判例時報 発売日・バックナンバー

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◆記 事◆

海外判例研究──第21回──
 憲法   カトリック慈善事業団体の非課税措置申請が認められなかったことが信教の自由を侵害するとした事件
      (アメリカ連邦最高裁判所2025年6月5日判決)……大林 啓吾

      シカゴへの州兵派遣に対する差止が認容された事例
      (アメリカ連邦最高裁判所2025年12月23日決定)……大林 啓吾

      国際緊急経済権限法(IEEPA)は、大統領に外国の脅威に対処するための経済的手段を与えてはいるが、
      その脅威は「異例かつ異常」でなければならないとして、大統領には関税を課す権限を与えられていないとされた事例
      (アメリカ連邦最高裁判所2026年2月20日判決)……ダン ローゼン・西口 元

 民法   未成年者の生命権侵害をめぐる事件(中華人民共和国最高人民法院2024年5月30日発布)……胡 光輝

 消費者法 非財産的損害の内容として、個人データが第三者に無断で転送されたことに起因してデータ主体が経験する
      恐怖や煩わしさといった否定的感情が含まれるとした事例
      (欧州連合司法裁判所2025年9月4日判決)……カライスコス アントニオス

 刑法   意見の自由と侮辱の処罰(ドイツ連邦憲法裁判所2025年1月16日決定)……佐藤 拓磨

      預金者がATMに銀行カードを挿入して暗証番号を入力した後、無権限者が介入して残りの操作を行い、
      出金された現金を取得する事例の擬律
      (ドイツ連邦通常裁判所2024年11月12日決定)……小池 信太郎小池 信太郎


◆判決録細目◆

民事

▽民事再生法106条1項に定める出訴期間内に査定の変更を求める部分を一部であると明示して再生債権査定異議の訴えを提起した場合について、出訴期間経過後におけるその残部についての再生債権査定異議の訴えを不適法とした事例
(東京地判令7・3・12)

▽地方公共団体である被告が設置する中学校在学中に自死した生徒の両親である原告らが、同生徒に対するいじめに関し教員らが安全配慮義務及び調査報告義務を怠った旨主張して、被告に対して国家賠償法1条1項に基づき、教員らに対して民法709条に基づき損害賠償請求をした事案において、一部の教員に安全配慮義務違反が認められるとして被告に対する請求を一部認容した事例
(大阪地判令7・3・27)

▽マンション管理組合の理事長がした組合費からの支出等の一部について、悪意で加えた不法行為に当たると判断した事例
(大阪地堺支判令7・3・27)


知的財産権

〇1 バンドスコアは著作権法6条各号に掲げる著作物に該当しないとした事例
 2 他人が販売等の目的で制作したバンドスコアを無断で模倣してバンドスコアを制作しこれをインターネット上に無料で公開する行為について、著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するものとして、不法行為の成立を認めた事例
(東京高判令6・6・19)

〇独占配信された映像から棋譜情報を取得して同時的に公開する内容を含む動画を配信する行為は不法行為を構成することを理由に、当該動画について動画配信プラットフォーム事業者に対して著作権侵害に基づく削除申請をした行為が不正競争防止法2条1項21号にいう不正競争に当たるとして請求を一部認容した原判決を取り消し、1審原告の請求を棄却した事例
(大阪高判令7・1・30)


刑 事

▽特定少年について、併合罪関係にある複数の非行事実の中に罰金以下の刑に当たる罪(道路運送車両法違反)の事件が含まれていても、他の非行事実(無免許過失運転致傷等)と併せて第1種少年院送致とした事例
(横浜家小田原支決令7・5・13)
◆記 事◆

行政行為の「効力」論
―行訴法改正後のアプローチの在り方―……高橋 滋


◆判決録細目◆

行 政

◎1 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定の適法性
 2 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定の合憲性
(最三判令7・1・28)

◎複数の構造により建築されている非木造家屋について家屋課税台帳に登録すべき価格を決定するに当たり、固定資産評価基準(平成30年総務省告示第229号による改正前のもの)別表第13の定める経年減点補正率のうち構造別区分を鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート造とするものを適用したことが、同基準に反しないとされた事例
(最二判令7・2・17)


民 事

▽原告との労使交渉中であった労働組合である被告が組合活動の一環として行った宣伝活動における発言の一部について、名誉毀損の成立が認められた事例
(東京地判令7・5・28)

