I LOVE MAGAZINES!キャンペーン |500誌以上の雑誌が最大50%OFF!

家庭の法と裁判(FAMILY COURT JOURNAL) 発売日・バックナンバー

全52件中 1 〜 15 件を表示
1,980円
◆特 集 家族経営会社の事業承継・株式評価・経営権

家族経営会社における円滑な事業承継の手法
 弁護士 三森 仁
 弁護士 鷲野 泰宏

相続・遺産分割時の非上場株式の評価
 公認会計士・税理士 田口 安克

家族経営会社の代表者の死亡により生じる経営権紛争
 弁護士 坂本 龍亮

事業承継税制の概要
 税理士 神場 元樹

◆最高裁判例(2件)
❖犯罪被害者と同性の者が犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条1項1号括弧書きにいう「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当し得るか(最三小判令和6年3月26日 犯罪被害者給付金不支給裁定取消請求事件)
(参考)原 審 名古屋高等裁判所令和4年8月26日判決
原々審 名古屋地方裁判所令和2年6月4日判決

・遺言により相続分がないものと指定され,遺留分侵害額請求権を行使した相続人は,特別寄与料を負担するか
(最一小決令和5年10月26日 特別の寄与に関する処分申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告)
(参考)原 審 名古屋高等裁判所令和4年6月29日決定
原々審 名古屋家庭裁判所令和4年3月18日審判

◆家事関係裁判(2件)
・間接交流を認めた原審判を取り消し,試行的面会交流の実施を積極的に検討し,その結果をも踏まえて直接交流の可否等を検討させるべく,事件を原審に差し戻した事例(東京高決令和5年11月30日 面会交流審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 さいたま家庭裁判所川越支部令和4年4月28日審判

・別居中の夫婦間における未成年者らの仮の監護者の指定,仮の引渡しの保全処分を求めた事件の抗告審において,保全処分を認めた原審判を取り消した上,更に審理を尽くす必要があるとして,事件を原審に差し戻した事例
(東京高決令和5年3月15日 仮の地位を定める仮処分(子の引渡し,子の監護)審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 宇都宮家庭裁判所栃木支部令和4年11月30日審判

◆少年関係裁判(2件)
・迷惑行為防止条例違反保護事件において,非行事実を認定する旨等を審判期日で少年らに告知した後に審判開始決定の取消決定をし,さらに,審判不開始決定(保護的措置)をしたという事案における,同決定に対する抗告について,申立てが不適法であるとして抗告を棄却した事例
(福岡高決令和5年8月18日 審判不開始決定に対する抗告申立事件)

・特定少年である少年が,包丁2本を携帯したという銃砲刀剣類所持等取締法違反保護事件において,同種非行による保護処分歴等を考慮して犯情を評価し,少年院送致が許容されるとした上,資質上の問題性等を踏まえて少年を第1種少年院に送致し,犯情に鑑み収容期間を2年間と定めた事例
(大阪家決令和5年11月1日 銃砲刀剣類所持等取締法違反保護事件)

◆父母の離婚後の子の養育に関する「民法等の一部を改正する法律」の解説(1)
 法務省民事局参事官 北村 治樹
 法務省民事局付 松波 卓也

◆連 載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第14回・完 座談会 試験観察の実際
 司会・さいたま家庭裁判所部総括判事 加藤 学
 座談会企画担当・千葉家庭裁判所判事 藤永 祐介 ほか

外国少年司法事情
第40回 北欧 スウェーデンの矯正,保護の概況等(その1)
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬 健二 広島修道大学法学部助教 十河 隼人

更生保護の現場から
第28回 エビデンスを基盤とする保護観察
 法務省保護局観察課長 勝田 聡

子どもの手続代理人のケース研究
第5回 きょうだいそれぞれに手続代理人が就任した事例
 日弁連子どもの権利委員会

大相続時代と登記実務
第8回・完 所有者不明土地の解消のための遺産分割の促進と司法書士等の役割について
 司法書士 里村美喜夫
1,980円
◆特集 家族法改正─ 共同親権・養育費・親子交流等

民法等の一部を改正する法律(家族法制の見直し)の概要
 法務省民事局参事官 北村治樹
 法務省民事局付 廣瀬智彦
 
親権等に関する新たな規律─離婚後の親権についての規律を中心に
 大阪大学大学院高等司法研究科教授 青竹美佳

養育費に関する新しい制度
 弁護士 原田直子

親子交流等に関する新しい制度
 弁護士 池田清貴

養子縁組制度・財産分与制度等に関する規律
 弁護士 佐野みゆき

◆論説 遺産分割における審判前の保全処分について
 横浜地方・家庭裁判所相模原支部長 関述之
 (執筆当時・東京家庭裁判所家事第5部(遺産分割専門部)部総括判事)
 
◆家事関係裁判(4件)
・親権者である実父から暴行等の虐待を受け,一時保護の措置がとられている児童について,児童相談所長が実父と児童の面会通信を制限することの根拠が問われた事例
(大阪高判令和5年12月15日 損害賠償等請求控訴事件)
(参考)原 審 大阪地方裁判所令和5年4月27日判決

・限定的ではあるものの一定程度の意思能力がある可能性がある本人について,本人の精神の状況について鑑定をしないままされた後見開始の審判は,家事事件手続法119条1項に違反し,原審に差し戻しても鑑定を実施することは困難であるとして後見開始の申立てを却下した事案
(東京高決令和5年11月24日 後見開始審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 甲府家庭裁判所都留支部令和5年6月26日審判

・後見開始申立事件において,本人の親族の非協力により鑑定ができなかったことから申立てを却下した原審判を取り消し,原審に差し戻した事例
(東京高決令和5年3月20日 後見開始申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 横浜家庭裁判所令和4年8月19日審判

・被相続人の養子を申立人とし,被相続人の配偶者と実子を相手方とする遺産分割の事件において,配偶者が,遺産に属する建物への配偶者居住権の取得を希望したところ,その生活を維持するために特に必要があるとして,配偶者による上記配偶者居住権の取得が認められた事例
(福岡家審令和5年6月14日 遺産分割申立事件)

◆少年関係裁判(2件)
・少年が,氏名不詳者らと共謀の上,他人の親族等になりすまし,被害者から現金をだまし取ろうとしたとされる詐欺未遂保護事件において,少年を第2種少年院送致とした原決定につき,少年に詐欺の故意を認めた原決定の判断には重大な事実の誤認があるとして,これを取り消した事例
(東京高決令和5年9月15日 第2種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

・特定少年を保護処分に付するには,行為時の責任能力が必要であると解すべきか(消極)
(千葉家決令和5年9月20日 殺人未遂保護事件)

◆「東京家裁人訴部における離婚訴訟の審理モデル」について
東京家庭裁判所家事第6部

◆法務省における離婚後養育講座の調査研究について
法務省民事局付 廣瀬智彦

◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第13回 検察官送致に関する諸問題
 司法研修所教官 佐藤傑

外国少年司法事情
第39回 北欧 スウェーデンの検察官,弁護士の活動等
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬健二

少年矯正の現場から
第28回 外部と連携した職業指導の実践
 広島少年院首席専門官 中村信
 貴船原少女苑首席専門官 河原善人

大相続時代と登記実務
第7回 特殊な所有権移転登記の原因「委任の終了」について
 司法書士 里村美喜夫
1,980円
◆巻頭言 第50号の刊行に寄せて 最高裁判所事務総局家庭局長 馬渡直史 

◆50号記念特集 家庭と子どもの現状と未来
ポスト「20世紀体制」の家族とは─「親の責務」の明記から考える
 京都産業大学教授・京都大学名誉教授 落合恵美子

子どもの権利主体性と現代家族の多様化
 早稲田大学名誉教授 棚村政行

子どもの権利の将来
 弁護士・元最高裁判所判事 木内道祥

家庭裁判所から見る現代の家庭と子どもの現状と未来
 東京家庭裁判所長 村田斉志

少年法の現状と未来
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬健二

現代社会における矯正教育の在り方と地域社会での更生保護
 公益財団法人矯正協会矯正研究室長・元多摩少年院長 木村敦
 中央大学法科大学院客員教授・元法務省保護局長 今福章二
 
子ども福祉の現状・在り方と法律実務家としての関与─児童福祉法を中心として
 弁護士 岩佐嘉彦

◆家事関係裁判(4件)
❖婚姻費用の分担額に係る手続外の合意の存在を否定し,相手方が分担すべき婚姻費用の額を改定標準算定方式に従って算定した事例
(東京高決令和5年6月21日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 長野家庭裁判所伊那支部令和5年1月20日審判

