判例時報 発売日・バックナンバー

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◆記 事◆

最高裁刑事破棄判決等の実情 ──令和3年度──……根崎修一


◆判決録細目◆

民 事

〇別居中の夫婦間において、妻である抗告人が、夫である相手方に対し、前件調停で定められた未成年者らとの面会交流に関する条項の変更を求めた事案において、原審が抗告人と未成年者らとの面会交流を間接交流とするのが相当であるとしたのに対し、抗告審は、長女に対する調査の実施時期や間接交流の継続的な実施状況等を踏まえ、未成年者らの意向・心情等の調査を改めて実施し、直接交流の可否や面会交流の具体的方法等を検討する必要があるとして、原審に差し戻した事例
(東京高決令4・8・18〈参考原審:東京家審令4・3・30〉)

▽1 人の肖像を無断で使用する行為が肖像権を侵害するものとして不法行為法上違法となる場合
 2 路上で人物を撮影した動画を同人に無断でYouTubeに投稿する行為が肖像権を侵害するものとして不法行為法上違法となるとされた事例
(東京地判令4・10・28)


労 働

▽発注企業である被告Y1が元請企業である被告Y2に施工図作成業務を委託し、Y2が下請企業である被告Y3に同業務を再委託する形式をとりながら、Y1がY3の労働者である原告に直接指揮命令を行い、原告の労務の提供を受けるという二重の労働者供給(二重派遣)の状態にあった事案につき、Y1及びY2に、職業安定法44条違反があるとはいえ、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律40条の6を適用又は準用してY1又はY2と原告との直接雇用契約の成立を認めることはできず、被告らによる共同不法行為に基づく損害賠償請求も認められないとされた事例
(大阪地判令4・3・30)


刑 事

◎捜査機関への申告内容に虚偽が含まれていた事案につき刑法42条1項の自首が成立しないとされた事例
(最一決令2・12・7)

▽飲酒後の運転中に対向車線上を逆走し、対向直進してきた被害車両に自車を衝突させ、被害車両の同乗者を死亡させた事故について、疲労等による眠気が原因である疑いがあるとの弁護人の主張を排斥し、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律3条1項にいう「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥って」前記事故を惹起したと認定し、危険運転致死罪の成立を認めて、被告人を懲役4年に処した事例
(大津地判令3・12・21)
◆判決録細目◆

民 事

◎マンション建替事業の施行者がマンションの建替え等の円滑化に関する法律76条3項に基づく補償金の供託義務を負う場合において、前記補償金の支払請求権に対して複数の差押命令が発せられて差押えの競合が生じたときに前記施行者がすべき供託
(最一判令4・10・6)

〇優生保護法(平成8年法律第105号による改正前のもの)に関する国家賠償請求について、被害者が国による不法行為であることを客観的に認識し得た時と考えられる「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」の施行日である平成31年4月24日から5年間が経過するまで、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の効果は生じないとした事例
(東京高判令4・3・11〈参考原審:東京地判令2・6・30〉)

▽1 離婚後に元配偶者及び子らと同居していた者が、親権を有しないにもかかわらず親権者である元配偶者に無断で子らを連れて別居したことが、元配偶者に対する不法行為を構成するとされた事例
 2 弁護士が、子ら及びその親権者と同居していた親権を有しない親に対し、親権者に無断で子らを連れて別居することを肯定する助言をしたことが、親権者に対する不法行為を構成するとされた事例
(東京地判令4・3・25)


知的財産権

▽1 競争関係にある者が、裁判所が知的財産権侵害に係る判断を示す前に当該判断とは異なる法的な見解を事前に告知し又は流布する場合に、当該見解は、不正競争防止法2条1項21号にいう「虚偽の事実」に含まれるか(積極)
 2 特許権を侵害している旨の通知書を送付した行為が、不正競争防止法2条1項21号にいう不正競争行為に該当するとされた事例
(東京地判令4・10・28)


刑 事

▽犯人が捜査機関に発覚していたか否かは捜査機関全体における犯人特定のための捜査活動の進捗状況に基づいて判断すべきであるとして、被告人が、A警察署が捜査していた侵入窃盗事件について、被告人の別件特殊詐欺事件を捜査していたB警察署の警察官に申告した事案につき、自首の成立を否定した事例
(東京地判令4・6・7)


◆判例評論◆

9 原子力発電所の運転差止請求において、原子力災害対策指針に定める段階的避難等が実現可能な避難計画の策定及びこれを実行しうる体制が講じられていないため、人格権侵害の具体的危険があるとして、PAZ及びUPZ(前記発電所から概ね半径30㎞の範囲)内の住民に限り、差止めを認めた事例
──東海第二原発運転差止請求事件第1審判決
(水戸地判令3・3・18)……神戸秀彦