▽地上権設定者の地位を取得した原告が地上権を取得した被告らに対し地代増額請求により増額された地代の確認等を請求した事案において、地上権設定契約における、地上権者が地上権設定者に対して地上権設定対価を支払うこととし、地上権設定者は地上権者に対して地代等金銭その他一切を請求しない旨の特約は地代不増額特約であり、同特約に基づき地代の支払を不要とすることが信義則に反すると解すべき特段の事情があるとはいえないとして、原告の請求を棄却した事例
(東京地判令6・10・25)

▽被告が設置、運営する病院において、左膝の変形性膝関節症と診断され、全身麻酔下で神経ブロックを行う方法により膝の人工関節置換術単顆型という手術を受けた原告が、上記手術後左足に大腿神経麻痺等が生じたなどと主張して、被告に対し、診療契約上の債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案において、神経損傷の合併症が想定され、神経麻痺のリスクがある神経ブロックを用いずに全身麻酔のみで手術を行う選択肢を示さなかった担当医師の説明義務違反により、原告の自己決定権が侵害されたと認め、請求の一部(慰謝料)を認容した事例
(札幌地判令7・1・15)


刑 事

◎不正に入手した暗号資産NEMの秘密鍵で署名した上でNEMの移転行為に係るトランザクション情報をNEMのネットワークに送信した行為が刑法246条の2にいう「虚偽の情報」を与えたものとされた事例
(最三判令6・7・16)

〇1 路上で面識のない被害者をナイフで刺殺した殺人被告事件について、病的な幻聴、妄想の存在を否定し精神障害はなかったとした鑑定人の鑑定意見の信用性を肯定し、完全責任能力を認めた1審判決の判断が是認された事例
 2 犯行時18歳未満であった成人被告人の殺人被告事件において、無期懲役刑の緩和刑の上限を上回る有期懲役刑を言い渡した1審判決が是認された事例
(大阪高判判令7・6・20〈参考原審:神戸地判令5・6・23〉)


◆最高裁判例要旨(2025(令7)年10・11月分)


◆判例評論◆

5 思想信条を理由とする昇級昇格差別とそれに基づく差額賃金・退職金相当の損害賠償等が時効消滅していない範囲で認められた事例
(東京高判令7・3・25)……石田 信平
◆記 事◆

辺野古訴訟から考える判例再考⑵
国の岩礁破砕等行為に対する都道府県の差止請求と「法律上の争訟」性……西上 治

一部請求について
――弁済を受けた額を控除した請求は一部請求か――……近藤 昌昭


◆判決録細目◆

行 政

◎障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(令和4年法律第76号による改正前のもの)20条1項に基づく介護給付費の支給決定に係る申請を却下する処分が違法であるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最一判令7・7・17)


民 事

◎夫婦間における婚姻費用の分担の内容を定める合意の無効確認を求める訴えの適否
(最一判令7・9・4)

〇借地権者が借地上の建物の売買を原因とする所有権移転登記の後にした土地賃借権譲渡許可の申立てを不適法なものとして却下した原決定の判断を是認した事例
(大阪高決令6・6・6〈参考原審:大阪地判令6・4・10〉)

〇1ループを形成する操作コードの付属した上げ下げロール網戸につき、製造物責任法3条の欠陥があったと認められた事例
 2 欠陥のある製品設置等に関し、施工業者に注意義務違反が認められた事例
 3 リフォーム工事の契約等につき、クーリングオフが認められた事例
(大阪高判令6・3・14〈参考原審:大阪地判令4・11・17本誌2569・59〉)

▽自宅でショックに陥った後に死亡した当時91歳の患者に関し、訪問医療の主治医には、患者がショックにあったことを認識したにもかかわらず、患者の同居の娘である原告との話し合いもないまま積極的治療を行わなかったことには、医師の注意義務に反する過失があり、適切な医療行為を受けるという患者の利益を侵害したと判断した事例
(東京地判令7・1・30)

▽請求異議の訴えにおいて、確定判決に基づく強制執行が権利濫用に当たるとされた事例
(東京地判令7・4・11)

▽名の変更許可申立事件の審判に対する更正決定の申立てをした事案につき、家事審判手続法77条による更正決定をするためには、審判書自体又はその記載に照らし、少なくとも当該記載が単なる表現上の誤りであることが明らかであり、かつ、家庭裁判所の意図した記載が一義的に明らかであることを要するとして、当該更正決定の申立てを理由がないとして却下した事例
(東京家立川支決令7・3・28)

▽市立高校の校長が、原告の保護者に対して翌日から原告を学校に来させないでほしい旨告知したことにつき、当該告知は家庭反省指導をするに当たり履践すべき適正な手順や対応を欠くとともに必要な配慮を著しく欠き、教育指導上の裁量権の範囲を逸脱ないし濫用するものであるとして、国家賠償法上の違法行為であると認めた事例
(広島地判令7・5・27)

