目次
特集●『胃炎の京都分類』の使い方
企画編集/春間 賢(川崎医科大学総合医療センター 総合内科学2 特任教授)
<特集にあたって>
胃炎診断の歴史は剖検胃や手術胃の肉眼的,病理組織学的観察に始まり,胃鏡検査が行われるようになると,生きた胃粘膜を直接観察できるようになり,大きく進歩した.さらに,吸引生検による生きた胃粘膜の組織学的観察,内視鏡下に目的部位の胃生検が可能となると,内視鏡所見と病理所見の対比が積極的に行われるようになった.胃の内視鏡検査の最も重要な目的は胃癌の早期診断であり,多くの早期胃癌が発見されるとともに,その発生母地となる胃粘膜,すなわち,萎縮性胃炎と腸上皮化生が注目されるようになる.
胃炎の歴史を語る場合,Schindlerの胃鏡分類,萎縮性胃炎の木村・竹本分類,さらに,Updated Sydney分類は極めて重要である.Schindlerの分類は簡潔であり,木村・竹本分類は胃体部の萎縮性胃炎を評価するうえで,欠かすことのできない項目となっている.Updated Sydney分類は,内視鏡検査で詳細な胃粘膜の観察をして詳細な胃炎分類を行っていた我々にとって,黒船の到来であった.胃炎の局在性という考え方,組織所見のスケール,さらに,内視鏡所見の分類である.世界に遅れまいと多くの施設でUpdated Sydney分類が取り入れられ,実臨床の場で,臨床研究の場で胃炎の評価に用いられた.実際に使用してみるとしっくりくる所と,日本の胃炎診断の場に則しない所が明らかになった.そこで,これまでの日本の胃炎分類を継承し,Helicobacter pylori(H. pylori)感染を考慮した,現在の胃炎診断の実診療に則するように作成されたのが「胃炎の京都分類」である.
「胃炎の京都分類」は日常診療において,H. pylori感染の診断だけでなく,H. pylori除菌後の胃粘膜の診断,さらに,胃癌のリスク評価に重要な位置を占めるようになっている.これまで,「胃炎の京都分類」は著書として初版が作成され,さらに改訂第2版として昨年度に出版されている.「胃炎の京都分類」を内視鏡室あるいは診察室に置き,日々の診療で使用されている先生も多いと思われる.「胃炎の京都分類」ではH. pylori現感染,除菌後,未感染と3つのカテゴリーに分け,多くの内視鏡所見が記載されているが,本特集号では,正常胃粘膜の診断と胃炎を内視鏡所見から診断するコツから始まり,H. pylori感染胃炎を診断するうえで重要な所見である萎縮,発赤,粘膜腫脹,粘膜ひだの変化,結節性変化,黄色腫,腸上皮化生の7つの所見を重点的に取り上げ,豊富な内視鏡所見とともに,専門家による診断のポイントと臨床的意義を記述している.さらに,最近多くなってきた除菌後の胃粘膜の画像診断と,胃癌のリスク評価について,また,残胃胃炎の診断についても取り上げている.特集号の最後では,「胃炎の京都分類」の最も活用される胃がん検診と,多忙な実地医療の場でどこまで臨床的な意義を持って「胃炎の京都分類」を使用できるのか,実際に使用した評価と問題点を取り上げている.ぜひ,熟読頂きたい一冊である.
春間 賢
川崎医科大学総合医療センター 総合内科学2 特任教授
<目次>
特集にあたって/春間 賢
1. 内視鏡で観察される正常の胃粘膜とは?/春間 賢・末廣満彦・鎌田智有・井上和彦
2. 胃炎を診断するコツ/鎌田智有
3-1. 重要な所見「萎縮」/丸山保彦
3-2. 重要な所見「発赤」/寺尾秀一・鈴木志保
3-3. 重要な所見「粘膜腫脹」/加藤元嗣・松田宗一郎・津田桃子・久保公利・間部克裕
3-4. 重要な所見「粘膜ひだの変化」/中村 純・末廣満彦・河本博文・春間 賢
3-5. 重要な所見「結節性変化」/安田 貢
3-6. 重要な所見「胃黄色腫」/北村晋志
3-7. 重要な所見「腸上皮化生」/伊藤公訓・小刀崇弘・田中信治・茶山一彰
4. 除菌後の胃粘膜/沖本忠義・村上和成
5. 胃癌のリスク評価/井上和彦
6. 残胃胃炎の見方/野村幸世
7. 胃がん検診における胃炎の京都分類の使い方/水野元夫
8. 実地医療現場における胃炎の京都分類/田﨑修平
企画編集/春間 賢(川崎医科大学総合医療センター 総合内科学2 特任教授)
<特集にあたって>
胃炎診断の歴史は剖検胃や手術胃の肉眼的,病理組織学的観察に始まり,胃鏡検査が行われるようになると,生きた胃粘膜を直接観察できるようになり,大きく進歩した.さらに,吸引生検による生きた胃粘膜の組織学的観察,内視鏡下に目的部位の胃生検が可能となると,内視鏡所見と病理所見の対比が積極的に行われるようになった.胃の内視鏡検査の最も重要な目的は胃癌の早期診断であり,多くの早期胃癌が発見されるとともに,その発生母地となる胃粘膜,すなわち,萎縮性胃炎と腸上皮化生が注目されるようになる.
