Medical Bio 発売日・バックナンバー

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2,075円
◆【特別インタビュー】Special Interview
加藤久典 東京大学 統括プロジェクト機構 特任教授に聞く
ニュートリゲノミクスの将来展望
─網羅的なオミックス解析で明らかになる食品の有効性
…斉藤勝司(サイエンスライター)

健康的な生活を送るうえで基盤となるのが日常の食生活。健康増進につながる食品の機能への関心が高まっている。そのため近年,ライフサイエンスの研究手法を活用し,食品がもつ未知なる有効性を明らかにするニュートリゲノミクス研究が活発に進められている。

◆【特集】Special Issue
がん細胞の生物学

がんは,私たちの体を構成する正常な組織ではたらいている制御機構を振り切った,たった一つの細胞から発生する。つまり,正常な細胞の制御機能を理解し,さらにそれががん化によっていかに機能異常に陥るかを解明することが重要となる。本特集では,正常細胞との違いを考えながら,がん細胞がどのように発生し進展していくのかをさまざまな視点で概観し,そこからがん細胞のみを攻撃できる薬剤の開発を展望する。

(1)総論:がんの生物学
…森本幾夫:東京大学 医科学研究所 免疫病態分野

(2)形態から見たがん細胞の特徴
…金井弥栄:国立がん研究センター研究所 分子病理分野

(3)がん細胞の遺伝子・ゲノム異常
…村上善則:東京大学 医科学研究所 人癌病因遺伝子分野

(4)がん細胞膜上の微小環境
─悪性化制御因子としての膜型マトリックスメタロプロテアーゼ1 ─
…越川直彦 清木元治:東京大学 医科学研究所 腫瘍細胞社会学分野

(5)がんと代謝
…丸 義朗:東京女子医科大学 医学部 薬理学

(6)がん細胞の細胞表面分子
…岩田哲史 森本幾夫:東京大学 医科学研究所 免疫病態分野

(7)がん幹細胞とは
…山崎裕人 森本幾夫:東京大学 医科学研究所 免疫病態分野

(8)がんの分子標的治療
…田村研治:国立がん研究センター 中央病院 乳腺科・腫瘍内科

◆【解説1】Mining Column1
マウスの体内でラットの膵臓を作製
…小林俊寛 中内啓光:東京大学 医科学研究所 幹細胞治療研究センター 幹細胞治療分野

iPS 細胞の樹立により,患者自身の多能性幹細胞から望みの細胞を作りだすことが夢ではなくなった。しかし,複雑な構造からなる臓器をin vitroで作ることはむずかしい。そこでわれわれは,多能性幹細胞のもつキメラ形成能を利用して,動物の体内で臓器を丸ごと作れないかと考えた。本稿では,マウスのなかにラットのiPS細胞由来の膵臓を作る実験を紹介する。

◆【解説2】Mining Column2
消化管の動きを調節する分子センサー
…三原 弘 富永真琴:自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター(生理学研究所) 細胞生理研究部門

TRPV2分子センサーは,高温,機械伸展刺激,化学物質で活性化する陽イオンチャネルである。今回,TRPV2が機械伸展刺激やある種の脂質を感知して活性化し,一酸化窒素の放出を介して消化管の弛緩を引きおこし,内容物の肛門側への素早い移動をもたらすことを明らかにした。機能性消化管疾患との関連や今後の展望を含め概説する。

◆【解説3】Mining Column3
コレステロール大論争
─「動脈硬化学会VS脂質栄養学会」論点の腑分け
…林 衛:富山大学 人間発達科学部 科学技術社会コミュニケーション研究室

日本動脈硬化学会による「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」は,政府による生活習慣病対策の要とされている。「高コレステロール値は避けねばならない」という「常識」とその根拠が集約されているはずのこのガイドラインに対し,日本脂質栄養学会が「ノー」を突きつけた。

◆【技術コラム】
細胞透過性ペプチドによるタンパク質トランスフェクション
…円居隆宏 高蔵 晃:タカラバイオ株式会社 製品開発センター

◆【連載】Serial Articles
初心者のための細胞バイオテクノロジー
免疫染色によるタンパク質の細胞内局在解析
…田辺真彦 加藤茂明:東京大学 分子細胞生物学研究所 核内情報研究分野

話題の先端研究に迫る!
バイオトピックス・ルポ
①─基本技術の特許切れで激化する─
RNAアプタマー創薬の開発競争
中村義一 (東京大学 医科学研究所 基礎医科学部門 遺伝子動態分野 教授)

②恐怖行動を制御する神経のしくみを解明
岡本 仁(理化学研究所 脳科学総合研究センター 発生遺伝子制御研究チーム シニアチームリーダー)
…取材:斉藤勝司(サイエンスライター)

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
チック障害と知的障害の治療研究
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

生命科学者のための疫学入門
【第 9回】スクリーニング─疫学手法を予防医療に適応する
…斎藤重幸:札幌医科大学 医学部 内科学第二講座

【第10回】疫学と倫理─参加者・社会の利益を配慮する
…玉腰暁子:愛知県医科大学 医学部 公衆衛生学

【第11回】疫学の社会への応用─エビデンスを健康政策に活かす
…安村誠司:福島県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座

Sayer Says!
ゲノム,ゲノム,ゲノム
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

生命科学者のための創薬化学ABC
人類がもっとも求めた薬─鎮痛剤はどうやって痛みを抑えるのか
…佐藤健太郎:サイエンスライター

科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
学会年会・大会での広報
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
遺伝子検査は人々を不安にしない,
しかし生活習慣を変えることもない !?
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
国内バイオベンチャー,
HIV治療薬をメガファーマに導出
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
「病理診断科誕生」から3年─患者が主役の病理診断への模索
…サイエンス・サポート・アソシエーション

ライフサイエンスQ&A
花粉症の薬はなぜ眠くなる?/かゆみを抑える薬の作用は?

【書評】Book Shelf
『自己変革するDNA』『ヒトはどうして死ぬのか』『脳のエシックス』ほか
2,075円
◆【特設】Special Issue
鈴木章博士 根岸英一博士
2010年ノーベル化学賞受賞記念
クロスカップリングとは何か?
…佐藤健太郎 サイエンスライター

<記事概要>
2010 年度のノーベル化学賞は「クロスカップリング反応」に与えられた。この反応は,複雑な分子に適用しても高い信頼性で生成物が得られ,操作も簡単で危険な副生物も出ないことから,炭素- 炭素結合生成反応の圧巻とも評される。医薬や先端材料開発に与えた影響もきわめて大きい。

◆【特設】Special Issue
COP10で採択された『名古屋議定書』の中身
…斉藤勝司 サイエンスライター

<記事概要>
遺伝資源へのアクセスと利益分配(ABS)の制度作りに関しては,遺伝子資源の提供国となる途上国と,それを利用する先進国との間の意見の対立から,議論が紛糾した。その理由は,五つの論点にあったと指摘されている。

◆【特別インタビュー】Special Interview
牛島俊和 国立がん研究センター研究所 エピゲノム解析分野
分野長に聞く
エピジェネティック異常と疾患研究のこれから

<記事概要>
DNAのメチル化やヒストン修飾の異常(エピジェネティック異常)が,がんをはじめとするさまざまな疾患と関係していることが知られるようになり,エピジェネティクス研究への関心が高まっている。牛島分野長にエピジェネティクス研究の将来展望についてうかがった。

◆【解説1】Mining Column1
線維芽細胞からiPS細胞を経ずに心筋細胞を直接作製
…家田真樹 慶應義塾大学 医学部 臨床分子循環器病学講座 循環器内科

<記事概要>
複数の心臓形成因子を同時に導入することで,線維芽細胞を直接心筋細胞にリプログラミングできるのではないかという仮説を立て,心筋リプログラミング因子の探索を開始。結果,心臓形成に重要な三因子を導入することで,心臓線維芽細胞から心筋様細胞への分化転換に成功した。

◆【解説2】Mining Column2
膜電位感受性蛍光タンパク質による脳機能イメージング
…武藤弘樹 アケマン・ウォルター クヌッフェル・トーマス
理化学研究所 脳科学総合研究センター 神経回路ダイナミクス研究チーム

<記事概要>
頭蓋骨に守られ,自由な観察が困難な脳内の膨大な情報を処理する多数の神経細胞の活動を可視化し,リアルタイムに観察することは難題とされてきた。本稿では,原形質膜に発現した細胞の膜電位変化に応答する膜電位感受性蛍光タンパク質の開発と,その蛍光タンパク質を使ったマウスの神経活動のリアルタイム画像化について解説する。

◆【解説3】Mining Column3
過剰な攻撃行動を引きおこす神経メカニズム
…高橋阿貴 国立遺伝学研究所 マウス開発研究室
Klaus A Miczek タフツ大学 心理学部

<記事概要>
これまで,脳内セロトニンの低下が過剰な攻撃行動をもたらすとされていたが,そのような単純な図式ではないことが示されている。本稿では,種を越えて保存される攻撃性の位置づけとセロトニンとの関連,そして過剰な攻撃行動の最中に,セロトニン神経が示す挙動について紹介する。

◆【付録】
2011年カレンダー 血液細胞の分化経路図

◆【連載】Serial Articles

初心者のための細胞バイオテクノロジー
分化細胞の遺伝子発現解析
…奥野陽亮 加藤茂明 東京大学 分子細胞生物学研究所 核内情報研究分野

話題の先端研究に迫る!
バイオトピックス・ルポ
①時計遺伝子ががんの増殖を抑制する
宮崎 歴(産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 生物時計研究グループ 主任研究員)

②酸性条件下でのがん細胞増殖メカニズム
石井 聡(秋田大学 大学院医学系研究科 病態制御系 生体防御学講座 教授)
…取材:斉藤勝司サイエンスライター

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
チック症の発生と基底核領域の研究
…阿部敏明 保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

生命科学者のための疫学入門
因果関係論─因果関係を判断するための視点を養う
…中村好一 自治医科大学 公衆衛生学教室

Sayer Says!
中国今昔
…斎藤成也 国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

石浦教授のEnjoy!生命科学(最終回)
血圧が上がる
…石浦章一 東京大学大学院総合文化研究科

生命科学者のための創薬化学ABC
うつ病治療薬─現代の病の謎に挑む
…佐藤健太郎 サイエンスライター

科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
目的,目標,戦略目標
…長神風二 東北大学 脳科学GCOE

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
代理出産を依頼した両親が,胎児の障害を理由に中絶を要求
…粥川準二 科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
信州大学発ベンチャー・アネロ社,ビフィズス菌を利用した抗がん剤の臨床試験に向けて始動
…水月ゆう子 バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
就任から2年,オバマ政権の医科学政策のゆくえ
…サイエンス・サポート・アソシエーション

ライフサイエンスQ&A
オキシトシンの新たなはたらきは?/iPS細胞からどうやって臓器を作るの?

