判例時報 発売日・バックナンバー

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◆記 事◆

情報をめぐる現代の法的課題⑻
 コンテンツモデレーションとAIの利用、
 そして差止請求──EUの動向との比較検討……丸橋 透

議会制民主主義のいま― 主権・選挙・代表を再考する(2)
 参議院をめぐる憲法問題……櫻井 智章

これからの原発運転差止訴訟について……樋口 英明


◆判決録◆

行 政

◎複数年度分の普通徴収に係る個人の住民税を差押えに係る地方税とする滞納処分において当該差押えに係る地方税に配当された金銭であってその後に減額賦課決定がされた結果配当時に存在しなかったこととなる年度分の住民税に充当されていたものの帰すう
(最三判令3・6・22)


民 事

〇指定暴力団の構成員を含むグループによって行われた特殊詐欺行為が、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律31条の2の「威力利用資金獲得行為」を行うについてされたものとして、同条に基づく指定暴力団の代表者等の損害賠償責任が認められた事例
(東京高判令3・1・29)

〇市民団体が開催する集会の開催地へ往復するために集会の参加者を自家用バスに乗車させたことにつき、道路運送法4条1項所定の一般旅客自動車運送事業を経営したものに当たるとした警察官による捜索差押許可状の請求行為が違法であるとされた事例
(大阪高判令3・2・4)

〇基本事件の裁判籍では土地管轄権を有しない先行事件の管轄裁判所に対し、基本事件と先行事件との訴訟の目的である権利又は義務の間に民事訴訟法38条前段の関係があるとして、基本事件の訴訟提起がされて先行事件と併合審理することが求められた事案において、同法7条の類推適用を否定して管轄違いの移送の申立てを認容した事例
(福岡高決令2・11・27)

▽自筆証書遺言の要件である遺言者の押印の存在が否定された事例
(東京地判令2・12・17)

▽マンション内の居宅が暴力団事務所として使用されていることによって、同マンションの住民らの生命・身体に対する危険が切迫しており、平穏な生活を営む権利が受忍限度を超えて現に侵害され、今後も侵害が継続する蓋然性が高いとして、同居宅の使用者である暴力団組長に対し、暴力団の事務所としての使用禁止を、同居宅の所有者に対しては、使用者をして暴力団の事務所又は連絡場所として使用させることの禁止を、それぞれ認めた事例
(福岡地久留米支判令3・2・5)


知的財産権

〇侵害者が、特許権が他の共有者との共有であることを主張立証したときは、特許法102条2項による推定は他の共有者の共有持分割合による同条3項に基づく実施料相当額の損害額の限度で覆滅され、侵害者が、他の共有者が特許発明を実施していることを主張立証したときは、同条2項による推定は他の共有者の実施の程度に応じて按分した損害額の限度で覆滅されるとされた事例
(知財高判令2・9・30)


労 働

〇懲戒解雇された労働者(大手金融機関の行員)に対する退職金全額不支給措置が、懲戒事由が数年にわたり反復継続された雑誌社への秘密情報漏洩行為であって雇い主たる前記金融機関の信用を大きく毀損したことを考慮して、適法であるとされた事例
(東京高判令3・2・24)


刑 事

〇覚せい剤密輸入事件につき、控訴審において、間接事実を推認して輸入の故意と営利目的を認定した1審判決の推論過程の一部を是認しない判断を示した上で、自白調書の信用性を肯定して輸入の故意を認定し、他方、営利目的は否定して、事実誤認により1審判決を破棄し、自判した事例
(東京高判令3・3・17)


◆判例評論◆

1 1 同性婚を認めない法制(民法・戸籍法)と憲法13条、14条、24条
  2 同性婚を認めないことの違憲性と立法不作為を理由とする国賠請求──札幌同性婚違憲訴訟
(札幌地判令3・3・17)……吉田 邦彦

2 請負人である破産者の支払の停止の前に締結された請負契約に基づく注文者の破産者に対する違約金債権の取得が、破産法72条2項2号にいう「前に生じた原因」に基づく場合に当たり、前記違約金債権を自働債権とする相殺が許されるとされた事例
(最三判令2・9・8)……北島 典子

3 強制執行の申立てをした債権者が債務者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において当該強制執行に要した費用のうち民事訴訟費用等に関する法律2条各号に掲げられた費目のものを損害として主張することの許否
(最三判令2・4・7)……岡庭 幹司

4 特許権の通常実施権者が、特許権者を被告として、特許権者の第三者に対する特許権侵害を理由とする損害賠償請求権が存在しないことの確認を求める訴えにつき、確認の利益を欠くとされた事例
(最二判令2・9・7)……工藤 敏隆
◆記 事◆

新連載
統治構造において司法権が果たすべき役割 第3部
(1)同性婚認容判決と司法部の立ち位置──司法積極主義の足音は聞こえてくるのか?……千葉 勝美
(2)比較衡量/総合的考慮論と審査基準論……小山 剛

講話 民事裁判実務の要諦(3)──裁判官と代理人弁護士の方々へ……橋本 英史

コロナ禍社会における法的諸問題(20)
 ワクチン接種義務化をめぐる司法判断──アメリカの事例……大林 啓吾


◆判決録◆

行 政

◎1 沖縄県漁業調整規則(昭和47年沖縄県規則第143号。令和2年沖縄県規則第53号による改正前のもの)41条1項に基づく水産動植物の採捕に係る許可に関する県知事の判断と地方自治法245条の7第1項所定の法令の規定に違反していると認められるもの
 2 沖縄県漁業調整規則(昭和47年沖縄県規則第143号。令和2年沖縄県規則第53号による改正前のもの)41条に基づく水産動植物の採捕に係る許可の申請について、県知事において審査基準にいう申請内容の必要性を認めることができないと判断したことが裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たると認められた事例
(最三判令3・7・6)

◎被災者生活再建支援法に基づき被災者生活再建支援金の支給決定をした被災者生活再建支援法人が支給要件の認定に誤りがあることを理由として当該決定を取り消すことができるとされた事例
(最二判令3・6・4)

▽生活扶助の基準生活費の減額をその内容に含む「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示第158号)の改定が生活保護法3条及び8条2項の規定に違反するとされた事例
(大阪地判令3・2・22)


民 事

▽経鼻チューブが咽頭部内でトグロを巻き、その先端が胃に届かない状態で食道内に留置され、そのまま栄養剤等が注入されたため、患者が誤嚥性肺炎によって死亡したことにつき、医師に過失があったとされた事例
(大阪地判令3・2・17)