❖1 審判に代わる決定に基づいてされた面会交流の実施を求める間接強制の申立てについて,上記決定が定めていた面会交流の条件がその後にされた決定の確定により失効したことから,当該確定の日以降の部分が不適法であるとされた事例
2 面会交流の実施を求めた間接強制の申立てが権利の濫用に当たらないとされた事例
(東京高決令和5年1月17日 間接強制決定及び同申立一部却下決定に対する執行抗告事件)
(参考)原 審 甲府家庭裁判所令和4年4月1日決定

❖確定した離婚判決において清算的財産分与が定められている場合に,同判決において考慮されていない夫婦共有財産があることを理由に当該財産について重ねて清算的財産分与を求めることはできないとした事例
(東京高決令和4年3月11日 財産分与申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 横浜家庭裁判所令和3年10月15日審判

❖平成13年2月に死亡した被相続人の嫡出子である申立人らが,嫡出でない子である相手方らに対して,被相続人の遺産の分割を申し立てた審判事件において,平成25年法律第94号による改正前の民法900条4号ただし書き前段の適用が否定された事例
(那覇家審令和5年2月28日 遺産分割申立事件)

◆少年関係裁判(3件)
❖少年(審判時特定少年)が,友人に大麻を譲渡したという大麻取締法違反保護事件において,少年を第1種少年院に送致し,収容期間を2年間と定めた原決定について,処分の著しい不当を理由とする抗告を棄却した事例
(東京高決令和5年7月4日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

❖特定少年である少年が,共犯者らと及んだ侵入強盗等を含む窃盗,住居侵入,強盗,道路交通法違反保護事件において,犯情の重さに加え,少年の性格,行状及び環境その他の事情を考慮し,刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(東京家決令和5年7月19日 窃盗,住居侵入,強盗,道路交通法違反保護事件)

❖大麻取締法違反(大麻所持),道路交通法違反(原動機付自転車の無免許運転等)保護事件において,大麻の所持量,保護観察歴及び無免許運転の常習性等を考慮し,少年院送致も許容されるとした上で,少年の問題性の根深さ,保護観察に対する姿勢等を考慮し,少年を第1種少年院送致とし,収容期間を2年間と定めた事例
(東京家決令和4年5月26日 大麻取締法違反及び道路交通法違反保護事件)

◆「持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会」中間取りまとめの概要
 法務省保護局更生保護振興課企画調整官 中島祐司

◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第12回 原則検察官送致対象事件の処理(被害者に関する諸制度を含む)
 大阪地方裁判所判事 岩﨑貴彦

更生保護の現場から
第27回 BBS運動の目指すもの
 特定非営利活動法人日本BBS連盟 事務局長 杉山多恵

子どもの手続代理人のケース研究
第4回 事例検討④ 調停や審判における結論は変わらなくとも,子どものエンパワメント,その後の環境調整につながったケース
 日弁連子どもの権利委員会

民事信託と後見制度を併用する場合の諸問題
第7回(完) 民事信託と法定後見の併用
 日公連民事信託研究会,日弁連信託センター

大相続時代と登記実務
第6回 改正不動産登記法に関する新たなルール(相続登記の申請義務化以外)
 司法書士 里村美喜夫

◆TOPIC 戸籍に氏名の振り仮名が記載されるようになります!
 法務省民事局民事第一課

◆家庭裁判所事件の概況(2・完)─少年事件─
 最高裁判所事務総局家庭局
1,980円
◆特集 親子法改正に関する最新の実務と動向
親子法改正の概要─親子法と「子の利益」
 一橋大学大学院法学研究科准教授 石綿はる美
嫡出推定・否認制度改正の実務上の留意点
 弁護士 飯岡久美
生殖補助医療関係について─生殖補助医療法とその改正
 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 西希代子
児童福祉の目指すもの 〜子ども復権のためのアドボカシー〜
 港区児童相談所児童相談課児童福祉係係長 佐藤靖啓

◆最高裁判例(1件)
❖性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号と憲法13条
(最大決令和5年10月25日 性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件)
(参考)原 審 広島高等裁判所岡山支部令和2年9月30日決定
    原々審 岡山家庭裁判所令和2年5月22日審判

◆家事関係裁判(3件)
❖当事者間の合意に基づいて養育費の支払を求める場合には,地方裁判所に対して訴えの提起をして判決を求める民事訴訟手続によるべきであって,家庭裁判所に対して家事審判の申立てをすることはできないとして,原審判を取り消して申立てを却下した事例
(東京高決令和5年5月25日 養育費審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 千葉家庭裁判所松戸支部令和4年9月16日審判

❖相手方が別居中の妻である抗告人に対し,主位的に民法752条(夫婦の協力扶助義務)に基づき,予備的に民法766条(離婚後の子の監護に関する処分)の類推適用により,相手方の求める「養育計画」に従って親権を共同行使せよとの審判を求めた事案において,民法752条を根拠規定とする審判は,夫婦関係それ自体に関するものであり,相手方の求める処分については,その内容に応じて民法766条の類推適用を根拠とすべきであるなどして,相手方の主位的請求を却下した原審判の判断を維持し,予備的申立てについては,現状の面会交流の内容に照らし,原審判を一部変更した事例
(東京高決令和4年3月17日夫婦間の協力扶助に関する処分審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所立川支部令和3年11月30日審判

❖妻である原告が夫である被告に対して提起した離婚訴訟において,原告が,被告が別居後に行ったとする種々の行為について離婚慰謝料の支払を求めたところ,別居の時点で婚姻関係が既に破綻していたことから,被告が別居後にしたとされる種々の行動は離婚慰謝料の発生事由とはならないと判断された事例
(東京家判令和4年7月7日 離婚等請求事件)

◆少年関係裁判(2件)
❖強制わいせつ,迷惑防止条例違反保護事件において,相当長期の処遇勧告を付して第1種少年院送致とした原決定について,処分の著しい不当等はないとして抗告を棄却しつつ,比較的長期の処遇による教育を実施することが相当と説示した事例
(大阪高決令和5年6月26日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

❖少年が,友人らと共謀の上,廃業したホテルに侵入し,ライターで点火して1室を全焼させるなどした建造物侵入,非現住建造物等放火保護事件ほか1件の事案において,犯行動機,態様等の犯情に加え,保護処分歴がないことや犯行後の情況,少年の性格,年齢及び環境等を考慮して刑事処分以外の措置を相当と認め,少年を2年の保護観察に付し,収容可能期間を1年間と定めた事例
(宮崎家決令和4年7月14日建造物侵入,非現住建造物等放火,器物損壊保護事件)

◆解説
氏名の振り仮名の法制化に係る戸籍法改正の概要と実務への影響等
 法務省民事局民事第一課長 櫻庭倫
 法務省民事局参事官 国分貴之
 横浜地方検察庁検事(前法務省民事局戸籍企画官兼局付) 長橋佑里香
 
◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第11回 座談会 非行事実に争いがある事件の審理
 司会・座談会企画担当 さいたま家庭裁判所部総括判事 加藤学 ほか

外国少年司法事情
 第38回 北欧  スウェーデンの地方裁判所の実情
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬健二

少年矯正の現場から
第27回 少年院在院者に対する少年鑑別所による伴走型支援─近隣の少年院と少年鑑別所の試み─
 仙台少年鑑別所首席専門官 齋藤敏浩

民事信託と後見制度を併用する場合の諸問題 
 第6回 受託者による濫用・不正行為への対応②
 日公連民事信託研究会,日弁連信託センター

大相続時代と登記実務
 第5回 相続登記の申請義務化と相続人申告登記制度について
 司法書士 里村美喜夫

家庭裁判所事件の概況(1)─家事事件─
 最高裁判所事務総局家庭局
1,980円
◆特集 同性パートナーをめぐる最新の動向と実務
同性間のパートナー関係をめぐる日本法の現在地
─比較法・国際法の視点から─
 青山学院大学法学部教授 谷口洋幸

同性パートナーにおける親子関係の形成と支援のあり方
 立命館大学名誉教授 二宮周平

「結婚の自由をすべての人に」訴訟の現状と今後
 弁護士 寺原真希子

自治体におけるパートナーシップ制度・ファミリーシップ制度
 明石市政策局インクルーシブ推進室 LGBTQ+/SOGIE施策担当 増原裕子

◆最高裁判例(1件)
❖生物学的な性別が男性であり性同一性障害である旨の医師の診断を受けている一般職の国家公務員がした職場の女性トイレの使用に係る国家公務員法86条の規定による行政措置の要求は認められない旨の人事院の判定が,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとされた事例
(最三小判令和5年7月11日 行政措置要求判定取消,国家賠償請求事件)
(参考)原 審 東京高等裁判所令和3年5月27日判決
    原々審 東京地方裁判所令和元年12月12日判決