10 仮想通貨についての情報教材を販売する法人および販売勧誘を助長する事業者個人に対し、特定適格消費者団体が原告となって提起した共通義務確認訴訟において、同訴訟の適用要件である「支配性」が認められないとして訴えが却下された事例
(東京高判令3・12・22)……坂本真樹

11 違法収集証拠として証拠能力を否定した第一審の訴訟手続に法令違反があるとした原判決に、法令の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
(最三判令3・7・30)……佐藤美樹
◆記 事◆

裁判員裁判の解剖──制度と運用に関する批判的検証(10)
 裁判員制度の意義と課題──裁判員経験の社会的共有に向けて……見平 典


◆判決録細目◆

行 政

◎1 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)のいわゆる特例選挙区を存置する規定の適法性
 2 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定の適法性
 3 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)のいわゆる特例選挙区を存置する規定の合憲性
 4 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定の合憲性
(最二判令4・10・31)


民 事

◎刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律98条の定める作業報奨金の支給を受ける権利に対する強制執行の可否
(最三決令4・8・16)

〇末期の遠位胆管がん患者に対する自由診療として行われた自家がんワクチン療法と称する治療行為について、医師の説明義務違反及び検査義務違反を認め、治療費相当額及び慰謝料の損害賠償請求が認容された事例
(東京高判令4・7・6〈参考原審:宇都宮地判令3・11・25〉)


経 済

〇データの書換制限をした電子部品を取り付けたトナーカートリッジを製造販売していた複写機メーカーが、当該電子部品を取り換えた再生トナーカートリッジを製造販売していたリサイクル事業者に対して、特許権侵害による差止め、廃棄、損害賠償を請求した事案において、特許権の行使は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に抵触するものとはいえず、権利濫用に当たらないとして、請求を認容した事例
(知財高判令4・3・29)
◆記 事◆

公法上の確認訴訟の新たな展開
 ──選挙権訴訟と審査権訴訟の比較検討……村上裕章


◆判決録細目◆

行 政

▽市が設置管理する都市公園内に私企業が市の設置許可を受けて建設したサッカー専用スタジアムについて、市長が固定資産税及び公園使用料を免除したことが、いずれも違法とされた事例
(宇都宮地判令4・1・27)


民 事

◎民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否
(最一決令4・10・6)

〇死亡した犬のDIC(播種性血管内凝固症候群)につき獣医療の水準に適った治療を行ったとはいえず、当該犬の治療に関して過失がある獣医師が、当該犬の飼育者に対して生命維持の相当程度の可能性の侵害による不法行為責任を負うとされた事例
(大阪高判令4・3・29)

▽離婚届に妻の署名押印はあるがその離婚意思を欠いて無効である離婚の届出をした夫が、妻の真意を確認することなくその届出をした過失により妻としての地位を不安定な状態に置いてこれを侵害したなどとして、夫の妻に対する不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例
(東京地判令4・3・28)


知的財産権

▽1 人の肖像を無断で使用する行為が肖像権を侵害するものとして不法行為法上違法となる場合
 2 著名人を被写体とする写真を同人に無断で週刊誌に掲載する行為が肖像権を侵害するものではなく不法行為法上違法とはいえないとされた事例
(東京地判令4・7・19)


商 事

▽上場企業の株式買付けの時には未だ当該上場企業の業務執行を決定する機関が業務上の提携を行うことについての決定をしたとは認められないとして、当該株式買付けがインサイダー取引に当たるとしてされた課徴金納付命令が取り消された事例
(東京地判令3・10・29)


経 済

▽不当な取引制限(価格カルテル)に係る課徴金納付命令の算定基礎となった対象商品について、違反行為を行った事業者が明示的又は黙示的に違反行為の対象から除外するなど当該商品が違反行為による相互拘束から除外されていることを示す特段の事情は認められないとされた事例
(東京地判令3・8・5)


労 働

〇1 職場内での社員同士の諍いの際に上司に発した言葉について口頭による退職の意思表示と認めなかった事例
 2 職場内での私的な話題を契機に他の社員から受けた暴行について使用者責任を否定した事例
 3 事業主が社員の厚生年金の加入手続を一定期間しなかったために生じた将来の年金受給額の逸失利益の賠償請求につき、その額の立証が著しく困難であるとして民事訴訟法248条を適用して相当な損害額を認定した事例
(東京高判令4・8・19)


◆最高裁判例要旨(2022(令4)年11・12月分)
◆記 事◆

裁判員裁判の解剖
──制度と運用に関する批判的検証(9)
「意識改革」としての裁判員制度?……山崎友也


◆判決録細目◆

行 政

◎地方公共団体の職員が暴行等を理由とする懲戒処分の停職期間中に同僚等に対して行った同処分に関する働き掛けを理由とする停職6月の懲戒処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三判令4・6・14)


民 事

◎保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家庭裁判所に提出したその管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書は、前記保全処分の事件の記録に当たるか
(最一決令4・6・20)