▽原告らに対して優生保護法(平成8年法律第105号による改正前のもの)に基づく優生手術が実施された事案において、同法4条ないし13条は、子を産み育てるか否かの意思決定をする自由及び意思に反して身体への侵襲を受けない自由を侵害し、合理的な根拠のない差別的な取扱いをするものであり、明らかに憲法13条、14条に違反して違憲であるとしたうえで、国会議員による前記各規定の立法行為は国家賠償法上違法であるが、原告らは、優生手術の実施から20年が経過した後に提訴しており、損害賠償請求権は、除斥期間の経過によって消滅し、本件の事実関係の下において、除斥期間の規定の適用を制限するのは相当ではないとした事例
(大阪地判令2・11・30)

▽染料・顔料の中間体を製造する工場で乾燥工程に従事していた労働者が発がん性物質であるオルト‒トルイジンにばく露し膀胱がんを発症したことについて、使用者の安全配慮義務違反による債務不履行責任が認められた事例
(福井地判3・5・11)

▽業務委託契約に基づき県から犬猫の譲渡推進事業を委託された団体(権利能力なき社団)の活動にボランティアとして参加していた女性が、同契約に係る譲渡動物として同団体に引き渡され飼養されていた犬に咬みつかれて右手親指の指尖部切断等の傷害を負い、右手親指爪甲の変形及び指尖部の軽度知覚低下を後遺した事故について、犬の占有者である県と保管者である団体代表者の責任が認められた事例
(宮崎地判令3・1・13)


商 事

▽1人しかいない監査役によって任期途中にされた報酬増額決定を有効とし、同増額決定に善管注意義務違反があるとはいえないとした上、正当な理由なく解任されたとして、同監査役の未払報酬請求及び損害賠償請求を一部認容した事例
(千葉地判令3・1・28)


知的財産権

〇名称を「チューブ状ひも本体を備えたひも」とする発明に係る特許権の共有者の1人が特許法73条2項の「別段の定」に反して同発明の実施品を日本において製造販売したことが特許権侵害に当たるとして、他の共有者からの特許権侵害に基づく損害賠償請求及び差止請求等が認められた事例
(知財高判令2・11・30)


刑 事

▽特殊詐欺の受け子から指示役の指示内容や行動状況の報告を受け、詐欺グループの上位者と思われる人物に報告するなどした被告人につき、正犯意思を否定して共同正犯の成立を認めず、無罪とした事例
(名古屋地判令1・12・9)
◆記 事◆

裁判制度のパラダイムシフト─過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(7)
 ──民事裁判手続のIT化と憲法……笹田 栄司

コロナ禍社会における法的諸問題(19)
 人権・ロックダウン・緊急事態……横大道 聡

共犯論をめぐる近時の裁判例について
 第3回 詐欺未遂の承継的共同正犯をめぐる近時の裁判例について……小林憲太郎


◆判決録◆

行 政

▽都市計画で決定された公園の計画区域内に、当該都市計画を変更しないまま、一般廃棄物処理施設への廃棄物の運搬車両のための専用道路を設置したことについて、これが都市計画法上違法であり、道路設置のために市長がした契約の締結が地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項に違反するとして、市長が損害賠償義務を負うとされた事例
(東京地判令2・11・12)


民 事

〇生徒の自死事件を受けて市教育委員会が設置した調査委員会が、調査の過程で収集した資料について、インカメラ手続を経て、証拠調べの必要性及び民事訴訟法220条4号ロ該当性について判断した事例
(広島高決令2・11・30)

〇車道の第2車線の中央分離帯寄りの位置で歩行又は一時的に佇立していた歩行者が交通事故に遭遇した保険事故に係る保険金請求について、重大な過失に起因する旨の免責事由の適用の有無が争点となった場合に、免責事由を認めた原判決を、控訴審において重大な過失があるとはいえないとして取り消し保険金請求を認容した事例
(福岡高判令2・8・27)

▽1自身になりすました第三者により無断でインターネット上のウェブサイトに記事を投稿されたことについて、他人に氏名を冒用されない権利(人格権)を違法に侵害されたものとして、同サイトの投稿記事につき削除権限を有する者に対して、人格権に基づく当該記事の削除請求が認められた事例
 2インターネット上のウェブサイトの運営者が、発信者情報の開示を求められた別件仮処分命令申立事件で答弁書を提出した時点において、なりすましによる記事であることを認識できるだけの情報を提供されていなかったという事情の下で、当該記事を削除する条理上の義務違反を理由とする不法行為の成立が否定された事例
(大阪地判令2・9・18)


労 働

〇会社従業員の過労死について会社の債務不履行責任に加えて一部の取締役の会社法429条1項所定の責任が認められる一方、5割の過失相殺の類推適用が認められた事例
(東京高判令3・1・21)


刑 事

〇1強盗殺人罪の訴因について殺人罪及び窃盗罪で有罪とした1審判決を破棄して被告人を無罪とした控訴審判決が最高裁判決によって破棄された後の差戻審において、被告人の犯人性を肯定するとともに、強盗殺人罪の不成立につき事実誤認があるとして1審に差し戻した事例(①事件)
▽2前記の差し戻された事件につき、被告人に対して強盗殺人罪の成立を認めて無期懲役を言い渡した事例(②事件)
(①広島高判平31・1・24、②鳥取地判令2・11・30)──米子ホテル強盗殺人差戻審判決


◆判例評論◆

44 普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰と司法審査──岩沼市議出席停止処分事件
 (最大判令2・11・25)……野坂 泰司

45 不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより配当要求債権について差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の中断の効力が生ずるための要件
(最二判令2・9・18)……香川  崇

46 1 中学校におけるいじめによって自殺した亡生徒の自殺に係る損害につき、いじめ行為から「通常生ずべき損害」に当たるとして、いじめ行為との相当因果関係を認めた事例
  2 いじめによる自殺に係る損害賠償額につき、亡生徒は自らの意思で自殺を選択し、さらに金銭窃取という違法行為により自らを逃げ場のない状態に追い込んだという点で、両親も家庭環境を適切に整えることができず、亡生徒を精神的に支えることができなかったという点で、過失相殺の適用及び類推適用を基礎づける事情があると認定し、4割を減額した事例
(大阪高判令2・2・27)……齋藤  航

47 複数の暴行行為者の間に暴行途中から共謀が認められた場合における刑法207条適用の可否
(最二決令2・9・30)……杉本 一敏
◆記 事◆

特集 夫婦別姓問題の行方
 ⑷夫婦同氏制と憲法……大西祥世
 ⑸夫婦同氏違憲訴訟と「救済法」……上田健介

共犯論をめぐる近時の裁判例について
 第2回 共犯関係の解消をめぐる近時の裁判例について……小林憲太郎


◆書 評◆

木谷明『違法捜査と冤罪 捜査官‼その行為は違法です。』
評者……福崎伸一郎


◆判決録細目◆

行 政

▽原子力規制委員会がした発電用原子炉の設置変更許可が違法であるとされた事例
(大阪地判令2・12・4)


民 事

◎乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しHBe抗原陽性慢性肝炎の発症、鎮静化の後にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害につきHBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例
(最二判令3・4・26)

