判例時報 発売日・バックナンバー

全376件中 106 〜 120 件を表示
◆記 事◆

海外判例研究──第11回──

・憲法

 トランプ大統領が下院の議席数を算定する際に国勢調査の数から不法移民の数を除こうと企図したことの違法性が争われた事例……大林啓吾

 不法移民の援助を禁止する法律違反の罪で逮捕された刑事事件において、当事者の申立てがなかったにもかかわらず原判決(連邦高裁)が表現の自由の問題に関するアミカスを募って過度広範ゆえに無効としたのは裁量を逸脱しているとした事例……大林啓吾

・民法

 ウィーチャット(微信)投稿による名誉毀損事件……胡 光輝

 「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」の幼児の「常居所」の認定については、両親の共有の意図は必要ではなく、当該事案の「状況の全体(totality of circumstances)をみて決めるものであるところ、控訴裁判所は、幼児の「常居所」についての第1審裁判所の判断が明らかに間違っていない限り、その判断に従わなければならない……ダン ローゼン・西口 元

・消費者法

 タクシー利用者とタクシー運転手をつなぐスマートフォン・アプリは、情報社会サービスの域を超えた運輸サービスを提供するものであるとはいえない……カライスコス アントニオス

・刑法

 交際相手等から受け取った自画撮り画像を流出させる行為……小池信太郎

 他人のデビットカードを用いた非接触型決済による商品購入の可罰性……仲道祐樹


◆書 評◆

山浦善樹『お気の毒な弁護士』
評者……加藤新太郎


◆判例特報◆

普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰と司法審査
 ──岩沼市議出席停止処分事件(最大判令2・11・25)


◆特 集◆

岩沼市議出席停止処分事件
①岩沼市議会議員出席停止処分事件に関する最高裁大法廷判決の意義……人見 剛
②岩沼市議会議員出席停止処分取消等請求事件
 ──昭和35年最判の判例変更に至る経緯と今後の課題……十河 弘


◆判決録細目◆

民 事

◎請負人である破産者の支払の停止の前に締結された請負契約に基づく注文者の破産者に対する違約金債権の取得が、破産法72条2項2号にいう「前に生じた原因」に基づく場合に当たり、前記違約金債権を自働債権とする相殺が許されるとされた事例
(最三判令2・9・8)

◎財産の分与に関する処分の審判において当事者双方がその協力によって得た一方当事者の所有名義の不動産であって他方当事者が占有するものにつき当該他方当事者に分与しないものと判断した場合に家事事件手続法154条2項4号に基づきその明渡しを命ずることの許否
(最一決令2・8・6)

▽消費者庁が原告名を明示した消費者被害に関する注意喚起情報を同庁ホームページ上に公表し、当該消費者被害を生じさせた預金口座が原告名義の預金口座であるとの通知を消費者庁から受け取った金融機関が、同口座につき預金取引停止の措置を講じ、これを継続していることは、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律3条1項に基づく措置として相当なものであるとされた事例
(東京地判令2・8・6)

▽1 検察官の再審請求権限不行使の違法を理由とする国家賠償請求を棄却した事例
 2 被告人がハンセン病にり患していることを理由として国立ハンセン病療養所等を開廷場所としたことが裁判所法69条2項に違反し、同開廷場所の指定及びこれに基づく刑事事件の審理が、被告人がハンセン病にり患していることを理由とする合理性を欠く差別に当たり、被告人の人格権を侵害したものとして、憲法14条1項、13条に違反するとした事例
(熊本地判令2・2・26)


知的財産権

〇意匠に係る物品を検査用照明器具とする登録部分意匠に類似する意匠を備える製品を製造等して意匠権を侵害したとして、製品の製造、販売等の差止請求、及び損害賠償請求を一部認容した原判決を維持し、控訴を棄却した事例
(大阪高判令1・9・5〈参考原審:大阪地判平30・11・6〉)


刑 事

〇被告人の自白調書について、客観的事実との整合性と供述経過の両面から問題点を指摘してその信用性を否定し、自白調書に基づいて赤信号を殊更無視したとして危険運転致死罪の成立を認めた1審判決を破棄して、予備的訴因である過失運転致死罪の成立を認めた事例
(大阪高判令2・7・3〈参考原審:大阪地判令1・10・3〉)

〇1 生後2か月の乳児が急性硬膜下血腫等の傷害を負い脳機能不全により死亡したのは、被告人(乳児の祖母)による揺さぶり等の外力によるものではなく、内因性の脳静脈洞血栓症とDIC(播種性血管内凝固症候群)であった可能性が否定できないなどとして、原判決(懲役5年6月)を事実誤認を理由に破棄し、被告人に無罪を言い渡した事例(①事件)
 2 生後1か月半の乳児が回復見込みのない遷延性意識障害を伴う急性硬膜下血腫等の傷害を負ったのは、被告人(乳児の母)による揺さぶり等によるものではなく、長男に落下させられて生じた可能性を否定できないなどとして、原判決(懲役3年・5年間執行猶予)を事実誤認を理由に破棄し、被告人に無罪を言い渡した事例(②事件)
(①大阪高判令1・10・25〈参考原審:大阪地判平29・10・2〉、
 ②大阪高判令2・2・6〈参考原審:大阪地判平30・3・13本誌2395号100頁〉)
『統治構造において司法権が果たすべき役割・第1部』

◆巻頭言                      渋谷秀樹

◆第一章 違憲審査活性化の複眼的検討        笹田栄司

◆第二章 政官関係と司法についての覚書
 ――公務員制の憲法的再定位            山本龍彦

◆第三章 司法権と違憲審査権
 ――客観訴訟の審査対象              渋谷秀樹

◆第四章 砂川事件再審請求事件からみた
 憲法的非常救済手段――「番人の番人」は誰か    村岡啓一

◆第五章 砂川事件最高裁判決の形成過程と今日的意義
 ――入江俊郎の「統治行為論」を分析軸として    嘉多山 宗

◆第六章 権威の文化と正当化の文化――日本の違憲審査制
 はグローバル化に耐えうるか?――         阪口正二郎

◆第七章 民事裁判における手続上の瑕疵の憲法的統制 笹田栄司

◆第八章 司法審査の多数者主義的性格に関する覚書
 ――「逆さまの司法審査」論を素材に        山本龍彦

◆第九章 裁判所における違憲審査の基準       渋谷秀樹

◆第十章 違憲判断の効力と憲法判例の拘束力     野坂泰司
◆記  事◆

コロナ禍社会における法的諸問題
 ⒁医療・介護の現場における今後の課題(概観)……戸谷由布子
 ⒂コロナ禍と訴訟運営──IT化と甦(よみがえ)る口頭主義……伊藤 眞


◆判決録細目◆

行 政

▽平成25年厚生労働省告示第174号及び平成26年厚生労働省告示第136号によって行われた生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)における生活扶助の基準の改定が生活保護法3条又は8条に違反しないとされた事例
(名古屋地判令2・6・25)


民 事

◎1 検察官等から鑑定の嘱託を受けた者が当該鑑定に関して作成し若しくは受領した文書等又はその写しは民事訴訟法220条4号ホに定める刑事事件に係る訴訟に関する書類又は刑事事件において押収されている文書に該当するか(①事件)
 2 鑑定のために必要な処分としてされた死体の解剖の写真に係る情報が記録された電磁的記録媒体が民事訴訟法220条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとされた事例(②事件)
(①②最三決令2・3・24)