▽腰椎後方除圧術を執刀した医師の手技上の過失により患者の馬尾神経が切断損傷された症例につき、執刀医の技量の稚拙、患者の算定困難な損害の発生、病院の事故後の説明不足等を斟酌して、患者及び近親者の慰謝料額を算定した事例
(神戸地姫路支判令7・5・14)


労 働

◎都道府県警察所属の警部補が自殺した場合において、当該都道府県警察を置く都道府県が、上記警部補の上司らが上記警部補の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務に違反したことを理由として国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うとされた事例
(最二判令7・3・7)


刑 事

▽特定少年である少年が、共犯者と共謀の上、金品を強取しようと考え、住居に侵入し、被害者に対して包丁を示しながら脅迫し、現金を強取するなどした住居侵入、強盗、銃砲刀剣類所持等取締法違反保護事件において、刑事処分以外の措置を相当と認め、少年を第1種少年院に送致し、収容期間を3年間とした事例
(東京家決令7・7・2)


◆最高裁判例要旨(2025(令7)年9月分)
◆判例特報◆

〇普天間飛行場の代替施設の設置に係る公有水面埋立法42条1項に基づく埋立ての承認がされた埋立海域の周辺住民が、当該承認の撤回を内容とする処分を取り消す旨の裁決の取消訴訟の原告適格を有するとされた事例
──辺野古住民訴訟控訴審判決
(福岡高那覇支判令6・5・15)

◎判例時報社デジタルライブラリー連携企画
辺野古訴訟から考える判例再考⑴
辺野古訴訟特集について……岡田 正則

承認取消処分関係訴訟
(辺野古埋立承認取消しに係る不作為の違法確認請求事件)……福永 実


◆判決録細目◆

行 政

◎市長が市の管理する都市公園内に孔子等を祀る施設を設置することを一般社団法人に許可し、これに基づき市が上記公園内の土地を上記施設の敷地としての利用に供していることが憲法上の政教分離原則及び憲法20条、89条に違反しないとされた事例
(最一判令7・3・17)


民 事

▽飼い猫をペットホテルに宿泊させる旨の有償寄託契約において、ペットホテル側に猫の居室の設備に関する保管上の善管注意義務違反は認められないとして、猫の受傷についての損害賠償責任を否定した事例
(東京地判令7・3・12)

▽学校内で行われた小学生間のいじめにつき加害児童に不法行為の成立が認められた事例
(京都地判令6・12・18)


知的財産権

▽ドメインネームシステムの転送機能の設定画面に「2ch. net」という文字列を入力した行為が商標法2条3項8号にいう「使用」に該当しないとされた事例
(東京地判令7・7・17)


刑 事

▽特定少年である少年が、共犯者と共謀の上、営利の目的で薬物を譲渡するなどした大麻取締法(令和5年法律第84号による改正前のもの)違反、麻薬及び向精神薬取締法違反保護事件において、刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(名古屋家岡崎支決令7・7・22)


◆判例評論◆

4 文化功労者年金法に基づく年金の支給を受ける権利に対する強制執行の可否
 (最三決令6・10・23)……渡部 美由紀
◆特 報◆

採石法施行規則8条の15第2項7号及び8号が定める書面の添附がないことを理由に行われた岩石採取計画の不認可処分が違法であるとされた事例
──香川県小豆郡土庄町小部地内の岩石採取計画不認可処分に対する取消裁定申請事件
(公調委令7・9・8裁定)


◆記 事◆

・特商法の異常な解釈……阿部泰隆


◆判決録細目◆

行 政

◎地方運輸局長がした特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法16条1項に基づく一般乗用旅客自動車運送事業に係る旅客の運賃の範囲の変更が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであると一応認められるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三決令7・2・26)


民 事

〇砂川事件の上告審裁判所の裁判長裁判官の言動により憲法37条1項所定の「公平な裁判所」による裁判を受ける権利が侵害されたことを理由とする国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求等が棄却された事例
(東京高判令7・1・31)

▽建物の瑕疵を理由に、建物の施工者の不法行為責任及び住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく瑕疵担保責任を認めた上で、建物建替費用相当額が損害に当たることは否定し、各瑕疵の補修費用相当額等の限度で原告らの請求を一部認容した事例
(東京地判令6・8・23)

▽店舗営業の許可制を定める規約を設定した集会決議が建物の区分所有等に関する法律31条1項後段に反して無効とされた上、区分所有建物の管理組合及びその代表者に対する不法行為責任が肯定された事例
(東京地判令7・2・18)