経 済

〇大手スーパー業者が納入業者にオープンセール協賛金等を支払わせるなどした行為が優越的地位を濫用したものであるとして公正取引委員会が命じた排除措置命令及び課徴金納付命令に係る審決の取消請求につき、当該業者の優越的地位の濫用を認めて棄却した事例
(東京高判令3・3・3)


刑 事

◎金融商品取引法167条1項6号にいう「その者の職務に関し知つたとき」に当たるとされた事例
(最三決令4・2・25)


◆判例評論◆

7 経済産業局長が採石権の存続期間の更新決定をすることができるのは、土地所有権の制限を正当化し得るに足りる公共の利益がある場合に限られるとされた事例
(東京高判令3・2・18)……赤渕芳宏

8 一つの交通事故から同一被害者に生じた物損と人損に対する不法行為による各損害賠償請求権の短期消滅時効の起算点
(最三判令3・11・2)……松本克美
◆記 事◆

海外判例研究──第15回──

【憲法】

 ・妊娠15週以降の中絶を原則禁止したミシシッピ州法が中絶の権利を侵害するかどうかにつき、中絶の権利を認めた判例を変更し、中絶の権利を否定した事例──ドブス判決……大林啓吾

 ・広告看板の敷地内で事業が行われていない場合には広告看板のデジタル化等を認めないオースティン市の条例が表現の自由を侵害するかどうかが争われた事件につき、本件規制は内容規制に当たらないとして原審に差し戻した事例──レーガンナショナル広告会社判決……大林啓吾

【民法】

 ・債権者代位訴訟による債権回収ができなかった場合の債権者が債務者に対する請求訴訟の可否をめぐる事件……胡 光輝

【民事訴訟法】

 ・連邦裁判所が行う証拠開示手続は、政府から権限を与えられた仲裁法廷においてのみ利用可能であるとされた事例……ダン ローゼン・西口 元

【消費者法】

 ・製造業者による保証内容についてオンラインプラットフォーム上の出店者が負う情報提供義務……カライスコス アントニオス

【刑法】

 ・直接的死因と認定された殺害行為が不可罰的自殺幇助として規範的に評価された事例……神馬幸一

 ・はく奪される犯罪収益の算定において、財産の売却に潜在的に要するコストの控除が認められた事例……橋本広大

 ・明確性の原則と立法・司法の義務……仲道祐樹


裁判員裁判の解剖──制度と運用に関する批判的検証(8)
 裁判員裁判と刑法解釈──正当防衛を素材として…川崎友巳


◆判決録◆

行 政

〇英国領ケイマン諸島の特例有限責任パートナーシップの持分を対象として内国法人から海外子会社にされた現物出資が適格現物出資であると認められた事例
(東京高判令3・4・14)


民 事

〇自動車保険の被保険者が、保険契約車両の修理を依頼中、当該保険契約車両とは異なる自動車(他車)を運転中に交通事故を起こした場合において、当該他車を、当該保険契約車両とは別の自動車を購入するまでの間という約束の下、特に確定的な返還期限を定めることなく借り受け、現に継続的かつ日常的に使用していたときは、当該他車は自動車保険の他車運転危険補償特約にいう「常時使用する自動車」に当たるとされた事例
(東京高判令4・10・13)

〇財産の分与に関する処分の審判の手続において、申立人が給付を受けるべき権利者であるとは認められず、かえってその相手方が給付を受けるべき権利者であると認められる場合において、少なくとも相手方が、当該審判の手続において、自らが給付を受けるべき権利者であり、申立人に対して給付を求める旨を主張しているときは、申立人の財産分与の審判の申立てを却下するのではなく、申立人に対して相手方への給付を命じることができるとして、原審判中財産分与の申立てを却下した部分を取り消した上、相手方への給付を命じるべきか否かという点について更に審理を尽くさせるため、財産分与申立事件を原審(家庭裁判所)に差し戻した事例
(広島高決令4・1・28)

〇警察本部の監察官等による警察官に対する退職勧奨及びそれに向けての降格勧奨等の一連の行為が、同警察官を自主退職に追い込もうと企図して執拗に組織的に行われた違法なものであるとして、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償義務が認められた事例
(広島高判令4・4・21)

▽課外のクラブ活動としてのテニス大会の試合中に生徒がテニスコートに近接するコンクリート壁に衝突して負傷した事故について教員らに注意義務違反があるとされた事例
(東京地判令4・3・2)

▽消防団について、権利能力なき社団には該当しないとして、民事訴訟上の当事者能力が否定された事例
(東京地判令4・4・15)


商 事

▽独禁法違反による排除措置命令及び課徴金納付命令を受けた会社の取締役らについて、法令遵守義務違反による任務懈怠責任を認め、その損害として課徴金相当額の一部の会社に対する支払を命じた株主代表訴訟の事例
(東京地判令4・3・28)