〇いじめ行為によって自殺した中学2年の生徒の被った自殺に係る損害について、加害生徒によるいじめ行為から「通常生ずべき損害」に当たるとして、いじめ行為と前記損害との間に相当因果関係があることを認めた事例
(大阪高判令2・2・27〈参考原審:大津地判平31・2・19〉)

〇1 被相続人の財産全部の包括遺贈の後に遺留分減殺請求がされた場合において、遺言執行者がした相続財産である不動産の包括受遺者に対する所有権移転登記手続について、包括受遺者に対する不法行為の成立を認め、遺留分権利者に対する不法行為の成立を否定した事例
 2 弁護士法58条1項に基づく懲戒請求が対象弁護士に対する不法行為を構成するとされた事例
 3 告訴が被告訴人に対する不法行為を構成するとされた事例
(広島高判平31・3・14〈参考原審:山口地判平30・3・8〉)

▽妊娠23週の妊婦が息苦しさ等を訴えて病院を受診した5日後に死亡し、死因に争いがある事案について、死因を特定することはできないものの、医師の検査義務違反及び因果関係を肯定できるとして遺族による損害賠償請求を認めた事例
(千葉地判令2・3・27)

▽フランチャイズ加盟店契約に係る取引が業務提供誘引販売取引に当たるとして、クーリング・オフによる同契約の解除が認められた事例
(大津地判令2・5・26)


刑 事

〇1 検察官による裁判員対象事件からの除外を求める請求を却下した原決定を取り消し、同対象事件からの除外を認めた事例
 2 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律3条1項所定の「おそれ」は具体的事情により認められる必要があり、裁判員等に過度の負担を求めることとならない抽象的懸念にとどまる場合はこれに該当しないとした上で、具体的根拠に基づく危険があると認め、同項の要件を充足すると判断した事例
(大阪高決令2・10・27)

〇1 死体血鑑定の原理及び本件で実施された死体血鑑定がいずれも合理的であると判断された事例
 2 被告人車両内に被害者の血痕があり、それが死体血と認められること等の間接事実を総合考慮すれば、死体損壊等につき被告人の犯人性を推認できるとした事例
(大阪高判令2・10・2〈参考原審:大津地判令1・12・6〉)
◆特 集◆

日米欧刑事司法の比較法的検討
 カルロス・ゴーン事件が提起した検討課題と本特集の意義……宮澤節生
 「寛大なパターナリズム」再考……ダニエル・H・フット
 カルロス・ゴーンと日本の「有罪率99%」
  ―日本の刑事司法を比較法の視点から検討する―……ブルース・アロンソン
 アメリカにおける比較法は何が問題なのか?……フランク・アッパム/初谷湧紀(訳)
 日米の自白について……デイビッド・T・ジョンソン/杉山日那子(訳)
 ヨーロッパと日本における改革の10年
  ──公正な取調べと刑事弁護の比較法的考察……ディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク


◆記 事◆

乳腺外科医事件 控訴審逆転有罪
 ──秘匿された「職業せん妄」の医学……佐藤一樹

コロナ禍社会における法的諸問題(13)
 新型コロナに関連する休業と所得保障
 ──社会保障法の視点から……中野妙子


◆判決録細目◆

行 政

◎被相続人に対して既に納付又は納入の告知がされた地方団体の徴収金につき納期限等を定めてその納付等を求める旨の相続人に対する通知と消滅時効の中断
(最二判令2・6・26)


◎1 経過観察を受けている被爆者が原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律10条1項所定の「現に医療を要する状態にある」と認められる場合(①事件)
 2 経過観察自体が、経過観察の対象とされている疾病を治療するために必要不可欠な行為であり、かつ、積極的治療行為の一環と評価できる特別の事情があるといえるか否かについての判断の方法(①事件)
 3 慢性甲状腺炎について経過観察を受けている被爆者が原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律10条1項所定の「現に医療を要する状態にある」と認められるとはいえないとされた事例(①事件)
 4 放射線白内障についてカリーユニ点眼液の処方を伴う経過観察を受けている被爆者が原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律10条1項所定の「現に医療を要する状態にある」と認められるとはいえないとされた事例(②事件)
(①②最三判令2・2・25)


▽非居住者が内国法人の事業の方針の全部又は一部につき実質的に決定できる関係(租税特別措置法施行令(平成24年政令第105号による改正前のもの)39条の13第11項3号)を有しているものとして過少資本税制における「国外支配株主等」(租税特別措置法(平成24年法律第16号による改正前のもの)66条の5第4項1号)に該当するものとされた事例
(東京地判令2・9・3)


▽厚生年金保険の被保険者であった養父と内縁関係にあった養子が厚生年金保険法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たるとされた事例
(大阪地判令2・3・5)


民 事

〇約7年間にわたり同居して事実婚の関係にあった同性カップルの1人が、事実婚の継続中に相手方が他の者と性的関係を持ったことにより事実婚が破綻したとして損害賠償を求めた事案において、婚姻に準ずる関係が破綻したとして請求を認めた事例
(東京高判令2・3・4〈参考原審:宇都宮地真岡支判令1・9・18〉)


〇割賦販売契約において、割賦代金債権を第三者に譲渡することをあらかじめ異議をとどめないで承諾すると定められた条項について、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)468条1項の異議をとどめない承諾としての効力を有しないとした事例
(東京高判令1・11・14〈参考原審:東京地判平31・1・29〉)


〇夫である相手方が、別居中の妻である抗告人に対し、未成年者らの監護者を相手方と指定するとともに、現在、抗告人の下で養育されている二女及び三女を相手方に引き渡すことを求める一方で、抗告人が、相手方に対し、未成年者らの監護者を抗告人と指定するとともに、現在、相手方の下で養育されている長女を抗告人に引き渡すことを求めた事案において、原審は、未成年者らの監護者をいずれも相手方と指定し、二女及び三女を相手方に引き渡すよう命じたところ、抗告審は、姉妹分離の点については、監護者指定に当たっての一考慮要素にすぎないとした上で、二女及び三女との関係では、従前ないし現在の監護環境を維持することが最も子の福祉に合致するとして、長女の監護者を相手方と、二女及び三女の監護者を抗告人とそれぞれ定め、抗告人及び相手方のその余の申立てはいずれも却下した事例
(東京高決令2・2・18)


▽1 憲法53条後段に基づく内閣の臨時会の召集決定は、司法審査の対象外であるといえないとした事例
 2 内閣は、憲法53条後段所定の召集要求があった場合において、臨時会を開催するべき憲法上の義務を負うとしても、当該義務は、国家賠償法上、個々の国会議員に対する職務上の義務とはいえないから、憲法53条後段に基づく臨時会の召集要求に対する内閣の召集決定は、国家賠償法1条1項の適用上、違法と評価する余地はないとした事例
(那覇地判令2・6・10)


刑 事

〇店舗等における窃盗3件及び放置盗難自転車の持ち去りという窃盗、占有離脱物横領保護事件において、少年を第1種少年院送致とした原決定につき、試験観察に付することを含め、社会内処遇の可能性を十分に検討すべきであり、処分が著しく不当であるとして、これを取り消した事例
(東京高決令2・4・3)


