目次
小さな蕾 2019年7月号 No.612 ―目次―
【特集】
●高麗李朝のやきもの 出羽桜美術館コレクションより
【展示紹介】
・これぞ黄金の国・日本 金屏風展 ―狩野派・長谷川派・琳派など― ◆岡田美術館特別展より
・涼風のわく 館蔵染付展 ◆石洞美術館企画展
・初めての古美術鑑賞 ―絵画のテーマ― ◆根津美術館企画展より
・宴のうつわ 大皿と組み皿の美 ◆伊万里・鍋島ギャラリー企画展より
【寄稿】
・初見「藍鍋島牡丹花文中皿」 ◆小木 一良
・陶片で楽しむ中国陶磁 磁州窯 ◆藤川 幸夫
【連載】
・明治の陶磁シリーズ15 加藤友太郎 鯉文釉下彩花瓶 ●関 和男
・仏教美術の脇役たち ニセモノ編 金工 ●松田 光
・塵も積もれば2 元興寺極楽坊彩色版画 ●鈴木 康支
・古時計逍遙67 生き残り ●戸田 如彦
・絵のある待合室67 大正時代・女の首3題 ●平園 賢一
私の一品
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全国美術館・博物館・骨董市情報
注目の展示会・催し
蕾特選サロン
【特集】
●高麗李朝のやきもの 出羽桜美術館コレクションより
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・涼風のわく 館蔵染付展 ◆石洞美術館企画展
・初めての古美術鑑賞 ―絵画のテーマ― ◆根津美術館企画展より
・宴のうつわ 大皿と組み皿の美 ◆伊万里・鍋島ギャラリー企画展より
【寄稿】
・初見「藍鍋島牡丹花文中皿」 ◆小木 一良
・陶片で楽しむ中国陶磁 磁州窯 ◆藤川 幸夫
【連載】
・明治の陶磁シリーズ15 加藤友太郎 鯉文釉下彩花瓶 ●関 和男
・仏教美術の脇役たち ニセモノ編 金工 ●松田 光
・塵も積もれば2 元興寺極楽坊彩色版画 ●鈴木 康支
・古時計逍遙67 生き残り ●戸田 如彦
・絵のある待合室67 大正時代・女の首3題 ●平園 賢一
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小さな蕾 No.612(2019-05-29発売) の特集を少しご紹介
高麗李朝のやきもの
青の美から白の美へ 高麗・李朝陶磁の魅力
P.16~P.47
高麗時代は青の時代と呼ぶに相応しい。静謐と温和、典雅と優美を内在した高麗青磁の持つ品格の高い灰青色の釉調の光沢は、青磁の本場中国でも高く評価されてきた。北宋との関係が深まるにつれて汝窯や耀州窯、定窯などの影響を受けて高麗青磁にも線彫りで文様を描く陰刻や、浮彫りのように文様を描く陽刻、さらに透かし彫りなどの技法が登場してくるが、技法と器形が多様化していく中で「象嵌」という高麗青磁独自の技法が創出された。
象嵌とは素地に文様を彫り、その凹部に黒土や白土を埋め込んで文様を描くもので、元は金属工芸の技法であったが、その青い釉下の白黒文様の鮮明さと端麗さは高麗青磁の評価を不動のものにした。
李氏朝鮮になると白の時代の始まりである。儒教が重んじられて白が尊ばれるようになり、白磁を母体として青花(染付)や鉄砂、辰砂などの装飾が生まれていく。李朝白磁は元末明初の白磁の影響を受け、15世紀には生産され始めたが、その釉調は李朝初期から中期以降の金沙里分院、分院里分院へと変化していく。
初見 「藍鍋島牡丹花文中皿」
? 後期作風品を思わせる花文様と厳しい皿裏文様とその造形 ?
P.62~P.63
鍋島にすっかり魅せられている友人より、「興味深い藍鍋島中皿」を入手したとして、本稿掲載の中皿作品を拝見させていただいた。
最初に作品を箱から取り出して表文様を瞬間見た時は盛期作品ではなく、やや時代の下がる作ではないかとの思いが頭をよぎった。間をとり、ゆっくりと全体を拝見すると、やや平らな器形の七寸中皿で、縁廻りは細い刻文が施されている。通例の七寸皿よりやや浅い器形で古鍋島風器形である。
外廻りは三方に七つの七宝紐結び文が配されており、高台側面に廻らされている櫛目文はよく整っており美しい。
裏面文様とやや平らな全体的器形からみて、明らかに古鍋島に共通する様式、雰囲気の造形と思われるものである。
表の牡丹花文の描法はかなり写実的で、盛期より下がる作品ではないかとの疑問も感じられながらも裏文様、全体的器形などから総合勘案すると明らかに古作皿の条件を良く示している中皿である。
明治の陶磁シリーズ15
加藤友太郎 鯉文釉下彩花瓶
P.68~P.71
今回紹介作品の鯉文は、友太郎釉下彩の大看板である。その製作年代を模索する。
本作品は、松と流水を染付で、鯉を釉下彩赤及び黒色絵具で描いている。前回に解説したとおり、釉下彩赤色は、明治32年に友太郎が始めて開発成功させた絵具である。その色は緋鯉によく合うことから、友太郎はこの文様を多用した。(ハリリ・コレクション等参照)本作品の製作年代は釉下彩赤絵完成の明治32年以降になる。更に、器銘からも検証できる。その検証作品は宮内庁所蔵友太郎とうもろこし文釉下彩花瓶(資料1作品)とかきつばた文釉下彩作品(資料2作品)である。資料1作品は明治34年9月全国窯業品共進会に出品され、そこで宮内庁に御用品として買い上げられた。本作品及び資料1作品・同2作品の器銘を比較すれば、本作品と資料1作品器銘が資料2作品のそれよりも省略化されている。ここで指摘する省略文字は「製」である。
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