内で日曜日の午前10時から午後2時まで面会交流を仮に求めた審判前の保全処分において,原審が,未成年者が母に対し拒絶的な姿勢を強めつつあるのは身近な大人の影響によるもので,この状態を解消するためには,早期に未成年者自身の体験等を通じ母を理解する機会を設けることが必要であり(本案認容の蓋然性),かつ,母が食道がんに罹患し余命の告知も受けている状況下では保全の必要性も認められるとして,毎月1回,a市内で1時間程度の面会交流を仮に認めた判断の抗告審において,原審の判断が維持された事例
(仙台高決令和元年10月4日 審判前の保全処分(面会交流)申立審判に対する即時抗告事件)
(参考)原 審 仙台家庭裁判所令和元年8月14日審判

祖父に当たる養親と縁組をした抗告人が,養親の死亡後に,離縁についての家庭裁判所の許可を求めた事案において,養親と抗告人の縁組が養親の財産を抗告人が相続することを目的としてされたものであっても,養親と抗告人との間に法定血族関係を形成する意思がある限り,直ちに縁組を無効とすることはできず,死後離縁の申立てが法定血族間の道義に反する恣意的で違法なものと認めるに足りる事情もないとして,申立てを許可した事例
(東京高決令和元年7月9日 死後離縁許可申立却下審判に対する抗告事件)

親権者である養父及び実母から暴行等の虐待を受け,一時保護の措置がとられている子について,親権者らによる親権の行使が不適当であり,そのことにより子の利益を害することは明らかであるとして,親権者らの子に対する親権をいずれも2年間停止した事例
(東京高決令和元年6月28日 親権停止申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 横浜家庭裁判所小田原支部平成31年2月28日審判

被相続人の長男【抗告人兼相手方(原審申立人)】が被相続人の妻【相手方兼抗告人(原審相手方)】らに対して,仏具等の祭祀財産につき,自らを承継者と指定する審判を求めた事案で,原審は,対象とされた財産のうち,被相続人の位牌等については被相続人が所有していたものではないから,被相続人から承継すべき祭祀財産に当たらないとした上で,その余の財産について,被相続人の妻が,原審申立人の要望に従い同人に仏壇を引き渡したことなどから,当事者間に祭祀承継者を原審申立人と認める黙示の合意が成立したとして,原審申立人を祭祀承継者と定めたところ,抗告審は,原審の判断を是認した上で,被相続人の位牌等は,いわば被相続人自体ともいえる遺体や遺骨とはその性質において異なり,祭祀財産に準じたものとして扱うことも困難とし,抗告審で追加的に申し立てられた原審申立人への祭祀財産の引渡しも,その余の財産についてのみ命じた事例
(東京高決平成31年3月19日 祭祀承継者指定(相続)審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所平成30年11月22日審判

夫である申立人(日本国籍)が,妻(ルーマニア国籍)と自身との間の子として出生届を提出した民法772条の嫡出推定の及ばない子を相手方として,親子関係不存在の確認を求めた事案で,準拠法について,嫡出である子の親子関係の成立については,反致により夫婦の共通常居所地法である日本法が適用され,非嫡出子である子の親子関係の成立については,出生当時の父の本国法である日本法が適用されるが,認知による場合は,認知当時の子の本国法であるルーマニア法も適用されるとした上で,嫡出親子関係も非嫡出親子関係も存在しないとして,申立人と相手方の間には親子関係が存在しないとの合意に相当する審判をした事例
(東京家審令和2年9月10日 親子関係不存在確認調停申立事件)

申立人夫(カナダ国籍)と申立人妻(日本国籍)らが,児童相談所に託された第三者の子である未成年者(日本国籍)を申立人らの特別養子とすることを求めた事案において,準拠法としては,申立人夫との関係について,カナダのコモンローによる国際私法により日本の法律が指定されているものと解されるから,反致により日本法が適用されるし,申立人妻との関係についても,日本法が適用されるとした上で,特別養子縁組の要件をいずれも満たしているとして,本件申立てを認容した事例(令和元年法律第34号による改正前の事例)
(東京家審令和2年9月7日 特別養子縁組申立事件)