◆家事関係裁判(2件)
老齢厚生年金の離婚時年金分割について,婚姻期間中の相手方の保険料納付に対する申立人の寄与を同等と見ることが著しく不当である特段の事情を認めるのが相当であるとして申立てを却下した原審判を取り消し,請求すべき按分割合を0.5と定めた事例
(東京高決令和4年10月20日 請求すべき按分割合に関する処分申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 千葉家庭裁判所令和4年4月22日審判

1 共同相続人の一人は,相続財産である不動産について相続回復請求権を行使することができる間であっても,取得時効の完成を主張することができるか(積極)
2 相続開始後,相続財産である不動産の占有を継続するなどしていた共同相続人の一人による取得時効が認められた事例
3 自筆証書遺言による包括遺贈がされた場合において,包括受遺者が当該自筆証書遺言に係る遺言書の存在及び内容を知るまでの間は,相続財産である不当利得返還請求権の消滅時効が進行しないとされた事例
(東京高判令和4年7月28日 遺言無効確認等請求控訴事件)

◆少年関係裁判(1件)
特定少年である少年が,少年院仮退院後の保護観察期間中に無賃乗車,無免許運転,大麻所持及び恐喝に及んだ事案において,少年を第1種少年院に送致し,収容期間を3年間と定め,比較的長期間(1年6月程度)の処遇勧告を付した原決定について,処分の著しい不当を理由とする抗告を棄却した事例
(東京高決令和5年5月26日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第10回 児童相談所長からの送致事件に関する諸問題
 岡山地方・家庭裁判所倉敷支部判事 横澤慶太

外国少年司法事情
 第37回 北欧  スウェーデンの高等裁判所,最高裁判所の実情
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬健二

更生保護の現場から
 第26回 “再犯を防ぐ”とは in 東京藝術大学 Diversity on the Arts Project
 法務省保護局総務課企画調整官 田中健太郎

子どもの手続代理人のケース研究
 第3回 事例検討③子どもの手続代理人が家庭裁判所調査官と協働した事例
 日弁連子どもの権利委員会

民事信託と後見制度を併用する場合の諸問題
 第5回 受託者による権限濫用・不正行為への対応①
 日公連民事信託研究会,日弁連信託センター

大相続時代と登記実務
 第4回不動産の放棄方法としての所有権放棄・相続放棄・相続土地国庫帰属制度の検討
 司法書士 里村美喜夫
1,980円
◆特 集 少年事件における弁護士付添人の実務
少年事件における付添人の意義・役割
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬 健二

弁護士付添人活動の実務 ~活動の基本姿勢とポイント~
 弁護士・上智大学法科大学院教授 岩崎 政孝

家庭裁判所からみた弁護士付添人との連携と協働 ─カンファレンスの在り方を中心に─
 千葉家庭裁判所判事 藤永 祐介

家庭裁判所調査官が弁護士付添人に期待する役割 ~試験観察における協働の視点から~
 東京家庭裁判所主任家庭裁判所調査官 葛西由布子

少年の立ち直り・更生に向けた弁護士の役割と活動
 弁護士 山﨑 健一

◆最高裁判例(2件)
1 遺言執行者は,共同相続人の相続分を指定する旨の遺言を根拠として,平成30年法律第72号の施行日前に開始した相続に係る相続財産である不動産についてされた所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格を有するか
2 相続財産の全部又は一部を包括遺贈する旨の遺言がされた場合における,上記の包括遺贈が効力を生じてからその執行がされるまでの間に包括受遺者以外の者に対してされた不動産の所有権移転登記の抹消登記手続又は一部抹消(更正)登記手続を求める訴えと遺言執行者の原告適格
3 複数の包括遺贈のうちの一つがその効力を生ぜず,又は放棄によってその効力を失った場合における,その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきであったものの帰すう
(最二小判令和5年5月19日3番所有権抹消登記等請求事件)
(参考)原 審 東京高等裁判所令和3年10月21日判決
原々審 東京地方裁判所令和元年6月25日判決

婚姻費用分担審判において,夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否を審理判断することなく,夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の判断に違法があるとされた事例
(最二小決令和5年5月17日 婚姻費用分担申立て却下審判に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和4年7月14日決定
原々審 大阪家庭裁判所岸和田支部令和4年3月23日審判

◆家事関係裁判(1件)
子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による強制執行の申立てについて,債務者である父に引渡債務の不履行があったとはいえず,引渡債務に係る不履行のおそれを見いだすこともできないとして,同申立てを認容した原決定が取り消され,同申立てが却下された事例
(大阪高決令和3年8月4日 間接強制決定に対する執行抗告事件)
(参考)原 審 和歌山家庭裁判所令和3年6月3日審判

◆少年関係裁判(3件)
少年が,物の損壊や暴力等を行ったことから将来罪を犯すおそれがあるとされたぐ犯保護事件において,少年の問題性の根深さ等を指摘し,家裁係属歴がないことを考慮しても第1種少年院送致が相当とした原決定について,抗告を棄却した事例
(東京高決令和5年1月19日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

施設送致申請事件において,遵守事項違反の内容,程度,本人の問題性,保護観察の経過等を考慮し,本人を第1種少年院送致とするとともに,必要な保護観察期間等を考慮して収容期間を定めた事例
(金沢家決令和5年3月9日 施設送致申請事件)

特定少年である少年が,普通自動二輪車を無免許運転した道路交通法違反保護事件について,非行態様や同種非行による複数の保護処分歴があること等を考慮し,少年院送致を許容した上で,資質上の問題や保護環境等も踏まえ,少年を第1種少年院に送致し,収容期間を2年間とした事例
(那覇家沖縄支決令和5年3月7日 道路交通法違反保護事件)

◆人事訴訟・家事事件の手続のデジタル化 ~令和4年・令和5年改正民事訴訟法,人事訴訟法および家事事件手続法等の概要~
 農林水産省大臣官房法務支援室長(前法務省民事局参事官) 脇村 真治
 法務省民事局参事官(前民事法制企画官) 波多野紀夫
 
◆公正証書に係る一連の手続のデジタル化 ~令和5年改正公証人法の概要~
 法務省大臣官房会計課長(前法務省民事局総務課長) 村松 秀樹
 法務省民事局付兼総務課登記所適正配置対策室長 遠藤 啓佑

◆「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」の施行について
 内閣府政策統括官(政策調整担当)付参事官(性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進担当)付企画官 志村 和俊
 
◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第9回 少年事件と精神保健福祉法,医療観察法
 さいたま家庭裁判所部総括判事 加藤 学

少年矯正の現場から
第26回 少年院創立100周年を迎えて
 多摩少年院首席専門官(教育担当) 花里 征紀

民事信託と後見制度を併用する場合の諸問題
第4回 民事信託の受託者と任意後見人の地位の兼任について
 日公連民事信託研究会,日弁連信託センター

大相続時代と登記実務
第3回 遺言による所有権移転登記手続について
 司法書士 里村美喜夫

◆TOPIC 【令和6年3月1日から】戸籍制度が利用しやすくなります!
法務省民事局民事第一課
1,980円
1,980円
◆座談会 所有者不明土地問題とこれからの相続
司会 山野目章夫 早稲田大学大学院法務研究科教授
   荒木理江 弁護士
   石田京子 早稲田大学大学院法務研究科教授
   大谷太 法務省大臣官房参事官
   小澤吉徳 日本司法書士会連合会会長
   姫野博昭 弁護士
   藤田正人 法務省民事局民事第二課長

◆最高裁判例(2件)
○離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことの許否
(最二小判令和4年12月26日 離婚等請求本訴,同反訴事件)
(参考)原 審 東京高等裁判所令和3年3月16日判決
    原々審 東京家庭裁判所令和2年6月1日判決

○国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還決定に基づき間接強制を申し立てた事案において,同申立ての後,子の返還の代替執行により子の返還が完了したことによって,同返還決定に係る強制執行の目的を達したことが明らかであるから,間接強制の申立ては不適法になったとして,同申立てを却下した原決定を維持し,抗告を棄却した事例
(最三小決令和4年6月21日 間接強制決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和3年4月14日決定
    原々審 大阪家庭裁判所令和3年2月1日決定

◆家事関係裁判(2件)
同居したことがない夫婦間における婚姻費用分担申立事件において,抗告人の申立てを却下した原審の判断を取り消し,相手方に支払いを命じた事例
(東京高決令和4年10月13日 婚姻費用分担申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 横浜家庭裁判所令和4年6月17日審判

養親である控訴人が,養子である被控訴人に対し,離縁を求めた事案において,縁組を継続し難い重大な事由は認められないとして控訴人の請求を棄却した原判決を維持し,控訴を棄却した事案
(名古屋高判令和3年6月11日 離縁請求控訴事件)
(参考)原 審 名古屋家庭裁判所令和2年12月23日判決