〇マンションの外面に掲げられた横断幕・垂れ幕が隣地で建物を建設中の業者の名誉毀損に当たるとして業者が当該マンションの管理組合に対し損害賠償請求と横断幕等の掲示禁止請求をしたが、1審判決で棄却され、控訴審でも原審の判断が維持された事例
(大阪高判令2・9・10〈参考原審:大阪地判令2・2・28〉)

〇精神科病院に医療保護入院中に患者が急性肺血栓塞栓症で死亡した事故について、当該患者の身体的拘束が精神保健指定医に認められたその必要性の判断の裁量を逸脱して違法であるとして、医療側の過失を肯定した事例
(名古屋高金沢支判令2・12・16〈参考原審:金沢地判令2・1・31本誌2455号41頁〉)

▽医療法人の定款に、社員の資格喪失事由として退社等を掲げる規定及び同規定に「定める場合の外」社員は理事長の同意を得るなどして退社できる旨の規定がある場合において、社員が理事長の同意を得ることなく退社できると解することはできないとされた事例
(東京地判令3・6・7)


刑 事

◎自動車を運転する予定の者に対し、ひそかに睡眠導入剤を摂取させ運転を仕向けて交通事故を引き起こさせ、事故の相手方に傷害を負わせたという殺人未遂被告事件について、事故の相手方に対する殺意を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に、刑事訴訟法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
(最二判令3・1・29)

▽警察官が逮捕・勾留中の取調べの際に当時19歳の少年であった被疑者(原告)に対してした発言が原告の黙秘権を実質的に侵害するものであり、警察官が原告に対する接見内容の聴取を行ったことが原告の接見交通権を侵害するものであると認められた事例
(熊本地判令3・3・3)


◆最高裁判例要旨(2021(令3)年10月分)
◆記 事◆

特集 夫婦別姓問題の行方
 ⑵2021年大法廷決定の行間……大河内美紀
 ⑶開かれた24条論に向けて ……志田 陽子

講話 民事裁判実務の要諦(2)
 ──裁判官と代理人弁護士の方々へ……橋本 英史

共犯論をめぐる近時の裁判例について
 第1回 中立的行為による幇助をめぐる近時の裁判例について……小林憲太郎

情報をめぐる現代の法的課題⑺
 デジタル政策とプライバシー保護……宮下 紘


◆判決録◆

民 事 

◎民事訴訟法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合に、その弁済が前記部分に係る債権に充当されたものとして前記判決についての執行判決をすることの可否
(最三判令3・5・25)

〇遺言者が一切の財産を抗告人(長男)に相続させ、その相続の負担として、原審申立人(二男)の生活を援助するものと定めた遺言について、原審申立人が、遺言者の死亡後、「原審申立人の生活を援助する」義務を負ったのにこれを履行していないとして、前記遺言の取消しを求めた事案において、原審はこれを認め、前記遺言を取り消したが、抗告審においては、抗告人に「原審申立人の生活を援助すること」、すなわち、少なくとも月額3万円を援助する義務があることを認めた一方で、前記遺言の文言が抽象的であり、その解釈が容易でないこと、抗告人は今後も一切義務の履行を拒絶しているものではなく、義務の内容が定まれば履行する意思があることなどを考慮すると、抗告人の責めに帰することができないやむを得ない事情があり、前記遺言を取り消すことが遺言者の意思にかなうものともいえないとして、原審を取り消し、本件申立てを却下した事例
(仙台高決令2・6・11)

〇青空駐車場内の公道との出入口付近において発生した、駐車動作として後退中の自動車と公道から進入後停止中の後続自動車との衝突事故について、駐車場内の事故についての過失相殺率の標準的認定基準を適用すべきでないとされた事例(東京高判令3・2・10) 19
▽継続的に売買取引がなされていた場合において、売主である事業者が、その取引期間中に、買主の判断能力が相当程度低下している事実を認識し、又は容易に認識し得たものと認められるときには、前記事業者は、社会通念に照らし、信義則上、当該買主との取引を一旦中断すべき注意義務を負うとし、事業者に一定の損害賠償責任を認めた事例
(東京地判令2・1・29)

▽原告と被告との間において遺産分割未了の確認等をした調停調書が作成されている場合、遺産分割協議の不存在の確認を求める訴えは、同一事項を再度確認することを求める訴えとなるが、前記の調停成立後にも、同調停の効力自体を否定して遺産分割協議を拒否する被告の言動に照らし、同調停で決着したはずの遺産分割協議の有無をめぐる前提問題が再度蒸し返されて、後日予想される家裁の遺産分割手続が膠着する事態を防止する実益があるとして、確認の利益が認められた事例
(東京地判令2・12・17)

▽1 民事訴訟における主張立証活動は事実の公表を目的とする行為ではないが、訴訟記録が閲覧可能な状態に置かれることなどにより、結果的に公表と同様の効果をもたらすことがあるため、プライバシーの侵害の成否が問題となり得るところ、このような場面では、その事実を公表されない法的利益と当該主張立証活動に係る法的利益とを比較衡量し、前者が後者に優越する場合に不法行為が成立するとされた事例
 2 個人情報に係る事実を公表されない法的利益と民事訴訟における立証活動に係る法的利益とを比較衡量した結果、直ちに前者が後者に優越するとまでは認められないとして、不法行為の成立が否定された事例
(横浜地判令2・12・11)

▽ソリリスを投与中の患者が髄膜炎菌感染症に罹患し症状が急激に悪化して死亡したことについて、担当医に高熱、嘔吐等の症状から髄膜炎菌感染症を疑って速やかに抗菌薬を投与すべき義務を怠った過失があった等として、損害賠償責任を認めた事例
(京都地判令3・2・17)


労 働 

◎民法上の配偶者が中小企業退職金共済法14条1項1号にいう配偶者に当たらない場合
(最一判令3・3・25)


刑 事 

〇あおり運転をして普通乗用車を被害車両(二輪車)に追突させて、被害者を車両もろとも転倒させるなどして死亡させた事案につき、殺人罪の成立を認めて、被告人を懲役16年に処した原判決を是認した事例
(大阪高判令1・9・11)

▽保護処分歴のない少年が店舗で書籍等を2回にわたり万引きした窃盗保護事件で、経緯を踏まえると軽微な事案と評価することは相当ではなく、問題性が広がりを見せつつあり、資質面の課題が非行と強く関係し、根深いこと等を指摘し、第1種少年院送致とした事例
(東京家決令3・2・9)
◆記 事◆

講話 民事裁判実務の要諦(1)
 ──裁判官と代理人弁護士の方々へ……橋本英史

議会制民主主義のいま― 主権・選挙・代表を再考する(1)
令和元年参議院議員選挙における議員定数配分規定の合憲性……齋藤 暁


◆書 評◆

早稲田大学法務教育研究センター編『挑戦する法曹たち』
評者……古笛恵子


◆判決録細目◆

行 政

◎県知事が管弦楽団による演奏会に出席したことが公務に該当するとされた事例
(最二判令3・5・14)