【書評】Book Shelf
『完全な人間を目指さなくてもよい理由』『人間らしさとはなにか?』『ライフサイエンス政策の現在』ほか
2,075円
◆【特別インタビュー】Special Interview
近藤達也 医薬品医療機器総合機構 理事長に聞く
医薬品のレギュラトリーサイエンスの推進
…聞き手:斉藤勝司 サイエンスライター

<記事概要>
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は,「ドラッグ・ラグ,デバイス・ラグの解消」という目標を掲げ機能強化を進めている。4 月の事業仕分けでも,事業規模の拡充と評決され期待の大きさが示された。PMDA機能強化のキーパーソンである,近藤達也理事長に話をうかがった。(クリックすると消えます)



◆【特集】Special Issue
老化と加齢性疾患を科学する

<記事概要>
「老化」とは,「加齢」とともに個体の機能が低下する生命現象をさす。老化は,およそ生物であるかぎり避けては通れない,当たり前の現象だが,生命科学の視点で老化を説明することは,実はかなりむずかしい。年を重ねるとなぜ個体機能が低下し加齢性疾患を発症するのか,その原因や分子メカニズムは何か? 本号では,その最新の知見を探る。(クリックすると消えます)


(1)老化と活性酸素
…石井直明:東海大学 医学部基礎医学系 分子生命科学

<記事概要>
老化の促進や老化に関連する疾患に,エネルギー代謝とその副産物である活性酸素がかかわっていることが明らかになってきた。個々の寿命は活性酸素の発生量と,それに対する防御能力とのバランスによって決定されると考えられる。(クリックすると消えます)


(2)脳の老化:加齢性記憶障害とその分子機構
…平野恭敬 齊藤 実:東京都医学研究機構 東京都神経科学総合研究所 神経機能分子治療部門

<記事概要>
加齢は身体能力の衰退だけでなく,脳機能,とくに記憶力の低下を引きおこす。加齢性記憶障害はなぜおきるのか? 生物学的にどのような意味をもつのか? 改善できる障害なのか? 本稿では,加齢性記憶障害の分子機構を論じるとともに,これらの本質的な問いに迫る。(クリックすると消えます)


(3)アミロイドーシス発症の分子機構解明
…八木寿梓 後藤祐児:大阪大学 蛋白質研究所

<記事概要>
アミロイド線維の理解は,アミロイドーシスの治療や予防方法を開発するうえで必須である。本稿では,全反射蛍光顕微鏡を用いたアミロイド線維形成の分子機構に関する知見を紹介するとともに,今後のアミロイド線維研究について考察する。(クリックすると消えます)


(4)生涯にわたる恒常性の調節分子機序
…倉地幸徳:九州大学理事・副学長

<記事概要>
年齢は,加齢・老化の本質的要素である。また加齢は多くの疾患の危険因子として広く知られている。年齢軸に沿って一生のあいだ,健康な体はどのように変動し,どのようなしくみがはたらいているのであろうか。この分野は,長いあいだ未知の研究領域であったが,最近ようやくその一端が解明されてきた。(クリックすると消えます)



◆【解説】Mining Column
アレルギー発症抑制分子「アラジン-1」の発見
…人見香織 田原聡子 渋谷 彰:筑波大学 大学院人間総合科学研究科 基礎医学系 免疫学

<記事概要>
花粉症などのいわゆるI型アレルギーは,免疫グロブリンEの結合した肥満細胞に抗原が結合し,肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されることから始まる。肥満細胞の表面で,この一連のシグナル伝達を阻止する新しい受容体“アラジン-1”が発見された。(クリックすると消えます)



◆【特別企画】
写真でみる第9回 国際バイオEXPO
【併設】バイオテクノロジー国際会議

◆【連載】Serial Articles

初心者のための細胞バイオテクノロジー
第2回 免疫沈降,ウエスタンブロッティングによるタンパク質相互作用解析
…関根弘樹 加藤茂明:東京大学 分子細胞生物学研究所 核内情報研究分野

話題の先端研究に迫る!
バイオトピックス・ルポ
①脂肪を分解する分子,AIMを発見─画期的な“痩せ薬”開発への糸口となるか
宮崎 徹(東京大学 大学院医学系研究科教授)

②緑藻の光受容体遺伝子の導入による網膜色素変性ラットの視力回復
富田浩史 (東北大学 国際高等研究教育機構准教授)
…取材:斉藤勝司サイエンスライター

新ミクログラフィア
細胞のなかに棲みつくミトコンドリア
…牛木辰男 甲賀大輔:新潟大学 大学院医歯学総合研究科

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症治療の最前線(3) 注意欠陥・多動症候群の病態
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

Sayer Says!
講義をする側と受ける側
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

石浦教授のEnjoy!生命科学
寿命を延ばす
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

生命科学者のための創薬化学ABC
偶然から必然へ─変容する抗がん剤の科学
…佐藤健太郎:サイエンスライター

科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
市民向けイベントの実施─少人数イベントの費用対広報効果の拡大法
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE

生命科学者のための疫学入門
疫学研究方法論(4)介入研究
─曝露と疾患発症を明らかにする強力な研究デザイン
…斎藤重幸:札幌医科大学 第二内科

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
治療するのは“性器の障害”か,それとも“同性愛”か?
議論をよぶ出生前CAH治療
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
イミュノフロンティアに第一三共が出資
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
新成長戦略「ライフ・イノベーション戦略」のちぐはぐ感
…サイエンス・サポート・アソシエーション

ライフサイエンスQ&A
人工的に作られた生命とは?/イレッサって,どんな薬?

【書評】Book Shelf
『生物多様性とは何か』『生物多様性〈喪失〉の真実』『理系人に役立つ科学哲学』ほか
2,075円
◆【特別インタビュー】Special Interview
近藤達也 医薬品医療機器総合機構 理事長に聞く
医薬品のレギュラトリーサイエンスの推進
…聞き手:斉藤勝司 サイエンスライター

<記事概要>
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は,「ドラッグ・ラグ,デバイス・ラグの解消」という目標を掲げ機能強化を進めている。4 月の事業仕分けでも,事業規模の拡充と評決され期待の大きさが示された。PMDA機能強化のキーパーソンである,近藤達也理事長に話をうかがった。(クリックすると消えます)



◆【特集】Special Issue
老化と加齢性疾患を科学する

<記事概要>
「老化」とは,「加齢」とともに個体の機能が低下する生命現象をさす。老化は,およそ生物であるかぎり避けては通れない,当たり前の現象だが,生命科学の視点で老化を説明することは,実はかなりむずかしい。年を重ねるとなぜ個体機能が低下し加齢性疾患を発症するのか,その原因や分子メカニズムは何か? 本号では,その最新の知見を探る。(クリックすると消えます)


(1)老化と活性酸素
…石井直明:東海大学 医学部基礎医学系 分子生命科学

<記事概要>
老化の促進や老化に関連する疾患に,エネルギー代謝とその副産物である活性酸素がかかわっていることが明らかになってきた。個々の寿命は活性酸素の発生量と,それに対する防御能力とのバランスによって決定されると考えられる。(クリックすると消えます)


(2)脳の老化:加齢性記憶障害とその分子機構
…平野恭敬 齊藤 実:東京都医学研究機構 東京都神経科学総合研究所 神経機能分子治療部門

<記事概要>
加齢は身体能力の衰退だけでなく,脳機能,とくに記憶力の低下を引きおこす。加齢性記憶障害はなぜおきるのか? 生物学的にどのような意味をもつのか? 改善できる障害なのか? 本稿では,加齢性記憶障害の分子機構を論じるとともに,これらの本質的な問いに迫る。(クリックすると消えます)


(3)アミロイドーシス発症の分子機構解明
…八木寿梓 後藤祐児:大阪大学 蛋白質研究所

<記事概要>
アミロイド線維の理解は,アミロイドーシスの治療や予防方法を開発するうえで必須である。本稿では,全反射蛍光顕微鏡を用いたアミロイド線維形成の分子機構に関する知見を紹介するとともに,今後のアミロイド線維研究について考察する。(クリックすると消えます)


(4)生涯にわたる恒常性の調節分子機序
…倉地幸徳:九州大学理事・副学長

<記事概要>
年齢は,加齢・老化の本質的要素である。また加齢は多くの疾患の危険因子として広く知られている。年齢軸に沿って一生のあいだ,健康な体はどのように変動し,どのようなしくみがはたらいているのであろうか。この分野は,長いあいだ未知の研究領域であったが,最近ようやくその一端が解明されてきた。(クリックすると消えます)



◆【解説】Mining Column
アレルギー発症抑制分子「アラジン-1」の発見
…人見香織 田原聡子 渋谷 彰:筑波大学 大学院人間総合科学研究科 基礎医学系 免疫学

<記事概要>
花粉症などのいわゆるI型アレルギーは,免疫グロブリンEの結合した肥満細胞に抗原が結合し,肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されることから始まる。肥満細胞の表面で,この一連のシグナル伝達を阻止する新しい受容体“アラジン-1”が発見された。(クリックすると消えます)



◆【特別企画】
写真でみる第9回 国際バイオEXPO
【併設】バイオテクノロジー国際会議

◆【連載】Serial Articles

初心者のための細胞バイオテクノロジー
第2回 免疫沈降,ウエスタンブロッティングによるタンパク質相互作用解析
…関根弘樹 加藤茂明:東京大学 分子細胞生物学研究所 核内情報研究分野

話題の先端研究に迫る!
バイオトピックス・ルポ
①脂肪を分解する分子,AIMを発見─画期的な“痩せ薬”開発への糸口となるか
宮崎 徹(東京大学 大学院医学系研究科教授)

②緑藻の光受容体遺伝子の導入による網膜色素変性ラットの視力回復
富田浩史 (東北大学 国際高等研究教育機構准教授)
…取材:斉藤勝司サイエンスライター

新ミクログラフィア
細胞のなかに棲みつくミトコンドリア
…牛木辰男 甲賀大輔:新潟大学 大学院医歯学総合研究科

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症治療の最前線(3) 注意欠陥・多動症候群の病態
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

Sayer Says!
講義をする側と受ける側
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

石浦教授のEnjoy!生命科学
寿命を延ばす
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

生命科学者のための創薬化学ABC
偶然から必然へ─変容する抗がん剤の科学
…佐藤健太郎:サイエンスライター

科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
市民向けイベントの実施─少人数イベントの費用対広報効果の拡大法
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE

生命科学者のための疫学入門
疫学研究方法論(4)介入研究
─曝露と疾患発症を明らかにする強力な研究デザイン
…斎藤重幸:札幌医科大学 第二内科

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
治療するのは“性器の障害”か,それとも“同性愛”か?
議論をよぶ出生前CAH治療
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
イミュノフロンティアに第一三共が出資
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
新成長戦略「ライフ・イノベーション戦略」のちぐはぐ感
…サイエンス・サポート・アソシエーション

ライフサイエンスQ&A
人工的に作られた生命とは?/イレッサって,どんな薬?

【書評】Book Shelf
『生物多様性とは何か』『生物多様性〈喪失〉の真実』『理系人に役立つ科学哲学』ほか
2,075円
◆【特別インタビュー】Special Interview
幹細胞工学研究センター開設!
浅島 誠センター長に聞く
産総研が担う幹細胞研究
…語り手:浅島 誠産業技術総合研究所 幹細胞工学研究センター長,東京大学特任教授
聞き手:斉藤勝司 サイエンスライター

<記事概要>
カエルやイモリを材料に初期発生や器官形成の研究において,世界をけん引してきた浅島誠・東京大学特任教授をセンター長に迎え,産業技術総合研究所に幹細胞工学研究センターが設立された。(クリックすると消えます)



◆【特集】Special Issue
うつ病の分子メカニズム

<記事概要>
うつ病は, 脳機能の障害によって引きおこされる疾患である。近年, 受診者は大幅に増加しており, 年間3万人を超える自殺者の背景にうつ病が大きく関与しているといわれている。本特集では,うつ病の病態・原因の解明に分子生物学がどこまで迫りつつあるかを俯瞰し,分子マーカーや脳画像解析など面談だけでない新しい診断法の可能性について探る。(クリックすると消えます)


(1)総論:うつ病の多様性と生物学
…加藤忠史:理化学研究所 脳科学総合研究センター 精神疾患動態研究チーム

<記事概要>
うつ病は,単一の疾患ではなく,さまざまな原因による症候群である。メランコリー型,非定型がおもな亜型として用いられているが,臨床においてはこうした亜型を完全に区別することは困難である。今後,脳病態にもとづくうつ病の診断分類の再構築が求められる。(クリックすると消えます)


(2)抗うつ薬の作用メカニズムからみたうつ病の病態
…功刀 浩:国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部

<記事概要>
抗うつ薬の作用メカニズムは,いまだにはっきりとはわかっていない。シナプスのセロトニン,ノルアドレナリンなどのモノアミンを増やすが,これが直接的な作用メカニズムであるとする古典的な「モノアミン仮説」には矛盾がある。代わりに「神経栄養因子仮説」が登場し,いまや定説になりつつある。(クリックすると消えます)


(3)うつ病の脳画像研究
…松尾幸治:山口大学 大学院医学系研究科 高次脳機能病態学分野

<記事概要>
うつ病や双極性障害(躁うつ病)といった気分障害の生物学的研究のなかで,「画像研究」は,脳のシステム異常を画像学的にとらえる研究と位置づけられる。この10年,画像装置が高性能・高機能化し,多くの画像解析方法・ソフトが開発されたことにより,気分障害の画像研究は飛躍的に進歩した。(クリックすると消えます)


