消化器内科 第5号 (発売日2020年03月25日) 表紙
  • 雑誌:消化器内科
  • 出版社:医学出版
  • 発行間隔:不定期
  • 発売日:年1~2回
  • 参考価格:4,400円
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消化器内科 第5号 (発売日2020年03月25日)

医学出版
特集●消化器領域におけるIgG4関連疾患
企画編集/神澤輝実(がん・感染症センター都立駒込病院 院長)

<特集にあたって>

 自己免疫性膵炎は,ステロイドが奏効し発症機序に何らかの自己免疫現象の関...

消化器内科 第5号 (発売日2020年03月25日)

医学出版
特集●消化器領域におけるIgG4関連疾患
企画編集/神澤輝実(がん・感染症センター都立駒込病院 院長)

<特集にあたって>

 自己免疫性膵炎は,ステロイドが奏効し発症機序に何らかの自己免疫現象の関...

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目次

特集●消化器領域におけるIgG4関連疾患
企画編集/神澤輝実(がん・感染症センター都立駒込病院 院長)


<特集にあたって>

 自己免疫性膵炎は,ステロイドが奏効し発症機序に何らかの自己免疫現象の関与が示唆される膵炎として,1995年に日本から世界に発信された.その膵臓は,リンパ球と形質細胞の密な浸潤と線維化(花筵状線維化)および閉塞性静脈炎を示すlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)と呼ばれる特徴的な病理組織像を呈した.その後2001年には,自己免疫性膵炎患者では高率に血中IgG4値が上昇することが報告された.我々は自己免疫性膵炎患者にしばしば見られる胆管狭窄,涙腺・唾液腺腫大や後腹膜腫瘤などの病理組織像が膵臓と同じであり,さらに自己免疫性膵炎患者の全身諸臓器に多数のIgG4陽性形質細胞浸潤を認めたことなどから,IgG4が関連した全身性疾患(IgG4関連疾患)という新しい疾患概念を2003年に提唱した.
 自己免疫性膵炎は,現在IgG4関連疾患の膵病変と考えられている.高齢の男性に多く発症し,他のIgG4関連疾患をしばしば合併する.2018年には自己免疫性膵炎患者の血清から分離したIgG4やIgG1に膵組織障害性があり,対応抗原は自身の膵臓に存在するlaminin 511という細胞外マトリックスであること,自己免疫性膵炎患者の51%で抗laminin 511抗体が陽性であったことが報告された.しかし,自然免疫の関与も含め病因・病態はいまだ十分には解明されていない.自己免疫性膵炎は腫瘤を形成することより診療当初は膵臓癌を疑われることが多く,鑑別が必要である.
 診断は,CTやMRI等による膵腫大と,内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)による主膵管の不整狭細像,高IgG4血症,膵臓の病理所見,膵外病変(硬化性胆管炎,涙腺・唾液腺炎,後腹膜線維症,腎病変)とステロイド治療の効果の組み合わせで行われる.診断基準は,2018年に4回目の改訂が行われた.近年は,超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)による病理学的鑑別診断の役割が大きくなっている.治療はステロイドが奏効し,経口プレドニゾロンが第1選択薬である.しかし,ステロイド減量中や中止後に30~40%の例が再燃するので,再燃予防にプレドニゾロン 5 mg/日程度の維持療法を1~3年程行うことが多い.再燃例では,ステロイドの増量や再投与が行われるが,欧米では免疫抑制剤やリツキシマブの投与がなされ好成績が報告されている.再燃を繰り返す例では膵石の形成が起こることがあり,また膵臓癌の合併も報告され,長期予後は不明である.
 IgG関連硬化性胆管炎は,高率に自己免疫性膵炎に合併し,IgG4関連疾患の胆管病変と考えられている.下部胆管狭窄を呈する例が多いが,肝門部胆管や肝内胆管狭窄例では胆管癌や原発性硬化性胆管炎との鑑別が問題となる.胆管癌との鑑別のために胆管生検や細胞診は必要であるが,IgG4関連硬化性胆管炎の病変は胆管上皮下に存在するため,胆管生検による確定診断は困難なことが多い.IgG4関連硬化性胆管炎では,対称性で平滑な内側縁の胆管壁肥厚像を胆管狭窄部のみだけではなく胆管非狭窄部においても広範囲に認めることが特徴である.この所見は,超音波内視鏡検査(EUS)や管腔内超音波検査(IDUS)により詳細に観察でき,胆管癌との鑑別診断に有用である.自己免疫性膵炎を合併しないIgG4関連硬化性胆管炎単独例は,胆管癌との鑑別が特に難しく,ステロイドトライアルによるステロイドの効果判定により診断する例もある.これらをまとめたIgG4関連硬化性胆管炎診療ガイドラインが2019年に世界で初めて作成された.
 その他の消化器領域のIgG4関連疾患としては,IgG4関連自己免疫性肝炎,IgG4関連胆嚢炎,IgG4関連消化管病変が挙げられる.本号では,これらの5つの消化器領域のIgG4関連疾患について特集する.

神澤輝実
がん・感染症センター都立駒込病院 院長


<目次>

1. IgG4関連疾患と血中IgG4値/濱野英明
2. 自己免疫性膵炎の疫学/菊田和宏,菅野 敦,正宗 淳
3. 自己免疫性膵炎の病因と病態/岡崎和一,池浦 司,内田一茂
4. 自己免疫性膵炎とIgG4関連硬化性胆管炎の病理/福嶋敬宜
5. 自己免疫性膵炎臨床診断基準の改訂―自己免疫性膵炎臨床診断基準2018の解説―/川 茂幸
6. 自己免疫性膵炎の画像診断/井上 大,戸島史仁,小森隆弘,出雲崎 晃,蒲田敏文
7. IgG4関連硬化性胆管炎診療ガイドライン/神澤輝実,中沢貴宏
8. IgG4関連硬化性胆管炎の診断/内藤 格,中沢貴宏,大原弘隆
9. 自己免疫性膵炎とIgG4関連硬化性胆管炎の治療/窪田賢輔,栗田裕介,高木由理
10. 自己免疫性膵炎とIgG4関連硬化性胆管炎の長期予後/田原純子,清水京子
11. IgG4関連自己免疫性肝炎/梅村武司
12. IgG4関連疾患における胆嚢病変―IgG4関連胆嚢炎―/西野隆義,濱野徹也
13. IgG4関連消化管病変/能登原憲司

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