申立人夫(日本国籍)と申立人妻(フィリピン国籍)が,申立人妻と申立外男性との間の非嫡出子である未成年者(フィリピン国籍)との養子縁組の許可を求めた事案において,国際裁判管轄,準拠法について認定した上で,申立人らと未成年者との間でそれぞれ適用される法の養子縁組の要件(申立人夫との間の養子縁組で必要になるフィリピン法の保護要件を含む。)について判断して,本件申立てを許可した事例
(東京家審令和2年4月17日 養子縁組許可申立事件)

原告らが,被告に対し,原告らの母を養母,原告らの母の孫にあたる被告を養子とする養子縁組は無効であると主張して,その旨の確認を求めた事案において,養子縁組届の外形や,原告らの母の意思能力の状態,養子縁組に至る従前の経緯等からすると,原告らの母が,その意思に沿って,被告の父に署名を代筆させたとは言えず,本件養子縁組が原告らの母の意思に基づくものであると認めることはできないとして,原告らの請求を認容した事例
(横浜家判令和2年2月25日 養子縁組無効確認請求事件)

和解離婚に際し,父が母に対し,未成熟子の養育費として,原則として成年に達する月まで(大学に進学した場合には卒業まで)月額25万円を支払う旨(大学在学中に留学を希望する場合,その費用を負担すること)を約束し,ほかに解決金2035万円を支払ったところ,実際には,未成熟子が,成年に達した後に外国の大学に進学した場合において,父母間で和解離婚当時,未成熟子が外国の大学に進学することが予定されておらず,その後もその旨の相談がされなかったことから,父にとって想定外の出来事であること,和解離婚の際の養育費や解決金の金額が少なくないこと,父は開業医として相当の収入があったが,後に体調を崩して十分に稼働できないことなどから,子が父に対し申し立てた外国の大学への進学費用にかかる扶養料の支払請求を却下した事例
(岡山家審令和元年6月21日 扶養に関する処分申立事件)

◆少年関係裁判(1件)
少年が,元同級生であった被害者に対し,メリケンサックを装着した右手拳で殴打して全治10日間を要する左側頭部挫創の傷害を負わせた傷害保護事件において,少年を保護観察に付することとした原決定につき,処分の著しい不当を理由とする抗告を棄却した事例
(東京高決令和2年11月20日 保護観察処分決定に対する抗告申立事件)

◆所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)の概要
村松 秀樹法務省(民事局総務課長(前同局民事第二課長))
大谷  太(法務省大臣官房参事官)ほか

◆連 載
遺産分割事件のケース研究
第8回 事例検討(8)
債務名義としての調停に代わる審判の検討をふまえた研究
脇田 奈央(東京家庭裁判所判事)

外国少年司法事情
第26回 欧州(1)ドイツの少年法制(1)
廣瀬 健二(立教大学法学部特定課題研究員)

少年矯正の現場から
第19回 家庭裁判所と少年鑑別所の新たな連携・協働
~在宅試験観察と地域援助~
八代満帆子(大阪少年鑑別所首席専門官)
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  • 出版社:日本加除出版
  • 発行間隔:隔月刊
  • 発売日:[紙版]偶数月15日  [デジタル版]毎偶月15日

■ 家事事件・少年事件の最新動向を追う判例雑誌

1 裁判例の充実 家事・少年実務の手掛かりとなる緻密な分析・評釈を独自に掲載。 2 特集記事の充実 調停・裁判実務の最新動向をさらに掘り下げる 3 実務解説記事の充実 裁判所、法務省、厚労省ほか省庁発の最新運用を紹介 4 少年事件への特化 他誌にはない、少年事件の実務特集を広く深く伝える 5 連載の充実 保護・矯正管区、公証人、調停委員等による多角的な実務最新事情を紹介

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