(4)うつ病と双極性障害のゲノム研究―これまでと,これから
…高田 篤:理化学研究所 脳科学総合研究センター 精神疾患動態研究チーム

<記事概要>
うつ病や双極性障害は,単純な遺伝形式をとる遺伝病ではない。しかし,疫学研究のデータから,遺伝的要因が影響することは明らかである。そのため,最近では全ゲノム関連解析やコピー数変動解析といった,さまざまなゲノム研究がなされている。(クリックすると消えます)


(5)気分障害患者の死後脳におけるオミックス研究
…文東美紀 岩本和也:東京大学 大学院医学系研究科 分子精神医学講座

<記事概要>
さまざまな要因が複雑に交錯し発症に至る精神疾患では,これまでの多大な研究努力にもかかわらず,病因が特定されるまでに至っていない。患者の死後脳を使用した研究は,原因臓器を直接調べるという点で,強力な手法であるといえる。(クリックすると消えます)


(6)うつ病のバイオマーカー
…橋本謙二:千葉大学 社会精神保健教育研究センター 病態解析研究部門

<記事概要>
自殺の予防対策の一つとして,うつ病の病態解明と新しい診断法および治療法の開発が不可欠である。本稿では,うつ病の早期診断や治療方針を立てる際に,応用可能なバイオマーカーとして注目されている脳由来神経栄養因子(BDNF)について最新の知見と将来展望について概説する。(クリックすると消えます)



◆【新連載】
初心者のための細胞バイオテクノロジー
第1 回 培養細胞への遺伝子導入
…伊藤紗弥 加藤茂明:東京大学 分子細胞生物学研究所 核内情報研究分野

<記事概要>
細胞を操作し解析する実験は,いまやライフサイエンス系の研究者にとってなくてはならないものとなった。本連載では,そのなかでもとくに重要な基礎技術について,わかりやすく解説していく。(クリックすると消えます)



◆【新連載】
話題の先端研究に迫る!
バイオトピックス・ルポ
第1 回 腫瘍化の危険性が低い,第三の多能性幹細胞(MUSE)を発見
出澤真理(東北大学大学院医学系研究科教授)
…取材:斉藤勝司サイエンスライター

<記事概要>
ニュースやリリースでは情報が十分でない。かといって論文では専門的すぎる。そんな読者の悩みを解決するコーナー。話題の先端研究を取材し,わかりやすく解説する。(クリックすると消えます)



◆【技術コラム】
電気による細胞への遺伝子導入法の有効性
…森泉康裕:株式会社ベックス

◆【特別企画】
アジア最大のバイオイベント
第9回 国際バイオEXPO
【併設】バイオテクノロジー国際会議

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
卵子を抱いて育むグラーフ卵胞
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯学総合研究科

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症治療の最前線(2)自閉症の発症予防と悪化予防
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

Sayer Says!
良い名前をつけよう
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

生命科学者のための疫学入門
疫学研究方法論(3)症例対照研究
─症例群と対照群で過去の曝露歴を比較する
…中村好一:自治医科大学 公衆衛生学教室

石浦教授のEnjoy!生命科学
アルコール依存と遺伝子変異
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

生命科学者のための創薬化学ABC
脂質異常症治療薬─健康の大敵・コレステロールを退治する
…佐藤健太郎:サイエンスライター

科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
ウェブサイト悲喜こもごも
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
最初の課題は遺伝子検査!? キャンパスで“個の医療”に取り組む
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
がん治療ワクチン,初の承認へ
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
「第2 弾 事業仕分け」は科学に何をもたらすか
…サイエンス・サポート・アソシエーション

ライフサイエンスQ&A
関節リウマチのメカニズムや治療法は?/口蹄疫はどんな病気なの?

【書評】Book Shelf
『眠る秘訣』 『ねむり学入門』『セレンディピティと近代医学』ほか
2,075円
◆【特別インタビュー】Special Interview
免疫療法の新展開
─臨床研究が進むがんペプチドワクチン療法
…語り手:中村祐輔 東京大学 医科学研究所 ヒトゲノム解析センタ
聞き手:斉藤勝司 サイエンスライター

<記事概要>
がん細胞を異物とみなし攻撃するように,患者自身の免疫を誘導する免疫療法。がん遺伝子の研究で知られる,東京大学医科学研究所の中村祐輔教授は,腫瘍特異的な分子を用いたがんペプチドワクチンを開発し,その臨床研究を進めている。(クリックすると消えます)



◆【特設】Special Report
iPS細胞の安全性への課題
─腫瘍形成につながる多様性・不均一性をいかに排除するか
…山中伸弥 京都大学 iPS 細胞研究所
まとめ:編集部

<記事概要>
iPS 細胞が直面している最大の課題は,その腫瘍形成能にある。どのようなiPS 細胞が腫瘍をつくるのか。腫瘍を発生しないiPS 細胞をつくりだし,安全に臨床応用へとつなげていくには何が必要なのか。山中教授をはじめ多くの研究者が,地道な検証作業を通じてその答えを探っている。(クリックすると消えます)



◆【特集】Special Issue
再生医療の臨床研究
─トランスレーショナルリサーチの現状─

<記事概要>
次世代の医療技術の礎となる基礎研究を実用化につなげていくためには,その橋渡しとなる研究(トランスレーショナル・リサーチ)が必要不可欠だ。そこで今回は,文部科学省の「橋渡し研究支援推進プログラム」の成果報告会で発表された研究成果を紹介することで,日本の再生医療の臨床研究の現状について検討する。(クリックすると消えます)


(1)文部科学省「橋渡し研究支援推進プログラム」終了後のイメージ─各拠点におけるR&Dパイプラインと日本全体の再生医療ポートフォリオ
…福島雅典:先端医療振興財団 臨床研究情報センター

(2)高性能国産新規RNAウイルスベクターによる虚血肢治療用バイオ製剤の開発
…米満吉和:九州大学 大学院薬学研究院 革新的バイオ医薬創成学

(3)脳梗塞に対する自己骨髄幹細胞の静脈内投与
…本望 修:札幌医科大学 神経再生医学講座

(4)骨髄間質細胞を用いた脊椎損傷再生医療の実用化に向けた取組み
…鈴木義久:財団法人田附興風会 医学研究所 北野病院 整形外科

(5)角膜上皮再生治療法の多施設共同臨床試験
…西田幸二:東北大学 大学院医学系研究科 神経感覚器病態学講座

(6)間葉系幹細胞を用いた骨壊死病態に対する新規治療法の開発
…戸口田淳也:京都大学 再生医科学研究所 再生医学応用研究部門

(7)自己培養骨芽細胞様細胞を用いた歯槽骨再生法の新たなプロトコルの開発
…各務秀明:東京大学 医科学研究所 先端医療研究センター 分子療法分野


◆【付録】
生命科学者のための創薬化学ABC(80ページ冊子)

◆【解説】Mining Column
シナプス伝達修飾分子LGI1の機能異常による“てんかん”発症
…横井紀彦 深田正紀 深田優子:自然科学研究機構 生理学研究所 細胞器官研究系 生体膜研究部門

<記事概要>
“てんかん”は人口の1%程度に発症する頻度の高い神経疾患であり,激しいけいれんや意識消失,時には幻覚・幻聴などをともなう。その原因解明は進んでおらず,根本的な治療法に至っているものは多くない。本稿では,シナプスにおける分泌タンパク質LGI1を含むタンパク質複合体の異常と“てんかん”発症との関連性について報告する。(クリックすると消えます)



◆【技術コラム】
細胞の品質管理を簡素化するピペット型自動セルカウンター Scepter
…大久保昌孝:日本ミリポア株式会社 ライフサイエンス事業部

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
免疫系の士官学校としての胸腺
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯学総合研究科

細胞操作技術の最前線(最終回)
医療応用─バイオロボティクスへの発展
…工藤 卓:関西学院大学 理工学部 人間システム工学科
細川千絵:産業技術総合研究所 健康工学研究部門

プレカーサー(先駆者)
脂肪の過剰蓄積がおこす慢性炎症の分子機序を探る

真鍋一郎氏(東京大学 大学院医学系研究科 循環器内科)
…斉藤勝司:サイエンスライター

生命科学者のための疫学入門
疫学研究方法論(2)コホート研究─要因の有無ごとに人間集団の疾病発生を追跡する
…橋本修二:藤田保健衛生大学 医学部 衛生学講座

Sayer Says!
科研費を考える
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症治療の最前線(1)環境要因と治療法
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

石浦教授のEnjoy!生命科学
皇太子アレクセイの遺伝子変異
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

生命科学者のための創薬化学ABC
高血圧治療薬―サイレント・キラーから命を守る
…佐藤健太郎:サイエンスライター

科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
冊子をつくる
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
『公正な社会,健康な人生』
健康格差に挑むイギリス社会
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
アステラスによるがん関連ベンチャーOSIへの株式公開買付けと「2010年問題」
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
チーム医療におけるコメディカルの業務拡大
…サイエンス・サポート・アソシエーション

ライフサイエンスQ&A
ポリオはまだ撲滅されていないの?/サリドマイドの副作用は除けるの?

【書評】Book Shelf
『ほんとうの「食の安全」を考える』『雑食動物のジレンマ 上・下』『孤独の科学』ほか
2,075円
◆【特別インタビュー】Special Interview
中川正春 文部科学副大臣に聞く
─事業仕分け, ポスドク問題, 最先端研究開発プログラム
…聞き手:斉藤勝司(サイエンス・ライター)

昨年11月に開催された行政刷新会議の事業仕分けでは,科学技術関連予算が俎上にのぼり,予算計上の見送りや大幅な縮減との表決が出された。これを第一線の研究者がこぞって批判するなど,議論百出となった。文部科学省の中川正春副大臣に,事業仕分け後の科学技術関連予算の行方についてうかがった。


◆【特集】Special Issue
ウイルス感染による発がんメカニズム
─発がん機構の解明と予防・治療へ向けて─

わが国における2009年の悪性新生物(がん)による死亡数は34.4万人(全体の30%)と推計され死因第1位であり,1981年以降, 死因トップの座にある。ウイルス感染を原因とするがんのなかで,C型肝炎ウイルスによる肝がんが,医療行為の普及によって感染拡大しつつある。また,性行為で感染するパピローマウイルスを原因とする子宮頸がんも静かに拡がりつつあり,社会的な課題となっている。本特集では,ウイルス感染による発がんのメカニズムに注目し,その解明にもとづくワクチン開発やウイルスを利用したがんの治療法を紹介する。

(1)ウイルス感染による発がんメカニズム―特集にあたって―
…松岡雅雄:京都大学 ウイルス研究所

ウイルス感染は,がんの原因として大きな部分を占めている。その重要性は,ウイルス研究が発がん機構の解明に寄与するということだけではなく,ウイルスによっておこるがんは予防可能であり,将来のがん発生の減少に直結するという点である。

(2)エプスタイン・バーウイルス(EBV)による発がん
…勝村紘一 高田賢藏:北海道大学 遺伝子病制御研究所 癌ウイルス分野

エプスタイン・バーウイルス(EBV)は,ヒトがんウイルスとして最初に同定されたウイルスである。EBVは,バーキットリンパ腫や日和見リンパ腫,上咽頭がんなど,さまざまな腫瘍性疾患に関与している。その発がん機構の解明は,これらの疾患の治療法開発につながると期待され,精力的になされてきた。

(3)C 型肝炎ウイルス(HCV)による発がん
…小池和彦:東京大学 大学院医学系研究科 消化器内科学

C型肝炎ウイルス(HCV)のコアタンパク質が生体内で肝がんを誘発する作用をもち,HCVが肝発がんにおいて「直接的役割」をはたすことが示されている。コアタンパク質は,酸化ストレスを引きおこし,細胞遺伝子に変異を誘発する一方,細胞遺伝子発現,シグナル伝達修飾,肝細胞増殖をもたらす。