◆少年関係裁判(5件)
少年が自身をかねてより虐待してきた実母の頸部を包丁で突き刺したという殺人未遂保護事件において,相当長期間の処遇勧告を付し,医療措置終了後は第1種少年院への移送が相当として,第3種少年院に送致した原決定について,その処分が著しく不当であるとはいえないとして,抗告を棄却した事例
(東京高決令和4年5月27日 第3種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

○特定少年である少年が,営利目的で大麻を譲渡し,営利目的で大麻を所持した大麻取締法違反保護事件において,犯情の重さに加え,少年の保護処分歴や犯行後の情況,少年の性格,年齢,環境等を考慮し,刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(神戸家尼崎支決令和4年12月8日 大麻取締法違反保護事件)

○施設送致申請事件において,遵守事項違反の程度,少年の問題性の根深さ,保護観察の経過,医療措置の必要性等を考慮し,医療措置終了後は第1種少年院への移送が相当との処遇勧告を付した上で少年を第3種少年院送致とするとともに,併合審理された暴行,公務執行妨害及び傷害の各少年保護事件については不処分とした事例
(静岡家決令和4年9月22日 施設送致申請事件,暴行,公務執行妨害,傷害保護事件)

○特定少年である少年が,ゴミ集積所に置かれたゴミ袋等に放火し,公共の危険を生じさせたという建造物等以外放火保護事件について,犯行の結果等の犯情に加え,少年の性格・行状等を考慮し,刑事処分以外の措置が相当であると認め,少年を第1種少年院に送致し,収容期間を2年間とした事例
(大阪家決令和4年9月5日 建造物等以外放火保護事件)

○収容継続申請事件において,薬物依存の影響による心身の不調により少年院による十分な処遇が実施できておらず,仮退院後の就労や治療の実施にも不安が残ることなどの事情を考慮して,申請よりも3か月長い収容継続を認めた事例
(千葉家決令和3年5月24日 収容継続申請事件)

◆民法(親子法制)等の一部を改正する法律の概要
 法務省民事局参事官 佐藤隆幸
 内閣府大臣官房公益法人行政担当室企画官 (前法務省民事局民事法制企画官) 古谷真良
 さいたま地方検察庁検事(前法務省民事局付) 砂山博之
 札幌地方裁判所判事(前法務省民事局付) 濱岡恭平
 法務省民事局付 水谷遥香
(執筆者の肩書きは本稿執筆当時のもの)

◆改正少年法施行後の保護観察の運用状況について
 法務省保護局総務課専門官(執筆時 法務省保護局観察課専門官) 平畑昇平

◆連載
遺産分割事件のケース研究
 第12回・完 遺産分割の設例検討 ─ 平成30年・令和3年民法改正を踏まえた検討
 弁護士(元東京家庭裁判所部総括判事) 片岡武

少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第7回 座談会 少年事件の調査・審判
 司会・さいたま家庭裁判所部総括判事 加藤学 
 座談会企画担当・千葉家庭裁判所判事 藤永祐介 ほか

外国少年司法事情
 第36回 北欧(28) スウェーデンにおける軽警備刑務所について
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬健二

少年矯正の現場から
 第25回 検察官送致になった少年の処遇調査と処遇 ~調査センターにおける刑執行開始時調査とユニット型処遇~
 川越少年刑務所
 
民事信託と後見制度を併用する場合の諸問題
 第2回  民事信託の典型的な利用例と家庭裁判所において問題となり得るケース
 日公連民事信託研究会,日弁連信託センター
 
大相続時代と登記実務
 第1回 相続登記の義務化とはなにか
 司法書士 里村美喜夫
1,980円
◆特集 中学生のいま─ 問題を抱えた少年への関わり方と支援
 家庭裁判所の現場から
 大津家庭裁判所主任家庭裁判所調査官 堀田綾子
 
 児童自立支援施設にくる子どもたち
 国立武蔵野学院調査課長 栃堀正信
 国立武蔵野学院教務課第2寮寮長 富野大哲
  
 スクールカウンセラーの現場から
 公認心理師・臨床心理士・博士(小児発達学・メンタルヘルス支援領域) 三尾眞由美
  
 児童精神科医療・少年矯正医療の現場から
 さいたま少年鑑別所医務課長・児童精神科医 河嶌貴子

〈令和3年改正民法の実務②〉
◆論説 新しい管理不全土地等管理制度の実務運用について
日本司法書士会連合会不動産登記法改正等対策部 部委員・司法書士 齋藤毅

◆最高裁判例(1件)
❖子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三小決令和4年11月30日 間接強制決定に対する執行抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和3年10月8日決定
    原々審 和歌山家庭裁判所令和3年7月13日決定

◆家事関係裁判(2件)
❖子の引渡しを命じる家事審判の間接強制の申立てが権利の濫用に当たるものとして却下された事例
(名古屋高金沢支決令和4年3月31日 間接強制申立却下決定に対する執行抗告事件)
(参考)原 審 富山家庭裁判所令和3年12月23日決定

❖相続財産である4筆の土地について,被相続人は,長年にわたり,地元の公共財産として申立人である市の公共の用に供してきており,将来的にもその現状が維持されることを望んでいたとして,申立人である市を特別縁故者と認めて4筆の土地をいずれも市に分与した事例
(水戸家審令和4年7月13日 特別縁故者に対する相続財産分与申立事件)

◆少年関係裁判(2件)
❖少年(特定少年)が,氏名不詳者らと共謀の上,警察官になりすまして,高齢者らからキャッシュカード等を盗み,それを使用して現金を窃取するなどした窃盗,詐欺保護事件について,犯情の悪質性,少年の立場,保護処分歴,保護環境等を考慮の上,刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(鳥取家決令和4年9月26日 窃盗,詐欺保護事件)

❖麻薬及び向精神薬取締法違反(麻薬と誤認して覚醒剤を自己使用),大麻取締法違反(大麻所持)保護事件において,本件が常習的な違法薬物使用,所持の一環として行われたこと等を指摘し,犯情の程度は重く,少年院送致も許容されるとした上で,非行性の悪化等を指摘し,少年を第1種少年院送致とし,収容期間を3年間と定めた事例
(千葉家決令和4年6月24日 麻薬及び向精神薬取締法違反,大麻取締法違反保護事件)

◆法務省「相続登記の申請義務化の施行に向けたマスタープラン」の公表
 法務省大臣官房司法法制部審査監督課法務専門官(前法務省民事局民事第二課法務専門官) 古田辰美
 法務省民事局民事第二課法務専門官 太田裕介

◆相続土地国庫帰属制度の具体的運用について
 法務省民事局付 森下宏輝
 法務省民事局民事第二課補佐官 三枝稔宗
 法務省民事局民事第二課補佐官 河瀬貴之
 法務省訟務局訟務企画課訟務調査室法務専門官 手塚久美子
 法務省民事局民事第二課不動産登記第四係長 清水玖美
 
◆少年院・少年鑑別所における改正少年法等の運用状況について
 法務省矯正局少年矯正課企画官(少年院係) 藤原尚子
 法務省矯正局少年矯正課企画官(少年鑑別所係) 等々力伸司

◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第6回 年齢切迫事件をめぐる諸問題
 岡山地方・家庭裁判所倉敷支部判事補 横澤慶太

外国少年司法事情
 第35回 北欧  スウェーデンにおける元犯罪者に対する社会復帰支援─ クリスの活動について
 早稲田大学社会安全政策研究所招聘研究員 廣瀬健二
 
更生保護の現場から
 第24回 更生保護就労支援事業について
 愛知県更生保護就労支援事業所長 井坂巧
 
公証家事実務Q&A
 第19回 負担付相続(遺贈)遺言と遺言による信託設定
 葵町公証役場公証人 田近年則
 
子どもの手続代理人のケース研究
 第1回 事例検討① 家庭裁判所調査官と子どもの手続代理人の協働により子どもの意見形成支援及び子どもの意向を中心とした調整が行われた事例
 日弁連子どもの権利委員会

民事信託と後見制度を併用する場合の諸問題
 第1回 民事信託と後見制度の特徴・比較
 日公連民事信託研究会,日弁連信託センター

◆家庭裁判所事件の概況(2・完)─少年事件─ 最高裁判所事務総局家庭局
1,980円
◆特集 家事事件手続のIT化と実務上の課題
・家事事件手続のIT化─利用者に利用しやすい家事事件手続に向けて
 一橋大学大学院法学研究科教授 山本 和彦
・弁護士実務における家事事件のIT化への対応と課題
 弁護士 櫻井 美幸
・家事事件のIT化の在り方と「3つのe」の展望
 弁護士 平岡 敦
・家事調停手続におけるウェブ会議の運用と課題(4庁における試行結果を中心に)
 最高裁判所事務総局家庭局第一課長 戸苅 左近
 