刑 事

〇刑事訴訟法435条6号の証拠の明白性が認められないとして再審請求を棄却した原決定が異議審においても維持され、異議が棄却された事例──名張毒ぶどう酒殺人事件第10次再審請求異議審決定
(名古屋高決令4・3・3)
◆記 事◆

裁判員裁判の解剖──制度と運用に関する批判的検証(7)
刑事弁護の課題──裁判員裁判を出発点として……緑 大輔


◆判決録細目◆

民 事

▽1 土地売買の中間業者が、自己が費消する目的を秘して、土地所有者が求める代金を超えた支払を買主に請求したことにつき不法行為(詐欺行為)が認められた事例
 2 前記詐欺行為による騙取金が振り込まれた預金口座の預金債権について転付命令を受けたことが不当利得に当たるとされた事例
(東京地判令4・2・14)

▽破産会社の破産手続開始の申立てを受任した弁護士が当該破産会社との間の委任契約に基づく財産散逸防止義務に違反したとは認められないとして、当該弁護士の債務不履行責任が否定された事例
(東京地判令4・2・25)

▽市立中学校の生徒がいじめを受けたことについての同中学校の教諭ら及び市教育委員会の対応が国家賠償法上違法であるとされた事例
(さいたま地判令3・12・15)


知的財産権

▽1 脚本の翻案物である映画が、当該脚本の著作者又はその許諾を得た者によって上映の方法で公衆に提示された場合の当該脚本の公表の成否
 2 試写会で上映された映画の脚本を無断で週刊誌に掲載する行為が、当該脚本に係る公表権を侵害するとされた事例
(東京地判令4・7・29)


商 事

▽診療報酬債権を裏付資産として発行する社債の私募の取扱いをした証券会社が、当該社債の販売支援を行っていた別の証券会社等から追加資料の提供を受けるなどして、当該社債が真実診療報酬債権を裏付けとするものであるといえるかを調査すべき義務を負うものとされた事例
(名古屋地判令4・4・19)


刑 事

▽特定少年が、特殊詐欺の受け子としてキャッシュカードを窃取した3件の事案において、特殊詐欺の悪質性等を指摘し、犯情は重く、少年院送致も許容されるとした上で、保護観察状況等を踏まえ、少年を第1種少年院送致とし、収容期間を3年間と定めた事例
(東京家決令4・6・15)
◆記 事◆

裁判員裁判の解剖
 ──制度と運用に関する批判的検証(6)
 評議──裁判員裁判における実質的協働の実現に向けて……森本郁代・石塚章夫


◆判決録細目◆

民 事

〇共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく諫早湾干拓地潮受堤防排水門の開門請求を認容する確定判決に対する請求異議訴訟において、前訴口頭弁論終結後の事情変動等を踏まえて改めて利益衡量を行った結果、現時点において、前記確定判決に基づく強制執行は、権利濫用に当たり、又は、信義則に照らし、許されないとされた事例
(福岡高判令4・3・25)

▽インプラント手術において、担当歯科医師に術前検査を怠った過失があるとされた事例
(大津地判令4・1・14)

▽食道静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)を受けた際に低酸素状態となり、術後も低酸素脳症による意識障害が継続することになった患者が、不法行為又は債務不履行に基づき、手術を行った病院に対し損害賠償を求めた事案において、鎮静剤であるミダゾラムを側管注法で投与したことに過失があるとして、請求が認容された事例
(神戸地判令3・9・16)

▽1 警察の公安当局による、風力発電事業に反対する者の個人情報を風力発電事業者に対し提供した行為が国家賠償法1条1項に反し違法とされた事例
 2 警察の公安当局による、風力発電事業に反対する者の個人情報を収集・保管した行為が国家賠償法1条1項に反しないとされた事例
(岐阜地判令4・2・21)


労 働

〇酒気帯び運転をしたことを理由に懲戒免職とされた地方公務員に対する、退職手当の全額を不支給とする処分について、処分行政庁が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものと判断して、当該不支給処分の取消請求を認容した事例
(福岡高判令3・10・15)

▽懲戒免職処分に先行する自宅待機の間、市職員が公法上の給料等請求権を有しているとされた事例
(大津地判令2・10・6)


判例評論

4 無罪が確定した被告人のプライバシー保護とDNA型データ等の抹消
(名古屋高判令4・1・18)……岡田悦典

5 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号「現に未成年の子がないこと」の要件が憲法13条、14条1項に違反しないとされた事例
(最三決令3・11・30)……渡邉泰彦

6 新型コロナ禍の面会交流と過酷執行
(大阪高決令3・8・2)……髙橋大輔
◆判決録細目◆

行 政

〇重婚的内縁関係にあった内妻からの遺族厚生年金等の請求につき、本妻との婚姻関係の形骸化が認められないとしてされた不支給決定の取消訴訟において、前記不支給決定を是認した1審判決を取り消し、前記不支給決定を取り消した事例
(東京高判令3・11・11〈参考原審:東京地判令3・6・24〉)