判例評論

5 労働者供給契約を前提とした有期雇用契約の更新に対する雇止め法理(労契法19条)の適用の可否──国際自動車ほか事件
(東京高判平31・2・13)……新屋敷恵美子

6 解離性同一性障害と責任能力の判断
(東京高判平30・2・27)……安田拓人

7 入院患者に対する殺人により有罪が確定した元看護助手の再審において犯罪の証明がないとして無罪を言い渡した事例──湖東記念病院事件再審無罪判決
(大津地判令2・3・31)……田淵浩二

8 防犯カメラの映像に照らし、証人の証言の信用性が否定され、現行犯逮捕された被告人が無罪とされた事例
(東京地立川支判平30・5・7)……星周一郎
◆記 事◆

会社法・金融法随想─立法事実からみる、近況・課題(7・完)
 金融・資本市場に関する法制(その2)……神田秀樹


◆判決録細目◆

行 政

◎市立中学校の柔道部の顧問である教諭が部員間のいじめにより受傷した被害生徒に対し受診に際して医師に自招事故による旨の虚偽の説明をするよう指示したこと等を理由とする停職6月の懲戒処分を違法とした原審の判断に違法があるとされた事例
(最一判令2・7・6)

◎裁判官がインターネットを利用して投稿による情報発信等を行うことができる情報ネットワーク上で投稿をした行為が裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」に当たるとされた事例
(最大決令2・8・26)


民 事

〇特別養護老人ホームに入所中の女性が急性心筋梗塞で死亡した場合に、急性期に診断した医師に適切な医療処置を施すべき義務に違反した過失があるとして、慰謝料請求が認容された事例
(東京高判令2・8・19〈参考原審:甲府地判令1・11・26〉)

〇いわゆるフィリピン残留2世の就籍許可申立てを認容した事例
(広島高決令2・3・25〈広島家審令1・6・10〉)

▽鉄道高架下土地の賃貸借契約について、借地法は適用されないとした事例
(神戸地判令2・2・20)


知的財産権

◎1 著作権法19条1項の「著作物の公衆への提供若しくは提示」は、同法21条から27条までに規定する権利に係る著作物の利用によることを要するか
 2 インターネット上の情報ネットワークにおいてされた他人の著作物である写真の画像の掲載を含む投稿により、同画像が、著作者名の表示の付された部分が切除された形で同投稿に係るウェブページの閲覧者の端末に表示された場合に、同閲覧者が当該表示された画像をクリックすれば、前記著作者名の表示がある元の画像を見ることができるとしても、同投稿をした者が著作者名を表示したことにはならないとされた事例
 3 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づく発信者情報の開示請求をする者が、インターネット上の情報ネットワークにおいてされた同人の著作物である写真の画像の掲載を含む投稿により、同写真に係る氏名表示権を侵害された場合に、同投稿をした者が、同項の「侵害情報の発信者」に該当し、かつ、同項1号の「侵害情報の流通によって」前記開示請求をする者の権利を侵害したものといえるとされた事例
(最三判令2・7・21)

▽Y2が特許権侵害となるOEM製品を国内で製造して自社の在庫として輸出した後に同一グループのY1又はY3に販売し、Y1又はY3が海外において同製品をOEM供給先に販売して得た利益について、一連の行為の意思決定は実質的に国内で行われていること、Y1・Y2・Y3には国内での製造・輸出に関して共同不法行為が成立することを理由に、特許法102条2項の推定が及ぶとされた事例
(東京地判平31・3・7)


刑 事

◎高等裁判所がした控訴取下げを無効と認め訴訟手続を再開・続行する旨の決定に対する不服申立ての可否
(最三決令2・2・25)
◆記 事◆

裁判制度のパラダイムシフト
 ─過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(4)
 ──最高裁判所の構造分析──
 「二重の役割」を担う裁判所の宿命……笹田栄司


コロナ禍社会における法的諸問題(12)
 コロナ禍社会における学校法務……鈴木勝利


◆判決録細目◆

行 政

◎ふるさと納税制度に係る平成31年総務省告示第179号2条3号の規定のうち、地方税法37条の2及び314条の7を改正する平成31年法律第2号の規定の施行前における寄附金の募集及び受領について定める部分の法適合性
(最三判令2・6・30)


民 事

◎1 交通事故の被害者が後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合に、同逸失利益は定期金による賠償の対象となるか
 2 交通事故に起因する後遺障害による逸失利益につき定期金による賠償を命ずるに当たり被害者の死亡時を定期金による賠償の終期とすることの要否
 3 交通事故の被害者が後遺障害による逸失利益について定期金による賠償を求めている場合に、同逸失利益が定期金による賠償の対象となるとされた事例
(最一判令2・7・9)

○夫である相手方(原審申立人)が妻である抗告人(原審相手方)に対し、前件調停で合意された婚姻費用の分担額の減額を求めた事案において、相手方の収入の減少は、具体的に予見されていたものとはいえず、改めて婚姻費用の額を算定するのが相当であるとした上で、その算定の基礎とすべき相手方の収入は、退職月の翌月から離婚又は別居解消に至るまでの期間については、相手方が65歳で年金受給を開始していたとすれば受給できた年金収入を給与収入に換算した額及び配当収入を給与収入に換算した額を合算した額とするのが相当であるとして、原審判を一部変更した事例
(東京高決令1・12・19〈参考原審:東京家審令1・9・6〉)

○1 1審判決言渡期日の調書に言渡しを行った主体(裁判長)の記載がない場合に、控訴審において、適式な判決の言渡しはされなかったとして取消しを免れないとしつつ、原判決の判断を支持し、差し戻すことなく控訴を棄却した事例(①事件)
2 1審の審理中に裁判体を構成する裁判官の一部(2名)に交代があったにもかかわらず、口頭弁論調書に弁論の更新がされた旨の記載がされないまま、交代後の裁判体によって原判決が言い渡された場合に、控訴審において、「第1審の判決の手続が法律に違反したとき」に当たるとして、原判決を取り消して差し戻した事例(②事件)
(①福岡高判令2・5・29〈参考原審:福岡地判令1・10・17〉、
 ②高松高判令2・9・16〈参考原審:高知地判令2・3・24〉)


労 働
▽使用者が、性同一性障害の労働者(生物学的性別が男性、性自認が女性)に対し、化粧を施して業務に従事していることを理由に就労を拒否したことが、使用者の責めに帰すべき労務提供の不能にあたると判断された事例
(大阪地決令2・7・20)


刑 事
○1 被害者が6名に上る強盗殺人事件につき、外国人の被告人に完全責任能力を認めて死刑を言い渡した原判決を破棄し、被告人の心神耗弱を認めて無期懲役を言い渡した事例
2 被告人の犯行時の精神状態について、統合失調症による被害妄想を認めつつ犯行動機を金品取得目的に限定して完全責任能力を認めた原判決は、犯行当時の被告人の精神的な不穏状態が動機形成に及ぼした影響を十分に検討していない点で不合理であり、妄想及び精神的に不穏な状態が行動に及ぼした影響を考慮すれば、金品取得目的のほかに妄想上の追跡者から逃れる目的や妄想のゆえ被害者に誤った意味づけをした結果として犯行に及んだ可能性を否定できないとして、被告人に心神耗弱を認めた事例
(東京高判令1・12・5〈参考原審:さいたま地判平30・3・9本誌2416号98頁〉)