〇非居住者が内国法人の事業の方針の全部又は一部につき実質的に決定できる関係(租税特別措置法施行令(平成24年政令第105号による改正前のもの)39条の13第11項3号)を有しているものとして過少資本税制における「国外支配株主等」(租税特別措置法(平成24年法律第16号による改正前のもの)66条の5第4項1号)に該当するものとされた事例
(東京高判令3・7・7)


民 事

◎1 労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋内の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した労働者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
 2 労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋内の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者のうち労働者に該当しない者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
 3 被害者によって特定された複数の行為者のほかに被害者の損害をそれのみで惹起し得る行為をした者が存在しないことは、民法719条1項後段の適用の要件か
 4 石綿含有建材を製造販売した建材メーカーらが、中皮腫にり患した大工らに対し、民法719条1項後段の類推適用により、前記大工らの各損害の3分の1について連帯して損害賠償責任を負うとされた事例
 5 石綿含有建材を製造販売した建材メーカーらが、石綿肺、肺がん又はびまん性胸膜肥厚にり患した大工らに対し、民法719条1項後段の類推適用により、前記大工らの各損害の3分の1について連帯して損害賠償責任を負うとされた事例
──建設アスベスト訴訟神奈川ルート上告審判決
(最一判令3・5・17)

▽宗教法人の代表役員等の地位にあることの確認を求める訴えにおいて、信義に反する特段の事情があるとして辞任の申請の撤回を認めず、有効に住職を解任され代表役員等の地位を失っているとして請求を棄却した事例
(長野地判令2・11・27) 


労 働

▽有期労働契約の契約期間が通算5年10箇月、更新回数が7回に及んでいた労働者に対する雇止めにつき、労働契約法19条1号及び2号該当性がいずれも否定された事例
(東京地判令2・10・1)


経 済

▽通信販売事業者が自ら運営するウェブサイトにおいて商品を販売するとともに同ウェブサイトにおいて商品を出品し販売するための場及びこれに伴うサービスを提供する事業を営んでいる場合に、同ウェブサイト上の商品価格表示について当該販売事業者が不当景品類及び不当表示防止法5条の「事業者」に当たるとされた事例
(東京地判令1・11・15)


刑 事

〇1 ピンク歯が頸部圧迫による窒息死を示す所見であるとの法医学者の証言の証拠能力が肯定された事例
 2 ピンク歯が頸部圧迫による窒息死を示す所見であるとの法医学者の証言に依拠して被害者が頸部を圧迫されて窒息死したと認定した原判決に事実の誤認があるとして、原判決を破棄し、原審に差し戻した事例
(東京高判令2・12・10〈参考原審:東京地判令1・7・10〉)


判例評論

40 公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
 ──令和1年参議院議員選挙投票価値較差訴訟大法廷判決
(最大判令2・11・18)……佐々木雅寿

41 旧優生保護法違憲訴訟札幌地裁判決
(札幌地判令3・1・15)……植木 淳

42 任意後見契約法10条1項にいう「本人の利益のため特に必要があると認めるとき」の意義
(高松高決令1・12・13)……神野礼斉

43 参議院(比例代表選出)議員の選挙について、いわゆる特定枠制度を定める公職選挙法の規定の合憲性
(最二判令2・10・23)……上神貴佳
◆記 事◆

最高裁刑事破棄判決等の実情──令和2年度──……内藤 恵美子


◆特 集◆

夫婦別姓問題の行方(1)夫婦別姓訴訟の到達点と今後──訴訟代理人の立場から……榊原 富士子


◆判例特報◆

民法750条及び戸籍法74条1号と憲法24条──夫婦同氏制合憲最高裁大法廷決定
(最大決令3・6・23)


◆判決録◆

行 政 

◎1 利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当はその全体が法人税法(平成27年法律第9号による改正前のもの)24条1項3号に規定する資本の払戻しに該当するか
 2 法人税法施行令(平成27年政令第142号による改正前のもの)23条1項3号の規定のうち資本の払戻しがされた場合の当該払戻し直前の払戻等対応資本金額等の計算方法を定める部分の法適合性
(最一判令3・3・11)

▽児童養護施設に入所している児童と母親との面会の制限を行政指導により継続した措置が違法であるとして、県に対し慰謝料15万円の支払を命じた事例
(宇都宮地判令3・3・3)


民 事 

▽人材紹介取引契約に基づく紹介手数料の支払請求が認められた事例
(東京地判令2・11・6)


労 働

▽被告との間で雇用期間を1年とする有期雇用契約を締結し、その後4回にわたり契約を更新した後、当初の雇用契約から5年の期間満了により雇止めされた原告が、当初の雇用契約には、雇用契約開始日から通算して5年を超えて更新することはない旨の不更新条項が付されていたものの、同条項は労働契約法18条の無期転換申込権を回避しようとするもので無効であり、原告には雇用継続の合理的期待があったなどと主張し、雇止めが無効であるとして争った事案につき、原告の同主張を排斥し、雇用の継続を期待することについて合理的な理由があるとは認められないとした事例
(横浜地川崎支判令3・3・30)


刑 事 

〇身体の拘束を受けていない被疑者の弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者が、任意の取調べを受けている被疑者との間で立会人のない接見の申出をした場合に、その事実を告げないまま任意の取調べを継続する捜査機関の措置が国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例
(東京高判令3・6・16)

〇少年が、共犯少年と共謀の上、被害者の背部を飛び蹴りして転倒させるなどして金品を強取し、負傷させたという強盗傷人保護事件において、少年を第1種少年院送致とした原決定につき、在宅処遇の可能性を慎重に検討しておらず、処分が著しく不当であるとして、これを取り消した事例
(福岡高決令3・1・7)

▽空港で税関職員が行う機内預託手荷物の検査において旅客のスーツケースを解体することは、行政調査手続であっても実力の行使にわたり、その強制が刑事手続と密接に関連し、裁判官の令状がなければ許されないものであるとされた事例
(千葉地判令2・6・19)
◆記 事◆

特集 岡口判事弾劾裁判における憲法上の問題点
 ①裁判官弾劾制度の意義・概要・課題
  ──令和3年(訴)第1号罷免訴追事件に関連して……柳瀬 昇

 ②裁判官の表現の自由……市川正人

 ③表現活動を理由とする裁判官への懲戒・弾劾の問題性……毛利 透

 ④裁判官弾劾制度少考
  ──岡口基一裁判官の訴追を契機として……渡辺康行


◆判決録細目◆

行 政

◎特別区議会議員選挙に係る当選人甲の当選無効の決定の取消しを求める請求及び同決定に対する審査の申立てを棄却するとの裁決の取消しを求める請求と当選人乙の当選無効を求める請求とでは訴えで主張する利益が共通であるとはいえないとされた事例
(最三決令3・4・27)