民 事

◎親子関係不存在確認の訴えについて確認の利益があるとされた事例
(最二判令4・6・24)

〇養子が養親に無断で養子縁組届を作成し提出したもので、養親の縁組意思を欠く養子縁組であるとして無効とされた事例
(福岡高判令4・9・6〈参考原審:熊本家判令4・3・29〉)

〇漁獲上限が定められたことによってくろまぐろの漁獲が事実上不可能になった漁業者が、農林水産大臣及び知事による規制権限の不行使並びに農林水産大臣の裁量権の範囲の逸脱が国家賠償法上違法であると主張して損害賠償を求めたが、違法性が否定された事例
(札幌高判令3・12・14〈参考原審:札幌地判令2・11・27〉)

▽同性間の婚姻を認めていない民法及び戸籍法の規定と憲法14条1項、24条1項及び2項
(東京地判令4・11・30)

▽1 生徒の他生徒から受けた言動についての申出等に対する市立中学校教員の対応及び同生徒への衛生指導について国家賠償法1条1項の適用上違法であるとはいえないとされた事例
 2 市立中学校の教員が前記生徒の髪を切った行為について国家賠償法1条1項の適用上違法であるとして、慰謝料等を認めた事例
(甲府地判令3・11・30)

▽原告が提供するロードサービスについて、明示的な禁止規定がなくても、事業者が搬送等の商用目的で無償利用することは許容されていないとして、原告の会員であった中古車販売業者らの不正利用を認める一方、不正利用を看過した原告側の体制や対応についても相当程度の問題があったとして、3~5割の過失相殺をして、不法行為に基づく損害賠償請求を一部認容した事例
(大阪地判令4・5・25)


労 働

◎部下への暴行等の行為をした地方公共団体の職員が地方公務員法28条1項3号に該当するとしてされた分限免職処分を違法とした原審の判断に違法があるとされた事例
(最三判令4・9・13)
◆記 事◆

裁判員裁判の解剖──制度と運用に関する批判的検証(5)
 取調べの録音・録画の証拠利用をめぐって……大村泰平


◆判決録細目◆

民 事

◎国が、津波による原子力発電所の事故を防ぐために電気事業法(平成24年法律第47号による改正前のもの)40条に基づく規制権限を行使しなかったことを理由として国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うとはいえないとされた事例(①事件、②事件)
(①、②最二判令4・6・17)

◎被害者の有する自動車損害賠償保障法16条1項の規定による請求権の額と労働者災害補償保険法12条の4第1項により国に移転した前記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合において、自動車損害賠償責任保険の保険会社が国の前記請求権の行使を受けて国に対してした支払の効力
(最一判令4・7・14)


知的財産権

▽特許権移転の際の許諾契約上の許諾者たる地位の承継を総合考慮のもとで肯定した事例
(大阪地判令3・3・11)


商 事

▽第三者による詐欺行為によって会社が不動産の売買代金名下に金銭をだまし取られた取引に関する取締役の判断について、善管注意義務ないし忠実義務に違反する任務懈怠があるとは認められなかった事例
(大阪地判令4・5・20)


刑 事

○共犯者らが共謀の上、他人の親族等になりすまし、被害者から現金をだまし取ろうとしたが未遂に終わった際、少年が見張りをするなどして幇助した詐欺未遂幇助保護事件において、少年を第1種少年院に送致し、収容期間を2年間と定めた原決定について、その処遇判断に誤りはないとして、抗告を棄却した事例
(東京高決令4・6・3)


◆最高裁判例要旨(2022(令4)年10月分)
◆記 事◆

裁判制度のパラダイムシフト ─過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(10・完)
 行政裁判における「実効的権利救済」のインパクト
 ──難民不認定処分を受けた不法滞在者の強制送還と裁判を受ける権利……笹田栄司


◆判決録細目◆

行 政

◎固定資産課税台帳に登録された土地の価格についての審査の申出を棄却する旨の審査の決定をした固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最一判令4・9・8)

〇1 道路法39条1項に基づく道路占用料の納入告知の一部につき、長年にわたって占用料が免除されてきた経緯に照らせば信義則に反する違法な行政処分であるとされた事例
 2 道路法39条1項に基づく道路占用料の納入告知の一部につき、長年にわたって占用料が免除されてきた経緯を踏まえても適法な行政処分であるとされた事例
(大阪高判令3・12・14〈参考原審:大阪地判令1・7・31本誌2435号31頁〉)


民 事

◎国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律134条に基づく間接強制の方法による子の返還の強制執行の申立てが不適法であるとされた事例
(最三決令4・6・21)

〇私立高等学校3年の男子生徒が同級生らによるいじめ行為によって自殺したことについて、同校の教員に生徒の自殺についての予見可能性があるとして安全配慮義務違反を認め、学校設置者に対する損害賠償請求が認容された事例
(福岡高判令3・9・30〈参考原審:福岡地判令3・1・22〉)