 〈令和3年改正民法の実務①〉
◆論説 新しい所有者不明土地等管理制度の実務運用について
 日本司法書士会連合会不動産登記法改正等対策部 部委員・司法書士 齋藤 毅
 
◆最高裁判例(1件)
民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否
(最一小決令和4年10月6日 財産開示手続実施決定に対する執行抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
(参考)原審 東京高等裁判所令和3年9月29日決定
    原々審 東京地方裁判所令和3年7月1日決定
   
◆家事関係裁判(7件)
別居中の夫婦間において,妻である抗告人が,夫である相手方に対し,前件調停で定められた未成年者らとの面会交流に関する条項の変更を求める事案において,原審が抗告人と未成年者らとの面会交流を間接交流とするのが相当であるとしたのに対し,抗告審は,長女に対する調査の実施時期や間接交流の継続的な実施状況等を踏まえ,未成年者らの意向・心情等の調査を改めて実施し,直接交流の可否や面会交流の具体的方法等を検討する必要があるとして,原審に差し戻した事例
(東京高決令和4年8月18日 面会交流審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和4年3月30日審判

別居中の夫婦間において,妻である原審申立人が,夫で開業医である原審相手方に対して婚姻費用分担金の支払を求めた事案において,義務者である原審相手方の収入が標準算定方式の上限を超えることから,原審が,同方式によらず,同居時の生活水準や生活費支出状況,別居後の家計収支及び生活状況等の諸般の事情を踏まえて婚姻費用の分担額を定めたのに対し,抗告審においては,同方式を維持した上で,高額所得者である原審相手方の基礎収入について,同人の総収入から控除する税金や社会保険料,職業費及び特別経費について,事業収入の特殊性を踏まえた数値を用い,更に一定の貯蓄分を控除して婚姻費用分担額を算定した事例
(大阪高決令和4年2月24日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和3年6月22日審判

公正証書に基づく養育費支払義務の減額を求める審判及び調停を本案とする強制執行の停止を求める審判前の保全処分における保全の必要性について判断した事例
(東京高決令和3年5月26日 審判前の保全処分(強制執行停止)申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所立川支部令和3年4月14日審判

親子関係の不存在確認に係る合意に相当する審判に対して異議を申し立てることができる利害関係人の範囲について判断した事例
(大阪高決令和3年3月12日 合意に相当する審判に対する異議申立却下審判に対する抗告事件)

不在者に対する債権者となる可能性を有する者が不在者について失踪の宣告を申し立てた事案につき,債権者となる可能性があるにとどまる者は民法30条1項の「利害関係人」に該当しないとして,申立てを却下した原審判を維持した事例
(東京高決令和2年11月30日 失踪宣告申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和2年9月24日審判

中国の裁判所で成立した養育費に関する調停に基づき,我が国で養育費増額の調停が申し立てられ,その後審判手続に移行した事案について,中国の裁判所で成立した調停につき民事訴訟法118条4号の「相互の保証」があるとは認められないとして,養育費の増額の審判ではなく,新規の養育費算定の審判をした事例
(横浜家川崎支審令和3年12月17日 養育費(増額)申立事件)

離婚を認容する判決において,財産分与として,夫婦が同居中から飼育する犬の帰属につき判断するとともに,財産分与の扶養的要素を考慮して,飼育費用を負担させる趣旨で定期金の支払が命じられた事例
(福岡家久留米支判令和2年9月24日 離婚請求事件,反訴慰謝料等請求事件)

◆少年関係裁判(1件)
少年法62条2項2号に該当する事件を検察官に送致した事例
(大阪家決令和4年8月5日 逮捕監禁致傷,営利略取,営利略取未遂,傷害保護事件)

◆連 載 外国少年司法事情
・第34回 北欧  スウェーデンのハーフウェイハウスについて
 立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二
・少年矯正の現場から
 第24回 女子少年院在院者の特性に応じた処遇等について ~交野女子学院の取組~
 交野女子学院首席専門官 大道真佐美

◆TOPIC 遺産分割等の促進に向けた弁護士会と法務局の連携の取組
 法務省民事局民事第二課法務専門官 齋藤 貴宏
 法務省民事局民事第二課不動産登記第一係員 佐藤 祐太 
 
◆家庭裁判所事件の概況⑴─家事事件─ 最高裁判所事務総局家庭局
1,980円
◆特 集 社会的養護の実情 ─家庭での養育が困難な子の福祉

・社会的養護の実情と里親委託の推進を中心とした今後の課題
 全国家庭養護推進ネットワーク代表幹事・養育里親(元厚生労働省障害保健福祉部長) 藤井 康弘

・社会的養護における子どもの意見表明権~子どもが自分の人生を歩くために~
 弁護士・社会福祉士・公認心理師・精神保健福祉士(前明石こどもセンター(明石市児童相談所)常勤弁護士) 浦 弘文

・一時保護の実情と課題
 弁護士 進藤 千絵

・民法等改正後の特別養子縁組審判の実情について
 東京家庭裁判所判事 今井 弘晃

◆家事関係裁判(5件)
❖財産分与の基準時における財産中に,相続によって取得した特有財産部分の存在を証拠上認めることができない場合においても,上記財産を取得していたことによって基準時における財産分与対象財産が増加し,あるいはその費消を免れたことが推認できるとして,相続により財産を取得していた事情を民法768条3項の「一切の事情」として考慮して財産分与の額を定めた事例
(東京高決令和4年3月25日 財産分与審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和3年11月25日審判

❖当事者双方とも年金収入がある婚姻費用分担請求事件において,いわゆる標準算定方式の適用にあたって,年金収入を給与収入に換算する場合には,職業費がかかっていないことから修正計算をした一方で,事業収入に換算する場合には,事業収入は既に職業費に相当0する費用を控除済みであるとして,修正計算は必要ないとした事例
(東京高決令和4年3月17日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)

❖国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,父である相手方が,母である抗告人に対し,乳児である子をその常居所地国であるオーストラリア連邦に返還するよう求めた事案において,子の常居所地国はオーストラリア連邦であると認めて子の返還を命じた原決定を取り消し,子の常居所地国がオーストラリア連邦であると認めることはできないとして,子の返還申立てを却下した事例
(大阪高決令和3年5月26日 子の返還決定に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和3年1月6日決定

❖抗告人が死亡した養子との死後離縁の許可を求める事案において,原審は推定相続人廃除の手続を潜脱する目的でなされた恣意的なものであると認めざるを得ないとして申立てを却下したが,抗告審は,申立てが生存養親又は養子の真意に基づくものである限り,原則としてこれを許可すべきであるが,離縁により養子の未成年の子が養親から扶養を受けられず生活に困窮することとなるなど,社会通念上容認し得ない事情がある場合には,これを許可すべきではないと解した上で,本件は,利害関係参加人の就労実績や相当多額の遺産を相続しており,利害関係参加人が抗告人の代襲相続人の地位を喪失することとなっても生活に困窮するとは認められないことなどから,社会通念上容認し得ない事情があるということはできないと判断し,このことは抗告人に利害関係参加人を自らの相続人から廃除したいという意図があるとしても左右されるものではないとし,原審判を取り消し,本件申立てを許可した事例
(大阪高決令和3年3月30日 死後離縁許可申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 神戸家庭裁判所姫路支部令和2年11月16日審判

❖申立人である子が,相手方(日本国籍)に認知を求めた事案において,フィリピンの裁判所において母と前夫(いずれもフィリピン国籍)の婚姻を無効とする判決が確定しているところ,これにより同判決の確定前に出生した子である申立人と前夫との間の嫡出親子関係が遡及的に否定されるものではないが,同親子関係を証明するに足りるフィリピン家族法172条に規定される証拠がないことから,申立人と前夫の間の同親子関係を認めることはできないとした上で,申立人が相手方の子であることを認知する旨の合意に相当する審判がなされた事例
(東京家審令和4年1月19日 認知調停申立事件)

◆少年関係裁判(3件)

◆「家族法制の見直しに関する中間試案」の取りまとめについて

◆改正少年法施行後の運用状況について
 最高裁判所事務総局家庭局付 福岡 涼

◆「少年院法」及び「少年院法施行規則」等の改正とその運用について
 ~特定少年に対する矯正教育と第五種少年院の運用~
 法務省矯正局少年矯正課長 西岡 潔子
 法務省矯正局少年矯正課上席補佐官 滝浦 将士