〇同族会社がその属する国際的な企業集団の組織再編の一環として当該企業集団に属する外国法人からした金銭の無担保借入れが、法人税法132条1項にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たらないとされた事例
(東京高判令2・6・24〈参考原審:東京地判令1・6・27〉)


民 事

◎建材メーカーが、自らの製造販売する石綿含有建材を使用する屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者に対し、前記石綿含有建材に当該建材から生ずる粉じんにばく露すると重篤な石綿関連疾患にり患する危険があること等の表示をすべき義務を負っていたとはいえないとされた事例──建設アスベスト訴訟大阪ルート上告審判決
(最一判令3・5・17)

◎1 電気通信事業に従事する者及びその職を退いた者と民事訴訟法197条1項2号の類推適用
 2 電気通信事業者は、その管理する電気通信設備を用いて送信された通信の送信者の特定に資する氏名、住所等の情報で黙秘の義務が免除されていないものが記載され、又は記録された文書又は準文書を検証の目的として提示する義務を負うか
(最一決令3・3・18)

〇ゴルフ練習場の敷地の賃貸借契約について建物所有目的であるとして借地借家法の適用が肯定された事例
(名古屋高金沢支判令2・9・30〈参考原審:金沢地判令2・3・30〉)

〇貸付債権者が債務者から砂利採取事業の譲渡を受け、事業収益から多額の顧問料の支払と貸付返済を受けて債務者が事業を買い戻す契約を締結し、同契約による利益を実現しようとしてされた破産手続開始の申立てが、不当な目的でされたものと認められた事例
(仙台高決令2・11・17〈参考原審:仙台地決令2・9・14〉)

▽トンネル建設工事につき、設計業者が構築物の安全性に関する説明義務を怠ったために損害が発生したとして、設計業者の不法行為責任を認めたが、発注者である地方公共団体にも十分な確認や検討を怠った注意義務違反があり、その程度は重大であるとして、8割の過失相殺をした事例
(大阪地判令3・3・26)


労 働

▽被告法人の経営する保育園で勤務していた保育士が自殺したことについて、業務と自殺との因果関係及び被告法人の安全配慮義務違反を認めて、遺族の損害賠償請求を一部認容した事例
(長崎地判令3・1・19)

▽消極的な合意に至ることが期待できなかった口外禁止条項を付した労働審判は、手続の経過を踏まえたものとはいえず、労働審判法20条1項及び2項に反するものといえるが、当該審判に違法又は不当な目的があったとはいえないとされた事例
(長崎地判令2・12・1)


◆最高裁判例要旨(2021(令3)年6・7・8・9月分)
◆記 事◆

特集 津島ふるさと訴訟 第一審判決を受けて
 ①「除染なくして稼働なし」原則の確立に向けて……大塚 正之

 ②ふるさとを返せ津島原発訴訟第一審判決……山田 勝彦

 ③「農村のことは先ず農民自らに聴かねばならぬ」……関 礼子

 ④原発事故が奪った「地域の価値」……除本 理史

コロナ禍社会における法的諸問題(18)
 コロナ禍において民主主義社会の友愛の政治理念を考える……鬼頭 季郎


◆判決録◆

行 政 

◎医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律36条の6第1項及び3項と憲法22条1項
(最一判令3・3・18)


民 事 

◎相続人YがAの遺産について相続分を有することを前提とする前訴判決が他の相続人Xとの間で確定し、また、XがYに対してAのXに対する債務をYが法定相続分の割合により相続したと主張してその支払を求める訴えを提起していた場合において、Xが自己に遺産全部を相続させる旨のAの遺言の有効確認をYに対して求める訴えを提起することが信義則に反するとはいえないとされた事例
(最二判令3・4・16)

▽1 被告国及び被告東電に対し、平成23年3月11日に発生した福島第一原発の事故により放射能に汚染された福島県双葉郡浪江町津島地区全域について、放射線量を低下させる義務のあることの確認を求める訴えが棄却され、放射線量を低下させることを求める訴えが却下された事例
 2 経済産業大臣が、福島第一原発について平成18年までに発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令(昭和40年通商産業省令第62号)4条1項の基準を満たしていないことを理由とする技術基準適合命令を発しなかったことは、法の趣旨、目的や、その権限の性質等に照らし、著しく合理性を欠くものであり、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
 3 被告東電に故意に匹敵するような重大な過失があったとは認められず、被告東電の悪質性を慰謝料の増額事由として考慮することはできないが、前記津島地区に居住する原告らが抱く被ばくの影響に対する不安は、慰謝料の算定に当たって考慮すべきであるなどとして、被ばく慰謝料を請求している原告について基本額として1人1600万円を認めた事例
 4 被告東電から基本額を超える額の支払を受けた原告については、被告東電と当該原告との間で、個別事情を考慮して上乗せした賠償額を被告東電が支払う旨の合意が成立したと認めた事例
(福島地郡山支判令3・7・30)


◆判例評論◆

37 1 許可認可等臨時措置法(昭和18年法律第76号)及びその委任を受けた都市計画法及同法施行令臨時特例(昭和18年勅令第941号)に基づき内閣の認可を受けることなく行われた旧都市計画法(大正8年法律第36号)に基づく都市計画決定が違法であるとはいえないとされた事例
  2 関東地方整備局長が行った道路の整備に係る都市計画事業の認可が、その前提となる都市計画決定後の社会・経済情勢の変化との関係において違法であるとはいえないとされた事例
(東京地判令2・2・27)……三好 規正

38 人身傷害補償保険会社が、被害者の同意を得て加害者の加入する自賠責保険金を回収した場合において、これを加害者の被害者に対する弁済に当たるとして、損益相殺を認めた事例
(福岡高判令2・3・19)……山下 典孝

39 均等侵害に基づく多機能品型間接侵害の成否と差止め及び損害賠償の範囲
(大阪地判令2・5・28)……横山 久芳
◆記 事◆

最高裁民事破棄判決等の実情
 ──令和2年度──……家原尚秀・池原桃子

民事訴訟の隅々にまで口頭主義を
 ──民事訴訟で口頭主義を徹底するための基本的提案(3)……浅見宣義


◆第5回判例時報賞 奨励賞受賞論文◆

受益者連続型信託における受託者の公平義務……黒川 健


◆判決録細目◆

民 事

◎自筆遺言証書に真実遺言が成立した日と相違する日の日付が記載されているからといって同証書による遺言が無効となるものではないとされた事例
(最一判令3・1・18)

◎1 厚生労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえないとされた事例
 2 建材メーカーが、自らの製造販売する石綿含有建材を使用する屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者に対し、前記石綿含有建材に当該建材から生ずる粉じんにばく露すると重篤な石綿関連疾患にり患する危険があること等の表示をすべき義務を負っていたとはいえないとされた事例
──建設アスベスト訴訟京都ルート上告審判決
(最一判令3・5・17)

