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<最新判例批評>
 佐藤修一郎 佐伯祐二 高田倫子
 西土彰一郎 愛知靖之 神吉知郁子
 
◇第一回判例時報賞 結果発表
 
岐路に立つ裁判官(3)
 行政えん罪:行政・司法の腐敗と再生策
  ──放置国家を克服する司法改革を──……阿部泰隆
 
刑法判例と実務
 ──第二〇回 未遂犯(下)──……小林憲太郎
 
■判例特報
GPS捜査の適法性大法廷判決
  (最大判平29・3・15)
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<労働> 1件
<商事> 1件
◇第一回判例時報賞 結果発表

◆記 事◆
岐路に立つ裁判官(3)
 行政えん罪:行政・司法の腐敗と再生策
 ──放置国家を克服する司法改革を──……阿部泰隆
刑法判例と実務
 ──第二〇回 未遂犯(下)──……小林憲太郎

◆判例特報◆
 車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査であるGPS捜査は令状がなければ行うことができない強制の処分か――GPS捜査の適法性大法廷判決
(最大判平29・3・15)

◆判決録細目◆
行 政

▽長崎市に投下された原子爆弾の爆心地から一二キロメートルの範囲内であるが被爆未指定地域で生活等していた者(いわゆる「被爆体験者」)の一部について、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律一条三号に該当する者であるとされた事例
(長崎地判平28・2・22)

民 事

◎共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は遺産分割の対象となるか
(最大決平28・12・19)

○東日本大震災にかかる義援金の不正疑惑について、警察による捜査を求める署名活動と署名を求める文書につき、正当な意見・論評であり名誉毀損とはならないとした事例
(仙台高判平28・12・7)

▽青果物等の卸売事業者と仲卸業者らの協同組合との間の合意内容につき、取引協約書の文言、卸売市場における代払制度の歴史的沿革、従前の当事者間の経緯等を総合して判断した事例
(東京地判平28・6・27)

▽特定商取引に関する法律九条一項ただし書の「第五条の書面」と認められるためには、商品名の記載につき、交付された商品が実際の商品と客観的に一致しているかどうかの判断を可能とする程度の記載がされる必要があるところ、交付された書面にはそのような記載がないとして、クーリングオフ期間が進行しないとした事例
(京都地判平28・10・11)

▽親権停止審判申立事件を本案事件とする審判前の保全処分申立事件において、重篤な心臓疾患を抱えるなどし、直ちに治療及び手術を受ける必要がある未成年者の親権者らについて、同人らのこれまでの対応や現在の生活状況等に照らし、現在の緊急事態に迅速かつ適切に対応できるかどうか疑問があるとして、本案審判認容の蓋然性及び保全の必要性を認め、同人らの未成年者に対する職務の執行を停止した事例
(東京家審平28・6・29)

労 働

○一 社内報に賃金改定の内容等が記載されていることにより従前の就業規則が変更されたものとみることはできないとされた事例
二 社内報による周知等により賃金改定を行う労使慣行がありこれにより就業規則変更の効力が生じるとの主張が排斥された事例
(大阪高判平28・10・26)

商 事

◎取締役会設置会社である非公開会社における、取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めの効力
(最三決平29・2・21)

◆最高裁判例要旨(平成二九年四月分)

判例評論

二二 らい予防法(昭和二八年法律第二一四号、平成八年四月一日廃止)一一条の国立療養所に入所していなかったハンセン病元患者について、平成八年の同法廃止に至るまで国会議員が同法の隔離規定を廃止しなかったこと及び厚生大臣が隔離政策の抜本的な転換をしなかったことは、国家賠償法上の違法性及び過失があるとされ、ハンセン病患者・元患者の子との関係でも、厚生大臣の隔離政策不転換には国家賠償法上の違法性及び過失が認められると判断された事例
(鳥取地判平27・9・9)……佐藤修一郎

二三 拘置所長が死刑確定者から発信を申請された信書を返戻した行為が国家賠償法一条一項の適用上違法であるとはいえないとされた事例
(最三判平28・4・12)……佐伯 祐二

二四 市町村長は、消防法を受けて定められた危険物の規制に関する政令二三条の定めによって、同政令一七条五項を受けていわゆるセルフスタンドについて加重された技術的基準である危険物の規制に関する規則二八条の二の五第六号ハの定めの適用を除外することができないとされた事例
(広島高岡山支判平27・8・27)……高田倫子

二五 通常のテレビジョン受信機を設置せず、いわゆるワンセグ機能付き携帯電話のみを所有する者は放送法六四条一項本文の「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」に該当しないとして、同項に基づく放送受信契約締結義務が存在しないことを確認した事例
(さいたま地判平28・8・26)……西土彰一郎