◆連 載 少年実務 THE BASICS AND BEYOND
・第5回 国選付添人をめぐる諸問題
 司法研修所教官 佐藤 傑

・外国少年司法事情
 第33回 北欧 スウェーデンの最新の動向 ─法改正等の動き
 立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二

・更生保護の現場から
 第23回 更生保護における多機関・多職種連携の重要性について
 千葉保護観察所統括保護観察官 里見 有功

・子どもの話を聴くための手法と実践例 ─司法面接の技法をいかして
 第12回 司法面接で得られた情報の評価(完)
 理化学研究所理事・立命館大学OIC総合研究機構客員教授 仲 真紀子
1,980円
◆特集 現代の薬物非行─ 大麻非行を中心に

・少年の大麻事犯の情勢について
 警察庁生活安全局人身安全・少年課課長補佐 亀山 直樹

・大麻非行の調査・審判における工夫・留意点
 福岡家庭裁判所判事補 窓岩 亮佑
 福岡家庭裁判所家庭裁判所調査官 今井 奈津

・少年院における大麻問題を抱えた在院者の処遇の実情について
 法務省矯正局少年矯正課上席補佐官 滝浦 将士
 法務省矯正研修所効果検証センター効果検証官 坂井 智美

・保護観察における大麻の経験を有する少年の対応について
 東京保護観察所首席保護観察官 朝倉 祐子

◆最高裁判例(2件)
・父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることの許否
(最一小決令和3年3月29日 子の監護に関する処分(監護者指定)審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和2年1月16日決定
    原々審 大阪家庭裁判所令和元年9月27日審判

・父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることの許否
(最一小決令和3年3月29日 子の監護に関する処分(面会交流)申立て却下審判に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和元年11月29日決定
    原々審 京都家庭裁判所令和元年8月15日審判

◆家事関係裁判(6件)
・被相続人を保険契約者兼被保険者とし,共同相続人の1人を死亡保険金の受取人とする生命保険契約に基づく死亡保険金請求権について,民法903条の類推適用による特別受益に準じた持戻しを否定した事例
(広島高決令和4年2月25日 遺産分割申立認容審判に対する即時抗告事件)
(参考)原 審 広島家庭裁判所令和3年12月17日審判

・相手方(妻)が抗告人(夫)に対し,婚姻費用の分担金の支払を求めた事案において,婚姻費用分担額の算定に当たっては生活保護費を収入と評価することはできないとし,相手方の病歴や障害等級,就労実績,医師の見解,現在の状況等に鑑みて,現時点においては,相手方に潜在的稼働能力があるとは認められないとして,抗告人に婚姻費用の分担金の支払を命じることは相当であるとした事例
(東京高決令和4年2月4日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 さいたま家庭裁判所越谷支部令和3年10月21日審判

・相手方が抗告人に対し,未成年者の監護者を相手方と定めるとともに,未成年者の引渡しを求めた事案において,抗告人による監護状況の改善や相手方と未成年者との面会交流の段階的実現といった新たな事情に加え,従前の主たる監護者が抗告人であったこと,相手方において未成年者の監護実績が乏しいことなどを指摘し,原審判を取り消し,未成年者の監護者を抗告人と定め,相手方による未成年者の引渡しを求める申立てを却下した事例
(東京高決令和3年8月6日 子の監護者の指定及び子の引渡し審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和2年10月9日審判

・離婚した抗告人(母A)と相手方(父B)の間において,未成年者ら(C,D)の親権者である相手方が前件調停条項により未成年者らを監護する抗告人に対し,未成年者らを相手方に引き渡すよう求めた事案において,原審は,前提とされた前件調停条項の面会交流が実施されないことから,相手方自身が監護するために未成年者らの引渡しを求めているのであるから,未成年者らの福祉に反することが明らかな場合など特段の事情がない限り,抗告人は,これを拒むことができないと判断して,相手方の申立てを認めたが,抗告審は,前件調停条項どおりの面会交流が実施できなかった責任が主として抗告人にあるとはいえず,相手方は,前件調停条項における抗告人への未成年者らの監護の委託を解除することができないから,抗告人は,現在でも相手方から委託されているというべきであるとした上で,抗告人による監護状況や未成年者らと相手方又は抗告人との親和性,未成年者らの意思等を総合考慮すると,子の福祉の観点から,現時点において,未成年者らを相手方に引き渡すのは相当でないと判断して,原審判を取り消し,相手方の申立てを却下した事例
(東京高決令和3年5月13日 子の引渡し審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 横浜家庭裁判所令和2年11月12日審判

・遺産分割の審判を本案とする審判前の保全処分における被保全権利は,既存の権利ではなく,本案の終局審判で形成される具体的権利であると解され,その発令には本案の終局審判で当該係争物の給付が命ぜられる見込みが一応あるといえることの疎明を要するとした事例
(東京高決令和3年4月15日 審判前の保全処分(遺産分割)申立却下審判に対する抗告事件)

・被相続人の相続人(長女)である控訴人(1審原告)が,被相続人と共同経営者であった被控訴人(1審被告)に対し,被相続人の生前,同人の意思に基づくことなく5270万円余の送金等を受けて金員を領得したと主張して,不当利得返還請求権に基づき控訴人の法定相続分(2分の1)に相当する2940万円余の支払を求めた事案において,二度にわたる贈与契約の締結当時,被相続人が意思能力を有していなかったとは認められず,被控訴人への送金等は有効な贈与契約の履行としてされたものであり,法律上の原因なくされたものではないから,控訴人の請求は理由がないとした原審の判断が維持された事例
(東京高判令和2年9月29日 不当利得返還請求控訴事件)
(参考)原 審 さいたま地方裁判所令和2年1月30日判決

◆少年関係裁判(2件)
・児童自立支援施設入所中の少年が,保護者の正当な監督に服さず,施設職員に傷害を負わせるなどし,将来においても罪を犯すおそれがあるというぐ犯保護事件及び強制的措置許可申請事件において,前者について少年を児童自立支援施設に送致するとともに,後者について事件を児童相談所長に送致し,強制的措置を許可した事例
(千葉家決令和4年3月29日 ぐ犯保護事件及び強制的措置許可申請事件)

・少年が,共謀の上,被害者に対し,暴行を加え,現金を強取して傷害を負わせるなどした強盗致傷,強盗及びぐ犯保護事件において,ぐ犯事実は強盗致傷及び強盗の非行に吸収されるとした上で,試験観察により少年の問題性の根深さやその矯正の難しさが浮き彫りになったこと等を指摘し,少年を第1種少年院送致とした事例
(東京家決令和4年1月13日 強盗致傷,強盗及びぐ犯保護事件)

◆相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令の概要
法務省民事局付 森下 宏輝

◆相続登記の義務化・遺産分割等に関する認知度等調査結果の概要
法務省民事局付 新居 拓馬
法務省民事局民事第二課法規係員 岩井 智樹

◆連 載 少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第4回 観護措置をめぐる諸問題
  広島高等裁判所松江支部判事 福嶋 一訓
 
 外国少年司法事情
 第32回 欧州(7) ドイツの刑事事件・少年事件等の概況(2)
  立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二
 
 少年矯正の現場から
 第23回 薬物事犯の少年の鑑別について~大麻を中心に~
  札幌少年鑑別所函館少年鑑別支所分所長 東山 哲也
1,980円
◆調停制度100周年に寄せて
家事調停制度の沿革~利用者のニーズの変化に応えて~

弁護士・元広島高等裁判所長官 西岡清一郎
これからの時代のニーズに即した在るべき調停運営の模索~家事調停の最新の取組~
東京家庭裁判所判事 今井 弘晃

◆特 集 実務家による終活支援の実情と課題

終活をめぐる弁護士相談と受任の実情
弁護士 冨永 忠祐

弁護士による終活支援の実務と留意点
弁護士 八杖 友一

お一人様の終活と各種の公正証書の利用
麹町公証役場公証人 齊木 敏文

高齢期の介護・福祉サービスと終活
社会福祉士・東京大学大学院教育学研究科特任専門職員 佐々木佐織

◆論 説
ニューヨーク州の離婚訴訟におけるディスカバリ制度─日本の離婚調停手続に対する示唆─
ニューヨーク州弁護士・元コロンビア大学客員研究員 白木 敦士

特定少年の保護者について
さいたま家庭裁判所判事 加藤 学
秋田地方・家庭裁判所大館支部判事補 須川 智裕

◆家事関係裁判(4件)
夫名義の複数の不動産,夫婦それぞれの名義の銀行預金を有する夫婦間の財産分与申立事件において,財産分与対象財産中に,夫の両親が夫婦のためにそれぞれの名義で形成した財産が相当額含まれているとして,この事情を民法768条3項にいう「一切の事情」として考慮して財産分与の額及び方法を定めた事例
(東京高決令和3年12月24日 財産分与審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 千葉家庭裁判所佐倉支部令和3年8月31日審判