(4)ヒトパピローマウイルス(HPV)による発がん
…齋藤真子 清野 透:国立がんセンター研究所 ウイルス部

内臓脂肪の蓄積によって引きおこされるメタボリックシンドロームは,糖尿病,高脂血症,高血圧症,動脈硬化性疾患への進展もきたすためその予防が重要である。メタボリックシンドロームに対する予防医学として,私たちがおこなっているSNP解析とその臨床応用について紹介する。

(5)ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)による発がん
…佐藤賢文 松岡雅雄:京都大学 ウイルス研究所 ウイルス制御研究領域

HTLV-1感染者の大部分は,病気をおこさない無症候性キャリアであるが,一部の感染者に白血病や慢性炎症性疾患を引きおこす病原性をもっている。本稿では,HTLV-1によるT細胞腫瘍化機構に関して最近の知見を中心に紹介し,今後の課題について考察する。

(6)弱毒化単純ヘルペスウイルスを用いた悪性腫瘍治療
…藤原多子 那波明宏:名古屋大学 大学院医学系研究科 産婦人科学
五島 典 西山幸廣:名古屋大学 大学院医学系研究科 ウイルス学

近年ウイルスの特性を利用した,新たながん治療法の研究が精力的に進められている。腫瘍溶解性ウイルス療法は,ウイルスの増殖によってがんの細胞死を引きおこす新規の治療法である。本稿では,腫瘍溶解性ウイルス療法の現状,および腫瘍溶解性ウイルスHF10について概説する。

(7)ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの開発
…神田忠仁:国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター

ヒトパピローマウイルス(HPV)は,ヒトの皮膚や粘膜に感染し,イボなどの良性病変や子宮頸がんの原因となる。発がん性をもつ高リスク型HPV 群が特定され,その一部の感染を予防するワクチンが開発され,がんを予防するワクチンとして期待されている。ワクチン開発の経緯と残された課題を解説する。


◆【解説】Mining Column
筋ジストロフィー患者由来のiPS細胞における遺伝子修復
─ヒト人工染色体ベクターによる新たな遺伝子治療戦略の
可能性─
…香月康宏 押村光雄:鳥取大学 大学院医学系研究科 機能再生医科学専攻/ 鳥取大学 染色体工学研究センター

自己の細胞から誘導できるiPS細胞は,遺伝子治療のソースとして期待が高まっている。一方,デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)などの原因遺伝子サイズが巨大な疾患では,完全な遺伝子修復が困難である。筆者らは近年,DMD患者由来のiPS細胞で欠損している原因遺伝子を,独自に開発したヒト人工染色体ベクターを用いて完全に修復する技術を開発した。


◆【技術コラム】
マイクロ流路チップを用いた小型フローサイトメーター
FISHMAN-R
…本間 賢:株式会社 オンチップ・バイオテクノロジーズ

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
カタツムリのなかのコルチ器
…牛木辰男・甲賀大輔:新潟大学 大学院医歯学総合研究科 顕微解剖学分野

細胞操作技術の最前線
細胞治療技術─肝硬変も治る時代へ,自己細胞で肝炎治療
…高見太郎:山口大学 医学部附属病院 検査部
寺井崇二 坂井田 功:山口大学 大学院医学系研究科

プレカーサー(先駆者)
腸管免疫が異物を取り込むメカニズムを解明
大野博司氏(理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター)
…斉藤勝司:サイエンスライター

生命科学者のための疫学入門
疫学研究方法論(1)概要─疫学研究デザインそれぞれの長所・短所を考える
…西 信雄:国立健康・栄養研究所 国際産学連携センター

Sayer Says!
師との関係法
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症の病態―有効な治療薬からの考察
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

石浦教授のEnjoy!生命科学
既知薬の思いがけない新標的
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

生命科学者のための創薬化学ABC
抗ウイルス薬―最小・最強の敵と闘う医薬
…佐藤健太郎:サイエンスライター

科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
テレビ取材を受ける
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
「与えざる者,受けるべからず」!?
再編される臓器移植のルール
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
アキュセラ社が加齢黄斑変性治療薬のフェーズⅡ試験を開始
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
深刻化する医師不足とメディカルスクール(後編)
…NPOサイコム・ジャパン

ライフサイエンスQ&A
世界一薄い「ナノ絆創膏」って,どんなもの?/感染症対策の効果とは?

【書評】Book Shelf
『新薬ひとつに1000億円!?』『医薬品クライシス』
『「物質」から「生命」へ』ほか
2,075円
◆【特別インタビュー】Special Interview
新型インフルエンザワクチンはなぜ不足したのか?
─ワクチン後進国ニッポンの構造的問題
…語り手:上 昌広(東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム)
聞き手:斉藤勝司(サイエンス・ライター)

<記事概要>
新型インフルエンザワクチンの接種が始まってもなお,深刻なワクチン不足で医療現場は混乱している。今回は,インフルエンザ政策に鋭い視線を投げかける,東京大学医科学研究所の上昌広特任准教授に,ワクチンが不足してしまった根本の要因について語っていただいた。(クリックすると消えます)



◆【特別レポートSpecial Report
事業仕分けの衝撃!
─行政刷新会議「事業仕分け」が科学者コミュニティにもたらしたもの
…榎木英介:NPO 法人 サイエンス・コミュニケーション理事

<記事概要>
政府の行政刷新会議がおこなった事業仕分けは,科学技術予算に次々と縮減,廃止を言い渡した。これを受け,さまざまな科学者団体が声明を発表するなど,異例の展開をみせている。事業仕分けが日本の科学者コミュニティにおよぼした影響について探る。(クリックすると消えます)



◆【特集】Special Issue
遺伝子診断の現場利用

<記事概要>
近年ヒトの疾病に関する分子レベルでの理解が進み,遺伝子型による罹患のリスク,薬の作用・副作用の現れ方の違いなどが明らかになってきた。遺伝子診断技術を活用し医療現場で柔軟な投薬・治療方針を立てるためには,検査結果をリアルタイムで診断・治療,モニタリングできることが重要となる。本特集では,ポイントオブケア(医療従事者がその場でかつ短時間に検査がおこなえる技術)が,遺伝子診断技術の進展によって可能となりつつあることを示し,具体的な利用結果を紹介する。(クリックすると消えます)


(1)遺伝子多型診断による薬効とリスク評価
…鎌滝哲也:北海道大学 大学院薬学研究科

<記事概要>
薬の有効性や安全性には個人差がみられる。個人差は薬の体内動態(体内に摂取されてから排泄されるまでの挙動)を決める因子,たとえばシトクロムP450など,薬の解毒を触媒する酵素の遺伝的な多型によるところが大きいことがわかってきた。(クリックすると消えます)


(2)遺伝子多型対応の栄養指導
…香川靖雄:女子栄養大学 副学長

<記事概要>
葉酸は水溶性ビタミンの一種である。その代謝に関わる遺伝子の多型を診断することで,脳卒中や認知症など,現在の医療では治癒できない障害のリスクを発病以前に予測でき,それに対応した栄養指導をすることで,健康人の段階から予防できる可能性がある。(クリックすると消えます)


(3)肺がん診療におけるポイントオブケア遺伝子診断
…清水公裕:群馬大学 臓器病態外科学

<記事概要>
現行のPCR 法では反応時間が長いため,がん遺伝子診断のPOCT 化は不可能とされてきた。しかし,腫瘍の生検体を直接鋳型にして30~40分間で目的の遺伝子変異を解析できるシステムを開発した。肺がんの生検体や手術検体,胸水などから,KRAS 遺伝子などの変異を診断できる肺がん診療を研究している。(クリックすると消えます)


(4)メタボリックシンドロームのSNP 診断
…常川勝彦 村上正巳:群馬大学 大学院医学系研究科 臨床検査医学

<記事概要>
内臓脂肪の蓄積によって引きおこされるメタボリックシンドロームは,糖尿病,高脂血症,高血圧症,動脈硬化性疾患への進展もきたすためその予防が重要である。メタボリックシンドロームに対する予防医学として,私たちがおこなっているSNP解析とその臨床応用について紹介する。(クリックすると消えます)


(5)感染症におけるPOCTの新しい局面( インフルエンザ )
…田村大輔:東京大学 医科学研究所
遠藤竜太 Alexander Lezhava:理化学研究所 オミックス基盤研究領域

<記事概要>
POCT(臨床現場における即時検査)は,ベッドサイドで迅速かつ的確に検査をおこない,その診断をもとに,適切な早期治療や看護を提供し,医療の質,そして患者のQOLの向上に資する。飛躍的な進歩を遂げているインフルエンザの検査・治療技術に焦点を当てて解説し,将来の展望を述べる。(クリックすると消えます)



◆【解説】Mining Column
最新事情 プリオン病のメカニズムと治療戦略
…照屋健太 堂浦克美:東北大学 大学院医学系研究科 プリオン蛋白分子解析分野

<記事概要>
プリオンとは,ヒトおよび動物の脳に感染性のある海綿状変性をおこし,異常型プリオンタンパク質が蓄積する一連の疾患における「感染因子」をさす。ここでは,その増殖メカニズムに関する知見・疾患発生の現状をはじめとして,現在進歩が注目されている治療開発の方向性について解説する。(クリックすると消えます)



◆【付録】
2010年カレンダー
マウスの胚発生

◆【連載─拡大版】プレカーサー(先駆者)
遺伝子の機能解析技術を開発し 抗腫瘍薬の新たな標的を見つけだす
間野博行氏(自治医科大学 分子病態治療研究センター 教授/東京大学大学院医学系研究科 特任教授)
…斉藤勝司:サイエンスライター

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
撮像素子がぎっしりならんだ網膜
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯薬総合研究科 顕微解剖学分野

生命科学者のための疫学入門
疫学指標─人間集団の健康に関する頻度測定を理解する
…山縣然太朗:山梨大学 大学院社会医学講座

Sayer Says!
独学の方法
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症の治療薬
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

石浦教授のEnjoy!生命科学
脊椎動物におけるX染色体の進化を再考?
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

生命科学者のための創薬化学ABC
抗生物質―魔法の弾丸の一世紀
…佐藤健太郎:サイエンスライター

科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
記者会見を開く!
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
デコードジェネティクス社が破産!
金融危機がバイオビジネスを襲う
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
シンバイオ製薬が独自でがん治療薬を開発,承認申請へ
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
深刻化する医師不足とメディカルスクール(前編)
…NPOサイコム・ジャパン

ライフサイエンスQ&A
AEDってなに?/健康食品とはどんなもの?

【書評】Book Shelf
『チャールズ・ダーウィンの生涯』『ダーウィンの思想』『豚インフルエンザ事件と政策決断』ほか
2,075円
2009年11月号 2009年10月22日発売
付録共定価1980円(本体1886円)

◆【特設】Special Interview
インフルエンザウイルスの
抗体ライブラリー構築とは何か?
…斉藤勝司:サイエンス・ライター

<記事概要>
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターでは,これまで144 種類の亜型のウイルスライブラリーを作り,それに対応する抗体ライブラリーの構築を進めている。抗ウイルス抗体は,迅速診断法の開発に利用できるほか,抗体医薬への応用が期待できる。(クリックすると消えます)



◆【特集】Special Issue
時間と病気
─生体時計から時間医学へ

<記事概要>
近年,生体リズムを自律的に刻む「生体時計」に関する研究は大きく進展し,その分子メカニズムが明らかになってきた。そして現在,生体時計研究はヒトへの応用段階に至り,リズム異常が引きおこす疾患や,リズムの昼夜差を利用した時間治療が注目されている。睡眠異常や循環器疾患,メタボリックシンドローム,老化とリズム異常の関係を検証し,さらに個々人の生体時計を計測するための手法の開発,生体時計の分子メカニズムにもとづいた時間治療の可能性について探る。(クリックすると消えます)


(1)時間と病気:生体時計から時間医学へ―特集にあたって―
コラム「時計遺伝子からみた生体リズムの理解への手引き」
…岡村 均:京都大学 大学院薬学研究科 医薬創成情報科学

<記事概要>
われわれの体には一日周期のリズムがあり,自律的に時を刻む「生体時計」の存在が知られている。20世紀末に哺乳類でこの時計の遺伝子が発見されて以来,リズムシステムについての解明が進み,現在ではリズム異常が引きおこす疾患や,リズムの昼夜差を利用した時間治療が注目されている。(クリックすると消えます)