○特別養護老人ホームの入所者が間食として提供されたドーナツを摂取して窒息し、死亡したとされる事故について、事故当日、間食介助に加わり、ドーナツを配膳して提供した同施設の准看護師に業務上過失致死罪が成立しないとした事例
(東京高判令2・7・28〈参考原審:長野地松本支判平31・3・25〉)
◆記 事◆

◎特別寄稿
触法障害者とダイバージョン
──地域福祉と触法障害者を支援する〝2人目の弁護士″の必要性──……青木志帆


◆判決録細目◆

行 政

▽1 許可認可等臨時措置法(昭和18年法律第76号)及びその委任を受けた都市計画法及同法施行令臨時特例(昭和18年勅令第941号)に基づき内閣の認可を受けることなく行われた旧都市計画法(大正8年法律第36号)に基づく都市計画決定が違法であるとはいえないとされた事例
 2 関東地方整備局長が行った道路の整備に係る都市計画事業の認可が、その前提となる都市計画決定後の社会・経済情勢の変化との関係において違法であるとはいえないとされた事例
(東京地判令2・2・27)

▽夫の暴力から逃れるため約13年間夫と別居し、住民票上の住所を移していた妻について、生計同一要件を満たすとして、厚生労働大臣がした遺族厚生年金を支給しない旨の処分を取り消し、厚生労働大臣に対し、遺族厚生年金の支給裁定をすべき旨を命じた事例
(東京地判令1・12・19)


民 事

◎担保不動産競売の手続において最高価買受申出人が受けた売却許可決定に対し他の買受申出人が民事執行法188条において準用する同法71条4号イに掲げる売却不許可事由を主張して執行抗告をすることの許否
(最二決令2・9・2)

▽いわゆる給与ファクタリング取引に基づくファクタリング業者から労働者に対する金銭支払請求が棄却された事例
(東京地判令2・3・24)

▽債権者が、債務者の運営するウェブサイト検索サービスで検索される検索結果は債権者の社会的評価を低下させるものであるとして、人格権に基づき、債務者に対して検索結果の削除を求めた仮処分申立事件において、反真実の疎明があるとして債権者の申立てを一部認容した原決定が異議審において取り消された事例
(千葉地決令1・12・3)


知的財産権

▽設計、製造技術情報供与に関する契約につき、その中心となるものは特許権の実施許諾契約であり、技術情報の提供はこれに付随するものであるとして、特許権の存続期間経過による消滅に伴い、ロイヤルティ支払義務も消滅するとされた事例
(大阪地判令1・10・3)


商 事

○1 株主間でされた取締役選任の合意について、直近の株主総会より後の株主総会において議決権行使の履行強制をすることができるほどの法的効力を付与する意思があったとはいえないとした事例
 2 株主間でされた取締役選任の合意について、何らかの法的効力を付与する意思があったとしても、その契約当事者の意思は、特定人たる取締役侯補者又は自然人たる契約当事者に相続が発生した場合においては、合意の法的効力が消滅するというものであったとした事例
(東京高判令2・1・22〈参考原審:東京地判令1・5・17〉)


刑 事

○危険運転致死傷等被告事件の公判前整理手続で、原裁判所が、因果関係がなく危険運転致死傷罪の成立が認められない旨の結論を明示的かつ断定的に書面で表明した訴訟手続にはその権限を逸脱した違法があり、また、その見解の変更を前提とする主張や反証の機会を訴訟当事者に一切与えないまま有罪判決を宣告した訴訟手続には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があるとして、原判決が破棄されて差し戻された事例
(東京高判令1・12・6)


◆最高裁判例要旨(2020(令2)年10・11月分)


判例評論

1 日米地位協定刑事特別法12条2項が定める無令状での身柄拘束の手続は、米軍により現行犯として身柄を拘束された者に適用される限りにおいて憲法33条に違反しないとした上で、米軍からその者の身柄を引き渡す旨の通知を受けた海上保安官による身柄引受けの遅延及び身柄拘束の継続は、それぞれ国賠法上違法であるとした事例
(福岡高那覇支判令1・10・7)……水島朋則

2 「公立女子大学における男女別学を問う訴訟に関する週刊誌の記事において、名誉毀損の成立は認めなかったものの、同記事の意見は社会通念上許容される限度を超えるとして名誉感情侵害の成立を認めた事例」
(福岡地判令1・9・26)……田代亜紀

3 特許法102条2項・3項に基づく損害額の算定──二酸化炭素含有粘性組成物事件大合議判決
(知財高判令1・6・7)……金子敏哉

4 日本郵便(更新上限)事件──民営化に伴い就業規則で設けられた更新上限年齢到達を理由とする雇止めが認められた事例
(最二判平30・9・14)……本庄淳志
◆記 事◆

コロナ禍社会における法的諸問題
 ⑽コロナ禍社会で「繋がり」について考える……石塚章夫
 ⑾コロナ・パンデミックと法律……吉戒修一


死刑制度論のいま──基礎理論と情勢の多角的再考(8)
 死刑の認定・量刑に必要な適正手続とは何か……椎橋隆幸


◎特別寄稿
公判の不誠実な不行使と違法な起訴……船山泰範


現代型取引をめぐる裁判例(461)……升田 純


◆判決録細目◆

民 事

〇1 区分所有建物の管理組合法人の役員である理事及び監事の選任に係る管理規約の定めで、役員候補者として選出されるために理事会の承認を必要とすることは、成年被後見人等やこれに準ずる者のように客観的にみて理事等としての適格性に欠ける者について承認しないことができるという趣旨の限度において、有効であるとされた事例
 2 区分所有建物の管理組合法人の役員である理事及び監事の選任について、役員候補者として選出されるためには理事会承認を必要とする管理規約が定められている場合において、区分所有建物の管理組合法人の理事会が裁量の範囲を逸脱して区分所有者の役員への立候補を認めない旨の決定をしたときは、当該立候補者の人格的利益を侵害するものとして、違法であるとされた事例
 3 区分所有建物の管理組合法人の管理規約において、役員である理事及び監事の選任について、役員候補者として選出されるためには理事会承認を必要とする条項が定められている場合において、区分所有建物の管理組合法人の理事会が裁量の範囲を逸脱して、区分所有者の役員への立候補を認めない旨の違法な決定をしたときであっても、管理規約において承認についての基準が明示されず、理事会の裁量を制限する定めもなく、前記条項の趣旨が裁判等によって明らかにされていたものではないなどの事情の下では、裁量の範囲を逸脱したことについて、過失がないとされた事例
(東京高判平31・4・17〈参考原審:東京地判平30・7・31〉)

〇建築作業従事者らが、石綿粉じんのばく露により健康被害を受けたとして石綿含有建材を製造・販売した企業等に対し、共同不法行為に基づき、損害賠償請求をした事案において、民法719条1項後段を類推適用して、概ね20%以上のシェアを有する建材メーカーが製造・販売した石綿含有建材であれば、建築現場にしばしば到達したことを是認し得る高度の蓋然性があるなどとして、共同不法行為責任が認められた事例
(東京高判令2・8・28)

〇人身傷害補償保険会社が、被害者の同意を得て加害者の加入する自賠責保険金を回収した場合において、これを加害者の被害者に対する弁済に当たるとして、損益相殺を認めた事例
(福岡高判令2・3・19〈参考原審:福岡地判令1・8・7〉)