〇洗顔石けんの使用によりアレルギー症状を発症した場合において、石けんに使われていた原材料(グルパール19S)につき、その効用・有用性を考慮しても、当該アレルギー被害は、洗顔石けんの原材料によって生じるアレルギー被害として社会通念上許容される限度を超えており、洗顔石けんに配合、添加される原材料として通常有すべき安全性を欠き、製造物責任法2条2項の欠陥があるとされた事例
(福岡高判令2・6・25)

〇みかじめ料を支払わない性風俗店の経営者らに対して暴力団員らが加えた襲撃等の不法行為につき、最上位の指定暴力団の会長の使用者責任を肯定した1審判決が控訴審においても維持された事例
(広島高判平31・2・20)


商 事

〇平成30年法律第29号による改正後の商法が適用される事例において、商法684条及び船舶の所有者等の責任の制限に関する法律2条1項1号の「航海の用に供する船舶」とは、社会通念上海上とされる水域を航行する船舶をいうとされた事例
(福岡高決令3・2・4)
◆記 事◆

民事訴訟の隅々にまで口頭主義を
 ──民事訴訟で口頭主義を徹底するための基本的提案(2)……浅見 宣義

責任能力判断の責任論的・心理学的基礎と実践【第4回】……清野 憲一


◆判決録◆

行 政 

〇ある法人と形式的には別法人であっても、当該法人と実質的に同一体というべき法人の役職員が、当該法人のために金融商品取引法159条2項が禁止する相場操縦違反行為をした場合には、当該法人は同法174条の2第1項の違反者となり得るとされた事例
(東京高判令2・7・10)


民 事 

◎原告らの採る立証手法により特定の建材メーカーの製造販売した石綿含有建材が特定の建設作業従事者の作業する建設現場に相当回数にわたり到達していたとの事実が立証され得ることを一律に否定した原審の判断に経験則又は採証法則に反する違法があるとされた事例──建設アスベスト訴訟東京ルート上告審判決
(最一判令3・5・17)

〇妊娠していた5胎の胎児の一部を減胎する手術(減胎手術)について、担当医師が母体に対する危険防止のために経験上必要とされる最善の注意を尽くす義務に違反し、広く使われていた穿刺針よりも太い穿刺針で多数回の穿刺を行ったとして、医療法人に対する損害賠償請求が認められた事例
(大阪高判令2・12・17)

〇別居中の元妻が元夫の同意を得ることなく、同意書を偽造して医療法人が開設する診療所において融解胚移植の方法により妊娠して嫡出子となる子を出産したことにつき、元夫が元妻に対して自己決定権侵害に基づいて提訴した損害賠償請求が一部認容された事例
(大阪高判令2・11・27)

〇被害者の死亡が確認されるまでに2つの交通事故が発生した二重轢過事案において、民法719条1項後段を類推適用して、後発の事故の加害者に被害者死亡の損害の不真正連帯責任を負わせるためには、同条項の類推適用を求める者が「被害者が後発の事故によって死亡した可能性があること」を立証する必要があるとした事例
(福岡高判令2・12・8)

▽1 再審請求弁護人が精神科医とともに死刑確定者と面会するに際し、職員の立会いのない面会を許さなかった拘置所長の措置が違法とされた事例
 2 前記面会に際し、面会時間を1時間に制限した拘置所長の措置が違法とされた事例
 3 前記面会に際し、ICレコーダーの使用を許さなかった拘置所長の措置が違法ではないとされた事例
(広島地判令2・12・8)

▽インターネットのウェブサイト上の掲示板における投稿が名誉毀損の不法行為に当たるとして、慰謝料及び発信者特定のための調査費用等が損害として認められた事例
(水戸地判令2・11・4)

▽児童福祉法28条1項に基づいて児童相談所長がした、未成年者についての障害児入所施設への入所又は里親委託の承認申立てが認容された事例
(名古屋家審令1・5・15)


労 働 

〇じん肺管理区分3ロの判断を受けていた者が、10年以上療養を続けた後、慢性呼吸不全急性増悪(Ⅱ型)で死亡したことについて業務起因性が肯定された事例
(福岡高判令2・9・29)


刑 事 

◎1 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)2条3項にいう「児童ポルノ」の意義
 2 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)7条5項の児童ポルノ製造罪の成立と児童ポルノに描写されている人物がその製造時点において18歳未満であることの要否
(最一決令2・1・27)

◎1 医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為の意義
 2 医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為に当たるか否かの判断方法
 3 医師でない彫り師によるタトゥー施術行為が、医師法17条にいう「医業」の内容となる医行為に当たらないとされた事例
(最二決令2・9・16)
◆記 事◆

民事訴訟の隅々にまで口頭主義を──民事訴訟で
 口頭主義を徹底するための基本的提案(1)……浅見 宣義

責任能力判断の責任論的・心理学的基礎と実践【第3回】……清野 憲一


◆判決録◆

民 事

◎土地の売買契約の買主が売主に対し債務の履行を求めるための訴訟の提起等に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することの可否
(最三判令3・1・22)

〇再保険契約の準拠法である日本法に、商慣習法として、運命共同体原則があるか(消極)
(東京高判令3・4・28)

〇家庭用火災保険契約に基づく保険対象建物の床の汚損等が保険約款にいう「不測かつ突発的な事故」に当たらず保険事故に該当しないとして保険金請求が棄却された事例
(名古屋高判令2・11・11)

〇公正証書遺言が、遺言能力に欠けることはなく要式違反も認められないとして有効とされた事例
(広島高判令2・9・30)

▽加害者が被害者を同乗させ被害者所有の自動車を運転中に起こした交通事故につき、加害者との間で自動車共済契約を締結していた共済事業者(原告)が被害者に対して損害賠償金を支払ったが、加害者と同居する加害者の父が他の共済事業者(被告)と自動車共済契約を締結していたときは、前記交通事故による損害については両共済契約の他車運転特約がそれぞれ適用されるから、両共済契約は保険法20条の重複保険に当たり、同条2項に基づき、原告は被告に対し、求償できるとした事例
(東京地判令2・6・22)

▽自宅で立ち上がれなくなり救急搬送された患者が、入院翌日に急変し、死亡した場合において、病院の看護師及び医師の過失をいずれも否定した事例
(大阪地判令2・6・5)

▽1 無症状の腰椎分離症が交通事故により有症化したことを認め、腰椎後方固定術後の腰部の状態を当該事故と相当因果関係のある後遺障害と認めた事例
 2 腰椎分離症が交通事故前から存在したことを踏まえ、30パーセントの素因減額を認めた事例
(金沢地判令2・8・31)