〇事故より前に2度意識消失の発作を起こし、かねて前記事故発生日の2日後に大学病院での診察や検査が予定されていた状況の下で、意識消失の原因が判明するまで自動車の運転を一時的に避けるべき注意義務に反して自動車を運転した過失が認められた事例
(仙台高判令4・2・22〈参考原審:仙台地判令3・9・29〉)

▽航空大学校受験を目的とする予備校の受講生が同予備校の教材をネットで売却したことが受講規約の譲渡禁止条項に違反するとして、同予備校が前記受講生に対し前記規約の違約金条項に基づき500万円を請求した事案につき、前記規約における譲渡禁止条項及び違約金条項は消費者契約法10条に該当するとはいえないが、違約金額は高額に過ぎ公序良俗違反であるとして100万円の限度で有効と認められた事例
(東京地判令4・2・28)

▽てんかんの病歴がある運転者が、運転中に局所けいれんを起こしたため下り坂の中腹でフットブレーキを踏んで車を路側帯に停車させたが、その後けいれんが全身に及びフットブレーキを踏み続けることができなくなったため車が発進し、前方を走行中の貨物自動車に接触した事故において、前記停車の時点で、運転者には、意識を消失してフットブレーキを踏み続けることができなくなることの予見が可能であったから、エンジンを停止するなど車の逸走を確実に防止する措置を講ずるべき義務を怠った過失があるとされた事例
(長野地判令4・2・8)

▽申立人である子(フィリピン国籍)が、相手方(日本国籍)に認知を求めた事案において、子の母(フィリピン国籍)の前夫(フィリピン国籍)と申立人との間の親子関係を否定した上で、申立人が相手方の子であることを認知する旨の合意に相当する審判がなされた事例
(東京家審令4・1・19)


刑 事

◎不正競争防止法(平成27年法律第54号による改正前のもの)2条1項10号にいう「技術的制限手段の効果を妨げることにより影像の視聴を可能とする機能を有するプログラム」に当たるとされた事例
(最一決令3・3・1)


◆判例評論◆

1 不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金を民法405条の適用または類推適用により元本に組み入れることの可否─約定利息・法定利息・遅延利息の法的性質論を兼ねて
(最三判令4・1・18)……大久保邦彦

2 大学の医学部入学試験において出願者の属性(女性、浪人生及び高校学校等コード51000以上の者)を不利に扱う得点調整は違法であり、同大学を運営する学校法人は入学試験の評価において属性を考慮する旨を告知する信義則上の義務を負うものとし、受験生の納付した入学検定料、受験票送料、送金手数料、出願書類郵送料、及び特定適格消費者団体に支払うべき報酬及び費用に相当する額について損害を認め、旅費及び宿泊費については支配性の要件を欠くとして訴えを却下した事例
(東京地判令2・3・6)……秦 公正

3 原画に描かれたアナログ時計の形象が応用美術に当たるとした上で、分離可能性説によってその著作物性を否定した事例
(大阪地判令3・6・24)……奥邨弘司
◆記 事◆

最高裁判所の越権行為に対する規律と是正
 ──福島原発避難者訴訟最高裁判決の民事手続上の問題点……長島光一

情報をめぐる現代の法的課題(11・完)
 インターネット空間における「法執行の民間化」
 ──ドイツの「ネットワーク執行法」執行状況の調査をふまえて……毛利 透


◆判決録細目◆

行 政

▽生活扶助基準の引下げ等を内容とする「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示第158号)の改定が生活保護法3条、8条2項の規定に違反し違法であるとされた事例
(東京地判令4・6・24)


民 事

◎会社法423条1項に基づく損害賠償請求訴訟において原告の設置した取締役責任調査委員会の委員であった弁護士が原告の訴訟代理人として行う訴訟行為を弁護士法25条2号及び4号の類推適用により排除することはできないとされた事例
(最一決令4・6・27)

◎宮古島市水道事業給水条例(平成17年宮古島市条例第215号)16条3項の趣旨
(最三判令4・7・19)

◎建材メーカーが、石綿含有建材の製造販売に当たり、当該建材が使用される建物の解体作業に従事する者に対し、当該建材から生ずる粉じんにばく露すると石綿関連疾患にり患する危険があること等を表示すべき義務を負っていたとはいえないとされた事例
(最二判令4・6・3)

▽元妻である被告が調停に代わる審判によって定められた元夫である原告による子の監護の実施を妨げたことにつき、子の福祉の観点から正当事由があるものと認めることはできず、故意による不法行為が成立するとされた事例
(東京地判令3・11・30)


商 事

〇従業員の長時間労働に起因する死亡につき、いわゆる名目的代表取締役の会社法429条1項に基づく損害賠償責任を肯定した事例
(東京高判令4・3・10〈参考原審:東京地判令3・4・28〉)