▽被告病院において肝臓の病態を把握するための経皮的肝生検を受けた患者が、担当医師に穿刺の際に誤って肺胞を傷つけられ、右脳梗塞(空気塞栓症)による左片麻痺と感覚障害の症状が残り、左上肢は拘縮のために機能全廃の後遺症が残存した事案において、被告病院に合計約1億3000万円の賠償が命じられた事例
(東京地判令2・1・23)

▽会社従業員の行った違法な会員権販売につき、会社及び代表取締役個人の不法行為責任を認めた事例
(京都地判令2・2・20)

▽普通河川からの流入水によって生じた被害について、普通河川管理の瑕疵が肯定された事例
(熊本地判令2・3・18)

▽原告が、前訴の損害賠償請求訴訟において原告の請求に否定的な意見を述べる鑑定をした鑑定人を被告として、前訴で請求が棄却された部分を損害として損害賠償を請求する訴訟を提起した場合、このような請求は、再審に関する民事訴訟法338条2項所定の事由に準ずるようなとき、又は被告の行為が著しく正義に反し、確定判決の既判力による法的安定性の要請を考慮してもなお容認し得ないような特別の事情があるときに限って許されるとした事例
(山口地下関支判令2・5・19)


刑 事

〇少年が当時の交際相手である被害者に対して包丁を示して脅迫したという暴力行為等処罰に関する法律違反保護事件において、少年を第1種少年院送致とした原決定につき、非行についての評価は是認できず、要保護性についても、必ずしも認定の根拠が十分でない事実に基づく評価等を基に決定をした疑いがあり、処分が著しく不当であるとして、これを取り消した事例
(東京高決令2・4・2)

▽1 銃砲刀剣類所持等取締法違反の嫌疑で警察署に任意同行され取調べを受けた被告人を、取調べ終了後、強制採尿令状を執行するまで身柄を確保する目的で、身柄引受人が来なければ帰ることができない旨虚偽の説明をし、その旨誤信させて、令状執行まで3時間余り警察署に留め置いたことが違法とされた事例
 2 覚せい剤の自己使用の事案について、強制採尿令状に基づいて採取された尿の鑑定書の証拠能力が、それに先立つ違法な留め置きを利用してされたことを理由に否定され、無罪の言渡しがされた事例
(横浜地判令1・11・20)

▽放火した犯人は在宅していた被告人と妻(火災で死亡)のいずれかであるが、被告人が出火に近接した時間帯に家屋から出た後、妻が精神疾患等の影響の下で放火した可能性があるとした原判決について、着火終了時刻の推定及び妻の放火の可能性の認定はいずれも不合理であるとして破棄された事案の差戻審
(さいたま地判令1・10・31)
◆記 事◆

ギンズバーグが残した憲法裁判(3・完)
 理論的に判例法を発展させるのは弁護士……紙谷雅子


◆判決録細目◆

行 政

◎取引相場のない株式の譲渡に係る所得税法59条1項所定の「その時における価額」につき、配当還元価額によって評価した原審の判断に違法があるとされた事例
(最三判令2・3・24)


民 事

○1 原子力損害の賠償に関する法律3条1項により原子力事業者に損害賠償責任がある損害について、当該原子力事業者は、同法に基づく損害賠償責任を負うほかに、民法709条の不法行為の規定に基づく損害賠償責任を負うことはないとした事例
 2 平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震による津波により発生した福島第一原子力発電所の爆発事故について、具体的な対策工事の計画又は実施を先送りしてきた中で事故の発生に至った被告の対応の不十分さを慰謝料の算定に当たっての重要な考慮事情とした上で、避難を余儀なくされ、避難生活が継続した精神的苦痛、故郷が喪失又は変容したことによる有形、無形の損害ないし精神的苦痛を考慮し、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針に基づき被告が支払義務を認める賠償額を超え、事故当時の生活の本拠に応じ、1人につき、帰還困難区域1600万円(被告が支払義務を認める賠償金1450万円)、居住制限区域又は避難指示解除準備区域1100万円(同850万円)、緊急時避難準備区域300万円(同180万円)の慰謝料を認めた事例
(仙台高判令2・3・12)

▽自動で降下するシャッターに車両が接触してシャッター及び車両が損傷した事故について、車両の運転手及びシャッターの設置管理者の双方に注意義務違反を認め、その過失割合を運転手70%、シャッター設置管理者30%と認定した事例
(東京地判令1・11・28)

▽市が運営する家庭的保育事業の家庭保育福祉員に預けられていた生後4か月の乳児が死亡したのは、当該家庭保育福祉員が睡眠中の乳児の状態を確認する注意義務に違反したためであり、また、市の職員には当該家庭保育福祉員に対する適切な助言指導を行う義務を怠った過失があると主張する乳児の母親が、当該家庭保育福祉員と市に損害賠償を請求した事案について、当該家庭保育福祉員には乳児の睡眠時チェックを怠った過失があり、市には当該家庭保育福祉員に対して医学的知見に即した指導研修を実施すべき義務を怠った過失があるとされた事例
(横浜地横須賀支判令2・5・25)

▽1 環境を汚染する行為が平穏生活権を侵害するものとして違法となる場合
 2 石炭火力発電所である仙台パワーステーションの運転により環境を汚染する行為が、環境汚染の態様や程度の面において社会的に容認された行為としての相当性を欠くということはできず、平穏生活権を侵害するものとして違法となると認めることはできないとされた事例
(仙台地判令2・10・28)


▽刑務所内で受刑者が金属製のバール及び玄能(ハンマー)を用いて抜釘作業中に、受刑者の左眼に異物が当たり視力低下の障害が残った事案で、刑務所の職員に保護眼鏡の着用を指示することを怠った職務上の注意義務違反があったとされた事例
(奈良地判令2・3・10)

▽市立中学校の2年に在学する被告生徒(13歳10か月)が職員室前の廊下で後方を振り返った際に、右手に持っていた水筒が遠心力で浮き上がり、その場に居た同級生である原告の目に当たり、原告に視力低下の後遺障害が残った事案について、被告生徒の責任は認めたが、その母親及び市の責任を否定した事例
(高松地判令2・5・22)


知的財産権

○コンタクトレンズ販売店の販売宣伝用チラシの著作物性が否定された事例
(大阪高判令1・7・25〈参考原審:大阪地判平31・1・24〉)


刑 事

○同居の実子A(当時19歳)がかねてより被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活しており抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて被告人がAと性交したとする2件の準強制性交等罪の事案において、抗拒不能状態を認定できないとして無罪とした1審判決を破棄し、有罪を言い渡した事例
(名古屋高判令2・3・12〈参考原審:名古屋地岡崎支判平31・3・26本誌2437号100頁〉)


◆最高裁判例要旨(2020(令2)年9月分)


判例評論

49 父が石綿粉じんばく露作業により胸膜中皮腫を発症して死亡した後、その死亡に係る労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金等の支給を受けていた母が死亡した場合において、父の死亡に係る母の遺族給付等に関する調査結果復命書等の情報が、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律12条1項所定の「自己を本人とする保有個人情報」に当たるとされた事例
(大阪地判令1・6・5)……板倉陽一郎