▽雇用契約書に係る契約の表題及び形式にかかわらず、合意内容及び労務提供の実態から、上記契約の法的性質が委任契約であるとされた事例
(東京地判令7・2・20)
◆記 事◆

◎新連載
現代刑事訴訟実務の要点
共同正犯をめぐる近時の議論について……小林憲太郎

日弁連主催シンポジウム報告
民事訴訟における情報・証拠収集の課題と展望


◆書 評◆

門口正人編著、松原平学・鹿田順平著『裁判を考える 法を考える
―民事裁判の真髄とこれからのために―』(恒春閣、2025)
評者……近藤 昌昭


◆判決録細目◆

行 政

▽1 地方税法343条7項及び向日市税条例54条6項の仮換地を「使用し、又は収益することができることとなつた日」と土地区画整理法上の使用収益開始可能日とは同一の日であるとされた事例
 2 地方税法343条7項及び向日市税条例54条6項が「所有者とみなすことができる」と規定してみなす課税の適否につき市長村長に裁量を認めた趣旨は、仮換地の使用の実態に即応した措置を執るよう市町村の選択にゆだねるところにあるところ、当該仮換地についてみなす課税による賦課決定を行わないことは行政庁の裁量権の範囲を逸脱するものとして違法になるとされた事例
(京都地判令6・5・16)


民 事

〇災害によらない水道施設の損傷による断水について、水道法(平成30年法律第92号による改正前のもの)15条2項ただし書の「正当な理由があつてやむを得ない場合」に該当せず、水道事業者において給水契約上の給水義務があるとして債務不履行に基づく損害賠償請求を認めた事例
(福岡高判令5・12・21〈参考第1審:那覇地判令2・8・7、参考差戻前控訴審:福岡高那覇支判令3・1・19〉)

▽デジタルプラットフォーム提供者である被告には、出品者に対し、出品契約上の義務として、出品者の適正な販売機会を確保するために、不正行為への対応を行う義務や合理的理由なく出品商品を削除しない義務があるとした上で、被告の義務違反を一部認め、出品契約上の免責条項の適用も否定した事例
(東京地判令7・4・25)

▽賃借人が賃貸人の実施しようとする耐震改修工事を拒んだ旨の理由による不法行為に基づく損害賠償請求につき、当該工事の民法606条2項への該当性の判断を含め、賃貸人・賃借人間の権利・利益につき慎重な検討を要するものとし、結論として請求を棄却した事例
(東京地判令6・11・18)


知的財産権

▽1 意匠登録公報の図面に「草」を配置した形状が権利範囲(部分意匠の実線)として記載され、その「草」に自然物(自然に生え出てきた草)が含まれる場合において、その「草」の形状も一定の定型性、再現可能性を有する構成態様として特定すべきであるとされた事例
 2 被疑侵害意匠である土嚢が屋外に設置されて相当期間が経過した状態の構成も、設置された時点の状態の構成も、いずれも通常の使用形態を前提とするものであるから、被疑侵害意匠の構成の対象になり得るとされた事例
(大阪地判令7・1・23)


刑 事

▽大麻取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反保護事件について、麻薬施用の事実が認定されるとして、第1種少年院に送致され、大麻所持の事実については、非行事実が認められないことを理由として、不処分決定がされた本人に対する少年補償事件において、補償を認めた事例
(横浜家決令6・8・30)


◆判例評論◆

2 集会招集義務、集会での事務報告義務及び規約保管義務違反、代行徴収方式における水道料の差益の取得、区分所有者としての管理費不払を理由に、管理者の解任が認められた事例
(福岡高判令6・1・18)……大山 和寿

3 飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分を受けて地方公共団体の職員を退職した者に対してされた大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和1年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定による一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最一判令6・6・27)……鈴木 崇弘
◆特集 福井女子中学生殺人事件 再審無罪判決◆

福井女子中学生殺人事件、逮捕から38年後の再審無罪確定
 ―警察、検察による供述捏造と証拠隠しが争点となった事案における主張立証・証拠開示の経過と裁判所の判断― ……再審福井女子中学生殺人事件弁護団

福井女子中学生殺人事件第2次再審請求における再審開始決定と再審公判判決の意義……村岡啓一

福井女子中学生殺人事件・再審無罪判決が問いかけるもの……川﨑英明

事件を取材するということ……荻原千明

福井女子中学生殺人事件再審無罪判決
(名古屋高金沢支判令7・7・18)