労 働

〇山形県内の果物生産会社で農作業に従事する労働者が、さくらんぼ収穫に向けた同社の決起大会での腕相撲により右肘骨折等のけがをしたことについて、労働者が業務上負傷した場合にあたると認められた事例
(仙台高判令3・12・2〈参考原審:山形地判令3・7・13〉)

▽1 有限会社とその代表取締役の親族であり監査役として登記された者との間に労働契約の成立を認めた事例
 2 使用者における違法行為を警察に告発したこと等を理由とする減給処分及び普通解雇処分がいずれも無効とされた事例
 3 使用者が警察の捜査を受けたことを契機とする営業停止に伴う整理解雇が無効とされた事例
 4 無効な解雇がされた後に労務の提供ができなかったのは使用者の責めに帰すべき事由によるものであり、その期間の労働契約に基づく賃金請求権が失われないとした事例
(横浜地判令4・4・14)


刑 事

◎管轄移転の請求が訴訟を遅延させる目的のみでされたことが明らかである場合における刑事訴訟規則6条による訴訟手続の停止の要否
(最三決令3・12・10)

〇実刑判決確定後に約3か月間逃亡した事案の保釈保証金没取請求について、保釈保証金の実質的納付者の事情や刑の執行が開始されたことなどを指摘して保釈保証金の一部を没取した原決定について、本件の没取事由によれば、特に事情がない限り保釈保証金は全額没取すべきであり、原決定が考慮した事情は、没取額を減額する方向の事情ではないか、一部没取が相当な理由が示されていないとして、これを取り消し、保釈保証金の全額を没取した事例
(東京高決令4・1・24) 

▽少年が、保護観察所長の警告を受けたにもかかわらず、保護観察所長から許可を受けた住居に居住しなかったという施設送致申請事件において、遵守事項違反の程度が重く、少年の問題性の根深さや保護環境等を考慮すると、保護観察によっては少年の改善更生を図ることはできないとして、少年を第1種少年院送致とした事例
(名古屋家決令3・12・15)
◆記 事◆

未遂犯の構造をめぐる近時の議論について(再論)……小林憲太郎


◆判決録細目◆

行 政

〇国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律(平成24年法律第99号)は、憲法25条、13条、29条1項、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)2条、9条、11条1項に違反しないとした事例
(高松高判令4・5・26〈参考原審:徳島地判令2・12・23〉) 

〇幼少期に発行された身体障害者手帳が国民年金法施行規則(平成27年厚生労働省令第144号による改正前のもの)31条2項6号の「障害の原因となつた疾病又は負傷に係る初診日(疾病又は負傷が昭和61年4月1日前に発したものであるときは、当該疾病又は負傷が発した日を含む。)を明らかにすることができる書類」に当たるものとされた事例
(名古屋高金沢支判令3・9・15〈参考原審:金沢地判令2・11・13〉)


民 事

〇弁護士会が所属弁護士に対してした業務停止1月の懲戒処分が違法であったとして国家賠償法に基づく損害賠償請求を認容した原判決が取り消され、同請求が棄却された事例
(東京高判令4・4・14〈参考原審:東京地判令3・1・26本誌2512号48頁〉)


▽被告が開設する病院において、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を受けた84歳の男性が手術の翌日に死亡した事案につき、執刀医に適応外であるESDを実施した注意義務違反があったとして、被告に対する使用者責任に基づく損害賠償請求を認容した事例
(東京地判令3・8・27)


▽禁忌であった血栓溶解剤を投与したことにより患者が死亡した事案において、担当医師の死亡診断書の記載、担当医師が異状死の届出をしなかったこと、病院管理者が医療法上の医療事故として報告をしなかったことにつき、遺族の権利利益を違法に侵害したとは認められないとされた事例
(大阪地判令4・4・15)


刑 事

▽いわゆる特殊詐欺等の事案において、包括的共謀の成立が認められなかった事例
(東京地判令3・12・7)


判例評論

46 廃棄物処分場の立地自治体による、一般廃棄物の搬入及び処分を委託した者への事務管理に基づく有益費償還請求が認められた事例
(福井地判令3・3・29)……奥田進一

47 相続税法32条1項に規定する更正の請求と納税者の権利救済
(最一判令3・6・24)……谷口智紀

48 1 電気通信事業に従事する者及びその職を退いた者と民事訴訟法197条1項2号の類推適用
  2 電気通信事業者は、その管理する電気通信設備を用いて送信された通信の送信者の特定に資する氏名、住所等の情報で黙秘の義務が免除されていないものが記載され、又は記録された文書又は準文書を検証の目的として提示する義務を負うか
(最一決令3・3・18)……安永祐司


【別冊付録】

判例時報総索引2499号~2535号(2022年版)
◆記 事◆

わが国における近年の責任構想について(再論)……小林憲太郎


◆判決録細目◆

民 事

〇消火器の訪問販売業者に対し、契約書用紙とパンフレットの裏面に記載した契約条項の全条項の使用差止めを求めた適格消費者団体の請求が認められた事例
(仙台高判令3・12・16〈参考原審:仙台地判令3・3・30本誌2538号44頁〉)