国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,母である相手方が,父である抗告人に対し,子らをその常居所地国であるフランス共和国に返還するよう求めた事案において,相手方が主張する返還拒否事由があるとは認められないなどとして,子らの返還を命じた原決定は相当であるとして抗告を棄却した事例
(大阪高決令和2年12月8日 子の返還決定に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和2年9月11日決定

❖婚約の破棄に至る一連の行為が不法行為を構成するとの主張に対して,原告の主張する事項ないし行為ごとに検討し,不法行為の成立を否定した事例
(東京地判令和3年6月7日 損害賠償請求事件)

❖1 公正証書遺言と自書証書遺言が同じ日の午前と午後とに相次いで作成されたケースで,後から作成された自書証書遺言には,遺言者の自書性,遺言能力に問題があるとして,その効力が争われた事例において,後の自筆証書遺言は真正に作成された有効なものであり,これにより先の公正証書遺言は撤回されたものと判断された事例
2 自筆証書において,受遺者の氏名と続柄が一致しないケースで,遺言者と受遺者の交流関係や遺言者が周囲に表明していた事柄から,氏名の記載は勘違いないし記憶違いによる誤記であると認定した上,正しい氏名の受遺者に遺贈されたものと判断された事例
(神戸地判令和元年10月24日所有権移転登記手続等請求事件(本訴),2自筆証書遺言書無効
確認反訴請求事件(反訴))

◆少年関係裁判(1件)
❖送致された非行事実の一部について事実が認められないことを理由として保護処分に付さ
ない旨の決定を受けた少年について,少年の保護事件に係る補償に関する法律3条2号を
適用して,補償の全部をしない旨の決定をした事例
(那覇家決令和3年11月2日 少年補償事件)

◆「新しい運営モデル」の下での間接交流の検討・調整における留意点について
東京家庭裁判所面会交流プロジェクトチーム

◆「更生保護法」及び「犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則」の改正とその運用について
法務省保護局観察課専門官 平畑 昇平

◆連 載

少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第3回 移送・回付をめぐる諸問題
釧路地方・家庭裁判所帯広支部判事補 髙田 浩平

外国少年司法事情
第31回 欧州(6) ドイツの刑事事件・少年事件等の概況(1)
立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二

更生保護の現場から
第22回 更生保護施設やんばる青年隊(一般社団法人沖縄産業開発青年協会)
~その概要と保護観察対象者への処遇~
法務省那覇保護観察所長 岡田 和也
更生保護施設やんばる青年隊施設長 座間味秀樹

公証家事実務Q&A
第18回 公正証書遺言の検索,閲覧,正謄本の請求
札幌中公証役場公証人 竹内 純一

子どもの話を聴くための手法と実践例 ─司法面接の技法をいかして
第11回 司法面接のトレーニングとピアレビュウ
理化学研究所理事・立命館大学OIC総合研究機構客員教授 仲 真紀子
1,980円
◆特集 ステップファミリーをめぐる諸問題

・ステップファミリーをめぐる日本的課題─子どもの権利に着目して
 明治学院大学社会学部教授 野沢 慎司

・再婚に伴うステップファミリー当事者の扶養義務と養育費の支払─裁判例分析を中心として
 慶應義塾大学名誉教授 犬伏 由子

・親の再婚による面会交流への影響と支援の実情・課題
 公益社団法人家庭問題情報センター主任研究員・面会交流支援事業部 笠松奈津子

・ステップファミリーと養子制度の在り方について─「連れ子養子」は子の利益になるか
 大阪産業大学経済学部准教授 菊地 真理

◆最高裁判例(1件)
❖離婚に伴う慰謝料として夫婦の一方が負担すべき損害賠償債務が履行遅滞となる時期
(最二小判令和4年1月28日 離婚等請求本訴,同反訴事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和2年9月3日判決
  第1審 大津家庭裁判所令和元年11月15日判決

◆家事関係裁判(7件)
❖自筆証書遺言の作成当時,遺言者が遺言能力を欠いていたとして,遺言者の遺言能力を認め遺言を有効とした原判決を取り消し,当該遺言を無効と判断した事例
(東京高判令和元年10月16日 遺言無効確認請求控訴事件)
(参考)原 審 東京地方裁判所立川支部平成30年11月28日判決

❖成年に達した子からの扶養に関する処分請求の申立てを却下した原審判を取り消して,扶養料の支払を命じた抗告審の事例
(福岡高決令和元年9月2日 扶養に関する処分申立却下審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 福岡家庭裁判所小倉支部平成30年11月30日審判

◇特別縁故者に対する相続財産の分与申立事件において
1 申立て後,審判前に死亡した申立人の相続人らに相続財産の一部を分与した事例
2 申立人が既に民法958条の3第2項の期間を経過した者との間で,申立人に対する相続財産分与審判が確定することを停止条件とする贈与契約を締結したことの考慮の当否を判断した事例
(山口家裁周南支審令和3年3月29日 特別縁故者に対する相続財産分与申立事件)

◇養子となる者の実父が養子となる者と申立人ら(養父となる者及び養母となる者)との間の特別養子縁組に同意していない事案において,民法817条の6ただし書を適用して,申立人らと養子となる者との間における縁組について特別養子適格があることを確認した事例
(名古屋家審令和3年2月26日 特別養子適格の確認申立事件)

◇妻である申立人が夫である相手方に対し婚姻費用の分担を求めた事案において,会社の代表取締役である相手方の役員報酬の減額が不当なものとはいえないとして減額後の役員報酬額をもって相手方の収入と認定した上で,相手方が前妻との間の子の養育費を支払っていることや相手方が申立人の居住する住宅ローンの支払を行っていることなどによる修正を行って婚姻費用月額を算定した事例
(東京家審令和3年1月29日 婚姻費用分担申立事件)

◇申立人(父)に対して恐怖心を抱いている未成年者らの心情を考慮して,未成年者らとの直接的な面会交流が相当ではなく,まずは従前から実施していた電話や手紙による間接交流の実施を重ね,未成年者らの不安や葛藤を低減していくのが相当とし,間接交流の具体的な方法等について詳細に検討した事例
(奈良家審令和2年9月18日 面会交流申立事件)

◇1 第1の公正証書遺言から7年経過後に作成された第2の公正証書遺言が他人のなりすましによるとしてその効力が争われた事例において,提出された4通の私的筆跡鑑定を子細に検討した上,公証人が現認した当時の遺言者の様子と遺言者の属性に矛盾がないことや,遺言者との人間関係からみて遺言内容の変遷に不自然なところはないなどとして,第2の公正証書遺言は真正に作成した有効なものであると判断された事例
2 遺言者から生前交付された500万円につき,贈与ではなく貸金であると認定された事例
(大阪地判令和2年6月24日 不当利得返還請求事件(甲事件),貸金請求事件(乙事件))

◆少年関係裁判(1件)
◇少年が,共犯者とともに友人の自殺を援助したという自殺幇助保護事件において,犯情は検察官送致をするほどに重いとは認められず,少年の行状等も考慮すると,保護処分を相当と認めるが,安易に不適切な解決方法を選択しやすいとの問題点を自覚させ,適切な社会性を身に付けさせるためには,長期間の系統立った矯正教育が必要であるとして,少年を第1種少年院送致(2年程度の相当長期間の処遇勧告)とした事例
(千葉家決令和3年12月10日 自殺幇助保護事件)

◆令和3年民法等改正における相続登記及び遺産分割の促進と運用について
福岡高等裁判所那覇支部判事(前法務省民事局付) 吉賀朝哉
那覇地方・家庭裁判所沖縄支部判事補(前法務省民事局付) 中丸隆之

◆少年審判規則及び刑事訴訟規則の一部を改正する規則の解説
(少年審判規則関係)
最高裁判所事務総局家庭局第一課長 戸苅左近
最高裁判所事務総局家庭局付 福岡涼

◆少年調査票の新たな様式について
最高裁判所事務総局家庭局第三課課長補佐 小野裕輝
大阪家庭裁判所総括主任家庭裁判所調査官 柳下哲矢

◆連載
遺産分割事件のケース研究
 第11回 事例検討⑪ 事例研究を通じた遺産分割の特別受益と寄与分
水戸地方・家庭裁判所麻生支部判事 數間薫

外国少年司法事情
 第30回 欧州⑸ ドイツの少年法制⑸
立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬健二