確定審各判決・決定

第1次再審請求審各決定

第2次再審請求審決定
◆記 事◆

最高裁刑事破棄判決等の実情-令和6年度-
……長池 健司


◆書 評◆

吉戒修一『元裁判官が語る 人生の気づきと選択のことば 138』(恒春閣、2025)
評者……伊藤 滋夫


◆判決録細目◆

民 事

▽原告が被告との間で、被告の希望する設計に基づいて建設する建物を被告に賃貸することを内容とする定期建物賃貸借契約を締結したところ、同建物建設中に、同建物で運営する予定であったホテルに係る収支計画が新型コロナウイルス感染症の感染拡大により実現できなくなったことを理由として被告が同契約を解除したことが、同契約において定められた賃貸借開始前の自己都合による解約に当たるとして、原告の請求を一部認容した事例
(東京地判令5・10・17)

▽宅地建物取引業者が土地の売買の媒介をするに当たり、買主に対して宅地建物取引業法所定の説明義務を負う事項以外の事項に関する調査義務について、売主からの聴取や地方公共団体の役所の担当部署における調査に加えて、インターネット上で検索する方法による調査を行う義務が否定された事例
(東京地判令6・12・3)

▽原告の従業員が商品を架空発注して集めた金員を費消するなどの横領行為を行ったことについて、原告が同従業員の母に対し損害賠償債務を連帯保証する旨が記載された連帯保証契約書に署名させた上、連帯保証債務の履行を求めた事案において、消費者契約法4条3項2号に基づく上記契約の取消しが認められた事例
(横浜地判令5・3・28)

▽労働大臣が、船内の木艤装職の作業現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが、上記作業に従事して石綿粉じんにばく露した労働者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
(横浜地判令7・2・28)

▽被疑者として逮捕、勾留及び公訴提起されたものの、第1審で無罪判決が確定した原告が、国に対し損害賠償を求めた事案につき、検察官において、逮捕、勾留及び公訴提起に至ったこと等が国家賠償法上違法とはいえないとして、原告の請求を棄却した事例
(大阪地判令7・3・21)


知的財産権

▽発信者においてBitTorrentを利用して送信した情報が著作物の複製物の一部のみを構成する場合であっても、上記著作物全体の侵害を直接的にもたらしているとして、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(令和6年法律第25号による改正前のもの)5条1項にいう権利の侵害が上記著作物全体に認められた事例
(東京地判令6・12・19)


◆最高裁判例要旨(2025(令7)年6・7月分)
◆判決録細目◆

行 政

〇オリンピック・パラリンピックの選手村として使用することなどを目的とした東京都が保有する土地等を施行地区とする再開発事業に係る一連の行為に違法はないとされた事例
(東京高判令5・8・3〈参考原審:東京地判令3・12・23〉)


民 事

◎裁判所が自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者に対する損害賠償の額を定めるに当たり、民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して被害者に対する加害行為前から存在していた被害者の疾患をしんしゃくしその額を減額する場合における、上記条項に基づき人身傷害保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲
(最三判令7・7・4)

〇1 民法及び戸籍法が同性間の人的結合関係について民法739条に相当する配偶者としての法的身分関係の形成に係る規定を設けていないことについて、憲法14条1項、24条2項に違反するとした事例
 2 国会が民法及び戸籍法において同性間の人的結合関係について民法739条に相当する配偶者としての法的身分関係の形成に係る規定を設けるに至っていない立法不作為をもって、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとした事例
(東京高判令6・10・30〈参考原審:東京地判令4・11・30本誌2547・45〉)


刑 事

◎個人として免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因と、法人の代表者として法人の業務に関し免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因との間に公訴事実の同一性が認められた事例
(最一決令5・10・16)

◎新証拠による旧証拠の証明力減殺が、他の旧証拠の証明力に関する評価を左右する関係にあるとはいえず、それらの再評価を要することになるものではないとされた事例──飯塚事件再審請求特別抗告審決定
(最一決令3・4・21)


◆判例評論◆

1 旧優生保護法違憲最高裁大法廷判決
(最大判令6・7・3)……上田 健介
◆判例特報◆

羽島市における工場からの粉じんによる健康被害責任裁定申請事件
(公調委令7・9・18裁定)


◆判決録細目◆

民 事

〇被相続人からの不動産購入のための資金援助について、不動産の贈与と同視すべきものとはいえないと判断し、資金援助額をもって特別受益の額とした事例
(東京高決令6・12・18〈参考原審:東京家審令5・11・30〉)

▽インターネットを利用したマーケットプレイス事業の運営事業者が、出品者が転売禁止規制に違反して衛生マスクを販売する取引をした疑いがある場合に、利用契約上の支払留保条項に基づき売上金の支払を拒むことができるとされた事例
(東京地判令6・7・16)