(2)分子からみた生体リズムの時間機構
…土居雅夫 岡村 均:京都大学 大学院薬学研究科 医薬創成情報科学

<記事概要>
多細胞生物のリズムは細胞集団の総和として出力される。細胞が互いに連絡をとり,リズムを同期させるしくみがなければ,全体のリズムは破綻してしまう。細胞間連絡にかかわる新しいタイプのリズム調節分子の探索へ向け,生物時計の研究はあらたな一歩を踏みだした。(クリックすると消えます)


(3)メタボローム解析による体内時刻の診断
…南 陽一 粕川雄也 上田泰己:理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター

<記事概要>
「針のない時計」である体内時計の状態(体内時刻)を知る簡便な方法は,これまで十分に開発されてこなかった。筆者らは,質量分析器を用いたメタボローム解析にもとづく体内時刻測定法の開発をおこなっている。体内時刻を簡便に知ることは,たとえば体内時計の異常によるリズム障害の診断に役に立つ。(クリックすると消えます)


(4)脂肪代謝の日内リズム
…榛葉繁紀:日本大学 薬学部 基礎薬学系 衛生化学ユニット

<記事概要>
近年,患者数が急増しているメタボリックシンドロームは,その分子基盤として脂質代謝の異常をともなう。最近になり時計遺伝子のメタボリックシンドローム発症への関与を示唆する報告が相次いでなされた。ここでは,脂質代謝のサーカディアンリズムを中心に,そのかく乱による疾病発症とのかかわりについて考察する。(クリックすると消えます)


(5)リズム異常と睡眠異常
…海老澤 尚:東京警察病院 神経科

<記事概要>
社会的に大きな問題となっている睡眠障害。朝活動型・夜活動型や睡眠時間の長短という健常者内での睡眠パターンの個体差。ここでは,ヒトの睡眠障害や睡眠パターンの個体差に影響を与える“時計遺伝子多型”を概説する。(クリックすると消えます)


(6)老化と生体リズム
…南野 徹:千葉大学 大学院医学研究院 循環病態医科学

<記事概要>
加齢にともなって,血圧や睡眠などの日内変動が障害されることが知られている。近年,その調節には,時計遺伝子が重要な役割をはたしていることがわかってきた。時計遺伝子がどのように老化と関連するかについて,とくに血管老化との関連に焦点を当てて考察する。(クリックすると消えます)


(7)循環器疾患のリズム
…前村浩二:長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 循環病態制御内科学

<記事概要>
血圧や心拍数などの循環器機能には概日リズムが認められ,これを反映して,循環器疾患の好発時間帯にも概日リズムが認められる。概日リズムは体内時計により調節されているが,最近,時計遺伝子発現パターンの異常が循環器疾患の発症や進展に関与していることが示されている。(クリックすると消えます)


(8)分子時計を基盤とした時間治療
…大戸茂弘:九州大学 大学院薬学研究院 薬剤学分野

<記事概要>
薬の作用点である受容体や標的分子,薬の体内での動きを制御するトランスポーターや薬物代謝酵素の日周リズムも,“分子時計”によって制御されていることがわかってきた。本稿では,分子時計を基盤にした“時間治療”の今後の展開について紹介する。(クリックすると消えます)



◆【付録】
インフルエンザの分子生物学
─新型インフルエンザと鳥インフルエンザの科学

◆【新連載】
生命科学者のための疫学入門
疫学とは?
―新型インフルエンザからがん対策まで,疾病予防と健康増進の科学
…辻 一郎:東北大学 大学院医学系研究科 公衆衛生学分野

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
リンパ小節が集まった虫垂
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯薬総合研究科 顕微解剖学分野

細胞操作技術の最前線
細胞周期イメージング技術
…阪上-沢野朝子 宮脇敦史:理化学研究所 脳科学総合研究センター細胞機能探索技術開発チーム
正井久雄:東京都臨床医学総合研究所ゲノム動態プロジェクト

Sayer Says!
研究にたずさわるとは?
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症発病の原因因子を解明する(2)
─てんかんが示す自閉性異常と自閉症モデル動物
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

石浦教授のEnjoy!生命科学
細菌を殺す秘密兵器
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

生命科学者のための創薬化学ABC
ゲノム技術は創薬を変えたのか?
…佐藤健太郎:サイエンスライター

科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
マスメディア注目!
研究成果のプレスリリースを出す
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE

プレカーサー(先駆者)
松崎典弥氏(大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 助教)
…斉藤勝司:サイエンスライター

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
証券取引委員会,幹細胞ベンチャーの「誇大宣伝」を提訴
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
創薬ベンチャー「キャンバス」がマザーズに上場
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
民主党政権の誕生─科学技術政策はどう変わるのか
…NPOサイコム・ジャパン

ライフサイエンスQ&A
若田さんが宇宙で飲んでいた薬は?/精神疾患のモデル動物とは?

【書評】Book Shelf
『害虫の誕生』『ロボットで探る昆虫の脳と匂いの世界』『ロボトミスト』
2,075円
<2009年09月号の見どころ>
2009年9月号 2009年8月22日発売
定価1980円(本体1886円)

◆【特設】Special Report
インタビュー 「iPS細胞」の臨床研究ロードマップ
…斉藤勝司:サイエンス・ライター

(1)5年以内の臨床研究も明記!
文部科学省が発表した『iPS細胞研究ロードマップ』
インタビュー:菱山豊(前文部科学省研究振興局ライフサイエンス課 課長)

<記事概要>
iPS細胞研究にはライフサイエンスの一分野としては多額の研究費が投入されている。公的資金が投入される以上,今後,どのように研究が進み,臨床研究へとつなげていくのか,その青写真が示される必要がある。そこで,文部科学省は6月24日『iPS細胞研究ロードマップ』を発表した。(クリックすると消えます)


(2)理化学研究所バイオリソースセンターが進める
iPS細胞バンク事業とは?
インタビュー:中村幸夫(理化学研究所筑波研究所バイオリソースセンター
細胞材料開発室 室長)

<記事概要>
研究者にiPS細胞を提供するこの事業は,今後の研究を下支えするという意味では非常に重要な役割を果たすことになる。すでに始まっているiPS細胞バンク事業の概要と,臨床応用をみすえたバンク事業の将来像についてうかがった。(クリックすると消えます)



◆【特集】Special Issue
細胞核の初期化メカニズム
多能性・全能性獲得のナゾに迫る

<記事概要>
2007年,世界はヒトiPS細胞の作出の報に沸きたった。iPS細胞作出のヒントは,ES細胞と体細胞の細胞融合によって体細胞核が多能性を獲得したことにあった。クローン羊のドリーは,体細胞核が卵細胞に核移植された後,全能性を獲得して誕生した個体である。そして受精卵は,受精を契機として全能性を獲得した細胞である。そこで本誌では,細胞の核が全能性や多能性を獲得する(初期化)現象について幅広く検討することが重要であると考え,それぞれ先端の研究動向を紹介する。(クリックすると消えます)


(1)総論 核のリプログラミング
―動物生産から再生医療まで―
…角田幸雄:近畿大学 農学部 バイオサイエンス学科 動物発生工学研究室

<記事概要>
近年,再生医療をはじめ応用をめざして,ES細胞,iPS細胞,体細胞クローンなどを取り上げる記事が増加した。これらに共通する現象は,分化した細胞核のリプログラミング(初期化)である。しかし「リプログラミング」という現象,「全能性」や「多能性という状態については未だ明確にされていない。(クリックすると消えます)


(2)クローン個体の作出からみた
「核移植と核のリプログラミング」
…加藤容子:近畿大学 農学部 バイオサイエンス学科 動物発生工学研究室

<記事概要>
世界初の成体体細胞クローン動物のドリーが誕生してから,12年が経過する。この間,ヒツジだけでなく,マウス,ウシ,希少種など,さまざまな動物種において体細胞クローン個体が作出されてきた。ここでは,哺乳動物におけるクローン個体作出の現状とリプログラミングに関する最近の知見を紹介する。(クリックすると消えます)


(3)ES細胞の樹立からみた「核移植と核のリプログラミング」
…若山清香 水谷英二 若山照彦:理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
ゲノム・リプログラミング研究チーム

<記事概要>
核移植を用いて自分の体細胞から自分自身のES細胞(クローンES細胞)を樹立する方法は,iPS細胞が登場し,過去の技術と考えられている。だが,クローンES細胞にはiPS細胞より優れた点がいくつもあり基礎生物学の研究には重要な道具となりつつある。(クリックすると消えます)


(4)細胞融合と「核のリプログラミング」
…多田 高:京都大学 再生医科学研究所 幹細胞加工研究領域

<記事概要>
ES細胞と体細胞を細胞融合することで,体細胞核のES細胞化が誘導される。この現象は,ES細胞因子が体細胞核に作用することによって“リプログラミング誘導”が可能なことを示唆している。医療応用に向けたリプログラミング研究が精力的に進められている一方で,そのメカニズムは依然ブラックボックスのままである。(クリックすると消えます)


(5)iPS細胞の樹立からみた
「遺伝子導入と核のリプログラミング」
…山本拓也 山中伸弥:京都大学 物質-細胞統合システム拠点
iPS細胞研究センター

<記事概要>
体細胞に特定の転写因子をコードする4遺伝子を導入すると,ES細胞と同等の性質をもつiPS細胞が創出される。これら遺伝子セットの導入によって,細胞の核内でどのようなことがおこり,iPS細胞へと変化していくのであろうか?分化した細胞が遺伝子導入によって未分化状態へ移行するときのプロセスについて概説する。(クリックすると消えます)


(6)受精と「リプログラミング」
…青木不学:東京大学 大学院新領域創成科学研究科

<記事概要>
受精前の卵は生殖細胞特異的な遺伝子発現をおこなう分化した細胞であるが,受精後の胚は全能性をもつ細胞である。したがって,受精の前後で,ゲノムのリプログラミングがおこっていると考えられている。(クリックすると消えます)



◆【解説1】Mining Column
トランスジェニック非ヒト霊長類の作出
─なぜコモンマーモセットで成功したのか
…富岡郁夫 佐々木えりか:財団法人実験動物中央研究所
岡野栄之:慶應義塾大学 医学部

<記事概要>
ヒトを対象とした医学研究においては,よりヒトに近い性質をもつモデル動物が望まれる。このたび,子孫にまで導入遺伝子の伝達がみられる,真のトランスジェニック霊長類の作出に成功した。なぜコモンマーモセットでの作出が可能であったのか,どのような利点,改善点があるのかを考察する。(クリックすると消えます)



◆【特別レポート】
フィンランドとスウェーデンのバイオ・製薬産業
…三森八重子:サイエンスライター

◆【技術コラム】
1細胞レベルでの遺伝子解析を可能にする
AmpliGrid Technology
…大島拓也:ニップンテクノクラスタ株式会社

◆【新連載】
科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
ニュースって何だ!
記事になること,ならないこと
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
硬くて鋭敏な歯をつくる象牙質
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯薬総合研究科 顕微解剖学分野

細胞操作技術の最前線
遺伝子導入技術
…木原隆典 中村 史 三宅 淳:産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症発病の原因因子を解明する(1)
―染色体異常・遺伝子異常編
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

Sayer Says!
生物学と宗教のかかわり
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

生命科学者のための創薬化学ABC
台頭する抗体医薬
…佐藤健太郎:サイエンスライター

石浦教授のEnjoy!生命科学
遺伝子治療の実現にかかる年月は?
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

プレカーサー(先駆者)
難波宏樹氏(浜松医科大学 脳神経外科 教授)
…斉藤勝司:サイエンスライター

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
ニューヨーク州,卵子提供者への金銭支払いを許容
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
再生角膜シートが確認申請を通過
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
2009年総選挙が科学技術に与える影響は?
…NPOサイコム・ジャパン

ライフサイエンスQ&A
改正臓器移植法で何が変わる?/ウイルスが原因となる白血病がある?