少年矯正の現場から
 第22回特定少年に対する特定生活指導「成年社会参画指導」について
多摩少年院首席専門官(教育担当) 大門貴彦
1,980円
◆特集 特定少年の処遇─令和3年改正少年法
【座談会】
松原 里美◯弁護士 (司会)
廣瀬 健二◯立教大学法学部特定課題研究員
加藤 学◯さいたま家庭裁判所部総括判事
髙橋 明宏◯東京家庭裁判所判事
岩﨑 貴彦◯千葉地方裁判所判事
中田 潔◯東京家庭裁判所総括主任家庭裁判所調査官
松田 和哲◯弁護士
【論説】
逆送規定の改正について
南山大学名誉教授 丸山 雅夫

◆最高裁判例(2件)
・性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号と憲法13条,14条1項
(最三小決令和3年11月30日 性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和2年6月4日決定
    原々審 神戸家庭裁判所尼崎支部令和2年2月10日審判
・財産の分与に関する処分の審判の申立てを却下する審判に対し相手方が即時抗告をすることの許否
(最一小決令和3年10月28日 財産分与申立て却下審判に対する抗告一部却下等決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 広島高等裁判所令和2年10月29日決定
    原々審 広島家庭裁判所令和2年6月30日審判

◆家事関係裁判(5件)
・抗告人(母)が未成年者らを相手方(父)と直接的面会交流させることを内容として成立した調停調書に基づいて相手方が間接強制を申し立てた事案において,当事者間では新型コロナウイルス感染症の流行拡大を踏まえて代替としてビデオ通話を利用するなどして面会交流が実施されてきており,実際に何らの面会交流もされなかったのは緊急事態宣言発令下の1回のみであること,上記調停調書が定める以外にも抗告人が未成年者らを相手方と直接的面会交流させてきたこと等の事情によれば,相手方が間接強制により面会交流させる義務の履行を求めることは過酷執行に当たるなどとして,原決定を取り消し,相手方の間接強制の申立てを却下した事例
(大阪高決令和3年8月2日 間接強制決定に対する執行抗告事件)
(参考)原 審 京都家庭裁判所令和3年5月31日決定

・元妻である相手方が元夫である抗告人に対して財産分与を求めた事案において,原審は,抗告人が開示を拒否し,調査嘱託にも同意をしなかったため,金融機関が預金口座の取引履歴に係る調査嘱託に応じなかった普通預金につき,相手方が保有していた当該預金口座の過去の一時期の通帳の写しの内容や財産分与の基準時における預金残高が判明しなかった経緯から相手方による当該預金口座の基準時の残高の推計に合理性を認め,その残高が少なくとも440万円であったと推認し,同額が財産分与の対象になると判断したところ,抗告審において,抗告人が基準時の残高が168万円余りであることを示す当該預金口座の通帳の写しを提出したものの,抗告審は,抗告人の本件手続の追行は,財産隠しと評されてもやむを得ないものであって,明らかに信義に反し不誠実なものというほかなく,このことに,相手方による上記の推計には相応の合理性があることを併せ考慮すれば,抗告人は,本件手続において判明していない口座を有しており,440万円から168万円余りを差し引いた金額を同口座に保管しているものと認めるのが相当であるとして抗告を棄却した事例
(大阪高決令和3年1月13日 財産分与審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和2年9月14日審判

・申立人(日本国籍・母)が相手方(F国籍・父)に対し,いずれも日本国籍を有する未成年者ら(C,D,E)の監護者を申立人と定めることを求めるとともに,相手方が未成年者C及びDを連れ去った上,無断で日本国外に出国したなどと主張して未成年者両名の引渡しを求めた事案において,準拠法は未成年者らと申立人との同一本国法である日本法とした上で,別居までの未成年者らの主たる監護者は申立人であって,相手方は,別居前,未成年者らの監護養育への関与は限定的であった上,別居に際し,未成年者C,Dの単独監護の開始を強行し,日本の家庭裁判所での手続中に,申立人に無断で未成年者両名の旅券を虚偽の届出により取得し,海外渡航させ,申立人と未成年者両名との交流をほぼ全面的に断ち,従前と全く異なる生活環境において未成年者両名を監護しようとしており,監護者としての適格を欠くというべきであるとして,申立人の各申立てをいずれも認容した事例
(東京家審令和3年5月31日 ①子の監護者の指定申立事件,②子の引渡し申立事件)

・日本及びD国の国籍を有する原告(妻)が,チェコ及びE国の国籍を有する被告(夫)に対し,離婚を求めるとともにD国及びE国の国籍だけでなく,チェコ国籍を有することに争いがある長男の親権者を原告と定めること等を申し立てた事案において,親子間の法律
関係の準拠法については,法の適用に関する通則法により,原告は日本法通則法38条1項ただし書),被告は約24年間チェコに在住していたこと等からチェコ法(通則法38条1項本文),長男はチェコ国籍を有するものと認めた上で約2年半チェコに居住し永住権も
取得していること等からチェコ法(通則法38条1項本文)がそれぞれ本国法となり,子である長男の本国法と父である被告の本国法が同一であるから,親子間の法律関係はチェコ法が適用(通則法32条)されるとし,長男の親権者・監護については,チェコ民法においては,離婚後も親責任を有するが,被告は様々な国に転々と赴任し長男の養育環境としては不安定な面があることは否定できないなどとして原告の単独監護(チェコ民法907条1項)に委ねることが相当であるとし,原告の請求を認容した事例
(東京家判令和3年3月29日 離婚等請求事件)

・申立人である出生届未了の子が申立人の母(フィリピン国籍)の元夫である相手方(日本国籍)に対し,嫡出否認の調停を申し立てた事案において,準拠法に関し,本件において申立人が相手方の嫡出子であることが否認されるためには,①相手方と母が婚姻していたことから,父とされる相手方の本国法である日本法及び母の本国法であるフィリピン法のいずれかにおいて嫡出である子の親子関係が認められ,かつ,②その法に基づき嫡出性を否認することが可能であることが必要であるとし,夫のみが訴えを提起することができることとされている嫡出の否認(民法774条,775条)についても,子が申し立てた嫡出否認の調停において合意に相当する審判を行うことができるとした上で,日本法及びフィリピン法のいずれの下でも,申立人が相手方の嫡出子であることは否認されるべきものであると判断し,嫡出否認の合意に相当する審判をした事例
(東京家審令和3年1月4日 嫡出否認申立事件)

◆少年関係裁判(1件)
少年が,被害者を引き倒して腹部を踏みつけるなどの暴行を加え,腹部挫傷等の傷害を負わせたという傷害保護事件において,少年を第1種少年院送致とした原決定に対する処分の著しい不当を理由とする抗告につき,試験観察中に補導委託先から無断退去し,不良交友に居場所を求めたこと等を指摘し,抗告を棄却した事例
(東京高決令和3年9月6日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

◆連載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第2回 ぐ犯保護事件の諸問題(その2)
 秋田地方・家庭裁判所判事 柴田 雅司

更生保護の現場から
 第21回 地方更生保護委員会における82条調査・調整の推進と展望について
 近畿地方更生保護委員会事務局調整指導官 歌原 拓人

公証家事実務Q&A
 第17回 自筆証書遺言書の保管制度
 世田谷公証役場公証人 中山 顕裕

子どもの話を聴くための手法と実践例─ 司法面接の技法をいかして
 第10回 性的虐待,三機関による協同面接について
 理化学研究所理事・立命館大学OIC総合研究機構客員教授 仲 真紀子

◆家庭裁判所事件の概況(2・完)─少年事件─ 最高裁判所事務総局家庭局
おすすめの購読プラン

家庭の法と裁判(FAMILY COURT JOURNAL)の内容

1 裁判例の充実 家事・少年実務の手掛かりとなる緻密な分析・評釈を独自に掲載。 2 特集記事の充実 調停・裁判実務の最新動向をさらに掘り下げる 3 実務解説記事の充実 裁判所、法務省、厚労省ほか省庁発の最新運用を紹介 4 少年事件への特化 他誌にはない、少年事件の実務特集を広く深く伝える 5 連載の充実 保護・矯正管区、公証人、調停委員等による多角的な実務最新事情を紹介

家庭の法と裁判(FAMILY COURT JOURNAL)の目次配信サービス

家庭の法と裁判(FAMILY COURT JOURNAL)最新号の情報がメルマガで届く♪ メールアドレスを入力して登録(解除)ボタンを押してください。

※登録は無料です
※登録・解除は、各雑誌の商品ページからお願いします。/~\Fujisan.co.jpで既に定期購読をなさっているお客様は、マイページからも登録・解除及び宛先メールアドレスの変更手続きが可能です。
以下のプライバシーポリシーに同意の上、登録して下さい。

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

家庭の法と裁判(FAMILY COURT JOURNAL)の所属カテゴリ一覧

Fujisanとは?

日本最大級雑誌の定期購読サービスを提供

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
マイページ
マイライブラリ
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.