▽帝王切開による出産後、胎児が死亡した事案につき、胎児の回旋異常により経腟分娩が困難であるという事実関係の下において、診療ガイドラインに反するオキシトシンの投与継続の判断に医師の過失が認められるとした上、オキシトシンの投与を中止していれば胎児が死亡しなかった高度の蓋然性を認め、原告らの損害賠償請求を認容した事例
(東京地判令7・3・31)

▽確定判決と同一の効力を有する発信者情報の開示を命ずる決定に基づく強制執行が権利の濫用に当たるとされた事例
(東京地判令7・1・31)


労 働

▽団体交渉の行き詰まりを理由とする団体交渉の拒否が「正当な理由」のあるものと認められた事例
(東京地判令6・8・7)


知的財産権

▽FRAND条件によるライセンスを受ける意思を有しないとして標準必須特許に基づく差止請求が認容された事例
(東京地判令7・6・23)
◆記  事◆

許可抗告事件の実情
―令和6年度―……岡崎 克彦・岸野 和之


◆判決録細目◆

行 政

〇死刑執行告知と同日にされる死刑執行を受忍する義務がないことを行政事件訴訟で争うことが許されるとした事例
(大阪高判令7・3・17〈参考原審:大阪地判令6・4・15〉)

▽1 エチオピア国籍を有する外国人一家のうち、父母がした在留資格変更許可申請に対する不許可処分は適法とされたが、子らがした在留期間更新許可申請に対する不許可処分は違法とされた事例
 2 在留期間満了後にされた在留期間更新許可申請の不受理が「行政庁の処分」に該当しないとされた事例
(東京地判令5・12・7)


民 事

◎1 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(令和3年法律第27号による改正後のもの)5条2項の規定は、権利の侵害を生じさせた特定電気通信及び当該特定電気通信に係る侵害関連通信が令和3年法律第27号の施行前にされたものである場合にも適用されるか(積極)
 2 インターネットを利用した情報ネットワーク上のアカウントにおいて他人の権利を侵害する投稿がされた後、上記投稿をした者によって上記アカウントにログインするための通信がされた場合において、上記通信が、上記投稿との関係で、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律施行規則5条柱書にいう「侵害情報の送信と相当の関連性を有するもの」に当たるとされた事例
 3 インターネットを利用した情報ネットワーク上のアカウントにおいて他人の権利を侵害する投稿がされた後、上記投稿をした者によって上記アカウントにログインするための通信がされた場合において、上記通信が、上記投稿との関係で、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律施行規則5条柱書にいう「侵害情報の送信と相当の関連性を有するもの」に当たるとはいえないとされた事例
(最二判令6・12・23)

〇養育費の減額(養育費支払の定めの取消し)を求めた審判事件の抗告審において、未成年者が祖父母(監護親の父母)と養子縁組をしたことなどを養育費の額に影響を及ぼすべき事情の変更に当たらないとした原審判を取り消し、養子縁組により養親が未成年者に対する第一次的な扶養義務者となり、養親が十分に扶養義務を履行することができないときに当たるということもできないとして、事情変更を認め、調停条項中の養育費支払の定めを取り消した事例
(東京高決令5・6・13〈参考原審:千葉家審令4・9・29〉)

▽東京拘置所長が、弁護人が接見希望日から起算して2週間以内に公判期日が指定されている旨を申告して同所の閉庁日である土曜日に未決拘禁者との接見を予約し、その接見の際に当該未決拘禁者に対して証拠意見書案及びそこに記載された証拠意見の中で引用された検察官が証拠調べ請求予定の証拠である被告人の検察官面前調書の差入れを申し入れた場合において、当該書面について一律に閉庁日の差入れ申出を受け付けない業務態勢をとり、同所の職員において上記申出を受け付けない取扱いをしていたことは、国家賠償法1条1項上違法とした事例
(東京地判令6・11・13)

▽マカオでされたカジノ施設での遊興を目的とする貸付けを有効とするマカオ法につき、当該貸付けが法の適用に関する通則法42条に定める公序に反しないとして、マカオ法の適用が排除されないとした事例
(東京地判令7・3・3)


労 働

◎労働者と使用者との間に当該労働者の職種及び業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合において、使用者が当該労働者に対してした異なる職種等への配置転換命令につき、配置転換命令権の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最二判令6・4・26)

〇1 労働者による退職の意思表示が内心の効果意思に反するものであるとして、心裡留保により無効であるとされた事例
 2 労働契約期間中に違法風俗店で勤務したこと、貸与パソコンのデータを消去したことなどを理由とする解雇が、解雇権の濫用により無効であるとされた事例
(東京高判令5・10・30〈参考原審:東京地判令5・4・26〉)