▽国外での代理懐胎により出生した子について、代理懐胎を依頼した夫婦の特別養子とすることが子の利益のために特に必要であり、代理母の同意も認められるとして、当該夫婦との間の特別養子縁組の成立を認めた事例
(静岡家浜松支審令2・1・14)


 刑 事 

〇1 実子に対する保護責任者遺棄致死の事案で、夫である共犯者からの心理的DVの影響下における心理状態及びこれを踏まえた非難可能性の程度を判断する前提として、参考意見聴取のために実施した医師の尋問において、判断の基礎とする事実の範囲に証言を制限した1審裁判所の措置に違法な点はないとされた事例
 2 共犯者からの心理的DVの影響を肯定しつつも、これを乗り越えて前記実子を助ける契機があったと認定し、被告人の責任を大幅に減じる事情ではないとした1審判決の量刑評価が適切であると判断された事例
(東京高判令2・9・8)

〇1 被告人両名が、共謀の上、実子である被害者を監視カメラで監視するなどしつつ施錠した居室に監禁し、室温の低下及び被害者の極度のるい痩等を認識しながら、生存に必要な保護を与えずに放置して死亡させたとされる監禁、保護責任者遺棄致死の事案において、検察官が請求した死体解剖時の被害者写真を採用して取り調べた1審の訴訟手続に法令違反はないとした事例
 2 被害者の要保護状況に関する被告人両名の認識を認めて不保護の故意を認定した1審判決の事実認定を是認した事例
(大阪高判令3・4・19)


◆判例評論◆

35 特許法102条1項(令和元年改正前)に基づく損害額の算定方法及び特許発明の特徴部分が特許製品の一部分である場合の取り扱いについて示した事例──美容器事件大合議判決
(知財高判令2・2・28)……志賀 典之

36 取締役選任に関する株主間の合意の法的効力
(東京高判令2・1・22)……松中 学
◆記 事◆

責任能力判断の責任論的・心理学的基礎と実践
 【第2回】 清野 憲一


◆判決録◆

行 政

◎補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律22条に基づくものとしてされた財産の処分の承認が同法7条3項による条件に基づいてされたものとして適法であるとされた事例
(最三判令3・3・2)

▽地方団体が国に対して特別交付税の額の決定の取消しを求める訴えは裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」に当たるか(積極)
(大阪地中間判令3・4・22)


民 事 

◎社債と利息制限法1条の適用の有無
(最三判令3・1・26)

◎少年保護事件を題材として家庭裁判所調査官が執筆した論文を雑誌及び書籍において公表した行為がプライバシーの侵害として不法行為法上違法とはいえないとされた事例
(最二判令2・10・9)

〇県立高等学校の寮内におけるいじめにより生徒が自殺し、学級担任及び寮の舎監長である教諭らの安全配慮義務違反が認められるものの、自殺についての具体的予見可能性までは認められないとしたが、前記教諭らのいじめに対する不適切な対処について、遺族の県に対する慰謝料請求が認容された事例
(福岡高判令2・7・14)

〇保佐人選任の審判がされ、その抗告審継続中に被保佐人本人が任意後見契約を締結した場合において、任意後見契約に関する法律10条1項の「本人の利益のため特に必要がある」と認められるとして、原審判を維持し、抗告を棄却した事例
(広島高決令2・8・3)

▽原告が中学校及び高等学校の新キャンパスを開設するために被告から購入した本件土地の土壌に土壌汚染対策法に基づく規制の対象となる物質が基準値を超えて存在していたなどとして、売買契約上の瑕疵担保責任等に基づき、土壌汚染対策工事費など11億円を超える損害賠償を被告に請求した事案について、売買の目的となった本件土地の土壌に基準値を超える鉛及び砒素が含まれていたことは「隠れた瑕疵」に当たるが、掘削工事に要した工事費用は本件土地の瑕疵と相当因果関係のある損害とは認められないなどとして、被告に対し、調査費用など約5600万円の損害賠償のみが命じられた事例
(大阪地判令3・1・14)

▽父からの未成年者らとの面接交流の申立てに対し、直接の交流は相当でなく、電話や手紙等による間接交流の実施を重ね、未成年者らの不安や葛藤を低減していくことが相当であるとされた事例
(奈良家審令2・9・18)


刑 事

◎詐欺の被害者が送付した荷物を依頼を受けて送付先のマンションに設置された宅配ボックスから取り出して受領するなどした者に詐欺罪の故意及び共謀があるとされた事例
(最二判令1・9・27)

〇刑事訴訟法321条1項2号後段により請求された検察官調書を却下した原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反が認められるとして原判決を破棄し、同検察官調書の供述の相反部分を踏まえた上で、改めて本件の争点につき当事者間で更に攻撃防御を尽くさせるとともに、同相反部分を含めた新たな証拠関係のもとで、裁判員を交えて被告人の共謀の有無について審理を尽くさせるのが相当であるとして、事件を原審裁判所に差し戻した事例
(大阪高判令2・3・10)
◆記 事◆

海外判例研究──第12回──
  憲法   大林 啓吾
  民法   胡  光輝
  消費者法 カライスコス アントニオス
       ダン ローゼン・西口  元
  刑法   神馬 幸一
       佐藤 拓磨

責任能力判断の責任論的・心理学的基礎と実践
 【第1回】 清野 憲一


◆判決録◆


行 政

〇小学校の教員が脳幹部出血を発症して後遺障害が残ったことについて、当該発症と公務との間に相当因果関係が認められるとされた事例
(福岡高判令2・9・25)


民 事

◎1 有価証券届出書の財務計算に関する書類に係る部分に虚偽記載等がある場合に当該有価証券の募集に係る発行者等と元引受契約を締結した金融商品取引業者等が金融商品取引法21条1項4号の損害賠償責任につき同条2項3号による免責を受けるための要件
 2 株式の上場に当たり提出された有価証券届出書のうち当該上場の最近事業年度及びその直前事業年度の財務諸表に虚偽記載があった場合において当該株式の発行者等と元引受契約を締結した金融商品取引業者の金融商品取引法21条1項4号の損害賠償責任につき同条2項3号による免責が否定された事例
(最三判令2・12・22)

▽地方公共団体である被告の設置運営する高校に在籍していた原告が、被告に対し、同高校の教員らから頭髪指導として頭髪を黒く染めるよう繰り返し強要され、高校に登校しなくなった後は生徒名簿から氏名を削除されるなどして精神的苦痛を被ったなどとしてした国家賠償請求等につき、染髪を禁じた校則及びこれに基づく頭髪指導は同高校及び教員らの裁量の範囲内で適法であるとする一方、生徒名簿からの氏名の削除等は教育環境を整える目的でされたものではなく、手段の選択も著しく相当性を欠くなどとして、原告の国家賠償請求を一部認めた事例
(大阪地判令3・2・16)