【書評】Book Shelf
『ミラーニューロン』『ミラーニューロンの発見』『リスクにあなたは騙される』
2,075円
◆【特設】Special Report
新型インフルエンザの実態
…斉藤勝司:サイエンス・ライター

<記事概要>
ブタ由来のH1N1新型インフルエンザは,今年4月メキシコに端を発して,世界各地に感染が拡大した。その後,日本でも国内感染が拡がるなど,社会へのインパクトも大きなものとなった。そこで本誌特設では,改めて今回の新型ウイルスの生物学的な位置づけを紹介し,本来あるべきインフルエンザ対策とは何かについて検討した。(クリックすると消えます)


(1)分子生物学から見たH1N1新型ウイルスとは何か?
インタビュー:清水一史上席研究員(日本大学医学部感染症ゲノム研究センター)

(2)本来あるべきインフルエンザ対策とは?
インタビュー:喜田宏教授(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター長)

◆【特集】Special Issue
依存症の生物学
薬物やアルコールへの依存メカニズムを解く

<記事概要>
依存症は,精神疾患として位置づけられている。現在,依存症治療の中心はカウンセリングと断酒・断薬であり,直接的な治療薬はまだない。治癒率の向上,禁断症状の緩和,再発率の低減をめざすためには,依存の症状を緩和するための治療薬の開発が求められており,依存そのものの生物学的メカニズムを解明する必要がある。(クリックすると消えます)


(1)依存症の生物学:最近の新展開
…池田和隆:財団法人東京都医学研究機構 東京都精神医学総合研究所

<記事概要>
物質依存症は,その発症が依存性物質の摂取という明確な原因であることから,もっとも生物学的な研究を進めやすい精神疾患といえる。最近,遺伝子解析や画像解析などの最新技術が依存症研究にもち込まれ,新たな病態機序が明らかになりつつある。(クリックすると消えます)


(2)エピジェネティクスの視点からみた薬物依存の新たな分子メカニズム
…成田 年 ほか:星薬科大学 薬品毒性学教室室

<記事概要>
依存性薬物に対する精神依存形成時には中枢神経系の可塑的な変化が誘導される。近年,その原因として長期的なゲノム情報発現機構である“エピジェネティクス”による遺伝子発現制御が大きく注目されるようになってきている。(クリックすると消えます)


(3)依存症の生理と行動
…廣中直行:科学技術振興機構 ERATO 下條潜在脳機能プロジェクト

<記事概要>
依存症のようにみえる行動は数多くあり,どこまで依存症の概念が拡張できるかを考えるためにも,まず薬物依存の生理と行動に関する理解が必要である。ここでは,実際の動物実験手法の紹介も交えて解説していく。(クリックすると消えます)


(4)依存形成時の細胞変化と回路機能異常化モデル
…戸田重誠:金沢大学附属病院 神経科精神科

<記事概要>
依存性薬物の慢性使用は,依存形成の各段階や,行動の意思決定にかかわる神経核ごとに異なった神経可塑性の変化を引きおこす。それぞれの神経核のシナプスレベルでの可塑性変化が,所属する回路レベルでの高次機能制御や,回路間力学に影響を与え,依存の完成(=習慣化)に貢献すると予想される。(クリックすると消えます)


(5)依存の脳画像解析
…関根吉統 橋本謙二 伊豫雅臣:千葉大学 社会精神保健教育研究センター

<記事概要>
覚せい剤(メタンフェタミン)はわが国でもっとも乱用されている違法性薬物であり,強力な報酬効果だけでなく,神経毒性をも有している。覚せい剤が脳に与える障害について,近年急速に進歩している画像解析技術を駆使した研究成果を主に解説する。(クリックすると消えます)


(6)依存治療薬とマーカーの探索
…山本秀子 高松幸雄 池田和隆:財団法人東京都医学研究機構 東京都精神医学総合研究所

<記事概要>
薬物依存と渇望感などに関係する最近の知見,およびセロトニン神経系をターゲットとした依存治療薬開発の戦略について述べるとともに,セロトニン以外の依存治療候補薬,ならびに依存のマーカーの探索を紹介する。(クリックすると消えます)



◆【解説1】Mining Column 1
パーキンソン病克服にむけた新規遺伝子治療法の開発
…高田昌彦:京都大学 霊長類研究所 分子生理研究部門 統合脳システム分野

<記事概要>
パーキンソン病の新たな治療法として,ウイルスベクターを用いた遺伝子治療の重要性が,最近,強調されてきた。ドーパミン神経細胞の変性・脱落を抑制する機能分子であるカルビンディンの遺伝子導入をおこなうことによりパーキンソン病を防御する,新規遺伝子治療法の開発にむけた成果を紹介する。(クリックすると消えます)



◆【解説2】Mining Column2
宇宙環境は遺伝子にどんな影響を与えるのか
…谷田貝文夫:独立行政法人理化学研究所 分子イメージング科学研究センター メタロミクスイメージング研究ユニット

<記事概要>
人類が将来にわたって宇宙環境を積極的に利用するうえでも,宇宙環境因子による生物学的影響を遺伝子レベルで解明する必要がある。ここでは,私たちが開発してきた解析手法を概説し,現在進行中の国際宇宙ステーション・日本実験棟「きぼう」を利用した実験についても紹介する。(クリックすると消えます)



◆【特別レポート】
世界最大の国際バイオ・イベント「BIO2009」アトランタで開催!
…三森八重子:科学技術政策研究所 国際研究協力官

◆【技術コラム】
細胞イメージの定量機能解析を全自動で
…小山良代:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
歯の表面をしっかり覆うエナメル質
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯薬総合研究科 顕微解剖学分野

細胞操作技術の最前線
細胞選択技術
…木村啓志 ほか:東京大学生産技術研究所 マイクロメカトロニクス国際研究センター

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症の神経細胞生理学
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

Sayer Says!
さようなら,ダーウィニズム
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

生命科学者のための創薬化学ABC
プロセス化学―創薬科学と社会をつなぐ架け橋
…佐藤健太郎:サイエンスライター

石浦教授のEnjoy!生命科学
精神疾患に関連するDISC1遺伝子の新機能
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

プレカーサー(先駆者)
酒井康行氏(東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 臓器・生体システム工学研究室教授)
…斉藤勝司:サイエンスライター

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
「私のDNAをググる」!? 遺伝子検査サービスという新ビジネス
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
グラクソ・スミスクライン社とファイザー社がHIV治療薬分野で提携
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
利益相反ルール制定1年
…NPOサイコム・ジャパン

ライフサイエンスQ&A
新型インフルエンザH1N1の「H」と「N」とは何?/シミ・ソバカスはどうやってできる?

【書評】Book Shelf
『ハチはなぜ大量死したのか』『魚のいない海』『バイオ・コリアと女性の身体』『脳科学と芸術』
2,075円
2009年5月号 2008年4月22日発売
付録共定価1980円(本体1886円)

創刊2周年!

◆【特設】Special Report
ダーウィン生誕200年特別企画
進化医学とはなにか?
…斉藤勝司:サイエンス・ライター

<記事概要>
今年はチャールズ・ダーウィンの生誕200年。進化研究は,現在,医学や心理学,果ては経済学にも影響を与えつつあり,とくに人類の進化と病気の関係について研究する進化医学への関心が高まっている。(クリックすると消えます)



◆【付録】
わかる iPS細胞の医療・産業応用
─iPS細胞の研究課題と周辺事情

◆【特集】Special Issue
がん転移・浸潤に対する新たな治療戦略

<記事概要>
がん撲滅は,人類にとって最大の課題の一つとなったといってよい。がん患者の生命が奪われるのは,がんが実質臓器に転移するからであり,がんの転移の抑制は大きな課題となっている。本特集では,がん転移・浸潤の分子メカニズムをこれまでとは異なる斬新な方法論を駆使することで,新たな診断技術,治療戦略の可能性を探っていく。(クリックすると消えます)


(1)がん転移・浸潤の新たな治療戦略─特集にあたって
…落谷孝広:国立がんセンター研究所 がん転移研究室

<記事概要>
がん治療の原則は,可能な限り手術によって切除したうえで,残存腫瘍や微小転移を放射線や抗がん剤で叩くことだが,最近の集学的治療をもってしても10年以上の長期生存率は向上していない。(クリックすると消えます)


(2)がん幹細胞とがん浸潤転移
…高橋陵宇 落谷孝広典:国立がんセンター研究所 がん転移研究室

<記事概要>
“がん”が性質のヘテロな細胞集団から構成され,それらのなかに幹細胞様の細胞があることが近年明らかになった。がん幹細胞の性質とがんの浸潤・転移能への関与について解説する。(クリックすると消えます)


(3)がんの転移・浸潤を見極める新しい臨床診断ツール
…大西俊介:労働者健康福祉機構 釧路労災病院 内科
ジョン・V・フランジオーニ:ハーバード大学 ベス・イスラエル・ディコネス・メディカルセンター

<記事概要>
近年,がんの転移・浸潤の診断法の進歩がいちじるい。いま,光を用いて病変を光らせる蛍光イメージングの手法が注目されている。ここでは,近赤外光を用いたセンチネルリンパ節の新しい同定法について概説する。(クリックすると消えます)


(4)新規ユビキチンリガーゼによるがん転移のメカニズム解明と治療への応用
…神代理史 土屋 舞 柳澤 純:筑波大学 大学院生命環境科学研究科

<記事概要>
がん細胞はタンパク質の発現パターンなどを変化させ,転移に必要な形質を獲得していく。転移にかかわるタンパク質の同定とその分子メカニズムの解析は,転移抑制の作用を有する新薬の分子標的として今後のがん治療戦略への貢献が期待されている。(クリックすると消えます)


(5)microRNAによるがん転移の診断・治療
…尾崎充彦:鳥取大学 大学院医学系研究科 遺伝子機能工学部門

<記事概要>
近年,microRNA(miRNA)の発現異常が種々のがんにおいて示されており,その機能異常が,がんの発生および進展に強く関与していることが示唆されている。本稿では,「がん転移」に焦点をあて,腫瘍マーカーおよび治療薬としてのmiRNAの可能性を述べる。(クリックすると消えます)


(6)抗がん剤内包ミセルによる胃がん腹膜播種に対する新規治療法の開発
…松村保広:国立がんセンター 臨床開発センター がん治療開発部

<記事概要>
DDS製剤の理論的支柱であるEPR効果(Enhanced Permeability Retention effect)の概念が世界にひろまりつつある。本邦ではミセル製剤の臨床試験が始まり,その臨床的な有用性が期待されている。腫瘍血管が少ない腫瘍におけるDDS製剤を利用した戦略について,胃がん腹膜播種モデルを用いて述べる。(クリックすると消えます)



◆【解説1】Mining Column 1
細胞内でのエネルギー収支はどのように制御されているのか?
…柳澤 純:筑波大学 先端学際領域研究センター 生命情報機能研究

<記事概要>
細胞が増殖する際,全エネルギーの40%もが,核小体でのリボソーム合成に使われているという。タンパク質生産の場として重要なリボソームの合成ではあるが,過剰なエネルギー消費は細胞自体の死を招いてしまう。生命は,どのようなしくみで,その収支を管理しているのだろうか?(クリックすると消えます)



◆【解説2】Mining Column2
複数分子同時イメージングの医療応用実現に向けて
…本村信治:理化学研究所 分子イメージング科学研究センター メタロミクスイメージング研究ユニット
榎本秀一:岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 医薬品機能分析学分野

<記事概要>
いま日本は,医療用コンプトンカメラの開発で世界をリードしている。核医学の分野で,なぜいま,コンプトンカメラが注目を浴びているのだろうか。日本発の複数分子同時イメージングで,「Evidence-based Medicine(科学的根拠にもとづく医療)」をめざす,その開発現状を報告する。(クリックすると消えます)



◆【技術コラム】
レトロネクチン遺伝子導入法を用いた効率的なiPS 細胞誘導
…榎 竜嗣 加藤郁之進:タカラバイオ株式会社 バイオ研究所

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
かすみ網のような自律神経終末
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯薬総合研究科 顕微解剖学分野

細胞操作技術の最前線
培養技術
…笹尾真理 町田浩子 大串 始:産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症の原因は脳のどこにあるか─脳画像からのアプローチ
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

Sayer Says!
研究結果の公開法
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

生命科学者のための創薬化学ABC
天然物を「改造」する
…佐藤健太郎:サイエンスライター

石浦教授のEnjoy!生命科学
ゲノムワイド相関研究への疑問
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

プレカーサー(先駆者)
星野忠次氏(千葉大学 大学院薬学研究院 薬品物理化学研究室 准教授)
…斉藤勝司:サイエンスライター

ネオ★バイオ産業論(最終回)
「権利保護」あってのネオ★バイオ産業の飛躍
…坂口謙吾:東京理科大学 理工学部 応用生物科学科

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
幹細胞治療で腫瘍発生─ロシアで治療されたイスラエルの少年
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
がん治療薬の開発に製薬各社がしのぎを削る
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
2009年度 科学技術予算を読む─重点化がさらに進むライフサイエンス
…NPOサイコム・ジャパン


DATABASE
Tools & Products/Information/Release Clips

ライフサイエンスQ&A
神経経済学ってなに?/インフルエンザと鳥インフルエンザ, 新型インフルエンザの違いは?