刑 事

▽少年が児童自立支援施設において同施設職員に対し暴行を加えるなどした暴行、ぐ犯保護事件において、少年を第3種少年院に送致するとともに、少年に対する強制的措置許可申請を不許可とした事例
(横浜家決令7・1・10)


◆判例評論◆

20 業務災害支給処分取消訴訟における特定事業主の原告適格
(最一判令6・7・4)……水島 郁子


◆別冊付録◆
・2025年版 判例時報総索引(2608号~2634号)
◆第8回判例時報賞 奨励賞受賞論文◆

家事審判・調停における単純執行文の要否に関する一考察……山本 真


◆判決録細目◆

行 政

▽アイヌで構成される権利能力なき社団が、先住民であるアイヌの集団的かつ固有の権利として北海道内の特定の内水面においてさけの漁業権を有し、水産資源保護法28条は当該漁業に関する限り無効であると主張した事案につき、かかる主張が認められなかった事例
(札幌地判令6・4・18)

▽警察官の現認供述の信用性を否定し、自動車の運転者にシートベルト装着義務違反があったとは認められないとして、当該運転者の区分を一般運転者とする運転免許証の有効期間の更新処分を取り消し、公安委員会に対し、同区分を優良運転者とする運転免許証の有効期間の更新処分をするよう命じた事例
(福岡地判令6・5・22)


民 事

▽警察署職員の不適切な保管行為により押収物が使用不能となったとして、損害の算定の時期及び額が争われた事案において、本来原告に還付されるべき時期の価値と現存価値との差額を損害とした事例
(東京地判令7・2・4)

▽ふるさと納税の寄附者と地方公共団体との間には返礼品交付の贈与契約が成立し、地方公共団体が郵送した合意解除等の申込書面は民法550条の「書面」に当たり同契約は解除できないとして、返礼品交付債務の不履行による返礼品調達費用相当額の損害を認めた事例
(横浜地川崎支判令7・1・21)


労 働

▽労働者の自死について業務起因性が肯定され、遺族に対する行政庁の遺族補償給付及び葬祭料の不支給処分が取り消された事例
(福岡地判令6・7・5)


刑 事

〇国家公務員共済組合連合会の運営する病院が、その敷地内に開設を予定していた調剤薬局の整備運営事業に係る契約に関し、優先交渉権者を選定するために実施した企画競争について、刑法96条の6第1項の「入札」及び「契約を締結するためのもの」に該当しないとされた事例
(札幌高判令7・1・28〈参考原審:札幌地判令6・4・18〉)
◆判例特報◆

――袴田事件再審公判無罪判決/袴田事件刑事補償決定
▽1 再審公判において、被告人が犯人であることを推認させる証拠価値のある3つの証拠には捜査機関によるねつ造があり、これらを排除した他の証拠によって認められる事実関係によっては被告人が犯人であるとは認められないと判断して、被告人を無罪とした事例(①事件)
 2 再審公判で無罪の判決が確定した請求人について、逮捕から釈放までの未決の抑留若しくは拘禁又は死刑執行のための拘置を受けた1万7389日間の刑事補償として法定の上限額である1日1万2500円の割合による合計2億1736万2500円の請求を認容した事例(②事件)
 3 無罪判決が捜査機関によるねつ造を認定するに当たって判示した事実には客観的に明らかな時系列や証拠関係とは明白に矛盾する内容も含まれていること、確定審において請求人の犯人性を認定するための中心的な証拠と位置付けられていた5点の衣類の犯行着衣性については再審請求審の審理においても司法判断が区々であったことに照らすと、本判決のねつ造認定を根拠に捜査機関の故意過失を肯定することは相当でない、という検察官の主張を排斥した事例(②事件)
(①静岡地判令6・9・26、②静岡地決令7・3・24)


◆判決録細目◆

民 事

◎民法709条の不法行為を構成する行為は宗教法人法81条1項1号にいう「法令に違反」する行為に当たるか(積極)
(最一決令7・3・3)

▽吸収分割の方法による賃借人の地位の移転が民法612条1項所定の譲渡に当たり、同条2項所定の解除により賃貸借契約が終了したとして、吸収分割承継会社に対する建物明渡請求が認容された事例
(東京地判令7・1・16)

▽救急医療のための東京ルールの下で一時的に救急搬送された患者について、死因となった糖尿病性ケトアシドーシスの鑑別診断を行うべき医師の過失が否定された事例
(東京地判令6・7・18)