50 1 事理弁識能力を欠く状況にある区分所有者に対してなされた通知をもって、建物の区分所有等に関する法律59条2項の準用する同法58条3項に基づく弁明の機会を付与されたということはできないとされた事例
  2 弁明の機会を付与することなく、建物の区分所有等に関する法律59条1項に基づいて競売の請求の訴えの提起を議決した集会決議には瑕疵があるが、当該訴えの提起後に区分所有者のために選任された民事訴訟法上の特別代理人に対して弁明の機会が付与され、集会決議において当該訴えにかかる訴訟手続を継続する旨の決議がされれば、その瑕疵は治癒されるとされた事例
(札幌地判平31・1・22)……大山和寿

51 ひそかに児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為と同法7条5項の児童ポルノ製造罪の成否
(最一決令1・11・12)……永井善之


<別冊付録>
総索引(No.2424~No.2460)
◆記 事◆

死刑制度論のいま──基礎理論と情勢の多角的再考(7)
 再審請求中の死刑執行と再審請求手続……葛野尋之

現代型取引をめぐる裁判例(460)……升田 純

特集 集会の自由の意義と広場使用について
 ①「公用物」における集会の自由の意義と限界
     ──金沢市庁舎前広場事件を素材に……山崎友也
 ②集会及び表現の自由とその「場」の確保……小谷順子

ギンズバーグが残した憲法裁判(2)
 ギンズバーグ判事の平等理念
 ──アイコンとしてのRBGの功罪……大林啓吾

コロナ禍社会における法的諸問題(9)
 立ち止まって刑事裁判を考える……福崎伸一郎


◆判決録細目◆

行 政

◎複数の公務員が国又は公共団体に対して連帯して国家賠償法1条2項による求償債務を負う場合
(最三判令2・7・14)

▽同性の犯罪被害者と交際し共同生活を営む関係にあった者が、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条1項1号にいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に当たらないとされた事例
(名古屋地判令2・6・4)

▽市庁舎前広場の使用許可申請に対する不許可処分が適法とされた事例
(金沢地判令2・9・18)


民 事

○未成年者の祖母である相手方が、抗告人ら(未成年者の母及び養父)に対し、未成年者の監護者を相手方と定めることを求めた事案において、民法766条1項の法意に照らし、相手方は、未成年者を事実上監護する祖母として、未成年者の監護者指定を求める本件申立てをすることができるとした上で、抗告人らの親権の行使が不適当であるため、未成年者を抗告人らに監護させた場合、未成年者の健全な成長を阻害するおそれが十分に認められる一方、相手方による未成年者の監護状況に特段の問題はうかがわれず、未成年者が現時点においては落ち着いた生活を送ることができていることからすれば、未成年者の監護者を相手方と定めるのが相当であるとして、抗告人らの各抗告をいずれも棄却した事例
(大阪高決令2・1・16〈参考原審:大阪家審令1・9・27〉)

▽公立高校に教員として勤務していたAが、先輩教員であるBから度重なる注意を受けたことにより心理的負荷等を過度に蓄積させてうつ状態となり自殺したことについて、校長及び教頭においてAのうつ状態を認識しながらBによる度重なる注意を防止する措置を講じなかったことが安全配慮義務に違反するとして、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求が一部認容された事例
(仙台地判令2・7・1)

▽インターネット・メディアYが管理・運営する検索サービスウェブサイトに掲載されている医療法人Xの経営する歯科クリニックの診療業務の実情に関する口コミ投稿の内容が真実に反しXの名誉権を侵害するとしてなされた同投稿の削除仮処分申立てが却下された事例
(大阪地堺支決令1・12・27)

▽行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律並びに同法に基づき個人番号及び特定個人情報等の収集、保有、管理、利用等を行うマイナンバー制度が、憲法13条の保障する個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由を侵害するものではないと判断された事例
(①横浜地判令1・9・26、②名古屋地判令1・12・27)

▽夫婦の一方の各本国法を適用した結果、嫡出の推定が重複した子について、父を定めることを目的とする訴えの方法により、父を確定することができるとした事例
(千葉家松戸支判令2・5・14)


刑 事

○弁護人が提出した新証拠はいずれもそれに対応する旧証拠を弾劾するに足りず、かつ、これらの新証拠を旧証拠と併せて総合評価しても確定審の事実認定に合理的疑いを抱かせるものとはいえないとして、証拠の明白性を否定し、再審請求を棄却した事例
──三鷹事件第2次再審請求事件
(東京高決令1・7・31)
◆記 事◆

コロナ禍社会における法的諸問題(8)
 コロナ禍での財産制限にかかわる科学的知見の不定性……本堂 毅

◎新連載
ギンズバーグが残した憲法裁判(1)
 ルース・B・ギンズバーグと表現の自由……奈須祐治

◎特別寄稿
新規の解釈にもとづく法令の適用と罪刑法定主義
 ──弁護士職務基本規程第13条第1項違反事件をめぐって──……西原春夫


◆判決録細目◆

民 事

◎不動産の所有権移転登記の申請の委任を受けた司法書士に注意義務違反があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最二判令2・3・6)

○普通地方公共団体の議員らが別の議員に対する問責決議を提案した行為について、国家賠償法1条1項所定の違法な行為又は不法行為に当たるとは認められないとされた事例
(札幌高判令2・8・21〈参考原審:旭川地判令2・2・18掲載〉)

▽1 建物の賃貸人が賃借人の賃料不払による契約解除を原因とする建物明渡等を請求した訴訟について、転借人が民事訴訟法47条1項前段による独立当事者参加(詐害防止参加)をした事例
 2 原賃貸借の終了について債務不履行解除の形式がとられているものの転借人との関係では合意解除と評価すべきであるとし、原賃貸借の解除によっても転借権は消滅せず、原賃貸借の賃貸人は転貸借契約の賃貸人の地位を承継するとされた事例
(東京地判平31・2・21)

▽前訴において司法書士の不動産登記手続の過失による損害賠償責任が肯定された案件について、損害賠償責任は司法書士の故意によって生じたものであり、司法書士賠償責任保険契約に基づく保険金請求は免責されると判断した事例
(東京地判令2・7・1)

▽陸上自衛隊に所属していた申立人の勤務成績が記載された文書の一部の提出を求めた文書提出命令申立事件について、当該部分を証拠として取り調べる必要性があることを前提に、民事訴訟法220条4号に基づき申立てが認容された事例
(札幌地決令2・1・20)

▽氏名不詳者によってインターネット上の動画投稿サイトに投稿された動画等の内容が原告らの名誉・信用を毀損するものであり、また、それが原告らに対する嫌がらせないし復讐を主たる目的とするもので専ら公益を図る目的によるものとはいえないとして、当該動画投稿サイトの管理者である被告に対する当該動画等の削除請求及び発信者情報の開示請求が認められた事例
(徳島地判令2・2・17)


知的財産権

○特許発明を実施した特許権者の製品において、特許発明の特徴部分がその一部分にすぎない場合の特許法102条1項(令和1年法律第3号による改正前のもの)所定の損害額の算定方法、同場合の「単位数量当たりの利益の額」の算定方法及び判断基準並びに同項ただし書の事情として認められる事情について判断した事例
(知財高判令2・2・28)


◆最高裁判例要旨(2020(令2)年8月分)