【書評】Book Shelf
『脳はあり合わせの材料から生まれた』『心は遺伝子の論理で決まるか』『進化から見た病気』『生命とは何か』
2,075円
2009年3月号 2008年2月21日発売
定価1980円(本体1886円)

◆【特設】Special Report
細胞操作技術の最前線(新連載・概論)
…三宅 淳:産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門

<記事概要>
医療・創薬・バイオ産業などの応用分野から生命科学の基礎研究にいたるまであまねく利用されている,細胞操作技術の最新事情を解説する新連載を開始する。本稿ではその全体像を概説する。(クリックすると消えます)



◆【特集】Special Issue
海馬ニューロンの新生
─精神疾患と神経機能への関与

<記事概要>
成体におけるニューロン新生のメカニズムについての最新知見を紹介する。また,ニューロン新生が海馬という記憶などの高次機能にかかわる脳部位でおこる意味を考え,その破綻と精神疾患の関係を追究する。さらに,精神疾患に対する新たな創薬の可能性を探っていく。(クリックすると消えます)


(1)海馬ニューロン新生:解き明かされる脳のダイナミズム─特集にあたって
…宮川 剛:藤田保健衛生大学 総合医科学研究所 システム医科学研究部門
大隅典子:東北大学大学院 医学系研究科

(2)歯状回ニューロンの生理学的特性とその成熟
…小林克典:日本医科大学 薬理学講座

<記事概要>
海馬神経回路の入り口に位置する歯状回では,生後もニューロン(神経細胞)新生が継続するため,成体においても未成熟顆粒細胞と成熟顆粒細胞が共存する。神経の新生・発達に変化がおきると,両者の比率が変わり,ひいては歯状回の機能が変化することが推測できる。(クリックすると消えます)


(3)成体脳ニューロン新生と高次脳機能
…今吉 格 坂本雅行 影山龍一郎:京都大学 ウイルス研究所 増殖制御学/京都大学 生命科学研究科 高次生命科学専攻

<記事概要>
ヒトを含めた哺乳類の成体の脳においても神経幹細胞が存在し,ニューロンの新生が一生涯続いていることがわかってきた。新生ニューロンが既存の神経回路に組み込まれる様式と,高次脳機能との関係について,最新の知見を紹介する。(クリックすると消えます)


(4)成体脳におけるニューロン新生の分子メカニズム
…切替郁枝 松井 恵 中島欽一:奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 分子神経分化制御学講座

<記事概要>
新生ニューロンは,神経幹細胞から分化し多段階を経て機能的なニューロンとなる。これまでに,この各分化段階は,細胞外シグナルや細胞内プログラムの協調によって厳密に制御されていることが明らかとなりつつある。(クリックすると消えます)


(5)成体脳の神経幹細胞数を増加させる薬物
…石野雄吾 等 誠司:自然科学研究機構 生理学研究所 分子神経生理部門

<記事概要>
げっ歯類において,慢性ストレス環境下で新生ニューロンが減少することや,抗うつ薬の効果発揮には海馬におけるニューロン新生が必要であることが報告されている。慢性ストレスモデルマウスや薬剤投与下での神経幹細胞の動態の研究を紹介し,精神疾患の病態を解明する一つのアプローチを示す。(クリックすると消えます)


(6)歯状回のニューロン成熟と精神疾患
…高雄啓三 松尾直毅 宮川 剛:藤田保健衛生大学 総合医科学研究所 システム医科学研究部門

<記事概要>
遺伝子改変マウスの行動を網羅的に解析することによって疾患のモデル動物を見いだし,そこから逆に精神疾患様の行動異常に関与する遺伝子を探索するアプローチを紹介する。遺伝子が同定できれば,精神疾患患者での関連解析や死後脳解析などへの応用が可能となる。(クリックすると消えます)


(7)成体ニューロン新生と精神疾患
…吉崎嘉一 大隅典子:東北大学大学院 医学系研究科

<記事概要>
全精神疾患の生涯有病率は約50%ともいわれており,その頻度は予想外に高い。精神疾患の発症機序については,世界的にも精力的に研究が進められているものの,未だ不明な点が多い「ニューロン新生」という別の観点から,神経機能と精神疾患へのかかわりを眺めてみたい。(クリックすると消えます)



◆【解説1】Mining Column 1
がんにおける血管・リンパ管の形態変化の蛍光イメージング
…羽生亜紀 今村健志:財団法人癌研究会 癌研究所 生化学部

<記事概要>
新生血管は,がん細胞が増殖するための栄養を供給するシステムとして重要であり,がん細胞が遠隔臓器に転移するときの経路としても注目される。最近注目されているin vivo 蛍光イメージングを用いたがんにおける血管・リンパ管の形態変化の可視化について解説する。(クリックすると消えます)



◆【解説2】Mining Column2
ストレス応答におけるステリルグルコシドのはたらき―脂質メディエーターとその応用(2)
…室伏きみ子:お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科

<記事概要>
近年,種々の生理活性脂質に注目が集まり,それらのはたらきについての知見が集積されつつある。細胞をストレスにさらすことによって速やかに細胞内で合成誘導され,後に続くストレス応答反応を引きおこすステリルグルコシドを中心に,その機能と医療などへの応用について概説する。(クリックすると消えます)



◆【新連載】Serial Articles

自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
はじめに─ヒトと動物の自閉症
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
腸管に網タイツをはかせる腸管神経叢維
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯薬総合研究科 顕微解剖学分野

人体再生に挑む(最終回)
iPS細胞による再生医療
…東嶋和子:科学ジャーナリスト

Sayer Says!
学会でのお作法
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

生命科学者のための創薬化学ABC
天然物からの創薬
…佐藤健太郎:サイエンスライター

石浦教授のEnjoy!生命科学
アルツハイマー病のワクチン治療
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

プレカーサー(先駆者)
小野正博氏(京都大学大学院薬学研究科 准教授)
…斉藤勝司:サイエンスライター

ネオ★バイオ産業論
新しい環境・エネルギー基幹産業の創成
…坂口謙吾:東京理科大学 理工学部 応用生物科学科

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
再生医療で傷痍軍人を治療―求められる情報公開
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
闘病サイトがぞくぞくと開設
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
「メタボ健診」を再考する
…NPOサイコム・ジャパン


DATABASE
Tools & Products/Information/Release Clips

ライフサイエンスQ&A
サリドマイドとはどんな薬?/ スマートドラッグってなに?

【書評】Book Shelf
『嘘発見器よ,永遠なれ』『暴走する脳科学』
『脳神経倫理学』『微生物学』
2,075円
2009年1月号 2008年12月22日発売
定価1980円(本体1886円)

◆【特設】Special Report
下村脩博士2008年ノーベル化学賞受賞記念
GFP技術を創った偉人たち
…宮脇敦史:理化学研究所 脳科学総合研究センター

<記事概要>
2008年10月8日,緑色蛍光タンパク質(GreenFluorescent Protein,GFP)の発見と開発の業績を讃え,下村脩博士,Chalfie教授,Tsien教授に対し,ノーベル化学賞が授与された。GFP技術開発の歴史のなか,受賞者らの膝下に学んだ体験をもつ宮脇敦史博士にGFP史話を書き下ろしていただいた。(クリックすると消えます)



◆【付録】
2009年 創薬化学カレンダー

◆【特集】Special Issue
H5N1鳥インフルエンザ
─パンデミックとヒト感染メカニズム

<記事概要>
H5N1鳥インフルエンザウイルスは,世界60か国以上に拡がりをみせている。このH5N1ウイルスは,通常のインフルエンザの致死率(0.1%)に比べ,非常に高い致死率(60%強)を示す。現状では,ヒトからヒトへの感染はなく,感染鶏からヒトへの散発的な伝播にとどまっているものの,いつヒトからヒトに感染するパンデミックウイルスへと変貌するか予断を許さない。(クリックすると消えます)


(1)H5N1インフルエンザウイルス―序にかえて
…野田岳志 河岡義裕:東京大学 医科学研究所 感染症国際研究センター

(2)インフルエンザウイルスの増殖機構
…野田岳志 河岡義裕:東京大学 医科学研究所 感染症国際研究センター

<記事概要>
スペイン風邪や香港風邪など,パンデミックをおこすインフルエンザウイルスはA型に限られている。H5N1ウイルスが属するA型ウイルスによる感染は,細胞表面上に存在する糖鎖に吸着することから始まる。(クリックすると消えます)


(3)H5N1ウイルスの起源と発生状況
…高野 量 河岡義裕:東京大学 医科学研究所 ウイルス感染分野

<記事概要>
中国を中心にして発生していたH5N1鳥インフルエンザウイルスは,渡り鳥での集団発生を期に,ロシア,中東,ヨーロッパ,アフリカと世界規模に拡大しつつある。渡り鳥から家禽類へと伝播することで,ヒトへの感染の可能性も高まっている。(クリックすると消えます)


(コラム)スペイン風邪ウイルスの高病原性のメカニズム
…渡辺登喜子:ウィスコンシン大学 マディソン校 病理生物科学研究部
河岡義裕:東京大学 医科学研究所 感染・免疫部門 ウイルス感染分野

<記事概要>
著者の研究グループおよびアメリカ疾病管理予防センター(CDC)のグループは,スペイン風邪ウイルスの人工合成に成功した。(クリックすると消えます)


(4)H5N1鳥インフルエンザウイルスの高病原性発現メカニズム
…村本裕紀子 河岡義裕:東京大学 医科学研究所 ウイルス感染分野

<記事概要>
特定の動物種で受け継がれているインフルエンザウイルスは,別の動物種には容易に感染することはないと考えられてきた。しかし現在,流行している高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスは,家禽だけでなく,さまざまな哺乳類に致死的な感染を引きおこしている。その理由は何か? (クリックすると消えます)


(5)パンデミックウイルスの発生機構
…山田晋弥 河岡義裕:東京大学 医科学研究所 ウイルス感染分野

<記事概要>
どのようなことがおきると,パンデミックウイルスが出現するのだろうか?前世紀,人類で発生したパンデミックを検証することで,今後おこりうるH5N1ウイルスによるパンデミックについて考察する。(クリックすると消えます)


(6)H5N1ウイルス感染患者の病態
…坂部沙織 岩附(堀本)研子 河岡義裕:東京大学 医科学研究所 ウイルス感染分野

<記事概要>
H5N1ウイルスの感染によるおもな死因は,重度の肺炎から進行した呼吸不全や多臓器不全で,いまのところ致死率は63%に達している。この病原性の強さには,宿主側のウイルスに対する過剰な免疫応答が関与しているのではないかと考えられている。(クリックすると消えます)


(7)H5N1ウイルスのヒト感染に必要な変異とは
…山田晋弥 河岡義裕:東京大学 医科学研究所 ウイルス感染分野

<記事概要>
H5N1鳥インフルエンザウイルスのヒトからヒトへの効率よい伝播はおきていない。ではH5N1ウイルスはなぜ,鳥からヒトに感染するものの,ヒトからヒトへは伝播しないのか。どのような変異をおこすとヒトでパンデミックを発生しうるのか。(クリックすると消えます)