労 働

〇1 使用者の労働時間把握義務につき、労働時間を労働者の自己申告で把握することは不適法であるとして、タイムカードに沿った時間外勤務時間を認めた事例
 2 不当労働行為に当たる懲戒処分について不法行為の成立を認め、法人の理事長についても悪意・重過失を認めて賠償を命じた事例
 3 出勤停止中の賃金請求に対し原審が請求のない損害賠償請求として認容したため判決の脱漏が生じた部分について、当事者全員が控訴審で判断することに異議がないと陳述したことをもって控訴審が判断し未払賃金の支払を命じた事例
(名古屋高判令6・2・29〈参考原審:津地判令5・4・24〉)


刑 事

▽特定少年が、未成年者に裸の画像を送信させるなどし、他の未成年者に対して脅迫して同人と口腔性交するなどした児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、不同意性交等保護事件において、検察官送致決定後、少年法45条5号ただし書により検察庁から再送致された事件について、刑事処分以外の措置を相当と認め、第1種少年院に送致し、収容期間を3年間とした事例
(千葉家決令7・1・24)


◆判例評論◆

19 株券発行前の株式譲渡の当事者間効力と株券発行請求権の代位行使
(最二判令6・4・19)……今川 嘉文
◆判例特報◆

三大都市圏における自動車排出ガスによる大気汚染被害責任裁定申請事件
(公調委令7・5・26裁定)


◆判決録細目◆

民 事

〇1 原告の所有する土地につき公道に通ずる通路はあるがその幅が狭いために土地の効用を全うできないとして、より広い幅の通路の確保のために、被告の所有する土地につき民法213条に基づく通行権を認めた事例
 2 民法213条に基づく通行権の範囲を定める際の一事情として、建築基準法43条1項所定の接道要件を満たすべき必要性を考慮した事例
(大阪高判令7・3・27〈参考原審:大阪地判令6・9・27〉)

▽ツイッター(現在の「X」)における原告の名誉を毀損する投稿が被告によるものか争われた事案において、投稿元のアカウントに係るログ情報等を踏まえ、被告が投稿したと認定した事例
(旭川地判令6・7・25)


刑 事

◎児童に児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これをひそかに撮影するなどして児童ポルノを製造したという事実について、当該行為が同法7条4項の児童ポルノ製造罪にも該当するときに、同条5項を適用することの可否
(最三判令6・5・21)

◎弁護人からの証拠開示命令請求(刑事訴訟法316条の26第1項)の棄却決定の謄本が先に弁護人に送達され、その後に被告人本人に送達された場合における、同決定に対する弁護人の即時抗告提起期間の起算日
(最三決令6・11・15)
◆判決録細目◆

民 事

〇1 システム開発業務が納期までに完成しなかった原因について、要件等の確定に関する協力を怠り、要件定義書に記載されていない要件及び仕様に関する多数の要望を行っていた委託者と、上記要望事項について要件定義との関係を十分に整理しないままに任意の対応を続けた受託者の双方にあるとした事例
 2 システム開発業務においてシステムの要件の再定義や改修等に向けて委託者及び受託者の双方が協力して対応していたとの事情から、委託者が上記システムの納期延期について黙示的に承諾していたと判断した事例
(東京高判令6・1・31〈参考原審:東京地支判令3・5・24〉)

▽原告が元妻である被告に対し共有する建物について財産分与が請求されている中で共有物分割を求めることは権利の濫用であるとされた事例
(東京地判令6・9・18)

▽宗教団体の信者に対する献金勧誘行為が、勧誘の在り方として社会通念上相当な範囲を逸脱する違法なものであるとして、損害賠償請求が認容された事例
(高知地判令7・2・14)

▽小学校内で発生した傷害事故について、当該小学校の実施した調査がいじめ防止対策推進法28条1項所定の調査に該当しないと判断された事例
(静岡地判令7・1・30)


知的財産権

▽宗教法人の会員において同法人発行新聞掲載に係る報道写真をスマートフォンで写しこれをツイッターに掲載して批評と共に利用する行為が、著作権法32条1項にいう引用に該当するとされた事例
(東京地判令6・9・26)


刑 事

▽非現住建造物等及び現住建造物等放火事件について、自然発火等を否定して事件性は肯定したが、犯人性については、各情況証拠の証明度及び各情況証拠の総合を検討した結果、犯人であると合理的疑いなく認定することは不可能であるとして、無罪を言い渡した事例
(静岡地浜松支判令6・10・23)


◆判例評論◆
17 外国子会社合算税制における非関連者基準の充足が否定された事例──日産キャプティブ再保険事件最高裁判決
(最一判令6・7・18)…… 長戸 貴之

18 男性から女性への性別変更後に自己の精子で子を懐胎させた者の親子関係
(最二判令6・6・21) ……渡邉 泰彦
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