▽マンションの専有部分での住宅以外の利用を禁止しているマンション管理規約の趣旨及び目的等に照らして、専有部分を障害者グループホームとして利用することが、前記マンション管理規約の規定に違反し、建物の区分所有等に関する法律6条3項、1項の区分所有者の共同の利益を侵害する行為に該当し、かつ原告による本件の訴訟提起等が法令等の規定する不当な差別に該当しないと判断して、原告が請求していた被告による障害者グループホームとしての利用の停止及び提訴に要した弁護士費用等の支払を認めた事例
(大阪地判令4・1・20)

▽フランス人の夫と日本で同居していた日本人の妻が、子らを連れて別居し、その後、フランスの裁判所が「監督責任を持つ者からの子供の略奪」などの罪状で妻を被疑者とする逮捕状を発布したという事実関係の下で、子らの親権者を妻と指定した事例
(東京家判令4・7・7)

▽地方議会議員の地方議会内における発言及び地方議会外におけるSNS上の発言について、国家賠償法上の違法性が認められた事例
(横浜地判令3・12・24)


知的財産権

▽特定農林水産物等の名称の保護に関する法律12条1項に基づく特定農林水産物等の登録に関する処分の取消しを求める訴えが、行政事件訴訟法14条1項ただし書にいう「正当な理由」があるとはいえないとされた事例
(東京地判令4・6・28)


労 働

▽大学で語学の授業を担当する非常勤講師につき、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律15条の2第1項1号の「研究者」該当性を否定し、労働契約法18条に基づく無期労働契約への転換を認めた事例
(東京地判令3・12・16)


刑 事

〇現金等の回収役であった被告人と共犯者との間で共謀がなされ、これに基づいて実行役が被害者からキャッシュカード等を詐取し、それを用いて現金を引き出したという詐欺、窃盗の事案合計17件のうち、10件について、被告人のアリバイの成立が否定できず回収役であったとは認められない、あるいは回収役であったが共謀が認められないとして無罪とし、7件について、犯罪の成立を認めた1審判決の事実認定を支持した事例
(仙台高判令3・12・16)


◆最高裁判例要旨(2022(令4)年8・9月分)
◆記 事◆

情報をめぐる現代の法的課題(10)
 ツイッター投稿記事削除請求事件──最二判令4・6・24 ……宮下 紘


◆判決録◆

民 事

〇当事者双方とも年金収入がある婚姻費用分担請求事件において、いわゆる標準的算定方式の適用にあたって、年金収入を給与収入に換算する場合には、職業費がかかっていないことから修正計算をした一方で、事業収入に換算する場合には、事業収入は既に職業費に相当する費用を控除済みであるとして、修正計算は必要ないとした事例
(東京高決令4・3・17)

〇遺言者の財産を特定の者に包括遺贈する旨の遺言において、遺言執行者に預貯金の解約・払戻しの権限が付与されている場合、法定相続人の一部の者が遺留分減殺請求権を行使したとしても、遺言執行者は単独で貯金債権の全額の払戻しを請求することができるとされた事例
(高松高判令3・6・4)

〇記名式定期預金及び記名式定期積金の預金債権が預金名義人に帰属するとされ、これらの払戻しが預金名義人の意思に基づかずにされたもので無効であるとされた事例
(大阪高判令3・10・8)

▽インターネットオークションにおける物品の売買取引において落札時に売買契約が成立したとされた事例
(横浜地判令4・6・17)

▽陸上自衛隊の教育課程に入校した自衛官が自殺したことについて、その指導に当たった自衛官らが国の履行補助者としての安全配慮義務に違反したことが認められた事例
(熊本地判令4・1・19)

▽石綿製品工場における石綿粉じん曝露のために石綿肺に罹患し、その後死亡した男性について、生前受けていたじん肺法に基づく管理区分の決定よりも重い管理区分に相当する石綿肺の病態を発症していたと認定して、相続人らの国家賠償請求を認容した事例
(岐阜地判令3・12・10)


労 働

〇1 原告の主張が審査請求と取消訴訟とで異なるが、審査請求前置の要件を満たすとされた事例
 2 遺族補償給付等不支給処分に対する取消訴訟において、労働者が特異的な形態学的変化のない心臓性突然死により死亡したものと認定された事例
(名古屋高金沢支判令3・11・10)


刑 事

〇強盗殺人等の犯行時、被告人は、その主人格が別人格をコントロールできない状態にあったが、主として別人格が支配している精神状態においても、目的に従って合理的な行動をしていること、状況を正しく認識し、行動のコントロールができていたという鑑定人の意見に基づき、被告人の完全責任能力を認めた原判決を是認した事例
(大阪高判令1・12・12)
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