労 働

◎1 無期契約労働者に対しては夏期休暇及び冬期休暇を与える一方で有期契約労働者に対してはこれを与えないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(①事件)
 2 私傷病による病気休暇として無期契約労働者に対して有給休暇を与えるものとする一方で有期契約労働者に対して無給の休暇のみを与えるものとするという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(②事件)
 3 無期契約労働者に対して年末年始勤務手当を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(③事件)
 4 無期契約労働者に対して祝日を除く1月1日から同月3日までの期間の勤務に対する祝日給を支給する一方で有期契約労働者に対してこれに対応する祝日割増賃金を支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(③事件)
 5 無期契約労働者に対して扶養手当を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例(③事件)
(①②③最一判令2・10・15)


経 済

▽パチンコ遊技機及びパチスロ遊技機の販売業者の事業者団体が、組合員である販売業者に対し、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則の改正により設置が許されなくなった遊技機を経過措置期間経過前に計画的に撤去するという同事業者団体を含む業界関係団体の立てた計画に従わないパチンコ・パチスロ遊技場の経営者に対して中古遊技機の設置に係る風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律上の行政手続に必要となる保証書作成等の業務をすることを拒絶するように求めた行為は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2条9項1号の「供給を拒絶」する行為に該当するが、目的の正当性及び手段の相当性が認められるから、不公正な取引方法に該当しないとされた事例
(東京地決令3・3・30)


刑 事

〇少年が、元同級生であった被害者に対し、メリケンサックを装着した右手拳で殴打して全治10日間を要する左側頭部挫創の傷害を負わせた傷害保護事件において、少年を保護観察に付することとした原決定につき、処分の著しい不当を理由とする抗告を棄却した事例
(東京高決令2・11・20)

▽自宅で宅配荷物を受領する際、配達票の受取印欄に仮名で署名した行為について、作成者と名義人の人格の同一性に齟齬をきたすものとはいえないから、署名偽造に当たらないとした事例
(京都地判令2・6・25)
◆記 事◆

民法理論のいま──実務への架橋という課題(5)
 集合動産・集合債権等の担保化に対する社会的要請……近江 幸治


◆書 評◆

川﨑富雄『錯覚の医事法学―よき医療とよき司法のための提言―』……大谷  實


◆判 決 録◆

行 政

▽普通免許を有するが準中型自動車免許を受けていない者が、準中型貨物自動車(1・5トントラック)を運転したという無免許運転行為を理由に、公安委員会から運転免許の取消処分及び2年間を運転免許を受けることができない期間(欠格期間)として指定する処分がされた事案につき、運転は会社の指示でなされたものであるが、会社には普通免許で運転できる1・5トントラックもあり、会社の代表者も両トラックの違いを認識していなかったなど判示の事情の下では、2年間を欠格期間とする前記指定処分には、欠格期間の指定に関する処分量定基準にいう「運転者としての危険性がより低いと評価すべき特段の事情」が認められるのに処分の軽減をしなかった点において、裁量権の逸脱・濫用があるとされた事例(岐阜地判令2・9・4)


民 事

▽英国法人の支配下にある被告会社及び同法人の支配下にある被告役員らに対して提起した原告の訴えにつき、同法人と原告との間で締結された国際仲裁における仲裁合意を被告らも主張できるとして、仲裁法14条により訴えを却下した事例
(東京地判令2・6・19)
▽納骨壇使用契約の法的性質を諾成的寄託契約に準委任契約が付随した混合契約であるとした上、納骨壇使用契約に基づく永代使用料及び永代供養料の支払の一部について、解約により法律上の原因を欠くに至ったため、不当利得として返還することを命じた事例
(大阪地判令2・12・10)
▽国立大学の医学系研究科(大学院)の博士課程に在籍していた原告が、指導教員からいわゆるアカデミックハラスメントを含む違法行為を受け、精神的苦痛を被ったと主張して国立大学法人と指導教員に損害賠償を求めた事案について、国立大学法人に対する請求が一部認容された事例
(名古屋地判令2・12・17)
▽被告の運営する病院において胸腔鏡下拡大胸腺摘出術を受けた患者が、手術中の大量出血により低酸素脳症を発症し、意識が回復することのないまま、手術の約1年後に死亡した事案について、手術を執刀した医師に注意義務違反があったと認め、被告に患者の遺族に対する損害賠償を命じた事例
(広島地判令2・12・22)


労 働

〇長時間労働等と劇症型心筋炎との間の因果関係は認められず、また治療機会喪失により劇症型心筋炎を発症したとも認められないとして業務起因性を否定し、業務起因性を認めて不支給処分を取り消した原審判決を控訴審が取り消した事例
(大阪高判令2・10・1)

▽有期派遣労働者と派遣元の無期労働契約社員との間における通勤手当の支給の有無に係る労働条件の相違につき、労働契約法20条(平成30年法律第71号による改正前のもの)の適用があり、期間の定めがあることによる相違に当たるが、支給の趣旨・目的、職務の内容等の相違のほか、その他の事情(派遣先における均衡待遇等に係る労働者派遣法の規律や労働者による就労条件の選択可能性等の派遣就労の特殊性、原告自身が派遣就労ごとに就労条件を吟味し決定していたこと、原告に支給されていた時給額が通勤交通費を自己負担するのに不足はなかったこと等)を勘案して、同条の「不合理と認められるもの」とはいえないとした事例
(大阪地判令3・2・25)

▽就業規則に根拠規定がない場合であっても労働者の同意を得て試用期間を延長し得るものの就業規則の最低基準効に反する事情を認めて試用期間延長を無効とし(解雇無効)、退職勧奨の違法性を一部認め、労働者の損害賠償請求等を一部認容した事例
(東京地判令2・9・28)


刑 事

▽実父母に対する傷害、傷害致死事案で、実母に対する行為は妄想と密接に関連し、実父に対する行為は正に妄想が直接の原因であると認められるから、動機は理解不能であるとして、その余の事情も考慮し、心神喪失であると判断した事例
(横浜地判令2・3・19)


判例評論

31 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律36条の6第1項、3項の憲法適合性──要指導医薬品ネット販売規制事件控訴審判決(東京高判平31・2・6)……斎藤 一久

32 担保不動産競売手続において土地建物が一括競売され法定地上権が成立することを前提に建物共有者に交付された剰余金の一部について、実体法上の土地利用権が使用借権であることを理由として土地所有者兼建物共有者からの前記建物共有者に対する不当利得返還請求が認められた事例(横浜地判令1・10・30)……米倉 暢大

33 後遺障害逸失利益は、不法行為に基づく損害賠償制度の目的と理念に照らして相当と認められるとき、定期金賠償の対象となる(最一判令2・7・9)……藤村 和夫

34 担保不動産競売の手続において最高価買受申出人が受けた売却許可決定に対し他の買受申出人が民事執行法188条において準用する同法71条4号イに掲げる売却不許可事由を主張して執行抗告をすることの許否(消極)(最二決令2・9・2)……内田 義厚
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