胃炎の歴史を語る場合,Schindlerの胃鏡分類,萎縮性胃炎の木村・竹本分類,さらに,Updated Sydney分類は極めて重要である.Schindlerの分類は簡潔であり,木村・竹本分類は胃体部の萎縮性胃炎を評価するうえで,欠かすことのできない項目となっている.Updated Sydney分類は,内視鏡検査で詳細な胃粘膜の観察をして詳細な胃炎分類を行っていた我々にとって,黒船の到来であった.胃炎の局在性という考え方,組織所見のスケール,さらに,内視鏡所見の分類である.世界に遅れまいと多くの施設でUpdated Sydney分類が取り入れられ,実臨床の場で,臨床研究の場で胃炎の評価に用いられた.実際に使用してみるとしっくりくる所と,日本の胃炎診断の場に則しない所が明らかになった.そこで,これまでの日本の胃炎分類を継承し,Helicobacter pylori(H. pylori)感染を考慮した,現在の胃炎診断の実診療に則するように作成されたのが「胃炎の京都分類」である.
「胃炎の京都分類」は日常診療において,H. pylori感染の診断だけでなく,H. pylori除菌後の胃粘膜の診断,さらに,胃癌のリスク評価に重要な位置を占めるようになっている.これまで,「胃炎の京都分類」は著書として初版が作成され,さらに改訂第2版として昨年度に出版されている.「胃炎の京都分類」を内視鏡室あるいは診察室に置き,日々の診療で使用されている先生も多いと思われる.「胃炎の京都分類」ではH. pylori現感染,除菌後,未感染と3つのカテゴリーに分け,多くの内視鏡所見が記載されているが,本特集号では,正常胃粘膜の診断と胃炎を内視鏡所見から診断するコツから始まり,H. pylori感染胃炎を診断するうえで重要な所見である萎縮,発赤,粘膜腫脹,粘膜ひだの変化,結節性変化,黄色腫,腸上皮化生の7つの所見を重点的に取り上げ,豊富な内視鏡所見とともに,専門家による診断のポイントと臨床的意義を記述している.さらに,最近多くなってきた除菌後の胃粘膜の画像診断と,胃癌のリスク評価について,また,残胃胃炎の診断についても取り上げている.特集号の最後では,「胃炎の京都分類」の最も活用される胃がん検診と,多忙な実地医療の場でどこまで臨床的な意義を持って「胃炎の京都分類」を使用できるのか,実際に使用した評価と問題点を取り上げている.ぜひ,熟読頂きたい一冊である.
春間 賢
川崎医科大学総合医療センター 総合内科学2 特任教授
<目次>
特集にあたって/春間 賢
1. 内視鏡で観察される正常の胃粘膜とは?/春間 賢・末廣満彦・鎌田智有・井上和彦
2. 胃炎を診断するコツ/鎌田智有
3-1. 重要な所見「萎縮」/丸山保彦
3-2. 重要な所見「発赤」/寺尾秀一・鈴木志保
3-3. 重要な所見「粘膜腫脹」/加藤元嗣・松田宗一郎・津田桃子・久保公利・間部克裕
3-4. 重要な所見「粘膜ひだの変化」/中村 純・末廣満彦・河本博文・春間 賢
3-5. 重要な所見「結節性変化」/安田 貢
3-6. 重要な所見「胃黄色腫」/北村晋志
3-7. 重要な所見「腸上皮化生」/伊藤公訓・小刀崇弘・田中信治・茶山一彰
4. 除菌後の胃粘膜/沖本忠義・村上和成
5. 胃癌のリスク評価/井上和彦
6. 残胃胃炎の見方/野村幸世
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