判例評論

44 検索結果削除請求を認容した事例
(札幌地判令1・12・12)……志田陽子

45 平成29年選挙における東京都議会選挙区の適法性・合憲性
(最三判平31・2・5)……櫻井智章

46 固定資産評価審査委員会に審査の申出をした者が同委員会から棄却決定を受け、その取消訴訟を提起した場合に、同委員会による審査の際に主張していなかった事由を取消訴訟で新たに主張することは許されるとされた事例
(最三判令1・7・16)……海道俊明

47 1 日米地位協定刑事特別法12条2項の緊急逮捕規定は、米軍により現行犯的身柄拘束を受けた者の身柄引渡しに適用される限りにおいて、憲法33条に違反しないとされた事例

  2 米軍に拘束された者の身柄引受けの遅延及びその後の日米地位協定刑事特別法12条2項に基づく緊急逮捕が、いずれも国家賠償法上違法とされた事例
(那覇地判平31・3・19)……森川恭剛

48 親権制限と児童福祉法28条の関係
(大阪高決令1・5・27)……髙橋大輔
◆記 事◆

コロナ禍社会における法的諸問題(7)
 コロナの時代の憲法……棟居快行


現代型取引をめぐる裁判例(459)……升田 純


統治構造において司法権が果たすべき役割(10・完)
 違憲判断の効力と憲法判例の拘束力……野坂泰司


◆判決録細目◆

民 事

▽弁護士に対する懲戒請求が民族的出身に対する差別意識の発現ともいうべき行為であるなどとして、対象弁護士から懲戒請求者に対する不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例
(静岡地判令1・11・7)


▽認可外保育施設に預けられた幼児が同施設において熱中症で死亡した事案について、同施設を運営する法人及びその代表者並びに同施設の保育従事者等及び市に対する損害賠償請求訴訟において、施設側と市側の各過失を認めた事例
(宇都宮地判令2・6・3)


知的財産権

○指定商品を「対流形石油ストーブ」とし、「三つの略輪状の炎の立体的形状」を、石油ストーブの燃焼筒内の中心部の上方に付した位置商標の商標登録出願について、同商標は、商標法3条1項3号に該当し、商標法3条2項には該当しないと判断した事
(知財高判令2・2・12)


刑 事

○第1種少年院を仮退院した少年(当時15歳)に係る戻し収容申請事件において、20歳までである法定の収容期間を変更する趣旨ではない旨説示しつつ、主文において審判の日から1年間となる期間を明示して第1種少年院戻し収容とした原決定につき、重大な違法があり、収容期間を定めたかのような誤解を招く決定主文を審判において告知したとの誹りは免れないとし、これを取り消した事例
(福岡高決令1・9・13)


○相手方が使用する自動車にGPS機器を取り付け、位置情報を取得して相手方の動静を観察する行為は、ストーカー行為等の規制等に関する法律2条1項1号の「通常所在する場所の付近における見張り」には該当しないとした事例
(①福岡高判平30・9・20〈参考原審:福岡地判平30・3・12掲載〉、
 ②福岡高判平30・9・21〈参考原審:佐賀地判平30・1・22掲載〉)


▽1 運転中に低血糖症による意識障害に陥り、衝突事故を起こした事案につき、主位的訴因(危険運転致傷罪)を排斥し、予備的訴因(過失運転致傷罪)を認定した第1審判決が控訴審で破棄された差戻審の判断(①事件)
 2 前記と同様の事案につき、主位的訴因及び予備的訴因をいずれも排斥した事例(②事件)
(①大阪地判令1・5・22、②大阪地判令1・5・30)
◆記 事◆

コロナ禍社会における法的諸問題(6)
 コロナ禍と民事司法……園尾隆司


◆書 評◆

三木浩一=山本和彦=松下淳一=村田渉編
『民事裁判の法理と実践―加藤新太郎先生古稀祝賀論文集』
評者……伊藤 眞


◆判決録細目◆

民 事

◎強制執行の申立てをした債権者が債務者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において当該強制執行に要した費用のうち民事訴訟費用等に関する法律2条各号に掲げられた費目のものを損害として主張することの許否
(最三判令2・4・7)


○インターネット上のウェブサイトを運営するプラットフォーマーを被告として原告の逮捕歴を記載した当該ウェブサイト上の投稿記事の削除を請求した事案について、事実を公表されない法的利益が投稿記事を一般の閲覧に供し続ける理由に関する諸事情よりも優越することが明らかであるとはいえないとして、削除請求が棄却された事例
(東京高判令2・6・29〈参考原審:東京地判令1・10・11掲載〉)


▽2筆の土地にまたがって建てられた1棟のマンションについて、その専有部分の区分所有者がこれらの敷地のうちの1筆についてのみ借地権を有する場合に、借地権が設定されていない敷地の所有者が、当該区分所有者に対し、建物の区分所有等に関する法律10条に基づく区分所有権の売渡請求権を行使することができるとされた事例
(東京地判令1・12・11)


▽被告人毎に別々に起訴された共犯刑事事件につき、同一の弁護士が、同一の被害者参加人のために各事件の国選被害者参加弁護士に選定された場合であっても、各事件は、国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款の別紙として定められた報酬及び費用の算定基準5条1項の「同一の事件」に該当するということはできないから、別個に国選被害者参加弁護報酬を算定すべきであり、実際そのような算定によって弁護士が支払を受けた報酬は、民法703条の「法律上の原因」を欠くということはできないとした事例
(千葉地判令2・6・30)


▽破産者が自動車販売会社から購入した自動車の代金を立替払して破産者に対する立替金等債権を有していた信販会社が、契約上帰属清算が予定されている自動車に留保した所有権に基づいて破産者から自動車の引渡しを受けて、自動車を査定し、破産者に不足額を通知し、その後第三者に自動車を売却した場合において、破産者への不足額の通知が破産法162条1項の「債務の消滅に関する行為」に該当するとされた事例
(大阪地判令1・12・20)


刑 事

○1 公判前整理手続における1審弁護人の主張を被告人の主張が変遷したことを示す証拠として用いた1審裁判所の措置は、違法ないし著しく相当性を欠くが、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があるとはいえないとされた事例(①事件)
 2 火災の原因が被告人による放火か否かが争われた放火事件において、公判前整理手続の争点整理の結果や証明予定事実記載書に記載がなく、検察官が冒頭陳述や論告で述べなかった事実を根拠に被告人の放火行為を認定しても、被告人にとって不意打ちとなるものではなく、1審裁判所において争点を顕在化させるための釈明をすべき場合にも当たらないとされた事例(②事件)
(①大阪高判平25・3・13〈参考原審:神戸地判平24・7・20掲載〉、②東京高判平28・4・20)


▽1 森友学園等の理事長だった被告人X1とその業務を補佐していた被告人X2(X1の妻)に対し、被告人X1については、公訴事実どおり国、大阪府・市からの補助金詐欺及び詐欺未遂の各事実(実被害総額約1億7699万円)を認定した上で懲役5年に処し、被告人X2については、前記各事実のうち一部を認定した上で、懲役3年執行猶予5年に処した事例(求刑は各懲役7年)
 2 欺罔行為による補助金等の詐取については、詐欺罪(刑法246条1項)が成立し、補助金等不正受交付罪(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律29条1項)は成立しない
 3 検察官は、首相(当時)の妻と親しくしていた被告人両名を標的として起訴するために、被告人両名と共謀したとされる者を違法な司法取引をして協力させたとして、公訴棄却及び違法収集証拠排除を求めた弁護人の主張が排斥された事例
──森友学園補助金詐欺事件
(大阪地判令2・2・19)
◆記 事◆