二六 先行する製造販売承認と特許権の存続期間延長登録の要件─アバスチン事件─
(最三判平27・11・17)……愛知靖之

二七 労働者との合意による就業規則の退職金支給基準の不利益変更の効力を認めるには当該同意が自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由の客観的存在を要すると判示された事例
(最二判平28・2・19)……神吉知郁子
同時傷害の特例(刑法二〇七条)を考える……大谷 實
 
同時傷害の特例の法意および適用範囲……日髙義博
 
外国人をめぐる諸問題(1)
 戦後出入国管理制度の変遷と変容……佐藤義一
 
法曹実務のための行政法入門(4)
 ―─行政組織法②─―地方分権改革・民営化……高橋 滋
 
現代型取引をめぐる裁判例(420)……升田 純
 
国際刑法の窓(9)
 ──共謀罪法案を斬る(下)──……森下 忠
 
■判決録
<民事> 8件
<労働> 1件
<刑事> 1件
◆記 事◆
同時傷害の特例(刑法二〇七条)を考える
 ――最高裁第三小法廷平成二八年三月二四日決定を契機として……大谷 實
同時傷害の特例の法意および適用範囲
 ――最高裁平成二八年三月二四日決定を契機として……日髙義博
外国人をめぐる諸問題(1)
 戦後出入国管理制度の変遷と変容
 ――外国人労働者をめぐる在留資格制度の揺らぎ――……佐藤義一
法曹実務のための行政法入門(4)
 ―─行政組織法②─―地方分権改革・民営化……高橋 滋
現代型取引をめぐる裁判例(420)……升田 純
国際刑法の窓(9)──共謀罪法案を斬る(下)──……森下 忠

◆判決録細目◆
民 事

◎専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合と民法八〇二条一号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」
(最三判平29・1・31)

◎不特定多数の消費者に向けられた事業者等による働きかけと消費者契約法一二条一項及び二項にいう「勧誘」
(最三判平29・1・24)

○銀行の宗教法人代表者への貸付債権を被担保債権とする当該宗教法人との間の根抵当権設定契約が宗教法人法等に定める手続がとられていないことを理由として無効と判断され、また、当該宗教法人による無効主張が信義則に反するとの銀行の主張が排斥された事例
(高松高判平28・11・25)

▽卒業式における不規則発言・不起立不斉唱行為及び自己申告票を提出しなかったこと等を理由とする公立小学校教員の再任用教職員採用選考の不合格が、憲法一九条、一四条に違反せず、また、児童の学習権や教員の教育の自由を侵害するとはいえず、教育委員会の有する裁量権を逸脱し、又はこれを濫用したとも認められないとして、国家賠償請求を棄却した事例
(大阪地判平28・12・12)

▽一 急激かつ偶然な外来の事故によって傷害を被ったことを保険給付事由とする普通傷害保険契約においては、保険法施行後においても、保険金請求者が、発生した事故が急激かつ偶然な外来の事故であることの主張立証責任を負うとした事例
二 カーブした山道を走行中崖から車両ごと転落して運転者が死亡したという事故につき、事故状況等からみて急激かつ偶然な事故とは認められないとした事例
(名古屋地判平28・9・26)

▽後医が前医から、甲状腺疾患の治療継続を目的として転医してきた患者がB型肝炎ウイルスキャリアであり、肝機能障害に注意すべき旨の引継ぎを受けていたときは、後医と患者との間の診療契約上、甲状腺疾患の治療の他に肝機能が悪化した場合には肝臓専門の医療機関を紹介する義務もあり、後医に同義務違反の過誤があったとされた事例
(京都地判平28・2・17)

▽重症新生児仮死の状態で出生し重度の後遺障害が発生したことにつき、担当医師には急速遂娩をする義務があるのに、これを行わなかった過失があるとされた事例
(高知地判平28・12・9)

▽マンションの自治会役員候補者選出選挙に当たって犯罪歴を同マンションの住民に知らされた候補者及びその妻の、同候補者の犯罪歴を挙げて住民に同選挙無効の嘆願書への署名を集めた同自治会の役員に対する名誉毀損の不法行為に基づく損害賠償請求につき、同候補者の犯罪歴が公共の利害に関する事実に該当し、役員らの署名集めは公益を図る目的に出たものであって、同候補者の犯罪歴が真実である以上、名誉毀損の不法行為の違法性が阻却されるとして、同候補者らの請求を棄却した事例
(静岡地沼津支判平28・9・29)

労 働

○公立学校教員の私生活上の非行に対して内部指針に従ってなされた懲戒免職処分及び退職手当支給制限処分について、処分庁の裁量権の範囲の逸脱または濫用はないとした一審判決が取り消された事例
(札幌高判平28・11・18)

刑 事

○覚せい剤使用の事案において、第三者により覚せい剤が混入された飲食物をそれと知らずに摂取したとの合理的な疑いがあるとして、尿中から覚せい剤成分が検出された被告人が無罪とされた事例
(東京高判平28・12・9)
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