(8)H5N1インフルエンザワクチン
…村上 晋 堀本泰介 河岡義裕:東京大学 医科学研究所 ウイルス感染分野

<記事概要>
現行のヒト用インフルエンザワクチンには,亜型の異なる鳥ウイルス感染に対する効果はない。そのため,H5N1ウイルスによる世界的大流行(パンデミック)の発生に備え,先進諸国を中心に,ヒト用H5N1プレパンデミックワクチンの製造と備蓄が進められている。(クリックすると消えます)


(9)H5N1ウイルスと抗インフルエンザ薬
…木曽真紀 河岡義裕:東京大学 医科学研究所 ウイルス感染分野

<記事概要>
抗インフルエンザ薬は,鳥インフルエンザがパンデミックをおこしたときに,重要な対抗手段となると考えられている。本稿では,現在認可されているM2阻害剤,NA阻害剤の特徴やそれらに対する耐性ウイルス株の発生状況について解説するとともに,その他の薬剤の可能性について探究する。(クリックすると消えます)



◆【解説1】Mining Column 1
臨床応用からみた間葉系幹細胞の増殖・分化能
…大串 始:産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門

<記事概要>
ヒトiPS細胞の再生医療分野での応用のためには,すでに臨床応用されている“間葉系幹細胞”との対比が重要である。ここでは,成人骨髄由来間葉系幹細胞による疾患治療の経験を通じて,幹細胞と幹細胞関連技術の現状を概説し,今後を展望する。(クリックすると消えます)



◆【解説2】Mining Column2
環状ホスファチジン酸をめぐる話題
─脂質メディエーターとその応用(1)
…室伏きみ子:お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科

<記事概要>
いま,脂質は,注目すべきシグナル分子として,生体の多様なはたらきを調節するとともに,がんや神経疾患などの疾病とも深く関連していることが明らかにされつつある。(クリックすると消えます)



◆【技術コラム】
人工遺伝子合成―遺伝子はクローニングからクリエーティングへ

◆【カレント・レビュー】Current Review

<顕微鏡技術・発生学>
胚まるごとのライブイメージングを可能にする顕微鏡DSLM
…野中茂紀:基礎生物学研究所 時空間制御研究室

<インタビュー>
韓国バイオベンチャーはいま?
…三森八重子:科学技術政策研究所 国際研究協力官

◆【新連載】Serial Articles

Sayer Says!
研究で使う言語
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
伸縮自在な弾性線維
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯薬総合研究科 顕微解剖学分野

石浦教授のEnjoy!生命科学
ブラッドオレンジジュースとビタミンC
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

人体再生に挑む
心臓に幹細胞があった
…東嶋和子:科学ジャーナリスト

生命科学者のための創薬化学ABC
医薬のベストバランス
…佐藤健太郎:サイエンスライター

プレカーサー(先駆者)
塚本康浩氏(京都府立大学 生命環境科学研究科 教授)
…斉藤勝司:サイエンスライター

ネオ★バイオ産業論
新しいマーケットへの進出・創出
…坂口謙吾:東京理科大学 理工学部 応用生物科学科

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
「ビスフェノールA」のリスク論争に,利益相反か?
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
新型インフルエンザ対策にベンチャーが名乗り
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
医療安全調査委員会設置への動き
…NPOサイコム・ジャパン


DATABASE
Tools & Products/Information/Release Clips

ライフサイエンスQ&A
食品にメラミンが混入されたのはなぜ? 食べたらどうなるの?/iPS細胞研究の記事でみかける“テラトーマ”ってなに?

【書評】Book Shelf
『1冊でわかる科学哲学』『社会の中の科学』『サイボーグ・フィロソフィー』『雌と雄のある世界』
2,075円
◆【特設】Special Report
インタビュー iPS細胞研究のキーマンに迫る

<記事概要>
特許第一弾成立。これから医療・産業応用へ向けた研究が重要となる。山中教授には改めてiPS 細胞とは何か,中畑教授にはその利用として期待されている疾患特異的iPS細胞について語っていただき,特許や知財の行方について探った。(クリックすると消えます)


(1)山中伸弥教授に聞く『本当のiPS細胞とは何か?』
ちょっと見る
…三森八重子:科学技術政策研究所 国際研究協力官

<記事概要>
各国のラボでは,着々とあらたなヒトiPS 細胞が生みだされ,応用に向けて研究が進められているようだ。嵐の只中にいる山中教授にiPS 研究の今後の方向性について聞いた。(クリックすると消えます)


(2)iPS細胞“特許”第一弾成立のインパクト!
…三森八重子:科学技術政策研究所 国際研究協力官

<記事概要>
9月12日,大きなニュースが飛び込んできた。京都大学は,「山中伸弥教授らが開発したiPS 細胞の作製方法に関する特許が成立した」と発表。(クリックすると消えます)


(3)疾患特異的iPS 細胞の樹立スタート!
ちょっと見る
…編集部

<記事概要>
中畑龍俊教授らの研究グループは,わが国第1号となる“疾患特異的iPS細胞”を,筋ジストロイフィーの患者皮膚から採取した細胞から樹立することを開始した。(クリックすると消えます)



◆【特集】Special Issue
解明されつつある糖尿病遺伝子

<記事概要>
糖尿病には1型,2型があり,1型糖尿病は,膵臓のβ細胞が壊れインスリンが分泌されないためにおこる自己免疫疾患である。一方, 糖尿病患者の約9割を占める2型糖尿病は, 肥満や生活習慣病とのかかわりが注目されているが,その発症には遺伝的な要素が関係すると指摘されている。
近年のヒトゲノム研究の進歩により, 一塩基多型(SNP)などの遺伝子多型データベースが充実し,ハプロタイプ地図の情報がつぎつぎと整備されたことで,糖尿病にかかわる遺伝子の同定・解析が急速に進みつつある。(クリックすると消えます)


(1)糖尿病とテーラーメイド医療
…春日雅人:国立国際医療センター 研究所

<記事概要>
糖尿病の遺伝素因の解明には多くの困難があったが,最近の技術進歩によりいくつかの関連遺伝子が明らかになってきた。しかしながら,テーラーメイド医療実現までにいまだ問題点は残っている。(クリックすると消えます)


(2)1型糖尿病と遺伝子
…川畑由美子 池上博司:近畿大学 医学部 内分泌・代謝・糖尿病内科

<記事概要>
1型糖尿病は遺伝因子と環境因子の相互作用によって発症し,しかも遺伝因子が複数の遺伝子によって構成されている多因子疾患である。「疾患感受性遺伝子」をの解明は,1型糖尿病の発症予知・診断を可能にし,新たな予防法の開発につながる。(クリックすると消えます)


(3)2型糖尿病と遺伝子<1>─罹患同胞対解析によるアプローチ
…原 一雄 門脇 孝:東京大学 大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科

<記事概要>
近年はGWAS全盛の時代であるが,ノンパラメトリック連鎖解析である罹患同胞対解析の2型糖尿病感受性遺伝子同定におけるこれまでの成果・歴史を振り返り罹患同胞対解析の役割について考察を述べる。(クリックすると消えます)


(4)2型糖尿病と遺伝子<2>─ゲノムワイド相関解析によるアプローチ
…安田和基:国立国際医療センター研究所 代謝疾患研究部

<記事概要>
糖尿病の90%以上を占める多因子遺伝病タイプでは,遺伝因子の研究は長く試行錯誤が続ていたが,ここ1,2年で急速な進歩をとげた。その起爆剤となったゲノムワイド相関解析(GWAS)によるアプローチについて紹介する。(クリックすると消えます)


(5)糖尿病合併症と遺伝子
…前田士郎:理化学研究所 ゲノム医科学研究センター 内分泌・代謝疾患研究チーム

<記事概要>
糖尿病合併症,とくに糖尿病腎症の成因に遺伝因子の関与が想定されているがいまだその詳細は明らかではない。病因論にもとづく候補遺伝子解析は未知の因子を同定できないという限界があり,仮説にとらわれない網羅的解析の必要性が強調されている。(クリックすると消えます)


(6)肥満と遺伝子
…堀田紀久子:理化学研究所 ゲノム医科学研究センター 内分泌・代謝疾患研究チーム

<記事概要>
肥満は糖尿病,脂質代謝異常などの生活習慣病のリスクファクターである。私たちはSNPを用いてSCG3,MTMR9が日本人の肥満発症に重要であることを見出した。視床下部でのこれらの遺伝子の作用が肥満発症に需要であると考えている。(クリックすると消えます)



◆【解説】Mining Column
新生DNA鎖へのメチル化パターン継承のメカニズム
…有吉眞理子 有田恭平 白川昌宏:京都大学 大学院工学研究科 分子工学専攻

<記事概要>
細胞の分化,形態形成の鍵を握る。分化した細胞は,その分化過程で決定された遺伝子発現パターンを受け継ぎながら増殖を繰り返す。このゲノム配列によらないエピジェネティックな現象はどのように維持されているのだろうか?(クリックすると消えます)



◆【特別企画】
BMB2008開催企画
(31回日本分子生物学会年会,第81回日本生化学会大会 合同大会)

◆【カレント・レビュー】Current Review

<遺伝子工学>
改良型アデノウイルスベクターを利用した効率のよい「ヒトES細胞の遺伝子操作」の実現
…鈴木啓一郎 三谷幸之介:埼玉医科大学 ゲノム医学研究センター 遺伝子治療部門

<免疫学>
キラーT細胞のはたらきを調節する受容体分子を発見
…遠藤章太 高井俊行:東北大学 加齢医学研究所 遺伝子導入研究分野

<イメージング>
複数分子の同時イメージングを実現した世界初の診断装置を開発
…榎本秀一:岡山大学 大学院医歯薬総合研究科 創薬生命科学専攻

<ケミカルバイオロジー・イメージング>
環境応答型蛍光色素プローブ「POLARIS Fluorophore」の開発
…山田幸司:北海道大学 大学院地球環境科学研究院 物質機能科学部門

本間直幸:財団法人 北海道科学技術総合振興センター 知的クラスター推進室

◆【連載】Serial Articles

新ミクログラフィア
多様な細胞たちが潜む肝類洞とその周囲
…牛木辰男:新潟大学 大学院医歯薬総合研究科 顕微解剖学分野

石浦教授のEnjoy!生命科学
コドンとポリアミノ酸の不思議
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科

人体再生に挑む
心不全治療と再生医療
…東嶋和子:科学ジャーナリスト

生命科学者のための創薬化学ABC
「化合物」が医薬に進化するまで
…佐藤健太郎:サイエンスライター

プレカーサー(先駆者)
阿部 洋氏(理化学研究所 基幹研究所 伊藤ナノ医工学研究室 研究員)
…斉藤勝司:サイエンスライター

科学研究者になるためのサイドメニュー
リーダーとは,安心してついていける人
…和田昭允:理化学研究所顧問

ネオ★バイオ産業論
「生物素材の大量生産」の“壁”をどう打ち破るか(2)
…坂口謙吾:東京理科大学 理工学部 応用生物科学科

◆【社会との接点】Social Impact

海外ヘッドライン de ライフサイエンス
いまなお倫理問題に揺れる,アメリカの幹細胞研究
…粥川準二:科学ジャーナリスト

バイオベンチャー・ウォッチ
ジェネリック医薬品の推進を促進するベンチャーが上場
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー

医療・医科学政策,ここが焦点
生命倫理の法制化問題
…NPOサイコム・ジャパン


DATABASE
Tools & Products/Information/Release Clips

ライフサイエンスQ&A
男と女,オスとメスで脳に差はあるの?/切り刻まれたプラナリアは,どうやって全身を再生するの?

【書評】Book Shelf
『人間の境界はどこにあるのだろう?』『ホモ・フロレシエンシス(上・下)』『ファージ療法とは何か』『医学が歩んだ道』

商品情報・内容

■ 医学薬学と生命科学の統合エリアを追及する!

医学薬学にかかわる生命科学の知見と技術を解説します。がん、免疫疾患、神経疾患、肥満、老化、感染症、再生医療など、疾患や先端医学・創薬につながる生命科学の重要テーマを特集します。新発見・新開発をタイムリーにレビューします。注目の研究者、研究所を取材・インタビューします。実験手法、実験関連商品の解説記事を掲載します。

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