会社法・金融法随想──立法事実からみる、近況・課題(6)
 金融・資本市場に関する法制(その1)……神田秀樹


◆判決録細目◆

行 政

◎固定資産評価基準により隣接する2筆以上の宅地を一画地として認定して画地計算法を適用する場合における各筆の評点数の算出方法
(最一判令2・3・19)


民 事

▽再転相続人による相続放棄に関し、被相続人の相続について相続人は相続放棄申述の熟慮期間を迎えないまま死亡したものであり、かつ、再転相続人による被相続人の相続についての相続放棄は熟慮期間内になされたものであると認められた事例
(東京地判令1・9・5)

▽県公安委員会がした運転免許取消処分について、同委員会が判断の基礎とした資料からは安全運転義務違反を認定できないとして、県の国家賠償責任が認められた事例
(さいたま地判令1・12・11)


知的財産権

○ヒトのアレルギー性眼疾患を処置するための点眼剤に係る発明について、当該発明には当該発明の構成が奏するものとして当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著な効果が認められるとして進歩性が認められた事例
(知財高判令2・6・17)


労 働

○嘱託契約(有期労働契約)の更新の申込みがあったとは認められないと判断した事例
(札幌高判令2・2・27)

▽公演出演のほか、音響照明、小道具等の業務に日々従事していた劇団員の労働基準法上の労働者該当性
(東京地判令1・9・4)


刑 事

○1 高等裁判所がした、控訴取下げを無効と認め控訴審訴訟手続を再開・続行する旨の決定に対して異議申立てをすることができると判断した事例
2 死刑判決を不服として弁護人が控訴した控訴審において、被告人が行った控訴取下げを無効であると認め、控訴審訴訟手続を再開・続行する旨の原決定を取り消し、原裁判所に差し戻した事例
(大阪高決令2・3・16)


判例評論

39 土地改良区が河川法23条の許可に基づいて取水した水が流れる水路への第三者の排水により当該水路の流水についての当該土地改良区の排他的管理権が侵害されたとした原審の判断に違法があるとされた事例
(最一判令1・7・18)……井上孝夫

40 高齢者の医療の確保に関する法律による後期高齢者医療給付を行った後期高齢者医療広域連合が当該後期高齢者医療給付により代位取得した不法行為に基づく損害賠償請求権に係る債務についての遅延損害金の起算日
(最二判令1・9・6)……白石友行

41 福島原発事件について、予見可能性がないとして東京電力幹部が無罪とされた事例──東電福島第一原発業務上過失致死傷事件
(東京地判令1・9・19)……川本哲郎

42 1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否
  2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで、それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを、その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持する場合に、当該写しにつき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否
(最三決平31・1・22)……林 昭一

43 暴力団組長であった被告人が、別件の死刑判決が確定した後に、15年以上前の殺人2件につき犯行告白をしたことで起訴された各殺人被告事件について、犯人性や共謀に関し、間接事実だけでは推認できず、被告人には死刑執行の引き延ばしのために虚偽自白をする動機があるなどとして自白の信用性も否定し、証拠全てを総合して検討しても犯人性や共謀を認定するには合理的な疑いが残ると判断して、無罪を言い渡した事例
(東京地判平30・12・13)……松田岳士
◆記 事◆

現代型取引をめぐる裁判例(458)……升田 純

コロナ禍社会における法的諸問題
 ⑷コロナ禍の中のニュースに接して……孝橋 宏
 ⑸自粛・補償・公表──インフォーマルな規制手法……小山 剛


◆第4回判例時報賞特別賞受賞論文◆

死後認知の訴えの出訴期間制限を定めた民法
 787条但書の憲法14条1項適合性について……近藤博徳

民事訴訟手続における制裁権限の淵源と限界についての緒論……古谷真良


◆判決録細目◆

行 政

○1 最高裁判所裁判官国民審査法が平成29年10月22日執行の国民審査において在外国民の審査権の行使を認めていなかったことと憲法15条1項並びに79条2項及び3項
2 在外国民に次回の最高裁判所の裁判官の任命に関する国民審査において審査権を行使させないことは違法であることの確認を求める訴えの適否
3 平成29年10月22日執行の国民審査の時点において、在外国民の審査権を認めていない最高裁判所裁判官国民審査法の違憲性が明白になっていたものということはできないとして、立法不作為を理由とする国家賠償請求が棄却された事例
──在外邦人国民審査権行使制限憲法適合性訴訟控訴審判決
(東京高判令2・6・25〈参考原審:東京地判令1・5・28本誌2420・35掲載〉)

民 事

◎被用者が使用者の事業の執行について第三者に加えた損害を賠償した場合における被用者の使用者に対する求償の可否──福山通運事件
(最二判令2・2・28)

○建物賃貸借契約における賃貸人の賃借人に対する敷金返還債務は、金銭債務であるが、相続人が分割承継するのではなく、相続により被相続人の賃貸人としての地位を承継した者が全部承継するとした事例
(大阪高判令1・12・26〈参考原審:大阪地判令1・7・31掲載〉)

▽法人の主催するキャンプ行事において、川遊びに参加した男児が溺死した事故につき、同法人のスタッフに注意義務違反があるとして、同法人に対する損害賠償請求を認容した事例
(佐賀地判令1・12・20)

▽遊園地内のゴーカート場で、カートに乗車して待機中の原告が、小学校高学年程度の児童が運転するカートに追突され、頸椎捻挫及び腰椎捻挫等の傷害を負った事故につき、遊園地を経営する被告に対して、事故防止のための措置を怠ったとして不法行為責任を認めた事例
(福岡地判令2・3・17)

労 働

◎歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払により労働基準法37条の定める割増賃金が支払われたとはいえないとされた事例
──国際自動車事件
(最一判令2・3・30)

▽1 各日の労働時間を裏付ける客観的資料が乏しい中、平均的な時間外労働が認定された事例
 2 割増賃金の未払に対する法人代表者の責任が否定された事例
(福岡地判令1・9・10)

◆最高裁判例要旨(2020(令2)年6・7月分)
おすすめの購読プラン

判例時報の内容

  • 出版社:判例時報社
  • 発行間隔:旬刊
  • 発売日:毎月1,11,21日
  • サイズ:B5
最新重要判例の全文を報道する法律専門誌
調査・判例入手に必読の資料。主要な最高裁判例及び重要な下級審判例の全文を掲載。判例の背景、要旨、意義等についての解説が付されている最も一般的な判例紹介誌。「最高裁判所民事(刑事)破棄判決等の実情」など最高裁判所調査官が最高裁判例を紹介・解説した記事が掲載されるほか、各種連載記事や論文も掲載されている。

判例時報の目次配信サービス

判例時報最新号の情報がメルマガで届く♪ メールアドレスを入力して登録(解除)ボタンを押してください。

※登録は無料です
※登録・解除は、各雑誌の商品ページからお願いします。/~\Fujisan.co.jpで既に定期購読をなさっているお客様は、マイページからも登録・解除及び宛先メールアドレスの変更手続きが可能です。
以下のプライバシーポリシーに同意の上、登録して下さい。

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

判例時報の所属カテゴリ一覧

Fujisanとは?

日本最大級雑誌の定期購読サービスを提供

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
マイページ
マイライブラリ
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.